JP2006218781A - 積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 建築材料や自動車内外装部品の表面材として好適な、外観、意匠性、帯電防止性、耐傷付き性、耐磨耗性、接着性等に優れた積層体を提供する。
【解決手段】 少なくとも3層の層構成を有する積層体であって、表層がエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーの層(A)、その隣接層がアイオノマーとポリエーテルエステルアミドからなる樹脂組成物の層(B)、その隣接層が不飽和カルボン酸又はその誘導体の重合単位を有するエチレン共重合体の層(C)である積層体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、外観、意匠性、帯電防止性、耐傷付き性、耐磨耗性、接着性等に優れた積層体に関する。とくには、床材、手摺、壁紙等の建築材料や自動車内外装部品、玩具、文具、雑貨などの用途に好適な積層体に関する。
不飽和カルボン酸含量が2〜30重量%のエチレン・(メタ)アクリル酸共重合体のカルボキシル基が金属イオンで中和されてなるアイオノマー樹脂は、そのイオン架橋に起因する特徴から、他のエチレン系コポリマーと比較して耐磨耗性や透明性に優れる性能を示す。その性能を生かし、建材や自動車内外装部品の表面傷付き性を改良する用途に使用することはすでに知られている(例えば特許文献1参照)。該文献によれば、表面光沢、耐スクラッチ性に優れた自動車外装材料が得られることが記載されている。また建材用途の床材においても、机や椅子の移動、歩行時の摩擦などによる材料の磨耗、傷付きを防ぐために、アイオノマー樹脂を表層とした非PVC系床材への利用が知られている(特許文献2)。またアイオノマーの特性を生かしつつ、耐熱性を改良するために、ポリアミド樹脂を配合した組成物(特許文献3)やオレフィン・グリシジルモノマー共重合体及びポリオレフィンを配合した組成物(特許文献4)も知られている。
汎用グレードのアイオノマーやそれをベースとする上記のようなアイオノマー組成物は帯電し易く、建材や自動車内装材などの用途に使用する場合、帯電に基づく感電や塵埃の付着を防止するために、アイオノマーやその組成物が有する特性、とくに耐磨耗性や耐傷付き性を損なわないで帯電防止機能が付与されることが求められている。
このため、アイオノマー及びその組成物に対して種々の既存帯電防止剤の配合を試みたが、多くは良好な帯電防止効果が得られなかったり、また帯電防止の効果は認められるものの、外観を損ねる結果となったりして、アイオノマーの特性を犠牲にせずに帯電防止処方を確立することは容易でなかった。
特開昭60ー127149号公報 特開平8−254004号公報 特開平3−64343号公報 特開2004−131512号公報
このため本発明者らは鋭意検討した結果、先に、上記アイオノマーやアイオノマーの組成物において、その優れた表面特性、外観、意匠性などを実質的に損なうことなく、優れた帯電防止効果を示すものとして、ポリエーテルエステルアミドを配合した組成物につき、特願2004−3906として提案した。本発明は、この先願技術をさらに発展すべく、なされたものであって、上記アイオノマーやアイオノマー組成物の表面特性をそのまま生かしつつ、帯電防止効果が付与された積層体を提供するものである。本発明はまた、同時に種々の基材に対して良好な接着性を示し、したがって優れた表面材料として使用可能な積層体を提供することにある。
すなわち本発明は、少なくとも3層の層構成を有する積層体であって、表層がエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーを主成分とする樹脂層(A)であり、その隣接層がエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー又はその組成物から選ばれる樹脂成分100重量部に対し、ポリエーテルエステルアミド又はその組成物から選ばれるポリエーテルエステルアミド成分を8〜30重量部の割合で配合した樹脂組成物の層(B)であり、その隣接層が不飽和カルボン酸又はその誘導体の重合単位を有するエチレン共重合体層(C)である積層体に関する。
本発明によれば、アイオノマーあるいはアイオノマー組成物の優れた耐磨耗性、耐傷付き性、外観、意匠性などの表面特性を保持しつつ、帯電防止性、防汚性、接着性等に優れた積層体を提供することができる。このような特徴から本発明の積層体は、一般床材、自動車用床材等の床材、木材や合板等の突き板、鋼鈑、壁紙などの建材や家具類、看板の表層シート、化粧シート、防汚シートまたは保護シート、手摺などの成形品、自動車内外装品、カバン、手帳、辞書などのレザー調表皮、カーテン、間仕切りシート、産業用シート、デスクマット、テーブルクロス、マウスパッド、マーキングフィルム、玩具、文具用品向けの成形品もしくはそれらの表皮層、あるいはカーペット表皮(材)、真空圧空成形シートの表皮(材)として好適である。
本発明の積層体の樹脂層(A)は、アイオノマーを主成分とする樹脂層であって、アイオノマー又はアイオノマーを主成分とするアイオノマーと他の樹脂の組成物から構成される。これらアイオノマーは、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の少なくとも一部が金属イオンで中和されたものである。ベースポリマーのエチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、エチレンと不飽和カルボン酸のみの2元共重合体であってもよく、また任意に他の単量体が共重合された多元共重合体であってもよい。このエチレン・不飽和カルボン酸共重合体における不飽和カルボン酸単位含有量は、5〜30重量%、とくに8〜25重量%の範囲にあることが好ましく、また上記多元共重合体の場合においては、他の単量体は、例えば40重量%以下、好ましくは30重量%以下の割合で共重合されていてもよいが、とくに高度な耐摩耗性や耐傷つき性を求める場合には、他の単量体単位を20重量%以下、好ましくは10重量%以下とするのがよい。
上記共重合体を構成する不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸などを例示することができるが、とくにアクリル酸又はメタクリル酸であることが好ましい。また上記多元共重合体における他の単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−ブチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル等の不飽和カルボン酸エステル、一酸化炭素などを例示することができる。
アイオノマーにおけるイオン源としては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、亜鉛などを好適例として挙げることができる。とくに好適なアイオノマーは、2価金属のアイオノマー、とくに亜鉛又はマグネシウムのアイオノマーである。アイオノマーとしてはまた、加工性、耐摩耗性、耐傷付き性等を考慮すると、中和度が90%以下、とくに40〜85%程度のものが好ましい。
上記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーとしてはまた、加工性、機械的強度、耐摩耗性などを考慮すると、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(JIS K7210−1999)が、0.01〜100g/10分、とくに0.1〜50g/10分程度のものを使用するのが好ましい。ベースポリマーのエチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、高温、高圧下のラジカル共重合によって製造することができる。またアイオノマーは、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体と金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩などとを反応させることによって得ることができる。
樹脂層(A)においては、上記アイオノマーを単独で使用することができるが、アイオノマーとその他樹脂との組成物、好ましくはオレフィンの単独重合体、オレフィン同士の共重合体及びオレフィンと極性モノマーの共重合体から選ばれるオレフィン重合体、ポリアミド、ポリエステルなどとの組成物を使用することができる。このような組成物においては、全樹脂成分を100重量部とするときに、アイオノマーは、50重量部以上、好ましくは60重量部以上、一層好ましくは70重量部以上となる割合で使用される。
アイオノマーに配合することができる上記オレフィン重合体の例としては、エチレンの単独重合体やエチレンと炭素数3以上のα−オレフィンの共重合体であって、一般に中・高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、直鎖超低密度ポリエチレンなどとして知られているポリエチレン;プロピレンの単独重合体、プロピレンと他のα−オレフィンのランダム共重合体やブロック共重合体などとして知られているポリプロピレン;ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンなどのポリオレフィン;オレフィン、とくにエチレンと極性モノマー、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸グリシジル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルなどの不飽和カルボン酸エステル、一酸化炭素などとの共重合体であって、上記アイオノマー以外の共重合体;などを挙げることができる。
上記オレフィン重合体が、エチレン・極性モノマー共重合体である場合には、その配合量にもよるが、耐磨耗性や耐傷付き性などを考慮すると、極性モノマー単位含有量が40重量%以下、とくに30重量%以下のものを使用するのが好ましい。またオレフィン重合体が、ポリエチレンやエチレン・極性モノマー共重合体である場合には、190℃、2160g荷重(JIS K7210−1999)におけるメルトフローレートが0.1〜100g/10分、とくに0.2〜50g/10分のものを使用するのが好ましく、またポリプロピレンである場合には、230℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(ASTM D1238)が0.1〜100g/10分、とくに0.2〜50g/10分のものを使用するのが好ましい。
樹脂層(A)として、アイオノマーに上記オレフィン重合体を配合した組成物を用いる態様においては、とくにアイオノマー、オレフィン・グリシジルモノマー共重合体及びポリオレフィンからなる組成物を使用すると、シルキー状の意匠性に優れた外観を示し、耐傷付き性、耐磨耗性が良好で、表面硬度、耐熱性などに優れた積層体が得られるので好ましい。とくにこれら3成分の合計量を100重量部とするときに、アイオノマーが50〜96.7重量部、好ましくは73〜95.5重量部、一層好ましくは81〜94重量部、オレフィン・グリシジルモノマー共重合体が0.3〜10重量部、好ましくは0.5〜7重量部、一層好ましくは1〜4重量部、ポリオレフィンが3〜40重量部、好ましくは4〜20重量部、一層好ましくは5〜15重量部となる割合の組成物を使用することが好ましい。
上記アイオノマー組成物においては、アイオノマーとして、とくにイオン源として、亜鉛、マグネシウム、カルシウムのような2価金属イオンを含有するものを使用すると、上記のような特性を容易に発現することができるので好ましい。また、成形性、機械的特性、他成分との混和性などを考慮すると、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(JIS K7210−1999)が0.01〜100g/10分、とくに0.1〜50g/10分のものを使用するのが好ましい。
上記アイオノマー組成物におけるオレフィン・グリシジルモノマー共重合体は、オレフィンとグリシジルモノマーとの2元共重合体のみならず、さらに他の単量体を含有する多元共重合体であってもよい。かかる共重合体におけるオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテンなどを挙げることができるが、とくにエチレンの共重合体が好ましい。またグリシジルモノマーとしては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのグリシジルエステル、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル等のグリシジル不飽和エーテルを挙げることができる。さらに上記多元共重合体における他の単量体としては、例えばビニルエステルや不飽和カルボン酸エステルが好ましく、これら他の単量体の具体例としては、アイオノマーのベースポリマーであるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体における他の単量体としてすでに例示したものを挙げることができる。
上記オレフィン・グリシジルモノマー共重合体においては、オレフィンが50〜99重量%、とくに52〜98重量%、グリシジルモノマーが0.5〜20重量%、とくに1〜18重量%、上記他の単量体が0〜49.5重量%、好ましくは0〜40重量%の範囲で共重合されているものが好ましい。このような共重合体は、ランダム共重合体であってもグラフト共重合体であってもよいが、一般にはアイオノマーとの反応の均一性からランダム共重合体を使用するのが好ましい。上記ランダム共重合体は、例えば、高温、高圧下のラジカル共重合によって得ることができる。
上記共重合体としてエチレン共重合体を使用する場合には、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(JIS K7210−1999)が、0.01〜1000g/10分、とくに0.1〜200g/10分のものを使用するのが好ましい。
上記アイオノマー組成物を構成するポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテンなどを挙げることができる。これらの中ではポリエチレン、中でも直鎖低密度ポリエチレンを用いるか、あるいはポリプロピレン、中でもプロピレン・α−オレフィン共重合体を使用することが好ましい。すなわち直鎖低密度ポリエチレンやプロピレン・α−オレフィン共重合体を使用することにより、他成分との分散性が優れ、意匠性、耐熱性、耐磨耗性、耐傷付き性、防汚性、機械的強度等に優れた樹脂組成物を容易に得ることができる。とくに直鎖低密度ポリエチレンには、他の樹脂成分との相溶性に優れており、折り曲げに対して白化し難い組成物を得ることができる。
上記直鎖低密度ポリエチレンは、エチレンと炭素数3以上、好ましくは3〜12のα−オレフィンの共重合体であって、密度が900〜940kg/m、好ましくは900〜930kg/mのものである。これらはシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を有するジルコニウムの化合物からなる触媒成分と有機アルミニウムオキシ化合物触媒成分の組み合わせ触媒のようなシングルサイト触媒、あるいは高活性チタン触媒成分と有機アルミニウム化合物触媒成分の組み合わせ触媒のようなマルチサイト触媒の存在下に、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチル−1−ペンテンなどを共重合することによって製造することができる。直鎖低密度ポリエチレンとしては、他成分との混和性や加工性を考慮すると、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(JIS K7210−1999)が0.1〜100g/10分、とくに0.2〜50g/10分のものを使用することが好ましい。
上記アイオノマー組成物を構成するポリオレフィンとして好適な上記プロピレン・α−オレフィン共重合体は、プロピレンを主体とするプロピレンとその他のα−オレフィンとの共重合体であって、密度は870〜930kg/m、とくに880〜920kg/mのものが好ましく、また230℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(ASTM D1238)が0.1〜100g/10分、とくに0.2〜80g/10分のものが好ましい。プロピレンと共重合されるα−オレフィンとしては、炭素数2〜12のものが好ましく、具体的には、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、4−メチルー1−ペンテンなどの1種又は2種以上を例示することができる。
上記プロピレン共重合体は、ランダム共重合体でもブロック共重合体であってもよい。とくに好適なランダム共重合体は、プロピレン単位含有量が85〜99.9重量%、好ましくは90〜99.5重量%であるプロピレンとエチレンのランダム共重合体又はプロピレンとエチレンと他のα−オレフィンとからなるランダム共重合体である。これらは立体特異性触媒の存在下で共重合された結晶性の重合体である。またブロック共重合体は、プロピレンと他のα−オレフィンを順次に重合又は共重合して得られるもので、一般には(1)プロピレンの重合ののち(2)プロピレンとやや多量のα−オレフィンの共重合及び/又は(3)α−オレフィンの重合からなる重合段階を一つ以上組み合わせることによって行われる。上記(1)のプロピレンの重合においては少量のα−オレフィンを共重合させる場合があり、また(3)のα−オレフィンの重合においてプロピレンを少量共重合させる場合がある。いずれにしても上記ブロック重合体は、立体特異性触媒の存在下で上記多段階の重合によって得ることができる。好適なプロピレン・α−オレフィンブロック共重合体は、(1)のプロピレン重合体ブロックを60〜95重量%程度含有するプロピレンとエチレンのブロック共重合体である。
上記アイオノマー組成物は、アイオノマー、オレフィン・グリシジルモノマー共重合体及びポリオレフィンを溶融混合することによって得ることができる。溶融混合に際しては、スクリュー押出機、ロールミキサー、バンバリミキサー等の通常の混合装置を使用することができる。また溶融混合は上記3成分を同時に配合して行うことができるが、最も好ましいのはオレフィン・グリシジルモノマー共重合体とポリオレフィンを予め溶融混合したものとアイオノマーを溶融混合する方法である。この方法によれば、オレフィン・グリシジルモノマー共重合体がポリオレフィンに希釈されることによりアイオノマーの反応が局部的に起こらず均一となるためで、優れた諸性質を有する組成物を品質安定性よく製造できるという利点がある。
樹脂層(A)にはまた、アイオノマーと、ポリアミドやポリエステルなどの耐熱性重合体との組成物を使用することができる。上記ポリアミドとしては、例えば蓚酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のようなジカルボン酸と、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、メチレンビス(4−アミノシクロヘキサン)、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミンのようなジアミンとの重縮合、ε−カプロラクタム、ω−ドデカラクタムのようなラクタムの開環重合、6−アミノカプロン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸のようなアミノカルボン酸の重縮合、あるいは上記ラクタムとジカルボン酸とジアミンとの共重合などにより得られ、一般にナイロン4、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン612、ナイロン6T、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6/66、ナイロン6/12、ナイロン6/610、ナイロン66/12、ナイロン6/66/610、MXナイロンなどとして市販されているものを用いることができる。
またアイオノマーと配合して用いることができるポリエステルとしては、アイオノマーの剛性及び耐熱性の顕著な改善のためには、芳香族系ポリエステル樹脂の使用が好ましい。とりわけ酸成分が芳香族ジカルボン酸を主成分とするもの、とくにテレフタル酸成分単位を80モル%以上、好ましくは90モル%以上含むものが好ましい。また酸成分として他の芳香族ジカルボン酸、例えばイソフタル酸、フタル酸のほか、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のような脂環族ジカルボン酸やアジピン酸、セバシン酸のような脂肪族ジカルボン酸などが共重合成分として含むものであってもよい。また少量であれば、トリメリット酸、ヘミメリット酸、ピロメリット酸のような3官能性以上の多価カルボン酸を共重合成分として含むものであってもよい。
またポリエステルを構成するジヒドロキシ化合物成分としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4ーブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールのような脂肪族グリコール、1,4−シクロヘキサンジオールのような脂環族ジオール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物のような芳香族ジヒドロキシ化合物を例示することができる。これらの中では、エチレングリコール、トリメチレングリコール又は1,4ーブタンジオールの単位を80モル%以上、好ましくは90モル%以上含むものが好ましい。他に少量であれば、グリセリン、トリメチロールプロパン等の3官能性以上の多価ヒドロキシ化合物を含むものであってもよい。
代表的なポリエステル樹脂として、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレートなどを挙げることができる。
樹脂層(A)として、アイオノマーと上記ポリアミドやポリエステルとの組成物を使用する場合、これら樹脂成分の合計量を100重量部とするときに、アイオノマーが50重量部以上、好ましくは60重量部以上、さらに好ましくは70重量部以上に対し、ポリアミドあるいはポリエステルは、50重量部以下、好ましくは40重量部以下、さらに好ましくは30重量部以下の割合で用いられる。
本発明の積層体においては、上記樹脂層(A)に隣接して、アイオノマー又はその組成物からなる樹脂成分100重量部に対して、ポリエーテルエステルアミド又はその組成物から選ばれるポリエーテルエステルアミド成分を8〜30重量部、好ましくは10〜25重量部配合した樹脂組成物で構成される層(B)を設けるものである。層(B)をこのような樹脂組成物で構成することにより、樹脂層(A)と良好な層間接着強度の積層体とすることができると共に、樹脂層(A)表面を非帯電性とすることができ、非帯電性、防汚性良好な積層体とすることができる。
層(B)に使用されるアイオノマー又はその組成物としては、樹脂層(A)で紹介したアイオノマー又はその組成物と同様のものを使用することができる。一般にはアイオノマーに上記のようなオレフィン重合体、ポリアミド、ポリエステル等を配合した組成物を使用せずに、アイオノマーを単独で使用することが好ましい。
層(B)において、アイオノマー又はその組成物とともに使用されるポリエーテルエステルアミドは、ポリアミドブロックとポリオキシアルキレングリコールブロックとから構成され、これらブロックがエステル結合により結合されているブロック共重合体である。
ポリアミドブロックとしては、例えば蓚酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸のようなジカルボン酸と、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、メチレンビス(4−アミノシクロヘキサン)、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミンのようなジアミンとの重縮合、ε−カプロラクタム、ω−ドデカラクタムのようなラクタムの開環重合、6−アミノカプロン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸のようなアミノカルボン酸の重縮合、あるいは上記ラクタムとジカルボン酸とジアミンとの共重合などにより得られるものである。このようなポリアミドセグメントとしては、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン6T、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6/66、ナイロン6/12、ナイロン6/610、ナイロン66/12、ナイロン6/66/610などであり、とくにナイロン11、ナイロン12などが好ましい。またポリアミドブロックとしては、例えば分子量が400〜5000程度のものが使用される。
またポリエーテルブロックとしては、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコールあるいはこれらの混合物などを例示することができる。これらは、例えば分子量が400〜6000程度、とくに600〜5000程度のものがよい。
ポリエーテルエステルアミドとしては、ポリオキシアルキレングリコールブロックの含有量が5〜80重量%、とくに15〜70重量%含まれるものが好ましい。さらに230℃、2160g荷重におけるメルトフローレート(ASTM D1238)が0.1〜1000g/10分、とくに1〜100g/10分のものを用いるのが好ましい。また示差走査熱量計(DSC)で測定される融点(最大吸熱量を示す温度)が130〜175℃程度のものを使用するのが好ましい。このようなポリエーテルエステルアミドは、分子量400〜5000程度のナイロンオリゴマーとポリオキシアルキレングリコールと必要に応じカルボン酸を反応させることによって得ることができる。
アイオノマー又はその組成物から選ばれる樹脂成分にポリエーテルエステルアミドを配合する場合、ポリエーテルエステルアミドの組成物を使用することができる。該組成物の代表例として、ポリエーテルエステルアミドに無機又は有機のプロトン酸塩を配合したものを例示することができる。配合可能な無機又は有機のプロトン酸塩として具体的には、LiClO、LiCFSO、NaClO、LiBF、NaBF、KBF、NaCFSO、KClO、KPF、KCFSO、KCSO、Ca(ClO、Ca(PF、Mg(Cl、Mg(CFSO、Zn(ClO、Zn(PF、Ca(CFSOなどを挙げることができる。このようなプロトン酸塩は、例えばポリエーテルエステルアミドに対し0.1〜5重量部程度配合することができる。該組成物としてはまた、ポリエーテルエステルアミドに、それと親和性を有する繊維、例えばポリアミド繊維を配合したものを例示することができる。
層(B)においては、アイオノマー又はその組成物から選ばれる樹脂成分100重量部に対し、上記したポリエーテルエステルアミド又はその組成物から選ばれるポリエーテルエステルアミド成分を8〜30重量部、好ましくは10〜25重量部配合するものである。成分の配合量が上記範囲より少ないと、帯電防止効果が充分ではなく、一方その配合量を過多にするのは経済的でない。帯電防止性の観点から、ポリエーテルエステルアミドとして、DSCで測定される融点が130〜160℃のもの(B−1)と、DSCで測定される融点が145〜175℃であって、(B−1)の融点より5℃以上高いもの(B−2)の混合物を使用することが好ましい。(B−1)と(B−2)の好適な混合割合[(B−1)/(B−2)]は、1/2〜5/1の範囲である。
本発明の積層体においては、上記層(B)に隣接してさらに不飽和カルボン酸又はその誘導体の重合単位を有するエチレン共重合体の層(C)が設けられる。該エチレン共重合体における不飽和カルボン酸の誘導体としては、不飽和カルボン酸塩や不飽和カルボン酸エステルなどを例示することができる。より具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸、これら不飽和カルボン酸のリチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属、亜鉛などの塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸グリシジル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチルなどの不飽和カルボン酸エステルなどを例示することができる。上記エチレン共重合体には、不飽和カルボン酸又はその誘導体の重合単位以外に、エチレン以外のα−オレフィンや酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルのようなビニルエステル、一酸化炭素などの他の極性モノマー単位を有する多元共重合体であってもよい。
上記エチレン共重合体は、ランダム共重合体あるいはグラフト共重合体であってもよい。好適なエチレン共重合体は、エチレンと、アクリル酸又はメタクリル酸と、任意に不飽和カルボン酸エステルとからなるランダム共重合体又はそのアイオノマーである。該ランダム共重合体におけるアクリル酸又はメタクリル酸単位含有量は、2〜30重量%、とくに5〜20重量%の範囲にあることが好ましく、また任意成分の不飽和カルボン酸エステルは、例えば40重量%以下、好ましくは30重量%以下の割合で共重合されていてもよい。また不飽和カルボン酸塩単位を含有する共重合体であるアイオノマーを使用する場合には、上記ランダム共重合体の金属イオンによる中和度が80重量%以下、とくに60重量%以下のものを使用するのが好ましい。金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属イオン、亜鉛イオンが例示される。
好適なエチレン共重合体の他の例は、エチレンと、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル及び酢酸ビニルから選ばれる極性モノマーとのランダム共重合体に無水マレイン酸をグラフトしたグラフト共重合体である。該ランダム共重合体としては、上記極性モノマー単位含有量が、5〜40重量%、とくに10〜30重量%のものを使用するのが好ましい。また上記グラフト共重合体においては、無水マレイン酸単位含有量が、0.1〜5重量%程度のものを使用するのが好ましい。
層(C)を構成する上記エチレン共重合体としてはまた、加工性、機械的強度、基材に対する接着強度などを考慮すると、190℃、2160g荷重(JIS K7210−1999)におけるメルトフローレートが0.1〜100g/10分、とくに0.2〜50g/10分のものを使用するのが好ましい。
本発明の積層体の層(A)、(B)及び(C)には、それぞれ任意に各種添加剤を配合することができる。このような添加剤の一例として、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、滑剤、ブロッキング防止剤、他の帯電防止剤、防黴剤、抗菌剤、難燃剤、難燃助剤、架橋剤、架橋助剤、発泡剤、発泡助剤、無機充填剤、繊維強化材などを挙げることができる。
本発明の積層体は、各層を好ましくは押出コーティングや共押出しあるいは多層ブロー成形などにより積層することにより製造することができる。例えば、3層共押出しによる方法、層(A)と層(B)からなる共押出し積層体に層(C)を押出しラミネートによって形成する方法、層(A)を形成するフィルムに層(B)と層(C)を共押出しラミネートするかあるいは逐次ラミネートする方法、層(A)及び層(C)を形成するフィルムの間に層(B)をサンドイッチラミネートにより形成する方法などを採用することができる。上記積層において、予め成形したフィルムを使用するときには、押出しラミネートに先立って、ラミネート面にコロナ処理のような表面処理を任意に施すことができる。
積層体の全体の層厚みは任意であるが、例えば10〜3000μm、とくに20〜1000μm程度の厚みとなるようにするのがよい。とくに23℃、50%相対湿度雰囲気下に24時間放置した積層体の層(A)表面においては、表面抵抗率が1013Ω以下、好ましくは1012Ω以下、23℃、50%相対湿度の雰囲気下で測定した印加電圧−5000Vにおける1%減衰時間(−50Vに減衰するまでの時間)が10秒以下、好ましくは1秒以下となるような厚み構成とするのが好ましい。そのためには層(B)の厚みを5μm以上、好ましくは10μm以上とし、層(A)の厚みを、500μm以下、とくに300μm以下とするのが好ましい。とくに実用的な性能を考慮すると、層(B)の厚みを1とするときに、層(A)及び層(C)の厚みをそれぞれ0.1〜10、とくに0.2〜2程度とするのが好ましい。
本発明の積層体は、例えばフィルム、テープ、シート、チューブ、管、袋体、各種ブロー成形品などの形で、包装材料、電気・電子材料、壁紙、マット、床材などの建築材料、自動車内装材料、防汚フィルム、防塵フィルムなどの用途に使用することができる。本発明の積層体はまた、層(C)を接着層として、他の基材(例えば床材の基材や壁装材の基材など)上に表面材として積層し、上記のような用途に使用することができる。このような基材の種類として、ポリオレフィン樹脂や塩化ビニル樹脂のような各種プラスチック材料、紙、木材、金属などのフィルム、シート、発泡体、織布、不織布などの1層または多層の材料などを挙げることができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。尚、実施例に用いた原料の組成と物性及び得られたフィルム及びシートの物性の測定方法は以下の通りである。
1.原材料
(1)アイオノマー(IO−1)
ベースポリマー:エチレン・メタクリル酸共重合体(メタクリル酸単位含有量10重量%)、金属カチオン源:亜鉛、中和度:80モル%、MFR(190℃、2160g荷重):1.0g/10分
(2)アイオノマー(IO−2)
ベースポリマー:エチレン・メタクリル酸共重合体(メタクリル酸単位含有量含量15重量%)、金属カチオン源:亜鉛、中和度:59モル%、MFR(190℃、2160g荷重):0.9g/10分
(3)エチレン・グリシジルメタクリレート共重合体
グリシジルメタクリレート含量12重量%、MFR(190℃、2160g荷重):3.0g/10分
(4)プロピレン・エチレンランダム共重合体
商品名:F219DA、三井化学(株)製、密度900kg/m、MFR(230℃、2160g荷重)9.0g/10分(230℃)
(5)ナイロン6/12
商品名:UBEナイロン7024B、宇部興産(株)製
(6)ポリエーテルエステルアミド成分
(6−1)ポリエーテルエステルアミド(B−1)
商品名:イルガスタットP16、融点(DSC)158℃、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製
(6−2)ポリエーテルエステルアミド組成物(B−2)
商品名:イルガスタットP18、融点(DSC)173℃(他に、153℃と166℃に吸熱ピークあり)、過塩素酸ナトリウム一水化物5%以下含有、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製
(7)エチレン・メタクリル酸共重合体(EMAA)
メタクリル酸単位含有量9重量%、MFR(190℃、2160g荷重):2.7g/10分
2.物性測定方法
フィルム物性については、後述する方法で製造した3層インフレーションフィルムを使用して測定を行い、シート物性については、後述の方法で製造した3mm厚のプレスシートを使用して測定した。
(1)帯電防止性
(1−1)減衰時間
23℃、50%相対湿度雰囲気に24時間放置した3層フィルムを、米国ETS社製
Static Decay Meter Model 4060を用い、印加電圧−5000Vから−50Vへ減衰する時間を測定した。
(1−2)表面抵抗率
23℃、50%相対湿度雰囲気に24時間放置した3層フィルムを、三菱化学(株)製
Hiresta-UPを用いて、JIS K6911に基づき、印加電圧500Vにて表面抵抗率を測定した。
(2)引張特性
JIS K6781に準拠して、下記の条件下で破断点強度及び破断点伸びを測定した。
試験速度:500mm/分、チャック間距離:90mm、標線距離:40mm
(3)曲げ剛性
JIS K7106に準拠して測定した。
(4)表面硬度(ショアD)
JIS K7215に準拠して測定した。
(5)テーバー摩耗
JIS A1453に基づき、3mmシート、摩耗輪S−42,荷重530g、回転数500回転(100回転毎にはたく)の条件で測定した。
(6)学振磨耗
綿帆布10号を用い、荷重450g、接触面積224m2、往復速度60回/分、往復回数100回の条件で、シート表面に傷付き処理を行った後、表面の削られた面積の割合を顕微鏡(35倍、観察幅2mm)写真を用いて測定し、残存率を求めた。
[実施例1]
上記アイオノマー(IO−1)83重量部、エチレン・グリシジジルメタクリレート共重合体2重量部及びプロピレン・エチレンランダム共重合体15重量部を、2軸押出機で溶融混練して、層(A)用のアイオノマー組成物を調製した。また上記アイオノマー(IO−2)を80重量部、イルガスタットP16を10重量部及びイルガスタットP18を10重量部の割合でドライブレンドし、層(B)用のアイオノマー混合物を調製した。
3層インフレーションフィルム成形機を用い、上記アイオノマー組成物を表面層(A)に、上記アイオノマー混合物を中間層(B)に、上記エチレン・メタクリル酸共重合体(EMAA)を内層(C)とし、層厚み(A)/(B)/(C)が60μm/80μm/60μmである合計200μm厚みの3層フィルムを作成した。この3層フィルムについて、帯電防止性及び引張特性の測定を層(A)面側から行った。結果を表1に示す。
また表面層の特性を調べるために、上記アイオノマー組成物から180℃×5分加熱、180℃×5分加圧、20℃×5分冷却の条件で3mm厚のプレスシートを作製し、その評価を行った。その結果を表2に示す。
[実施例2]
上記アイオノマー(IO−2)を80重量部及びナイロン6/12を20重量部の割合で2軸押出機により溶融混練して、層(A)用のアイオノマー組成物を調製した。実施例1のアイオノマー組成物の代わりにこのアイオノマー組成物を使用した以外は、実施例1と同様にして3層インフレーションフィルム及びプレスシートを作成し、その評価を行った。これらの結果を表1及び表2に併記する。
[比較例1]
3層インフレーションフィルム成形機を用い、実施例1のアイオノマー組成物を表面層(A)に、上記アイオノマー(IO−2)を中間層(B)に、上記エチレン・メタクリル酸共重合体(EMAA)を内層(C)とし、層厚み(A)/(B)/(C)が60μm/80μm/60μmである合計200μm厚みの3層フィルムを作成し、実施例1と同様の評価を行った。これらの結果を表1に併記する。
Figure 2006218781
Figure 2006218781

Claims (8)

  1. 少なくとも3層の層構成を有する積層体であって、表層がエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマーを主成分とする樹脂層(A)であり、その隣接層がエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のアイオノマー又はその組成物から選ばれる樹脂成分100重量部に対し、ポリエーテルエステルアミド又はその組成物から選ばれるポリエーテルエステルアミド成分を8〜30重量部の割合で配合した樹脂組成物の層(B)であり、その隣接層が不飽和カルボン酸又はその誘導体の重合単位を有するエチレン共重合体層(C)である積層体。
  2. 樹脂層(A)を構成するアイオノマーが、2価の金属イオンで中和されたアイオノマーである請求項1記載の積層体。
  3. 樹脂層(A)が、アイオノマー、オレフィン・グリシジルモノマー共重合体及びポリオレフィンからなる組成物で構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の積層体。
  4. 樹脂層(A)が、アイオノマー及びポリアミド樹脂からなる組成物で構成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の積層体。
  5. 樹脂層(B)を構成するアイオノマーが、2価の金属イオンで中和されたアイオノマーである請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
  6. 樹脂層(B)を構成するポリエーテルエステルアミド成分が、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が130〜160℃のもの(B−1)と、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が145〜175℃であって、(B−1)の融点より5℃以上高い融点を有するもの(B−2)の混合物である請求項1〜5のいずれかに記載の積層体。
  7. (B−1)と(B−2)の混合比[(B−1)/(B−2)]が、1/2〜5/1の範囲にあることを特徴とする請求項6記載の積層体。
  8. 層(C)を構成するエチレン共重合体が、エチレンと、不飽和カルボン酸、その塩及びそのエステルから選ばれる極性モノマーとの共重合体である請求項1〜7のいずれかに記載の積層体。
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