JP2006225255A - 無鉛ガラス組成物及び磁気ヘッド - Google Patents
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Abstract
【課題】信頼性が高い低融点の無鉛ガラス組成物、及びこの無鉛ガラス組成物を用いた磁気ヘッドを提供する。
【解決手段】酸化物基準の質量%表示でBi2O3:50〜70%、B2O3:4〜27%、ZnO:5〜8%、SiO2:0〜13%、Na2O:1〜8%、Li2O:0〜1%、Fe2O3:0〜10%、TeO2:0〜3%、Sb2O3:0〜3%、ZrO2:0〜4%からなり、PbOを含まないことを特徴とする無鉛ガラス組成物。この無鉛ガラス組成物を用いて磁気ヘッドを構成する。
【選択図】図4
【解決手段】酸化物基準の質量%表示でBi2O3:50〜70%、B2O3:4〜27%、ZnO:5〜8%、SiO2:0〜13%、Na2O:1〜8%、Li2O:0〜1%、Fe2O3:0〜10%、TeO2:0〜3%、Sb2O3:0〜3%、ZrO2:0〜4%からなり、PbOを含まないことを特徴とする無鉛ガラス組成物。この無鉛ガラス組成物を用いて磁気ヘッドを構成する。
【選択図】図4
Description
本発明は、無鉛ガラス組成物及び磁気ヘッドに関する。より詳しくは、フェライトやメタルなどの融着に使用される磁気ヘッド用ボンディングガラスに適用され、例えば磁気ヘッドのギャップ形成に好適な無鉛ガラスと、この無鉛ガラスを用いて成る磁気ヘッドに関するものである。
一般に磁気ヘッドは、Mn−Znフェライトなどの酸化物磁性材料やこれら酸化物磁性材料とセンダスト等の金属磁性材料との複合体よりなる磁気コア同士を、接合融着用の所謂ボンディングガラスを用いて接合一体化することにより構成される。例えば、磁気ヘッドの作動ギャップ部は、ロッド状に線引きされたボンディングガラスを融点以上の作業高温まで加熱・溶融し、磁気コアの間に流し込ませた後冷却して、これら磁気コア間にガラスを融着させることによって構成される。
かかるボンディングガラスには、耐水性、耐食性、耐摩耗性、接合強度などの点で厳しい特性が要求され、またロッド状に線引きできることから、PbO、SiO2等を主成分とするボンディングガラスが提案されている(例えば特許文献1参照)。
かかるボンディングガラスには、耐水性、耐食性、耐摩耗性、接合強度などの点で厳しい特性が要求され、またロッド状に線引きできることから、PbO、SiO2等を主成分とするボンディングガラスが提案されている(例えば特許文献1参照)。
ところで、磁気ヘッド用ボンディングガラスは、その熱膨張係数が酸化物磁性材料や金属磁性材料の熱膨張係数と大きく異なると、磁気コアを接合した時に残留応力が累積され、ガラスクラックなどが発生し易いという欠点を有している。
したがって、フェライトなどの酸化物磁性材料や金属磁性材料を接着するボンディングガラスは、熱膨張係数をこれらの被接着体に合わせるため、その熱膨張係数が85×10−7〜120×10−7[℃−1]程度のものを使用することが好ましい。また、融着する際の温度が高いとフェライトや金属磁性薄膜の磁気特性に影響を与えてしまうので、融着温度は600℃以下(ガラス転移点で450℃以下)であることが好ましい。
したがって、フェライトなどの酸化物磁性材料や金属磁性材料を接着するボンディングガラスは、熱膨張係数をこれらの被接着体に合わせるため、その熱膨張係数が85×10−7〜120×10−7[℃−1]程度のものを使用することが好ましい。また、融着する際の温度が高いとフェライトや金属磁性薄膜の磁気特性に影響を与えてしまうので、融着温度は600℃以下(ガラス転移点で450℃以下)であることが好ましい。
しかしながら、一般にガラスは熱膨張係数を大きくすれば融着温度(あるいはガラス転移点)が小さくなる傾向があり、逆に熱膨張係数を小さくすれば融着温度(あるいはガラス転移点)が大きくなる傾向があるので、組成を変えて両者のバランスを取ることが必要である。
低融点のガラスは耐水性や耐アルカリ性が高融点ガラスに比べて著しく劣り、磁気ヘッド加工時に研削液や洗浄液によるガラス溶出が多発するという問題を抱えている。
低融点のガラスは耐水性や耐アルカリ性が高融点ガラスに比べて著しく劣り、磁気ヘッド加工時に研削液や洗浄液によるガラス溶出が多発するという問題を抱えている。
また、この融着ガラスには、低融点化させるためにPbOが含まれていて、より低い温度で使用する場合には多量に含まれている。しかし鉛系成分は環境管理物質であるため、環境問題や廃棄処分の問題があり、鉛系成分を含まない無鉛系低融点ガラスが求められている。また、この無鉛系ガラスは、鉛系ガラスと同様に、磁気コアの材質、ガラスを融着させる場所、形状によって異なる(すなわち最適な)熱膨張係数と作業温度を制御できることが求められる。
特開昭61−101432号公報
本発明は、上述の点に鑑み、磁気ヘッド用ガラスに求められる特性を満足し、作業環境および廃棄物処理に問題のない無鉛系のガラス組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、このような無鉛系のガラスを用いた磁気ヘッドを提供することを目的とする。
また、本発明は、このような無鉛系のガラスを用いた磁気ヘッドを提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を達成するために、作業環境および廃棄物処理に問題のないBi2O3、B2O3、ZnOなどの酸化物に着目し、鉛を含まずに鉛系と同等以上の特性を持つ安定なガラス組成物を見出した。
すなわち、本発明に係る無鉛ガラス組成物は、酸化物基準の質量%表示でBi2O3:50〜70%、B2O3:4〜27%、ZnO:5〜8%、SiO2:0〜13%、Na2O:1〜8%、Li2O:0〜1%、Fe2O3:0〜10%、TeO2:0〜3%、Sb2O3:0〜3%、ZrO2:0〜4%からなり、PbOを含まないことを特徴とする。
また、好ましくは、酸化物基準の質量%表示でBi2O3:60〜70%、B2O3:12〜24%、ZnO:5〜7%、SiO2:0〜13%、Na2O:1〜6%、Li2O:0〜1%、Fe2O3:0〜10%、TeO2:0〜3%、Sb2O3:0〜3%、ZrO2:0〜4%からなる組成の無鉛ガラス組成物である。
さらに、好ましくは、酸化物基準の質量%表示でBi2O3:60〜70%、B2O3:12〜24%、ZnO:5〜7%、SiO2:0〜13%、Na2O:1〜6%、Li2O:0〜1%、Fe2O3:0〜10%、TeO2:0〜3%、Sb2O3:0〜3%、ZrO2:0〜4%からなり、TeO2+Sb2O3+ZrO2:0.5〜6%である組成の無鉛ガラス組成物である。
そして更に、より好ましくは、酸化物基準の質量%表示でBi2O3:65〜70%、B2O3:13〜16%、ZnO:5〜7%、SiO2:7〜10%、Na2O:1〜3%、Li2O:0〜1%、Fe2O3:0〜5%、TeO2:0〜3%、Sb2O3:1%を超え3%以下、ZrO2:0〜4%からなり、TeO2+Sb2O3+ZrO2:1%を超え6%以下である組成の無鉛ガラス組成物である。
Bi2O3は無鉛ガラス組成物の主要成分であり、軟化点や粘性を下げる効果がある。この含有量は50〜70%(以下、%とは特に断りのない限り質量%を意味する)である。Bi2O3の含有量が70%を超えるとガラスの耐水性や耐アルカリ性が著しく悪くなるため、このガラスを磁気ヘッドの摺動面に用いることができなくなり、50%未満では融着温度が高くなりぬれ性を劣化させる。Bi2O3の好ましい含有量は60〜70%の範囲であるが、より好ましくは65〜70%の範囲である。
B2O3はガラスの形成成分としての効果を持ち、この含有量は4〜27%である。B2O3の含有量が27%を超えると融着温度が適用範囲より高くなり、4%未満ではガラスが不安定になって失透しやすくなる。B2O3の好ましい含有量は、12〜24%の範囲であるが、より好ましくは13〜16%の範囲である。
ZnOは無鉛ガラスの主要成分でありガラスを安定化させるのに効果がある。この含有量は5〜8%である。ZnOの含有量が8%を超えると融着温度が上昇して濡れ性が劣化し、5%未満ではガラスが不安定になって失透しやすくなる。ZnOの好ましい含有量は、5〜7%の範囲である。
SiO2はガラスの網目構造を形成し、ガラスの安定化、ガラス化範囲を広げる、高融点化、信頼性の向上に効果がある。この含有量は0〜13%である。SiO2の含有量が13%を超えると融着温度が上昇してぬれ性が劣化し、熱膨張が適用範囲より小さくなる。SiO2の好ましい含有量は、7〜10%の範囲である。
Na2Oはガラスの溶融を促進する効果があり融着温度を下げるが、大量に含有するとガラスの信頼性を下げ、熱膨張が大きくなる。よってこの含有量は1〜8%とした。Na2Oの含有量が8%を超えるとガラスの耐水性や耐アルカリ性が大幅に下がるため磁気ヘッドの摺動面に用いるのが困難になり、1%未満では融着温度が高くなりぬれ性を劣化させ、また熱膨張係数も適用範囲下限の85×10−7[℃−1]より小さくなる。耐水性、耐アルカリ性や熱膨張の観点からNa2Oの好ましい含有量は、1〜6%の範囲であるが、より好ましくは1〜3%の範囲である。
Li2OはNa2Oと同様にアルカリ金属酸化物なので融着温度を下げる効果があり、その効果はNa2Oより大きいが、多く含有するほどガラスの信頼性を下げ、熱膨脹が大きくなる。この含有量は0〜1%である。Li2Oの含有量が1%を越えるとガラスの耐水性が大幅に下がり、またガラスが不安定になって線引きできなくなる。
Fe2O3はガラスの融着温度を比較的上昇させずに耐水性、耐アルカリ性を向上させる効果がある。この含有量は0〜10%である。Fe2O3の含有量が10%を越えるとガラスが不安定になって線引きできなくなる。Fe2O3の好ましい含有量は、0〜5%の範囲である。
TeO2はBi2O3の一部と置換することにより、ガラスの融着温度を比較的上昇させずに耐水性、耐アルカリ性を向上させる効果がある。この含有量は0〜3%である。TeO2の含有量が3%を超えるとガラスが不安定になり、融着時のガラス中に析出物が発生し易くなって、ガラスの濡れが悪くなったり、析出部にクラックが入ったりする。TeO2が効果を発揮する好ましい含有量は、0.5〜3%の範囲である。
Sb2O3はBi2O3の一部と置換することにより、ガラスの融着温度を比較的上昇させずに耐水性、耐アルカリ性を向上させる効果がある。この含有量は0〜3%である。Sb2O3の含有量が3%を超えるとガラスが不安定になり、融着時のガラス中に析出物が発生し易くなって、ガラスの濡れが悪くなったり、析出部にクラックが入ったりする。Sb2O3が効果を発揮する好ましい含有量は、1%を超え3%以下の範囲である。
ZrO2は耐水性、耐アルカリ性を向上させる効果がある。この含有量は0〜4%である。ZrO2の含有量が4%を超えるとガラスの融着温度が上昇して濡れ性が劣化し、また融着時のガラス中に析出物が発生し易くなる。ZrO2が効果を発揮する好ましい含有量は、0.5〜4%の範囲である。
また、TeO2、Sb2O3、ZrO2は2種以上を同時に含有すると効果が大きく、特に効果的な含有量は、TeO2+Sb2O3+ZrO2:1%を超え6%以下の範囲である。
本発明による磁気ヘッドは、上記いずれかの無鉛ガラス組成物を、例えばヘッドの空隙部充填材、接合材、絶縁材などに用いて構成する。
また、本発明は、上記磁気ヘッドにおいて、記録媒体に対向する摺動面に、前記無鉛ガラス組成物が少なくとも一部露出して成ることを特徴とする。
本発明に係る無鉛ガラス組成物によれば、鉛系成分を有しないにもかかわらず、鉛系ガラスと同等以上の特性を持つ安定なガラス組成物を提供することができる。本発明の無鉛ガラス組成物は、熱膨張係数、作業温度が鉛系ガラスと同等であり、かつ鉛系成分含有ガラス同等の信頼性のある低融点ガラスであるため、磁気ヘッドの摺動面にも用いることができる。また、鉛系成分を含有しないことから、作業環境の改善につながり、さらに廃棄処理に困らない効果を奏する。
また、本発明に係る無鉛ガラス組成物によれば、これを磁気ヘッド用の融着ガラスとして用いる場合に、ガラス溶出やガラスクラックなどの発生、及び磁性材料の磁気特性への悪影響を回避して磁気ヘッドを製造することが可能である。
また、本発明に係る無鉛ガラス組成物によれば、例えば線径が0.15mm±0.02mmの細さの線引きが可能になり、巻線溝に連続したギャップデプスを規制する狭小溝内への充填を可能にし、磁気ヘッドの製造に適用して好適ならしめる。
また、本発明に係る無鉛ガラス組成物によれば、例えば線径が0.15mm±0.02mmの細さの線引きが可能になり、巻線溝に連続したギャップデプスを規制する狭小溝内への充填を可能にし、磁気ヘッドの製造に適用して好適ならしめる。
本発明に係る磁気ヘッドによれば、上述の無鉛ガラスを用いて構成されるので、製造に際して作業環境を改善することができ、また、廃棄処理でも環境を汚染させることがない。
また、本発明に係る磁気ヘッドによれば、無鉛ガラスの耐水性、耐アルカリ性が充分に高いことから、無鉛ガラスを摺動面に露出させた構造の磁気ヘッドを提供できる。
また、本発明に係る磁気ヘッドによれば、無鉛ガラスの耐水性、耐アルカリ性が充分に高いことから、無鉛ガラスを摺動面に露出させた構造の磁気ヘッドを提供できる。
この様に本発明によれば、信頼性が高い低融点の無鉛ガラス組成物、及びこの無鉛ガラス組成物を用いた磁気ヘッドを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
先ず、本実施の形態に係る無鉛ガラス組成物について説明する。無鉛ガラスを構成する各成分を表1及び表2に示す割合で混合し、無鉛ガラスを作製した。単位は質量%である。尚、比較例に載せたガラスは請求範囲から外れた組成の無鉛ガラスならびに現在使用されている鉛系ガラスである。
表1及び表2で得られた各ガラスについて、熱膨張係数(100〜350℃)及びガラス転移点を測定した。結果を表3及び表4示す。
表1及び表2の組成から得られたガラスのうち実施例の各試料1〜51はすべてガラス化し、結晶化や失透はみられなかった。また、表3及び表4に示すように、実施例の各試料1〜51は熱膨張係数(100〜350℃において)が87×10−7〜109×10−7[/℃]、ガラス転移点が399〜450℃となった。
この表3及び表4から、実施例の試料1〜51の無鉛ガラスは、熱膨張係数及び磁気ヘッドに用いたときの作業温度が鉛系ガラス(試料54)と同等であることが認められる。
この表3及び表4から、実施例の試料1〜51の無鉛ガラスは、熱膨張係数及び磁気ヘッドに用いたときの作業温度が鉛系ガラス(試料54)と同等であることが認められる。
表5は、表1及び表2の組成から得られたガラスのうち、試料4、8から11、23,26、28、52、54について、ガラスの耐アルカリ性を試験した結果である。一般に、ガラスはアルカリ溶液に対して弱いため、耐アルカリ試験は各ガラスの信頼性を調べるための最も厳しい試験の一つである。
耐アルカリ性の試験方法は、ロット状のガラス試料が入る容器をガラスの種類数だけ用意し、それぞれの容器に強アルカリとして水酸化ナトリウム溶液(4N−NaOH)を注入して、それにガラス試料を浸し、時間経過による試料の重量を測定した。試料のサイズは外径0.45mm、長さ32mmとした。横軸は浸漬時間[h]、縦軸は重量[%]を示す。重量の低下が少ないものほど耐アルカリ性があると判断される。図1、図2、図3は、これらの試験結果をグラフ化した図である。
耐アルカリ性の試験方法は、ロット状のガラス試料が入る容器をガラスの種類数だけ用意し、それぞれの容器に強アルカリとして水酸化ナトリウム溶液(4N−NaOH)を注入して、それにガラス試料を浸し、時間経過による試料の重量を測定した。試料のサイズは外径0.45mm、長さ32mmとした。横軸は浸漬時間[h]、縦軸は重量[%]を示す。重量の低下が少ないものほど耐アルカリ性があると判断される。図1、図2、図3は、これらの試験結果をグラフ化した図である。
表5、図1、図2及び図3の試験結果から明らかなように、実施例の試料4、8〜11、23、26、28の無鉛ガラス組成物は、比較例の無鉛ガラスである試料52に比較して充分高い耐アルカリ性を示し、比較例の鉛ガラスである試料54と比較しても、同等以上の充分高い耐アルカリ性を有することが認められる。
なお、実施例の他の試料1〜3、5〜7、12〜22、24〜25、27、29〜51の無鉛ガラス組成においても、表5の実施例の試料の無鉛ガラス組成と同様の耐アルカリ性を有する。
なお、実施例の他の試料1〜3、5〜7、12〜22、24〜25、27、29〜51の無鉛ガラス組成においても、表5の実施例の試料の無鉛ガラス組成と同様の耐アルカリ性を有する。
比較例の試料52は、Bi2O3が70%を超えるためガラスの耐アルカリ性が著しく悪くなり、またZnOが5%未満のため融着時に失透しやすく、さらにNa2Oを含有しないため磁気ヘッド用融着ガラスとしては熱膨張係数が小さすぎ、ガラス転移点が450℃を超え、ぬれ性が著しく悪い。
比較例の試料53は、Na2Oを含有しないこと以外は本発明の組成範囲を満足するのだが、Na2Oを含有しないため磁気ヘッド用融着ガラスとしては熱膨張係数が小さすぎ、ガラス転移点が450℃を超え、ぬれ性が著しく悪い。
比較例の試料54は、従来の磁気ヘッド用融着ガラスで、PbOを含有する低融点ガラスである。
比較例の試料53は、Na2Oを含有しないこと以外は本発明の組成範囲を満足するのだが、Na2Oを含有しないため磁気ヘッド用融着ガラスとしては熱膨張係数が小さすぎ、ガラス転移点が450℃を超え、ぬれ性が著しく悪い。
比較例の試料54は、従来の磁気ヘッド用融着ガラスで、PbOを含有する低融点ガラスである。
表1及び表2の中から、試料4の組成の無鉛ガラスを用いて、図4に示すような磁気ヘッドを作製し、その評価を行った。
この実施の形態に係る磁気ヘッド1は、所謂メタルインギャップ(MIG)型の磁気ヘッドであって、フェライトコア半体2L及び2Rの突合わせ面に高透磁率の金属磁性薄膜3を成膜し、金属磁性薄膜3間にギャップ膜を介してギャップgが形成されるように、両フェライトコア半体2L及び2Rを無鉛ガラス組成物4で接合して構成される。
表6に評価の結果(電気特性)に示す。磁気ヘッドの電気特性や磁気ヘッドの作製工程での問題は見られなかった。
この実施の形態に係る磁気ヘッド1は、所謂メタルインギャップ(MIG)型の磁気ヘッドであって、フェライトコア半体2L及び2Rの突合わせ面に高透磁率の金属磁性薄膜3を成膜し、金属磁性薄膜3間にギャップ膜を介してギャップgが形成されるように、両フェライトコア半体2L及び2Rを無鉛ガラス組成物4で接合して構成される。
表6に評価の結果(電気特性)に示す。磁気ヘッドの電気特性や磁気ヘッドの作製工程での問題は見られなかった。
上述の本発明に係るガラス組成物においては、無鉛ガラスが得られると共に、磁気ヘッドに適用できるガラスを作製することが確認できた。また、熱膨張係数、作業温度も鉛系ガラスと同等であることが確認できた。因みに、従来の鉛含有ガラスでは、このような磁気ヘッドを構成する場合に金属磁性薄膜との反応を抑制するための酸化鉄成分を添加してガラス組成物を構成する必要があったが、本発明による無鉛ガラス組成物では酸化鉄成分を有しなくとも金属磁性薄膜との反応は見られなかった。また、表6に示したように、電気特性についても現行の鉛含有ガラスを使用した場合(表6のref参照)と比較してほぼ同等の特性を得ることができた。
上述の説明から分るように、本実施の形態の無鉛ガラス組成物は、鉛成分を含有しないにもかかわらず、鉛含有ガラス同様の信頼性のある低融点ガラスであるため磁気ヘッドの摺動面にも用いることができる。また、鉛成分を含有しないことから作業環境の改善につながり、さらに廃棄処理に困らない無鉛ガラス組成物を提供することができる。
また、本実施の形態の磁気ヘッドによれば、上記無鉛ガラスを用いて構成することにより、製造に際して作業環境を改善し、廃棄処理でも環境を汚染することがない。
また、本実施の形態の磁気ヘッドによれば、上記無鉛ガラスを用いて構成することにより、製造に際して作業環境を改善し、廃棄処理でも環境を汚染することがない。
以上、本発明の実施の形態で説明したが、本発明に係る無鉛ガラス組成物及び磁気ヘッドは、上述の実施の形態に限られるものではない。例えば、本発明による無鉛ガラス組成物を用いて構成される磁気ヘッドとしてMIG型磁気ヘッドを例にあげて説明したが、金属薄膜積層型ヘッドなど、他の型の磁気ヘッドに適用することができる。
また、例えば、本発明による無鉛ガラス組成物を用いて構成されるMIG型磁気ヘッドにおいて、摺動面に露出される所謂フロントギャップ側に設ける融着ガラスとして本発明による無鉛ガラス組成物を用い、摺動面と分離された所謂バックギャップ側には他の組成によるガラス組成物を用いた構成も可能であるなど、本発明による無鉛ガラス組成物及び磁気ヘッドは、種々の変更及び変形をなされうる。
1・・・磁気ヘッド、2L,2R・・・フェライトコア半体、3・・・金属磁性薄膜、4・・・無鉛ガラス組成物
Claims (6)
- 酸化物基準の質量%表示でBi2O3:50〜70%、B2O3:4〜27%、ZnO:5〜8%、SiO2:0〜13%、Na2O:1〜8%、Li2O:0〜1%,Fe2O3:0〜10%、TeO2:0〜3%、Sb2O3:0〜3%、ZrO2:0〜4%からなる
ことを特徴とする無鉛ガラス組成物。 - 酸化物基準の質量%表示でBi2O3:60〜70%、B2O3:12〜24%、ZnO:5〜7%、SiO2:0〜13%、Na2O:1〜6%、Li2O:0〜1%、Fe2O3:0〜10%,TeO2:0〜3%、Sb2O3:0〜3%、ZrO2:0〜4%からなる
ことを特徴とする無鉛ガラス組成物。 - TeO2+Sb2O3+ZrO2:0.5〜6%であることを特徴とする請求項2記載の無鉛ガラス組成物。
- 酸化物基準の質量%表示でBi2O3:65〜70%、B2O3:13〜16%、ZnO:5〜7%、SiO2:7〜10%、Na2O:1〜3%、Li2O:0〜1%、Fe2O3:0〜5%、TeO2:0〜3%、Sb2O3:1%を超え3%以下、ZrO2:0〜4%からなり、TeO2+Sb2O3+ZrO2:1%を超え6%以下である
ことを特徴とする無鉛ガラス組成物。 - 請求項1に記載する無鉛ガラス組成物を用いて成る
ことを特徴とする磁気ヘッド。 - 記録媒体に対向する摺動面に、前記無鉛ガラス組成物が少なくとも一部露出して成る
ことを特徴とする請求項5に記載の磁気ヘッド。
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