JP2006224817A - エアバッグ - Google Patents

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Abstract

【課題】 所望する部位の厚みを増やし、該部位の展開幅を大きくすることができるエアバッグを提供する。
【解決手段】 エアバッグ16は、第1パネル22及び第2パネル23を平面的に重ね合わせ、その周縁部を外周シーム26で封止することにより、袋状に形成されている。エアバッグ16の内部において、外周シーム26の上端部にはテザー25の基端が接合され、厚み規制部17にはテザー25の先端が接合されている。膨張展開した状態のエアバッグ16においては、その内部でテザー25が張設されることにより、車両横方向へ延びる展開面28aが形成されている。そして、エアバッグ16には、展開面28aが形成された分、車両横方向の膨張を助長される厚み増加領域として、肩拘束部27bが形成される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、サイドエアバッグ装置、リヤサイドエアバッグ等に使用され、車両のボディに衝撃が加えられたとき、該ボディの側壁部と搭乗者との間で膨張展開するエアバッグに関するものである。
従来、この種のエアバッグとしては、例えば、特許文献1に記載のサイドエアバッグ装置に備えられるものが挙げられる。当該サイドエアバッグ装置のエアバッグは、織布等からなる一対のパネル(特許文献1には「基布」と記載)を平面的に重ね合わせ、それらの周縁を全体として袋状をなすように縫着することによって形成されている。このエアバッグの上下方向のほぼ中央には、両パネルを互いに縫着することによってシームが形成されている。このシームにより、エアバッグの内部には、上部区画室、下部区画室及び中間区画室が形成されている。エアバッグの膨張展開状態において、シームが形成された中間区画室は、上部区画室及び下部区画室よりも厚さが薄く、つまりは車両横方向の展開幅が小さくなっている。
エアバッグは、膨張展開した状態で車両のドア等といったボディサイドの内面と、搭乗者との間に挟まれることにより、搭乗者の肩部、腰部等を拘束し、該搭乗者を衝撃等から保護するようになっている。つまり、このエアバッグは、上部区画室が搭乗者の肩部を拘束し、下部区画室が腰部を拘束し、そして中間区画室が胸部を衝撃等から保護するようになっている。なお、このエアバッグは、一対のパネルを縫着することによって袋状に形成されたものであるため、封止部である縫着部分、あるいはシームへ近づくにつれて車両横方向の展開幅が小さくなる。また、ボディサイドの内面は、ドアトリム部が突出して設けられたり、サイドウィンドウ部で凹んだり等することによって凹凸状をなしている。エアバッグは、このようなボディサイドの内面形状も考慮したうえで、膨張展開した状態における外形形状(以下、「バッグ展開時形状」と記載する)が設定されている。
特開2003−335208号公報
ところで、エアバッグは、上記従来のように平面的な構成とすることに限らず、エアバッグの表面部分を構成するパネルの枚数を増やし、立体的な構成とすることによっても、バッグ展開時形状を所望形状に設定することができる。しかし、このように立体的な構成としたエアバッグは、平面的な構成のものに比べ、製造が煩雑である。また、エアバッグは、通常時に折り畳まれた状態でケース内等に収納されるため、可能な限り折り畳みやすいものが望まれるが、立体的な構成のものは、平面的な構成のものに比べ、折り畳みしづらくなる。そして、製造が煩雑である、折り畳みしづらい等の観点から、立体的な構成のエアバッグは、平面的な構成のものに比べ、製造コストが大幅に嵩むことが予測される。
一方、上記従来のエアバッグように、表面部分が一対のパネルによって平面的に構成される、いわゆる平面バッグは、両パネルのみによって構成される外形形状に、両パネル間に張設されるテザー若しくは両パネルを縫着してなるシームを組み合わせてバッグ展開時形状が設定される。つまり、平面バッグにおけるバッグ展開時形状の設定は、両パネルのみによって構成される外形形状を一次形状とすれば、テザー若しくはシームで両パネル間の距離(展開幅)を一定に保持し、一次形状の厚みを抑制することによって行われる。従って、平面バッグにおいて、膨張展開時に所望部位の厚みを増すように構成する場合には、一次形状のうち、その所望部位に該当する部位の厚みを増す方法が考えられる。
しかし、一次形状の厚みを増すということは、バッグ展開時形状のうち厚みを抑制したい部位までも、厚みが増してしまうおそれがある。かといって、厚みを抑制したい部位を位置ずれさせないように考慮したうえで一次形状の厚みを増す場合には、バッグ展開時形状のうち厚みを増した部位が所望する部位から位置ずれしてしまうおそれがある。このため、平面バッグにおいては、所望する部位の厚みを増やし、該部位の展開幅を大きくすることが極めて困難であった。
例を挙げると、テザー若しくはシームは、展開幅が一定に保持される直近位置の厚みの抑制を考慮するのみならず、展開幅が徐変される周辺位置の厚みの抑制までをも考慮して設けられる。一次形状の厚みを増す場合、テザー若しくはシームの直近位置ではバッグ展開時形状を所望通りに設定できるものの、テザー若しくはシームの周辺位置では厚みが増してしまう可能性が高くなる。また、テザー若しくはシームの隣接部位を所望位置として厚みを増す場合、テザー若しくはシームの周辺位置における厚みの抑制を考慮すれば、厚みを増す部位をテザー若しくはシームの隣接部位から位置ずれさせざるを得ない。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、所望する部位の厚みを増やし、該部位の展開幅を大きくすることができるエアバッグを提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載のエアバッグの発明は、車両のボディに衝撃が加えられたとき、該ボディの側壁部と搭乗者との間で膨張展開するエアバッグであって、一対のパネルを平面的に重ね合わせ、両パネルの周縁部を互いに接合することによって袋状に形成されたものであり、前記両パネルを互いに接合してなる封止部と、該封止部に囲まれた内側の領域により形成されて膨張展開に際して膨張する膨張領域とを有するとともに、膨張展開に際して前記膨張領域の一部における車両横方向の膨張を助長するための膨張助長手段が設けられることにより、前記膨張領域には、膨張した場合に車両横方向の展開幅が他の領域よりも大きくなる厚み増加領域が形成されることを要旨とする。
上記構成によれば、一対のパネルを平面的に重ね合わせてなる平面エアバッグにおいて、膨張助長手段を設けることにより、膨張領域の一部で車両横方向の膨張を助長することができる。そして、車両横方向の膨張を助長された膨張領域の一部は、膨張領域が膨張した場合に、車両横方向の展開幅が他の領域よりも大きくなる厚み増加領域を形成することとなる。また、膨張領域の一部が膨張助長手段によって膨張を助長されるため、膨張領域における厚み増加領域以外の領域では、厚みの増加、つまりは外形形状の変化を抑制することができる。その結果、厚み増加領域を所望する部位に形成することにより、その所望する部位の厚みを増やし、該部位の展開幅を大きくすることができる。
請求項2に記載のエアバッグの発明は、請求項1に記載の発明において、前記膨張助長手段は、前記膨張領域の車両上下方向における上部及び下部のうち少なくとも一方において、車両上下方向の膨張を車両横方向の膨張へと転換することにより、該車両横方向の膨張を助長するためのものであることを要旨とする。
上記構成によれば、膨張助長手段は、車両上下方向の膨張を車両横方向の膨張へと転換するものであり、車両上下方向におけるエアバッグの膨張を抑制することにより、その抑制した分量でエアバッグを車両横方向へ膨張させる。従って、車両上下方向への膨張の減量分により、車両横方向への膨張の増量分を補うことができる。その結果、エアバッグの内部容量の拡大を抑制することができる。また、エアバッグの内部容量の拡大を抑制することにより、膨張展開に必要とする時間が長くなることを抑制することができる。
請求項3に記載のエアバッグの発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記膨張助長手段は、膨張展開する前の状態で前記膨張領域の一部が該膨張領域の内部へ引き込まれて形成された引込部から構成されていることを要旨とする。
上記構成によれば、膨張助長手段を構成する引込部は、膨張領域の一部が該膨張領域の内部へ引き込まれて形成されたものである。従って、膨張領域の一部をその内部へ引き込むという簡略な構成で膨張助長手段を構成することができる。
請求項4に記載のエアバッグの発明は、請求項3に記載の発明において、前記引込部は、前記封止部と前記パネルの内面で中央部との間に、その内面上における前記封止部から前記中央部までの距離よりも長さの短い帯状部材が接合されて形成されていることを要旨とする。
上記構成によれば、封止部とパネルの内面で中央部との間に帯状部材を接合するという簡略な構成で引込部を形成することができる。また、帯状部材は、その長さがパネルの内面上における封止部から中央部までの距離よりも短くされている。このため、エアバッグの膨張展開に際して、帯状部材は、封止部とパネルの中央部との間に張設されることとなる。その結果、帯状部材により、引込部が膨張領域の外部へ大きく膨出することを抑制することができる。
請求項5に記載のエアバッグの発明は、請求項3に記載の発明において、前記引込部は、前記パネルの一部が前記膨張領域の内部へ折り込まれ、前記封止部に接合されて形成されていることを要旨とする。
上記構成によれば、パネルの一部を膨張領域の内部へ折り込むという簡略な構成で引込部を形成することができる。また、引込部を形成することとなる膨張領域の内部へ折り込まれたパネルの一部は、封止部に接合されている。その結果、パネルの一部が封止部に接合されることにより、引込部が膨張領域の外部へ大きく膨出することを抑制することができる。
請求項6に記載のエアバッグの発明は、請求項4又は請求項5に記載の発明において、前記引込部は、前記膨張領域が膨張した場合に、前記厚み増加領域を形成するべく車両横方向へ延びる略平面状の展開面を形成することを要旨とする。
上記構成によれば、従来であれば封止部へ近づくにつれて展開幅が小さくなるエアバッグにおいて、展開面が形成された位置では、封止部の直近位置であっても展開幅を大きくすることができる。
請求項7に記載のエアバッグの発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記膨張助長手段は、膨張展開する前の状態で前記膨張領域の一部が該膨張領域の外部へ折り返され、その膨張領域の外部に接合されて形成された折返部から構成されていることを要旨とする。
上記構成によれば、膨張助長手段を構成する折返部は、膨張領域の一部が該膨張領域の外部へ折り返されて形成されたものである。従って、膨張領域の一部をその外部へ折り返すという簡略な構成で膨張助長手段を構成することができる。
請求項8に記載のエアバッグの発明は、請求項7に記載の発明において、前記折返部は、前記膨張領域の一部が折り返されたうえ、前記パネルの周縁から前記膨張領域の外側へ向かって延設された帯状部材の先端が前記パネルの外面で中央部に接合されて形成されていることを要旨とする。
上記構成によれば、パネルの周縁から延設された帯状部材の先端をパネルの外面で中央部に接合するという簡略な構成で折返部を形成することができる。また、エアバッグの膨張展開に際して、帯状部材は、パネルの周縁とパネルの中央部との間に張設されることとなる。その結果、帯状部材により、膨張領域が折返部で折れ曲がった状態を好適に維持することができる。
請求項9に記載のエアバッグの発明は、請求項7に記載の発明において、前記折返部は、前記膨張領域の一部が折り返されたうえ、該一部が前記パネルの外面で中央部に接合されて形成されていることを要旨とする。
上記構成によれば、膨張領域の一部を折り返し、該一部をパネルの外面で中央部に接合するという簡略な構成で折返部を形成することができる。また、この折り返された膨張領域の一部は、パネルの外面に接合されているため、膨張領域が折返部で折れ曲がった状態を好適に維持することができる。
本発明によれば、所望する部位の厚みを増やし、該部位の展開幅を大きくすることができる。
(第1実施形態)
以下、本発明のエアバッグをサイドエアバッグ装置で使用されるエアバッグに具体化した第1実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の記載においては、車両の進行方向(前進方向)を前方とし、車両上下方向を上下方向として説明する。また、車両横方向における左右方向は、前方及び上下方向を基準に規定する。エアバッグについては膨張展開状態を基準に、前後方向及び上下方向を規定する。
まず、サイドエアバッグ装置の概要を説明する。
図1には、車室内に配置された右側のフロントシート10が示されている。このフロントシート10は、腰掛部11と背もたれ部12とを備えている。背もたれ部12の右側部には、ケース13が埋設されている。そして、サイドエアバッグ装置14は、このケース13内に収容されるようにして車室内に装備されている。なお。特に図示はしないが、このサイドエアバッグ装置14は、車両のボディにおいて、側壁部であるボディサイド部に装備された右側ドアに対応して設けられたものである。また、図面には右側のフロントシート10のみを示したが、図示しない左側のフロントシートにも同様のサイドエアバッグ装置14が装備されているものとする。
サイドエアバッグ装置14は、ガスを発生させるガス発生源としてのインフレータ15と、このインフレータ15から発生したガスを充填することによって膨張展開する袋状のエアバッグ16とを備えている。インフレータ15は、エアバッグ16とともに、リテーナ(図示略)を介して前記ケース13に固定されている。当該サイドエアバッグ装置14は、車両のボディサイド部に所定値以上の衝撃が加わった場合、インフレータ15から噴出するガスをエアバッグ16の内部に充填する。そして、ガスが充填されたエアバッグ16は、搭乗者Pと前記ボディサイド部との間に形成された空間に対し、搭乗者Pの肩部から腰部の一側を覆うように、前方に向かって膨張展開する。また、このエアバッグ16は、搭乗者Pの胸部と対応する位置に該エアバッグ16の厚みを規制するための厚み規制部17が設けられている。なお、通常時のエアバッグ16は、折り畳まれて前記ケース13内に収容されている。
次に、前記エアバッグ16の構成について説明する。
図2は、エアバッグ16を構成するパネルシートを該エアバッグ16の内面側から見た状態の展開図を示す。前記エアバッグ16は、左右一対のパネルを平面的に重ね合わせて形成されるものである。これら左右一対のパネルは、1枚のパネルシートから構成されている。このパネルシート21は、織布又は樹脂フィルムを裁断することにより、左右対称な形状をなすように形成されている。パネルシート21において、図2中の左半部は、一対のパネルのうちの一方であり、エアバッグ16の一側面を構成することとなる第1パネル22である。パネルシート21において、図2中の右半部は、一対のパネルのうちの他方であり、エアバッグ16の他側面を構成することとなる第2パネル23である。また、第1パネル22と第2パネル23との境界には、主折曲線24が設けられている。
該主折曲線24を谷折りするように、パネルシート21を2つ折りして重ね合わせることにより、第1パネル22及び第2パネル23は、平面的に重ね合わされる。また、第1パネル22には、その内面の上端部に帯状部材としてのテザー25が接合されている。テザー25は、平面視で略扇状に形成されている。このテザー25は、その基端25a(図2中の上端)の周縁が第1パネル22の上端縁に縫糸による縫着によって接合されている。そして、パネルシート21の2つ折りに際して、テザー25は、第1パネル22及び第2パネル23の間に挟み込まれるようになっている。
図3(a)は、ガスを充填することなく展開させた、つまりは膨張展開する前の状態のエアバッグ16を示す。図3(b)は、図3(a)の3B−3B線における断面図を示す。なお、図3(b)においては、構成を分かり易くするため、第1及び第2パネル22,23、テザー25等の厚み、あるいは寸法を誇張して、膨張展開する前の状態のエアバッグ16を模式的に図示している。従って、実際には、膨張展開する前の状態のエアバッグ16において、第1パネル22、第2パネル23及びテザー25は、それぞれ互いに接触している。
エアバッグ16は、平面的に重ね合わされた第1パネル22及び第2パネル23の周縁部を互いに接合することにより、袋状をなすように形成されている。これら第1及び第2パネル22,23は、縫糸による縫着によって互いに接合されている。エアバッグ16の周縁部には、第1及び第2パネル22,23を互いに縫着することにより、封止部である外周シーム26が形成されている。そして、エアバッグ16の膨張展開に際して膨張する膨張領域27は、この外周シーム26に囲まれた内側の領域によって形成されている。また、エアバッグ16には、第1パネル22の中央部である第1中央部22aと、第2パネル23の中央部である第2中央部23aとが縫糸による縫着によって互いに接合されることにより、前記厚み規制部17が形成されている。
前記テザー25の基端25aは、前記外周シーム26で第1パネル22及び第2パネル23に共縫いされることにより、該外周シーム26に接合されている。テザー25の先端25bは、前記厚み規制部17において、第1及び第2中央部22a,23aに共縫いされることにより、該第1及び第2中央部22a,23aに接合されている。このテザー25は、第1パネル22の内面上における周縁部(外周シーム26が形成される位置)から第1中央部22aまでの距離よりも、その長さが短くなるように形成されている(図2を参照)。従って、テザー25の基端25a及び先端25bが外周シーム26及び厚み規制部17のそれぞれに接合されることにより、エアバッグ16の上端部は、膨張領域27の内部へ引き込まれている。この膨張領域27の内部へ引き込まれたエアバッグ16の上端部は、本実施形態の膨張助長手段を構成する引込部28を形成している。
なお、テザー25は、まず基端25aが外周シーム26に接合された後、先端25bが厚み規制部17に接合される。すなわち、特に図示はしないが、エアバッグ16には、その周縁部の一部を未縫着とすることにより、前記インフレータ15及び前記リテーナを内部へ挿入するための挿入孔が設けられている。テザー25は、基端25aが外周シーム26に接合された状態で、該挿入孔を利用し、その先端25bを第1及び第2中央部22a,23aに配置して厚み規制部17を形成することにより、先端25bが厚み規制部17に接合される。また、本実施形態では、テザー25の先端25bにおける耐ガス圧性能の向上を図るため、該先端25bを厚み規制部17に接合したうえ、円形状のシーム25cをさらに形成している。
図4(a),(b)は、ガスを充填して膨張展開させたエアバッグ16を、それぞれ模式的に示す。エアバッグ16は、膨張領域27の内部へガスが充填されることにより、該膨張領域27が車両横方向へ膨張し、膨張展開した状態となる。この膨張領域27において、厚み規制部17は、前述したように搭乗者Pの胸部と対応する位置に配置されており、該胸部を保護している。一方、膨張領域27において、厚み規制部17よりも下部は、搭乗者Pの腰部と対応する位置に配置されている。この膨張領域27の下部は、搭乗者Pの腰部を拘束するための腰拘束部27aとされている。そして、この腰拘束部27aは、車両のボディサイド部のうち、ドアトリム、ドアポケット等が取り付けられることとなるドア内装パネル18aと、搭乗者Pの腰部との間に挟み込まれている。
膨張領域27において、厚み規制部17よりも上部は、搭乗者Pの肩部と対応する位置に配置されている。この膨張領域27の上部は、搭乗者Pの肩部を拘束するための肩拘束部27bとされている。膨張展開した状態の肩拘束部27bにおいて、前記引込部28は、車両横方向へ延びる略平面状の展開面28aを形成している。この展開面28aが形成された分、肩拘束部27bは、車両横方向へ大きく広がり、該車両横方向の膨張を助長されている。そして、肩拘束部27bは、車両横方向の展開幅が、膨張領域27の他の領域である腰拘束部27a及び厚み規制部17よりも大きくなる厚み増加領域として形成されている。
肩拘束部27bは、車両のボディサイド部のうち、サイドウィンドウ18bと、搭乗者Pの肩部との間に挟み込まれている。このサイドウィンドウ18bは、前記ドア内装パネル18aよりも車両外方へ凹んでいる。肩拘束部27bは、厚み増加領域として形成されることにより、ドア内装パネル18aがサイドウィンドウ18bより凹んでいるにも係わらず、搭乗者Pの肩部のみならず、サイドウィンドウ18bにも当接されている。従って、肩拘束部27bは、搭乗者Pの肩部との間、及びサイドウィンドウ18bとの間に隙間を形成しないように構成されている。
なお、展開面28aは、上方から見た状態で、車両前後方向を長径とし、車両横方向を短径とする楕円形状に形成されている。この楕円形状をなす展開面28aは、その周縁の何れの位置であっても搭乗者Pの肩部に当接させることができるようになっている。すなわち、このような展開面28aを有する肩拘束部27bは、搭乗者Pの肩部が何れの位置にあっても、該肩部を好適に捉えることが可能であり、拘束性能の向上が図られている。
次に、前記エアバッグ16の作用について以下に記載する。
さて、エアバッグ16は、前記インフレータ15から発生したガスが膨張領域27の内部へ充填されることにより、前記ケース13内で折り畳まれた状態から、車両前方向及び車両上下方向へ展開しつつ、車両横方向へ膨張する。このエアバッグ16の膨張展開に際し、肩拘束部27bにおいては、テザー25が外周シーム26と厚み規制部17との間に張設されることにより、車両上方向への膨張が抑制される。このため、膨張領域27の内部へ充填されたガスは、引込部28を車両横方向へ広げるように整流される。そして、ガスによって車両横方向へ広げられた引込部28は、展開面28aを形成する。
また、肩拘束部27bにおいては、車両上方向への膨張が抑制された分、該膨張が車両横方向の膨張へと転換される。その結果、肩拘束部27bは、車両横方向への膨張を助長され、厚み規制部17は言うに及ばず、腰拘束部27aよりも車両横方向の展開幅が大きくなる。車両横方向の展開幅が大きくなった肩拘束部27bは、搭乗者Pの肩部及びサイドウィンドウ18bの双方に当接しつつ、これらの間に挟み込まれる。そして、肩拘束部27bは、搭乗者Pの肩部を捉え、これを拘束することにより、搭乗者Pを衝撃から保護する。
なお、本実施形態において、膨張助長手段である引込部28を設けることなく、エアバッグ16を構成した場合、肩拘束部27bは腰拘束部27aと略同大同形状となり、その結果、車両横方向の展開幅も略同一となる。また、テザー25及び展開面28aを設けたことにより、車両上方向の膨張を抑制される領域は、肩拘束部27bの上端部分である。この肩拘束部27bの上端部分は、そのまま車両上方向へ膨張した場合、腰拘束部27aの下端部分と同様に、外周シーム26に近づくにつれて車両横方向の展開幅が小さくなる。このため、該上端部分を車両上方向へそのまま膨張させた場合を考慮すると、肩拘束部27bがボディサイド部の内面上で凹むサイドウィンドウ18bと対応する位置に配置されることから、該上端部分とサイドウィンドウ18bとの間に隙間が形成される可能性が高い。従って、該上端部分における車両上方向の膨張を抑制しても、エアバッグ16の拘束性能への影響は皆無である。むしろ、車両上方向の膨張が抑制されることにより、車両横方向の膨張が積極的に助長されるため、エアバッグ16の周囲に隙間が形成されにくくなり、拘束性能が向上する。
前記第1実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1)エアバッグ16は、第1及び第2パネル22,23を平面的に重ね合わせて接合することにより袋状に形成された、いわゆる「平面エアバッグ」である。このエアバッグ16において、膨張領域27の上部を構成する肩拘束部27bの上端には、膨張助長手段として、引込部28が設けられている。この引込部28は、膨張展開に際して、車両横方向に広がることにより、肩拘束部27bにおける車両横方向の膨張を助長する。従って、肩拘束部27bを、腰拘束部27a及び厚み規制部17よりも車両横方向の展開幅が大きくなる厚み増加領域として形成することができる。また、引込部28が設けられた肩拘束部27bのみが厚み増加領域とされており、腰拘束部27a及び厚み規制部17は、厚みの増加、つまりは外形形状の変化を抑制されている。その結果、サイドウィンドウ18bと対応する位置に配置される肩拘束部27bに引込部28を設けることにより、肩拘束部27bの厚みを増やし、その展開幅を大きくすることができる。
(2)また、当該エアバッグ16においては、引込部28から形成される展開面28aよりも車両上方向の膨張を抑制することにより、その抑制した分量で肩拘束部27bを車両横方向へ膨張させている。従って、車両横方向への膨張の増量分は、車両上方向への膨張の減量分により、補われている。このため、肩拘束部27bの内部容量を拡大することなく、該肩拘束部27bの厚みを増やすことができる。さらに、肩拘束部27bの内部容量が拡大されていないため、エアバッグ16の膨張展開時間が変化することも抑制することができる。
(3)また、引込部28は、第1及び第2パネル22,23の一部(上端部)が膨張領域27の内部へ引き込まれて形成されたものであるため、該引込部28を簡略な構成とすることができる。なお、瞬時に膨張展開することが必要とされるエアバッグ16は、その構成を可能な限り簡略化することが望ましい。すなわち、エアバッグ16は、構成が複雑化するに従って膨張展開しづらくなるため、エアバッグ16を好適に膨張展開させるには、膨張助長手段である引込部28を簡略な構成とすることが望ましい。
(4)また、引込部28は、帯状部材であるテザー25を、外周シーム26と厚み規制部17との間に接合することによって形成されている。このため、引込部28を簡易に形成することができる。
(5)また、テザー25は、外周シーム26が設けられる第1パネルの周縁部から、厚み規制部17が形成される第1中央部22aまでの距離よりも短くされている。これにより、エアバッグ16の膨張展開に際して、テザー25は、外周シーム26と厚み規制部17との間に張設されるため、引込部28が膨張領域27の外部へ大きく膨出することを抑制することができる。
(6)また、引込部28から形成される展開面28aは、テザー25によって膨張領域27の内部へ引っ張られることにより、略平面状をなしている。このため、従来であれば外周シーム26へ近づくにつれて展開幅が小さくなるエアバッグ16において、外周シーム26の直近位置であっても展開幅を大きくすることができる。
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。なお、これ以降の各実施形態においては、前記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図5(a)は、第2実施形態のエアバッグ16を構成するパネルシート21を該エアバッグ16の内面側から見た状態の展開図を示す。このパネルシート21は、第1及び第2パネル22,23に加え、主折曲線24の延長線上に、扇状をなす中折り領域31を備えている。この中折り領域31には、主折曲線24の延長線に沿って延びるように、第1折曲線32が設けられている。また、中折り領域31と、第1及び第2パネル22,23との境界には、第2折曲線33が設けられている。図5(b)に示すように、この中折り領域31は、第1折曲線32を谷折りすることにより、パネルシート21とともに2つ折りされる。また、パネルシート21及び中折り領域31が2つ折りされた状態で、外周シーム26は、第1及び第2パネル22,23の各上端部を除くように形成されている。
図6(a)は、ガスを充填することなく展開させた、つまりは膨張展開する前の状態のエアバッグ16を示す。図6(b)は、図6(a)の6B−6B線における断面図を示す。なお、図6(b)においては、構成を分かり易くするため、第1及び第2パネル22,23の厚み、あるいは寸法を誇張して、膨張展開する前の状態のエアバッグ16を模式的に図示している。従って、実際には、膨張展開する前の状態のエアバッグ16において、第1及び第2パネル22,23は互いに接触している。
中折り領域31は、パネルシート21を2つ折りした状態から、第1折曲線32を谷折り、第2折曲線33を山折りし、前記膨張領域27の内部へ折り込まれることにより、引込部28を形成している。第1及び第2パネル22,23の各上端部は、中折り領域31が膨張領域27の内部へ折り込まれた状態で閉じ縫いされることにより、封止部である第2外周シーム26aによって封止されている。また、引込部28は、中折り領域31の周縁31aが第2外周シーム26aで第1及び第2パネル22,23に共縫いされることにより、第2外周シーム26aに接合されている。
図7(a),(b)は、ガスを充填して膨張展開させたエアバッグ16を、それぞれ模式的に示す。エアバッグ16は、膨張領域27の内部へガスが充填されることにより、該膨張領域27が車両横方向へ膨張し、膨張展開した状態となる。膨張展開した状態の肩拘束部27bにおいて、前記引込部28は、車両横方向へ延びる略平面状の展開面28aを形成している。この展開面28aが形成された分、肩拘束部27bは、車両横方向の膨張を助長されることにより、厚み増加領域として形成されている。また、展開面28aは、上方から見た状態で、略菱形状に形成されている。この略菱形状をなす展開面28aは、その角部を搭乗者Pの肩部に当接させるようになっている。すなわち、このような展開面28aを有する肩拘束部27bは、展開面28aの角部にガスを集中させることにより、搭乗者Pの肩部を受け止めることが可能であり、衝撃を緩和するクッション性能の向上が図られている。
次に、前記エアバッグ16の作用について以下に記載する。
さて、エアバッグ16の膨張展開に際し、引込部28は、ガス圧によって膨張領域27の外部へ押し出されるように、車両横方向へ広がり、展開面28aを形成する。また、膨張領域27の内部へ充填されたガスは展開面28aで車両横方向へ整流されるため、展開面28aよりも車両上方向への膨張が抑制される。その結果、車両上方向への膨張が抑制された分、該膨張が車両横方向の膨張へと転換され、肩拘束部27bは、車両横方向への膨張を助長され、厚み増加領域を形成する。なお、肩拘束部27bの前部において、展開面28aの周縁部は、ガス圧によって下方へ偏る。従って、展開面28aは、略水平に延びることとなる。
前記第2実施形態によれば、前記(1),(2)に記載の効果に加え、以下に記載の効果を奏する。
(7)引込部28は、中折り領域31が膨張領域27の内部へ折り込まれて形成されたものであるため、該引込部28を簡略な構成とすることができる。
(8)また、中折り領域31は、その周縁31aが第2外周シーム26aに接合されている。このため、引込部28が膨張領域27の外部へ大きく膨出することを抑制することができる。
(9)また、引込部28から形成される展開面28aは、略水平に延びる平面状をなしている。このため、従来であれば外周シーム26へ近づくにつれて展開幅が小さくなるエアバッグ16において、外周シーム26の直近位置であっても展開幅を大きくすることができる。
(10)また、引込部28は、ガス圧によって膨張領域27の外部へ押し出されることにより、展開面28aを形成している。このため、展開面28aを広く形成することができ、肩拘束部27bの展開幅を、第1実施形態よりもさらに増すことができる。
(第3実施形態)
図8は、第3実施形態のエアバッグ16を構成するパネルシート21を該エアバッグ16の内面側から見た状態の展開図を示す。このパネルシート21において、テザー25は、第1パネル22の外面の上端部に接合されている。また、このテザー25は、膨張領域27の外側、つまりは第1パネル22の外側へ向かって延設されている。そして、パネルシート21の2つ折りに際して、テザー25は、第1パネル22の外面に露出されるようになっている。
図9(a)は、ガスを充填することなく展開させた、つまりは膨張展開する前の状態のエアバッグ16を示す。エアバッグ16の形成に際しては、パネルシート21が2つ折りされることにより、第1パネル22及び第2パネル23が平面的に重ね合わされている。また、第1パネル22及び第2パネル23の周縁部及び中央部が互いに縫着されることにより、外周シーム26、膨張領域27及び厚み規制部17が形成されている。
膨張展開する前の状態のエアバッグ16において、膨張領域27の上端部は、テザー25とともに該膨張領域27の外部へ折り返されている。この膨張領域27の外部へ折り返されたエアバッグ16の上端部は、本実施形態の膨張助長手段を構成する折返部35を形成している。また、テザー25は、その基端25aが外周シーム26に接合され、先端25bが厚み規制部17に接合されている。従って、折返部35は、その先端がテザー25を介して厚み規制部17に固定されている。
図9(b)は、膨張展開した状態におけるエアバッグ16の正面図を示す。当該エアバッグ16は、その膨張展開に際して、肩拘束部27bで折返部35が車両上方向へ膨張しようとする。一方、折返部35の先端がテザー25を介して厚み規制部17に固定されているため、テザー25は、折返部35の膨張時に該折返部35の先端と厚み規制部17との間に張設される。従って、折返部35は、テザー25から加わる張力により、車両上方向への膨張を抑制される。このため、折返部35は、その基端で折れ曲がり、車両横方向へ膨張する。その結果、肩拘束部27bは、折返部35が車両横方向へ膨張することにより、車両横方向の膨張が助長され、厚み増加領域として形成される。
前記第3実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(11)エアバッグ16において、膨張領域27の上部を構成する肩拘束部27bの上端には、膨張助長手段として、折返部35が設けられている。肩拘束部27bは、膨張展開に際して、折返部35がその基端で折れ曲がって車両横方向へ膨張することにより、肩拘束部27bにおける車両横方向の膨張を助長する。従って、肩拘束部27bを、腰拘束部27a及び厚み規制部17よりも車両横方向の展開幅が大きくなる厚み増加領域として形成することができる。また、折返部35が設けられた肩拘束部27bのみが厚み増加領域とされており、腰拘束部27a及び厚み規制部17は、厚みの増加、つまりは外形形状の変化を抑制されている。その結果、サイドウィンドウ18bと対応する位置に配置される肩拘束部27bに折返部35を設けることにより、肩拘束部27bの厚みを増やし、その展開幅を大きくすることができる。
(12)また、エアバッグ16においては、折返部35の基端が折れ曲がることにより、車両上方向の膨張が抑制されるとともに、折返部35が折れ曲がった状態で車両横方向へ膨張することにより、肩拘束部27bが車両横方向へ膨張する。従って、車両横方向への膨張の増量分は、車両上方向への膨張の減量分によって補われている。このため、肩拘束部27bの内部容量を拡大することなく、該肩拘束部27bの厚みを増やすことができる。さらに、肩拘束部27bの内部容量が拡大されていないため、エアバッグ16の膨張展開時間が変化することも抑制することができる。
(13)また、折返部35は、エアバッグ16の上端部が膨張領域27の外部へ折り返されて形成されたものであるため、該折返部35を簡略な構成とすることができ、エアバッグ16を好適に膨張展開させることができる。
(14)また、折返部35は、帯状部材であるテザー25を、外周シーム26と厚み規制部17との間に接合することによって形成されている。このため、折返部35を簡易に形成することができる。
(15)また、折返部35の先端は、テザー25を介して厚み規制部17に固定されている。これにより、エアバッグ16の膨張展開に際して、テザー25は、折返部35の先端と厚み規制部17との間に張設されるため、折返部35が車両上方向へ膨張することを好適に抑制することができる。
(第4実施形態)
図10は、第4実施形態のエアバッグ16を構成するパネルシート21を該エアバッグ16の内面側から見た状態の展開図を示す。図11は、ガスを充填することなく展開させた、つまりは膨張展開する前の状態のエアバッグ16を示す。パネルシート21は、第1パネル22及び第2パネル23のみを有する簡略な構成とされている。エアバッグ16の形成に際しては、パネルシート21が2つ折りされることにより、第1パネル22及び第2パネル23が平面的に重ね合わされている。また、第1パネル22及び第2パネル23の周縁部及び中央部が互いに縫着されることにより、外周シーム26、膨張領域27及び厚み規制部17が形成されている。膨張展開する前の状態のエアバッグ16において、膨張領域27の上端部は、該膨張領域27の外部へ折り返され、折返部35を形成している。また、この折返部35は、その先端が厚み規制部17に縫着されて固定されている。
さて、当該エアバッグ16においては、折返部35の先端が厚み規制部17に固定されているため、折返部35が車両上方向への膨張を抑制され、その基端で折れ曲がり、車両横方向へ膨張する。その結果、肩拘束部27bは、折返部35が車両横方向へ膨張することにより、車両横方向の膨張が助長され、厚み増加領域として形成される。
前記第4実施形態によれば、前記(11)〜(13)に記載の効果に加え、以下に記載の効果を奏する。
(16)折返部35は、エアバッグ16の上端部を折り返し、その先端を厚み規制部17に縫着して固定することで形成されている。このため、第3実施形態に比べ、折返部35をさらに簡易に形成することができる。
(変更例)
なお、前記各実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記折返部35は、その先端、あるいはテザー25の先端が厚み規制部17に固定されることに限定されず、膨張領域27の外部であれば、何れの箇所に固定してもよい。
・ 帯状部材は、テザー25に限らず、例えばベルト等、前記引込部28、あるいは前記折返部35に張力を付与できるものであれば、何れを使用してもよい。
・ 前記展開面28aは、平面状に限らず、曲面状としてもよい。
・ 前記引込部28は、第1パネル22及び第2パネル23の周縁部に外周シーム26を形成した後、その一部を内側へ折り込み、該折り込み部分の両端等を縫着する等して形成してもよい。
・ 厚み増加領域は、肩拘束部27bによって形成されることに限らず、腰拘束部27a、あるいは肩拘束部27b及び腰拘束部27aの双方によって形成してもよい。なお、腰拘束部27aによって厚み増加領域を形成する場合には、引込部28又は折返部35が腰拘束部27a、つまりはエアバッグ16の下端部に設けられる。
・ 厚み増加領域をエアバッグ16の前端部に形成してもよい。
・ 膨張助長手段は、前記引込部28、あるいは前記折返部35に限らず、次のようにして構成してもよい。すなわち、第1パネル22又は第2パネル23に穴を設け、該穴を内面から塞ぐように、膨張助長手段として当て布を弛んだ状態で接合することにより、膨張展開に際して該当て布が外部へ膨出するように構成してもよい。このように構成した場合、車両上方向の膨張を転換することによらず、車両横方向の膨張を助長することができる。
・ 本発明は、フロントシートのサイドエアバッグ装置で使用するエアバッグに限らず、リヤシートのサイドエアバッグ装置で使用するエアバッグとしてもよい。
実施形態のサイドエアバッグ装置を概略的に示す側面図。 第1実施形態のエアバッグを形成するパネルシートを示す展開図。 (a)は膨張展開前の状態における第1実施形態のエアバッグを示す側面図、(b)は図3(a)の3B−3B線における断面を示す模式図。 (a)は膨張展開した状態における第1実施形態のエアバッグを示す一部を破断した正面図、(b)は同状態における第1実施形態のエアバッグを示す平面図。 (a)は第2実施形態のエアバッグを形成するパネルシートを示す展開図、(b)は形成途中の第2実施形態のエアバッグを示す側面図。 (a)は膨張展開前の状態における第2実施形態のエアバッグを示す側面図、(b)は図6(a)の6B−6B線における断面を示す模式図。 (a)は膨張展開した状態における第2実施形態のエアバッグを示す一部を破断した正面図、(b)は同状態における第2実施形態のエアバッグを示す平面図。 第3実施形態のエアバッグを形成するパネルシートを示す展開図。 (a)は膨張展開前の状態における第3実施形態のエアバッグを示す側面図、(b)は膨張展開した状態における第3実施形態のエアバッグを示す正面図。 第4実施形態のエアバッグを形成するパネルシートを示す展開図。 膨張展開前の状態における第4実施形態のエアバッグを示す側面図。
符号の説明
16…エアバッグ、22…第1パネル、22a…第1中央部、23…第2パネル、23a…第2中央部、25…帯状部材としてのテザー、26…封止部としての外周シーム、26a…封止部としての第2外周シーム、27…膨張領域、27a…厚み増加領域を形成する肩拘束部、28…膨張助長手段としての引込部、28a…展開面、35…膨張助長手段としての折込部。

Claims (9)

  1. 車両のボディに衝撃が加えられたとき、該ボディの側壁部と搭乗者との間で膨張展開するエアバッグであって、
    一対のパネルを平面的に重ね合わせ、両パネルの周縁部を互いに接合することによって袋状に形成されたものであり、
    前記両パネルを互いに接合してなる封止部と、該封止部に囲まれた内側の領域により形成されて膨張展開に際して膨張する膨張領域とを有するとともに、
    膨張展開に際して前記膨張領域の一部における車両横方向の膨張を助長するための膨張助長手段が設けられることにより、前記膨張領域には、膨張した場合に車両横方向の展開幅が他の領域よりも大きくなる厚み増加領域が形成される
    ことを特徴とするエアバッグ。
  2. 前記膨張助長手段は、前記膨張領域の車両上下方向における上部及び下部のうち少なくとも一方において、車両上下方向の膨張を車両横方向の膨張へと転換することにより、該車両横方向の膨張を助長するためのものであることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ。
  3. 前記膨張助長手段は、膨張展開する前の状態で前記膨張領域の一部が該膨張領域の内部へ引き込まれて形成された引込部から構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエアバッグ。
  4. 前記引込部は、前記封止部と前記パネルの内面で中央部との間に、その内面上における前記封止部から前記中央部までの距離よりも長さの短い帯状部材が接合されて形成されていることを特徴とする請求項3に記載のエアバッグ。
  5. 前記引込部は、前記パネルの一部が前記膨張領域の内部へ折り込まれ、前記封止部に接合されて形成されていることを特徴とする請求項3に記載のエアバッグ。
  6. 前記引込部は、前記膨張領域が膨張した場合に、前記厚み増加領域を形成するべく車両横方向へ延びる略平面状の展開面を形成することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のエアバッグ。
  7. 前記膨張助長手段は、膨張展開する前の状態で前記膨張領域の一部が該膨張領域の外部へ折り返され、その膨張領域の外部に接合されて形成された折返部から構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエアバッグ。
  8. 前記折返部は、前記膨張領域の一部が折り返されたうえ、前記パネルの周縁から前記膨張領域の外側へ向かって延設された帯状部材の先端が前記パネルの外面で中央部に接合されて形成されていることを特徴とする請求項7に記載のエアバッグ。
  9. 前記折返部は、前記膨張領域の一部が折り返されたうえ、該一部が前記パネルの外面で中央部に接合されて形成されていることを特徴とする請求項7に記載のエアバッグ。
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