JP2006222867A - 音響信号処理装置およびその方法 - Google Patents

音響信号処理装置およびその方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006222867A
JP2006222867A JP2005036256A JP2005036256A JP2006222867A JP 2006222867 A JP2006222867 A JP 2006222867A JP 2005036256 A JP2005036256 A JP 2005036256A JP 2005036256 A JP2005036256 A JP 2005036256A JP 2006222867 A JP2006222867 A JP 2006222867A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
harmonic
gain
overtone
fundamental wave
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005036256A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoyuki Kato
直行 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2005036256A priority Critical patent/JP2006222867A/ja
Publication of JP2006222867A publication Critical patent/JP2006222867A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 基本波の倍音を音響信号に付加する音響信号処理装置において、再生音における低音感の向上することが可能な音響信号処理装置を提供する。
【解決手段】 基本波抽出フィルタ13において、入力信号から基本波信号が抽出される。倍音生成手段14は、抽出された基本波信号の倍音信号を生成する。調整量算出手段17は、再生システム18の再生特性に基づいて各倍音信号のゲインを調整する第1の調整量を算出する。ゲイン調整手段15は、第1の調整量と、倍音生成手段14において生成された各倍音信号が予め設定された倍音構成となるような第2の調整量とに基づいて、倍音生成手段14において生成された各倍音信号のゲインを調整する。加算器12は、入力信号とゲイン調整手段15において調整された倍音信号を含む信号とを加算合成する。再生システム18は、加算合成された信号を再生する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、音響信号処理装置およびその方法に関し、より特定的には、低音域に属する基本波の倍音を音響信号に付加することによって、再生音における低音感の向上を図る音響信号処理装置およびその方法に関する。
一般的に小型スピーカは、その構造上の制限などの理由により、低音域の再生が困難であることが知られている。そこで従来において、再生困難な低音域を再生するのではなく、その低音域に属する基本波の倍音を再生する方法が提案されている(例えば特許文献1参照。)。
以下、上記方法を用いた従来の音響信号処理装置9について、図12および図13を用いて説明する。図12は、従来の音響信号処理装置9の構成を示すブロック図である。音響信号処理装置9は、入力端子90、遅延手段91、加算器92、基本波抽出フィルタ93、倍音生成手段94、ゲイン調整手段95および出力端子96を備える。
入力端子90には、音響信号が入力信号として入力される。入力端子90に入力された入力信号は、2系統に分岐する。1系統目においては、入力信号の全成分が遅延手段91に入力される。遅延手段91は、基本波抽出フィルタ93、倍音生成手段94の処理に要する時間分だけ入力信号を遅延させて、加算器92の一方の入力部に入力する。2系統目においては、入力端子90に入力された入力信号の全成分が基本波抽出フィルタ93に入力される。
基本波抽出フィルタ93は、予め設定された特性(以下、抽出特性という)をもつローパスフィルタまたはバンドパスフィルタなどで構成される。基本波抽出フィルタ93は、その抽出特性に基づいて入力信号の全成分の中から基本波を成分とする信号(以下、基本波信号という)を抽出する。抽出された基本波信号は、倍音生成手段94に入力される。
倍音生成手段94は、第2倍音生成手段941、第3倍音生成手段942、…、第n倍音生成手段943を備える。各倍音生成手段941〜943は、基本波抽出フィルタ93において抽出された基本波信号の第2倍音信号、第3倍音信号、…、第n倍音信号を基本波信号のゲインと同じゲインでそれぞれ生成する。生成された倍音信号は、それぞれゲイン調整手段95に入力される。なお、基本波信号の周波数(以下、基本周波数という)のn倍(nは2以上の自然数)の周波数となる倍音信号を、第n倍音信号と呼ぶ。
ここで、倍音信号を生成する方法はいくつか存在する。そのうち、ゼロクロス法について図13を用いて説明する。図13は、ゼロクロス法によって倍音信号を生成する方法を模式的に示す図である。また、以下の説明では図13(a)に示すような正弦波を基本波信号として、倍音信号を生成する場合を考える。
図13(a)に示す正弦波の波形において、信号レベルが正から負へ、あるいは負から正へ変化する点をゼロクロス点とする。例えば図13(a)においては、負から正へのゼロクロス点は、点P1、点P2、点P3となる。第2倍音信号を生成する場合には、ゼロクロス点区間(区間P1−P2、区間P2−P3)において、時間軸方向について元の波形(基本波信号の波形)を1/2に圧縮する。そして、その1/2に圧縮した波形を2回繰り返して再生する。その結果、ゼロクロス法によって生成される信号は、図13(b)に示すように、周波数が2倍の信号となる。他次数の倍音(第3倍音、第4倍音、…、第n倍音)信号についても同様に上記方法で生成される。すなわち、第n倍音信号は上記ゼロクロス点区間において、時間軸方向について基本波信号の波形を1/nに圧縮し、n回繰り返して再生することで生成される。
ゲイン調整手段95は、第2倍音ゲイン調整手段951、第3倍音ゲイン調整手段952、…、第n倍音ゲイン調整手段953および加算器954を備える。ゲイン調整手段95は、倍音生成手段94において生成された各倍音(第2倍音、…、第n倍音)信号のゲインが予め設定された倍音構成「第2倍音、第3倍音、…、第n倍音=x2、x3、…、xn」となるように、各倍音信号のゲインを調整する。加算器954は、ゲインが調整された各倍音信号を1つの信号に加算合成する。加算合成された信号は、加算器92の他方の入力部に入力される。
加算器92は、1系統目および2系統目の信号を加算合成して、出力端子96へ出力する。出力端子96から出力される信号は、スピーカ(図示しない)において再生される(音響出力される)。
以上のように、低音域に属する基本波の各倍音信号を音響信号(1系統目の入力信号)に付加して再生することで、バーチャル・ピッチ効果と呼ばれる聴覚現象が生じる。この聴覚現象によって、基本波信号があたかも再生されているように聴こえる。したがって、使用するスピーカが低音域の再生が困難な小型スピーカであっても、スピーカの再生帯域を変化させることなく低音感の向上を図ることができる。
特開2004−101797号公報
ここで、上記倍音構成について図14を用いて説明する。図14は、各倍音信号の倍音構成を示す図である。なお、図14において、基本周波数を「ff」とする。また、第2倍音の周波数を「2ff」、第3倍音の周波数を「3ff」、第4倍音の周波数を「4ff」とそれぞれ表す。また、基本波信号のゲインを「x1」dBとし、各倍音信号のゲインを調整する調整量を第2倍音、第3倍音、第4倍音=a2、a3、a4とする。したがって、第2倍音信号のゲイン「x2」は、「x2=x1+a2」dBと表現される。第3倍音信号のゲイン「x3」は、「x3=x1+a3」dBと表現される。第4倍音信号のゲイン「x4」は、「x4=x1+a4」dBと表現される。
各倍音信号のゲインが低音感をより有効に向上させる理想的な倍音構成となるためには、次の2つの条件(1)、(2)を満たす必要がある。(1)倍音の次数が高くなるにつれて、倍音信号のゲインが減衰すること(自然な音質にする条件)。(2)倍音信号のゲインの減衰が急峻すぎないこと(バーチャル・ピッチ効果を発揮する条件)。なお、図14(a)に示す倍音構成は、理想的な倍音構成の一例である。
図14(b)は、上記条件(1)を満たさない倍音構成の一例を示す図である。図14(b)に示す倍音構成は、第3倍音信号のゲインが第2倍音信号のゲインより大きくなる構成となるから、上記条件(1)を満たさない。したがって、図14(b)に示す倍音構成では、再生音の音色は甲高く感じられ、不自然な音質となる。つまり、倍音構成が条件(1)を満たすには、第n+1倍音信号のゲインが第n倍音信号のゲインより小さくなる必要がある。
図14(c)は、上記条件(2)を満たさない倍音構成の一例を示す図である。図14(c)に示す倍音構成は、倍音の次数が高くなるにつれて、倍音信号のゲインが急峻に減衰する構成である。したがって、図14(c)に示す倍音構成では、低次の倍音信号(例えば第2倍音信号)以外の他の倍音信号はマスキング現象などによってほとんど聞こえなくなる。その結果、複数の倍音信号が再生されることによって生じるバーチャル・ピッチ効果は、十分に発揮されない。なお、急峻すぎない倍音構成としては、例えば第n+1倍音信号のゲインが第n倍音信号のゲインに対して−20dBよりも大きく減衰しない構成である。
ここで、使用するスピーカの音響出力レベルの周波数特性(以下、音響出力特性という)は必ずしも全周波数においてフラットな特性ではない。音響出力特性は特に低音域において減衰する特性を有する場合が多い。つまり、音響出力レベルのゲインは周波数に応じて変動する場合がある。従来の音響信号処理装置9では、各倍音信号のゲインは、ゲイン調整手段95において予め設定された倍音構成となるように調整される。しかし、スピーカから再生される段階では、各倍音信号のゲインは音響出力特性などの再生特性に応じてそれぞれ変動する。したがって、ゲイン調整手段95において上記理想的な倍音構成となるように各倍音信号のゲインを調整しても、再生される段階では理想的な倍音構成とならない可能性がある。以下、理想的な倍音構成とならないことを事例を用いて説明する。
この事例では、使用するスピーカは図15に示す音響出力特性をもつサブウーファとする。図15は、典型的なサブウーファの音響出力特性の一例を示す図である。サブウーファの音響出力特性は、図15に示すように帯域通過型の特性となる。図15の例では、カットオフ周波数は低域側において50Hz、高域側において100Hzとなる。減衰特性は、低域側および高域側ともに18dB/Octで減衰する特性となる。また、倍音生成手段94は、ゲインを0dBとする基本波信号の第2倍音信号〜第4倍音信号を生成するとする。また、ゲイン調整手段95は、予め設定された倍音構成として理想的な倍音構成「第2倍音信号、第3倍音信号、第4倍音信号=0dB、−3dB、−6dB」となるようにゲインを調整するとする。
音響信号処理装置9は、抽出された基本波信号の第2倍音信号〜第4倍音信号を生成し、各倍音信号の倍音構成が「第2倍音信号、第3倍音信号、第4倍音信号=0dB、−3dB、−6dB」となるようにゲインを調整する。最終的に、ゲインを調整された各倍音信号と入力信号の全成分を含む信号とが加算合成された信号が出力端子96を介して、スピーカに入力される。そして、スピーカは出力端子96から入力された信号を再生する。
ここで、図15に示す音響出力特性に応じて生じる各倍音信号のゲインの変動量を基本周波数毎にまとめると、表1となる。
Figure 2006222867
なお、表1のスピーカによる変動量に示される各値は、正の整数値はゲインの増加を意味し、負の整数値はゲインの減衰を意味する。また「0」は、ゲインが変動しないことを意味する。表1において、例えば基本周波数が20Hzのとき、第2倍音信号の周波数は「40Hz」である。このとき、図15に示す特性では、40Hzでゲインが5dB減衰している。したがって、スピーカによる変動量は「−5」となる。
ゲイン調整手段95は、各倍音信号のゲインが理想的な倍音構成「第2倍音信号、第3倍音信号、第4倍音信号=0dB、−3dB、−6dB」となるようにゲインを調整する。しかし、スピーカから再生される段階では、表1に示したようにスピーカの音響出力特性に応じて各倍音信号のゲインは変動する。ゲイン調整手段95において調整された倍音構成とスピーカから再生される段階(再生時)の各倍音信号の倍音構成とを基本周波数毎にまとめると、表2となる。
Figure 2006222867
表2において、基本周波数が20Hzのとき、ゲイン調整手段95で調整された各倍音信号の倍音構成は、「第2倍音信号、第3倍音信号、第4倍音信号=0dB、−3dB、−6dB」である。また、同じ基本周波数において、スピーカによるゲインの変動量は表1より、「第2倍音信号、第3倍音信号、第4倍音信号=−5dB、0dB、−1dB」となる。したがって、再生時の倍音構成は「第2倍音信号、第3倍音信号、第4倍音信号=−5dB、−3dB、−7dB」となる。すなわち、再生時の倍音構成は、図14(b)に示すような構成であり、上記条件(1)は満足されない。
以上のように、従来の音響信号処理装置9では、再生される段階での各倍音信号のゲインは、スピーカなどがもつ再生特性に応じてゲインがそれぞれ変動するので、ゲイン調整手段95において調整された理想的な倍音構成とならない可能性がある。その結果、音響信号に倍音信号を付加した再生を行っても、十分な低音感が得られないという問題があった。
それ故に、本発明は、基本波の倍音を音響信号に付加する音響信号処理装置において、再生音における低音感の向上することが可能な音響信号処理装置およびその方法を提供することを目的とする。
第1の発明は、音響信号処理装置であって、入力音響信号に倍音信号を付加して、当該倍音信号が付加された音響信号を再生手段において再生する音響信号処理装置であって、入力音響信号から基本波信号を抽出する基本波抽出手段と、基本波抽出手段において抽出された基本波信号の倍音信号を複数生成する倍音生成手段と、再生手段の再生特性に基づいて生じる各倍音信号の倍音構成の変動を抑制するように当該各倍音信号のゲインを調整する第1の調整量と、各倍音信号のゲインが予め設定された倍音構成となるように当該ゲインを調整する第2の調整量とに基づいて、倍音生成手段において生成された各倍音信号のゲインを調整する調整処理手段と、調整処理手段において調整された各倍音信号と入力音響信号とを加算して、再生手段に出力する加算手段とを備える。なお、調整処理手段は例えば、本発明の実施形態において説明するゲイン調整手段15と調整量算出手段17とを組み合わせたものである。
第2の発明は、第1の発明に従属する発明であって、基本波抽出手段において抽出された基本波信号の周波数を測定する周波数測定手段をさらに備え、調整処理手段は、周波数測定手段において測定された基本波信号の周波数に応じて、第1の調整量の値を変化させることを特徴とする。
第3の発明は、第1の発明に従属する発明であって、再生手段の負荷量を測定する負荷測定手段をさらに備え、調整処理手段は、負荷測定手段において測定された負荷量に応じて、第1の調整量の値を変化させることを特徴とする。
第4の発明は、第1の発明に従属する発明であって、調整処理手段は、基本波信号の周波数と当該基本波信号から生成された各倍音信号に対して用いるべき第1の調整量との対応を示す情報に基づいて第1の調整量を算出する算出手段と、算出手段によって算出された第1の調整量と第2の調整量とに基づいて、倍音生成手段において生成された各倍音信号のゲインを調整するゲイン調整手段とを含む。
第5の発明は、第4の発明に従属する発明であって、音響信号処理装置は、基本波抽出手段、倍音生成手段、およびゲイン調整手段からなる組を複数備えており、各基本波抽出手段は、互いに異なる周波数帯域の基本波信号をそれぞれ抽出し、算出手段は、各基本波抽出手段においてそれぞれ抽出される基本波信号の周波数に応じた第1の調整量を当該周波数毎にそれぞれ算出し、各ゲイン調整手段は、同じ組の基本波抽出手段によって抽出された基本波信号の周波数に応じた第1の調整量と第2の調整量とに基づいて、同じ組の倍音生成手段によって生成された各倍音信号のゲインを調整し、加算手段は、各組のゲイン調整手段によって調整された各倍音信号と入力音響信号とを加算して、再生手段に出力する。
第6の発明は、音響信号処理装置であって、入力音響信号に倍音信号を付加して、当該倍音信号が付加された音響信号を再生手段において再生する音響信号処理装置であって、入力音響信号から基本波信号を抽出する基本波抽出手段と、基本波抽出手段において抽出された基本波信号の倍音信号を複数生成する倍音生成手段と、倍音生成手段において生成された各倍音信号のゲインが予め設定された倍音構成となるように、当該ゲインを調整する調整手段と、少なくとも各倍音信号の周波数を含む周波数帯域において再生手段の再生特性の逆特性を有するフィルタに基づいて、調整手段において調整された各倍音信号のゲインを補正する補正手段と、補正手段において補正された各倍音信号と入力音響信号とを加算して、再生手段に出力する加算手段とを備える。
第7の発明は、第1から第6の発明のいずれかに従属する発明であって、基本波抽出手段は、再生手段の再生特性に基づいて、抽出する基本波信号の周波数を調整することを特徴とする。
第8の発明は、音響信号処理装置であって、入力音響信号に倍音信号を付加して、当該倍音信号が付加された音響信号を再生手段において再生する音響信号処理装置であって、2次からm次(mは3以上の整数)までの各倍音信号について設けられる(m−1)個のフィルタをそれぞれ用いることによって入力音響信号から(m−1)個の基本波信号を抽出する抽出手段と、各フィルタによって抽出された(m−1)個の基本波信号のそれぞれについて2次からm次までの各倍音信号を生成する倍音生成手段と、同一のゲインを有する倍音構成となる各倍音信号のゲインが予め設定された倍音構成となるように当該ゲインを調整する調整量を用いて、倍音生成手段によって生成された各倍音信号のゲインを調整する調整手段と、調整手段によって調整された各倍音信号と入力音響信号とを加算して再生手段に出力する加算手段とを備え、n次(nは2からmまでの任意の整数)の倍音信号について設けられるフィルタは、カットオフ周波数が1/n倍した周波数になるように再生手段の再生特性をシフトさせた特性の逆特性である補正用特性と、基本波信号を抽出可能なローパスフィルタまたはバンドパスフィルタの特性である抽出特性とを合成した特性を有する。
第9の発明は、第8の発明に従属する発明であって、所定の次数以下の倍音信号について設けられる各フィルタは、補正用特性と抽出特性とを合成した特性を有し、所定の次数よりも高次の倍音信号について設けられる各フィルタは、抽出特性を有する。
第10の発明は、第1、6および8の発明のいずれかに従属する発明であって、再生手段において再生される段階において、各倍音信号からなる倍音構成が一定になることを特徴とする
第11の発明は、音響信号処理方法であって、入力音響信号に倍音信号を付加して、当該倍音信号が付加された音響信号を再生ステップにおいて再生する音響信号処理方法であって、入力音響信号から基本波信号を抽出する基本波抽出ステップと、基本波抽出ステップにおいて抽出された基本波信号の倍音信号を複数生成する倍音生成ステップと、再生ステップの再生特性に基づいて生じる各倍音信号の倍音構成の変動を抑制するように当該各倍音信号のゲインを調整する第1の調整量と、各倍音信号のゲインが予め設定された倍音構成となるように当該ゲインを調整する第2の調整量とに基づいて、倍音生成ステップにおいて生成された各倍音信号のゲインを調整する調整処理ステップと、調整処理ステップにおいて調整された各倍音信号と入力音響信号とを加算して、再生ステップに出力する加算ステップとを含む。
第12の発明は、音響信号処理方法であって、入力音響信号に倍音信号を付加して、当該倍音信号が付加された音響信号を再生ステップにおいて再生する音響信号処理方法であって、入力音響信号から基本波信号を抽出する基本波抽出ステップと、基本波抽出ステップにおいて抽出された基本波信号の倍音信号を複数生成する倍音生成ステップと、倍音生成ステップにおいて生成された各倍音信号のゲインが予め設定された倍音構成となるように、当該ゲインを調整する調整ステップと、少なくとも各倍音信号の周波数を含む周波数帯域において再生ステップの再生特性の逆特性を有するフィルタに基づいて、調整ステップにおいて調整された各倍音信号のゲインを補正する補正ステップと、補正ステップにおいて補正された各倍音信号と入力音響信号とを加算して、再生ステップに出力する加算ステップとを含む。
第13の発明は、音響信号処理方法であって、入力音響信号に倍音信号を付加して、当該倍音信号が付加された音響信号を再生ステップにおいて再生する音響信号処理方法であって、2次からm次(mは3以上の整数)までの各倍音信号について設けられる(m−1)個のフィルタをそれぞれ用いることによって入力音響信号から(m−1)個の基本波信号を抽出する抽出ステップと、各フィルタによって抽出された(m−1)個の基本波信号のそれぞれについて2次からm次までの各倍音信号を生成する倍音生成ステップと、同一のゲインを有する倍音構成となる各倍音信号のゲインが予め設定された倍音構成となるように当該ゲインを調整する調整量を用いて、倍音生成ステップによって生成された各倍音信号のゲインを調整する調整ステップと、調整ステップによって調整された各倍音信号と入力音響信号とを加算して再生ステップに出力する加算ステップとを備え、n次(nは2からmまでの任意の整数)の倍音信号について設けられるフィルタは、カットオフ周波数が1/n倍した周波数になるように再生ステップの再生特性をシフトさせた特性の逆特性である補正用特性と、基本波信号を抽出可能なローパスフィルタまたはバンドパスフィルタの特性である抽出特性とを合成した特性を有する。
第1の発明によれば、調整処理手段において第1の調整量と第2の調整量とに基づいて各倍音信号のゲインを調整することで、各倍音信号を再生特性に基づいて生じるゲインの変動が調整された理想的な倍音構成で再生することができる。その結果、再生音における低音感の向上を図ることが可能となる。
第2の発明によれば、調整処理手段は、測定された基本波信号の周波数に応じて、第1の調整量の値を変化させることで、抽出される基本波信号の周波数が異なっても、その周波数に対応した最適な第1の調整量の値で各倍音信号のゲインを調整することができる。つまり、調整処理手段は、入力音響信号に含まれる基本波信号の周波数変化に対応する最適な調整を行うことができる。
第3の発明によれば、調整処理手段は、負荷測定手段において測定された負荷量に応じて、第1の調整量の値を変化させることで、例えば負荷量が大きい場合は第1の調整量を負荷量が小さくなるような値に変化させるなど、再生手段に無理のない、より自然な音質での再生が可能となる。
第4の発明によれば、調整処理手段は、算出手段および調整手段を含むことで、再生手段の再生特性に基づいて生じる各倍音信号の倍音構成の変動を抑制するように当該各倍音信号のゲインを調整する第1の調整量と、各倍音信号のゲインが予め設定された倍音構成となるように当該ゲインを調整する第2の調整量とを別々に、かつ容易に設定することができる。
第5の発明によれば、基本波抽出手段は互いに異なる周波数帯域の基本波信号をそれぞれ抽出することで、入力音響信号に複数の基本波信号が同時に入力されても、複数の基本波信号を別々に抽出することができる。その結果、複数の基本波信号が複合した信号が抽出され、その複合した信号の倍音信号が生成されることによって発生する歪みを抑えることができる。
第6の発明によれば、再生特性の逆特性を有するフィルタに基づいて、各倍音信号のゲインを補正することで、各倍音信号を再生特性に基づいて生じるゲインの変動が打ち消された理想的な倍音構成で再生することができる。その結果、再生音における低音感の向上を図ることが可能となる。また、再生特性の逆特性を有するフィルタに基づいて補正を行うことで、基本波信号の周波数を測定しなくても基本波信号の周波数に対応した最適な補正を行うことができる。
第7の発明によれば、使用する再生手段によって異なる再生特性に応じて、最適な周波数の倍音信号を付加した再生をすることができる。
第8の発明によれば、補正特性と抽出特性とを有するフィルタを用いて基本波信号が抽出されることで、結果的に当該基本波信号から生成される各倍音信号のゲインを補正することができる。その結果、再生される段階において、各倍音信号を調整手段において調整された予め設定された倍音構成で再生することができ、再生音における低音感の向上を図ることが可能となる。また、抽出手段において、基本波信号の抽出処理と再生特性に基づいて生じる各倍音信号の倍音構成の変動を打ち消すように基本波信号のゲインを補正する処理とを1つの処理として処理するので、音響信号処理装置全体のフィルタに要するタップ数を少なくすることができ、結果的に遅延時間を少なくすることが可能となる。
第9の発明によれば、所定の次数より高次の倍音信号について設けられる各フィルタの構成を簡略化することができる。その結果、音響信号処理装置の回路規模を縮小できる。
第10の発明によれば、倍音構成が一定となることで、独特の違和感のない、より自然な音質での再生が可能となる。
また、第11の発明における音響信号処理方法は、上述した第1の発明における音響信号処理装置と同様の効果を得ることができる。
また、第12の発明における音響信号処理方法は、上述した第6の発明における音響信号処理装置と同様の効果を得ることができる。
また、第13の発明における音響信号処理方法は、上述した第8の発明における音響信号処理装置と同様の効果を得ることができる。
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る音響信号処理装置1について、図1を用いて説明する。図1は第1の実施形態に係る音響信号処理装置1の構成を示すブロック図である。図1において、音響信号処理装置1は、入力端子10、遅延手段11、加算器12、基本波抽出フィルタ13、倍音生成手段14、ゲイン調整手段15、周波数測定手段16、調整量算出手段17および再生システム18を備える。
入力端子10には、音響信号が入力信号として入力される。入力端子10に入力された入力信号は、2系統に分岐する。1系統目においては、入力信号の全成分が遅延手段11に入力される。2系統目においては、入力端子10に入力された入力信号の全成分が基本波抽出フィルタ13に入力される。
遅延手段11は、入力信号を予め設定された時間だけ遅延させる。遅延された入力信号は、加算器12の一方の入力部に入力される。ここで遅延手段11は、基本波抽出フィルタ13、倍音生成手段14および後述する調整量算出手段17による遅延時間分だけ入力信号を遅らせる。遅延手段11が設けられることによって、入力信号と各倍音信号との同期をとることができる。例えば、基本波抽出フィルタ13などの全遅延時間が80msecであれば、遅延手段11の遅延時間を80msecに設定すれば良い。
なお、入力信号がAV信号(例えば映画など)における音声信号である場合には、映像信号と音声信号との時間的な同期合せを特に考慮する必要がある。この場合、音声信号と各倍音信号との時間的なずれをある程度許容し、遅延手段11において遅延される音声信号の遅延時間を、映像信号に対する遅延時間の聴感上の許容限(例えば40msec)に設定してもよい。また、遅延手段11は、入力信号がAV信号における音声信号かどうかを認識して、その入力信号の種類に応じて遅延量を切替えるように構成されてもよい。
基本波抽出フィルタ13は、予め設定された抽出特性をもつローパスフィルタまたはバンドパスフィルタなどで構成される。基本波抽出フィルタ13は、その抽出特性に基づいて入力信号の全成分の中から低音域に属する基本波信号を抽出する。抽出された基本波信号は、倍音生成手段14および周波数測定手段16に入力される。
倍音生成手段14は、第2倍音生成手段141、第3倍音生成手段142、…、および第n倍音生成手段143を備える。第2倍音生成手段141、第3倍音生成手段142、…、第n倍音生成手段143は、抽出された基本波信号の第2倍音信号、第3倍音信号、…、第n倍音信号を基本波信号のゲインと同じゲインでそれぞれ生成する。生成された各倍音信号は、それぞれゲイン調整手段15に入力される。なお、倍音信号の生成方法としては、例えば上述したゼロクロス法を用いる。
ゲイン調整手段15は、第2倍音ゲイン調整手段151、第3倍音ゲイン調整手段152、…、第n倍音ゲイン調整手段153および加算器154を備える。ゲイン調整手段15は、第1の調整量と第2の調整量とに基づいて各倍音信号のゲインを調整する。第1および第2の調整量は共に、倍音生成手段14で生成された各倍音信号のゲインを調整する量を示す。第1の調整量は、後述する調整量算出手段17で算出される。第2の調整量は予め設定される。第2の調整量は、倍音生成手段14において生成された各倍音信号の倍音構成が理想的な倍音構成となるように各倍音信号のゲインを調整するものである。以下では、予め設定される理想的な倍音構成を、「第2倍音、第3倍音、…、第n倍音=x2、x3、…、xn」と表す。
加算器154は、ゲインが調整された各倍音信号を1つの信号に加算合成する。加算合成された信号は、加算器12の他方の入力部に入力される。加算器12は、1系統目および2系統目の信号を加算合成して、再生システム18に入力する。
再生システム18は、音響効果機能手段181、スピーカ182を備える。音響効果機能手段181は、バスブースト機能、ラウドネス補正機能などの音響的な効果を与えるゲイン特性を有する機能で構成される。なお、特に音響的な効果を必要としない場合には、音響効果機能手段181は省略されてもよい。スピーカ182は、加算器12から入力された信号を再生する。なお、再生システム18全体の再生特性は、音響効果機能手段181がもつゲイン特性とスピーカ182の音響出力特性とを合成した特性となる。
周波数測定手段16は、基本波抽出フィルタ13で抽出された基本波信号の周波数(基本周波数)を測定する。周波数の測定方法としては、例えば基本波信号の周期(ゼロクロス点区間の1区間分の時間)を測定し、その周期の逆数を算出する方法を用いる。周波数測定手段16によって測定された周波数を示す情報は調整量算出手段17に出力される。
調整量算出手段17は、周波数測定手段16において測定された基本周波数と再生システム18の再生特性とに基づいて上記第1の調整量を算出する。第1の調整量は、再生システム18の再生特性によって生じる各倍音信号の倍音構成の変動を抑制するために用いられる。調整量算出手段17においては、基本波信号の基本周波数と、当該基本波信号から生成された各倍音信号に対して用いるべき第1の調整量との関係を示す情報(例えばテーブルや当該関係を表す近似式等)が用意される。この情報は、予め測定された再生システムの再生特性に基づいて予め作成される。したがって、本実施形態では、第1の調整量は、周波数測定手段16によって測定された基本周波数毎に算出される。したがって、調整量算出手段17は、様々な周波数を有する基本波信号に対して、最適な第1の調整量を算出することができる。なお、第1の調整量のより具体的な算出方法については後述する。
ここで、音響信号処理装置1の処理の流れについて、図2を用いて説明する。図2は、音響信号処理装置1の処理の流れを示すフローチャートである。なお、説明のために倍音生成手段14は、ゲインを0dBとする基本波信号の第2倍音信号〜第4倍音信号を生成するとする。また、スピーカ182は、図15に示す音響出力特性をもつサブウーファとする。なお、以下の説明では、音響効果機能手段181は存在しないものとする。すなわち、再生システム18の再生特性は、スピーカ182の音響出力特性として考える。
まず、音響信号が入力信号として入力端子10に入力される(ステップS1)。次に基本波抽出フィルタ13において入力信号から基本波信号が抽出される(ステップS2)。倍音生成手段14は、抽出された基本波信号の第2倍音信号〜第4倍音信号を生成する(ステップS3)。調整量算出手段17は、周波数測定手段16において測定された基本周波数と再生システム18の再生特性とに基づいて上記第1の調整量を算出する(ステップS4)。
ここで、具体的な第1の調整量の算出方法について説明する。種々ある算出方法にうち、ここでは全ての基本波信号の各倍音信号について再生特性による各倍音信号のゲインの変動を完全に打ち消すように第1の調整量を算出する方法(第1の方法)について説明する。基本周波数毎の各倍音信号の第1の調整量を表3にまとめる。
Figure 2006222867
なお、表3においてスピーカによる変動量の各値は、図15に示される音響出力特性を例にとるので、表1と同じである。また、表3の第1の調整量に示される各値は、正の整数値はゲインの増加を意味する第1の調整量であり、負の整数値はゲインの減衰を意味する第1の調整量である。また「0」は、補正しないことを意味する。
本実施形態においては、調整量算出手段17は、上記表3に示される「基本周波数」と「第1の調整量」との対応をテーブルとして記憶しておく。そして、周波数測定手段16において測定された基本波信号の周波数を示す情報が調整量算出手段17に入力されると、調整量算出手段17は、当該テーブルを参照して第1の調整量を決定する。
表3において、例えば周波数測定手段16において測定された基本周波数が20Hzの場合、その基本波信号の第2倍音信号は40Hz、第3倍音信号は60Hz、第4倍音信号は80Hzとなる。ここで、第2倍音信号におけるスピーカによる変動量は「−5dB」である。したがって、第2倍音信号のゲインの第1の調整量は「5dB」となり、スピーカによる変動量を完全に打ち消すように算出される。第3倍音信号については、スピーカによる変動量が「0」であるので第1の調整量は「0」となる。第4倍音信号については、スピーカによる変動量が「−1dB」であるので第1の調整量は「1dB」となる。他の基本周波数についても上記方法で算出される。
ステップS4の次に、ゲイン調整手段15は、ステップS4で算出された第1の調整量と、倍音生成手段14において生成された各倍音信号のゲインが予め設定された倍音構成となるようにゲインを調整する第2の調整量とに基づいて各倍音信号のゲインを調整する(ステップS5)。ここで、説明のためにゲイン調整手段15において調整される予め設定された倍音構成を理想的な倍音構成「第2倍音信号、第3倍音信号、第4倍音信号=0dB、−3dB、−6dB」とする。このとき、第2の調整量は基本波信号のゲインを0dBとしたので、「第2倍音信号、第3倍音信号、第4倍音信号=0dB、−3dB、−6dB」となる。ゲイン調整手段15で調整される第2の調整量、調整量算出手段17で算出される第1の調整量、スピーカによる変動量および再生時の倍音構成を、表4にまとめる。
Figure 2006222867
表4において、例えば基本周波数が20Hzの場合、ゲイン調整手段15において理想的な倍音構成となるように調整される第2倍音信号の第2の調整量は、「0dB」である。また、スピーカによる変動量は「−5dB」、第1の調整量は「5dB」である。ゲイン調整手段15は、第2の調整量「0dB」と第1の調整量「5dB」を加算した値「5dB」で第2倍音信号のゲインを調整する。そして、再生時の第2倍音信号のゲインは、スピーカによる変動量「−5dB」分変動して、結果的に「0dB」となる。したがって、ゲイン調整手段15は、ステップS4で算出された第1の調整量と、理想的な倍音構成となるようにゲインを調整する第2の調整量とに基づいて各倍音信号のゲインを調整することで、再生時の倍音構成を理想的な倍音構成にすることができる。他次数の倍音信号および他の基本周波数の各倍音信号についても同様である。なお、表4に示すように、再生時の倍音構成は全ての基本周波数において一定となる。例えば、第2倍音信号は、基本周波数に全ての周波数において「0dB」である。つまり、第n倍音信号のゲインは、全ての基本周波数において同一のゲインとなる。この場合、独特の違和感のない、より自然な音質での再生が可能となる。
ステップS5の次に、本装置の処理を終了するか否か選択され、終了しない場合には、次に抽出される基本波信号についてステップS2〜S5の処理が行われる(ステップS6)。以上、音響信号処理装置1の処理の流れについての説明を終了する。
以上のように、本実施形態に係る音響信号処理装置1は、再生特性に基づいて各倍音信号のゲインを調整して、その再生特性による倍音構成の変動を抑制することで、理想的な倍音構成となる各倍音信号を再生することができる。その結果、再生音における低音感の向上を図ることが可能となる。
なお、調整量算出手段17における第1の調整量の算出方法として、第1の方法について説明したが、これに限定されない。スピーカ182への負荷が大きい低域側のカットオフ周波数以下の倍音信号においては、ゲインを増やす第1の調整量は算出しない方法(第2の方法)であってもよい。第2の方法では、スピーカ182への負荷が大きい倍音信号については、第1の調整量によってゲインを増加させず、当該倍音信号のゲインに合わせて他の倍音信号のゲインを第1の調整量によって調整する。つまり、スピーカ182への負荷が大きい倍音信号を基準として他次数の倍音信号を変化させる第1の調整量を算出することで、再生時の倍音構成を理想的な倍音構成とする。例えば、図15に示す音響出力特性では、低域側のカットオフ周波数は50Hzである。したがって、スピーカ182への負荷が大きい倍音信号は、基本周波数20Hz、25Hzの第2倍音信号(40Hz、50Hz)となる。ここで、ゲイン調整手段15で調整される第2の調整量、調整量算出手段17において第2の方法で算出される第1の調整量、スピーカによる変動量および再生時の倍音構成を、表5にまとめる。なお、理想的な倍音構成、第2の調整量、スピーカによる変動量は第1の方法と同様とする。
Figure 2006222867
表5において、例えば基本周波数が20Hzのとき、第2倍音信号のスピーカによる変動量は「−5dB」である。また、第2倍音信号の周波数は40Hzであり、スピーカ182への負荷が大きい倍音信号に該当する。第1の方法では、ゲインを増やしてスピーカによる変動量を打ち消すように第1の調整量を算出したが、第2の方法ではスピーカ182への負荷が大きい倍音信号に対してはゲインを増やすような第1の調整量は算出しない。すなわち、第1の調整量は「0dB」となる。
第3倍音信号(60Hz)は、カットオフ周波数(50Hz)以上の倍音信号となる。したがって、第3倍音信号の第1の調整量は第2倍音信号のスピーカによる変動量「−5dB」を基準とし、第3倍音信号のスピーカによる変動量を打ち消すように算出される。ここで、第3倍音信号のスピーカによる変動量は「0dB」である。したがって、第3倍音信号の第1の調整量は、「−5dB+0dB=−5dB」となる。
第4倍音信号(80Hz)は、カットオフ周波数(50Hz)以上の倍音信号となる。したがって、第4倍音信号の第1の調整量は第2倍音信号のスピーカによる変動量「−5dB」を基準とし、第4倍音信号のスピーカによる変動量を打ち消すように算出される。ここで、第4倍音信号のスピーカによる変動量は「−1dB」である。したがって、第4倍音信号の第1の調整量は、「−5dB+1dB=−4dB」となる。他の基本周波数についても同様に上記方法で第1の調整量を算出する。
このとき、上記ゲイン調整手段15において説明したように第2の方法で算出された第1の調整量と第2の調整量とに基づいて、各倍音信号のゲインが調整される。また、再生時の倍音構成は、表5に示すようになる。表5において、例えば基本周波数が20Hzの場合、再生時の倍音構成は「第2倍音信号、第3倍音信号、第4倍音信号=−5dB、−8dB、−11dB」となる。なお、この倍音構成は第3倍音信号のゲインが第2倍音信号のゲインより小さく、第4倍音信号のゲインが第3倍音信号のゲインより小さくなる構成であり、上記理想的な倍音構成となる条件(1)を満たしている。また、条件(2)も満たす倍音構成である。
以上のように、第2の方法を用いれば、調整量算出手段17はスピーカへの負荷が大きい倍音信号の再生特性による変動量を基準として、他次数の倍音信号の第1の調整量を算出するので、再生時の倍音構成をスピーカへの負荷が少ない理想的な倍音構成とすることができる。
また、第3の方法としては、再生時の倍音構成が上記理想的な倍音構成の条件(1)および(2)を満たさない一部の基本波信号に限定して第1の調整量を算出する方法である。使用する再生システム18の再生特性によっては、全ての基本波信号の倍音信号について第1の調整量を算出しなくても表6に示すように上記理想的な倍音構成の条件(1)および(2)を満たす場合がある。表6の例では、基本周波数が25Hz以下となる基本波の各倍音信号についてのみ第1の調整量を算出している。第3の方法による算出方法であっても、本発明の低音感の向上について一定の効果を得ることができる。
Figure 2006222867
また、第4の方法としては、スピーカによる変動量を完全に打ち消さなくても、再生時の倍音構成が上記理想的な倍音構成の条件(1)および(2)を満たす範囲内となるように第1の調整量を算出する方法である。第4の方法を用いた場合の算出例を表7に示す。第4の方法による算出方法であっても、本発明の低音感の向上について一定の効果を得ることができる。
Figure 2006222867
なお、以上の説明では、音響効果機能手段181は存在しない場合で考えたが、存在する場合は、スピーカ182の音響出力特性と音響効果機能手段181のゲイン特性を合成した特性を再生システム18の再生特性とすればよい。また、音響効果機能手段181が存在する場合であっても、再生システム18の再生特性に与える影響が少なければ、音響効果機能手段181のゲイン特性を無視してもかまわない。また、再生システム18の再生特性は、予め測定されるとしたが、本装置が搭載されるシステムの稼動時にマイクなどで適時測定されてもよい。
また、以上の説明では、予め設定された倍音構成を「第2倍音信号、第3倍音信号、第4倍音信号=0dB、−3dB、−6dB」としたが、これに限定されない。上記理想的な倍音構成の条件(1)および(2)を満たせば、本発明は有効である。なお、第n倍音信号に対して第n+1倍音信号のゲイン差が−6dB〜−20dBの範囲で構成される倍音構成がより好ましい。例えばゲイン差を−20dBとすると、「第2倍音信号、第3倍音信号、第4倍音信号=0dB、−20dB、−40dB」となる倍音構成である。
また、以上の説明では、スピーカ182の特性として図15に示すサブウーファの特性を用いたが、これに限定されない。例えば、図3、図4に示すような音響出力特性をもつスピーカであってもよい。図3、図4はスピーカの音響出力特性の一例を示す図である。
また、以上の説明では、生成する倍音の次数は、第2倍音信号〜第4倍音信号の3つの倍音信号を生成するとしたが、これに限定されない。本発明は、少なくとも2つの倍音信号を生成する場合において有効である。
また、以上の説明では、調整量算出手段17において第1の調整量を算出し、ゲイン調整手段15において、第1の調整量と第2の調整量とに基づいて各倍音信号のゲインを調整するとした。ここで、他の実施形態においては、調整量算出手段17において、第2の調整量も加味した算出が行われてもよい。すなわち、調整量算出手段17において、第1の調整量と第2の調整量とに基づいた調整量が算出される。このためには、例えば、基本波周波数に対して、最終的な調整量(第1の調整量と第2の調整量とを加算した調整量)を対応付けたテーブルを用いてもよい。そして、ゲイン調整手段15は、調整量算出手段17において算出された上記最終的な調整量に基づいて各倍音信号のゲインを調整する。
なお、図1の点線の矢印で示すように、再生システム18の再生特性が基本波抽出フィルタ13の抽出特性に反映されるようにしてもよい。基本波抽出フィルタ13は、再生特性に応じて抽出特性を適宜調整する。例えば、基本波抽出フィルタ13がローパスフィルタで構成される場合、カットオフ周波数を再生システム18の再生限界点付近となるように調整する。また例えば、低域をブーストするために抽出特性のカットオフ周波数を再生特性の低域側のカットオフ周波数より高く調整してもよい。つまり、再生特性に基づいて抽出特性を調整し、抽出する基本波信号の周波数を調整することで、使用する再生システム18にとって最適な周波数の倍音信号を付加した再生をすることができる。
なお、図5に示すようにスピーカ負荷測定手段100をさらに設けてもよい。図5は、音響信号処理装置1にスピーカ負荷測定手段100をさらに設けた構成を示すブロック図である。スピーカ負荷測定手段100は、例えば各倍音信号のゲインを検出することで、負荷量の測定を行う。調整量算出手段17は、スピーカ負荷測定手段100において測定された負荷量に基づいて第1の調整量の算出方法を切替える。例えば、負荷量が小さい場合には倍音信号による音響効果を重視するために上記第1の方法で第1の調整量を算出する。負荷量が大きい場合には、上記第2の方法で第1の調整量を算出する。
(第2の実施形態)
本発明における第2の実施形態に係る音響信号処理装置2について、図6を用いて説明する。図6は第2の実施形態に係る音響信号処理装置2の構成を示すブロック図である。図6において、音響信号処理装置2は、入力端子10、遅延手段11、加算器12、基本波抽出フィルタ13a〜13c、倍音生成手段14、ゲイン調整手段15、調整量算出手段17および再生システム18を備える。
なお、入力端子10、遅延手段11、加算器12、倍音生成手段14、ゲイン調整手段15、調整量算出手段17および再生システム18の各構成は、第1の実施形態で説明した構成と同一の機能を有するため、同一の記号を付して説明を省略する。以下、異なる点を中心に説明する。
図6において、第1の実施形態と異なる点は、基本波抽出フィルタ13の代わりに基本波抽出フィルタ13a〜13cが設けられている点である。基本波抽出フィルタ13a〜13cは、基本波抽出フィルタ13の抽出特性の周波数帯域を分割した特性をもつ。また、基本波抽出フィルタ13a〜13cの各特性は、それぞれ異なる周波数帯域を有する。例えば、基本波抽出フィルタ13の周波数帯域が20Hz〜50Hzとすると、基本波抽出フィルタ13aは20Hz〜30Hz、基本波抽出フィルタ13bは30Hz〜40Hz、基本波抽出フィルタ13cは40Hz〜50Hzとする。
基本波抽出フィルタ13a〜13cの特性は、基本波抽出フィルタ13の抽出特性と比べ周波数帯域がそれぞれ狭い。そのため、各周波数帯域内の所定周波数(例えば、帯域の中心周波数など)を抽出された基本波信号の周波数として近似することができる。
基本波抽出フィルタ13aは、分割された抽出特性に基づいて入力信号の全成分の中から基本波信号を抽出する。倍音生成手段14は、抽出された基本波信号の第2倍音信号〜第n倍音信号を生成する。調整量算出手段17は、基本波抽出フィルタ13a〜13cの抽出特性によって予め規定される各中心周波数と再生システム18の再生特性とに基づいて、再生時における各倍音信号の倍音構成の変動を抑制するように第1の調整量を算出する。ゲイン調整手段15は、調整量算出手段17で算出された基本波抽出フィルタ13aの中心周波数に対応する第1の調整量と、倍音生成手段14において生成された各倍音信号のゲインが予め設定された倍音構成となるようにゲインを調整する第2の調整量とに基づいて各倍音信号のゲインを調整する。基本波抽出フィルタ13bおよび基本波抽出フィルタ13cで抽出された基本波信号についても、上記処理が行われる。
ゲイン調整手段15において調整された各基本波信号の各倍音信号は、それぞれ加算器12の他方の入力部へ入力される。加算器12は、各基本波信号の各倍音信号と遅延手段11を介して入力される入力信号とを加算合成する。そして、加算器12で加算合成された信号は、再生システム18において再生される。
ここで、入力信号に複数の基本波信号が同時に含まれる場合を考える。この場合、複数の基本波信号が複合した基本波信号が抽出される可能性がある。この複合した信号の倍音信号が生成されると、歪みが発生する。本実施形態では、入力信号に複数の基本波信号が含まれる場合であっても、抽出する周波数帯域を分割することによって、複数の基本波信号を別々に抽出することができる。その結果、歪みの発生を防ぐことができる。
また、基本波抽出フィルタ13a〜13cの各抽出特性の周波数帯域は狭いので、その帯域内の所定周波数は基本周波数として近似される。したがって、本実施形態では、周波数測定手段16を省略することができ、本装置の処理負担の軽減を図ることができる。
なお、基本波抽出フィルタ13は、基本波抽出フィルタ13a〜13cと3つに分割するとしたが、これに限定されない。例えば、基本波抽出フィルタ13を2つに分割してもよいし、4つ以上に分割してもよい。なお、分割する数が多いほど、抽出できる基本波信号の周波数分解能が高くなり、歪みの発生をより有効に抑えることができる。また、所定周波数と実際の基本周波数との誤差も少なくすることができる。
また、第1の実施形態と同様、図6の点線の矢印で示すように、再生システム18の再生特性が基本波抽出フィルタ13a〜13cの各抽出特性に反映されるようにしてもよい。
(第3の実施形態)
本発明における第3の実施形態に係る音響信号処理装置3について、図7を用いて説明する。図7は第3の実施形態に係る音響信号処理装置3の構成を示すブロック図である。図7において、音響信号処理装置3は、入力端子10、遅延手段11、加算器12、基本波抽出フィルタ13、倍音生成手段14、ゲイン調整手段30、補正フィルタ31および再生システム18を備える。
なお、入力端子10、遅延手段11、加算器12、基本波抽出フィルタ13、倍音生成手段14および再生システム18の各構成は、第1の実施形態で説明した構成と同一の機能を有するため、同一の記号を付して説明を省略する。
図7において、第1の実施形態と異なる点は、第1の実施形態における調整量算出手段17および周波数測定手段16に代わって、補正フィルタ31が設けられている点とゲイン調整手段30の調整方法がゲイン調整手段15の調整方法と異なる点である。以下、異なる点を中心に説明する。
ゲイン調整手段30は、第2倍音ゲイン調整手段301、第3倍音ゲイン調整手段302、…、第n倍音ゲイン調整手段303および加算器304を備える。ゲイン調整手段30は、倍音生成手段14において生成された各倍音信号のゲインが予め設定された倍音構成「第2倍音、第3倍音、…、第n倍音=x2、x3、…、xn」となるようにゲインを調整する。第1の実施形態で説明したゲイン調整手段15は、第1および第2の調整量に基づいてゲインを調整したが、本実施形態におけるゲイン調整手段30は第2の調整量にのみ基づいてゲインを調整する。加算器304は、ゲインが調整された各倍音信号を1つの信号に加算合成する。加算合成された信号は、補正フィルタ31に入力される。
補正フィルタ31は、再生システム18の再生特性の逆特性に基づいて、ゲイン調整手段30において調整された各倍音信号のゲインを補正する。ゲイン調整手段30において調整された各倍音信号のゲインは、補正フィルタ31の再生特性の逆特性に基づいて変動する。補正フィルタ31の再生特性の逆特性に基づいてゲインが変動した各倍音信号は、最終的に再生システム18で再生される。このとき、各倍音信号のゲインは再生特性に基づいて再び変動している。すなわち、各倍音信号のゲインは、再生特性に基づく変動が打ち消されるように、補正フィルタ31において予め再生特性の逆特性に基づいて補正される。その結果、各倍音信号は、ゲイン調整手段30で調整される予め設定された倍音構成で再生されることとなる。
なお、補正フィルタ31が有する再生特性の逆特性は、倍音信号が生成される周波数帯域のみに限定されてもよい。例えば、倍音生成手段14において第2倍音信号(40Hz)〜第4倍音信号(80Hz)が生成されるとする。このとき、補正フィルタ31が有する再生特性の逆特性の周波数帯域を40〜80Hzの範囲に限定する。これにより、本装置の処理負担の軽減および遅延時間を短縮することができる。
また、第1の実施形態と同様、図7の点線の矢印で示すように、再生システム18の再生特性が基本波抽出フィルタ13の抽出特性に反映されるようにしてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、第1の実施形態に対して、回路規模が大きい周波数測定手段16および調整量算出手段17が不要となる。したがって、補正フィルタ31の回路追加分を考慮しても、全体的に回路規模を削減できる。
(第4の実施形態)
本発明における第4の実施形態に係る音響信号処理装置4について、図8を用いて説明する。図8は第4の実施形態に係る音響信号処理装置4の構成を示すブロック図である。図8において、音響信号処理装置4は、入力端子10、遅延手段11、加算器12、抽出フィルタ43、倍音生成手段14、ゲイン調整手段30および再生システム18を備える。
なお、入力端子10、遅延手段11、加算器12、倍音生成手段14および再生システム18の各構成は、第1の実施形態で説明した構成と同一の機能を有するため、同一の記号を付して説明を省略する。また、ゲイン調整手段30は第3の実施形態で説明した構成と同一の機能を有するため、同一の記号を付して説明を省略する。
抽出フィルタ43は、第2倍音抽出フィルタ431、第3倍音抽出フィルタ432、および第4倍音抽出フィルタ433を備える。各抽出フィルタ431〜433は、それぞれ異なる特性を有する。また、各抽出フィルタ431〜433は、再生時における各倍音信号の倍音構成の変動を打ち消すように、当該倍音信号を生成する基本波信号のゲインを補正して当該基本波信号を抽出する。図9は、抽出フィルタ特性について説明するための図である。各抽出フィルタ431〜433は、図9(a)の太線で示される抽出特性と図9(b)の太線で示されるn倍音用補正特性とを合成した特性(以下、抽出フィルタ特性という)を有する。抽出フィルタ特性は、図9(c)の太線に示される特性となる。図9(a)は、基本波抽出フィルタ13の抽出特性の一例を示す図である。図9(b)は、再生システム18の再生特性、および、当該再生特性の逆特性に基づくn倍音用補正特性の一例を示す図である。図9(c)は、当該n倍音用補正特性と当該抽出特性とを合成した抽出フィルタ特性を示す図である。また、図9(c)の太線に示す抽出フィルタ特性において、低域側の変曲点の周波数をfnとし、高域側の変曲点の周波数(カットオフ周波数)をf0とする。また、図9(a)〜(c)の細線に示す再生特性のカットオフ周波数をfcとする。
図9(a)において、抽出特性は、第1の実施形態で説明した基本波抽出フィルタ13が有する抽出特性と同様の特性である。図9(a)においては、カットオフ周波数がf0となるローパスフィルタで構成される抽出特性の一例を示す。なお、抽出特性は倍音の次数に関係なく共通の特性である。
図9(b)において、n倍音用補正特性は、再生特性の逆特性に基づいた特性である。具体的には、n倍音用補正特性は、再生特性を低域側に所定量だけシフトした特性の逆特性である。また、n倍音用補正特性は、倍音の次数nに応じて異なる特性であり、より具体的には、倍音の次数毎に異なる周波数の変曲点を有する特性である。n倍音用補正特性の変曲点の周波数fnは、再生特性のカットオフ周波数fcに対応する。以下、n倍音用補正特性の変曲点の周波数fnの算出方法について説明する。図9(b)に示す再生特性において、第n倍音信号の周波数がカットオフ周波数fc以下となる場合、当該第n倍音信号のゲインは再生特性の影響を受けて変動する。そこで、当該第n倍音信号のゲインの変動を基本波信号の段階で補正するように変曲点の周波数fnを設定する。倍音の次数を「n(nは2以上の自然数)」とすると、変曲点の周波数fnは下式(1)で表現される。
fn=(1/n)*fc (1)
上式(1)を満たす変曲点の周波数fnをもつ第n倍音補正特性を有するフィルタで基本波信号を補正することは、基本波信号から生成される第n倍音のゲインを、再生特性の逆特性(変曲点がカットオフ周波数fcとなる特性)を有するフィルタで補正することと等価である。つまり、基本波信号を抽出するフィルタが第n倍音補正特性を含む特性を有することによって、基本波信号の抽出後における倍音生成を当該フィルタによって考慮することができる。
図9(c)において、抽出フィルタ特性は、上記抽出特性とn倍音用補正特性とを合成した特性である。ここで、各抽出フィルタ431〜433における具体的な各抽出フィルタ特性について図10を用いて説明する。図10は、各抽出フィルタ431〜433における具体的な各抽出フィルタ特性を示す図である。なお、説明のために再生特性のカットオフ周波数fcを90Hzとする。
第2倍音抽出フィルタ431の2倍音抽出フィルタ特性を図10(a)の太線に示す。図10(a)において、変曲点の周波数fnは上式(1)より、fn=(1/2)*90=45Hzである。他の抽出フィルタ432、433についても同様に変曲点の周波数fnをそれぞれ計算する。第3倍音抽出フィルタ432は、fn=30Hzとなり、図10(b)の太線に示される特性となる。第4倍音抽出フィルタ433は、fn=22.5Hzとなり、図10(c)の太線に示される特性となる。つまり、抽出フィルタ特性は、倍音の次数が高くなるにつれて、低域側の変曲点の周波数fnが低くなる特性である。
なお、抽出フィルタ特性の高域側の変曲点の周波数f0は、第1〜第3の実施形態と同様に、再生システム18の再生特性に基づいて適宜設定されてもよい。
以下、各抽出フィルタ431〜433における具体的な抽出処理について図10を用いて説明する。ここでは、図10(a)に示す2倍音抽出フィルタ特性を参照しながら、第2倍音抽出フィルタ431の処理について説明する。
第2倍音抽出フィルタ431は、2倍音抽出フィルタ特性を有するフィルタによって入力音響信号から基本波信号を抽出する。ここで、当該フィルタの特性には2倍音用補正特性が含まれているので、当該2倍音用補正特性の変曲点の周波数fn以下の周波数帯域に基本波信号が含まれる場合、基本波信号のゲインが補正される。ここで、例えば45Hzの基本波信号を含む入力信号が入力された場合を考える。2倍音抽出フィルタ特性において、周波数が45Hzのときのゲインは「0dB」である。したがって、第2倍音抽出フィルタ431は、基本波信号のゲインを補正せずに抽出する。第2倍音生成手段141は、第2倍音抽出フィルタ431において抽出された基本波信号の第2倍音信号を生成する。このとき、第2倍音信号の周波数は45Hz*2=90Hzとなる。生成された第2倍音信号は、第2倍音ゲイン調整手段301において、第2倍音抽出フィルタ431において基本波信号のゲインの変動がないとしたときに予め設定された倍音構成となる第2の調整量でゲインが調整される。最終的に、再生システム18において、図10(a)の細線に示す再生特性に基づいて再生される。ここで、図10(a)に示す再生特性において、周波数が90Hzのとき、ゲインの変動は「0dB」である。すなわち、第2倍音信号は、第2倍音抽出フィルタ431でのゲインの補正および再生特性に基づくゲインの変動はなく、第2倍音ゲイン調整手段301において調整されたゲインで再生される。
次に、30Hzの基本波信号が入力された場合を考える。2倍音抽出フィルタ特性において、周波数が30Hzのときのゲインは「3dB」である。したがって、第2倍音抽出フィルタ431は、基本波信号のゲインを3dB増加させる補正を行って抽出する。第2倍音生成手段141は、第2倍音抽出フィルタ431において抽出された基本波信号の第2倍音信号を生成する。このとき、第2倍音信号の周波数は30Hz*2=60Hzとなる。生成された第2倍音信号は、第2倍音ゲイン調整手段301において、第2倍音抽出フィルタ431において基本波信号のゲインの変動がないとしたときに予め設定された倍音構成となる第2の調整量でゲインが調整される。最終的に、再生システム18において、図10(a)の細線に示す再生特性に基づいてゲインが変動して再生される。ここで、図10(a)に示す再生特性において、周波数が60Hzのとき、ゲインの変動は「−3dB」である。すなわち、第2倍音信号のゲインは、第2倍音抽出フィルタ431において予め基本波信号のゲインが補正(+3dB)され、その後再生特性に基づいてゲインが変動(−3dB)する。その結果、第2倍音信号(60Hz)は、第2倍音ゲイン調整手段301において調整されたゲインで再生される。
以上のように、本実施形態では各抽出フィルタ431〜433において、基本波信号の段階でゲインを補正して、再生時における各倍音信号のゲインの変動を打ち消している。その結果、各倍音信号はゲイン調整手段30で調整される予め設定された倍音構成で再生される。
また、第3の実施形態は、基本波抽出フィルタ13および補正フィルタ31の2つのフィルタで構成されるが、本実施形態は1つのフィルタ(抽出フィルタ43)で構成される。また、抽出フィルタ43の抽出フィルタ特性の通過帯域は、合成した抽出特性によって規定される。したがって、本実施形態においては、第3の実施形態と比べて装置全体のフィルタに要するタップ数を減らすことができ、遅延時間を少なくすることができる。特に低音を処理する場合においては、一般的に遅延時間が大きくなるため、この効果のもつ意味は大きい。
なお、上式(1)より、再生特性のカットオフ周波数fcが十分低い場合、あるいは所定次数(2次以上)より高次の倍音信号において1/nの値が十分小さくなる場合には、抽出フィルタ特性の低域側の変曲点の周波数fnも低くなる。このとき、当該変曲点の周波数fn以下となる基本波信号は、音響信号にあまり含まれない信号となる。かかる場合には、抽出フィルタ特性を上記抽出特性のみとしてもよい。例えば、所定次数が2次の場合、第3倍音抽出フィルタ432および第4倍音抽出フィルタ433の抽出フィルタ特性を上記抽出特性にする。このとき、当該各抽出フィルタの特性は、互いに共通の特性となり、図11に示すように共用化できる。図11は、第3倍音抽出フィルタ432および第4倍音抽出フィルタ433を共用化した構成を示すブロック図である。図11に示すように、所定次数より高次数の倍音信号における抽出フィルタを共用化することで、回路規模を縮小できる。また、所定次数を3次とした場合は、第2倍音抽出フィルタ431および第3倍音抽出フィルタ432にはそれぞれ上記抽出特性とn倍音用補正特性とを合成した特性を有し、それぞれ別々の抽出フィルタを構成する。第4倍音信号以上の抽出フィルタは抽出特性のみ有し、それぞれの抽出フィルタを共用化できる。
また、以上の説明では、生成する倍音の次数は、第2倍音信号〜第4倍音信号の3つの倍音信号を生成するとしたが、これに限定されない。本発明は、少なくとも2つの倍音信号を生成する場合において有効である。
本発明は、音響信号処理装置およびその方法に関し、音響信号に倍音信号を付加することで低音感の向上を図ることが可能な擬似低音再生装置、オーディオ機器等にも適用される。
第1の実施形態に係る音響信号処理装置1の構成を示すブロック図 音響信号処理装置1の処理の流れを示すフローチャート スピーカの音響出力特性の一例を示す図 スピーカの音響出力特性の一例を示す図 音響信号処理装置1にスピーカ負荷測定手段100をさらに設けた構成を示すブロック図 第2の実施形態に係る音響信号処理装置2の構成を示すブロック図 第3の実施形態に係る音響信号処理装置3の構成を示すブロック図 第4の実施形態に係る音響信号処理装置4の構成を示すブロック図 抽出フィルタ特性について説明するための図 各抽出フィルタ431〜433における具体的な各抽出フィルタ特性を示す図である。 第3倍音抽出フィルタ432および第4倍音抽出フィルタ433を共用化した構成を示すブロック図 従来の音響信号処理装置9の構成を示すブロック図 ゼロクロス法によって倍音信号を生成する方法を模式的に示す図 各倍音信号の倍音構成を示す図 典型的なサブウーファの音響出力特性の一例を示す図
符号の説明
10 入力端子
11 遅延手段
12 加算器
13 基本波抽出フィルタ
13a、13b 基本波抽出フィルタ
14 倍音生成手段
15、30 ゲイン調整手段
16 周波数測定手段
17 調整量算出手段
18 再生システム
31 補正フィルタ
43 抽出フィルタ
100 スピーカ負荷手段
181 音響効果機能手段
182 スピーカ

Claims (13)

  1. 入力音響信号に倍音信号を付加して、当該倍音信号が付加された音響信号を再生手段において再生する音響信号処理装置であって、
    前記入力音響信号から基本波信号を抽出する基本波抽出手段と、
    前記基本波抽出手段において抽出された基本波信号の倍音信号を複数生成する倍音生成手段と、
    前記再生手段の再生特性に基づいて生じる各前記倍音信号の倍音構成の変動を抑制するように当該各倍音信号のゲインを調整する第1の調整量と、各前記倍音信号のゲインが予め設定された倍音構成となるように当該ゲインを調整する第2の調整量とに基づいて、前記倍音生成手段において生成された各倍音信号のゲインを調整する調整処理手段と、
    前記調整処理手段において調整された各倍音信号と前記入力音響信号とを加算して、前記再生手段に出力する加算手段とを備える、音響信号処理装置。
  2. 前記基本波抽出手段において抽出された基本波信号の周波数を測定する周波数測定手段をさらに備え、
    前記調整処理手段は、前記周波数測定手段において測定された基本波信号の周波数に応じて、第1の調整量の値を変化させることを特徴とする、請求項1に記載の音響信号処理装置。
  3. 前記再生手段の負荷量を測定する負荷測定手段をさらに備え、
    前記調整処理手段は、前記負荷測定手段において測定された負荷量に応じて、第1の調整量の値を変化させることを特徴とする、請求項1に記載の音響信号処理装置。
  4. 前記調整処理手段は、
    前記基本波信号の周波数と当該基本波信号から生成された各倍音信号に対して用いるべき第1の調整量との対応を示す情報に基づいて第1の調整量を算出する算出手段と、
    前記算出手段によって算出された前記第1の調整量と前記第2の調整量とに基づいて、前記倍音生成手段において生成された各倍音信号のゲインを調整するゲイン調整手段とを含む、請求項1に記載の音響信号処理装置。
  5. 前記音響信号処理装置は、前記基本波抽出手段、前記倍音生成手段、および前記ゲイン調整手段からなる組を複数備えており、
    各前記基本波抽出手段は、互いに異なる周波数帯域の基本波信号をそれぞれ抽出し、
    前記算出手段は、各前記基本波抽出手段においてそれぞれ抽出される基本波信号の周波数に応じた前記第1の調整量を当該周波数毎にそれぞれ算出し、
    各前記ゲイン調整手段は、同じ組の前記基本波抽出手段によって抽出された基本波信号の周波数に応じた第1の調整量と前記第2の調整量とに基づいて、同じ組の前記倍音生成手段によって生成された各倍音信号のゲインを調整し、
    前記加算手段は、各組の前記ゲイン調整手段によって調整された各倍音信号と前記入力音響信号とを加算して、前記再生手段に出力する、請求項4に記載の音響信号処理装置。
  6. 入力音響信号に倍音信号を付加して、当該倍音信号が付加された音響信号を再生手段において再生する音響信号処理装置であって、
    前記入力音響信号から基本波信号を抽出する基本波抽出手段と、
    前記基本波抽出手段において抽出された基本波信号の倍音信号を複数生成する倍音生成手段と、
    前記倍音生成手段において生成された各倍音信号のゲインが予め設定された倍音構成となるように、当該ゲインを調整する調整手段と、
    少なくとも各前記倍音信号の周波数を含む周波数帯域において前記再生手段の再生特性の逆特性を有するフィルタに基づいて、前記調整手段において調整された各倍音信号のゲインを補正する補正手段と、
    前記補正手段において補正された各倍音信号と前記入力音響信号とを加算して、前記再生手段に出力する加算手段とを備える、音響信号処理装置。
  7. 前記基本波抽出手段は、前記再生手段の再生特性に基づいて、抽出する基本波信号の周波数を調整することを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の音響信号処理装置。
  8. 入力音響信号に倍音信号を付加して、当該倍音信号が付加された音響信号を再生手段において再生する音響信号処理装置であって、
    2次からm次(mは3以上の整数)までの各倍音信号について設けられる(m−1)個のフィルタをそれぞれ用いることによって前記入力音響信号から(m−1)個の基本波信号を抽出する抽出手段と、
    各フィルタによって抽出された(m−1)個の基本波信号のそれぞれについて2次からm次までの各倍音信号を生成する倍音生成手段と、
    同一のゲインを有する倍音構成となる各倍音信号のゲインが予め設定された倍音構成となるように当該ゲインを調整する調整量を用いて、前記倍音生成手段によって生成された各倍音信号のゲインを調整する調整手段と、
    前記調整手段によって調整された各倍音信号と前記入力音響信号とを加算して前記再生手段に出力する加算手段とを備え、
    n次(nは2からmまでの任意の整数)の倍音信号について設けられるフィルタは、カットオフ周波数が1/n倍した周波数になるように前記再生手段の再生特性をシフトさせた特性の逆特性である補正用特性と、基本波信号を抽出可能なローパスフィルタまたはバンドパスフィルタの特性である抽出特性とを合成した特性を有する、音響信号処理装置。
  9. 所定の次数以下の倍音信号について設けられる各フィルタは、前記補正用特性と前記抽出特性とを合成した特性を有し、
    前記所定の次数よりも高次の倍音信号について設けられる各フィルタは、前記抽出特性を有する、請求項8に記載の音響信号処理装置。
  10. 前記再生手段において再生される段階において、各前記倍音信号からなる倍音構成が一定になることを特徴とする、請求項1、6および8のいずれかに記載の音響信号処理装置。
  11. 入力音響信号に倍音信号を付加して、当該倍音信号が付加された音響信号を再生ステップにおいて再生する音響信号処理方法であって、
    前記入力音響信号から基本波信号を抽出する基本波抽出ステップと、
    前記基本波抽出ステップにおいて抽出された基本波信号の倍音信号を複数生成する倍音生成ステップと、
    前記再生ステップの再生特性に基づいて生じる各前記倍音信号の倍音構成の変動を抑制するように当該各倍音信号のゲインを調整する第1の調整量と、各前記倍音信号のゲインが予め設定された倍音構成となるように当該ゲインを調整する第2の調整量とに基づいて、前記倍音生成ステップにおいて生成された各倍音信号のゲインを調整する調整処理ステップと、
    前記調整処理ステップにおいて調整された各倍音信号と前記入力音響信号とを加算して、前記再生ステップに出力する加算ステップとを含む、音響信号処理方法。
  12. 入力音響信号に倍音信号を付加して、当該倍音信号が付加された音響信号を再生ステップにおいて再生する音響信号処理方法であって、
    前記入力音響信号から基本波信号を抽出する基本波抽出ステップと、
    前記基本波抽出ステップにおいて抽出された基本波信号の倍音信号を複数生成する倍音生成ステップと、
    前記倍音生成ステップにおいて生成された各倍音信号のゲインが予め設定された倍音構成となるように、当該ゲインを調整する調整ステップと、
    少なくとも各前記倍音信号の周波数を含む周波数帯域において前記再生ステップの再生特性の逆特性を有するフィルタに基づいて、前記調整ステップにおいて調整された各倍音信号のゲインを補正する補正ステップと、
    前記補正ステップにおいて補正された各倍音信号と前記入力音響信号とを加算して、前記再生ステップに出力する加算ステップとを含む、音響信号処理方法。
  13. 入力音響信号に倍音信号を付加して、当該倍音信号が付加された音響信号を再生ステップにおいて再生する音響信号処理方法であって、
    2次からm次(mは3以上の整数)までの各倍音信号について設けられる(m−1)個のフィルタをそれぞれ用いることによって前記入力音響信号から(m−1)個の基本波信号を抽出する抽出ステップと、
    各フィルタによって抽出された(m−1)個の基本波信号のそれぞれについて2次からm次までの各倍音信号を生成する倍音生成ステップと、
    同一のゲインを有する倍音構成となる各倍音信号のゲインが予め設定された倍音構成となるように当該ゲインを調整する調整量を用いて、前記倍音生成ステップによって生成された各倍音信号のゲインを調整する調整ステップと、
    前記調整ステップによって調整された各倍音信号と前記入力音響信号とを加算して前記再生ステップに出力する加算ステップとを備え、
    n次(nは2からmまでの任意の整数)の倍音信号について設けられるフィルタは、カットオフ周波数が1/n倍した周波数になるように前記再生ステップの再生特性をシフトさせた特性の逆特性である補正用特性と、基本波信号を抽出可能なローパスフィルタまたはバンドパスフィルタの特性である抽出特性とを合成した特性を有する、音響信号処理方法。

JP2005036256A 2005-02-14 2005-02-14 音響信号処理装置およびその方法 Pending JP2006222867A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005036256A JP2006222867A (ja) 2005-02-14 2005-02-14 音響信号処理装置およびその方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005036256A JP2006222867A (ja) 2005-02-14 2005-02-14 音響信号処理装置およびその方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006222867A true JP2006222867A (ja) 2006-08-24

Family

ID=36984854

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005036256A Pending JP2006222867A (ja) 2005-02-14 2005-02-14 音響信号処理装置およびその方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006222867A (ja)

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008103880A (ja) * 2006-10-18 2008-05-01 Sony Corp オーディオ再生装置
JP2008124848A (ja) * 2006-11-14 2008-05-29 Sony Corp オーディオ再生装置
JP2008191659A (ja) * 2007-01-12 2008-08-21 Sony Corp 音声強調方法及び音声再生システム
JP2009021843A (ja) * 2007-07-12 2009-01-29 Oki Electric Ind Co Ltd 音響信号処理装置及び音響信号処理方法
JP2009055079A (ja) * 2007-08-23 2009-03-12 Sony Corp 信号処理装置、信号処理方法、プログラム
JP2009206629A (ja) * 2008-02-26 2009-09-10 Sony Corp オーディオ出力装置、オーディオ出力方法
WO2011001589A1 (ja) * 2009-06-29 2011-01-06 三菱電機株式会社 オーディオ信号処理装置
JP2013197618A (ja) * 2012-03-15 2013-09-30 Jvc Kenwood Corp 音響信号処理装置、音響信号処理方法およびプログラム
WO2013181299A1 (en) 2012-05-29 2013-12-05 Creative Technology Ltd Adaptive bass processing system
KR101403086B1 (ko) 2006-09-26 2014-06-03 소니 주식회사 신호 처리 장치 및 신호 처리 방법
CN110718233A (zh) * 2019-09-29 2020-01-21 华声设计研究院(深圳)有限公司 一种基于心理声学的声学辅助降噪方法及装置
WO2020101548A1 (en) * 2018-11-16 2020-05-22 Dirac Research Ab Generating harmonics in an audio system
CN111968672A (zh) * 2019-09-20 2020-11-20 株式会社索思未来 基音频率决定装置和方法、模拟低音处理装置、音响处理方法

Cited By (30)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101403086B1 (ko) 2006-09-26 2014-06-03 소니 주식회사 신호 처리 장치 및 신호 처리 방법
JP2008103880A (ja) * 2006-10-18 2008-05-01 Sony Corp オーディオ再生装置
JP2008124848A (ja) * 2006-11-14 2008-05-29 Sony Corp オーディオ再生装置
US8229135B2 (en) 2007-01-12 2012-07-24 Sony Corporation Audio enhancement method and system
JP2008191659A (ja) * 2007-01-12 2008-08-21 Sony Corp 音声強調方法及び音声再生システム
JP2009021843A (ja) * 2007-07-12 2009-01-29 Oki Electric Ind Co Ltd 音響信号処理装置及び音響信号処理方法
JP2009055079A (ja) * 2007-08-23 2009-03-12 Sony Corp 信号処理装置、信号処理方法、プログラム
US8290180B2 (en) 2007-08-23 2012-10-16 Sony Corporation Signal processing device, signal processing method, and program therefor
CN101373961B (zh) * 2007-08-23 2012-09-19 索尼株式会社 信号处理设备及信号处理方法
US8165314B2 (en) 2008-02-26 2012-04-24 Sony Corporation Audio output apparatus and audio output method
JP2009206629A (ja) * 2008-02-26 2009-09-10 Sony Corp オーディオ出力装置、オーディオ出力方法
US9299362B2 (en) 2009-06-29 2016-03-29 Mitsubishi Electric Corporation Audio signal processing device
CN102422531A (zh) * 2009-06-29 2012-04-18 三菱电机株式会社 音频信号处理装置
JP5265008B2 (ja) * 2009-06-29 2013-08-14 三菱電機株式会社 オーディオ信号処理装置
WO2011001589A1 (ja) * 2009-06-29 2011-01-06 三菱電機株式会社 オーディオ信号処理装置
JP2013197618A (ja) * 2012-03-15 2013-09-30 Jvc Kenwood Corp 音響信号処理装置、音響信号処理方法およびプログラム
WO2013181299A1 (en) 2012-05-29 2013-12-05 Creative Technology Ltd Adaptive bass processing system
US10750278B2 (en) 2012-05-29 2020-08-18 Creative Technology Ltd Adaptive bass processing system
EP2856777A4 (en) * 2012-05-29 2016-05-25 Creative Tech Ltd ADAPTIVE BASS PROCESSING SYSTEM
CN112997511A (zh) * 2018-11-16 2021-06-18 狄拉克研究公司 在音频系统中生成谐波
WO2020101548A1 (en) * 2018-11-16 2020-05-22 Dirac Research Ab Generating harmonics in an audio system
JP2022506838A (ja) * 2018-11-16 2022-01-17 ディラック、リサーチ、アクチボラグ オーディオシステムにおける倍音の生成
US11349447B2 (en) 2018-11-16 2022-05-31 Dirac Research Ab Generating harmonics in an audio system
JP7262580B2 (ja) 2018-11-16 2023-04-21 ディラック、リサーチ、アクチボラグ オーディオシステムにおける倍音の生成
CN111968672A (zh) * 2019-09-20 2020-11-20 株式会社索思未来 基音频率决定装置和方法、模拟低音处理装置、音响处理方法
JP2021048553A (ja) * 2019-09-20 2021-03-25 株式会社ソシオネクスト 基音周波数決定装置、疑似低音処理装置、基音周波数決定方法および音響処理方法
JP7379988B2 (ja) 2019-09-20 2023-11-15 株式会社ソシオネクスト 基音周波数決定装置、疑似低音処理装置、基音周波数決定方法および音響処理方法
CN111968672B (zh) * 2019-09-20 2024-03-08 株式会社索思未来 基音频率决定装置和方法、模拟低音处理装置、音响处理方法
CN110718233A (zh) * 2019-09-29 2020-01-21 华声设计研究院(深圳)有限公司 一种基于心理声学的声学辅助降噪方法及装置
CN110718233B (zh) * 2019-09-29 2022-03-01 东莞市中光通信科技有限公司 一种基于心理声学的声学辅助降噪方法及装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006222867A (ja) 音響信号処理装置およびその方法
JP4286510B2 (ja) 音響信号処理装置及びその方法
JP6038135B2 (ja) 信号処理装置
US8351619B2 (en) Auditory sense correction device
JP2007178675A (ja) オーディオ再生の効果付加方法およびその装置
WO2013183185A1 (ja) 周波数特性変形装置
US8295508B2 (en) Processing an audio signal
KR101637407B1 (ko) 부가적인 출력 채널들을 제공하기 위하여 스테레오 출력 신호를 발생시키기 위한 장치와 방법 및 컴퓨터 프로그램
JPH06177688A (ja) オーディオ信号処理装置
JP2013007944A (ja) 信号処理装置、信号処理方法、及び、プログラム
JP2010068080A (ja) 音量制御装置
JP2004320516A (ja) 音響信号処理装置及びその方法
JP2006324786A (ja) 音響信号処理装置およびその方法
JP4368917B2 (ja) 音響再生装置
CN101422054A (zh) 声像定位装置
JP2007088568A (ja) オーディオ装置
JP6078358B2 (ja) ノイズ低減装置、放送受信装置及びノイズ低減方法
US20210211118A1 (en) Linear-phase fir audio filter, production method and signal processor
JP5375861B2 (ja) オーディオ再生の効果付加方法およびその装置
US10771895B2 (en) Audio signal processing device
JP4206409B2 (ja) 音声処理装置、その方法、プログラム、及びそのプログラムを記録した記録媒体
JP2012100117A (ja) 音響処理装置及び方法
KR100835637B1 (ko) 음성 신호 처리 장치 및 그 동작방법
JP5774218B2 (ja) 周波数特性変形装置
JP2009200777A (ja) オーディオ信号の利得制御装置および利得制御方法