JP2006225199A - 仕切構造型カーボンナノ構造物製造装置 - Google Patents

仕切構造型カーボンナノ構造物製造装置 Download PDF

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喜萬 中山
Hiroyuki Tsuchiya
宏之 土屋
Yugo Azuma
勇吾 東
Takashi Nagasaka
岳志 長坂
Shinji Okazaki
信治 岡崎
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Abstract

【目的】良好な生成品質のカーボンナノ構造物の連続生産を行うことのできるカーボンナノ構造物の仕切構造式製造装置を提供することを目的とする。
【構成】 反応炉1の一端の開口側には原料ガス流入口3と、キャリアガス流入口4が設けられている。触媒基体は反応炉1の加熱領域に導入される。原料ガスから分解する分解ガスが原料ガス流入口3側に逆流するのを防止する仕切部材5が原料ガス流入口3側に設けられており、その断熱効果により原料ガスや分解ガス等の原料ガス流入口側への逆流を抑制し、良質のカーボンナノ構造物の連続生産を行うことができる。
【選択図】 図1

Description

本発明はカーボンナノコイルやブラシ状カーボンナノチューブ等のカーボンナノ構造物を製造するための仕切構造型カーボンナノ構造物製造装置に関する。
カーボンナノ構造物とは炭素原子から構成されるナノサイズの物質であり、例えば、カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブにビーズが形成されたビーズ付カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブが多数林立したブラシ状カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブが捩れを有したカーボンナノツイスト、コイル状のカーボンナノコイル、球殻状のフラーレンなどである。
カーボンナノ構造物の製造方法として、アーク放電法や化学的気相成長法(Chemical Vapor Deposition、以下CVD法と称す)がある。アーク放電法では、真空中又は不活性ガス雰囲気中において炭素棒を電極として高電圧・高電流のアーク放電を発生させてカーボンナノ構造物を生成させる。一方、CVD法においては、Co、Fe、Ni等の金属触媒を微小粉に成形し、この触媒近傍を600〜700℃に加熱し、この触媒に接触するようにアセチレンやベンゼンのような有機ガスを供給し、これらの有機分子を分解させることによりカーボンナノ構造物を成長させる。
カーボンナノ構造物の工業的製法には、いかにカーボンナノ構造物を効率よく大量合成できるかが重要とされる。カーボンナノ構造物の連続的に大量合成する能力や製造コスト面で、CVD法が工業的量産法としてアーク放電法より期待されている。特に、あらかじめ基板表面に触媒を形成した触媒基板を用いたCVD触媒基板法が連続生産性に優れている。
CVD触媒基板法による製造装置の一例が、例えば下記特許文献1に示されている。この製造装置によれば、触媒を表面に有する基体を搬送装置により横型反応炉の加熱領域内に導入し、炉内に供給した原料ガスと触媒とを反応させてカーボンナノ構造物を成長させ、その後、基体を搬送装置により回収する。したがって、新たな基体を順次、反応炉内を通過させながら、カーボンナノ構造物の成長と回収を繰り返すことにより、カーボンナノ構造物の連続生産が可能となる。
特開2004−244283
本願の発明者がカーボンナノ構造物の連続生産を試みた、CVD触媒基板法による横型反応炉を用いた製造装置を図8に示す。
反応炉100は石英管からなり、外周側に設けた加熱装置101を備える。反応炉100の一端の開口側には原料ガス流入口102と、キャリアガス流入口103が設けられている。原料ガス流入口102は加熱装置101の加熱処理領域付近まで伸びたガス噴射ノズル115の開口部に設けられている。カーボンナノ構造物を成長させるための触媒基体106は基体収納部104に収納されている。触媒基体106は予め表面に触媒を形成した基体からなる。複数個の触媒基体106が基体収納部104の可動トレー105に載置され、触媒基体106が一個ずつ可動トレー105から取り出されて反応炉100内に供給される。基体収納部104からの触媒基体106の送り出しは、駆動装置107により水平方向に進退自在に繰り出される押し出し軸108により行われる。触媒基体106を反応炉100内に搬入するときは、原料ガス流入口102側にゲートバルブ109を開き、押し出し軸108により収納基体を突き出して、炉内に水平に敷設した搬送軸114上に沿わせながら加熱装置101の加熱処理領域に運ぶ。加熱処理領域にセットされた触媒基体106の触媒は、原料ガス流入口102から導入された原料ガスと反応し、カーボンナノ構造物を成長させる。カーボンナノ構造物の成長後は、押し出し軸108により成長済基体を反応炉100の出口側に突き出して回収部110に回収させる。回収部110は、反応炉100の出口側に設けたゲートバルブ111を開いて成長済基体112を取り入れ、順番に収納していく可動トレー113からなる。
図8の製造装置においては、基体収納部104からの触媒基体106を取り出し、カーボンナノ構造物を成長させた後、回収部110に回収する一連の工程、つまり基体取り出し、カーボンナノ構造物の成長及び回収を繰り返すことにより触媒基体を用いたカーボンナノ構造物の連続生産が可能となる。
しかし、この製造装置によりカーボンナノ構造物を連続生産した場合、以下に示すように、成長物質の品質上の問題が判明した。
図8の製造装置を用いて、ブラシ状カーボンナノチューブの合成実験を行った。炉内中央部が約700℃に加熱された反応炉100内に原料ガスであるアセチレンガスをヘリウムのキャリアガスとともにそれぞれ原料ガス流入口102、キャリアガス流入口103から流した。触媒としてのニッケル微粒子を表面に形成した触媒基体106を用い、反応炉100内に順次供給し、原料ガスのアセチレンガスと反応させた。最初に反応炉100内に搬入した1枚目の基体と、それと入れ替えに次に搬入した2枚目の基体に成長したブラシ状カーボンナノチューブの成長状態を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。そのSEM写真を図9に示す。図9の(9A)と(9B)はそれぞれ1枚目と2枚目の基体上の成長状態を示す。これらのSEM写真からわかるように、1枚目の場合は無数のブラシ状ブラシ状カーボンナノチューブが基体表面に順調に成長しているが、2枚目の場合はカーボンナノ構造物の成長物質がほとんど皆無に近い状態になっている。もちろん、3枚目以降についても2枚目と同様の成長不良を生じた。
上記の合成実験においては反応炉100の汚染も顕著に表れた。反応炉100の原料ガス導入側開口部周辺と、それの反対側のガス排気側開口部周辺には、原料ガスから分解したタール成分が付着したり、特にガス排気側周辺には多量のタールが付着している痕跡が見られた。
従って、本発明は良好な生成品質のカーボンナノ構造物の連続生産を行うことのできるカーボンナノ構造物の仕切構造式製造装置を提供することを目的とする。
上記の成長不良の要因を解明するために、まず、反応炉100中のガス流の流速分布と温度分布をコンピュータシミュレーションにより解析した。図10は解析に使用した反応炉のモデル図である。106Aは触媒基体106の設置位置を示す。解析は、全長(L)1667mm、内径132φの反応炉100における実際のガス供給条件で行った。このガス供給条件としては、アセチレンガス(原料ガス)0.7slmをヘリウムガス2.3slmとともに合計3.0slmのガスとして原料ガス流入口102のガス噴射ノズル115より炉心部に噴射させ、このときキャリアガス3.0slmもキャリアガス流入口103から流すものとした。ガス噴射ノズル115の噴射口をAにより図示している。加熱条件は、加熱装置101による加熱処理領域幅(H)が780mmであり、ガス流入側の炉表面温度が約719℃、中央部が約711℃、ガス排出側が約721℃の実測値に設定した。また、触媒基体106の基体サイズは100×200mmである。
上記解析条件により求めた反応炉100の中のガス流の流速分布と温度分布をそれぞれ図11、図12に示す。
図11において、13a、13bはガス排出側に流れる流速領域を示す。13aは流速0.555×10−1〜0.161〜m/sの領域を、13bは流速0.161〜0.267m/sの領域を示す。13c〜13eは13aや13bとは逆向きのガス流入側に流れる流速領域を示す。13cは流速0.156〜0.261m/sの領域を、13dは流速0.261〜0.367m/sの領域を、13eは流速0.367〜0.472m/sの領域を示す。なお、13fはガス排出側とガス流入側に流れる合流領域であり、流速0.555×10−1〜−0.500×10−1m/s(−:ガス流入側の逆向き)の領域を示す。
図11から、13aと13bに示すように、ガス流入側からガス排出側に緩やかなガス流が発生しているが、13c〜13fに示すように、ガス排出側に逆流が生じている。これは、図8の製造装置では炉内の真空排気を行わない大気圧装置であるからである。つまり、炉内減圧下において原料ガス供給を行うことにより、このような逆流を生じないようにすることができるが、減圧するためには真空ポンプ等の真空排気設備を必要とし高価になってしまうため、大気圧装置が好ましい。また、炉内にガス流を作らず、原料ガスを閉じ込めて反応させる静的な反応炉と比較した場合、静的な反応炉では合成終了後に分解ガスを除去したり、あるいは残留物の汚染が残る問題を生じて大量合成用には適さないが、一方大気圧装置は原料ガスを炉内に流通させるため反応領域を常時良好な状態に維持でき大量合成用製造装置として好適である。
しかし、図8のような大気圧装置においては装置内部に温度差が存在することにより発生するガス対流が原因となってガス逆流が生じる。特に、大量合成を目的として触媒基体サイズを大きくしょうとすると炉径が必然的に大きくなり、ガス対流もより起こりやすくなる。したがって、大気圧装置として構成した図8の製造装置ではガス排出側に逆流が生じるため、1枚目の反応時に発生した原料ガスやその分解ガスが逆流し、2枚目の基体が反応用基体設置位置106Aに供給されると、分解ガス中の炭素ポリマー成分が基体表面を覆って、触媒を不活性化してしまいカーボンナノ構造物の成長促進を妨げたものと考えられる。もちろん、反応炉100の炉径を例えば、30φ程度に小さくすれば、炉内の温度分布がより均一になり、ガス対流は弱まり、原料ガスや分解ガスの逆流の抑制は可能であるが、大量合成ができずコスト的に不利となる。さらに触媒基板106を搬送、設置するための空間と触媒反応時間を十分に取る必要があり、炉径の縮小化は難しい。また、ガス流速自体を大きくすると、原料ガス分解程度が少なくなりカーボンナノ構造物の成長に不利となり、好ましくない。
図12の温度分布からは、基体設置位置106A付近前後に高温領域14a(946.5〜994.0K)が広範囲に広がっているのがわかる。一方、低温領域14b(708.9〜756.4K)、14c(423.9〜471.4K)、14d(376.4〜423.9K)、14e(328.8〜376.4K)が基体設置位置106A付近まで及んでいる。したがって、特に、ガス流入側では高温領域と低温領域の温度勾配が大きく生じており、これが対流現象となって上記の分解ガスの逆流を誘引する要因の一つとなっている。殊に、かかる温度勾配によるガスの逆流は原料ガス導入側周辺だけでなく、それの反対側のガス排気側周辺でも起き、分解ガス等の澱みが多くなり、その結果、前述のように、排気側における多量のタール付着汚染も生じることになったと考えられる。
本発明は上記課題を解決するために上述の解析結果に基づきなされたものであり、本発明の第1の形態は、原料ガス流入口と、排気口と、前記原料ガス流入口と前記排気口の間に設けた加熱領域とを備えた反応炉を有し、前記加熱領域に触媒基体を搬入し、前記原料ガス流入口より原料ガスを導入し、前記反応炉内に前記原料ガス流入口から前記排気口側に原料ガスを連続的に流通させながら前記触媒基体の触媒と反応させることにより基体上にカーボンナノ構造物を成長させるカーボンナノ構造物製造装置であって、前記原料ガスから分解する分解ガスが前記原料ガス流入口側に逆流するのを防止する仕切部材を前記原料ガス流入口側に設けた仕切構造型カーボンナノ構造物製造装置である。
本発明の第2の形態は、前記第1の形態において、前記仕切部材を前記加熱領域の前記原料ガス流入口側近傍又は前記加熱領域の前記原料ガス流入口側内側に設けた仕切構造型カーボンナノ構造物製造装置である。
本発明の第3の形態は、前記第1又は第2の形態において、前記加熱領域に前記触媒基体を水平方向に搬入し、カーボンナノ構造物を成長させた後、前記排気口側に搬出させる搬送装置を有した仕切構造型カーボンナノ構造物製造装置である。
本発明の第4の形態は、前記第1、第2又は第3の形態において、前記排気口側に流れるガスを排気する排気装置を前記排気口側に設けた仕切構造型カーボンナノ構造物製造装置である。
本発明の第5の形態は、前記第1〜第4のいずれかの形態において、前記排気口側に流れる前記分解ガスの前記反応炉内への逆流を前記排気口側が開口した状態で抑制する排気ガス抑制部材を前記排気口側に設けた仕切構造型カーボンナノ構造物製造装置である。
本発明の第6の形態は、前記第1〜第5のいずれかの形態において、前記反応炉の前記排気口側を加熱する加熱装置を備えた仕切構造型カーボンナノ構造物製造装置である。
本発明の第7の形態は、前記第1〜第6のいずれかの形態において、前記反応炉に供給する複数の触媒基体を収納する基体収納部を備え、前記基体収納部から触媒基体を取り出して前記反応炉に供給するようにした仕切構造型カーボンナノ構造物製造装置である。
本発明の第8の形態は、前記第7の形態において、前記基体収納部は収納している触媒基体を予熱する予熱手段を有する仕切構造型カーボンナノ構造物製造装置である。
本発明の第9の形態は、前記第1〜第8のいずれかの形態において、複数の触媒基体を所定間隔おいて前記反応炉内に順次搬送する搬送手段を備えた仕切構造型カーボンナノ構造物製造装置である。
本発明の第1の形態によれば、少なくとも前記原料ガスを触媒と反応させるとき、前記原料ガスが逆流せずにガス流入口側から排気口側に流通するように構成されるから、前記分解ガスが触媒側に逆流することを防止することができる。前記原料ガスと触媒とが反応しない場合、前記原料ガスの流動方向は、適宜に選択することができる。更に、前記原料ガスから分解する分解ガスが前記原料ガス流入口側に逆流するのを防止する仕切部材を前記原料ガス流入口側に設けたので、前記仕切部材の断熱効果により前記加熱領域と前記原料ガス流入口側領域とを分離でき、温度勾配の影響をなくすことができる。したがって、温度勾配による対流現象が生じないため、前記分解ガス等の逆流をより確実に防止することができ、触媒基体を連続して前記反応炉に導入しても分解ガスによる触媒の不活性化が起きない良好な成長環境を維持できるから、良質のカーボンナノ構造物の連続生産が可能となる。しかも、前記仕切部材を前記反応炉内に設置するだけで良質のカーボンナノ構造物を連続生産することができ、大気圧装置の構造を大幅に変更することなく、安価なカーボンナノ構造物製造装置を実現することができる。本発明における触媒基体とは、予め表面に触媒層を形成した基板、触媒そのもののほか、平板状でない形態のもの等を使用することができる。
本発明の第2の形態によれば、前記第2の形態において、前記仕切部材を前記加熱領域の前記原料ガス流入口側近傍又は前記加熱領域の前記原料ガス流入口側内側に設けたので、前記加熱領域と前記原料ガス流入口側領域とを前記触媒基体の反応個所に近接した位置で分離できる。したがって、逆流ガスの影響を受けることなく、未反応の触媒基体を前記触媒基体の反応個所近くまで予め待機させておくことができるので、触媒基体を連続して間断なく前記加熱領域に導入することができ、生産効率の向上を図ることができる。
本発明の第3の形態によれば、前記第1又は第2の形態において、前記加熱領域に前記触媒基体を水平方向に搬入し、カーボンナノ構造物を成長させた後、前記排気口側に搬出させる搬送装置を有したので、例えば横型反応炉を用いて触媒基体を次々と搬入し、反応後の基体を順次回収するといった大量生産が可能となるカーボンナノ構造物製造装置を実現することができる。
本発明の第4の形態によれば、前記第1、第2又は第3のいずれかの形態において、前記排気口側に流れるガスを排気する排気装置を前記排気口側に設けたので、炉内へのガス逆流を抑制し、ガス排気側周辺に発生する分解ガス等の澱みを低減させることができる。したがって、排気側におけるタール付着汚染が大幅に減少し、成長物質への影響も少なくなり、しかも手間のかかる汚染物質の炉清掃作業を解消することができる。
本発明の第5の形態によれば、前記第1〜第4のいずれかの形態において、前記排気口側に流れる前記分解ガスの前記反応炉内への逆流を前記排気口側が開口した状態で抑制する排気ガス抑制部材を前記排気口側に設けたので、前記排気口側が開口した状態で反応合成を行う大気圧装置の排気側開放部付近における炉内へのガス逆流を抑制し、ガス排気側周辺に発生する分解ガス等の澱みを低減させることができる。したがって、前記排気ガス抑制部材を前記排気口側に設けるだけで、前記第4の形態と同様に、排気側におけるタール付着汚染が大幅に減少し、成長物質への影響も少なくなり、しかも手間のかかる汚染物質の炉清掃作業を解消することができる。
本発明の第6の形態によれば、前記第1〜第5のいずれかの形態において、前記反応炉の前記排気口側を加熱する加熱装置を備えたので、前記排気口側に発生する低温領域を高温化することにより、炉内へのガス逆流を抑制し、ガス排気側周辺に発生する分解ガス等の澱みを低減させることができる。したがって、前記第4の形態と同様に、排気側におけるタール付着汚染が大幅に減少し、成長物質への影響も少なくなり、しかも手間のかかる汚染物質の炉清掃作業を解消することができる。
本発明の第7の形態によれば、前記第1〜第6のいずれかの形態において、前記反応炉に供給する複数の触媒基体を収納する基体収納部を備え、前記基体収納部から触媒基体を取り出して前記反応炉に供給するようにしたので、原料ガスや分解ガスの逆流による影響を受けることのない連続生産可能な大気圧装置構成により、前記基体収納部から前記反応炉に触媒基体を連続供給しても良質のカーボンナノ構造物の量産が可能となる。
本発明の第8の形態によれば、前記第7の形態において、前記基体収納部は収納している触媒基体を予熱する予熱手段を有するので、原料ガスや分解ガスの逆流による影響を受けることのない連続生産可能な大気圧装置構成により、前記予熱手段を前記反応炉近くに配置し、予備の触媒基体を予め加熱処理して速やかに連続供給でき、良質のカーボンナノ構造物の量産効率を向上させることができる。
本発明の第9の形態によれば、前記第1〜第8のいずれかの形態において、複数の触媒基体を所定間隔おいて前記反応炉内に順次搬送する搬送手段を備えたので、原料ガスや分解ガスの逆流による影響を受けることのない連続生産可能な大気圧装置構成により、触媒基体を速やかに連続供給でき、良質のカーボンナノ構造物の量産効率を向上させることができる。
以下に、本発明を適用した、主にブラシ状カーボンナノチューブを製造するための製造装置の実施形態を添付する図面を参照して詳細に説明する。
図1は本実施形態に係る横型反応炉を用いた仕切構造型製造装置の全体構成を示す。本形態の製造装置は触媒基体によるCVD製法によるものである。
反応炉1は石英管からなり、外周部には原料ガスを熱分解するための電気炉又は赤外線ヒータからなる加熱装置2が鉛直長手方向に沿って設けられている。反応炉1の一端の開口側には原料ガス流入口3と、キャリアガス流入口4が設けられている。原料ガス流入口3は加熱装置2の加熱処理領域付近まで伸びたガス噴射ノズル22の先端開口部に設けられている。
反応炉1は全長(L)1600mmである。反応炉へのガス供給条件として、アセチレンガス(原料ガス)をヘリウムガスとともに原料ガス流入口3より炉心部に噴射させ連続的に炉内に供給し、このときキャリアガスとしてヘリウムガスもキャリアガス流入口4から流す。加熱条件は700℃で行った。
カーボンナノ構造物を成長させるための未反応の触媒基体12は基体収納部10に予め収納されている。基体収納部10は原料ガス流入口3側のゲートバルブ16を介して反応炉1に隣接配置されている。基体収納部10内の複数の可動トレー11はそれぞれ、トレー駆動装置(図示せず)により縦方向に順に移動させられて炉内搬入位置に移動する。
触媒基体12は予め表面に触媒を形成した基体からなる。本発明にかかる触媒基体には、触媒そのもののほか、基板上に触媒層を形成したものや平板状でない形態のもの等を使用することができる。
使用される触媒は一般にカーボンナノ構造物の種類に応じて異なるが、例えば鉄、コバルト、ニッケル、鉄合金、コバルト合金、ニッケル合金、鉄酸化物、コバルト酸化物、ニッケル酸化物、又はこれらの組み合わせなど各種の触媒を利用できる。特に、ブラシ状カーボンナノコイル等の製造においては、鉄・スズ系組成にインジウムIn、アルミニウムAl、クロムCrの3種類の元素を加えた3成分系等のの多成分系触媒、例えば、Fe―In―Sn、Fe―Al―Sn、Fe―Cr―Snなど、あるいは、多成分系の酸化物触媒、例えば、Fe―In―Sn―O、Fe―Al―Sn―O、Fe―Cr―Sn―Oなどの混合触媒を用いるのが好ましい。
触媒層を形成した基板形態の触媒基体の基板材料には例えば、シリコン、石英、黒鉛、アルミナ等のセラミックス材やポリイミド、エポキシ等の耐熱材を使用する。本実施形態においては、100×200mmサイズの石英基板上にニッケル微粒子を蒸着形成した触媒基体12を用いている。原料ガスとしては、炭化水素のみならず硫黄含有有機ガス、リン含有有機ガスなどの有機ガスが利用でき、特定構造のカーボンナノ構造物の生成に好適な有機ガスが選択される。また、有機ガスの中でも余分な物質を生成しない意味で炭化水素が好適である。炭化水素としては、メタン、エタンなどのアルカン化合物、エチレン、ブタジエンなどのアルケン化合物、アセチレンなどのアルキン化合物、ベンゼン、トルエン、スチレンなどのアリール炭化水素化合物、インデン、ナフタリン、フェナントレンなどの縮合環を有する芳香族炭化水素、シクロプロパン、シクロヘキサンなどのシクロパラフィン化合物、シクロペンテンなどのシクロオレフィン化合物、ステロイドなどの縮合環を有する脂環式炭化水素化合物などが利用できる。また、以上の炭化水素化合物を2種以上混合した混合炭化水素ガスを使用することも可能である。特に、望ましくは炭化水素の中でも低分子、例えば、アセチレン、アリレン、エチレン、ベンゼン、トルエンなどが好適である。
複数個の触媒基体12が基体収納部10の可動トレー11に載置され、搬入時にはゲートバルブ16を開いて触媒基体12が一個ずつ可動トレー11から取り出されて反応炉1内に供給される。触媒基体12の送り出し搬送手段は、駆動装置14により水平方向に進退自在に繰り出される押し出し軸15からなる。触媒基体12を炉内に搬入するときは、押し出し軸15により収納基体を突き出して、炉内に水平に敷設した搬送軸21上に沿わせながら加熱装置2の加熱処理領域に運ぶ。基体収納部10の上部には予熱室13が設けられており、収納触媒基体12を予熱室13に移動させて約600℃の温度に予熱するようになっている。ゲートバルブ付近では一旦低温になるので予熱温度を700℃程度に上げてもよい。搬送軸21は図4の(4A)に示すように、炉内に平行に敷設された軸材からなる。
加熱処理領域にセットされた触媒基体8の触媒は、原料ガス流入口3から導入された原料ガスと反応し、カーボンナノ構造物を成長させる。カーボンナノ構造物の成長後は、押し出し軸15により成長済基体を反応炉1の出口側に突き出して回収部17に回収させる。回収部17は反応炉1の出口側に設けたゲートバルブ20を開いて成長済基体19を取り入れ、順番に収納していく可動トレー18からなる。回収部17においても駆動装置14と同様の駆動装置により進退自在に繰り出される押し出し軸によって回収基体を取り出すようにしてもよい。
本実施形態においては、図8の製造装置におけるガス逆流問題を解消するため対策の一つとして、炉内に仕切部材5が設けられている。仕切部材5は炉内中心部の基体設置位置の近傍に設けた一部開口した仕切り板である。図4の(4A)に示すように、仕切部材5は触媒基体8の通過を妨げないように間隔を開けて対向配置された一対の半月状石英板からなる。また、ガス流入側には仕切部材5と同様の形状の隔壁部材6を設けて、反応炉1開口部周辺の雰囲気ガスの流入も抑制するようにしている。なお、本実施形態においては原料ガス流入口3近傍に配設したキャリアガス流入口4からキャリアガスを供給しているが、反応炉1の開口端部より流せば、隔壁部材6の開口面積によりキャリアガス流量を調整することもできる。
上記構成の製造装置を用いて、基体収納部10からの触媒基体を取り出し、カーボンナノ構造物を成長させた後、回収部17に回収する一連の工程を繰り返す連続生産を行ったところ良質のブラシ状カーボンナノチューブが得られた。最初に反応炉1内に搬入した1枚目の基体と、それと入れ替えに次に搬入した2枚目の基体に成長したブラシ状カーボンナノチューブの成長状態を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した。そのSEM写真を図5に示す。図5の(5A)と(5B)はそれぞれ1枚目と2枚目の基体上に成長したブラシ状カーボンナノチューブを示す。これらのSEM写真からわかるように、1枚目も2枚目も無数のブラシ状カーボンナノチューブが基体表面に順調に成長しており、もちろん、3枚目以降についても2枚目と同様に良好な成長状態が確認できた。この成長状態の良好な様子は図8の製造装置の場合の2枚目のSEM写真(図9の(9B))と比較すると明確である。
上記のように連続生産で良質の成長状態を維持できるのは仕切部材5による断熱効果と考えられるが、それを解析検証した。
この検証は本実施形態のガス供給条件下において図12の反応炉のモデルと同様のコンピュータシミュレーション解析に基づいて行った。図2、図3はこの解析により求めた反応炉1中のガス流の流速分布と温度分布を示す。ガス噴射ノズル22の噴射口をBにより図示している。
図2において、基体配置位置24周辺から、ガス排出側に流れる流速領域2a(流速0.739×10−1〜0.168〜m/s)、2b(流速0.168〜0.262m/s)、2c(流速0.262〜0.356m/s)が広がっている。ガス流入側には小さな流速領域2a、2b等は散在するだけである。一方、2aや2bとは逆向きのガス流入側に流れる流速領域2d(流速0.114〜0.208m/s)、2e(流速0.208〜0.301m/s)はガス流入側に散在するが、小さくなっている。図2からは、基体配置位置24周辺からガス流入側に逆流が弱く発生しているものの、ガス排出側に強い排出ガス流が発生していることがわかる。これは仕切部材5の設置によりガス流入側に向かうガス逆流が分断された結果によるものと考えられる。したがって、基体配置位置24にセットされた触媒基体には分解ガス等のガス逆流を受けないため、円滑に触媒作用を機能させることができ、図5に示したような良質のカーボンナノ構造物の連続生産が可能となった。
図3の温度分布からは、基体設置位置24A付近前後に、かつ仕切部材5から内側に、つまりガス排気側に高温領域3a(946.5〜994.0K)が広がっているのがわかる。一方、低温領域3b(701.7〜750.4K)、3c(409.4〜458.1K)、3d(360.7〜409.4K)、3e(312.0〜360.7K)が仕切部材5から外側、つまりガス流入側にあることがわかる。したがって、ガス流入側では、仕切部材5の断熱効果により高温領域と低温領域とが分断され、温度勾配が生じず、炉内全域に及ぶ対流現象の発生がなくなっている。本実施形態における反応炉1のガス流入側の汚染が極めて低減される。これは分解ガス等の逆流が大幅に削減された結果によるものと考えられる。
本実施形態においては、反応炉1の排気側汚染の対策も講じている。反応炉1の排気側端部においては排気ガスの逆流による汚染が起きるので、反応炉1開口部下方側に、排気ガス抑制部材である遮蔽部材7を設けている。遮蔽部材7は図4の(4A)に示した仕切部材5の下側半分に相当する半月状石英板からなる。遮蔽部材7の設置により炉内からの排気ガスが再び炉内に逆流するのを抑制することができる。本実施形態における反応炉1の排気側におけるタール付着汚染が極めて低減される。これは遮蔽部材7による逆流防止効果によるものと考えられる。
遮蔽部材7による逆流防止効果と同様の効果を得る手段として、図1に示すように、排気ガスを排気する排気装置9を排気口側に設けてもよい。排気装置9は回収部17のゲートバルブ20の前方に配置され、反応炉1からの排気ガスを吸引する。この場合、排気装置9は炉内のガス流に影響しない程度の排気能力でよい。また、別の逆流防止手段としては、図1に示すように、反応炉の排気口側端部を加熱する加熱装置23を設けてもよい。加熱装置23の加温作用により排気口側に生じる低温領域が高温化され逆流要因が解消される。
上記実施形態においては両端開放の反応炉1の中空部を原料ガスを流通させているが、図4の(4B)に示すように、反応領域を反応炉1の中間部に形成してもよい。(4B)において加熱装置51の中央部に原料ガス流入口52と排気口53を設けている。反応炉50内には基体導入側と、原料ガス流入口52及び排気口53の区間に、周辺ガスの流入防止用仕切部材54と分解ガス逆流防止用仕切部材55が配設され、排気口53より外側に排気側ガス逆流防止用仕切部材56が配設されている。原料ガス流入口52及び排気口53の区間において原料ガスが流通する反応領域が形成されている。触媒基体Cは搬送路57に沿って仕切部材55内側の反応領域に搬入される。仕切部材54、55はそれぞれ仕切部材5、6と同様の構造である。仕切部材56は仕切部材7と同様の構造である。この構成によって仕切部材55と56により触媒基体Cがセットされる反応室が形成されるので、その反応室内で原料ガスの供給と排気を行えるため、原料ガスが分解したガスを効率よく排除でき、最小限の原料ガスの供給で済み、コスト低減に寄与する。また、断面丸型の管状反応炉を横型で利用した場合上下に不要な空間ができるため、原料ガスの無駄な供給分が発生するが、これには図7に示すように、断面ロ字形の角型反応炉58を使用すればよい。図7の角型反応炉58によれば、中空部に無駄な空間を省いて触媒基体Dを導入できるため、原料ガスの適正供給が可能となり、原料ガスが分解したガスの拡散もなくなる。この場合、触媒基体Dの周囲に比較的狭い空間を設けることができるため、安定した層流化も実現できる。
本実施形態によれば、ガス流入側への逆流が抑制されるため、低温の予備基体が反応炉1の導入付近にあっても温度勾配の影響を生じない。この逆流抑制効果を利用して図1に示したように基体収納部10を反応炉1により近接配置しても成長物質の品質を維持できるので、搬送間隔の高速化を実現でき、生産効率を向上させることができる。なお、大気中から触媒基体を導入すると炉内で予熱時間を必要とするため、予熱室13を設けているが、大量生産上の効率を一層上げるために図6に示すように予備予熱室Lを備える基体収納部を使用してもよい。図6において図1と同じ部材については同一符号を付して説明を省略する。この基体収納部は基体導入部K、予備予熱室L、予熱室Fからなり、移動トレーSの載置された基体Nは基体導入部Kから予備予熱室Lを経て予熱室Fに移送される。基体Nは予備予熱室Lにおいて約300℃に保持され、また予熱室Lでは基体Eは約600℃に予熱保持される。なお、基体導入部Kに基体を導入したときは、真空排気装置で真空引きされ、またキャリアガスによりパージされる。一般にカーボンナノ構造物生成時の触媒反応時間は約1〜数10秒であるので、予熱基体を連続して供給する必要があるが、図6の予備予熱室付き基体収納部を用いれば間断なく予熱基体を供給することができる。
上記実施形態では押し出し軸15と、平行に敷設された軸材からなる搬送軸21とからなる搬送手段を設けているが、多数の回転ローラを炉内長手方向に配置した搬送装置を使用することにより円滑な搬送操作が可能となる。なお、駆動装置により回転ローラを回転自在にすれば押し出しシャフトなどを使用しなくて済む。
また、反応炉内に、駆動機構間に巻回されたチェーン又はベルトの搬送部材を敷設してなる炉内循環式搬送装置を使用することにより、基体の反応セット位置への正確な移動制御及び回収を簡易にかつ迅速に行うことができ、カーボンナノ構造物の量産化における自動化を実現できる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、触媒材料や加熱条件を種々選択することにより各種のカーボンナノ構造物を製造することができる。本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々の変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含することは云うまでもない。
本発明の第1の形態によれば、炉内の分解ガス等の逆流が発生じず、触媒基体を連続して反応炉に導入しても分解ガスによる触媒の不活性化が起きない良好な成長環境を維持でき、良質のカーボンナノ構造物の連続生産が可能となるカーボンナノ構造物製造装置を提供することができる。
本発明の第2の形態によれば、逆流ガスの影響を受けることなく、未反応の触媒基体を前記触媒基体の反応個所近くまで予め待機させておいて触媒基体を連続して間断なく前記加熱領域に導入でき、生産効率の高いカーボンナノ構造物の製造装置を提供することができる。
第3の形態の発明によれば、例えば横型反応炉を用いて炉内の搬送装置により、触媒基体を次々と搬入し、反応後の基体を順次回収するといった大量生産が可能となるカーボンナノ構造物製造装置を提供することができる。
第4の形態の発明によれば、前記排気装置により炉内へのガス逆流を抑制し、ガス排気側周辺に発生する分解ガス等の澱みを低減させて、排気側におけるタール付着汚染が大幅に減少し、成長物質への影響も少なくなり、しかも手間のかかる汚染物質の炉清掃作業を解消することができるカーボンナノ構造物製造装置の提供が可能となる。
本発明の第5の形態によれば、前記排気ガス抑制部材を前記排気口側に設けることにより、炉内へのガス逆流を抑制し、ガス排気側周辺に発生する分解ガス等の澱みを低減させて、排気側におけるタール付着汚染が大幅に減少し、成長物質への影響も少なくなり、しかも手間のかかる汚染物質の炉清掃作業を解消することができるカーボンナノ構造物製造装置の提供が可能となる。
本発明の第6の形態によれば、前記排気口側に発生する低温領域を高温化することにより、炉内へのガス逆流を抑制し、ガス排気側周辺に発生する分解ガス等の澱みを低減させて、排気側におけるタール付着汚染が大幅に減少し、成長物質への影響も少なくなり、しかも手間のかかる汚染物質の炉清掃作業を解消することができるカーボンナノ構造物製造装置の提供が可能となる。
本発明の第7の形態によれば、原料ガスや分解ガスの逆流による影響を受けることのなく、前記基体収納部から前記反応炉に触媒基体を連続供給しても良質のカーボンナノ構造物の量産が可能となる製造装置を提供することができる。
本発明の第8の形態によれば、原料ガスや分解ガスの逆流による影響を受けることのなく、予熱した触媒基体を速やかに炉内に連続供給して、良質のカーボンナノ構造物の量産効率を向上させることのできるカーボンナノ構造物製造装置の提供が可能となる。
本発明の第9の形態によれば、原料ガスや分解ガスの逆流による影響を受けることのなく、前記搬送手段により触媒基体を速やかに炉内に連続供給して、良質のカーボンナノ構造物の量産効率を向上させることのできるカーボンナノ構造物製造装置の提供が可能となる。
本実施形態に係る仕切構造型製造装置の全体構成を示す概略構成図である。 本実施形態に係る仕切構造型製造装置を解析して求めた反応炉1中のガス流の流速分布模式図である。 本実施形態に係る仕切構造型製造装置を解析して求めた反応炉1中の温度分布模式図である。 (4A)は本実施形態の反応炉1の概略断面図であり、(4B)は本発明の別の仕切部材配置を示す概略構成図である。 図1の製造装置により製造したブラシ状カーボンナノチューブの成長状態を示すSEM写真である。 本実施形態と別の基体収納部を備える仕切構造型製造装置の全体構成を示す概略構成図である。 本発明に使用するの別の反応炉の構造を示す概略断面図である。 本願の発明者がカーボンナノ構造物の連続生産を試みた、CVD触媒基板法による横型反応炉を用いた製造装置の概略構成図である。 図8の製造装置により製造したブラシ状カーボンナノチューブの成長状態を示すSEM写真である。 図8の製造装置における成長不良解析に使用した反応炉のモデル図である。 上記解析により求めた反応炉100の中のガス流の流速分布模式図である。 上記解析により求めた反応炉100の中の温度分布模式図である。
符号の説明
1 反応炉
2 加熱装置
2a 流速領域
2b 流速領域
2c 流速領域
2d 流速領域
2e 流速領域
3 原料ガス流入口
3a 高温領域
3b 低温領域
3c 低温領域
3d 低温領域
3e 低温領域
4 キャリアガス流入口
5 仕切部材
6 隔壁部材
7 遮蔽部材
8 触媒基体
9 排気装置
10 基体収納部
11 可動トレー
12 触媒基体
13 予熱室
13a ガス排出側に流れる流速領域
13b ガス排出側に流れる流速領域
13c ガス流入側に流れる流速領域
13d ガス流入側に流れる流速領域
13d ガス流入側に流れる流速領域
14 駆動装置
14a 高温領域
14b 低温領域
14c 低温領域
14d 低温領域
14e 低温領域
15 押し出し軸
16 ゲートバルブ
17 回収部
18 可動トレー
19 成長済基体
20 ゲートバルブ
21 搬送軸
22 ガス噴射ノズル
23 加熱装置
24 基体配置位置
50 反応炉
51 加熱装置
52 原料ガス流入口
53 排気口
54 仕切部材
55 仕切部材
56 仕切部材
57 搬送路
58 角型反応炉
100 反応炉
101 加熱装置
102 原料ガス流入口
103 キャリアガス流入口
104 基体収納
105 可動トレー
106 触媒基体
106A基体設置位置
107 駆動装置
108 押し出し軸
109 ゲートバルブ
110 回収部
111 ゲートバルブ
112 成長済基体
113 可動トレー
114 搬送軸
115 ガス噴射ノズル
A ガス噴射ノズル115の噴射口
B ガス噴射ノズル22の噴射口
C 触媒基体
D 触媒基体
F 予熱室F
K 基体導入部
L 予備予熱室
N 基体
S 移動トレー

Claims (9)

  1. 原料ガス流入口と、排気口と、前記原料ガス流入口と前記排気口の間に設けた加熱領域とを備えた反応炉を有し、前記加熱領域に触媒基体を搬入し、前記原料ガス流入口より原料ガスを導入し、前記反応炉内に前記原料ガス流入口から前記排気口側に原料ガスを連続的に流通させながら前記触媒基体の触媒と反応させることにより基体上にカーボンナノ構造物を成長させるカーボンナノ構造物製造装置であって、
    前記原料ガスから分解した分解ガスが前記原料ガス流入口側に逆流するのを防止する仕切部材を前記原料ガス流入口側に設けたことを特徴とする仕切構造型カーボンナノ構造物製造装置。
  2. 前記仕切部材を前記加熱領域の前記原料ガス流入口側近傍又は前記加熱領域の前記原料ガス流入口側内側に設けた請求項1に記載の仕切構造型カーボンナノ構造物製造装置。
  3. 前記加熱領域に前記触媒基体を水平方向に搬入し、カーボンナノ構造物を成長させた後、前記排気口側に搬出させる搬送装置を有した請求項1又は2に記載の仕切構造型カーボンナノ構造物製造装置。
  4. 前記排気口側に流れるガスを排気する排気装置を前記排気口側に設けた請求項1、2又は3に記載の仕切構造型カーボンナノ構造物製造装置。
  5. 前記排気口側に流れる前記分解ガスの前記反応炉内への逆流を前記排気口側が開口した状態で抑制する排気ガス抑制部材を前記排気口側に設けた請求項1〜4のいずれかに記載の仕切構造型カーボンナノ構造物製造装置。
  6. 前記反応炉の前記排気口側を加熱する加熱装置を備えた請求項1〜5のいずれかに記載の仕切構造型カーボンナノ構造物製造装置。
  7. 前記反応炉に供給する複数の触媒基体を収納する基体収納部を備え、前記基体収納部から触媒基体を取り出して前記反応炉に供給するようにした請求項1〜6のいずれかに記載の仕切構造型カーボンナノ構造物製造装置。
  8. 前記基体収納部は収納している触媒基体を予熱する予熱手段を有する請求項7に記載の仕切構造型カーボンナノ構造物製造装置。
  9. 複数の触媒基体を所定間隔おいて前記反応炉内に順次搬送する搬送手段を備えた請求項1〜8のいずれかに記載の仕切構造型カーボンナノ構造物製造装置。
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