JP4869432B1 - 補正フィルタ処理装置、及びその方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理負担の軽減と精度向上との両立を図る。
【解決手段】実施形態の補正フィルタ処理装置は、インパルス応答算出手段と、群遅延修正手段と、切出手段と、を備える。インパルス応答算出手段は、音場を含んで構成される再生系のインパルス応答を算出する。群遅延修正手段は、インパルス応答の逆特性を有するFIR(Finite Impulse Response)フィルタに対して、予め定められた周波数より低い帯域を示す低周波数帯域の群遅延特性を、当該予め定められた周波数より高い帯域を示す中高周波数帯域の群遅延特性に基づいて修正する。切出手段は、群遅延修正手段により修正された後のFIRフィルタから、予め設定されたタップ数分切り出す。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、補正フィルタ処理装置、及びその方法に関する。
従来から、テレビ等の各種AV機器においては、音声を出力する際に、オ−ディオ信号の再生音質を劣化させる様々な要因が存在する。そこで、出力される音声を忠実な音質にするために様々な技術が提案されている。
例えば、音場を含んで構成される再生系で、応答特性を補正する技術として、FIR(Finite Impulse Response)フィルタを用いることが提案されている。FIRフィルタでは、当該フィルタを構成するタップ数と、タップ毎の重みを示す係数(以下、タップ係数と称す)と、により特性が変化する。FIRフィルタでは、タップ数が多いほど周波数分解能が向上し、フィルタ性能が向上する。しかしながら、タップ数が多くなると、演算による処理負担が増加する。
そこで、従来技術として、FIRフィルタのタップ数を制限した上でフィルタ係数を求める技術が提案されている。例えば、周波数特性と位相補正特性とを合成して合成補正特性を求めた後、当該合成補正特性を、補正フィルタのフィルタ係数として用いる技術がある。
特開2008−197284号公報
しかしながら、従来技術に示すように、周波数特性と位相補正特性とを合成してフィルタ係数を求めることに制限するものではなく、他の手法を用いてもフィルタ係数を求めることができる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、処理負担を軽減した上で精度良く音響特性を補正する補正フィルタ処理装置、及びその方法を提供することを目的とする。
実施形態の補正フィルタ処理装置は、インパルス応答算出手段と、群遅延修正手段と、切出手段と、を備える。インパルス応答算出手段は、音場を含んだ再生系のインパルス応答を算出する。群遅延修正手段は、インパルス応答の逆特性を有するFIR(Finite Impulse Response)フィルタに対して、予め定められた周波数より低い低周波数帯域の群遅延特性を、当該予め定められた周波数より高い中高周波数帯域の群遅延特性に基づいて修正する。切出手段は、群遅延修正手段により修正されたFIRフィルタから、予め設定された数のタップ切り出す。
図1は、実施形態にかかる音響再生装置の構成を示すブロック図である。 図2は、実施形態にかかるインパルス応答算出部により算出された後の、再生系のインパルス応答の測定例を示した図である。 図3は、図2に示したインパルス応答の振幅周波数特性を示した図である。 図4は、図2に示したインパルス応答の位相周波数特性を示した図である。 図5は、図2に示したインパルス応答の逆特性を示すFIRフィルタのタップ係数を示した図である。 図6は、図5に示したFIRフィルタのタップ係数に対応する振幅周波数特性を示した図である。 図7は、図5に示したFIRフィルタのタップ係数に対応する位相周波数特性を示した図である。 図8は、図5に示したFIRフィルタのタップ係数に対応する群遅延特性を示した図である。 図9は、図5に示したFIRフィルタのタップ係数から、窓関数で256タップ分切り出した場合のタップ係数を示した図である。 図10は、図9で切り出したタップ係数に対応する振幅周波数特性を示した図である。 図11は、図9で切り出したタップ係数に対応する位相周波数特性を示した図である。 図12は、図9で切り出したタップ係数に対応する群遅延特性を示した図である。 図13は、実施形態にかかる群遅延修正部により修正された後の群遅延特性を示した図である。 図14は、群遅延特性を変更した場合の位相周波数特性を示した図である。 図15は、実施形態にかかる群遅延修正部により群遅延特性を変更された後のFIRフィルタのタップ係数を示した図である。 図16は、実施形態にかかるタップ切出部により256タップ切り出されたFIRフィルタのタップ係数を示した図である。 図17は、図16に示すタップ係数に対応する振幅周波数特性を示した図である。 図18は、図16に示すタップ係数に対応する位相周波数特性を示した図である。 図19は、図16に示すタップ係数に対応する群遅延特性を示した図である。 図20は、図10に示した群遅延特性を修正しなかった振幅周波数特性と、図17に示す振幅周波数特性と、を重ね合わせた図である。 図21は、実施形態にかかる音響再生装置における、補正フィルタの生成処理の手順を示すフローチャートである。
図1は、実施形態にかかる音響再生装置100の構成を示すブロック図である。図1に示すように、音響再生装置100は、フィルタを用いて音響補正を行う補正フィルタ処理装置が適用された構成となっており、検査用音声信号生成部101と、電気/音響出力変換部102と、音響/電気入力変換部103と、インパルス応答算出部104と、逆特性算出部105と、群遅延修正部106と、タップ切出部107と、フィルタ部110と、スイッチ111と、を備える。
スイッチ111は、通常の音声信号と、検査用音声信号生成部101から入力された検査用音声信号と、から、本実施形態にかかる音響再生装置100が出力する音声信号を切り替える。つまり、スイッチ111は、補正フィルタを生成する場合には、検査用音声信号生成部101とフィルタ部110とを接続し、それ以外の場合には、通常の音声信号を出力するための端子とフィルタ部110とを接続する。
検査用音声信号生成部101は、再生音場を含んで構成される再生系150の音響特性(インパルス応答)を測定するための検査用音声信号を生成する。本実施形態にかかる検査用音声信号では、例えば、ホワイトノイズ信号、又はTSP(Time Stretched Pulse)信号等を用いる。また、検査用音声信号は、検査用音声信号生成部101が測定の度に生成するのではなく、メモリ等に記憶させて読み出しても良い。
電気/音響出力変換部102は、検査用音声信号又は受聴対象の音声信号を、電気信号から再生音に変換し、出力する。また、電気/音響出力変換部102は、さらに、デジタル/アナログ変換部や、電力増幅部を含んでも良い。
音響/電気入力変換部103は、再生系150を伝播した検査用の再生音を収音し、収音した検査用の再生音について、音から電気信号に変換する。音響/電気入力変換部103は、アナログ/デジタル変換部や、電力増幅部を含んでも良い。
インパルス応答算出部104は、収音した検査用の再生音から変換された電気信号から、再生音場を含んで構成される再生系150のインパルス応答を算出する。
ところで、電気/音響出力変換部102から再生系150に放射される再生音は、電気/音響出力変換部102の振動系の固有振動、振動板の分割振動、筐体内部に発生する定在波、又は筐体の共鳴の影響を受けるほか、再生系150に存在するダクトの共鳴や、再生系150に存在するグリルやネットによる反射等、の種々の影響を受ける。このため、収音された検査用の再生音は、検査用音声信号生成部101により生成された検査用音声信号と比較して、振幅周波数特性および位相周波数特性が乱れている。
図2は、インパルス応答算出部104により算出された後の、再生系150のインパルス応答の測定例を示した図である。図2に示す例では、サンプリング周波数は48kHzとする。さらに当該インパルス応答の振幅周波数特性および位相周波数特性について確認する。
図3は、図2に示したインパルス応答の振幅周波数特性を示した図である。さらに、図4は、図2に示したインパルス応答の位相周波数特性を示した図である。図3及び図4に示す例では、振幅周波数特性および位相周波数特性が乱れていることが確認できる。
そこで、本実施形態にかかる音響再生装置100では、音響特性を補正するためにFIRフィルタを適用する例とする。
逆特性算出部105は、インパルス応答算出部104により算出されたインパルス応答の逆特性を算出する。例えば、逆特性算出部105が、インパルス応答の離散フーリエ変換を行い、周波数領域の複素数を得て、次に当該複素数の逆数を算出し、さらに逆離散フーリエ変換を行うことで、インパルス応答の逆特性を求めることができる。
図5は、図2に示したインパルス応答の逆特性を示すFIRフィルタのタップ係数を示した図である。図5に示す例では、逆特性算出部105が、基準レベルとして−20.5dBを設定し、さらに100Hz以下の低音域と15kHz以上の高音域に対して元の振幅特性を、基準レベルである−20.5dBに置き換えて計算している。このような計算を行ったのは、100Hz以下の低音域と15kHz以上の高音域は、電気/音響出力変換部102の再生音の出力で応答できない周波数帯域であるにもかかわらず、当該音域で極めて大きな補正ゲインを有するフィルタが生成されることを避けるためである。なおタップ係数とは、タップ毎の重みを示した係数とする。
図6は、図5に示したFIRフィルタのタップ係数に対応する振幅周波数特性を示した図であり、図7は、図5に示したFIRフィルタのタップ係数に対応する位相周波数特性を示した図である。図6に示す例では、100Hz以下の低音域と15kHz以上の高音域とが基準レベルに置き換えられた上で計算されているため、ゲインが0dBとなっていることが確認できる。図8は、図5に示したFIRフィルタのタップ係数に対応する群遅延特性を示した図である。
図6に示したFIRフィルタの振幅周波数特性は、再生系のインパルス応答の振幅周波数特性を示す図3の振幅レベル“−20.5dB”を基準とした補正ゲインを示しており、その特性カーブは図3に示す振幅周波数特性を、“−20.5dB”を軸として、反転させた特性と近似している。このため、図6に示したタップ係数のFIRフィルタを適用することで、100Hz〜15kHzの範囲で、平坦な振幅周波数特性の再生音が得られる。
しかしながら、図5に示すタップ係数は、収束に大幅な時間を要する。このため、図5に示したタップ係数でFIRフィルタを構成すると、32768タップのフィルタとなる。当該フィルタにおいては、演算量が膨大で、回路規模や消費電力が大きくなるという問題がある。
フィルタのタップ数を少なくするために、所定のタップ数分のデータを切り出してフィルタとして実装する方法が提案されている。そこで、本実施形態においては、タップ切出部107が、逆特性算出部105により算出された、逆特性を有するFIR(Finite Impulse Response)フィルタから、予め設定されたタップ数分のFIRフィルタを切り出す。
図9は、図5に示したFIRフィルタのタップ係数から、窓関数で256タップ分切り出した場合のタップ係数を示した図である。
図10は、図9で切り出したタップ係数に対応する振幅周波数特性を示した図であり、図11は、図9で切り出したタップ係数に対応する位相周波数特性を示した図である。そして、図12は、図9で切り出したタップ係数に対応する群遅延特性を示した図である。図10で示した振幅周波数特性は、図6で示した、切り出す前の振幅周波数特性と比較すると、低周波数帯域のゲインが大きく低下していることが確認できる。
これは、低周波数帯域では、再生音の位相回転による群遅延が大きくなることにより、インパルス応答の収束時間が長くなることに基づく。つまり、FIRフィルタにおいては、群遅延を戻す特性が含まれることでインパルス応答の収束時間が長くなっていたにも関わらず、インパルス応答に対する切り出しを行った、換言すればタップ数を制限したことで、群遅延の大きい低周波数帯域の成分が切り捨てられたためである。
そこで、本実施形態では、図9に示すように、FIRフィルタのタップ係数から、256タップ数分を切り出す前に、群遅延修正部106で群遅延を修正することとした。
群遅延修正部106は、インパルス応答の逆特性を有するFIR(Finite Impulse Response)フィルタに対して、予め定められた周波数より低い帯域を示す低周波数帯域の群遅延特性を、当該予め定められた周波数より高い帯域を示す中高周波数帯域の群遅延特性に基づいて修正する。本実施形態では、低周波数帯域と中高周波数帯域とを分ける基準となる周波数が100Hzの場合について説明する。
なお、当該基準となる周波数は、100Hzに制限するものではない。例えば、256タップ数分切り出す場合、256サンプル以上の群遅延は制御できなくなる。このため、図8に示すような実測結果に基づいて群遅延が大きい部分を修正対象とするように適宜設定すればよい。そして、本実施形態では、当該基準となる周波数を100Hzとした場合について説明することとした。
そして、本実施形態にかかる群遅延修正部106は、100Hz以下の低周波数帯域の群遅延を、当該低周波数帯域を除いた、インパルス応答全体の群遅延の値と合わせるように修正する。図13は、群遅延修正部106により修正された後の群遅延特性を示した図である。図13に示すように、群遅延修正部106は、100Hz以下の低周波数帯域の群遅延に対して、100Hzより上の中高周波数帯域の群遅延の平均値に近似する所定の値に置き換えることとした。これにより、図8で示した群遅延特性では大きく変動していた低周波数帯域の群遅延が、中高周波数帯域の群遅延と揃えられたことが確認できる。
図14は、群遅延特性を変更した場合の位相周波数特性を示した図である。図14に示した位相周波数特性と、図7に示した位相周波数特性と、を比較すると、図14に示した位相周波数特性の方が、位相が変化する範囲が圧縮されていることが確認できる。このため、図14に示す位相周波数特性の方が、図7に示した位相周波数特性と比べて、タップ数が少ないFIRフィルタにより適していることが確認できる。
図15は、群遅延修正部106により群遅延特性を変更された後のFIRフィルタのタップ係数を示した図である。本実施形態では、この修正された後のタップ係数を用いて以下に示す処理が行われる。
タップ切出部107は、群遅延修正部106により群遅延特性が修正された後のFIRフィルタから、予め設定されたタップ数分切り出して、補正フィルタを生成する。本実施形態は、256タップ数分切り出す例とする。そして、タップ切出部107は、256タップ数分切り出すために、いわゆるTukey(tapered cosine)ウィンドウといった窓関数を掛けることとする。なお、タップ数分のタップ係数を切り出す技術として、Tukey(tapered cosine)ウィンドウ等の窓関数を用いた技術に制限するものではなく、他の手法を用いても良い。
図16は、タップ切出部107により256タップ数分切り出されたFIRフィルタのタップ係数を示した図である。図17は、図16に示すタップ係数に対応する振幅周波数特性を示した図であり、図18は、図16に示すタップ係数に対応する位相周波数特性を示した図である。図19は、図16に示すタップ係数に対応する群遅延特性を示した図である。
図20は、図10に示した群遅延特性を修正しなかった振幅周波数特性と、図17に示す振幅周波数特性と、を重ね合わせた図である。図20においては、線2001が、群遅延特性を修正せずに窓関数で切り出したFIRフィルタの振幅周波数特性であり、線2002が、群遅延特性を修正した後窓関数で切り出した補正フィルタの群遅延特性である。図20に示されるように、群遅延特性を修正した振幅周波数特性2002が低周波数帯域で改善していることが確認できる。
フィルタ部110は、タップ切出部107により切り出された補正フィルタを用いて、電気/音響出力変換部102が出力する音声信号に対してフィルタリングを行う。
本実施形態にかかる音響再生装置100は、上述した構成を備えることで、音声信号に対して適切なフィルタリングを行うことができる。
次に、本実施形態にかかる音響再生装置100における、補正フィルタの生成処理について説明する。図21は、本実施形態にかかる音響再生装置100における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
まず、検査用音声信号生成部101は、検査用音声信号を生成する(ステップS2101)。次に、電気/音響出力変換部102は、検査用音声信号を、電気信号から再生音に変換し、再生音場150に出力する(ステップS2102)。
その後、音響/電気入力変換部103が、再生音場150を伝播した検査用の再生音を収音し、再生音から電気信号に変換する(ステップS2103)。
そして、インパルス応答算出部104は、収音した検査用の再生音から変換された電気信号から、再生音場を含んで構成される再生系150のインパルス応答を算出する(ステップS2104)。
次に、逆特性算出部105は、インパルス応答算出部104により算出されたインパルス応答の逆特性を算出する(ステップS2105)。
そして、群遅延修正部106は、FIRフィルタの低周波数帯域(100Hz以下の周波数帯域)の群遅延特性を、中高周波数特性(100Hzより上の周波数特性)の群遅延特性に合わせるよう修正する(ステップS2106)。
その後、タップ切出部107が、算出された逆特性を有するFIRフィルタから、256タップ数分のFIRフィルタを切り出して、再生系の音響特性を補正する補正フィルタを生成する(ステップS2107)。
そして、タップ切出部107は、生成された補正フィルタを、フィルタ部110に設定する(ステップS2108)。
上述した処理手順により、群遅延特性を修正したフィルタ特性を有する補正フィルタで、音声信号の補正が行われることになる。
本実施形態にかかる音響再生装置100では、測定したインパルス応答の逆特性を求めた後に低周波数帯域の群遅延特性を変更する手法について説明した。しかしながら、このような手法に制限するものではなく、例えば、測定したインパルス応答に対して低周波数帯域の群遅延特性を変更した後にインパルス応答の逆特性を求めてもよい。
また、本実施形態では、群遅延特性の変更方法として、低周波数帯域の群遅延を所定の値に置き換える例を示したが、位相が変化する範囲が圧縮される、換言すれば群遅延時間を圧縮する手法を用いればよく、低周波数帯域の群遅延を所定の値で置き換えることに制限するものではない。
本実施形態にかかる音響再生装置100は、タップ数の少ない、即ち演算量の少ないFIRフィルタを利用しても、低周波数帯域の振幅特性に対して良好な補正ができる。
本実施形態にかかる音響再生装置100では、基本的な音質設定のために付加的に、低域強調フィルタを設ける必要が無く信号処理の演算量または回路規模の増大を回避できる。また、音響再生装置100では、音響的な低域増強に頼る必要性も少なく、コストの増加を伴わずに低周波数帯域の音圧特性を良好にすることが出来る。換言すれば、音響再生装置100では、処理負担の軽減と音響特性の性能向上との両立を図る。
本実施形態にかかる音響再生装置100では、FIRフィルタのタップ係数の群遅延特性を調整することで、低音域のゲインの低下を抑制することが可能であるため、タップ数の少ない安価なDSPに実装可能なフィルタを用いた場合でも良好な低周波数帯域の音圧特性を得ることができる。
本実施形態にかかる音響再生装置100では、補正フィルタの生成と、生成した補正フィルタを用いたフィルタリングと、の両方を行う場合について説明した。しかしながら、このように両方行う場合に制限するものではない。変形例としては、音響再生装置が、音声信号を出力する出力部と、出力部で出力する音声信号に対して補正フィルタを用いてフィルタリングするフィルタ部と、を備えたものであり、当該補正フィルタは、他のフィルタ処理装置において上述した処理で生成、設定されたものであってもよい。
上述した実施形態においては、テレビジョン受像装置内に備えられる音響再生装置100の場合について説明したが、他の装置に適用しても良い。例えば、PC等に備え付けられる外部スピーカでも良い。CDプレイヤなどの音響機器であっても良い。さらには、携帯電話に内蔵されても良いし、ヘッドフォンに対して適用しても良い。
テレビジョン受像装置内に備えられる音響再生装置100は、CPUと、ROMと、RAMと、を含んだハードウェア構成となっている。本実施形態の音声処理プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
本実施形態の音響再生装置100で実行される音響処理プログラムは、上述した各部(検査用音声信号生成部、電気/音響出力変換部、音響/電気入力変換部、インパルス応答算出部、逆特性算出部、群遅延修正部、タップ切出部、フィルタ部)を含むモジュール構成となっている。そして、実際のハードウェアとしてはCPUが上記ROMから音響処理プログラムを読み出して実行することにより上記各部がRAM上にロードされ、検査用音声信号生成部、電気/音響出力変換部、音響/電気入力変換部、インパルス応答算出部、逆特性算出部、群遅延修正部、タップ切出部、フィルタ部がRAM上に生成される。
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い。
100…音響再生装置、101…検査用音声信号生成部、102…電気/音響出力変換部、103…音響/電気入力変換部、104…インパルス応答算出部、105…逆特性算出部、106…群遅延修正部、107…タップ切出部、110…フィルタ部、111…スイッチ、150…再生系

Claims (6)

  1. 音場を含んだ再生系のインパルス応答を算出するインパルス応答算出手段と、
    前記インパルス応答の逆特性を有するFIR(Finite Impulse Response)フィルタに対して、予め定められた周波数より低い低周波数帯域の群遅延特性を、当該予め定められた周波数より高い中高周波数帯域の群遅延特性に基づいて修正する群遅延修正手段と、
    前記群遅延修正手段により修正された前記FIRフィルタから、予め設定された数のタップ切り出す切出手段と、
    を備えた補正フィルタ処理装置。
  2. 前記群遅延修正手段は、前記中高周波数帯域の群遅延特性の平均値に近似する所定の値で、前記低周波数帯域の群遅延特性を修正する請求項1に記載の補正フィルタ処理装置。
  3. 音声信号を出力する出力手段と、
    前記切出手段により予め設定された数のタップ切り出された前記FIRフィルタを用いて、前記出力手段が出力する前記音声信号に対してフィルタリングを行うフィルタ手段と、
    をさらに備えた請求項1又は2に記載の補正フィルタ処理装置。
  4. 前記インパルス応答算出手段により算出された前記インパルス応答の逆特性を算出する逆特性算出手段を、さらに備え、
    前記群遅延修正手段は、前記逆特性算出手段により算出された前記逆特性を有する前記FIRフィルタに対して、前記低周波数帯域の群遅延特性を、前記中高周波数帯域の群遅延特性に基づいて修正する、
    請求項1乃至3のいずれか一つに記載の補正フィルタ処理装置。
  5. 音声信号を出力する出力手段と、
    音場を含んだ再生系のインパルス応答の逆特性を有するFIR(Finite Impulse Response)フィルタに対して、予め定められた周波数より低い低周波数帯域の群遅延特性を、当該予め定められた周波数より高い中高周波数帯域の群遅延特性に基づいて修正した後に、予め設定された数のタップ切り出された前記FIRフィルタを補正フィルタとして用いて、前記出力手段が出力する前記音声信号に対してフィルタリングを行うフィルタ手段と、
    を備えた補正フィルタ処理装置。
  6. インパルス応答算出手段が、音場を含んだ再生系のインパルス応答を算出するインパルス応答算出ステップと、
    群遅延修正手段が、前記インパルス応答の逆特性を有するFIR(Finite Impulse Response)フィルタに対して、予め定められた周波数より低い低周波数帯域の群遅延特性を、当該予め定められた周波数より高い中高周波数帯域の群遅延特性に基づいて修正する群遅延修正ステップと、
    切出手段が、前記群遅延修正ステップにより修正された後のFIRフィルタから、予め設定された数のタップ切り出す切出ステップと、
    を有する補正フィルタ処理方法。
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