JP2006225486A - 内部に空隙を有する微粒子の製造方法 - Google Patents

内部に空隙を有する微粒子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006225486A
JP2006225486A JP2005039849A JP2005039849A JP2006225486A JP 2006225486 A JP2006225486 A JP 2006225486A JP 2005039849 A JP2005039849 A JP 2005039849A JP 2005039849 A JP2005039849 A JP 2005039849A JP 2006225486 A JP2006225486 A JP 2006225486A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fine particles
temperature
monomer
nonionic surfactant
cloud point
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005039849A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayoshi Okubo
政芳 大久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe University NUC
Original Assignee
Kobe University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe University NUC filed Critical Kobe University NUC
Priority to JP2005039849A priority Critical patent/JP2006225486A/ja
Publication of JP2006225486A publication Critical patent/JP2006225486A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

【課題】内部に空隙を有する微粒子を簡単に製造できる方法を提供する。
【解決手段】 内部に空隙を有する微粒子を製造する方法であり、
非イオン性界面活性剤の水溶液中で、この非イオン性界面活性剤の曇点マイナス30℃の温度以上においてモノマーを乳化重合させる第1工程と、第1工程において得られる微粒子のガラス転移温度以上の温度で重合を完了させる第2工程と、得られる重合体微粒子を乾燥する第3工程とを含む方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば紙に添加される隠蔽材として使用される、内部に空隙を有する微粒子の製造方法に関する。
従来、紙の不透明度、白色度、光沢を向上させるために、内部に多数の孔を有する微粒子が隠蔽材として使用されている。
例えば、特開昭56−32513号公報は、乳化重合により不飽和カルボン酸を共重合させてシード粒子を作製した後、この粒子表面をエチレン性不飽和モノマーを用いてカバー重合し、重合後に粒子をアンモニアのような揮発性アルカリを用いてカルボン酸をイオン化し粒子を膨潤させることにより内部に多数の孔が形成された微粒子を製造する方法を開示している。
しかし、この方法は、工程数が多く煩雑である。
また、特許文献1は、アクリル酸のようなカルボキシル基含有モノマーと、スチレンような異種モノマーとを用いて乳化重合により共重合体微粒子を作製した後、カルボキシル基をアルカリでイオン化して水中で膨潤させた後、酸処理することにより、内部に多数の孔を有する微粒子を製造する方法を開示している。
しかし、特許文献1の方法は、微粒子作製後に、アルカリ処理及び酸処理という2段階の後処理を必要とし、煩雑である。
特公平7−21011号公報
本発明は、内部に空隙を有する微粒子を簡単に製造することができる方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために本発明者らは研究を重ね、以下の知見を得た。
(i) 非イオン性界面活性剤の水溶液中でモノマーを乳化重合させて微粒子を製造する方法において、先ず、この非イオン性界面活性剤の曇点マイナス30℃の温度以上の温度下でモノマーを重合させることにより、非イオン性界面活性剤を吸蔵したモノマー含有部分重合体からなる微粒子を生成し(第1工程)、次いで、この微粒子を構成するモノマー含有部分重合体のガラス転移温度以上の温度で重合を完了させることにより(第2工程)、内部に水が取り込まれた重合体微粒子が得られる。最後に、この微粒子を乾燥させて内部の水を除去することにより(第3工程)、内部に空隙を有する微粒子が得られる。
(ii) 第1工程において重合を完了させることもでき、この場合は、第2工程でこの微粒子を構成する重合体のガラス転移温度以上の温度で熟成させればよい。
(iii) 第1工程において、反応系の温度を、非イオン性界面活性剤の曇点マイナス30℃以上、かつ曇点以下の温度にする場合は、界面活性剤の親水性がやや大きい状態になるため、乳化重合と並行して、微粒子中に水が大量に吸収される。次いで、モノマー部分重合体のガラス転移温度以上の温度で重合を完了させ、乾燥することにより、内部に空隙を有する微粒子が得られる。
(iv) また、第1工程において、反応系の温度を、非イオン性界面活性剤の曇点以上の温度にすることもでき、この場合は、界面活性剤の親水性が低下した状態になるため、微粒子への水の吸収量は少ないが、水が微少なドメインとして分散したモノマー部分重合体微粒子が得られる。第2工程において、この微粒子を構成するモノマー含有部分重合体のガラス転移温度以上の温度で重合を完了させることにより、微粒子内で水の微少なドメインが合一する。さらに、水を乾燥、除去することにより、内部に空隙を有する微粒子が得られる。
(v) (iv)で述べたように、第1工程において、反応系の温度を非イオン性界面活性剤の曇点以上の温度にする場合は、モノマーの重合と並行して若干の水も微粒子中に取り込まれるが、第2工程での反応系の温度を、この微粒子の構成材料のガラス転移温度以上で、かつ非イオン性界面活性剤の曇点以下の温度にすることにより、第2工程で水が比較的大量に微粒子内に取り込まれて、(iii)の場合より、空隙率の大きい微粒子となる。
(vi) 第2工程で、反応系の温度を微粒子構成材料のガラス転移温度以上にするには、反応系の温度を上昇させる他、反応系にモノマーを添加して微粒子中に吸収させることによりそのガラス転移温度の方を低下させることもできる。また、反応系に、微粒子構成材料に対する良溶媒を添加して微粒子中に吸収させることによりそのガラス転移温度を低下させることもできる。
本発明は上記知見に基づき完成されたものであり、以下の製造方法を提供する。
項1. 内部に空隙を有する微粒子を製造する方法であり、
非イオン性界面活性剤の水溶液中で、この非イオン性界面活性剤の曇点マイナス30℃の温度以上においてモノマーを乳化重合させる第1工程と、
第1工程において得られる微粒子のガラス転移温度以上の温度で重合を完了させる第2工程と
得られる重合体微粒子を乾燥する第3工程と
を含む方法。
項2. 第1工程において、非イオン性界面活性剤の曇点マイナス30℃の温度以上、曇点以下の温度でモノマーを乳化重合させる項1に記載の方法。
項3. 第1工程において、非イオン性界面活性剤の曇点以上の温度でモノマーを乳化重合させる項1に記載の方法。
項4. 第2工程において、第1工程で得られた微粒子のガラス転移温度以上、非イオン性界面活性剤の曇点以下の温度で重合を完了させる項1、2、又は3に記載の方法。
項5. 第2工程において、上記モノマーを反応系に添加して微粒子に吸収させることにより、反応系の温度を第1工程で得られた微粒子のガラス転移温度以上にする項1〜4のいずれかに記載の方法。
項6. 第2工程において、第1工程で得られた微粒子材料に対する良溶媒を反応系に添加して微粒子に吸収させることにより、反応系の温度をこの微粒子のガラス転移温度以上にする項1〜4のいずれかに記載の方法。
項7. 第2工程において、反応系の温度を低下させることにより、反応系の温度を第1工程で得られた微粒子のガラス転移温度以上、界面活性剤の曇点以下にする項4に記載の方法。
項8. 第2工程において、低温分解型重合開始剤を添加する項7に記載の方法。
項9. モノマーとして、単官能性モノマーを使用する項1〜8のいずれかに記載の方法。
項10. 非イオン性界面活性剤の使用量を、モノマーに対して3〜30重量%とする項1〜9のいずれかに記載の方法。
項11. 非イオン性界面活性剤として、曇点が20〜90℃のものを使用する項1〜10のいずれかに記載の方法。
項12. 内部に空隙を有する微粒子を製造する方法であり、
非イオン性界面活性剤の水溶液中で、この非イオン性界面活性剤の曇点マイナス30℃の温度以上、曇点以下の温度においてモノマーを乳化重合させる第1工程と、
第1工程において得られる微粒子のガラス転移温度以上の温度で重合を完了させる第2工程と
得られる重合体微粒子を乾燥する第3工程と
を含む方法。
項13. 内部に空隙を有する微粒子を製造する方法であり、
非イオン性界面活性剤の水溶液中で、この非イオン性界面活性剤の曇点以上の温度においてモノマーを乳化重合させる第1工程と、
第1工程において得られる微粒子のガラス転移温度以上の温度で重合を完了させる第2工程と
得られる重合体微粒子を乾燥する第3工程と
を含む方法。
項14. 内部に空隙を有する微粒子を製造する方法であり、
非イオン性界面活性剤の水溶液中で、この非イオン性界面活性剤の曇点以上の温度においてモノマーを乳化重合させる第1工程と、
第1工程において得られる微粒子のガラス転移温度以上、界面活性剤の曇点以下の温度で重合を完了させる第2工程と
得られる重合体微粒子を乾燥する第3工程と
を含む方法。
本発明方法によれば、反応系の温度を変化させたり、反応系にモノマーや溶媒を添加するという極めて簡単な方法で内部に空隙を有する微粒子を製造することができる。
また従来の方法では、カルボキシル基を利用して微粒子内部に水を導入して空隙を形成するため、カルボキシル基を有する高価なモノマーを使用しなければならい。これに対して本発明方法では、非イオン性界面活性剤の特性を利用して微粒子内部に水を導入するため、モノマーの種類が限定されない。従って、微粒子の具体的用途に応じてモノマーの種類を広範囲から選ぶことができる。また安価なモノマーを用いて微粒子を製造することもできる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の方法は、内部に空隙を有する微粒子を製造する方法であり、
非イオン性界面活性剤の水溶液中で、この非イオン性界面活性剤の曇点マイナス30℃の温度以上においてモノマーを乳化重合させる第1工程と;第1工程において得られる微粒子のガラス転移温度以上の温度で重合を完了させる第2工程と;得られる重合体微粒子を乾燥する第3工程とを含む方法である。
モノマー
モノマーとしては、単官能性モノマーを使用すればよく、公知の単官能性モノマーを制限なく使用できる。このような公知の単官能性モノマーとして、例えば、モノビニル芳香族単量体、アクリル系単量体、ビニルエステル系単量体、ビニルエーテル系単量体、モノオレフィン系単量体、ハロゲン化オレフィン系単量体、ジオレフィン等が挙げられる。中でもモノビニル芳香族系単量体が好ましい。
上記モノビニル芳香族単量体としては、下記一般式(1)で表されるモノビニル芳香族炭化水素、低級(炭素数1〜4)アルキル基で置換されていてもよいビニルビフェニル、低級(炭素数1〜4)アルキル基で置換されていてもよいビニルナフタレン等が挙げられる。
Figure 2006225486
[式中、R1は、水素原子、低級(炭素数1〜4)アルキル基又はハロゲン原子であり、R2は、水素原子、低級(炭素数1〜4)アルキル基、ハロゲン原子、−SO3Na基、低級(炭素数1〜4)アルコキシ基、アミノ基又はカルボキシル基を示す。]
上記一般式(1)において、R1は、水素原子、メチル基又は塩素原子が好ましく、R2は、水素原子、塩素原子、メチル基又は−SO3Na基であるのが好ましい。
上記一般式(1)で示されるモノビニル芳香族炭化水素の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、スチレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
更に、低級アルキル基で置換されていてもよいビニルビフェニル、低級アルキル基で置換されていてもよいビニルナフタレンとしては、ビニルビフェニル、メチル基、エチル基等の低級アルキル基で置換されているビニルビフェニル、ビニルナフタレン、メチル基、エチル基等の低級アルキル基で置換されているビニルナフタレン等を例示できる。
また、上記アクリル系単量体としては、下記の一般式(2)で表されるアクリル系単量体が挙げられる。
Figure 2006225486
[式中、R3は、水素原子又は低級(炭素数1〜4)アルキル基を示し、R4は、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、低級(炭素数1〜4)アミノアルキル基又はジ(C1-C4アルキル)アミノ−(C1-C4)アルキル基を示す。]
一般式(2)において、R3は、水素原子又はメチル基であるのが好ましく、R4は、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基、低級(炭素数1〜4)ヒドロキシアルキル基、低級(炭素数1〜4)アミノアルキル基が好ましい。
上記アクリル系単量体の具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸γ−ヒドロキシブチル、アクリル酸δ−ヒドロキシブチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸γ−アミノプロピル、アクリル酸γ−N,N−ジエチルアミノプロピル等が挙げられる。
上記ビニルエステル系単量体としては、下記の一般式(3)で表されるものが挙げられる。
Figure 2006225486
[式中、R5は水素原子又は低級(炭素数1〜4)アルキル基を示す。]
上記ビニルエステル系単量体の具体例としては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等が挙げられる。
上記ビニルエーテル系単量体としては、下記の一般式(4)で表されるビニルエーテル系単量体が挙げられる。
Figure 2006225486
[R6は、炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基又はシクロヘキシル基を示す。]
上記ビニルエーテル系単量体の具体例としては、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルn−ブチルエーテル、ビニルフェニルエーテル、ビニルシクロヘキシルエーテル等が挙げられる。
上記モノオレフィン系単量体としては、下記の一般式(5)で表されるものが挙げられる。
Figure 2006225486
[式中、R7及びR8は、水素原子又は低級(炭素数1〜4)アルキル基であり、それぞれ異なっていても同一でもよい。]
上記モノオレフィン系単量体の具体例としては、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1等が挙げられる。
上記ハロゲン化オレフィン系単量体としては、例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデンを挙げることができる。
さらに、ジオレフィン類である、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等も単官能性単量体に含めることができる。
モノマーは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
非イオン性界面活性剤
非イオン性界面活性剤の種類は特に限定されず、公知のものを制限無く使用できる。このような公知の非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル,ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルチオエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミドのようなポリオキシエチレン系界面活性剤;ポリエチレンイミン;ソルビタンアルキルエステル;グリセリン又はポリグリセリンと油脂、脂肪酸、樹脂酸、又はナフテン酸とのエステル、グリコールエステル、ペンタエリスリットエステル、サッカロースエステルのような多価アルコールと脂肪酸とのエステル;脂肪酸エタノールアミド、メチロールアミド、オキシメチルエタノールアミド、脂肪酸エタノールアミド誘導体のようなアミド型界面活性剤などが挙げられる。
非イオン性界面活性剤は、本発明で定義する曇点が、20〜90℃程度であるものが好ましい。20〜50℃程度の場合には第1工程の温度が界面活性剤の曇点以上となる条件をつくりやすく,非イオン性界面活性剤は親水性が低下しているものの重合中に粒子内部に吸収される量が大幅に大きくなるので,結果として粒子内部への水の吸収が起こる。一方,50〜90℃程度の場合には、界面活性剤の曇点と第1工程の温度との差が小さくなり,粒子に吸収される非イオン性界面活性剤量は少なくなるもののその親水性が増大することにより粒子内部への水の吸収が容易になる。
このような非イオン性界面活性剤の具体例としては、エチレンオキサイド数が7〜40程度で,HLB値が12〜18程度のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどが挙げられる。
非イオン性界面活性剤は1種を単独で、又は2種以上を混合して使用できる。
なお、本発明方法においては、モノマー及び開始剤の水中での分散を助けるために、補助的に他の界面活性剤を1種又は2種以上使用することもできる。補助的な界面活性剤は、高分子界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤のいずれであってもよい。
開始剤
乳化重合の開始剤は、特に限定されず公知の水溶性開始剤を制限なく使用できる。このような開始剤としては、例えば、アゾ系化合物、過硫酸塩、過酸化物系化合物、過硫酸塩又は過酸化物と還元剤とを組み合わせたレドックス開始剤などが挙げられる。より具体的には、例えば、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4−ジメチルバレロニトリル,過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素;あるいはそれらの過酸化物と硫酸第一鉄,アスコルビン酸ナトリウム,還元スルホキシ化合物などの還元剤との組み合わせなどが挙げられる。なお,通常は水溶性開始剤を用いるが,疎水性のアゾ系化合物及び過酸化物系化合物の使用を排除するものではない。
開始剤は1種を単独で、又は2種以上を混合して使用できる。
第1工程
第1工程においては、非イオン性界面活性剤の水溶液中に、モノマー及び開始剤を添加して、例えばホモジナイザー等を用いて攪拌することにより、水中でモノマーを部分的に重合させる。これにより、モノマーの部分重合体からなる微粒子が形成される。また、モノマーを完全に重合させて重合体からなる微粒子を形成してもよい。
このとき、反応系の温度は、この非イオン性界面活性剤の曇点マイナス30℃以上、好ましくは曇点マイナス20℃以上、さらに好ましくは曇点マイナス10℃以上の温度とすればよい。上記温度範囲にすることにより、非イオン性界面活性剤の乳化剤としての機能を維持して微粒子を形成することができるとともに、非イオン性界面活性剤の親水性が低下して微粒子内部に非イオン性界面活性剤が効果的に取り込まれる。非イオン性界面活性剤の微粒子内への取り込みは、微粒子内への水の吸収に必要である。
本発明における非イオン性界面活性剤の曇点は、通常行われているように界面活性剤をイオン交換水に濃度が1%になるように溶解させ、その溶液を室温から1℃/分の速度で昇温させ、波長550 nmの光透過率が90%以下になる温度とする。
界面活性剤の曇点は、水溶液中に溶解しているモノマーや電解質物質である開始剤の存在により影響を受けるため、正しくはモノマー、開始剤、及び当該非イオン性界面活性剤を含む実際の反応系中で測定されるべきである。しかし、実際の重合反応系に応じた条件で測定した場合、測定中に開始剤が熱分解し、乳化重合が開始されて系が白濁化するので、曇点の測定ができなくなる。また、反応系中に存在する各成分とその量によって曇点が異なってくるため、本発明では上記の測定条件で測定した値とする。
第1工程での反応系の温度は、非イオン性界面活性剤の曇点マイナス30℃の温度以上、かつ曇点以下であることが好ましく、この場合、界面活性剤の親水性が低くなり過ぎず、第1工程で、微粒子が形成されつつ、界面活性剤の水和水として微粒子中に水が取り込まれる。
また、第1工程での反応系の温度は、非イオン性界面活性剤の曇点以上の温度であってもよい。この場合は、非イオン性界面活性剤の親水性が低くなるが、若干の水が微粒子中に取り込まれ、第1工程で、水の微少なドメインが分散した微粒子が得られる。
非イオン性界面活性剤の使用量は、その種類やモノマーの種類などによって異なるが、モノマーに対して3〜30重量%程度が好ましく、5〜20重量%程度がより好ましい。モノマーに対する界面活性剤使用量が上記範囲であれば、安定に乳化重合を行うことができるとともに、最終的に得られる微粒子の物性が損なわれることがない。
また、開始剤の使用量は、モノマーに対して0.1〜15重量%程度が好ましく、0.5〜10重量%程度がより好ましい。モノマーに対する開始剤の使用量が上記範囲であれば、実用的な時間内に乳化重合を完結させることができるとともに、重合系に凝集物が発生する恐れがない。
第2工程
第1工程では、重合の進行に伴いモノマー含有部分重合体粒子中のモノマー濃度が減少し、そのガラス転移温度(以下、「Tg」ということもある)が上昇する。
第2工程では、微粒子を構成するモノマー部分重合物のTg以上の温度で重合を完了させる。反応系の温度がTg以上であることにより、重合が効率良く進行する。また、第1工程で重合が完了している場合は、重合物のTg以上の温度で微粒子を熟成させればよい。
第2工程での反応系の温度の上限は特に限定されないが、Tgプラス20℃程度とすればよい。これは、界面活性剤を微粒子から流出させず、また過剰な水ドメインの合一により最終的に微粒子から空隙が消失するのを防止するためである
第1工程での反応系の温度が界面活性剤の曇点マイナス30℃の温度以上、かつ曇点以下である場合は、第1工程で微粒子中に水が吸収されているため、第2工程での反応系の温度は、微粒子構成材料のTg以上であればよく、特に限定されない。
第1工程での反応系の温度が界面活性剤の曇点以上である場合は、第2工程を、モノマー部分重合物又は重合物のTg以上で、かつ界面活性剤の曇点以下の温度で行うことが好ましく、これにより、第2工程で微粒子内に非イオン性界面活性剤の水和水として水が吸収される。
また第1工程での反応系の温度が界面活性剤の曇点以上である場合に、第2工程を、モノマー部分重合物又は重合物のTg以上の温度で行うこともできる。この場合は、第1工程で微粒子内に形成された水の微少なドメインが合一してある程度大きい水ドメインが形成される。水の吸収量によっては単一の水ドメインとなる場合もあり、最終的に単一孔を有する中空微粒子が得られる。
通常、高分子のガラス転移温度は乾燥状態において各種の方法により測定されている。一般的に、低分子の水、有機溶剤、モノマーを高分子が含有する場合には、可塑化されてガラス転移温度は低下する。本発明では、水に分散し、しかもモノマー(あるいはさらに有機溶媒)を含有している部分重合体粒子のガラス転移温度が重要であるので、本発明のガラス転移温度は、第2工程での水中に分散した状態にあるモノマー(あるいはさらに有機溶媒)を含有する部分重合体粒子のガラス転移温度をいう。そのようなガラス転移温度は例えば断熱型熱補償示差操作熱量計(Nano-DSC,Calorimetry Sciences社)を用い、対象となる部分重合体水分散体をサンプルとして1℃/分の昇温温度で測定することができる(参考資料:Colloid Polymer Science誌,282巻,1150頁,2004年)。
第2工程の反応系の温度を微粒子構成材料のTg以上にするためには、反応系の温度を上昇させればよい。
また、反応系にモノマーを加えて微粒子に吸収させ、モノマー部分重合物又は重合物のTgを低下させることによっても、反応系の温度を微粒子構成材料のTg以上にすることができる。
さらに、反応系に溶媒を加えて微粒子に吸収させ、モノマー部分重合物又は重合物のTgを低下させることによっても、反応系の温度を微粒子構成材料のTg以上にすることができる。溶媒は、モノマーの部分重合体又は重合物に対する良溶媒を用いればよいが、水に対する溶解度が5%以下の溶媒であることが好ましい。このような溶媒は、分散液に添加すれば、微粒子中に効果的に吸収される。このような溶媒として、例えば、トルエンが挙げられる。溶媒の使用量は、反応系の温度を微粒子構成材料のTg以上にすることができる量であればよいが、モノマー部分重合体(反応開始時のモノマー)に対して重量比で1.5倍以下とすることが好ましい。上記の溶媒使用量であれば、界面活性剤が微粒子から流出してしまわず、また水ドメインの過剰な合一が起こらない。
また、第2工程の反応系の温度を微粒子構成材料のTg以上、かつ界面活性剤の曇点以下にするためには、反応系の温度を低下させればよい。反応系の温度を低下させると、開始剤の種類によっては、開始剤の機能が低下する場合がある。この場合は、低温分解型の開始剤を追加することが望ましい。低温分解型の開始剤としては、例えば2,2'−アゾビス(4-メトキシ-2,4−ジメチルバレロニトリル(和光純薬(株)製,V-70)などが挙げられる。
前述したように、第1工程で一旦モノマーの重合を完了させて重合体微粒子を形成し、第2工程で、反応系の温度上昇、モノマー又は/及び溶媒の添加により、反応系の温度を微粒子構成材料のTg以上にすることも、本発明の範囲に含まれる。
第3工程
第3工程においては、通常、ろ過などの方法で反応系から微粒子を分離した後、微粒子を乾燥させる。例えば、室温〜100℃程度、圧力10〜10Pa程度の条件で乾燥すればよい。また、自然蒸発、噴霧乾燥,減圧処理、やシリカゲルのような乾燥剤によって乾燥してもよい。
これにより、微粒子内に導入された水が除去されて、そこに空隙が形成される。
得られる微粒子は、表面には実質的に孔を有さず、内部に単一又は複数の空隙を有するものである。また微粒子の平均粒径は、概ね0.1〜0.7μm程度である。界面活性剤の種類とその濃度,第1工程及び第2工程の温度などを調節することにより粒径を調整することができる。また、微粒子の空隙率は、概ね20〜70%程度である。空隙率は、界面活性剤の種類及び使用量、モノマーの種類、第1工程及び第2工程での反応温度などを調節することにより調整できる。
実施例
以下、本発明を実施例を示してより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
<非イオン性界面活性剤の曇点測定>
非イオン性界面活性剤の曇点は、界面活性剤をイオン交換水に濃度が1%になるように溶解させ、その溶液を室温から1℃/分の速度で昇温させ、波長550 nmの光透過率が90%以下になる温度とした。
<モノマーの部分重合体のガラス転移温度の測定>
断熱型熱補償示差操作熱量計(Nano-DSC,Calorimetry Sciences社)を用い、対象となる部分重合体又は重合体の水分散体をサンプルとして1℃/分の昇温温度で測定した。
非イオン性界面活性剤であるエマルゲン911(花王社製)(曇点:74℃)を0.4g,スチレン4g,過硫酸カリウム0.32g,イオン交換水140gを還流器を備えた三口のセパラブルフラスコに入れ,窒素ガス気流下240rpmで攪拌をしながら70℃で24時間反応させた。
その後,反応系を30℃に冷却し,1gのスチレンを添加して攪拌し,粒子中に吸収させた。これにより、モノマー部分重合体のTgは30℃以下となった。次いで、水20gに溶解させた過硫酸カリウム0.05g,塩化第二銅0.01g,チオ硫酸ナトリウム0.02gを加え,30℃で重合を完結させた。
生成した重合体粒子を透過型電子顕微鏡写真で観察したところ,エマルゲン911を0.4g用いた場合は、図1のように粒子径530nmの比較的大きさの揃った粒子内部に多数の中空部に由来すると考えられるコントラスト差が観察された。また、粒子の超薄切片の透過型電子顕微鏡観察より中空構造の存在が実際に観察された。なお,この粒子を走査型電子顕微鏡で観察したところ,粒子表面は平滑であった。
実施例1においてエマルゲン911量を0.2gに変更した他は、同様にして微粒子を作製した。実施例1と同様に安定なポリスチレンエマルションが作製され,粒子径が500 nmの大きさの比較的揃った,実施例1の図1よりも少し粒子内部の中空部数が少ない多中空粒子が生成した。
比較例1
非イオン性界面活性剤を実質的に使用しない場合
実施例1においてエマルゲン911量を0.04gに変更した他は、同様にして微粒子を作製した。生成粒子は粒子径が528 nmの大きさの揃ったものであった,実施例1,2と同様の条件で電子顕微鏡観察を行ったが,図1のような多中空構造は全く認められなかった。
比較例2
非イオン性界面活性剤の使用量が多すぎる場合
実施例1においてエマルゲン911量を2gに変更した他は実施例1と同様にして微粒子を作製した。重合中の分散液は泡立ちが激しく,大きさの不揃いな高分子微粒子が生成した。遠心洗浄を繰り返して水相中のフリーの界面活性剤を出来るだけ取り除いた後に微粒子を透過型電子顕微鏡観察したところ,中空構造の生成は認められたが,微小な粒子の付着が顕著であった。
比較例3
第2工程を行わない場合
エマルゲン911を0.4g,スチレン4g,過硫酸カリウム0.32g,イオン交換水140gを還流器を備えた三口のセパラブルフラスコに入れ,窒素ガス気流下240rpmで攪拌をしながら70℃で24時間反応させて重合を完結した。生成粒子を透過型電子顕微鏡観察したが,中空構造は観察されなかった。
比較例4
第2工程での反応系の温度がTgより低い場合
エマルゲン911を0.4g,スチレン4g,過硫酸カリウム0.32g,イオン交換水140gを還流器を備えた三口のセパラブルフラスコに入れ,窒素ガス気流下240rpmで攪拌をしながら70℃で24時間反応させた。
その後,0.5gのスチレンを添加して攪拌し,粒子中に吸収させた。これにより、モノマー部分重合体のTgは約45℃となった。次いで,水20gに溶解させた過硫酸カリウム50mg,塩化第二銅10mg,チオ硫酸ナトリウム20mgを加え,30℃で重合を続けて完結させた。
生成した重合体粒子を透過型電子顕微鏡写真で観察したところ,中空構造の形成は認められなかった。
エマルゲン911を0.4g,スチレン4g,過硫酸カリウム0.20g,イオン交換水140gを還流器を備えた三口のセパラブルフラスコに入れ,窒素ガス気流下120rpmで攪拌をしながら70℃で3時間反応させた。
これによりモノマー部分重合体のTgは10℃以下となった。その後,反応系を30℃に冷却した後,水20gに溶解させた過硫酸カリウム50mg,塩化第二銅10mg,チオ硫酸ナトリウム20mgを加え,30℃で重合を続けて完結させた。
生成した重合体粒子は粒子径約380nmの比較的大きさの揃ったであり,図1と同様に多中空構造を有した。
後述する各種の界面活性剤0.04g,スチレン0.4g,過硫酸カリウム0.032g,イオン交換水14gをガラス試験管に入れ,窒素ガス置換後封管し,振とう攪拌をしながら70℃で24時間反応させた。
開管して別のガラス試験管に移し,0.15gのスチレンを添加して攪拌し,粒子中に吸収させた。これによりモノマー部分重合体のTgは10℃以下となった。その後,反応系の温度を30℃に冷却し,水2gに溶解させた過硫酸カリウム5mg,塩化第二銅1mg,チオ硫酸ナトリウム2mgを加え,窒素ガス置換後封管30℃で重合を続けて完結させた。
界面活性剤として,エマルゲンシリーズ(花王株式会社製)の910,909,911,及び913(それぞれの曇点は24,40,74,90℃)を用いた。この場合の重合安定性は良好であり,いずれも多中空粒子が作製された。
比較例5
第1工程での反応系の温度が界面活性剤の曇点マイナス30℃より低い場合
実施例4において、エマルゲンシリーズ(花王株式会社製)の920,931,935,及び950,985(それぞれの曇点は100℃以上)を用いた他は、実施例4と同様にして微粒子を作製した。これにより、緻密粒子が作製され,中空粒子は観察されなかった。なお,いずれの場合にも凝集粒子が生成された。
後述する各種の界面活性剤0.04g,スチレン0.4g,過硫酸カリウム0.032g,イオン交換水14gをガラス試験管に入れ,窒素ガス置換後封管し,振とう攪拌をしながら70℃で24時間反応させた。開管して別のガラス試験管に移し,0.2gのトルエンを添加して攪拌し,粒子中に吸収させた。これによりモノマー部分重合体のTgは10℃以下になった。その後,30℃において開封容器中で攪拌しながらトルエンを自然蒸発させた。
界面活性剤としてエマルゲンシリーズ(花王株式会社製)の910,909,911,及び913を用いた。この場合には,重合安定性は良好であり,いずれも多中空粒子が作製された。
比較例6
第1工程での反応系の温度が界面活性剤の曇点マイナス30℃より低い場合
界面活性剤として,エマルゲンシリーズ(花王株式会社製)920,931,935,及び950,985を用いた他は、実施例5と同様にして微粒子を形成した。この場合には,中空粒子は作製されなかった。
実施例5において、スチレン0.4gの代わりにスチレン0.36gとメタクリル酸0.04gとを用いた他は、実施例5と同様にして微粒子を作製した。各微粒子は、実施例5の対応する微粒子と同様の結果が得られた。
エマルゲン913(花王社製)(曇点:90℃)0.04g,スチレン0.4g,過硫酸カリウム0.032g,イオン交換水14gをガラス試験管に入れ,窒素ガス置換後封管し,振とう攪拌をしながら70℃で24時間反応させた。
開管して別のガラス試験管に移し,0.15gのスチレンを添加して攪拌し,粒子中に吸収させた。これにより、これによりモノマー部分重合体のTgは10℃以下となった。その後,30℃に冷却し,水2gに溶解させた過硫酸カリウム5mg,塩化第二銅1mg,チオ硫酸ナトリウム2mgを加え,窒素ガス置換後封管30℃で重合を続けて完結させた。
得られた微粒子を透過型電子顕微鏡で観察したところ、多中空構造を有していた。
エマルゲン910(花王社製)(曇点:24℃)0.4g,スチレン4g,過硫酸カリウム0.32g,イオン交換水140gを硝子製4つ口重合フラスコに入れ,窒素ガス雰囲気下,半月型攪拌棒で240rpmで攪拌をしながら70℃で24時間反応させた。これにより重合が完了し、微粒子のTgは90〜95℃になった。
ガラス試験管に移して封管後120℃で30分間振とう攪拌した。
得られた微粒子を透過型電子顕微鏡で観察したところ、図2のように単一孔を有する中空構造が形成されていた。平均粒径は357nmであった。
<本発明微粒子の隠蔽性を示すための混合フィルムの作製>
フィルム1(中空微粒子)
本発明者が既にJournal of Polymer Science: Polymer Chemistry Edition, vol.19, 1-8(1981)に報告している無乳化剤乳化共重合の処方に従って作製したアクリル酸エチル−メタクリル酸メチル(重量比=6:4)共重合体エマルションと、実施例8で作製した単一孔を有する中空ポリスチレン微粒子のエマルションを混合した。このエマルションをガラス板にキャストし、40℃で乾燥させてフィルムを作製した。
フィルム2(微粒子なし)
フィルム1において、中空ポリスチレン微粒子を混合せずにアクリル酸エチル−メタクリル酸メチル(重量比=6:4)共重合体エマルションを単独で用いた他はフィルム1と同様にしてフィルム2を得た。
フィルム3(中実微粒子)
実施例8とほぼ同様の粒子径を有する中実ポリスチレン微粒子(平均粒子径:550nm)を中空微粒子に代えて用いた他は、フィルム紙1と同様にしてフィルム3を得た。
プリンターを用いて白紙に印字(Polymer Colloids Lab.)したものの上に、これらのフィルムをそれぞれ載せて、その上から目視により印字を観察した。
中空微粒子を用いたフィルム1は下地の文字は判読しづらく隠蔽性に優れる。一方、中空構造を持たない中実微粒子を用いたフィルム3ではやや白濁しているが判読可能であり、フィルム1に比べて隠蔽性が劣っていた。微粒子を使用していないフィルム2では当然のことながら,下地の文字は明瞭に読むことが出来,隠蔽性が非常に低かった。
本発明の実施例1で得られた微粒子の透過型電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例8で得られた微粒子の透過型電子顕微鏡写真である。

Claims (11)

  1. 内部に空隙を有する微粒子を製造する方法であり、
    非イオン性界面活性剤の水溶液中で、この非イオン性界面活性剤の曇点マイナス30℃の温度以上においてモノマーを乳化重合させる第1工程と、
    第1工程において得られる微粒子のガラス転移温度以上の温度で重合を完了させる第2工程と
    得られる重合体微粒子を乾燥する第3工程と
    を含む方法。
  2. 第1工程において、非イオン性界面活性剤の曇点マイナス30℃の温度以上、曇点以下の温度でモノマーを乳化重合させる請求項1に記載の方法。
  3. 第1工程において、非イオン性界面活性剤の曇点以上の温度でモノマーを乳化重合させる請求項1に記載の方法。
  4. 第2工程において、第1工程で得られた微粒子のガラス転移温度以上、非イオン性界面活性剤の曇点以下の温度で重合を完了させる請求項1、2、又は3に記載の方法。
  5. 第2工程において、上記モノマーを反応系に添加して微粒子に吸収させることにより、反応系の温度を第1工程で得られた微粒子のガラス転移温度以上にする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 第2工程において、第1工程で得られた微粒子材料に対する良溶媒を反応系に添加して微粒子に吸収させることにより、反応系の温度をこの微粒子のガラス転移温度以上にする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  7. 第2工程において、反応系の温度を低下させることにより、反応系の温度を第1工程で得られた微粒子のガラス転移温度以上、界面活性剤の曇点以下にする請求項4に記載の方法。
  8. 第2工程において、低温分解型重合開始剤を添加する請求項7に記載の方法。
  9. モノマーとして、単官能性モノマーを使用する請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 非イオン性界面活性剤の使用量を、モノマーに対して3〜30重量%とする請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 非イオン性界面活性剤として、曇点が20〜90℃のものを使用する請求項1〜10のいずれかに記載の方法。
JP2005039849A 2005-02-16 2005-02-16 内部に空隙を有する微粒子の製造方法 Pending JP2006225486A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005039849A JP2006225486A (ja) 2005-02-16 2005-02-16 内部に空隙を有する微粒子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005039849A JP2006225486A (ja) 2005-02-16 2005-02-16 内部に空隙を有する微粒子の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006225486A true JP2006225486A (ja) 2006-08-31

Family

ID=36987138

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005039849A Pending JP2006225486A (ja) 2005-02-16 2005-02-16 内部に空隙を有する微粒子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006225486A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013213197A (ja) * 2012-03-06 2013-10-17 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 合成樹脂エマルジョン、及びそれを用いてなるコーティング剤、ならびにコーティング層

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4926948B1 (ja) * 1970-12-26 1974-07-13
JPS6162510A (ja) * 1984-09-04 1986-03-31 Dainippon Ink & Chem Inc 非造膜性樹脂エマルジヨンの製法及びその粉末化法
JPH08231729A (ja) * 1995-02-22 1996-09-10 Mitsubishi Rayon Co Ltd 再分散可能な樹脂の製造方法及びそれで得られる再分散可能な樹脂
JP2000290464A (ja) * 1999-02-04 2000-10-17 Mizutani Paint Co Ltd 水性分散体およびその製造方法並びに塗料組成物

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4926948B1 (ja) * 1970-12-26 1974-07-13
JPS6162510A (ja) * 1984-09-04 1986-03-31 Dainippon Ink & Chem Inc 非造膜性樹脂エマルジヨンの製法及びその粉末化法
JPH08231729A (ja) * 1995-02-22 1996-09-10 Mitsubishi Rayon Co Ltd 再分散可能な樹脂の製造方法及びそれで得られる再分散可能な樹脂
JP2000290464A (ja) * 1999-02-04 2000-10-17 Mizutani Paint Co Ltd 水性分散体およびその製造方法並びに塗料組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013213197A (ja) * 2012-03-06 2013-10-17 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 合成樹脂エマルジョン、及びそれを用いてなるコーティング剤、ならびにコーティング層

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4448930B2 (ja) 中空高分子微粒子及びその製造法
Chern et al. Effect of Ostwald ripening on styrene miniemulsion stabilized by reactive cosurfactants
Tuncel et al. Electron microscopic observation of uniform macroporous particles. I. Effect of seed latex type and diluent
JP4742161B2 (ja) 単孔中空ポリマー微粒子の製造方法
TW201434530A (zh) 微膠囊蓄熱材、其製造方法及其使用
WO2012014279A1 (ja) 単孔中空ポリマー微粒子の製造方法
JP2008266504A (ja) 中空粒子の製造方法
Ma et al. Study of the preparation and mechanism of formation of hollow monodisperse polystyrene microspheres by SPG (Shirasu Porous Glass) emulsification technique
Bennett et al. Synthesis of porous hydrogel structures by polymerizing the continuous phase of a microemulsion
JP2009120806A (ja) 多孔質中空ポリマー粒子、多孔質中空ポリマー粒子の製造方法、香料担持ポリマー粒子、及び、香料担持ポリマー粒子の製造方法
JPH08176513A (ja) ラテックス組成物
Chern et al. Effects of 2‐hydroxyalkyl methacrylates on the styrene miniemulsion polymerizations stabilized by SDS and alkyl methacrylates
JP2006225486A (ja) 内部に空隙を有する微粒子の製造方法
JP2004530033A (ja) エマルジョンから製造された非架橋発泡体
JP3600845B2 (ja) 中空高分子微粒子及びその製造法
JPH11147971A (ja) 発泡性重合体粒子
JP2003181274A (ja) 中空ポリマー粒子の製造方法
SK4912002A3 (en) Single stage seed polymerisation for the production of large polymer particles with a narrow size distribution
JP4317941B2 (ja) 開口微粒子及びその製造方法
Chern et al. Particle nucleation and growth mechanisms in miniemulsion polymerization of styrene
Tawonsree et al. Control of various morphological changes of poly (meth) acrylate microspheres and their swelling degrees by SPG emulsification
JP2004035785A (ja) 多層高分子微粒子及びその製造方法
Lin et al. Miniemulsion copolymerizations of methyl methacrylate and butyl acrylate in the presence of reactive costabilizer
Ou et al. A polyampholyte triblock copolymer synthesized for using as the surfactant of miniemulsion polymerization and production of highly uniform microspheres
Qu et al. Preparation and characterization of large porous poly (HEMA‐co‐EDMA) microspheres with narrow size distribution by modified membrane emulsification method

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20071009

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Effective date: 20091029

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20101207

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110322

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110726