JP2006028531A - 環状オレフィンの開環メタセシス重合方法 - Google Patents

環状オレフィンの開環メタセシス重合方法 Download PDF

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Abstract

【課題】開環メタセシス重合触媒を用い、環状オレフィンを開環メタセシス重合して高い触媒効率で、広い分子量分布の重合体を得る方法を提供する。
【解決手段】特定の環状オレフィンを、周期律表第4〜8族の遷移金属のアルキリデン錯体からなる開環メタセシス重合触媒を用いて不飽和結合を有する化合物の共存下で重合する開環メタセシス重合方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、遷移金属アルキリデン錯体からなる開環メタセシス重合触媒を用いて極性基を含有する環状オレフィンを不飽和結合を有する化合物の存在下に重合させることによって高い触媒効率で、かつ、広い分子量分布の重合体を製造する開環メタセシス重合方法に関するものである。
環状オレフィンを開環メタセシス重合する触媒はOlefin Metathesis (KennethJ. lvin; 1983 Academic Press, London)(非特許文献1)に記載されている塩化タングステン、酸化塩化タングステン、塩化モリブデン、塩化チタンまたは塩化バナジウムなどの周期表4〜8族の遷移金属の化合物と有機アルミニウムや有機スズなどのようなルイス酸などの助(または共)触媒の組み合わせからなる触媒系などが知られている。一方、これら従来のメタセシス触媒系とは異なり、環状オレフィンを上述のルイス酸を必要せずに開環メタセシス重合するタングステンまたはモリブデンのアルキリデン錯体触媒についてRichard R. Schrockら(Acc. Chem. Res. 1990. 23 (5), 158: Organometallics 1990. 9, 2262; J. Am. Chem. Soc., 1990,112, 3875)(非特許文献2、3)が報告している。これらの錯体触媒は従来のメタセシス触媒系では困難であった極性官能基を有する環状オレフィンの重合を可能にし、リビング反応でブロック共重合体の合成も可能にした。しかしながら、リビング反応であるため、1分子のポリマーを得るためには、1分子の錯体を必要とし、触媒コストの観点から経済性が非常に低いという問題を有している。さらに、リビング反応で重合したポリマーは分子量分布が単分散(Mw/Mn=1)であるために分子量分布が広いポリマーに比べて高せん断応力下での粘度が高いなどの成形加工性が不良であるという問題がある。
一方、四塩化チタン、五塩化モリブデン、六塩化タングステンなどの金属塩化物とアルキルアルミなどの助触媒とからなる従来のメタセシス触媒系での開環メタセシス重合において、得られるポリマーの分子量にコントロールするために、重合反応系にオレフィン類を添加する方法が既に知られている(特開平3−220230、特開平3−121122、特開平5−132546、特開平5−105743)(特許文献1〜4)。
これに対してアルキリデン錯体触媒については、Macromoleculcs 1990. 23, 3534(非特許文献4)に記載されているように、モリブデンアルキリデン錯体を用いるノルボルネンを開環メタセシス重合に対してスチレンが非常に良い連鎖移動を起こすことが知られている。一方、共役性のジエンである1,3−ペンタジエンも連鎖移動性を有するが、その効果は低く、さらに1−ペンテンのようなα−オレフィンは連鎖移動効果が見られないことが示されている。これは、ノルボルネンに比べてα−オレフィンの反応性が乏しいことが原因であると考えられる。
特開平3−220230号公報 特開平3−121122号公報 特開平5−132546号公報 特開平5−105743号公報 Kenneth J. Ivin 、Olefin Metathesis 1983 Academic Press, London Richard R. Schrockら、Acc. Chem. Res. 1990, 23(5), 158 Richard R. Schrockら、Organometallics 1990, 9, 2262 ; J. Am. Chem Soc., 1990, 112,3875 Macromolecules 1990, 23,3534
アルキリデン錯体触媒系は極性基を有する環状オレフィンを重合することが可能な触媒系であるが、その触媒効率は悪く、得られるポリマーの成形性が不良であるという問題があり、経済性に優れた高い触媒効率で成形性が良好なポリマーを製造することが望まれる。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討し本発明を完成した。
即ち本発明は、周期表第4〜8族の遷移金属アルキリデン錯体からなる開環メタセシス重合触媒を用いて、一般式〔1〕
Figure 2006028531
〔1〕
(式中R1〜R4のうち少なくとも1つはニトリル、カルボキシル、またはアルコキシカルボニルから選ばれ、その他は水素、アルキル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロゲン、またはハロゲン化アルキルから選ばれ、xは1〜3の整数を表す。)で表される極性基を含有する環状オレフィンを不飽和結合を有する化合物の共存下で重合することを特徴とする開環メタセシス重合方法である。
本発明により遷移金属アルキリデン錯体からなる開環メタセシス重合触媒を用いて極性基を含有する環状オレフィンを開環メタセシス重合して高い触媒効率で、かつ、高せん断応力下で成形加工性を改善する広い分子量分布の重合体を製造することができる。同時に製品中の触媒残渣の低減を図ることができ、工業的に極めて有用である。
本発明において周期表第4〜8族の遷移金属アルキリデン錯体の遷移金属としてはチタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、テクネチウム、レニウム、鉄、ルテニウム、オスミウムである。
また、遷移金属アルキリデン錯体としては、一般式〔2〕で示されるような遷移金属錯体である。
Figure 2006028531
(式中、Mは周期表第4〜8族から選ばれる遷移金属、CはMと二重結合で結合する炭素、R5 ,R6 は水素、アルキル、アリール、アルケニル、アルコキシ、アルキルシリルを表し、X,Yは、ハロゲン、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルアミド、アリールアミド、アルキルシリルを表し、QはMと窒素が二重結合で結合したイミドからなる配位子またはMと炭素が三重結合で結合したアルキリデンからなる配位子であり、Zは、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィンなどのホスフィン類、エーテル類またはアミン類である。h,i,j,kは0または1〜2の整数である。)
一般式〔2〕の遷移金属アルキリデン錯体としては、例えば、遷移金属をMとして表すと、M(N−2,6−C63 −i−Pr2 )(CH−t−Bu)(O−t−Bu)2 ,M(N−2,6−C63 −i−Pr2 )(CHCMe2 Ph)(OCMe(CF322 ,M(N−2,6−C63 Me2 )(CHCHCMePh)(O−t−Bu)2 (PMe3 ),M(N−2,6−C63 Me2)(CHCHCMePh)(OCMe2 CF32 (PMe3 ),M(N−2,6−C63 Me2 )(CHCHCPh2 )(OCMe(CF322 (thf),M(N−2,6−C63 −i−Pr2 )(CHCHCMePh)(OPh)2 (PMe3 ),MCl2 (P(C6532 (CHCHC(C652 ),MCl2 (P(C61132 (CHCHC(C652 ),M(O−t−Bu)2 (P(C6532 (CHCHC(C652 ),M[C(Me)C(Me)CHMe3 ](O−2,6−C63 −i−Pr23 Py,M[C(Ph)C(Ph)CHMe3 ](O−2,6−C63 −i−Pr23 Py,M(C−t−Bu)(CH−t−Bu)(O−2,6−C63 −i−Pr22 ,M(C−t−Bu)(CH−t−Bu)(OCMe(CF322 (式中i−Prはイソプロピル、t−Buはtert−ブチル、Meはメチル、Phはフェニル、thfはテトラヒドロフラン、Pyはピリジンを示す。)などが挙げられる。また、これらの開環メタセシス触媒は単独または複数併用のどちらでも使用可能である。
本発明において用いられる一般式〔1〕の極性基を含有する環状オレフィンとしては、xが0であるビシクロヘプトエンの誘導体、xが1であるテトラシクロドデセンの誘導体、xが2であるヘキサシクロヘプタデセンの誘導体、xが3であるオクタシクロドコセンの誘導体であり、R1 〜R4 のうち少なくとも1つはニトリル、カルボキシル、またはアルコキシカルボニルから選ばれ、その他は水素、アルキル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロゲン化アルキルから選ばれる。ここで、アルコキシカルボニルは炭素数1〜20のアルコキシカルボニルであり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、メントキシカルボニルなどが挙げられ、アルキルは炭素数1〜20のアルキルであり、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ターシャルブチルまたはシクロヘキシルなどが挙げられ、アリールは炭素数6〜20のアリールであり、例えば、フェニルまたはナフチルなどが挙げられ、アラルキルは炭素数7〜20のアラルキルであり、例えば、ベンジル、フェネチル、フェニルイソプロピル、2−ナフチルメチル、2−ナフチルエチル、2−ナフチルイソプロピルなどが挙げられ、アルコシキは炭素数1から20のアルコキシであり、例えば、メトキシ、エトキシ、メントキシなどが挙げられる。また、ハロゲンとしては塩素、ヨウ素、臭素、フッ素であり、ハロゲン化アルキルは炭素数1〜20のハロゲン化アルキルであり、例えば、フルオロメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ジフルオロメチル、ジクロロメチル、ジブロモメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、トリブロモメチルなどが挙げられる。
一般式〔1〕の具体例としては、5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ジシアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−6−メトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−6−カルボキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−6−カルボキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−6−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−6−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−6−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−6−ベンジルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−6−シクロヘキシルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどの、シアノビシクロヘプトテン類、8−シアノテトラシクロ[4.4.0.1.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−シアノ−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.1.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−ジシアノテトラシクロ[4.4.0.1.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−シアノ−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.1.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−シアノ−9−メトキシテトラシクロ[4.4.0.1.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−シアノ−9−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.1.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−シアノ−9−カルボキシテトラシクロ[4.4.0.1.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−シアノ−9−シアノテトラシクロ[4.4.0.1.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−シアノ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.1.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−シアノ−9−フルオロテトラシクロ[4.4.0.1.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−シアノ−9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.1.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−シアノ−9−フェニルテトラシクロ[4.4.0.1.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−シアノ−9−ベンジルテトラシクロ[4.4.0.1.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−シアノ−9−シクロヘキシルテトラシクロ[4.4.0.1.12.5 .17.10]−3−ドデセンなどのシアノテトラシクロドデセン類、11−シアノヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.18 .0.2.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−シアノ−11−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−ジシアノヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .0.2.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−シアノ−12−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−シアノ−12−メトキシヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.79.14]−4−ヘプタデセン、11−シアノ−12−カルボキシメチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−シアノ−12−カルボキシヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−シアノ−12−シアノヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−シアノ−12−トリフルオロメチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−シアノ−12−フルオロヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−シアノ−12−ジフルオロヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−シアノ−12−フェニルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−シアノ−12−ベンジルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−シアノ−12−シクロヘキシルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセンなどのシアノヘキサシクロヘプタデセン類、14−シアノオクタシクロ[.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16.03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14ーシアノー14ーメチルオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−ジシアノオクタシオクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−シアノ−15−メチルオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−シアノ−15−メトキシオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .012.17 ]−5−ドコセン、14−シアノ−15−カルボキシメチルオクタシクロ[8.8.0.12.9.14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−シアノ−15−カルボキシオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18.113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−シアノ−15−シアノオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−シアノ−15−トリフルオロメチルオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−シアノ−15−フルオロオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−シアノ−15−ジフルオロタクシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18.113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−シアノ−15−フェニルオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]ドコセン、14−シアノ−15−ベンジルオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−シアノ−15−シクロヘキシルオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセンなどのシアノオクタシクロドコセン類を挙げることができる。
更には5−カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ベンジルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メトキビシビクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンなどのビシクロヘプトエン誘導体、8−カルボキシテトラシクロ[4.4.0.1.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.1.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−メチル−9−カルボキシメチルテトラシクロ[4.4.0.1.12.5 .17.10]−3−ドデセンどのテトラシクロドデセン誘導体、11−カルボキシヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−カルボキシメチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン、11−メチル−12−カルボキシメチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセンなどのヘキサシクロヘプタデセン誘導体、14−カルボキシオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−カルボキシメチルオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセン、14−メチル−15−カルボキシメチルオクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ドコセンなどのオクタシクロドコセン誘導体が挙げられる。
本発明の方法が有効な理由としては、上記例で例示した極性基を含有する環状オレフィン、特に、ニトリル、カルボキシ、アルコキシカルボニルなどの電子吸引性置換基を含有する環状オレフィンは、周期表第4〜8族の遷移金属アルキリデン錯体とメタセシス反応を起こし、重合反応するとき、その反応速度は、ノルボルネンのような極性基のない環状オレフィンに比べて遅く、このような環状オレフィンと反応性の大きな差のない不飽和結合を有する化合物を選択することで重合途中のポリマー鎖の付いたアルキリデンを連鎖移動させ、新たなアルキリデン触媒に再生し、触媒効率を上げることができるためと推定される。
本発明において用いられる不飽和結合を有する化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテンなどのα−オレフィン、またはビニルトリメチルシラン、アリルトリメチルシラン、アリルトリエチルシラン、アリルトリイソプロピルシランなどのケイ素含有オレフィン、または、ペンタジエン、ヘキサジエン、ヘプタジエンなどのジエン、または、スチレン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル、またはメチルメタクリレート、メチルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。更に、これら不飽和結合を有する化合物をそれぞれ単独または2種類以上を併用してもよい。
本発明において共存させる不飽和結合を有する化合物の使用量は、不飽和結合を有する化合物と極性基を含有する環状オレフィンのモル比が該環状オレフィンに対して0.001〜0.5、好ましくは0.01〜0.2の範囲であり、不飽和結合を有する化合物と遷移金属アルキリデン錯体のモル比は、遷移金属アルキリデン錯体のアルキリデンの1当量に対して0.1〜1000、好ましくは1〜500の範囲である。
本発明の開環メタセシス重合において極性基を含有する環状オレフィンの使用量は、遷移金属アルキリデン錯体に対してモル比で10〜10000であり、好ましくは50〜5000である。また、この重合には無溶媒でも溶媒を使用してよいが、特に使用する溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジオキサンなどのエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、デカリンなどの脂肪族環状炭化水素、メチレンジクロライト、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、トリクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素などが挙げられ、これらの2種類以上を混合して使用してもよい。
本発明における開環メタセシス重合で溶媒を使用する場合の環状オレフィンの濃度は、0.01〜100mol/Lの範囲であり、重合温度は、−30〜150℃で、好ましくは常温〜100℃である。また、重合時間は10分〜15時間の範囲で行う。更に、重合反応を停止するためにアルデヒド類、ケトン類、アルコール類などを使用してもよい。
溶液重合の場合、重合反応を停止した後、アルコールなどの貧溶媒に加えてポリマーを沈殿させ、濾過また遠心分離などによってポリマーを回収、乾燥の後、開環メタセシスポリマーを得ることができる。また、懸濁重合の場合は貧溶媒に加えても、そのまま、濾過または遠心分離などによってポリマーを回収、乾燥の後、開環メタセシスポリマーを得ることができる。
以下の実施例にて本発明を詳細に説明するが、本発明がこれによって限定されるものではない。
実施例において示されたポリマーの平均分子量については、得られた開環メタセシスポリマーをクロロホルム中に溶解し、GPC検出器として日本分光社製830−RI、カラムとしてShodex k−805,804,803,802.5を使用し、室温にて流速1.0ml/minの条件下で測定した。なお、測定値はポリスチレンスタンダードにて較正した値である。
実施例1
窒素下で20mlフラスコ中において8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン(337mg,1.82mmol)を乾燥テトラヒドロフラン(8ml)にて溶解し、更に1,5−ヘキサジエン(7.5mg,0.09mmol)を混合し、攪拌下でW(N−2,6−C63 −Me2 )(CHCHCMePh)(O−t−Bu)2 P(Me)3 (11.9mg,0.018mmol)を加えて、室温で1時間反応を行った。ベンズアルデヒド(10mg,0.09mmol)を加え、30分間攪拌した後、ポリマー溶液を攪拌下で60mlのメタノールに加え、沈殿させた。濾過、乾燥し、330mgのポリマーを得た。得られたポリマーのGPC分析を行ったところクロマトグラフは単一のピークであり、その数平均分子量(Mn)は13,800で、分子量分布指数(Mw/Mn)は2.3であった。
実施例2
実施例1の1,5−ヘキサジエンに代わって1−ペンテンを20mg(0.28mmol)使用したこと以外は実施例1と同様に行った。ポリマー収量は332mgであり、GPCは単一のピークであり、Mnは12,900、Mw/Mnは2.6であった。
実施例3
8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン(1.35g,7.29mmol)と1,5−ヘキサジエン(30mg,0.36mmol)の溶液にW(N−2,6−C63 −Me2 )(CHCHCMePh)(O−t−Bu)2 P(Me)3 (11.9mg,0.018mmol)を加え、4時間重合し、ベンズアルデヒドで停止した後、240mlのメタノールに加え沈殿させ、実施例1と同様に1.34gのポリマーを得た。GPCは単一のピークであり、Mnは18,600、Mw/Mnは3.0であった。
実施例4
実施例3において、1,5−ヘキサジエンを89mg(1.09mmol)使用したこと以外は実施例3と同様に行った。ポリマー収量は1.34gであり、GPCは単一のピークであり、Mnは12,000、Mw/Mnは3.2であった。
比較例1
実施例1において、1,5−ヘキサジエンを加えなかったこと以外は実施例1と同様に行った、ポリマー収量は334mgであり、GPCは単一のピークであり、Mnは19,000、Mw/Mnは1.05であった。
比較例2
実施例3において、1,5−ヘキサジエンを加えなかったこと以外は実施例3と同様に行った、ポリマー収量は0.89gであり、GPCは単一のピークであり、Mnは57,800、Mw/Mnは1.16であった。
比較例3
実施例1において8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセンに代えてノルボルネン(171mg、1.82mmol)を用いたこと以外は実施例1と同様に行った。ポリマー収量は172mgであり、GPCは単一のピークであり、Mnは8,900、Mw/Mnは1.08であった。
比較例4
実施例2において8−シアノテトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセンに代えてノルボルネン(171mg、1.82mmol)を用いたこと以外は実施例2と同様に行った。ポリマー収量は170mgであり、GPCは単一のピークであり、Mnは9,400、Mw/Mnは1.06であった。

Claims (1)

  1. 周期表第4〜8族の遷移金属アルキリデン錯体からなる開環メタセシス重合触媒を用いて、一般式〔1〕
    Figure 2006028531
    [1]

    (式中R1 〜R4 のうち少なくとも1つはニトリル、カルボキシル、またはアルコキシカルボニルから選ばれ、その他は水素、アルキル、アリール、アラルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロゲン化アルキルから選ばれ、xは1〜3の整数を表す。)で表される極性基を含有する環状オレフィンを不飽和結合を有する化合物の共存下で重合することを特徴とする開環メタセシス重合方法。

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