JP2006224961A - サイズ調節可能な自動車用カップホルダ - Google Patents

Abstract

【課題】サイズ調節可能な自動車用カップホルダを提供する。
【解決手段】本発明は、本体がベース（１３）及び開口部（１６）を備えた円筒形側壁（１４）を有するカップホルダ（１０）に関し、突起（２２）が、開口部（１６）を貫通した状態で、完全展開位置と完全引っ込み位置との間で動くことができるよう回動自在に取り付けられている。連続弾性部材（３２）が、突起を完全展開位置に付勢している。
【選択図】図２

Description

本発明は、概略的には、自動車用カップホルダに関する。詳細には、本発明は、サイズ調節可能な自動車用カップホルダに関する。

大抵の自動車は、客室内に配置された１または２以上のカップホルダを有している。しかしながら、これらカップホルダのうちの幾つかは、飲料容器のサイズに合わせて調節することはできない。このことは、自動車が加速、減速又は旋回している状況では問題になることがある。というのは、飲料容器は、かかる状況の際、カップホルダ内に配置されていても倒れる場合があるからである。

１つの解決策は、カップホルダ内に突起とも呼ばれている「爪片」を配置することである。これら爪片は、カップホルダのベースに平行な方向に回動する（ベースは、飲料容器受けの底部である）。これら爪片は、ばねの使用により飲料容器の方へ付勢され、それにより飲料容器の側壁に摩擦係合し、飲料容器を自動車が加速、減速又は旋回しているときでも、飲料容器を定位置に保持する。ばねにより付勢される爪片を用いる解決策は、製造費が高いという欠点があり、また、ばね押し爪片が設けられていないカップホルダよりも不具合を生じがちである。

カップホルダの爪片を付勢するために用いられるもう１つの機構は、弾性部材、例えばゴムバンドである。しかしながら、この種の公知の設計にも複雑になるという問題がある。

上述のことから理解されるように、先行技術の欠点及び制約を解決し、複雑ではなく、製造コストが安く、且つ不具合を生じにくい、サイズ調節可能なカップホルダが要望されている。

公知技術の欠点及び制約を解決するに当たり、本発明は、広い範囲のカップ直径に対応し、他方、突然、破損することがあるばね又はゴムバンドの使用を回避した、係合機構を備えたカップホルダを提供する。このように提供されたカップホルダは、カップ受入れキャビティ又はウェル（窪み）を備えた本体を有する。具体的に説明すると、本体は、ベースを有し、このベースから側壁が上方に延びている。側壁は好ましくは円筒形であり、その上端部に、飲料容器をこの中に入れるようにする開口部を構成している。

突起が側壁に取り付けられている。突起は、ベースに垂直な軸線を中心に完全展開位置と完全引っ込み位置との間で回動自在に動くことができる。完全展開位置では、突起は、カップホルダの受け部内へその最大の度合いまで展開する。突起は、その完全引っ込み位置では、側壁の開口部内に引っ込められ、突起の一部が側壁と面一をなすようになっている。突起を完全展開位置に向かって付勢するため、ばね、例えば連続弾性部材が、カップホルダの本体周りに延び、突起に連結されたピボットアームに係合する。

突起は、開口部の方へほぼ向けられた傾斜面を更に有する。これにより、受け部内への飲料容器の導入が容易になると共にカップによる引っ込み位置への突起の押込みが容易になる。変形例として又は追加例として、突起は、ベースの方へほぼ向けられた傾斜面を更に有し、それにより受け部からの飲料容器の取出しが容易になる。

突起のその完全展開位置を越える運動を阻止するため、突起は、第１のストップを更に有するのがよい。変形例として又は追加例として、突起は、完全引っ込み位置を越える突起又は爪片の回転運動を阻止する第２のストップを更に有するのがよい。

本発明の別の目的、特徴及び利点は、添付の図面及び本明細書に添付されその一部をなす特許請求の範囲を参照して以下の詳細な説明を参照した後は当業者には容易に明らかになろう。

図１及び図２を参照すると、第１のカップホルダ１１及び第２のカップホルダ１２を有するカップホルダ組立体１０が示されている。第１のカップホルダ１１は、第２のカップホルダ１２と構造がほぼ同一であり、したがって、本明細書においては第１のカップホルダ１１についてのみ詳細に説明する。図１及び図２は２つのカップホルダを備えたカップホルダ組立体１０を示しているが、カップホルダ組立体１０は、これよりも少ない数又は多い数のカップホルダを有してよい。

図１で分かるように、第１のカップホルダ１１は、ベース１３と、ベース１３から上方に延びる円周方向側壁１４とを有し、上端部が全体として円形の開口部１９で終端するほぼ円筒形の受け部１５を構成している。所望ならば、周方向側壁１４は、ベース１３まで下方に延びるにつれて僅かにテーパしていてもよい。変形例として、円筒形受け部１５が、任意所望の形状のものであってよい。

側壁１４は、少なくとも１つ（図面には３つ示されている）の開口部１６を有し、爪片又は突起２２がこの開口部を貫通している。図３の本発明の別の実施形態において最もよく示されているように、爪片２２は、爪片２２のベースの周囲に沿って且つ開口部１６に向かう心棒２４に隣接して側壁１４の外部に設けられた第１のストップすなわちフランジ３４を更に有している。第１のストップ３４は、開口部１６よりも寸法が大きいので、完全展開位置を越える爪片２２の内向き回転を阻止するよう機能する。したがって、第１のストップ３４は、側壁１４の外面１７に係合し、それにより爪片２２のそれ以上の回転を阻止する。

第２のストップ３６が、心棒２４から開口部１６から遠ざかるように延びている。爪片２２の第２のストップ３６は、側壁１４の外面１７に係合するよう向けられ、それにより完全引っ込み位置を越える爪片２２の回転運動を阻止する。図１及び図２を参照すると、心棒２４は、側壁１４により定められた中心軸線に対してほぼ平行な方向に向けられている。側壁１４の外面１７には、開口部１６の一方の側部に隣接して、３つの一体的に形成されたリテーナクリップ１８，２０，２１が形成されている。

リテーナクリップ１８，２０，２１は、好ましくはプラスチックで作られ、側壁１４と一体に形成された“Ｃ”字形クリップである。“Ｃ”字形により構成される開口部は、心棒２４をクリップ１８，２０，２１に入れるよう外方に向けられ、これらクリップが、クリップ１８，２０，２１内に完全に挿入された心棒２４回りに僅かに開き、また閉じ、心棒２４が、クリップ内に係止され、そして心棒２４が、これらクリップ内で回動し又は回転できるようになっている。

心棒２４の一端部２６に、レバーアーム２７が形成され、このレバーアームは、“Ｕ”字形チャネル２７であるのがよく、これは開口部１６の方向に心棒２４に対してほぼ垂直に延びている。レバーアーム２７は、側壁１４の外面１７に向かうレバーアーム２７の運動により、爪片２２がその展開位置に向かって動くように向けられている。爪片２２を完全展開位置に付勢するのに弾性部材３２が用いられている。弾性部材３２は、側壁１４の外面１７の周りに円周方向に延びていて、レバーアーム２７の“Ｕ”字形チャネル内に受け入れられている。弾性部材３２は、力をレバーアーム２７に加え、心棒２４を付勢するのに役立ち、爪片を完全展開位置に展開させる方向に心棒２４を回転させる。

爪片の頂面３０は、全体としてベース１３から遠ざかって上方に向くよう傾斜している。爪片の底面３１は、ベース１３に向かって下方に向いた傾斜面を有している。爪片の頂面３０の傾斜により、受け部内への飲料容器の導入が容易になると共に弾性部材の付勢力に抗する爪片２２のその引っ込み位置に向かう運動が容易になり、爪片の底面３１の傾斜により、受け部からの飲料容器の取り出しが容易になる。

図３を参照すると、本発明の別の実施形態が示されている。カップホルダ組立体１０は、ベース１３及び上方に延びる円周方向側壁１４を有し、それによりほぼ円筒形の受け部１５が構成されている。開口部１６が、円周方向側壁１４に形成され、この開口部は、円周方向側壁１４を貫通しており、爪片又は突起２２がこの開口部を貫通している。

爪片２２は、爪片２２のベースの周囲に沿って且つ心棒２４に隣接して設けられた第１のストップ３４を更に有している。第１のストップ３４は、開口部１６よりも寸法が大きいので、完全展開位置を越える爪片２２の内向き回転を阻止するよう機能する。したがって、第１のストップ３４は、側壁１４の外面１７に係合し、それにより爪片２２のそれ以上の回転を阻止する。

第２のストップ３６が、開口部１６から遠ざかって心棒２４から延びている。爪片２２の第２のストップ３６は、側壁１４の外面１７に係合するよう向けられ、それにより完全引っ込み位置を越える爪片２２の回転運動を阻止する。

当業者であれば容易に理解されるように、上述の説明は、本発明の原理の実施化の例示と考えられる。この説明は、特許請求の範囲に記載された本発明の精神から逸脱することなく本発明について改造、変形及び変更を行うことができるので、本発明の範囲又は用途を限定するものではない。

本発明の原理を具体化したカップホルダ組立体の平面図である。 図１に示すカップホルダ組立体の側面図である。 本発明の原理を具体化したカップホルダ組立体の平面図である。

符号の説明

１０ カップホルダ組立体
１１ 第１のカップホルダ
１２ 第２のカップホルダ
１３ ベース
１４ 側壁
１５ 受け部
１６，１９ 開口部
２２ 爪片又は突起
１８，２０，２１ リテーナクリップ
２４ 心棒
３２ 弾性部材
３４，３６ ストップ

Claims (14)

1. 自動車用カップホルダであって、
   開口部と、ベースと、該ベースから前記開口部まで延びる側壁を備えた受け部であって、前記開口部が、容器を前記受け部内に入れるための孔を構成する受け部と、
   前記側壁に回動自在に取り付けられ前記側壁に設けられた開口部を貫通している少なくとも１つの突起であって、前記ベースにほぼ垂直な軸線を中心に回転可能であり、前記開口部を貫通した完全展開位置と完全引っ込み位置との間で動くことができる突起と、
   前記突起に結合され、前記突起を前記完全展開位置に向かって付勢する付勢部材と、を備えている、
   ことを特徴とする自動車用カップホルダ。
2. 前記付勢部材は、前記側壁の周りに延びる連続弾性部材である、
   請求項１記載の自動車用カップホルダ。
3. 前記突起は、前記開口部にほぼ向いた傾斜面を更に有し、それにより、前記受け部内への前記容器の導入が容易になる、
   請求項１記載の自動車用カップホルダ。
4. 前記突起は、前記ベースにほぼ向いた傾斜面を更に有し、それにより前記受け部からの前記容器の取出しが容易になる、
   請求項１記載の自動車用カップホルダ。
5. 前記突起は、前記完全展開位置を越える前記突起の回転運動を阻止する第１のストップを更に有する、
   請求項１記載の自動車用カップホルダ。
6. 前記第１のストップは、前記側壁の外面に係合する、
   請求項５記載の自動車用カップホルダ。
7. 前記第１のストップは、前記突起から延び、前記開口部を貫通しないように寸法決めされたフランジである、
   請求項５記載の自動車用カップホルダ。
8. 前記突起は、前記完全引っ込み位置を越える前記突起の回転運動を阻止する第２のストップを有する、
   請求項１記載の自動車用カップホルダ。
9. 前記第２のストップは、前記側壁の外面に係合する、
   請求項８記載の自動車用カップホルダ。
10. 前記第２のストップは、前記突起から延び、前記開口部を貫通しないように寸法決めされたフランジである、
    請求項８記載の自動車用カップホルダ。
11. 前記突起は、前記側壁の外面に隣接して設けられた心棒を有し、前記心棒は、全体として前記ベースに対して垂直に向けられている、
    請求項１記載の自動車用カップホルダ。
12. 前記心棒は、前記側壁の前記外面から延びるクリップ内に回転自在に保持される、
    請求項１１記載の自動車用カップホルダ。
13. 前記付勢部材は、前記心棒から延びるレバーアームに係合する、
    請求項１１記載の自動車用カップホルダ。
14. 前記付勢部材は、前記レバーアームにより構成されたチャネル内に受け入れられている、
    請求項１３記載の自動車用カップホルダ。

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