JP2006218724A - カード用コアシート及びカード - Google Patents

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Abstract

【課題】 印刷層との密着性が良好なカード用コアシート及びカードを提供することができる。
【解決手段】 カード用コアシートは、基材の少なくとも一方の面に易接着層を有するカード用コアシートであって、この基材が硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、及び、ポリエステル系樹脂とポリカーボネート系樹脂とのポリマーアロイからなる群から選ばれる1つを主成分とし、易接着層がポリウレタン系樹脂を主成分とする樹脂組成物から成り、易接着層の平均厚みが2μm以上、10μm以下である。また、カードは、このカードコア用シートを少なくとも1つ有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、クレジットカードやキャッシュカード等のような磁気カード、ICカード等に使用されるカード用コアシート、及び、そのカード用コアシートを用いたカードに関し、特に、印刷インキとの密着性が良好なカード用コアシート及びカードに関する。
磁気カードやICカード等のカードは、一般的に、コアシートと称される白色樹脂シートにシルクスクリーン印刷法、オフセット印刷法等によって印刷を施した後、印刷層を保護するため両面にオーバーシートと称される透明樹脂シートを被せ、熱プレスを行って積層体を形成し、次に、形成された積層体に打抜き加工等が施されてカード形状に形成される。なお、必要に応じて、カードにはエンボス加工が施されたり、表面に印刷が施されたりする。
シルクスクリーン印刷に用いられるインキは、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を主成分とするものであり、ポリ塩化ビニル、ポリエステル系樹脂等からなるコアシートやオーバーシートとの密着性や熱圧着性には優れている。
一方、オフセット印刷は速乾性があり、微細な図柄、線、文字、グラデーション等の再現性に優れておりカードデザインの多様化に対応することができるので便利であるが、オフセット印刷に用いられるインキは、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート等を主成分とする紫外線硬化型インキであるので、ポリ塩化ビニル、ポリエステル系樹脂等の材料からなるコアシートやオーバーシートとは硬化後の密着性が不十分であったり、オーバーシートとの熱圧着性に劣る。そのため、コアシートにオフセット印刷を施さないで無垢のままにしておくか、あるいは、オフセット印刷を施す場合には、網点印刷にするかカードの縁辺をシルクスクリーン印刷にすること等が要求される。そのため、デザイン上、何らかの制限を受けることになり、カードデザインの発想の自由が妨げられていた。
オーバーシートとの熱圧着性を向上させるために、施された印刷の上に接着剤を塗布したり、あらかじめ接着剤層が設けられているオーバーシートを用いてカードを作製することが一般に行われるが、インキとコアシートとの密着性が弱いと、オーバーシートを重ねて加熱圧着した際に、オーバーシートの方にインキがとられてしまい、得られたカードにおいてオーバーシートが容易に剥離してしまう。そこでインキとコアシートとの密着性を向上させるために、印刷を施す前にコアシート表面に接着層を塗布することが行われるが、この場合には接着剤の塗布工程、乾燥工程等の余分な工程を必要とし、製造工程が複雑になり、生産性が低下するという問題があった。
また、特許公報第3484225号には、ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、リン酸塩基を有する樹脂と、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂及びポリウレタン系樹脂の中から選ばれる少なくとも1種の樹脂と、オキサゾリン基を有する重合体とを含有する、厚さが0.02〜0.5μmの塗布層を設けた帯電防止ポリエステルフィルムが開示されているが、オーバーシートを更に重ねて加熱圧着する場合を想定するものではなく、コアシートとして用いた場合には、印刷層との密着性が十分なものではなかった。
また、最近では個人情報の安全確保を図るために非接触式のICカードが普及しているが、ICカードは、コアシートと、アンテナコイル及びICチップを搭載したインレットシートと、必要に応じてオーバーシートとを用い、熱圧着させて製造される。しかしながら、インレットシートとコアシートとの密着性が悪い場合には、ホットメルトシート等をこれらの間に挟み込んで熱圧着させることが一般的であり、その結果、生産性の低下を招いていた。なお、インレットシートには予め接着剤等が塗布されたものもあるが、コアシートとの十分な密着性を実現できるものではなかった。
特許公報第3484225号
本発明は上記問題点を解決すべくなされたものであり、本発明の目的は、インキとの密着性が良好なカード用コアシート、及び、このカード用コアシートを用いたカードを提供することにある。
以上の課題を解決するため、本発明のカード用コアシートは、基材の少なくとも一方の面に易接着層を有するカード用コアシートであって、前記基材が硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート、及び、ポリエステル系樹脂とポリカーボネートとのポリマーアロイからなる群から選ばれる1つを主成分とし、前記易接着層がポリウレタン系樹脂を主成分とする樹脂組成物から成り、前記易接着層の平均厚みが2μm以上10μm以下であることを特徴とする。
ここで、前記易接着層の表面の10点平均粗さは1μm以上10μm以下であることができる。
本発明のカードは、上記カード用コアシートを少なくとも1枚有することを特徴とする。
本発明によれば、インキとの密着性が良好なカード用コアシート及びカードを提供することができる。また、本発明によれば、インレットシートとの密着性にも優れたカード用コアシート及びカードを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のカード用コアシートは、基材の少なくとも一方の面に易接着層を有する。基材は硬質ポリ塩化ビニルシート、もしくは、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、及び、ポリエステル系樹脂とポリカーボネート系樹脂とのポリマーアロイからなる群から選ばれる1つを主成分とするシートである。この基材には、必要に応じて、安定剤、滑剤、衝撃改良剤、着色剤、酸化防止剤、充填剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤、加工助剤等を本発明の効果を阻害しない範囲内で配合することができる。
ここで、ポリエステル系樹脂とはエステル結合を有するものをいい、結晶性が低く、プレス融着等の実用上行われる熱加工を行っても結晶化による白濁や融着不良を起こさないものである。例えば、ジカルボン酸成分とジオール成分との脱水縮合体であり、芳香族ジカルボン酸成分との脱水縮合体が好ましい。
本発明に好ましく用いられるジカルボン酸成分の代表的なものとしてはテレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。これらの中では、テレフタル酸が特に好ましく用いられるが、テレフタル酸の一部を他のジカルボン酸等で置換してもよい。他のジカルボン酸等成分としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ネオペンチル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、p−オキシ安息香酸などが挙げられる。なお、用いられる他のジカルボン酸等成分は、一種でも二種類以上の混合物であってもよく、また、置換される他のジカルボン酸の量も適宜選択することができる。
本発明に好ましく用いられるジオール成分の代表的なものとしてはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらの中では、エチレングリコールが特に好適に用いられるが、エチレングリコールの一部を他のジオール等成分で置換してもよい。他のジオール等成分としては、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロール、メトキシポリアルキレングリコールなどが挙げられる。なお、用いられる他のジオール等成分は、一種でも二種類以上の混合物であってもよく、また、置換される他のジオール等の量も適宜選択することができる。
本発明に用いられるポリエステル系樹脂としては、具体的には、テレフタル酸とエチレングリコールとを縮合重合させたポリエチレンテレフタレートがコストの観点から好ましいが、テレフタル酸以外の他のジカルボン酸等成分及び/又はエチレングリコール以外の他のジオール等成分を含んだ共重合ポリエステルを使用することができる。
共重合ポリエステルとしては、ジカルボン酸成分の60モル%以上がテレフタル酸であり、残りのジカルボン酸成分が他のジカルボン酸等成分で置換されたジカルボン酸成分と、ジオール成分の60モル%以上がエチレングリコールで、残りのジオール成分が他のジオール等成分で置換されたジオール成分とを縮合重合させた共重合ポリエステルが挙げられる。本発明におけるポリエステル系樹脂は、ポリエチレンテレフタレートと上記の共重合ポリエステルとの混合物であってもよい。
ただし、共重合ポリエステルを使用する場合には、共重合成分の選択や含有量等によっては、シートのガラス転移温度や引張り弾性率の変化が大きいので注意を要する。
特に好適に使用できる共重合ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレートにおけるエチレングリコールの約30モル%を、1,4−シクロヘキサンジメタノールで置換した実質的に非晶性の芳香族ポリエステル樹脂が好ましく、本発明においては、かかるポリエステル系樹脂をPET−G系ポリエステルと表記する。PET−G系ポリエステルとしては、例えば、イーストマンケミカル社製の商品名「PET−G」を商業的に入手することができる。また、PET−G系ポリエステルのシートとして三菱樹脂株式会社製の商品名「ディアフィクスPG−WET」を入手することもできる。
本発明のカード用コアシートの基材を形成する材料であるポリカーボネート系樹脂とは、主成分がポリカーボネートである樹脂を意味する。また、ポリエステル系樹脂とポリカーボネート系樹脂とのポリマーアロイとしては、例えばポリエステル系樹脂としてPET−G系ポリエステル又はポリブチレンテレフタレート(以下「PBT」と略称表記することもある)を用い、これとポリカーボネート系樹脂とのポリマーアロイが好ましいものとして挙げられる。なお、PBTは、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールとの脱水縮合体であり、ホモポリマーでも共重合体でもよい。このポリマーアロイにおけるポリエステル系樹脂とポリカーボネート系樹脂との組成比は、目的等に応じて適宜設定することができ、使用されるカードの種類や厚さ等を考慮して設計することが好ましい。
基材の厚さは、特に限定されるものではないが、0.05mm以上0.8mm以下の範囲内であることが好ましい。本発明のカード用コアシートを構成する基材は、カレンダー加工、押出成形等によって形成される。例えば、基材用樹脂組成物を押出機に供給し、Tダイより押出した後、キャストロールで急冷固化することにより得ることができる。
また、基材には少なくとも一方の面にマット加工が施されていてもよい。ここでは、連続的なマット加工が施されていることが好ましい。
基材表面にマット加工を施したり、艶消し加工等を施す場合には、まず鏡面のシートを形成してから、マットロールや艶消しロールを用いて表面に加工を施しても、あるいはシートの押出成形の際にキャストロールをマットロール又は艶消しロールに変更して押出成形を行うことにより表面に加工を施してもよい。なお、マット加工によって形成されるマット模様等のデザインは適宜決定することができ、美的観点から、あるいは機能的な観点から基材の商品価値を高めることもできる。
本発明のカード用シートは、基材の少なくとも一方の面に易接着層が設けられている。易接着層は、ポリウレタン系樹脂を主成分とする樹脂組成物から形成される。
ポリウレタン系樹脂はポリイソシアネート化合物及びポリオールから得られる樹脂であり、イオン性基を有する水性ポリウレタン系樹脂であることが好ましい。
イオン性基を有する水性ポリウレタン系樹脂は、ポリイソシアネート化合物とポリオール、及び、親水性基と二個以上の活性水素とを有する化合物を用いて得ることができる。さらに、これらに鎖伸張剤を適宜用いることができる。イオン性基としては、−COO基、−SO 基などのアニオン基、=N+=基、=P+=基などのカチオン基が挙げられる。これらの中では−COO基が好ましく用いられる。
ポリイソシアネート化合物としては、代表的なものとして、2,4−トリレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。これらのポリイソシアネート化合物は、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることができる。
ポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアセタールポリオール、ポリアクリレートポリオール、ポリエステルアミドポリオール、ポリチオエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール等が挙げられる。これらの中では、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオールを用いることが好ましい。これらのポリオールは、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることができる。
親水性基と2個以上の活性水素とを有する化合物としては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロール酪酸、2,2−ジメチロール吉草酸等のカルボン酸含有化合物等を挙げることができる。
用いられる鎖伸張剤としては、分子内に少なくとも2個の活性水素を含有する化合物であり、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明における易接着層には、必要に応じて、滑剤、酸化防止剤、充填剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤、帯電防止剤等を本発明の効果を損なわない範囲内で配合することができる。
本発明においては、上述のポリイソシアネート化合物及びポリオール等を用いて公知の方法によりイソシアネート重付加反応により水性ポリウレタン系樹脂を得ることができる。本発明の易接着層に用いられるポリウレタン系樹脂としては、日華化学株式会社製の商品名「ネオステッカー1000」、「ネオステッカー1200」等を商業的に入手することができる。
易接着層の厚さは、平均厚さで2μm以上、10μm以下であることが好ましく、3μm以上、8μm以下であることが更に好ましい。易接着層の厚さが2μm未満では、基材表面にマット加工が施される場合に、マットの凹凸の形状によっては易接着層で覆われていない部分が発生することがあるので、インキの密着性が部分的に不十分になり、ベタ印刷において色ムラが生じたり、十分な濃さが発揮されないことがある。一方、易接着層の平均厚さが10μm以下であれば、塗工適性が低下することはなく、また、非経済的になることもない。
易接着層は、印刷層が設けられる側の表面の10点平均粗さ(Rz)が1μm以上、10μm以下であることが好ましく、2μm以上、8μm以下であることが更に好ましい。実際上、Rzが1μm以上であれば製造上の困難性を伴うことはなく、また、10μm以下であれば、オフセットインキをベタ塗りする場合でも良好に行うことができ、インキがかすれて精細な表現が困難になることはない。
易接着層は、水性ポリウレタン系樹脂を含む樹脂溶液を混合攪拌し、得られた混合溶液を基材に塗布し、乾燥させて形成することができる。例えば、水性ポリウレタン系樹脂に希釈溶媒を添加し、易接着層用塗布溶液とすることができる。希釈溶媒としては、水、イソプロピルアルコール、エタノール、グリコールエーテル等が好ましく用いられる。塗布溶液は、固形分が10質量%以上、40質量%以下であることが好ましく、粘度が50cps以上、1,000cps以下であることが好ましい。本発明においては、希釈溶媒を用いてこのような固形分含有量等になるように調製してもよい。このように塗布溶液を調製することにより、均一な膜厚の易接着層を形成することができる。易接着層用塗布溶液には、塗工面状態を向上させる目的で、レべリング剤、濡れ性向上剤等を適宜配合することができる。
易接着層用塗工溶液はロールコーター、ブレードコーター、グラビアコーター等の各種コーターを用いて基材上に塗布され、易接着層を形成することができる。なお、本発明においてはグラビアコーターを用いて塗布することにより均一な易接着層を形成することができるので、グラビアコーターを用いることが好ましい。
本発明のカード用コアシートを用いれば易接着層面に印刷層を設けることができる。印刷方法としては特に限定されることなく、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷等の種々の印刷方法を採用することができる。形成された印刷層はコアシートとの密着性に優れたものが得られるので、コアシートの一面全面に印刷を施すこともできる。
一般にカードは、例えば、カードの中層として使用されるコアシート、カードの表面に配置されるオーバーシート等から、また必要に応じて情報を記録するための磁気ストライプテープやICチップ等から構成されており、コアシートにオーバーシートを重ね、熱プレス等によりシート間を融着させた後、カード形状に打抜き加工を施して形成される。
本発明のカードは、本発明のカード用コアシートを少なくとも1つ含むことが必要である。
カードを構成するオーバーシートとしては、硬質ポリ塩化ビニルシート、もしくは、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、及び、ポリエステル系樹脂とポリカーボネート系樹脂とのポリマーアロイからなる群から選ばれる1つを主成分とするシートであることが好ましい。このポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリマーアロイ等については、既述したカード用シートの形成に用いられるものと同様のものを用いることができる。なお、オーバーシートが透明であれば、コアシートに印刷した図柄等をカード表面から透かして見ることができる。
本発明においては、コアシートとして上記カード用シートを選択し、オーバーシートとしてコアシートと同一材料系のシートを選択すると、コアシートとオーバーシートとの密着性が良好になり好ましい。
例えば、コアシートの表面にシルクスクリーン印刷、オフセット印刷等によって印刷を施し、形成された印刷面にオーバーシートを被せ、また必要に応じてコアシートの他方の面にもオーバーシートを被せ、仮貼りした後、化粧板に挟み込み、熱プレスして積層体を形成することができる。得られた積層体を打抜き刃でカード形状に打抜きカードを形成することができる。
本発明のカードは、更にインレットシートを含むことができ、例えば、2枚のコアシートの間にインレットシートを挟み込むことができる。本発明のカード用シートをコアシートとして用い、インレットシート側にも易接着層面がくるように積層すれば、インレットシートに対して優れた密着性を発揮することができる。
本発明においてオーバーシートとコアシート等を一体化する方法については特に限定されるものではないが、例えば、熱融着、接着剤等を用いる方法等が挙げられる。本発明においては、熱融着により一体化することが好ましい。なお、オーバーシートに、予め磁気テープを貼っておいてもよい。
以下に図面を用いて、本発明のカードの層構成を具体的に説明する。図1は、本発明のカードの層構成の一例を示す図である。図1において、基材1の一方の面に易接着層2を有するコアシート11と、基材6の一方の面に易接着層7を有するコアシート12とが基材同士が接触するように重ねられている。易接着層2の表面には印刷層3が、また、易接着層7の表面には印刷層8が設けられており、印刷層3とオーバーシート5とが接着剤4を介して、また、印刷層8とオーバーシート10とが接着剤9を介して積層されている。カードを構成するコアシート11とコアシート12とは同一でも異なっていてもよく、カードの最外層を構成するオーバーシート5とオーバーシート10とは同一でも異なっていてもよい。すなわち、基材1と基材6とは同一でも異なっていてもよく、易接着層2と易接着層7とは同一でも異なっていてもよい。また、易接着層上に設けられている印刷層3と印刷層8とはインキの種類や形状等が同一でも異なっていてもよく、しかも、同一の印刷方法によるものでも異なる印刷方法によるものでもよい。さらにまた、オーバーシート5と印刷層3との間に設けられている接着剤4と、オーバーシート10と印刷層8との間に設けられている接着剤9とは同一でも異なっていてもよい。
なお、図1において、コアシート11とコアシート12との間にインレットシート(図示せず)を挟み込むこともできる。
以下に、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
水性ポリウレタン系樹脂(日華化学株式会社製、商品名「ネオステッカー1000」、固形分濃度35%)を、厚さ0.28mmの硬質塩化ビニルシート(三菱樹脂株式会社製、商品名「ビニホイルC−4636」)にグラビアコータを用いて乾燥膜厚が5μmとなるように塗布し、乾燥させて、基材/易接着層のコアシートを作製した。
次いで、得られたコアシートの易接着層面上にオフセット印刷によりベタ印刷層を形成して試験用シートを得た。ただし、UVオフセットインキとしては、大日本インキ工業株式会社製の商品名「ダイキュア RT−V(紅)」を用いた。
また、印刷条件は、メタルハライドランプ2灯、ランプ高さ15cm、速度10m/分とし、インキ厚が3μmになるように設定した。
得られたコアシート及び試験用シートについて、下記の評価を行った。その結果を表1に示す。
評価方法:
(1)インキの密着性
試験用シートの印刷層面について、日本工業規格JIS D0202−1988に準拠して碁盤目テープ剥離試験を行った。すなわち、セロハンテープ(「CT24」、ニチバン(株)製)を指の腹で試験用シートの印刷層面に密着させたあと剥離した。評価は、100マス目のうち剥離したマス目の数を数え、剥離したマス目の数が0以上10以下である場合は記号「◎」、11以上30以下である場合は記号「〇」、31以上50以下である場合は記号「△」、51以上である場合は記号「×」で示した。
(2)表面粗さ
コアシートの易接着層面を表面粗さ計「サーフコーダーSE−40D」(株式会社小坂研究所製)を用い、送り速さが0.5mm/sec、基準長さが8mm、カットオフ値が0.8mmの条件下で測定し、10点平均粗さ(Rz)を求めた。
(3)易接着層の厚さ
コアシートを走査型電子顕微鏡にて観察し、無作為に20点の層厚を求めた。これらの層厚の平均値を算出して易接着層の厚さとした。
(4)印刷の鮮明度
試験用シートの印刷層面を目視観察し、ベタ塗り印刷のかすれ具合を評価した。
(実施例2)
実施例1において、水性ポリウレタン系樹脂を日華化学株式会社製の商品名「ネオステッカー1200」(固形分濃度35%)に変更した以外は実施例1と同様にして、基材/易接着層のコアシートを作製した。また、得られたコアシートを用いて、実施例1と同様にして試験用シートを作製した。得られたコアシート及び試験用シートについて実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、易接着層の厚さを3μmに変更した以外は実施例1と同様にして、基材/易接着層のコアシートを作製した。また、得られたコアシートを用いて、実施例1と同様にして試験用シートを作製した。得られたコアシート及び試験用シートについて実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、易接着層の厚さを9μmに変更した以外は実施例1と同様にして、基材/易接着層のコアシートを作製した。また、得られたコアシートを用いて、実施例1と同様にして試験用シートを作製した。得られたコアシート及び試験用シートについて実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1において、基材を硬質塩化ビニルシートから厚さ0.28mmのPET−G系ポリエステルのシート(三菱樹脂株式会社製、商品名「ディアフィクスPG−WET」)に変更した以外は実施例1と同様にして、基材/易接着層のコアシートを作製した。また、得られたコアシートを用いて、実施例1と同様にして試験用シートを作製した。得られたコアシート及び試験用シートについて実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、易接着層を形成せず、硬質ポリ塩化ビニルシートのままの状態でコアシートとした。次いで、このコアシートを用いて、実施例1と同様にして試験用シートを作製した。得られたコアシート及び試験用シートについて実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、易接着層を水性アクリル樹脂(JSR株式会社製、商品名「AE−121」、固形分濃度31%)に変更した以外は実施例1と同様にして、基材/易接着層のコアシートを作製した。また、得られたコアシートを用いて、実施例1と同様にして試験用シートを作製した。得られたコアシート及び試験用シートについて実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1において、易接着層の厚さを1μmに変更した以外は実施例1と同様にして、基材/易接着層のコアシートを作製した。また、得られたコアシートを用いて、実施例1と同様にして試験用シートを作製した。得られたコアシート及び試験用シートについて実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2006218724
表1から明らかなように、実施例1から5のコアシートは、インキ密着性に優れ、印刷の鮮明度にも優れ良好な印刷層が得られることが分かった。
一方、易接着層を設けていない比較例1およびアクリル系の接着層を設けた比較例2では、インキ密着性に劣っており、またカスレも認められた。また、易接着層の厚さが1μmの比較例3は、インキ密着性が十分ではなく、かつ、ややカスレも認められた。
なお、実施例1〜5のコアシートを用い、かつ、コアシートの材料とそれぞれ同一材料系のオーバーシートを用いて、図1に示すようなカードを作製したところ、コアシートとオーバーシートとの密着性に優れたカードを作製することができ、オーバーシートにインキがとられて剥離するというような問題は全く見られなかった。また、コアシートの間に通常のインレットシートを挟み込んでカードを作製したところ、コアシートとインレットシートとの密着性に優れたカードを作製することができた。
本発明のカード用コアシートは、印刷層との密着性に優れているので、ICカード、磁気カード等のカード用コアシートとして利用することができる。
本発明の第1の実施形態に係るカードの層構成を示す図である。
符号の説明
1、6 基材
2、7 易接着層
3、8 印刷層
4、9 接着剤
5、10 オーバーシート
11、12 コアシート







Claims (3)

  1. 基材の少なくとも一方の面に易接着層を有するカード用コアシートであって、前記基材が硬質ポリ塩化ビニル、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、及び、ポリエステル系樹脂とポリカーボネート系樹脂とのポリマーアロイからなる群から選ばれる1つを主成分とし、前記易接着層がポリウレタン系樹脂を主成分とする樹脂組成物から成り、前記易接着層の平均厚みが2μm以上、10μm以下であることを特徴とするカード用コアシート。
  2. 前記易接着層の表面の10点平均粗さが1μm以上、10μm以下であることを特徴とする請求項1記載のカード用コアシート。
  3. 請求項1又は2記載のカード用コアシートを少なくとも1枚有することを特徴とするカード。

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