JP2006219709A - 耐遅れ破壊性に優れた高強度鋼 - Google Patents

耐遅れ破壊性に優れた高強度鋼 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来よりも耐遅れ破壊性に優れた高強度鋼を提供すること。
【解決手段】 本発明の耐遅れ破壊性に優れた高強度鋼(第1の高強度鋼)は、引張強度が1200N/mm2以上の高強度鋼であって、C:0.3〜0.5%(質量%:元素量に関する限り、以下同じ)、Cr:0.5〜5.0%、Mn:0.2〜1.0%を含むと共に、Mg、Ca、Sr、Ba、Li、NaおよびKよりなる群から選択される1種以上を、下記要件(1)および(2)を満足するように含むところに特徴を有する。
(1)Mg、Ca、Sr、Ba、Li、NaおよびKのそれぞれの上限値は0.05%、
【数1】

Description

本発明は、構造物/輸送機器等の機械構造用途に用いられる高強度鋼に関するものであり、特に、1200N/mm2以上の引張強度を有し、かつ、耐遅れ破壊性に優れた高強度鋼に関するものである。なお、本発明の高強度鋼には、製品加工前の鋼材はもとより、ボルト等の鋼加工品も含まれる。
高強度鋼の分野では、耐遅れ破壊性の向上が永遠の解決課題となっている。耐遅れ破壊性とは、例えば、1200N/mm2以上の引張強度を示すボルト用鋼の場合、ボルト首部が使用中に脆性的に破断してしまう時間依存型の破壊現象である。
この耐遅れ破壊性の向上のため、様々な検討が行われている。最近では特に、外部から鋼中へ侵入して鋼中を動き回ることのできる水素(拡散性水素)が時間の経過と共に鋼中で濃化していくことが、遅れ破壊の一要因であると考えられており、この拡散性水素を捕捉して、鋼の脆化を防ぐ試みがなされている。例えば、特許文献1には、焼き戻しマルテンサイトとフェライトの層状組織において炭窒化物を析出させることで、水素をトラップし、疲労破壊を防止する技術が開示されている。
一方、本発明者等も水素のトラップ手段について検討を重ねており、VやMoの炭窒化物で水素をトラップするだけでなく、Ti、Zr、Hf、Nbの炭窒化物によって水素をトラップすることで、遅れ破壊を一層抑制できること等を見出し、既に出願した(特許文献2)。
本発明者等は高強度鋼についての検討をさらに進めており、低コスト化と高強度化を図ると共に、耐食性を高めて外部からの水素の侵入を防ぐことで拡散性水素量を低減させようと試み、耐食性向上元素であるCr量を鋼中において高める実験を行った。そして、耐食性と耐遅れ破壊性との相関は強いが、Cr量が多くなって所定量を超えると、耐遅れ破壊性が悪くなる傾向が認められた。すなわち、耐食性を向上させることが、必ずしも耐遅れ破壊性を向上させる訳ではないことを見出した。
特開2003−105485号公報 特開2003−253376号公報
本発明は、上記事情を踏まえ、従来よりも耐遅れ破壊性に優れた高強度鋼を提供することを課題として掲げた。
本発明の耐遅れ破壊性に優れた高強度鋼(第1の高強度鋼)は、引張強度が1200N/mm2以上の高強度鋼であって、C:0.3〜0.5%(質量%:元素量に関する限り、以下同じ)、Cr:0.5〜5.0%、Mn:0.2〜1.0%を含むと共に、Mg、Ca、Sr、Ba、Li、NaおよびKよりなる群から選択される1種以上を、下記要件(1)および(2)を満足するように含むところに特徴を有する。
(1)Mg、Ca、Sr、Ba、Li、NaおよびKのそれぞれの上限値は0.05%、
Figure 2006219709
上記高強度鋼は、N:0.002〜0.01%、O:0.0005〜0.005%、S:0.001〜0.025%、Si:2.5%以下(0%を含む)を含むと共に、Vおよび/またはMoを合計で0.05〜2%と、Ti、Zr、HfおよびNbのうちの1種以上を合計で0.03〜0.5%含むことが好ましく、さらに、Ni:2.0%以下および/またはCu:1.0%以下を含むものであってもよい。
また、本発明には、引張強度が1200N/mm2以上で、C:0.3〜0.5%、Cr:0.5〜5.0%およびMn:0.2〜1.0%を含む高強度鋼であって、その最表面に、Mg、Ca、Sr、Ba、Li、NaおよびKよりなる群から選択される1種以上を含む化合物の層が連続または不連続に形成されてなり、当該化合物層は、鋼断面観察時に鋼表面の単位長さの10%以上を占めていることを特徴とする耐遅れ破壊性に優れた高強度鋼(第2の高強度鋼)も含まれる。上記化合物層は、Mg(OH)2とCaCO3を含むものであることが好ましい。
第1の高強度鋼の最表面に、第2の高強度鋼における上記化合物層が形成されていてもよく(第3の高強度鋼)、一層、耐遅れ破壊性が向上する。本発明には、上記第1、第2、第3のいずれかの高強度鋼から得られた高強度ボルトも含まれる。
本発明では、耐食性元素量と、腐食ピットの形成を抑制する元素量のバランスを採ることに成功したので、従来に比べ、耐遅れ破壊性の優れた高強度鋼を得ることができた。また、特定の元素を含む化合物の層を鋼表面に形成することで、腐食ピットの形成を抑制できるため、鋼の組成にかかわらず耐遅れ破壊性を高めることが可能となった。さらに、耐遅れ破壊性に優れた組成の鋼の表面に上記化合物層を形成すると、一層の改善効果が発揮された。よって、本発明によれば、高い強度と共に、優れた耐遅れ破壊性を備えたボルト用に最適な高強度鋼を提供することができた。
本発明者等が、前記したように鋼中のCr量を高める実験を行ったところ、Cr量が0.3%を超えると、Cr量の増大に伴って耐食性は向上するが、耐遅れ破壊性が低下していくことがわかった。すなわち、Cr量を増やして耐食性を高めても、水素の侵入量を低減させることができないのである。このため、本発明者等がさらに検討した結果、鋼全体の耐食性を高めても、鋼表面近傍に腐食ピットが一旦形成されると、腐食ピット先端部(底部)では、水の存在下で急激にpHが低下して水素が生成する上、pHの低下によってさらに腐食が進んでピットが深くなっていくため、鋼中に侵入する水素が増加して、耐遅れ破壊性が悪化すると考えられた。
本発明者等がさらに検討を続けた結果、水酸化物形成元素を鋼中に添加するか、鋼表面に水酸化物形成元素を含有する層を形成することで、腐食ピットの形成および腐食の進行を抑制することができ、外部からの水素侵入量を低減することに成功し、本発明に到達した。以下、本発明を詳細に説明する。なお、以下の説明では、水酸化物形成元素を鋼中に含有する高強度鋼を第1の高強度鋼といい、水酸化物形成元素を含有する層を表面に有する高強度鋼を第2の高強度鋼といい、第1の高強度鋼の表面に水酸化物形成元素含有層が形成された鋼を第3の高強度鋼という。
まず本発明では、第1および第2の高強度鋼とも、引張強度が1200N/mm2以上でなければならない。このレベル以上でなければ、最近の高強度鋼に対する要求特性を満足することができないからである。ただし、この強度要件を満足しない場合でも、本発明の適用を妨げるものではない。
本発明の第1および第2の高強度鋼は、Cを含むものである。Cは、鋼の焼き入れ性を高め、高強度を確保するために必須の元素である。また、鋼に固溶しにくい水酸化物形成元素を炭化物や複合化合物として鋼中に安定に存在させる作用も有する。強度の確保や炭化物形成効果の発現のためには、0.30%以上(望ましくは0.35%以上)含まれることが好ましいが、多すぎると、靭性が劣化して耐遅れ破壊性が低下するだけでなく、冷間加工性も悪くなる傾向にあるので、0.50%以下(望ましくは0.45%以下)に抑制するとよい。
本発明の第1および第2の高強度鋼は、Crを必須的に含有する。Crは、低コストで高強度化が図れる上に、耐食性を高めて、腐食速度を遅くする効果を有する。これらの効果を発現させるためには、0.5%以上の添加を必要とする。より好ましいCr量の下限は1.0%である。一方、Crの添加量が増える(特に、1.0%以上)と、腐食ピットを形成し易くなる傾向が認められた。これは、Crは鋼全体としての耐食性を高めるが、腐食ピットの先端部のpHを低下させる作用をも有しているため、一旦腐食ピットが形成されるとピット深さ方向へピットを拡げてしまうのではないかと考えられる。よって、耐遅れ破壊性に対する悪影響を小さくするには、Cr量を5.0%以下に抑制する。より好ましいCr量の上限は4.0%である。
また、本発明の第1および第2の高強度鋼は、Mnも必須的に含むものである。Mnは、耐食性向上にはそれほど寄与しないが、強度向上を図ることができるため、0.2%以上添加する。より好ましいMn量の下限は0.5%である。一方、Mnの添加量が増える(特に、0.5%以上)と、Crの場合と同様に、腐食ピットを形成し易くなる傾向が認められた。よって、耐遅れ破壊性に対する悪影響を小さくするには、Mn量を1.0%以下に抑制する。より好ましいMn量の上限は0.8%である。
本発明の第1の高強度鋼では、鋼の化学成分組成の調整により耐遅れ破壊性を改善する。よって、第1の高強度鋼においては、Mg、Ca、Sr、Ba、Li、NaおよびKよりなる群から選択される1種以上を、下記要件(1)および(2)を満足するように含むものでなければならない。なお、表面に特定の化合物層を形成することで耐遅れ破壊性を改善する第2の高強度鋼では、上述したC、Cr、Mn以外の成分組成は特に限定されない。
(1)Mg、Ca、Sr、Ba、Li、NaおよびKのそれぞれの上限値は0.05%、
Figure 2006219709
すなわち、Mg、Ca、Sr、Ba、Li、NaおよびKは、いずれも水酸化物を形成することのできる元素(以下、水酸化物形成元素という)である。これらを鋼中に含めておくと、水と反応してアルカリ性の水酸化物となり、これらの水酸化物から発生する水酸化物イオン(OH-)が、鋼表面のpHが低下するのを中和して防ぐため、腐食ピットの形成を抑制すると共に、ピット先端部において腐食がさらに進みピットが深くなっていくのも抑制する。また、上記水酸化物形成元素は、水と反応するため、腐食環境下で水から水素が生成して鋼中へ侵入するのも防ぐ。従って、CrやMnの添加により腐食ピットが形成しやすい鋼組成となっていても、これらの水酸化物形成元素が腐食ピットの生成やその生長を抑制することができる。この水酸化物形成元素が腐食ピット先端部のpHを増大させる効果はpH3以下の場合に顕著であり、特に、Crを1.0%以上やMnを0.5%以上含む腐食ピットを形成しやすい組成の鋼である場合や、高腐食環境下で使用される高強度鋼である場合に、本発明の有用性が増大する。
上記条件(1)は、各水酸化物形成元素のそれぞれの上限値を0.05%とするというものである。各元素は、上述のように水酸化物イオンを生成して腐食ピットの生成・生長を抑制し、その添加量が多いほど腐食ピット抑制効果は高くなるが、一方で、溶鋼不純物との反応性が高いため、粗大な化合物を形成して、鋼中へ粗大化合物を混入させるおそれがあり、製造上著しい損失となり得る。また、多量に配合すると、鋼中で粗大な析出物を形成するため、応力集中の要因となると共に、析出物によるひずみが原因となって水素濃化を招き、耐遅れ破壊性が低下してしまう。さらに、これらの各元素は融点・沸点が低く、鋼への固溶度が小さいため、溶鋼へ多量に添加しても鋼に残存する量が少ない。これらの観点から、MgとCaの上限値は0.05%とする。より好ましい上限値は0.01%、さらに好ましくは0.005%である。また、下記式(2)によっても各元素量は制限を受けるが、上記不都合を招かないためには、式(2)によって定まる各元素の最低必要量の+0.002%以内にすることが望ましい。
(2)の要件は、腐食ピットを形成しやすくするCrとMnの添加量に応じて、水酸化物形成元素の添加量を変化させることが望ましいことから、どのように変化させたらいいかを関係式(下式)として示したものである。なお、この式における斜字体は、各元素の鋼中での存在量(%)を表す。
Figure 2006219709
すなわち、左辺では、Crの悪影響度を1とすれば、Mnはその4分の1の悪影響の程度なので、Mn量は4で割ってCr量に加算する。一方、右辺では、腐食ピット抑制効果の点で、Mg、Ca、Sr、Baは同レベルであったので、これらはそのまま加算し、LiとNaとKは、Mg、Ca、Sr、Baよりも腐食ピット抑制効果が1/4しかなかったため、4で割ったものをMg、Ca、SrおよびBaの合計量に加算している。そして、この右辺の1000倍が、左辺よりも大きくなるように、これらの各元素量を調整することが必要である。これにより、CrやMnに由来する耐食性や強度と、水酸化物形成元素に由来する腐食ピット抑制効果とをバランスよく発揮させることができるようになった。左辺の方が大きい場合は、腐食ピット抑制効果が充分発揮されないため、鋼への水素侵入量が増加して、耐遅れ破壊性が低下するため好ましくない。
第1の高強度鋼においては、他の成分として、N、OおよびSを添加することが望ましい。これらの元素は、鋼中に水酸化物形成元素の窒化物、酸化物、硫化物およびこれらの複合化合物を析出させるために必要であり、融点・沸点が低いため鋼中に含まれにくい水酸化物形成元素を、鋼中に安定に存在させる効果を有する。ただし、N、O、Sの量が多すぎると析出物が粗大化するので、通常の鋼よりも狭い量範囲で規定することが望ましい。それぞれの元素の好ましい量範囲は以下の通りである。
〈N:0.001〜0.010%〉
Nは、水酸化物形成元素の窒化物を形成し、これらを安定的に析出物として微細分散させることができるため、Nを0.001%以上含有させることが望ましい。より好ましい下限は0.002%、さらに好ましい下限は0.004%である。しかし、N量が過剰になると析出物が粗大化するため、0.010%以下とすることが好ましい。より好ましい上限は0.007%である。
〈O:0.0005〜0.005%〉
Oは、水酸化物形成元素の酸化物を形成し、これらを安定的に析出物として微細分散させることができるため、0.0005%以上含有させることが望ましい。より好ましい下限は0.001%である。しかし、O量が過剰になると粗大な酸化物が析出し易くなるので、0.005%以下とすることが好ましい。より好ましい上限は0.003%である。
〈S:0.001〜0.025%〉
Sは、水酸化物形成元素の硫化物を形成し、これらを安定的に析出物として微細分散させることができるため、0.001%以上含有させることが望ましい。より好ましい下限は0.003%である。しかし、S量が過剰になると、水素とラップ作用の弱い粗大なMnS等が析出してくるので、0.025%以下とすることが好ましい。より好ましい上限は0.015%である。
第1の高強度鋼においては、Si、V、Mo、Ti、Zr、Hf、Nb、Ni、Cuが含まれていてもよい。
〈Si:2.5%以下〉
Siは、多すぎると粗大なSi系析出物が形成されて、靭性や耐遅れ破壊性が低下するため、2.5%以下とすることが好ましい。
〈Vおよび/またはMo:合計で0.05〜2%〉
V、Moは、いずれも鋼中の水素を多量にトラップして、耐遅れ破壊性を向上させる効果を有する。また、これらが少ないと、焼き入れ性が悪くなって機械的強度が得られにくくなる。よって、これらを合計で0.05%以上含有することが好ましい。ただし、これらが過剰になると、鋼の靭性が低下するだけでなく、水酸化物形成元素を安定化させるためのN、O、Sの必要量が確保できなくなるため、上限は2%とすることが好ましい。
〈Ti、Zr、HfおよびNbのうちの1種以上:合計で0.03〜0.5%〉
Ti、Zr、HfおよびNbは、いずれも鋼中の水素を強くトラップして、耐遅れ破壊性を向上させる効果を有する。従って、これらの元素が含まれていないと、環境変化等によって水素の放出が一気に生じて耐遅れ破壊性が低下してしまうことがある。よって、これらを合計で0.03%以上含有することが好ましい。ただし、これらが過剰になると、鋼の靭性が低下するだけでなく、水酸化物形成元素を安定化させるためのN、O、Sの必要量が確保できなくなるため、上限は0.5%とすることが好ましい。
本発明の第1の高強度鋼には、Niおよび/またはCuが含まれていてもよい。
〈Ni:2.0%以下、Cu:1.0%以下〉
NiとCuは耐食性向上に寄与するが、腐食ピット形成を促進するおそれがないため、上記範囲内で添加しても構わない。しかし、上記上限を超えても、耐食性向上効果が飽和し、コストアップにつながるだけなので、上記上限以下の使用に抑えることが望ましい。より好ましいNi量の上限は1.5%、さらに好ましくは1.0%であり、より好ましいCu量の上限は0.8%、さらに好ましくは0.6%である。
本発明の第1の高強度鋼の化学成分は上記の通りであり、残部成分は実質的にFeであるが、鋼中に、上記説明したものの他、原料、資材、製造設備等の状況によって持ち込まれる不可避的不純物(P等)や、本発明の課題達成に悪影響を与えない範囲でさらなる特性を付与するための他の元素が含まれる場合も、本発明の鋼に包含される。
本発明の第2の高強度鋼は、水酸化物形成元素を含む化合物層が鋼の表面に設けられてなるものである。この第2の高強度鋼の場合は、水酸化物形成元素を含む化合物層が、水素の鋼への侵入を防ぎ、腐食ピットの形成・生長を抑制して、耐遅れ破壊性を改善させる。従って、鋼の化学成分としては、強度や耐食性を確保するためのC、Cr、Mnの含有量は規定されるが、他の成分組成は特に限定されない。
水酸化物形成元素を含む化合物層は、電解処理法や気相コーティング法により鋼表面に形成することができる。電解処理では、例えば、Caイオンを1g/リットル以上、Mgイオンを1g/リットル以上含む溶液中に鋼を浸漬し、鋼を陰極として1A/dm2以上の電流を流して電解処理を行うと、鋼表面に、CaCO3とMg(OH)2の混合物層が形成される。気相コーティング法では、公知のCVD法や、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング等のPVD法を利用して、水酸化物形成元素の酸化物膜を形成するとよい。化合物層の厚みは、0.1μm以上が望ましく、1μm以上がさらに好ましい。
水酸化物形成元素を含む化合物の層は、鋼の表面に直接形成しても、他の目的で形成される皮膜(他の形成皮膜という)の上に形成してもよい。この化合物の層の上にさらに他の形成皮膜を形成してもよい。また、他の形成皮膜が何層にも亘る場合は、いずれかの皮膜と皮膜の間に複数層に亘って形成することもできる。具体例を図1に示した。パターンAは、高強度鋼の上に他の形成皮膜が形成され、その表面に水酸化物形成元素を含む化合物層が不連続に形成された例である。パターンBは、他の形成皮膜の中に不連続な水酸化物形成元素化合物層が形成された例である。パターンCは、高強度鋼の実際の表面上に化合物層が形成され、その上に他の形成皮膜が被覆された例である。要するに、水素や水の悪影響を鋼へ与えないため、鋼加工品の空気との接触面から鋼の実際の表面までの間に、上記化合物層が存在していればよい。他の目的で形成される皮膜としては、強度・組織調整のための熱処理時に形成される酸化皮膜、加工時等に施される潤滑皮膜、各種塗装皮膜等が挙げられるが、特に限定されない。
また、この化合物層は、鋼の全表面に厚く緻密に形成されているケースが、最も腐食ピットの形成・生長の抑制効果が高いが、外観、寸法精度、潤滑性等の高強度鋼に対する要求特性という観点からは、全表面被覆は望ましくない場合が多い。このような場合は、部分的に化合物層を設けることが望ましい。ただし、化合物層が不連続層になると腐食ピット抑制効果が不充分となるおそれがあるので、鋼試料を断面観察したときに、化合物層が形成されている長さの合計が、観察視野における鋼試料の長さ(単位長さという)の10%以上とする必要がある。このときの観察方法は、鋼試料を樹脂等に埋め込んで鏡面研磨した後、1000〜10000倍でEPMAで面分析による元素マッピングを行う。断面観察における元素マッピングを行うと、化合物層を形成する元素が左右に延びる線として現れるので、その長さを測定(複数の線がある場合は各線の長さを合計)して、その視野における鋼試料の長さ(大体10〜100μm程度となる)に対する百分率を求める。なお、試料は、最低3個以上切り出し、1試料について5視野以上のマッピングを行って平均することが好ましい。なお、図1のパターンBから理解できるように、化合物層がその他の形成皮膜の中で上下に重なり合う部分がある場合は、のべ長さをカウントする。
上記化合物層の比率(表面処理長さ率という)が、鋼の単位長さの10%に満たない場合は、水酸化物形成元素による腐食ピット抑制効果が不充分となってしまう。表面処理長さ率(化合物層の形成比率)が大きくなればなるほど腐食ピット抑制効果が高まるが、上述したように、高強度鋼に要求される特性が低下することがあるので、用途、使用環境を考慮して、長さ率を定めるとよい。また、例えば、ボルト等では、首部とネジ部に寸法精度や潤滑性が要求されるため、これらの部分以外の部位に化合物層を形成するようにしてもよい。
以上が、第2の高強度鋼の構成であるが、上記化合物層は鋼表面に形成されているので、腐食が進んで鋼内部にピット先端部が侵入すると、水酸化物形成元素が含まれていない場合、ピットの生長を抑制することはできなくなる。このため、腐食ピットの生成・生長を抑制して耐遅れ破壊性を一層向上させるには、水酸化物形成元素を鋼中に含む第1の高強度鋼の表面に、水酸化物形成元素を含む化合物層が設けられた構成の第3の高強度鋼とするのが望ましい。
耐遅れ破壊性の評価方法は特に限定されないが、定歪み試験、定荷重試験、低歪み速度試験等を採用することができる。水素を鋼に侵入させるには、酸浸漬法、陰極チャージ法、CCT試験機を用いる方法等、いずれでも構わない。また、低歪み速度試験を行う場合は、2μm/min以下のクロスヘッドスピードで試験を行い、水素を侵入させた試料と水素を侵入させていない試料とを、破断応力や歪み量で比較するのが望ましい。なお、水素侵入量を直接的に定量分析するのは現時点では困難である。また、腐食環境での鋼中の水素吸蔵量を電気化学的に測定したり、腐食環境で鋼へ侵入した水素を鋼中を透過させることにより得られる水素透過量として電気化学的に測定することは可能であるが、鋼においては、水素の侵入と放出が繰り返されているので、ある時点での水素吸蔵量や水素透過量から水素の侵入量を推定したとしても、信頼性に欠ける。従って、上記したような間接的な耐遅れ破壊性評価方法を採用することが望ましい。
耐食性評価方法については、大気暴露、酸溶液浸漬、塩水噴霧、恒温恒湿試験等、様々な条件の評価方法を単独でまたは組み合わせて使用することができる。使用環境に近い条件で耐食性を評価することが好ましく、例えば、エンジン部品に用いられるボルト用鋼であれば、強酸に浸漬して耐食性を評価する必要はない。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
実験No.1〜25
表1に示した化学成分(質量%)と0.05%Siを含有し、残部Feおよび不可避不純物である供試鋼を、150kg真空溶解炉で溶製し、150kgのインゴットに鋳造して冷却した。その後、25mmφに鍛造し、1200℃、30分の溶体化処理と、焼きならし処理を施し、引張強度が1400〜1500N/mm2になるように焼き入れ・焼き戻し処理を行った。なお、表1に示した鋼のC量は0.3%以上のみであるが、Cが0.3%より少ない鋼では引張強度が1200N/mm2以上にならなかったため、その後の試験を実施していない。
得られた各供試鋼から、図2に示した形状の遅れ破壊試験片と、耐食性・腐食ピット測定用試験片(φ10mm×100mm)を作成した。表2に表面処理長さ率を示した実験No.8,9,16,17,23,24については、Caイオンを20g/l、Mgイオンを50g/l含む水溶液中に試験片を浸漬し、試験片を陰極として1A/dm2以上の電流を30〜300分程度流して電解処理を行い、試験片表面にCaCO3とMg(OH)2の混合物層を形成した。表面処理長さ率は、前記した方法で求めた。
耐遅れ破壊試験は以下のようにして実施した。図2に示した形状の試験片をアセトンで超音波脱脂を行い、SSRT試験装置にセットし、30℃、大気中で、クロスヘッドスピード2×10-3mm/minでSSRT試験を行い、大気中での試験片の伸びE0を測定した。また、同形状の試験片をアセトンで超音波脱脂した後、ネジ部を樹脂でマスキングし、pH3に調整した30℃のHCl+5%NaCl水溶液に24時間浸漬した。その後、この水溶液中で、前記と同じクロスヘッドスピードでSSRT試験を行い、水素チャージ後の試験片の伸びE1を測定した。遅れ破壊評価指標として、DF1=100×(1−E1/E0)で求まる遅れ破壊感受性を算出した。遅れ破壊感受性は50%を超えるものは耐遅れ破壊性に劣っており、50%以下は良好、40%以下は極めて良好と評価できる。
耐食性試験は、φ10mm×100mmの試験片の質量W1を測定した後、アセトンによる超音波脱脂を行い、平面部(円柱状試験片を立てておいたときの上面と底面)を樹脂でマスキングし、pH3に調整した30℃のHCl+5%NaCl水溶液に72時間浸漬した。その後、樹脂マスキングを除去し、180g/lのNaOHと30g/lのKMnO4を含んだ水溶液への浸漬処理と、100g/lの(NH42HC657を含む水溶液中で、試験片を陰極として1A/dm2以上の電流を流す電解処理を繰り返して、試験片の錆を化学的に取り除き、質量W2を測定した。(W2−W1)/W1を、腐食減量とした。腐食減量は1鋼種について3個の試験片で測定し、その平均を表2に示した。
腐食ピット深さは、腐食試験後の試験片を切断し、樹脂に埋め込んで断面を光学顕微鏡を用いて倍率100倍で観察して、界面(試料と樹脂の界面)の平均線を引き、その後、最も深いピットの深さを倍率400倍に上げて測定した。1試験片について異なる10視野を観察した。なお、試験片は1鋼種について3個採取した。合計30回の測定で得られたピット深さを平均し、表2に示した。
腐食減量が4.5×10-4以下で、腐食ピット深さが20μm以下の場合は耐食性が良好であるといえ、腐食減量が3.0×10-4以下で、腐食ピット深さが10μm以下の場合は、極めて良好ということができる。
Figure 2006219709
Figure 2006219709
No.1はCrが少なく耐食性に劣るが、鋼中に水酸化物形成元素を添加しているため、腐食ピット深さは比較的小さい。No.2はMnが少なく、No.1よりは腐食減量が少なかった。これらの耐遅れ破壊性は同程度であった。No.3は、水酸化物形成元素を含まず、(2)の式を満足しない例であるが、腐食ピット深さが全実験例の中で最も大きい。また、No.4は、CrやMn量に比して水酸化物形成元素量が少なく、(2)の式を満足しない例であり、やはり腐食ピット深さが大きい。No.5はCrが多く、No.6はMnが多いため、いずれも水酸化物形成元素を添加していても、腐食ピットの生長抑制効果が不充分であった。
上記No.3で用いられた供試材に水酸化物形成元素を含む化合物層を設けたNo.7とNo.8では、化合物層の量(表面処理長さ率)が不足しているため、耐遅れ破壊性の改善効果は不充分であった。No.9は炭素量の多い例である。水酸化物形成元素が多く含まれているので腐食ピット深さは小さくなっているが、靭性が低下したため耐遅れ破壊性も悪い結果となった。
No.10〜14は、本発明の第1の高強度鋼において、含んでいてもよい元素の量が好ましい範囲よりも多く含む鋼を用いた例である。いずれも、No.1〜9の比較例に比べると、耐食性や耐遅れ破壊性がかなり改善されていることがわかる。No.13で用いた供試材に水酸化物形成元素の化合物層を設けたNo.15およびNo.14で用いた供試材に上記化合物層を設けたNo.16は、耐食性、耐遅れ破壊性がかなり改善されたことがわかる。表2の備考欄には第2の高強度鋼と記載しているが、これらは同時に第3の高強度鋼でもある。
No.17〜No.23は、最も好ましい化学組成の鋼を供試材として用いた例であり、いずれも、優れた耐食性、耐遅れ破壊性を示した。このタイプの鋼の表面にさらに水酸化物形成元素を含む化合物層を設けたNo.24と25では、極めて良好な耐食性と耐遅れ破壊性を示した。
本発明の第1〜第3の高強度鋼は、耐食性と耐遅れ破壊性に優れており、腐食が厳しい環境において使用されるボルト用鋼として適している。また、ギア等の自動車用部品の他、歯車、摺動部品、軸類、軸受等のその他の自動車用部品、建設機械および産業機械等における鋼部品にも適用することができる。
高強度鋼の表面に水酸化物形成元素を含む化合物層が不連続に形成されている状態を説明する模式図である。 耐遅れ破壊性を評価する際の試験片の形状を示す平面図である。

Claims (7)

  1. 引張強度が1200N/mm2以上の高強度鋼であって、C:0.3〜0.5%(質量%:元素量に関する限り、以下同じ)、Cr:0.5〜5.0%、Mn:0.2〜1.0%を含むと共に、Mg、Ca、Sr、Ba、Li、NaおよびKよりなる群から選択される1種以上を、下記要件(1)および(2)を満足するように含むことを特徴とする耐遅れ破壊性に優れた高強度鋼。
    (1)Mg、Ca、Sr、Ba、Li、NaおよびKのそれぞれの上限値は0.05%、
    Figure 2006219709
  2. さらに、N:0.002〜0.01%、O:0.0005〜0.005%、S:0.001〜0.015%、Si:2.5%以下(0%を含む)を含むと共に、Vおよび/またはMoを合計で0.1〜2%と、Ti、Zr、HfおよびNbのうちの1種以上を合計で0.03〜0.5%含むものである請求項1に記載の高強度鋼。
  3. さらに、Ni:2.0%以下および/またはCu:1.0%以下を含むものである請求項1または2に記載の高強度鋼。
  4. 引張強度が1200N/mm2以上で、C:0.3〜0.5%、Cr:0.5〜5.0%およびMn:0.2〜1.0%を含む高強度鋼であって、その最表面に、Mg、Ca、Sr、Ba、Li、NaおよびKよりなる群から選択される1種以上を含む化合物の層が連続または不連続に形成されてなり、当該化合物層は、鋼断面観察時に鋼表面の単位長さの10%以上を占めていることを特徴とする耐遅れ破壊性に優れた高強度鋼。
  5. 上記化合物層が、Mg(OH)2とCaCO3を含むものである請求項4に記載の高強度鋼。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の高強度鋼の最表面に上記化合物層が形成されている請求項4または5に記載の高強度鋼。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の高強度鋼から得られたものであることを特徴とする高強度ボルト。
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