JP2006225642A - 芳香族液晶ポリエステル及びそれから得られるフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】[1]重量平均分子量Mwが100000以上であって、繰り返し構造単位が、パラヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸に由来する繰り返し構造単位30〜80モル%と、4,4‘―ジヒドロキシビフェニルに由来する繰り返し構造単位35〜10モル%と、テレフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種のジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位35〜10モル%から実質的になることを特徴とする芳香族液晶ポリエステル。
[2]上記[1]の芳香族液晶ポリエステルを溶融押し出し成形してなることを特徴とする芳香族液晶ポリエステルフィルム。
【選択図】なし
Description
最近では、この電子部品分野などにおいて、フィルム状の芳香族ポリエステルが求められている。
そこで本発明者は、この要求に応え得るものとして、既に、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸に由来する繰り返し構造単位と、芳香族ジオールに由来する繰り返し構造単位と、芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位から実質的になる芳香族液晶ポリエステル(例えば、特許文献1参照)、パラヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸に由来する繰り返し構造単位と、4,4’−ジヒドロキシビフェニルに由来する繰り返し構造単位と、ナフタレンジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位から実質的になる芳香族液晶ポリエステル(例えば、特許文献2参照)等を提案している。
本発明の目的は、上記問題の解決、すなわち溶融押し出し成形において、安定的に連続フィルムを与える芳香族液晶ポリエステルを提供することにある。
[1]GPC法における重量平均分子量Mwが100000以上であって、繰り返し構造単位が、パラヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸及び4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸に由来する繰り返し構造単位30〜80モル%と、4,4‘―ジヒドロキシビフェニルに由来する繰り返し構造単位35〜10モル%と、テレフタル酸及び/又は2,6−ナフタレンジカルボン酸から選ばれるジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位35〜10モル%から実質的になることを特徴とする芳香族液晶ポリエステル。
[2]ヒドロキシカルボン酸が、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸であることを特徴とする上記[1]の芳香族液晶ポリエステル。
[3]ジカルボン酸が、2,6−ナフタレンジカルボン酸であることを特徴とする上記[1]又は[2]の芳香族液晶ポリエステル。
[4]GPC法における重量平均分子量Mwが140000以上である上記[1]〜[3]のいずれかに記載の芳香族液晶ポリエステル。
[5]上記[1]〜[4]の芳香族液晶ポリエステルを溶融押し出し成形してなることを特徴とする芳香族液晶ポリエステルフィルム。
[6]溶融押し出し成形が、インフレーション成形であることを特徴とする上記[5]の芳香族液晶ポリエステルフィルム。
[7]上記[5]、[6]の芳香族液晶ポリエステルフィルムと金属層とを有することを特徴とする積層体。
本発明の芳香族液晶ポリエステルは、溶融時に光学的異方性を示すサーモトロピック液晶ポリマーと呼称されるポリエステルであり、GPC法による重量平均分子量Mwが100000以上であって、繰り返し構造単位が、パラヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸、4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸に由来する繰り返し構造単位30〜80モル%と、4,4‘―ジヒドロキシビフェニルに由来する繰り返し構造単位35〜10モル%と、テレフタル酸および2,6−ナフタレンジカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種のジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位35〜10モル%から実質的になることを特徴とする。
重量平均分子量Mwは、通常、芳香族液晶ポリエステルを60〜80℃程度の温度範囲で、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノールに1mg/ml程度の濃度になるように溶解させ、下記の条件で求めるものである。
カラム :TSKgel GMHHR-M(S) 3本直列
(東ソー製、各13μm、7.8mmI.D.×30cm)
展開溶剤 :3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノール
流速 :500μl/min
温度 :80℃
なお、重量平均分子量Mw測定に係る汎用較正曲線(以下、ユニバーサル検量線と呼ぶ)は、分子量既知のポリスチレンを使用し、上記のGPC条件を用い、示差屈折率(RI)検出、粘度検出の双方の結果より作成することができる。続いて、液晶ポリエステルを同GPC条件で測定し、得られた溶出時間から、前記汎用較正曲線に基づいて算出することができる。このようなユニバーサル検量線は、文献(森定雄著、「サイズ排除クロマトグラフィー−高分子の高速液体クロマトグラフィー−」、67〜69頁、1991年、共立出版)に基づいて容易に作成できるものである。また、分子量既知のポリスチレンは、一般にGPC標準品として市販されているもの(例えば、東ソー株式会社製、昭和電工株式会社製等を挙げることができる)を使用することができる。
さらに、上記ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し構造単位は、置換基を有していても良く、その置換基としては例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基が挙げられる。
また、ジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位としては、テレフタル酸及び/又は2,6−ナフタレンジカルボン酸から選ばれるジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位であり、2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する構造単位を含むと、より好ましく、とりわけ、全てのジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位が2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する構造単位であると好ましい。
このように、ジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位が、2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来する構造単位であると、芳香族ポリエステルの熱安定性が、より向上し、一方、ジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位が、2,6−ナフタレンジカルボン酸に由来するジカルボン酸由来の繰り返し構造単位の一部をテレフタル酸に由来する繰り返し構造単位に置き換えると、得られる芳香族ポリエステルの加工温度が低下する。従って、より高耐熱性の芳香族ポリエステルフィルムを得るには、2,6−ナフタレンジカルボン酸由来の繰り返し構造単位を多くし、耐熱性を低下させても、より簡便に加工する要求には、テレフタル酸由来の繰り返し構造単位を含ませるとよい。耐熱性と加工性のバランスは、このようにジカルボン酸に由来の繰り返し構造単位によってコントロールすることができる。
また、上記のジカルボン酸に由来する繰返し構造単位は、置換基を有していても良く、その置換基としては例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基が挙げられる。
またアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等で代表される炭素数1〜10のアルキル基が挙げられ、アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等で代表される炭素数6〜20のアリール基が挙げられる。
その製造方法としては、例えば、上記のような繰り返し構造単位に対応するモノマーを用い、それらのうちの水酸基をアシル化した後、脱アシル化重縮合により溶融重縮合する、公知の方法により比較的低分子量の芳香族液晶ポリエステル(以下、「プレポリマー」と略記する)を得(特開2002−146003号公報参照)、次いでこのプレポリマーを粉末とし、加熱することにより固相重合する方法が好ましく、該固相重合における重合温度、重合時間を適宜コントロールして高分子量化させることにより所望の分子量を有する芳香族液晶ポリエステルを得ることができる。また、上記のヒドロキシカルボン酸に由来する繰り返し構造単位、4,4’−ジヒドロキシビフェニルに由来する繰り返し構造単位及びジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位、モル比はそれぞれ、繰り返し構造単位に対応するモノマーの仕込比率によって容易にコントロールすることができる。
固相重合における加熱は、通常昇温しながら行われ、例えば室温からプレポリマーの流動開始温度より20℃以上低い温度まで昇温させる。このときの昇温時間は、特に限定されるものではないが、反応時間の短縮といった観点から1時間以内で行うことが好ましい。また、プレポリマーの流動開始温度は、フローテスターを用い、予備的に求めておくことができる。
次いで、プレポリマーの流動開始温度より20℃以上低い温度から300〜315℃の温度まで、0.3℃/分以下の昇温速度で昇温させる。当該昇温速度は、好ましくは0.1〜0.15℃/分である。昇温速度が0.3℃/分以下であれば、前記粉末の粒子間のシンタリングが生じにくいため高分子量の芳香族液晶ポリエステルの製造が容易となるので好ましい。
このように、より高温で、より長時間保持することで高分子量化が進行するが、とりわけ、得られる芳香族液晶ポリエステルの熱安定性の観点から、320〜350℃で30分〜30時間保持させることが好ましく、320〜340℃で30分〜20時間保持させることがより好ましい。さらに反応途中のポリエステルをサンプリングし、GPC法で重量平均分子量Mwを確認しながら、反応時間を決定することもできる。また、反応温度、反応時間を振った、予備重合実験を行い、最終工程の重合条件を決定することもできる。
かくして、本発明の、GPC法による重量平均分子量Mwが100000以上である本発明の芳香族液晶ポリエステルを得ることができる。
本発明の芳香族液晶ポリエステルを成膜して、フィルム化するに当っては、溶融押出し成形法が採用される。その具体方法としては、例えば、芳香族液晶ポリエステルを押し出し機で溶融混練し、Tダイを通して押し出した溶融樹脂を巻き取り機の方向(長手方向)に延伸しながら巻き取って一軸配向フィルムを得る方法、後述の二軸延伸フィルムを得る方法、円筒形のダイから押し出した溶融体シートをインフレーション法で成膜してインフレーションフィルムを得る方法などが挙げられる。
とりわけ、工業的に生産性を向上させる観点から、インフレーション法が好ましい。
Tダイのスリット間隔は、通常0.1〜2mm程度であり、また一軸配向フィルムのドラフト比は、通常、1.1〜45程度の範囲である。ここでいうドラフト比とは、Tダイスリットの断面積を長手方向のフィルム断面積で除した値をいう。ドラフト比が1.1以上であると、フィルム強度が向上する傾向があり、ドラフト比が45以下であると、フィルムの表面平滑性に優れる傾向がある。ドラフト比は、押し出し機の設定条件、巻き取り速度などにより調整することができる。
二軸延伸方法としては、Tダイから押し出した溶融体シートを長手方向および長手方向と垂直方向(横手方向)に同時に延伸する方法、Tダイから押し出した溶融体シートをまず長手方向に延伸し、ついでこの延伸シートを同一工程内で100〜400℃の高温下でテンターより横手方向に延伸する逐次延伸の方法などが挙げられる。
二軸延伸フィルムの延伸比は、長手方向に1.1〜20倍、横手方向に1.1〜20倍の範囲であることが好ましい。延伸比が上記の範囲内であると、得られるフィルムの強度に優れ、均一な厚みのフィルムを得ることが容易になる。
ここで、ブローアップ比(最終チューブ径と初期径の比)は、通常、1.5〜10である。
MD延伸倍率は、通常、1.5〜40であり、この範囲内であると厚さが均一でしわのない高強度の芳香族液晶ポリエステルフィルムを得ることができる。
膨張延伸させたフィルムは、空冷または水冷させた後、ニップロールを通過させて引き取る。
またインフレーション成膜に際しては、芳香族液晶ポリエステルの組成に応じて、筒状の溶融体フィルムが均一な厚みで表面平滑な状態に膨張するような条件を選択することが好ましい。
ここで、本発明の芳香族液晶ポリエステルフィルムに金属層を積層する方法としては、
例えば、
(1)芳香族液晶ポリエステルフィルムを加熱圧着により金属箔に貼付する方法、
(2)芳香族液晶ポリエステルフィルムと金属箔とを接着剤により貼付する方法、
(3)芳香族液晶ポリエステルフィルムに金属層を蒸着により形成する方法
等が挙げられる。
また(2)の積層方法において使用される接着剤としては、例えば、ホットメルト接着剤、ポリウレタン接着剤などが挙げられる。中でもエポキシ基含有エチレン共重合体などが接着剤として好ましく使用される。
(3)の積層方法としては、例えば、イオンビームスパッタリング法、高周波スパッタリング法、直流マグネトロンスパッタリング法、グロー放電法などが挙げられる。中でも高周波スパッタリング法が好ましく使用される。
金属層を積層するに当り使用される金属としては、例えば、金、銀、銅、ニッケル、アルミニウムなどが挙げられる。タブテープ、プリント配線板用途では銅が好ましく、コンデンサー用途ではアルミニウムが好ましい。
添加剤としては、例えば、カップリング剤、沈降防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤などが挙げられる。
これらのフィラー、添加剤は通常押し出し機で、芳香族液晶ポリエステルを溶融混練する際に、併せて混合することで容易に、フィルムに含有させることができる。
また、このように他の熱可塑性樹脂又はエラストマーは、上記のフィラー、添加剤に係る方法と同様にして、フィルムに含有させることができる。
フローテスター〔島津製作所社製、「CFT−500型」〕を用いて試料量約2gを内径1mm、長さ10mmのダイスを取付けた毛細管型レオメーターに充填させる。9.8MPa(100kg/cm2)の荷重下において昇温速度4℃/分で芳香族ポリエステルをノズルから押出すときに、溶融粘度が4800Pa・s(48000ポイズ)を示す温度を流動開始温度とした。
試料10mgを入れたサンプル瓶に溶剤として3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノールを加えて濃度1mg/mlとし、内温60〜80℃における温度範囲において試料を溶解させる。試料溶解後、溶液を0.45μmフィルターにてろ過した。ろ過した試料についてGPC法により標準ポリスチレンを使用し、RI、粘度両検出器を用いて双方の結果よりユニバーサル検量線を作成し、重量平均分子量Mwを算出した。なお、GPC条件は下記のとおりである。
カラム :TSKgel GMHHR-M(S)(東ソー製、各13μm、
7.8mmI.D.×30cm) 3本直列
展開溶剤 :3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノール
流速 :500μl/min
温度 :80℃
芳香族ポリエステルの粉末を、一軸押し出し機(スクリュー径50mm)内で溶融し、その押し出し機先端のTダイ(リップ長さ300mm、リップクリアランス1mm、ダイ温度360℃)より、ドラフト比4の条件でフィルム状に押し出し、冷却して厚さ250μmの芳香族液晶ポリエステルフィルムを製造する。このフィルム加工工程で溶融状態の張力が優れ1時間以上連続的にフィルムが得られた場合は○、フィルムは得られたがフィルム加工時に溶融状態の張力が低いため連続的にフィルムが得られなかったものは△とした。
誘電率、誘電損失は、ヒューレットパッカード(株)製インピーダンス・マテリアルアナライザーにより測定した。
フィルムの耐発泡性(ブリスター)は、フィルムを280℃のH60Aハンダ(スズ60%、鉛40)に120秒浸漬し、発泡が見られない場合を○とした。
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却器を備えた反応器に2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 987.95g(5.25モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル 486.47g(2.612モル、0.237モル過剰)、2,6−ナフタレンジカルボン酸 513.45g(2.375モル)、無水酢酸 1174.04(11.5モル)および触媒として1−メチルイミダゾール 0.194gを添加し、室温で15分間攪拌した後、攪拌しながら昇温した。内温が145℃となったところで、
同温度を保持したまま1時間攪拌し、触媒である1−メチルイミダゾール 5.83gをさらに添加した。
この芳香族液晶ポリエステル粉末についてフローテスターを用いて、流動開始温度を測定したところ、273℃であった。
攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計および還流冷却器を備えた反応器に2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸 564.54g(3モル)、4,4’−ジヒドロキシビフェニル 279.32g(1.5モル)、2,6−ナフタレンジカルボン酸 324.49g(1.5モル)、無水酢酸 704.42(6.9モル)および触媒として1−メチルイミダゾール 0.117gを添加し、室温で15分間攪拌した後、攪拌しながら昇温した。内温が145℃となったところで、同温度を保持したまま1時間攪拌し、触媒である1−メチルイミダゾール 1.170gをさらに添加した。
次に、留出する副生酢酸、未反応の無水酢酸を留去しながら、145℃から310℃まで3時間かけて昇温した。同温度で2時間30分保温して芳香族液晶ポリエステルを得た。得られた芳香族液晶ポリエステルを室温に冷却し、粉砕機で粉砕して、粒子径が約0.1〜1mmの芳香族液晶ポリエステルの粉末を得た。
合成例1で得られた粉末を25℃から250℃まで1時間かけて昇温したのち、同温度から310℃まで10時間かけて昇温後、同温度で4時間保温した。次いで310℃から345℃まで10時間かけて昇温後、同温度で12時間保温し固相重合させた。その後、固相重合した後の粉末を冷却し、冷却後の芳香族液晶ポリエステル粉末をフローテスターを用いて、流動開始温度を測定したところ、372℃であった。このもののフィルム加工性評価結果、得られたフィルムの物性評価結果を表1に示した。
実施例1において、310℃から345℃まで10時間かけて昇温後、同温度で12時間保温する代わりに、310℃から335℃まで10時間かけて昇温後、同温度で12時間保温する以外は、合成例1に準拠して芳香族液晶ポリエステル粉末を得た。流動開始温度は、365℃であった。このもののフィルム加工性評価結果、得られたフィルムの物性評価結果を表1に示した。
実施例1において、310℃から345℃まで10時間かけて昇温後、同温度で12時間保温する代わりに、310℃から330℃まで10時間かけて昇温後、同温度で12時間保温する以外は、合成例1に準拠して芳香族液晶ポリエステル粉末を得た。流動開始温度は、357℃であった。このもののフィルム加工性評価結果、得られたフィルムの物性評価結果を表1に示した。
合成例1で得られた粉末を25℃から250℃まで1時間かけて昇温したのち、同温度から325℃まで10時間かけて昇温し、次いで同温度で12時間保温して固相重合させた。その後、固相重合した後の粉末を冷却し、芳香族液晶ポリエステル粉末を得た。流動開始温度は349℃であった。このもののフィルム加工性評価結果、得られたフィルムの物性評価結果を表1に示した。
合成例2で得られた粉末を25℃から250℃まで1時間かけて昇温したのち、同温度から320℃まで8時間かけて昇温し、次いで同温度で5時間保温して固相重合させた。その後、固相重合した後の粉末を冷却し、芳香族液晶ポリエステル粉末を得た。流動開始温度は、326℃であった。このもののフィルム加工性評価結果、得られたフィルムの物性評価結果を表1に示した。
Claims (7)
- GPC法における重量平均分子量Mwが100000以上であって、繰り返し構造単位が、パラヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸及び4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種のヒドロキシカルボン酸に由来する繰り返し構造単位30〜80モル%と、4,4’―ジヒドロキシビフェニルに由来する繰り返し構造単位35〜10モル%と、テレフタル酸及び/又は2,6−ナフタレンジカルボン酸から選ばれるジカルボン酸に由来する繰り返し構造単位35〜10モル%から実質的になることを特徴とする芳香族液晶ポリエステル。
- ヒドロキシカルボン酸が、2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸であることを特徴とする請求項1記載の芳香族液晶ポリエステル。
- ジカルボン酸が、2,6−ナフタレンジカルボン酸であることを特徴とする請求項1又は2記載の芳香族液晶ポリエステル。
- GPC法における重量平均分子量Mwが140000以上である請求項1〜3のいずれかに記載の芳香族液晶ポリエステル。
- 請求項1〜4いずれかに記載の芳香族液晶ポリエステルを溶融押し出し成形してなることを特徴とする芳香族液晶ポリエステルフィルム。
- 溶融押し出し成形が、インフレーション成形であることを特徴とする請求項5記載の芳香族液晶ポリエステルフィルム。
- 請求項5又は6に記載の芳香族液晶ポリエステルフィルムと金属層とを有することを特徴とする積層体。
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