JP2006223258A - チーズ様粒入り酸性調味料の製造方法 - Google Patents

チーズ様粒入り酸性調味料の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006223258A
JP2006223258A JP2005044201A JP2005044201A JP2006223258A JP 2006223258 A JP2006223258 A JP 2006223258A JP 2005044201 A JP2005044201 A JP 2005044201A JP 2005044201 A JP2005044201 A JP 2005044201A JP 2006223258 A JP2006223258 A JP 2006223258A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
egg white
cheese
heat
coagulated
acidic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005044201A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4338658B2 (ja
Inventor
Asuka Hayano
明日香 早野
Hiroshi Oka
浩史 岡
Takashi Takayama
崇 高山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
QP Corp
Original Assignee
QP Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by QP Corp filed Critical QP Corp
Priority to JP2005044201A priority Critical patent/JP4338658B2/ja
Publication of JP2006223258A publication Critical patent/JP2006223258A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4338658B2 publication Critical patent/JP4338658B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)
  • Seasonings (AREA)

Abstract

【課題】粉状若しくは粒状チーズの代わりに加熱凝固卵白を用いて、粉状若しくは粒状チーズ特有のザラザラした食感を残した手作り酸性調味料と同様の食感を有し、しかも当該食感が保存後も維持される新規なチーズ様粒入り酸性調味料の製造方法を提供する。
【解決手段】加熱凝固卵白を截断処理した後、有機酸水溶液中で加熱処理した酸処理凝固卵白を含有させることを特徴とするチーズ様粒入り酸性調味料の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規なチーズ様粒入り酸性調味料の製造方法に関する。詳しくは、粉状若しくは粒状チーズの代わりに加熱凝固卵白を用いて、粉状若しくは粒状チーズ特有のザラザラした食感を残した手作り酸性調味料と同様の食感を有し、しかも当該食感が保存後も維持される新規なチーズ様粒入り酸性調味料の製造方法に関する。
従来より、ヘルシーでさっぱりとした味わいのサラダとしてシーザーサラダ(あるいはシーザースサラダとも称される)が知られている。手作りのシーザーサラダは、一般的に食用油脂以外の卵黄を配合した水相原料を均一にした後、食用油脂を徐々に添加しながら乳化し、最後に粉状若しくは粒状チーズをチーズの粉状物若しくは粒状物が崩れないように静かに混合してドレッシングを製し、食べ易い大きさに切ったレタスに当該ドレッシング及びクルトンをかけて調理する(非特許文献1)。あるいはレタスに前記粉状チーズ等を混合する前のドレッシング、クルトン及び粉状若しくは粒状チーズをレタスにかけて調理する。このようにシーザーサラダは、チーズの粉状物若しくは粒状物が残った状態であることから、粉状チーズ等の特有のザラザラした食感を楽しむことができるサラダである。
シーザーサラダを簡便な方法で調理するには、上述したような粉状若しくは粒状チーズを予め混合したドレッシングを用いることが考えられる。このようなドレッシングを家庭で作る場合は、サラダに対して必要量と少量作れば足りること、またサラダに使用する直前に粉状チーズ等とドレッシングとを混合すれば良いことから、得られたドレッシングは、粉状チーズ等の特有のザラザラした食感が残った状態である。
しかしながら、工業的規模で製する場合は、その生産量も多量であることから、粉状若しくは粒状チーズをドレッシング等の酸性調味料に均一に分散するには、それ相応の時間と分散力を要する。また、規定量のチーズを個々の容器に充填するには、充填の間ドレッシングを攪拌し粉状チーズ等が均一に分散した状態を維持する必要がある。更に当該製品が市販され実際に使用されるまでには相当の時間が経過している。また、粉状若しくは粒状チーズは、水と接触した状態では次第に吸水して軟化することから、ちょっとした外力で崩れてしまう。したがって、工業的規模で製する酸性調味料は、たとえ粉状若しくは粒状チーズを配合しても軟化して崩れてしまい粉状若しくは粒状チーズの本来のザラザラした食感が消失してしまうという問題があった。
そこで、本発明者らは、粉末若しくは粒状チーズそのものを用いて当該チーズ特有のザラザラした食感を維持させるのではなく、別の食材で同様の食感を発現させたほうが容易ではないかと考え、水との接触や攪拌においても崩れ難く、しかも色相もチーズに似しているゆで卵の卵白部分に着目し、生卵白の加熱凝固物の粉砕物を用いることを試みた。
しかしながら、得られる酸性調味料中の加熱凝固卵白の食感は、粉状若しくは粒状チーズの食感と比べ製造直後は弾力のある食感であり、当該食感は粉状若しくは粒状チーズと同様の食感とは言い難いものであった。また、酸性調味料中の加熱凝固卵白は保存中に次第にゴム質化することから、このような食感の変化は、酸性調味料としての商品価値を損なうという問題があり、更にゴム質化した食感は粉状若しくは粒状チーズと同様の食感とは言い難いものであった。
一方、加熱凝固卵白を含有し当該製造直後の食感を保存中も維持された酸性調味料に係る発明が特開平7−143847号公報(特許文献2)に開示されている。しかしながら、特許文献2記載の発明は、食用油脂を含有する加熱凝固卵白を用いることにより酸性調味料中の加熱凝固卵白の経時的なゴム質化を防止し、製造直後の加熱凝固卵白特有の食感、つまり弾力のある食感を維持するものである。したがって、特許文献2記載の発明は、酸性調味料に含有させる加熱凝固卵白において、製造直後の弾力のある食感を維持することを目的とするもので、そもそも弾力のある食感は粉末若しくは粒状チーズ特有のザラザラした食感とは全く異なるものである。
黒川厳著、「アイディアクッキング(Idea Cooking)ヘルシーなサラダ」、(株)学習研究社、昭和58年3月20日、第6頁 特開平7−143847号公報
そこで、本発明の目的は、粉状若しくは粒状チーズの代わりに加熱凝固卵白を用いて、粉状若しくは粒状チーズ特有のザラザラした食感を残した手作り酸性調味料と同様の食感を有し、しかも当該食感が保存後も維持される新規なチーズ様粒入り酸性調味料の製造方法を提供するものである。
本発明者等は、上記目的を達成すべく加熱凝固卵白の配合原料及び加熱凝固卵白の後処理等鋭意研究を重ねた結果、加熱凝固卵白を更に酸加熱処理したものを酸性調味料に含有させるならば以外にも粉状若しくは粒状チーズ特有のザラザラした食感と同様の食感となり、しかも当該食感が保存後も維持されることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) 加熱凝固卵白を截断処理した後、有機酸水溶液中で加熱処理した酸処理凝固卵白を含有させることを特徴とするチーズ様粒入り酸性調味料の製造方法、
(2) 前記加熱凝固卵白の破断応力が400g以上である(1)のチーズ様粒入り酸性調味料の製造方法、
(3) 前記加熱凝固卵白の破断応力が600g以上である(1)のチーズ様粒入り酸性調味料の製造方法、
(4) 前記加熱凝固卵白の加熱凝固前の原料卵白液が少なくとも乾燥卵白を含有する(1)乃至(3)の何れかのチーズ様粒入り酸性調味料の製造方法、
(5) 前記原料卵白液の乾燥卵白含有量が乾物換算で5%以上である(4)のチーズ様粒入り酸性調味料の製造方法、
(6) 前記截断処理後の截断物の大きさが0.1〜4mmである(1)乃至(5)の何れかのチーズ様粒入り酸性調味料の製造方法、
(7) 前記截断処理がチョッパーで行なう(1)乃至(6)の何れかのチーズ様粒入り酸性調味料の製造方法、
(8) 前記有機酸水溶液の有機酸濃度が2%以上である(1)乃至(7)の何れかのチーズ様粒入り酸性調味料の製造方法、
(9) 前記有機酸水溶液が食酢あるいは食酢水溶液である(1)乃至(8)の何れかのチーズ様粒入り酸性調味料の製造方法、
(10) 前記有機酸水溶液中での加熱処理が70℃以上で行なう(1)乃至(9)の何れかのチーズ様粒入り酸性調味料の製造方法、
(11) 前記酸処理凝固卵白を製品に対して1%以上含有させる(1)乃至(10)の何れかのチーズ様粒入り酸性調味料の製造方法、
である。
本発明は、加熱凝固卵白の截断物を酸加熱処理した酸処理凝固卵白を含有させたチーズ様粒入り酸性調味料の製造方法であり、本発明では、粉状若しくは粒状チーズの代わりに加熱凝固卵白を用いていることから、水と長時間接触しても軟化せず、製造の際の攪拌においてもその形状が崩れ難い。また、本発明の加熱凝固卵白の截断物を酸加熱処理した酸処理凝固卵白は、粉状若しくは粒状チーズと同様の食感を有し、酸性調味料に含有させたとしても当該食感は、保存中に変化することはない。したがって、本発明の製造方法は、工業的規模での製造においても、得られる酸性調味料は、粒入りチーズを配合した手作りの酸性調味料と同様の食感を有し、しかも当該食感が保存後も維持される新規なチーズ様粒入り酸性調味料を提供できる。
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を意味する。
本発明において、チーズ様粒入り酸性調味料とは、ドレッシングやたれ等のpH4.6以下の酸性調味料中に食感上パルメザンチーズ、ブルーチーズ等の
チーズ若しくは各種加工チーズの粉状物若しくは粒状物が含有されているかのようにザラザラした食感を有する酸性調味料である。このような粉状若しくは粒状チーズが含有しているかのようにザラザラした食感と、保存中においても当該食感を維持するために、本発明のチーズ様粒入り酸性調味料の製造方法は、加熱凝固卵白を截断処理した後、有機酸水溶液中で加熱処理した酸処理凝固卵白を含有させる方法により製造することを特徴とする。
まず本発明は加熱凝固卵白を製する。ここで加熱凝固卵白とは、当該原料卵白液を任意の方法で加熱凝固させ、目視で観察したとき外見及び中身においても完全に凝固し、全体において凝固していない部分、すなわち、半熟状の部分が殆ど観察されない状態にあるものをいう。本発明は、完全に凝固した加熱凝固卵白を粉状若しくは粒状チーズの代わりに用いることで、工業的規模で本発明の酸性調味料を製したとしても、加熱凝固卵白は軟化せず、後述する酸加熱処理と併せて酸性調味料の製造ときの攪拌や乳化処理等においてもその形状はザラザラした食感が消失する程の崩れはない。
加熱凝固卵白を製するための原料卵白液を加熱凝固させる方法としては、原料卵白液が加熱凝固する温度、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上の温度で原料卵白液を完全に凝固するまで加熱処理を施せば良い。また加熱処理の方法としては、具体的には例えば、原料卵白液をケーシングに充填密封し当該ケーシング物を湯せん若しくは蒸煮等により加熱する方法、原料卵白液をトレー等の容器に移し蒸煮、通電加熱、マイクロ波等により加熱する方法、原料卵白液に直接蒸気を吹き込み加熱する方法等、任意の加熱処理方法を選択し行なえば良い。
また、加熱凝固卵白の原料卵白液に用いる卵白としては、卵を割卵して卵黄を分離して得られる生卵白、当該生卵白から例えば、糖分、リゾチーム等の卵白成分を除いた脱糖卵白、脱リゾチーム卵白等、並びにこれらの卵白に殺菌、凍結、乾燥、濃縮等各種処理を施した殺菌卵白、凍結卵白、乾燥卵白、濃縮卵白等が挙げられる。また、原料卵白液には、上述した各種卵白のうち液状のものはそのまま、あるいは水希釈して、乾燥品の場合は水戻しして用いるが、原料卵白液の卵白総含有量が水を除いた乾物換算で8%以上が必要である。前記値より卵白総含有量が少ないと原料卵白液を加熱したとしても全体が完全に凝固しない場合があり好ましくない。また、原料卵白液には、本発明の効果を損なわない範囲で、従来、加熱凝固卵白に添加されているような例えば、澱粉、ガム質等の増粘材、調味料、香辛料、食用油脂等その他の原料を添加しても良い。
本発明は、上述した各種原料卵白液の加熱凝固卵白を用いたとしても、本発明では当該加熱凝固物を後述する有機酸水溶液中で加熱処理することから、粉状若しくは粒状チーズ特有のザラザラした食感とほぼ同様の食感を有するものとなるが、より近い食感を得るためには、加熱凝固卵白がかたいほうが好ましい。具体的には、加熱凝固卵白の破断応力が400g以上が好ましく、600g以上がより好ましい。生卵白は卵白固形分と水分の比率が11.6部対88.4部であり(「五訂食品成分表2001」、女子栄養大学出版部)、生卵白の加熱凝固物の破断応力を測定したところ、およそ150〜250gを呈した。したがって、上記破断応力の値は生卵白の加熱凝固物より高い値である。
なお、上記加熱凝固卵白の破断応力の測定は、3cm立方体の加熱凝固卵白の上面中心部を、品温20±2℃に保ちながら、山電社製のクリープメータRE−3305を用いて、直径8mmの球状プランジャーにて6cm/分の速度で試料台を上昇させて測定したものである。
このように破断応力の高い加熱凝固卵白を得るには、当該原料卵白液において、用いる卵白の選択や当該卵白の含有量を調整する方法等により容易に可能である。具体的には例えば、原料卵白液の卵白として少なくとも乾燥卵白を用いることで破断応力の高い加熱凝固卵白が得られ易く、より好ましい具体例としては、原料卵白液の乾燥卵白含有量が乾物換算で好ましくは5%以上、より好ましくは8%以上とすることでより高い破断応力の加熱凝固卵白が得られる。
次に、加熱凝固卵白を截断処理する。截断処理は、例えば、チョッパー、サイレントカッター、コミットロール(アーシャル社製コミットロール)等塊状の食品を截断する一般的な截断処理装置を用いれば良いが、これらの截断処理装置の中でも、特に、チョッパーで行なうことが好ましい。チョッパーを用いると加熱凝固卵白が押圧されながら截断することから、表面積の多い不定形の截断物となり、後述の酸加熱処理と合わせて食感及び外観において粉状若しくは粒状チーズに近いものが得られ易く好ましい。また、チョッパーは、特定穴径を有するプレートを通過させて截断することから、他の装置よりも截断物の大きさをコントロールし易く好ましい。
また、截断物の大きさは、0.1〜4mmが好ましく、0.5〜3mmがより好ましい。前記値より大きいと粒状というよりは塊状物となり、一方、前記値より小さいとザラザラした食感が得られず、本発明の目的とする粉状若しくは粒状チーズ特有の食感と同様の食感が得られ難く好ましくない。このような大きさの截断物を得る具体的な方法としては、例えば、プレート目穴径1mm、2mm、3mm又は4mmのチョッパーにより截断処理する方法等が挙げられる。
次に、得られた加熱凝固卵白の截断物を有機酸水溶液中で加熱処理し酸処理凝固卵白を製する。この酸加熱処理より加熱凝固卵白の表面が締まってかたくなると共に細かい凹凸を形成し、粉状若しくは粒状チーズ特有のザラザラした食感と同様の食感が得られる。
用いる有機酸としては、食用として供されるものであればいずれのものでもよく例えば、酢酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、グルコン酸、乳酸等が挙げられ、本発明では更に有機酸を主成分として含有した例えば、食酢、柑橘果汁等の食材を用いてもよい。特に、食酢は、上述した加熱凝固卵白の表面改質効果にも優れ、また酸性調味料の酸材として汎用的原料であり、酸処理凝固卵白と共に使用した食酢を酸性調味料に配合させることが可能であることから好ましい。
また、本発明の有機酸水溶液中での加熱処理は、2%以上の有機酸濃度で行なうことが好ましく、3%以上がより好ましい。また、加熱処理は70℃以上で行なうことが好ましく、80℃以上がより好ましい。前記値より有機酸濃度、あるいは加熱温度が低いと、上述した加熱凝固卵白の表面改質である表面の締りや凹凸の形成がされ難く、粉状若しくは粒状チーズ特有のザラザラした食感と同様の食感が得られ難いことから好ましくない。なお、加熱処理時間は、特に規定していないが、1分以上、好ましくは2分以上行なえば良い。また、有機酸水溶液には、本発明の効果を損なわない範囲で、酸性調味料の原料として使用される例えば、澱粉、ガム質等の増粘材、調味料、香辛料、食用油脂等その他の原料を添加しても良い。
以上、本発明のチーズ様粒入り酸性調味料に含有させる酸処理凝固卵白の製造方法について詳述したが、本発明の酸性調味料は、上述した酸処理凝固卵白を一原料として用い常法により製すればよい。例えば、酸性調味料が、乳化タイプの酸性調味料の場合は、酸処理凝固卵白を水相に添加し、その後乳化する。あるいは、予め乳化タイプの酸性調味料を製し、これに酸処理凝固卵白を混合する等が挙げられる。また食用油脂が積層した分離タイプや食用油脂を殆ど含有しないノンオイルタイプの酸性調味料の場合は、水相に添加する等が挙げられる。また、本発明の酸処理凝固卵白は、有機酸水溶液で処理することから、当該有機酸水溶液も酸処理凝固卵白と共に酸性調味料の原料として用いてもよい。
酸性調味料中の酸処理凝固卵白の含有量は、酸性調味料を喫食したとき粉状若しくは粒状チーズが入っているかのような食感が判る量を含有させればよく、具体的には、製品に対し1%以上が好ましく、3%以上がより好ましい。また、本発明の酸性調味料には、チーズ風味を付与するため、チーズ風味材として、チーズそのものや香料等を所望量添加する。例えば、チーズそのものを添加する場合は、0.1%以上が好ましく、0.5%以上がより好ましい。
なお、本発明のチーズ様粒入り酸性調味料には、本発明の効果を損なわない範囲で各種原料を適宜選択し含有させることが出来る。例えば、食酢、グルタミン酸ナトリウム、食塩、砂糖、醤油、味噌等の各種調味料、各種エキス、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、紅花油、大豆油、パーム油、魚油等の動植物油又はこれらの精製油(サラダ油)、MCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、エステル交換油等のような化学的あるいは酵素的処理等を施して得られる油脂等の食用油脂、キサンタンガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、アラビアガム、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、うるち米澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、ワキシコーンスターチ、もち米澱粉、湿熱処理澱粉、化工澱粉等の増粘材、全卵、卵黄、ホスフォリパーゼA1、ホスフォリパーゼA2、ホスフォリパーゼC若しくはホスフォリパーゼDで酵素処理した卵黄、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン、ラクトアルブミン、カゼインナトリウム等の乳化材、アスコルビン酸又はその塩、ビタミンE等の酸化防止剤、色素、香味食材や各種野菜のおろし、ペースト状物、截断物等の具材の粉砕物等が挙げられる。
以下、本発明のチーズ様粒入り酸性調味料について、実施例、比較例および試験例に基づき具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものでない。
[実施例1]
<加熱凝固卵白の製造>
下記の配合割合に準じ加熱凝固卵白9kgを製した。つまり、清水4.7kgに生卵白3.5kg、乾燥卵白1.5kg及びサラダ油0.3kgを添加しミキサーにて均一混合して加熱凝固卵白の原料卵白液10kg調製した。得られた原料卵白液の卵白総含有量は乾物換算で17.8%であり、原料卵白液の乾燥卵白含有量は乾物換算で13.8%である。次に折径95mmの塩化ビニリデン製ケーシングに前記原料卵白液を3kg充填密封した後、ケーシング物を90℃のお湯の中で60分間湯せん処理し、室温まで冷却して加熱凝固卵白9kg(3kg×3本)を製した。得られた加熱凝固卵白の破断応力は870gであった。なお、乾物換算による卵白総含有量及び乾燥卵白の含有量は、使用した原料卵白である生卵白及び乾燥卵白のそれぞれの水分含量を下記の測定方法で求め、当該水分含量から算出した。つまりそれぞれの卵白の水分含量は、試料をポリエチレン袋中で均質化後、ケイソウ土を入れたプラスチックフィルム袋を用いる減圧100℃恒量乾燥法により求めた。
<酸処理凝固卵白の製造>
次に下記配合割合に示すチーズ様酸性乳化調味料の原料として使用する食酢、食塩及び清水、並びに上記方法で得られた加熱凝固卵白を用いて酸処理凝固卵白を製した。つまり、加熱凝固卵白の全量(9kg)をプレート目穴径2mmのチョッパーで截断処理した。得られた加熱凝固卵白の截断物は、殆どが1〜3mmの大きさであった。次に食酢8kg、食塩1kg及び清水7kgを混合して食酢水溶液(酢酸濃度4.5%)を調整し、この食酢水溶液に加熱凝固卵白の截断物6kgを添加し、ゆっくり攪拌させながら90℃まで加熱処理した後、室温まで冷却して、食酢水溶液に漬した酸処理凝固卵白を製した。なお、80℃〜90℃に昇温するのに約2分を要した。
<チーズ様粒入り酸性乳化調味料の製造>
次に下記の配合割合に準じチーズ様粒入り酸性乳化調味料100kgを製した。つまり、上記食酢水溶液に漬した酸処理凝固卵白の全量(22kg:食酢8kg、酸処理凝固卵白6kg、食塩1kg及び清水7kg含有)にサラダ油以外の卵黄14kg、アンチョビーソース8kg、パルメザンチーズ5kg、ニンニクペースト2kg及びマスタード2kgをホモミキサーを用いて均一に分散させた後、分散液を攪拌させながらサラダ油47kgを徐々に添加して予備乳化し、最後に仕上げ乳化を行いチーズ様粒入り酸性乳化調味料100kgを製した。そして得られた乳化調味料をゆっくり攪拌しながら、200mL容量のガラス瓶に200mLずつ充填し密栓した。
得られたチーズ様粒入り酸性乳化調味料は、後述の試験例で示すとおり手作りの酸性調味料(参考例)と同様一見して粒状チーズのような粒状物が配合されているのが判り、調味料中の粒状物の食感も手作りと同様ザラザラした食感を有していた。また、保存後においても調味料中の粒状物は製造直後のザラザラした食感が維持されていた。
<加熱凝固卵白の原料卵白液の配合割合>
生卵白 35%
乾燥卵白 15%
サラダ油 3%
清水 47%
――――――――――――――――――――――――
100%
<チーズ様粒入り酸性乳化調味料の配合割合>
サラダ油 47%
卵黄 14%
食酢(酢酸濃度:9%) 8%
アンチョビーソース 8%
酸処理凝固卵白 6%
パルメザンチーズ(パウダー) 5%
ニンニクペースト 2%
マスタード 2%
食塩 1%
清水 7%
――――――――――――――――――――――――
合計 100%
[比較例1]
<チーズ配合酸性乳化調味料の製造>
下記の配合割合に準じ実施例1と同様の乳化方法でチーズ配合酸性乳化調味料100kgを製した。つまり、サラダ油以外の卵黄14kg、食酢8kg、アンチョビーソース8kg、パルメザンチーズ6kg、ニンニクペースト2kg、マスタード2kg、食塩1kg及び清水12kgをホモミキサーを用いて均一に分散させた後、分散液を攪拌させながらサラダ油47kgを徐々に添加し予備乳化し、最後に仕上げ乳化を行いチーズ様粒入り酸性乳化調味料100kgを製した。そして得られた酸性乳化調味料をゆっくり攪拌しながら、200mL容量のガラス瓶に200mLずつ充填し密栓した。
得られたチーズ配合酸性乳化調味料は、後述の試験例で示すとおりパルメザンチーズ(パウダー)が配合されているにも拘らず配合されているのか外観上判別できず、また手作りの酸性調味料(参考例)と異なりザラザラした食感が消失していた。
<チーズ配合酸性乳化調味料の配合割合>
サラダ油 47%
卵黄 14%
食酢(酢酸濃度:9%) 8%
アンチョビーソース 8%
パルメザンチーズ(パウダー) 6%
ニンニクペースト 2%
マスタード 2%
食塩 1%
清水 12%
――――――――――――――――――――――――
合計 100%
[比較例2]
<加熱凝固卵白の製造>
原料卵白液として生卵白(卵白含有量が乾物換算で11.6%)を用いて実施例1と同様の方法で加熱凝固卵白9kgを製した。つまり、折径95mmの塩化ビニリデン製ケーシングに生卵白を3kg充填密封した後、ケーシング物を90℃のお湯の中で60分間湯せん処理し、室温まで冷却して加熱凝固卵白9kg(3kg×3本)を製した。得られた加熱凝固卵白の破断応力は215gであった。
<チーズ様粒入り酸性乳化調味料の製造>
実施例1と異なり酢加熱処理を施した酸処理凝固卵白の代わりに酸加熱処理を施していない単に加熱凝固卵白の截断物を用いた以外は、同様の配合割合及び製造方法でチーズ様粒入り酸性乳化調味料100kgを製した。つまり、まず実施例1と同様、加熱凝固卵白の全量(9kg)をプレート目穴径2mmのチョッパーで截断処理し加熱凝固卵白の截断物を製した。次にサラダ油以外の卵黄14kg、食酢8kg、アンチョビーソース8kg、加熱凝固卵白の截断物6kg、パルメザンチーズ5kg、ニンニクペースト2kg、マスタード2kg、食塩1kg及び清水7kgをホモミキサーを用いて均一に分散させた後、分散液を攪拌させながらサラダ油47kgを徐々に添加して予備乳化し、最後に仕上げ乳化を行いチーズ様粒入り酸性乳化調味料100kgを製した。そして得られた乳化調味料をゆっくり攪拌しながら、200mL容量のガラス瓶に200mLずつ充填し密栓した。
得られたチーズ様粒入り酸性乳化調味料は、後述の試験例で示すとおり手作りの酸性調味料(参考例)と同様、一見して粒状チーズのような粒状物が配合されているのが判るが、調味料中の粒状物の食感は手作りのザラザラした食感と異なり弾力のある食感であった。また、保存後においても調味料中の粒状物はゴム質化した食感となり手作りのザラザラした食感とは異質のものであった。
[参考例]
<手作りのチーズ配合酸性乳化調味料の製造>
比較例1の配合割合に準じ手作りのチーズ配合酸性乳化調味料200gを調理した。つまり、サラダ油以外の卵黄28g、食酢16g、アンチョビーソース16g、ニンニクペースト4g、マスタード4g、食塩2g及び清水24gをハンディミキサーを用いて均一に分散させた後、分散液を攪拌させながらサラダ油94gを徐々に添加して乳化し、最後に乳化物にパルメザンチーズ(パウダー)12gをヘラで静かに混合し手作りのチーズ配合酸性乳化調味料200gを調理した。
得られた手作りのチーズ配合酸性乳化調味料の食感は、パルメザンチーズ(パウダー)特有のザラザラした食感を有していた。
[試験例]
実施例1、比較例1及び2、並びに参考例で得られた調味料をそれぞれ大さじ1杯分ずつ小皿に移し、参考例の手作りの調味料を対照に実施例1、比較例1及び2の外観及び食感を評価した。また、それぞれの調味料を35℃で3週間保存し(室温で3ヶ月保存に相当)、前記と同様小皿に移し保存後の食感を評価した。結果を表1に示す。
Figure 2006223258
表1より、酸加熱処理した酸処理凝固卵白を含有した実施例1の酸性調味料は、チーズパウダーのみ含有した比較例1、酸加熱処理を施していない加熱凝固卵白を含有した比較例2の酸性調味料に比べ、粉状若しくは粒状チーズ特有のザラザラした食感を残した参考例の手作り酸性調味料と同様の食感を有し、しかも当該ザラザラした食感が保存後も維持されているのが理解される。

Claims (11)

  1. 加熱凝固卵白を截断処理した後、有機酸水溶液中で加熱処理した酸処理凝固卵白を含有させることを特徴とするチーズ様粒入り酸性調味料の製造方法。
  2. 前記加熱凝固卵白の破断応力が400g以上である請求項1記載のチーズ様粒入り酸性調味料の製造方法。
  3. 前記加熱凝固卵白の破断応力が600g以上である請求項1記載のチーズ様粒入り酸性調味料の製造方法。
  4. 前記加熱凝固卵白の加熱凝固前の原料卵白液が少なくとも乾燥卵白を含有する請求項1乃至3の何れかに記載のチーズ様粒入り酸性調味料の製造方法。
  5. 前記原料卵白液の乾燥卵白含有量が乾物換算で5%以上である請求項4記載のチーズ様粒入り酸性調味料の製造方法。
  6. 前記截断処理後の截断物の大きさが0.1〜4mmである請求項1乃至5の何れかに記載のチーズ様粒入り酸性調味料の製造方法。
  7. 前記截断処理がチョッパーで行なう請求項1乃至6の何れかに記載のチーズ様粒入り酸性調味料の製造方法。
  8. 前記有機酸水溶液の有機酸濃度が2%以上である請求項1乃至7の何れかに記載のチーズ様粒入り酸性調味料の製造方法。
  9. 前記有機酸水溶液が食酢あるいは食酢水溶液である請求項1乃至8の何れかに記載のチーズ様粒入り酸性調味料の製造方法。
  10. 前記有機酸水溶液中での加熱処理が70℃以上で行なう請求項1乃至9の何れかに記載のチーズ様粒入り酸性調味料の製造方法。
  11. 前記酸処理凝固卵白を製品に対して1%以上含有させる請求項1乃至10の何れかに記載のチーズ様粒入り酸性調味料の製造方法。
JP2005044201A 2005-02-21 2005-02-21 チーズ様粒入り酸性調味料の製造方法 Expired - Fee Related JP4338658B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005044201A JP4338658B2 (ja) 2005-02-21 2005-02-21 チーズ様粒入り酸性調味料の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005044201A JP4338658B2 (ja) 2005-02-21 2005-02-21 チーズ様粒入り酸性調味料の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006223258A true JP2006223258A (ja) 2006-08-31
JP4338658B2 JP4338658B2 (ja) 2009-10-07

Family

ID=36985165

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005044201A Expired - Fee Related JP4338658B2 (ja) 2005-02-21 2005-02-21 チーズ様粒入り酸性調味料の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4338658B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019139027A1 (ja) * 2018-01-10 2019-07-18 株式会社Mizkan Holdings 密閉容器入り具材含有液状調味料

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019139027A1 (ja) * 2018-01-10 2019-07-18 株式会社Mizkan Holdings 密閉容器入り具材含有液状調味料
CN111556713A (zh) * 2018-01-10 2020-08-18 味滋康控股有限公司 密闭容器装的含有食材的液态调味料
JPWO2019139027A1 (ja) * 2018-01-10 2020-12-17 株式会社Mizkan Holdings 密閉容器入り具材含有液状調味料
JP7285487B2 (ja) 2018-01-10 2023-06-02 株式会社Mizkan Holdings 密閉容器入り具材含有液状調味料
CN111556713B (zh) * 2018-01-10 2024-02-09 味滋康控股有限公司 密闭容器装的含有食材的液态调味料

Also Published As

Publication number Publication date
JP4338658B2 (ja) 2009-10-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5167230B2 (ja) 酸性液状調味料の製造方法
JPH08317772A (ja) 野菜粒子含有液状調味料の製造方法
JP2011142832A (ja) 濃縮クリームスープ又は濃縮クリームソース、及びこれらを用いたクリームスープ又はクリームソースの製造方法
JP6369733B1 (ja) 油脂組成物
JPH09197A (ja) 胡麻含有液状調味料
JP4864938B2 (ja) 冷凍麺類及びその製造方法
JP4243999B2 (ja) 加熱凝固卵白及びこれを用いた加工食品
JP4338658B2 (ja) チーズ様粒入り酸性調味料の製造方法
JP2020043772A (ja) 加熱凝固卵白の製造方法
JP2011004688A (ja) 乳化状ソース
JP5635582B2 (ja) 酸性液状調味料
JP5654836B2 (ja) クリーム状レトルト食品及びその製造方法
JP2010220504A (ja) 丼物用加工卵液セット及び丼物の製造方法
JP2012010621A (ja) 酸性水中油型乳化食品
JP4712764B2 (ja) 卵加工食品及び卵加工食品用の品質保持材
JP4718524B2 (ja) 蛋白調整卵焼き
JP4889684B2 (ja) 液状調味料の製造方法
JP5298870B2 (ja) 酸性水中油型乳化食品の製造方法
JP7336895B2 (ja) ポテトサラダの製造方法
JP2010220500A (ja) フィリング
JP2014124145A (ja) 即席スープ、およびその製造方法
JP5176972B2 (ja) 液卵の製造方法及び該液卵を用いた酸性水中油型エマルジョン食品の製造方法
JP2011045289A (ja) おからペーストを使用した液状食品及びその製造方法
JP3621692B2 (ja) 卵白様凝固物を具材として用いた水中油型酸性乳化液状食品
JP2018042473A (ja) ひよこ豆含有レトルト食品およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070808

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090622

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090630

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090630

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4338658

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120710

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150710

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees