JP2006219540A - 開環メタセシス重合体の製造方法 - Google Patents

開環メタセシス重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract


【課題】 環状オレフィンの開環メタセシス重合反応において、分子量分布が小さい開環メタセシス重合体をより効率的に得る方法を提供すること。
【解決手段】 開環メタセシス重合体の製造方法であって、式1で示される環状モノオレフィンおよび式2で示される環状ジオレフィンから選ばれる少なくとも1種の環状オレフィンを、ルテニウムカルベン錯体および式3で示される連鎖移動剤の存在下で開環メタセシス重合させる際に、該連鎖移動剤と該環状オレフィンとのモル比を経時的に変化させることを特徴とする方法。
【化1】
Figure 2006219540

【化2】
Figure 2006219540

【化3】
Figure 2006219540

(式中、各記号は明細書に記載の通りである。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、各種包装材、エンジニアリングプラスチックに有用な、開環メタセシス重合体の製造方法に関する。
開環メタセシス重合(以下、ROMPという場合がある)の技術はよく知られている(例えば、非特許文献1参照)。また、種々の重合体がこの方法によって得られている(例えば、特許文献1〜3参照)。また、下記式1
Figure 2006219540
(式中、R、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、水酸基、アルコキシル基、カルボニル基、エステル基またはカルボキシル基もしくはその塩を表し、これらの内のいずれか複数個はそれらが結合する炭素原子と一緒になって環状構造を形成していてもよい。mおよびnは0〜4の整数を表し、mおよびnの数の合計は3以上である。)で示される環状モノオレフィンに構造が類似する、下記式
Figure 2006219540
(式中、XおよびYはそれぞれ独立して官能基から選択され、a+bが2〜7の条件でaおよびbはそれぞれ独立して0〜6の整数であり、各Rは独立して水素、C1−5アルキルまたはXである)の化合物を開環メタセシス重合した例について開示されている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、これらの先行例では、重合が進行して一定の重合体が得られることのみ注視しており、連鎖移動剤と重合モノマーとの反応速度差を意識しておらず、工業的に有用である分子量分布の制御を成り行きに任せているのが実情であり、開環メタセシス重合を工業的に有効な方法として使用しているとは言いがたい。
米国特許第4069376号明細書 米国特許第4110528号明細書 特表平11−510807号公報 特表2002−509961号公報 エンサクロペディア オブ ポリマー サイエンス アンド エンジニアリング 第2版 1987年 9巻 634〜668項(Encyclopedia of Polymer Science and Engineer Vol.2 1987 No.9 634〜668)
本発明は、触媒としてルテニウムカルベン錯体を用いる、下記式1
Figure 2006219540
(式中、R、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、水酸基、アルコキシル基、カルボニル基、エステル基またはカルボキシル基もしくはその塩を表し、これらの内のいずれか複数個はそれらが結合する炭素原子と一緒になって環状構造を形成していてもよい。mおよびnは0〜4の整数を表し、mおよびnの数の合計は3以上である。)で示される環状モノオレフィンおよび下記式2
Figure 2006219540
(式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、水酸基、アルコキシル基、カルボニル基、エステル基またはカルボキシル基もしくはその塩を表し、これらの内のいずれか複数個はそれらが結合する炭素原子と一緒になって環状構造を形成していてもよい。pおよびqは0〜4の整数を表し、pおよびqの数の合計は3以上である。)で示される環状ジオレフィンから選ばれる少なくとも1種の環状オレフィン(以下、単に環状オレフィンという場合もある)の開環メタセシス重合反応において、分子量分布が小さい開環メタセシス重合体をより効率的に得る方法を提供することにある。
本発明者らは上記の目的を達成するため鋭意研究を重ねた結果、環状オレフィンを、ルテニウムカルベン錯体を使用して、開環メタセシス重合する際に、下記式3
Figure 2006219540
(式中、R23およびR24はそれぞれ水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリールオキシ基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基またはハロゲン原子を表す。)で示される連鎖移動剤(以下、連鎖移動剤(3)という場合もある)を使用して開環メタセシス重合することに加え、環状オレフィンと連鎖移動剤(3)の反応系内への投入モル比を変化させることにより、分子量分布を調整できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) 開環メタセシス重合体の製造方法であって、下記式1
Figure 2006219540
(式中、R、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、水酸基、アルコキシル基、カルボニル基、エステル基またはカルボキシル基もしくはその塩を表し、これらの内のいずれか複数個はそれらが結合する炭素原子と一緒になって環状構造を形成していてもよい。mおよびnは0〜4の整数を表しmおよびnの数の合計は3以上である。)
で示される環状モノオレフィンおよび下記式2
Figure 2006219540
(式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、水酸基、アルコキシル基、カルボニル基、エステル基またはカルボキシル基もしくはその塩を表し、これらの内のいずれか複数個はそれらが結合する炭素原子と一緒になって環状構造を形成していてもよい。pおよびqは0〜4の整数を表しpおよびqの数の合計は3以上である。)
で示される環状ジオレフィンから選ばれる少なくとも1種の環状オレフィンを、ルテニウムカルベン錯体および下記式3
Figure 2006219540
(式中、R23およびR24はそれぞれ水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリールオキシ基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基またはハロゲン原子を表す。)
で示される連鎖移動剤の存在下で開環メタセシス重合させる際に、反応の一時点における該連鎖移動剤の合計仕込み量(モル)と該環状オレフィンの合計仕込み量(モル)との比率(モル比)を経時的に変化させることを特徴とする製造方法、
(2) ルテニウムカルベン錯体が、下記式4
Figure 2006219540
(式中、R19は、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルキル基および置換されていてもよいアリール基からなる群より選ばれ、R20、R21およびR22はそれぞれ水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基および置換されていてもよいアリール基からなる群より選ばれ、Lは、中性電子供与体から選ばれる。)
で示される構造を有する、(1)に記載の製造方法、
(3) 開環メタセシス重合体の分子量分布が1〜12の範囲である、(1)または(2)に記載の製造方法、
(4) (1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法により得られる、開環メタセシス重合体、等に関する。
本発明の製造方法によれば、分子量分布の小さい開環メタセシス重合体を効率よく得ることができる。このような分子量分布の小さい重合体を用いて成形を行うと、成形性が安定し、フィルムなどの成形品を容易に得ることができる。
以下に本発明の詳細な説明を行う。
本発明で使用される環状オレフィンには、下記式1
Figure 2006219540
(式中、R、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、水酸基、アルコキシル基、カルボニル基、エステル基またはカルボキシル基もしくはその塩を表し、これらの内のいずれか複数個はそれらが結合する炭素原子と一緒になって環状構造を形成していてもよい。mおよびnは0〜4の整数を表しmおよびnの数の合計は3以上である。)で示される環状モノオレフィンおよび下式2
Figure 2006219540
(式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、水酸基、アルコキシル基、カルボニル基、エステル基またはカルボキシル基もしくはその塩を表し、これらの内のいずれか複数個はそれらが結合する炭素原子と一緒になって環状構造を形成していてもよい。pおよびqは0〜4の整数を表しpおよびqの数の合計は3以上である。)で示される環状ジオレフィンが含まれる。
上記式1におけるR、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10、上記式2におけるR11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18が表すハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられる。
また、上記式1におけるR、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10、上記式2におけるR11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18が表すアルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖状または分枝状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、セチル基、ステアリル基などが挙げられ、シクロアルキル基としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などが挙げられる。該アルキル基およびシクロアルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシル基;ニトロ基;カルボキシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基;アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基などのアルキルカルボニルオキシ基などが挙げられる。置換基の数は、好ましくは0〜6個、より好ましくは0〜3個であり、置換可能な位置であればどこに置換されていてもよい。
上記式1におけるR、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10、上記式2におけるR11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18が表すアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。該アリール基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシル基;ニトロ基;カルボキシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基;アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基などのアシル基;アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基などのアルキルカルボニルオキシ基などが挙げられる。置換基の数は、好ましくは0〜6個、より好ましくは0〜3個であり、置換可能な位置であればどこに置換されていてもよい。
上記式1におけるR、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10、上記式2におけるR11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18が表すアルコキシル基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基などが挙げられ、またエステル基としては、例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などの炭素数2〜20のカルボニルオキシ基が挙げられる。
上記式1におけるR、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10、上記式2におけるR11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18が表すカルボキシル基の塩としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩を挙げることができる。
また、上記式1におけるR、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10、上記式2におけるR11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18は、これらの内のいずれか複数個が、それらが結合する炭素原子と一緒になって環状構造を形成していてもよい。このような例としては、例えば、2個のヒドロキシル基が縮合してエポキシ基などの環状エーテルを形成したものが挙げられる。
上記式1のmおよびnが2〜4の整数を表す場合、複数のRとR、RとR10はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
mは0〜4、nは0〜4であることが好ましく、mおよびnの数の合計は、4〜8であることが好ましい。
上記式2のpおよびqが2〜4の整数を表す場合、複数のR13とR14、R17とR18はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
pは0〜4、qは0〜4であることが好ましく、pおよびqの数の合計は、4〜8であることが好ましい。
式1で示される環状モノオレフィンとしては、例えば、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロドデセン、1,5−ジメチル−1−シクロオクテンなどのシクロオレフィン類;1,2−ジヒドロキシ−5−シクロオクテン、1,4−ジヒドロキシ−2−シクロオクテン、1−ヒドロキシ−4−シクロヘプテンなどのヒドロキシル基を有するシクロオレフィン類;1−クロロ−5−シクロオクテンなどのハロゲン含有シクロオレフィン類;1,2−ジメトキシ−5−シクロオクテン、1,4−ジメトキシ−2−シクロオクテン、1−メトキシ−4−シクロヘプテンなどのエーテル含有シクロオレフィン類、1,2−ジアセトキシ−5−シクロオクテン、1,4−ジアセトキシ−2−シクロオクテン、1−アセトキシ−4−シクロヘプテンなどのエステル基含有シクロオレフィン類を挙げることができる。これらは単独で使用しても、複数を混合して使用してもかまわない。
式2で示される環状ジオレフィンとしては、例えば1,5−シクロオクタジエン、1,5−ジメチル−1,5−シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、2,5−ノルボルナジエンなどの環状非共役オレフィン類などを挙げることができる。これらは単独で使用しても、複数を混合して使用してもかまわない。
本発明では、環状モノオレフィン(1)、環状ジオレフィン(2)、または環状モノオレフィン(1)および環状ジオレフィン(2)を原料として開環メタセシス重合を行うことができる。
本発明で使用する下記式3
Figure 2006219540
(式中、R23およびR24はそれぞれ水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリールオキシ基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基またはハロゲン原子を表す。)で示される連鎖移動剤は、対応するアルキンをリンドラー触媒などの存在下に水素化することにより容易に調製することができる。
上記式3におけるR23およびR24が表すアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられ、シクロアルキル基としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などが挙げられ、アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基などが挙げられ、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などが挙げられ、アリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基などが挙げられ、アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられ、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基およびアルコキシカルボニル基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基などのアルコキシル基;ニトロ基;カルボキシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル基;アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基などのアルキルカルボニルオキシ基などが挙げられる。置換基の数は、好ましくは0〜6個、より好ましくは0〜3個であり、置換可能な位置であればどこに置換されていてもよい。
上記式3で示されるR23およびR24は、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などの炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。
本発明で使用できる連鎖移動剤(3)としては、cis−2−ブテン、cis−3−ヘキセン、cis−4−オクテン、cis−4−デセンなどのcis型アルケンを挙げることができる。入手性、経済性、操作性を考慮して、cis−2−ブテン、cis−3−ヘキセン、cis−4−オクテンの使用が好ましい。
本発明で使用するルテニウムカルベン錯体は、どのようなものであっても特に制限されないが、たとえば、下記式4
Figure 2006219540
(式中、R19は、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルキル基および置換されていてもよいアリール基からなる群より選ばれ、R20、R21およびR22はそれぞれ水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基および置換されていてもよいアリール基から成る群より選ばれ、Lは、中性電子供与体から選ばれる。)
で示される構造を有するものを使用することができる。
式4中のR19が表す「置換されていてもよいアルキル基」の好ましい例としては、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基などの炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜8)のアルキル基、該アルキル基が、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基などのアリール基;ヒドロキシル基;メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などの炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜8)のアルコキシ基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などの炭素数2〜20(好ましくは炭素数1〜8)のカルボニルオキシ基などで置換されている置換アルキル基などが挙げられる。また、「置換されていてもよいアルケニル基」の好ましい例としては、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、オクテニル基などの炭素数2〜20(好ましくは炭素数2〜8)のアルケニル基、該アルケニル基がメチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基などの炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜8)のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基などのアリール基;ヒドロキシル基;メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などの炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜8)のアルコキシ基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などの炭素数2〜20(好ましくは炭素数2〜8)のカルボニルオキシ基などで置換されている置換アルケニル基などが挙げられる。また、「置換されていてもよいシクロアルキル基」の好ましい例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、該シクロアルキル基がメチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基などの炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜8)のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基などのアリール基;ヒドロキシル基;メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などの炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜8)のアルコキシ基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などの炭素数2〜20(好ましくは炭素数2〜8)のカルボニルオキシ基などで置換されている置換シクロアルキル基などが挙げられる。また、「置換されていてもよいアリール基」の好ましい例としては、フェニル基、ナフチル基などのアリール基、該アリール基が、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基などの炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜8)のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基などのアリール基;ヒドロキシル基;メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などの炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜8)のアルコキシ基などで置換されている置換アリール基などを挙げることができる。
これら「置換されていてもよいアルキル基」、「置換されていてもよいアルケニル基」、「置換されていてもよいシクロアルキル基」および「置換されていてもよいアリール基」において、置換基の数は、好ましくは0〜6個、より好ましくは0〜3個であり、置換可能な位置であればどこに置換されていてもよい。
該式4のルテニウムカルベン錯体において、R19は、好ましくは、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、または置換されていてもよいアリール基である。
式4中のR20、R21およびR22は、同一であっても異なっていてもよく、該R20、R21およびR22が表す「置換されていてもよいアルキル基」の好ましい例としては、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基などの炭素数1〜10(好ましくは炭素数1〜8)の直鎖状アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基などの炭素数が1〜10(好ましくは炭素数1〜8)の分枝状アルキル基、該直鎖状又は分岐状のアルキル基がメチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基などの炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜8)のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基などのアリール基;ヒドロキシル基;メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などの炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜8)のアルコキシ基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などの炭素数2〜20(好ましくは炭素数2〜8)のカルボニルオキシ基などで置換されている置換アルキル基などが挙げられる。また、「置換されていてもよいシクロアルキル基」の好ましい例としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、該シクロアルキル基がメチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基などの炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜8)のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基などのアリール基;ヒドロキシル基;メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などの炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜8)のアルコキシ基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などの炭素数2〜20(好ましくは炭素数2〜8)のカルボニルオキシ基などで置換されている置換シクロアルキル基などが挙げられる。また、「置換されていてもよいアリール基」としては、例えば、フェニル基、ナフチル基などのアリール基、該アリール基が、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基などの炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜8)のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基などのアリール基;ヒドロキシル基;メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などの炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜8)のアルコキシ基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などの炭素数2〜20(好ましくは炭素数2〜8)のカルボニルオキシ基などで置換されている置換アリール基などが挙げられる。これら「置換されていてもよいアルキル基」、「置換されていてもよいシクロアルキル基」および「置換されていてもよいアリール基」において、置換基の数は、好ましくは0〜6個、より好ましくは0〜3個であり、置換可能な位置であればどこに置換されていてもよい。
Lは、中性電子供与体であり、例えば、PR202122(R20、R21およびR22は上記と同義である)のようなリン化合物、下記式5
Figure 2006219540
(式中、R25およびR28は、それぞれ置換されていてもよいアルキル基または置換されていてもよいアリール基を表し、R26およびR27は、それぞれ水素原子、置換されていてもよいアルキル基または置換されていてもよいアリール基を表し、
Figure 2006219540
は、単結合または二重結合を表す。)で示される含窒素カルベン化合物等を使用することができる。
式5中、R25およびR28は同一であっても異なっていてもよく、該R25およびR28が表す「置換されていてもよいアルキル基」の好ましい例としては、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基などの炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜8)のアルキル基、該アルキル基が、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基などのアリール基;ヒドロキシル基;メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などの炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜8)のアルコキシ基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などの炭素数2〜20(好ましくは炭素数2〜8)のカルボニルオキシ基などで置換されている置換アルキル基などが挙げられる。また、「置換されていてもよいアリール基」の好ましい例としては、フェニル基、ナフチル基などのアリール基、該アリール基が、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基などの炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜8)のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基などのアリール基;ヒドロキシル基;メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などの炭素数1〜5のアルコキシ基などで置換されている置換アリール基などが挙げられる。これら「置換されていてもよいアルキル基」および「置換されていてもよいアリール基」において、置換基の数は、好ましくは0〜6個、より好ましくは0〜3個であり、置換可能な位置であればどこに置換されていてもよい。
当該式4のルテニウムカルベン錯体において、式5中のR25およびR28は、それぞれ、好ましくはフェニル基、4−トリル基、2−トリル基、2,4−キシリル基、メシチル基、ナフチル基、アントラニル基である。
式5中、R26およびR27は同一であっても異なっていてもよく、該R26およびR27で表わされる「置換されていてもよいアルキル基」の好ましい例としては、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基などの炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜8)のアルキル基、該アルキル基が、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基などのアリール基;ヒドロキシル基;メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などの炭素数1〜20(炭素数1〜8)のアルコキシ基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ヘキサノイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などの炭素数2〜20(好ましくは炭素数2〜8)のカルボニルオキシ基などで置換されている置換アルキル基などが挙げられる。また、「置換されていてもよいアリール基」の好ましい例としては、フェニル基、ナフチル基などのアリール基、該アリール基が、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基などの炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜8)のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基などのアリール基;ヒドロキシル基;メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などの炭素数1〜5のアルコキシ基などで置換されている置換アリール基などを挙げることができる。これら「置換されていてもよいアルキル基」および「置換されていてもよいアリール基」において、置換基の数は、好ましくは0〜6個、より好ましくは0〜3個であり、置換可能な位置であればどこに置換されていてもよい。
当該式4のルテニウムカルベン錯体において、式5中のR26およびR27は、それぞれ、好ましくは水素原子、メチル基、エチル基などの炭素数1〜8のアルキル基である。
本発明で使用するルテニウムカルベン錯体は、市販されているものをそのまま使用しても、必要に応じて公知の方法に従い調製してもかまわない。
本発明では、反応を阻害しない範囲で溶媒を使用してもかまわない。使用できる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナンなどの飽和炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサンなどのエーテル類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、オクタノールなどのアルコール類;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化溶媒などを挙げることができる。経済性、環境適合性を考慮すると、芳香族炭化水素類およびエーテル類が好ましい。
本発明において溶媒を使用する場合、その使用量は特に制限されるものではないか、開環メタセシス重合により生成してくる重合体の濃度が高くなると、溶液粘度が上昇し、モノマーの移動度が低下して重合活性が低くなり、目的の重合物が得られなくなる場合があるため、使用した環状オレフィンが完全に重合体になったと仮定した際の、該重合体の濃度が、通常、0.1重量%〜50重量%、好ましくは、0.5重量%〜30重量%、より好ましくは1重量%〜25重量%で調製するのがよい。
本発明でのルテニウムカルベン錯体の使用量は、連鎖移動剤(3)の使用量に左右されるところもあるため、限定はされないが、使用される環状オレフィンに対して、通常、1/1,000,000モル〜1/10モル、経済性、反応速度を考慮して、1/200,000モル〜1/50モルであることが好ましい。
本発明での連鎖移動剤(3)の使用量は、目的とする分子量によって異なることは言うまでもないが、反応活性種の反応系内での寿命を考慮して、環状オレフィンに対して、通常、1/100,000モル〜1/10モル、好ましくは、1/10,000モル〜1/20モルの範囲で使用される。
本発明では、開環メタセシス重合を行う際に、反応系内に供給する環状オレフィンと連鎖移動剤(3)との比率を反応中に経時的に変化させる。該比率とは、反応中のある一時点において、それまでに仕込んだ環状オレフィンの合計モル数と、それまでに仕込んだ連鎖移動剤(3)の合計モル数との割合である。
一般に、ルテニウムカルベン錯体を触媒として用いる開環メタセシス重合は、官能基を有しているオレフィンを使用できることが特徴である。開環反応のみならず、重合反応として機能するのは、環状オレフィンが有する環歪みが本触媒によって解かれることが推進力となっている。そのため、より歪んだ化合物がより触媒に早くアプローチし、次反応を提起するため、環歪みを有さない連鎖移動剤(3)が、終始同じ比率で反応系内に供給されると反応速度が遅いため、所望の反応を得ることができずに蓄積することを見出し、分子量分布拡大に影響していると帰結した。
すなわち、開環メタセシス重合反応中における環状オレフィンと連鎖移動剤(3)との比率(モル比)が一定であった場合には、反応初期に高分子量の重合体が生成し、反応後期には低分子量の重合体が生成することになり、分子量分布が広くなるので好ましくないため、反応初期に連鎖移動剤(3)の濃度が高く、反応後期に連鎖移動剤(3)の濃度が低くなることが好ましい。
環状オレフィンと連鎖移動剤(3)との供給比は、使用する環状オレフィンの構造により変化するが、例えば、環状オレフィンと連鎖移動剤(3)とのモル比を100対1で最終的に反応させる場合、反応開始時は30対1で提供し、反応後期には300対1で提供するなどの方法をとることができる。また、例えば、使用する連鎖移動剤(3)の全量および使用する環状オレフィンの一部をはじめに供給して開環メタセシス重合を開始し、残りの環状オレフィンを後から供給していくことも可能である。
環状オレフィンと連鎖移動剤(3)との供給比の変化は、連続的に変化することが好ましいが、原料の逐次供給の際に、比率を変化させながら供給して反応させてもかまわない。
本発明の反応方法としては、バッチ反応により重合することも、ピストンフローなどの方法で連続的に供給して反応させてもかまわない。
本発明は、通常常圧下で実施されるが、必要に応じて、加圧下で反応してもかまわない。また、安全性を考慮して不活性ガス下で実施してもよい。
本発明を実施する温度は、特に制限されるものではないが、経済性、反応速度を考慮して、通常、20℃〜100℃、より好ましくは、25℃〜90℃の範囲である。
末端オレフィンを有する化合物を添加することにより、容易に触媒を失活させて反応を停止することができる。使用できる末端オレフィン化合物としては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテンなどのアルケン類;スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテルなどのビニルエーテル類を挙げることができる。反応停止に使用される末端オレフィン化合物の使用量としては、特に制限されるものではないが、使用したルテニウムカルベン錯体1モルに対して、通常1〜1000モル倍、経済性、反応効率を考慮して、2〜100モル倍の範囲で使用することが好ましい。
本発明で得られる開環メタセシス重合体は、通常、反応温度から室温に冷却することで、沈殿として得ることができるが、必要に応じて、ヘキサン、ヘプタンなどの飽和炭化水素、水などの貧溶媒に反応溶液を投入することによる再沈殿などの一般的手法を用いて、触媒と分離回収することができる。開環メタセシス重合体の分子量は、何ら限定されないが、通常、1,000〜500,000であり、好ましくは2,000〜300,000であり、分子量分布は、何ら限定されないが、通常、1〜12であり、好ましくは1〜10である。なお、本発明における分子量分布とは、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)である。
以下に、実施例および比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない
<実施例1>
乾燥した窒素で置換されたガラス製50mL容3つ口フラスコに攪拌機、温度計を装着し、5−シクロオクテン−1,2−ジオールのTHF溶液6.4mL(5−シクロオクテン−1,2−ジオール:0.96g(6.8mmol)含有)、cis−4−オクテン(19.7mg、0.176mmol)を仕込み、次いで[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(フェニルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(1.19mg、1.40μmol)を加えると共に、5−シクロオクテン−1,2−ジオールのTHF溶液12.8mL(5−シクロオクテン−1,2−ジオール:1.92g(13.5mmol)含有)を毎分0.8mLの速度で添加し、55℃でROMPを行った。1時間後、ガスクロマトグラフィー(島津製作所製 GC−14B;カラム:化学品検査協会製 G−100)により分析したところ、5−シクロオクテン−1,2−ジオールの消失を確認し、エチルビニルエーテル(30.3mg、0.420mmol)を加え、引き続き減圧下で溶媒を留去した。ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)測定の結果、得られたポリマー2.2gの分子量分布は5.9であった。
GPC条件
装置:ウォーターズ社製 150C ALC/GPC
カラム:HFIP806M(Shodex)
移動相:HFIP+20mM CFCOONa
Run:18min
流量:1.0mL/min
検出器:RI
温度:40℃
濾過:0.45μmフィルター
濃度:0.05%
注入量:200μL
標品:PMMA
解析:ミレニアム32
<実施例2>
乾燥した窒素で置換されたガラス製50mL容3つ口フラスコに攪拌機、温度計を装着し、5−シクロオクテン−1,2−ジオールのTHF溶液6.4mL(5−シクロオクテン−1,2−ジオール:0.96g(6.8mmol)含有)、cis−4−オクテン(19.7mg、0.176mmol)を仕込み、次いで[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(フェニルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(1.19mg、1.40μmol)を加えると共に、5−シクロオクテン−1,2−ジオールのTHF溶液12.8mL(5−シクロオクテン−1,2−ジオール:1.92g(13.5mmol)含有)を毎分0.4mLの速度で添加し、55℃でROMPを行った。1時間後、ガスクロマトグラフィー(島津製作所製 GC−14B;カラム:化学品検査協会製 G−100)により分析したところ、5−シクロオクテン−1,2−ジオールの消失を確認し、エチルビニルエーテル(30.3mg、0.420mmol)を加え、引き続き減圧下で溶媒を留去した。GPC測定の結果、得られたポリマー2.1gの分子量分布は5.2であった。
<比較例1>
乾燥した窒素で置換されたガラス製50mL容3つ口フラスコに攪拌機、温度計を装着し、5−シクロオクテン−1,2−ジオールのTHF溶液19.2mL(5−シクロオクテン−1,2−ジオール:2.88g(20.3mmol)含有)、cis−4−オクテン(19.7mg、0.176mmol)を仕込み、次いで[1,3−ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン]ジクロロ(フェニルメチレン)(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム(1.19mg、1.40μmol)を加え、55℃でROMPを行った。1時間後、ガスクロマトグラフィー(島津製作所製 GC−14B;カラム:化学品検査協会製 G−100)により分析したところ、5−シクロオクテン−1,2−ジオールの消失を確認し、エチルビニルエーテル30.3mgを加え、引き続き減圧下で溶媒を留去した。GPC測定の結果、得られたポリマー2.2gの分子量分布は16.5であった。

Claims (4)

  1. 開環メタセシス重合体の製造方法であって、下記式1
    Figure 2006219540

    (式中、R、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、水酸基、アルコキシル基、カルボニル基、エステル基またはカルボキシル基もしくはその塩を表し、これらの内のいずれか複数個はそれらが結合する炭素原子と一緒になって環状構造を形成していてもよい。mおよびnは0〜4の整数を表し、mおよびnの数の合計は3以上である。)
    で示される環状モノオレフィンおよび下記式2
    Figure 2006219540
    (式中、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、水酸基、アルコキシル基、カルボニル基、エステル基またはカルボキシル基もしくはその塩を表し、これらの内のいずれか複数個はそれらが結合する炭素原子と一緒になって環状構造を形成していてもよい。pおよびqは0〜4の整数を表し、pおよびqの数の合計は3以上である。)
    で示される環状ジオレフィンから選ばれる少なくとも1種の環状オレフィンを、ルテニウムカルベン錯体および下記式3
    Figure 2006219540

    (式中、R23およびR24はそれぞれ水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアリールオキシ基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基またはハロゲン原子を表す。)
    で示される連鎖移動剤の存在下で開環メタセシス重合させる際に、反応の一時点における該連鎖移動剤の合計仕込み量(モル)と該環状オレフィンの合計仕込み量(モル)との比率(モル比)を経時的に変化させることを特徴とする製造方法。
  2. ルテニウムカルベン錯体が、下記式4
    Figure 2006219540

    (式中、R19は、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基、置換されていてもよいシクロアルキル基および置換されていてもよいアリール基からなる群より選ばれ、R20、R21およびR22はそれぞれ水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基および置換されていてもよいアリール基からなる群より選ばれ、Lは、中性電子供与体から選ばれる。)
    で示される構造を有する、請求項1に記載の製造方法。
  3. 開環メタセシス重合体の分子量分布が1〜12の範囲である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法により得られる、開環メタセシス重合体。
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