以下、本発明の実施形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。まず、本発明に係る遊技台の具体的構造について説明しておく。
〈全体の構成〉
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の外観を示す斜視図である。図1に示すように、スロットマシン100の中央内部には、外周面に複数種類の絵柄(「7」、「Bar」、「ベル」、「リプレイ」等の文字や記号:図示省略)を配列した円筒状のリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、本体101bの内部で回転できるように構成されている。
前面扉101aには、リール表示窓113が設けられており、リール110〜112を正面から眺めると、これに施された絵柄がリール表示窓113から縦方向に3つ見えるようになっている。つまり、全リール110〜112が停止した場合、遊技者は、3×3の合計9個の絵柄を見ることができる。これらのリール110〜112が回転し、停止することにより、様々な絵柄の組み合せがリール表示窓113に表示されることになる。なお、本実施形態では、3個のリールを備えるものとしたが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各リール110〜112の裏側には、リール表示窓113上に表示される個々の絵柄を照らすためのバックライト(図示せず)が配置されている。バックライトは、例えば、7色(赤、緑、青紫の三原色と、白色等をはじめとするこれらの混合色)の光を発することが可能であり、各原色に対応したLED等を含んで構成される。
入賞ライン表示ランプ120は、遊技毎に有効となる入賞ライン114を示すランプである。有効となる入賞ライン114は、スロットマシン100に投入された遊技媒体(本実施形態ではメダルを想定する。)の枚数によって変化する。例えば、図1に示すように5本の入賞ライン114を有する場合、メダルを1枚投入したときは中段の水平入賞ライン、2枚投入したときは、上段の水平入賞ラインおよび下段の水平入賞ラインを加えた3つの入賞ライン、3枚投入したときは更に2本の斜めの入賞ラインを加えた5ラインが有効となり、有効な入賞ライン114上に揃った絵柄の組み合せにより入賞が判断されることとなる。勿論、入賞ラインの数は5本に限定されるものではない。
スタートランプ121は、リール110〜112が回転することができる状態にあることを遊技者に知らせるランプである。再遊技ランプ122は、入賞役である再遊技に入賞したとき(例えば、リプレイ−リプレイ−リプレイの再遊技絵柄の組み合せが入賞ライン114上に揃ったとき)、遊技者へ次の遊技が再遊技であることを知らせるランプである。再遊技の場合、次遊技において遊技媒体であるメダルの投入が免除される。
告知ランプ123は、特別な入賞役(例えば、ビッグボーナス(BB)やレギュラーボーナス(RB))に内部当選した状態にあることを遊技者に報知するランプである。メダル投入ランプ124は、遊技開始にあたって遊技者にメダルの投入が必要であることを報知するランプである。
メダル投入枚数表示ランプ125は、遊技者が投入したメダル枚数を表示するランプである。本実施形態では、1回の遊技に最大3枚までメダル投入できるので、縦に配置した3つのランプを用いてメダル投入枚数を表示している。無論、ランプで表示する他に7セグメント表示器等で直接メダル投入枚数を表示しても良い。
払出枚数表示器126は、メダルの払い出しのある何らかの入賞役に入賞したとき、遊技者へ払い出されるメダルの枚数を表示する表示器である。遊技回数表示器127は、ビッグボーナスゲーム中の一般ゲームの回数等を表示する表示器である。貯留枚数表示器128は、電子的に貯留(クレジット)しているメダルの枚数を表示する表示器である。演出用ランプ129は、遊技の興趣を高めるための演出に使用されるランプである。
メダル投入ボタン131、132は、貯留されたメダルをスロットマシン100へ電子的に投入するための投入ボタンであり、いわゆるベットボタンと呼ばれているものである。本実施形態では、3枚メダル投入ボタン131(最大枚数のメダルを投入できる、いわゆるマックスベットボタン)と、1回押下するごとに1枚のメダルを投入する1枚メダル投入ボタン132とを有し、これらのボタンのいずれかを押下することにより遊技に必要な1〜3枚のメダルがスロットマシン100へ電子的に投入される。2枚のメダルを投入する場合は、1枚メダル投入ボタン131を2回押下することとなる。投入されたメダル枚数分は、現在の貯留枚数から減算されて残枚数が貯留枚数表示器128に表示される。
メダル投入口ブロック133は、遊技を開始するに当たって遊技者が直接メダルを投入するための開口を有する。メダルを直接投入した際に、メダル投入口直下にあるメダルセレクターユニット(図示せず)内にメダルが詰まってしまった場合は、メダルキャンセルスイッチ133aを操作することによってメダルの詰まりを解消させる。スタートレバー135は、遊技の開始操作として、リール110〜112の回転を開始させるレバー型のスイッチである。
停止ボタンユニット136には、3つの停止ボタン(左停止ボタン136a,中停止ボタン136b,右停止ボタン136c)が設けられている。各停止ボタンは、押下することによって対応するリール110〜112を停止させるボタン型のスイッチである。具体的には、左停止ボタン136aを操作することによって左リール110が、中停止ボタン136bを操作することによって中リール111が、右停止ボタン136cを操作することによって右リール112がそれぞれ停止する。
各停止ボタンの内部にはランプ(図示せず)が設けられており、スタートレバー135が操作された後、リール110〜112の停止操作が可能な状態になると全ランプが点灯し、遊技者に停止操作が可能になったことを報知する。各停止ボタンのランプは各停止ボタンが押下される毎に消灯する。無論、停止操作可能な状態とその他の状態とでランプの発光色を変化させるように構成することもできる。
精算ボタン138は、遊技者が獲得したメダルを精算して排出する精算処理を行う場合に押下されるボタンである。なお、精算ボタン138は、遊技者がメダル投入口ブロック133から投入したメダルのうち所定枚数(例えば3枚)以上のメダルまたは入賞により獲得したメダルを最大50枚まで貯留するか否かを切換える場合にも使用され、例えば、一回精算ボタン押下されて精算処理が行われると、非貯留モードが設定され、もう一度精算ボタン押下されると、貯留モードが設定される。ここに、メダルの貯留とは、メダルを直接払い出さずに、電子的にその枚数を後述する制御部に一時記憶しておくことを意味する。
キー孔139は、扉開閉用のキーを差し込む孔で、キーを差し込んで時計方向に回すとロックが解除され、スロットマシン100の前面扉101aを開けることができる。メダル排出口165は、メダルを排出するための開口であり、入賞時に払い出されるメダルはここから排出される。排出されたメダルは、受け皿160に溜まるようになっている。
上部ランプ190、サイドランプ151,152、中央ランプ153,154、腰部ランプ155,156、下部ランプ157,158は、遊技を盛り上げるための演出用のランプであり、遊技状態に応じて点灯/消灯/点滅する。また、図示を省略したタイトルパネルランプによりタイトルパネル140を照明する。本実施形態では、受皿160を透光性材料で構成し、受皿取り付け面からランプ光を入射させることで上記演出用のランプと同様の効果を発揮させるように構成している。また、受皿160には、着脱可能に構成した灰皿ユニット170が設けられている。
また、スロットマシンの上部(リール表示窓113の上方)中央部には、遊技に関する各種の情報(ゲームを盛り上げるためキャラクタ等を登場させるゲーム画面、スロットマシンの内部で異常が発生した場合にエラーの内容を表示するエラー画面など)を表示することができるLCD180が設けられており、このLCD180を用いて、各種スイッチ類(例えば、3枚メダル投入ボタン131や1枚メダル投入ボタン132,スタートレバー135,停止ボタン136a〜136c,精算ボタン138等)に生じた動作不良に関する情報も報知する。
〈スタートレバーユニットの第1構成〉
次に、遊技者が操作するスタートレバー135を構成するスタートレバーユニット200の詳細構造を図2〜図5に基づいて説明する。図2はスタートレバーユニット200の外観斜視図であり、図3はスタートレバーユニット200の分解斜視図であり、図4はスタートレバーユニット200の概略縦断面図であり、図5はスタートレバーユニット200の概略横断面図である。
スタートレバーユニット200の外観は、略球状の把握部210に突設された可動軸211が前フレーム220の前側開口より内挿された状態で、略円筒状の中フレーム230へ着脱可能に収容され、中フレーム230の後端には後フレーム240が着脱可能に取り付けられる。また、中フレーム230の周面適所には、外側へ延出する板状の鍔部231を形成し、該鍔部231に適宜設けたボス部232にビス等のユニット固定部材233を挿通させ、遊技台100の前面扉101aの裏面側の適所へ固定する。また、後フレーム240には、例えば第1スタートレバーセンサ241が上部に、第2スタートレバーセンサ242が下部に位置する状態で収納し、ビス等のセンサ固定部材243により第1,第2スタートレバーセンサ241,242を固定する。
上記把握部210に突設された可動軸211において、把握部210側の基部211aには円筒状で有弾性の軟質素材よりなるスペーサ212が遊嵌され、この基部211aの後方側に連なる中軸部211bには揺動部材213が挿通される。なお、中軸部211bは基部211aよりも小径とし、揺動部材213は基部211aの後端およびスペーサ212の後端に当接した状態に位置決めされ、前フレーム220の前面開口縁より後方へ延出させた有底筒状の可動軸支承部材221の内空部から可動軸支承部材221の後端壁に開設した揺動ガイド孔221aに可動軸211を挿通させた際には、揺動部材213の両側方に設けた揺動軸部213aが可動軸支承部材221内の適所にて支承され、揺動部材213が揺動ガイド孔221aに沿って鉛直面内で揺動する。
上記可動軸支承部材221の揺動ガイド孔221aより後方へ延出する可動軸211の中軸部221bには、復帰部材251の筒部251aを遊嵌し、この復帰部材251の前端において筒部251aの外周より膨出する付勢受部251bの裏面側にはコイルスプリング等よりなる復帰付勢部材252の前端部を当接させ、この復帰付勢部材252の後端部はリング状の付勢受部材253の前面に当接させ、この付勢受部材253が可動軸211の中軸部211bから抜け落ちないように固定部材254にて抜け止めを施す。
そして、前フレーム220の可動軸支承部材221内で揺動部材213の揺動軸部213aが揺動可能に支承され、可動軸支承部材221の後部壁裏面に復帰部材251の付勢受部251bの前部が当接する状態においては、復帰部材251の付勢受部251bと付勢受部材253との間で復帰付勢部材252が圧縮、すなわち、復帰部材251の付勢受部251bと付勢受部材253とを離隔させる方向に付勢力が保持されてるようにする。かくして、非操作時における可動軸211は、可動軸支承部材211の後部壁に直交する略水平状態(復帰部材251の付勢受部251bと付勢受部材253とが最も離隔した状態)に保持される。
一方、把握部210を押し下げ或いは押し上げると、可動軸210の後端が上方へ移動或いは下方へ移動し、復帰部材251の付勢受部251bと付勢受部材253との間隔が狭まるため、これを再び拡げる方向に復帰付勢部材251の付勢力が作用するので、可動軸210は略水平状態(非操作時の状態)に自動復帰する。なお、可動軸210の揺動を円滑ならしめるよう、可動軸支承部材221の後部壁裏面に摺接する復帰部材251の付勢受部251bの前側をなだらかな曲面状とし、摺動抵抗を軽減した。また、把握部210を押し下げたり押し上げたり出来る範囲は、可動軸211の基部211aの外周に嵌挿したスペーサ12が前フレーム220の可動軸支承部材221の内面上部あるいは内面下部に当たる範囲とし、遊技者が比較的強い力で把握部210を押し上げ或いは押し下げた場合でも、有弾性の軟質素材よりなるスペーサ212の緩衝作用により、可動軸211や可動軸支承部材221が損傷することを効果的に防止できる。なお、把握部210を押し下げたり押し上げたり出来る範囲は、可動軸支承部材221の内面形状あるいは揺動ガイド孔221aの上下端で規制することもできる。また、この揺動可能範囲内において可動軸210を揺動させるのに著しく強い力を要することの無いよう、復帰付勢部材251の付勢力を適宜に定めておく。
上記のようにして、前フレーム220に揺動可能に支承された可動軸210の後端部211cには、コイルスプリング等の検知部付勢部材255を介在させて検知部材260を取り付ける。この検知部材260は、薄板状の第1遮光部261と第2遮光部262が鉛直面内の上下方向に適宜な空部を介して離隔配置され、これら遮光第1,第2遮光部261,262を支持する摺動部263の前側には、上記可動軸の後端部211cに遊嵌される略円筒状の軸挿通部264を備える。
中フレーム230には、上記検知部材260の第1,第2遮光部261、262を挿通可能な鉛直方向のスリットが形成されるように離隔配置した一対の検知部材ガイド壁234を設けてあり、検知部材の第1,第2遮光部261,262が検知部材ガイド壁234,234の間のスリットから後方へ延出するように前フレーム220を中フレーム230に装着すると、検知部材260の摺動部263が検知部材ガイド壁234の摺動ガイド部234aに当接し、尚かつ、摺動部263の前部と固定部材254の後部との間で検知部材付勢部材255が圧縮、すなわち、検知部材260の摺動部263と固定部材254とを離隔させる方向に付勢力が保持されるようにする。
斯くすれば、検知部材260における摺動部263の後面である摺動面が検知部材ガイド壁234の摺動ガイド部234aに押し付けられる方向に付勢された状態が保持されるので、把握部210を押し下げ或いは押し上げることで可動軸210を揺動させる際に、揺動部材213の揺動軸部213aが多少前後動した場合でも、検知部材260における摺動部263の摺動面が検知部材ガイド壁234の摺動ガイド部234aに摺接して上方移動或いは下方移動するので、検知部材260の第1,第2遮光部261,262は安定した一定の回動軌跡を保持することができる。
後方より第1,第2遮光部261,262が延出する状態の中フレーム230の後部に後フレーム240を装着すると、第1,第2スタートレバーセンサ241,242の検出部位が存在する鉛直面内で第1,第2遮光部261,262が上下移動可能なように位置決めされる。具体的には、投光腕部241aに設けた発光素子から受光腕部241bに設けた受光素子へ至る光軸が遮蔽された状態と遮蔽されない状態を検出する第1スタートレバーセンサ241と、同じく投光腕部242aに設けた発光素子から受光腕部242bに設けた受光素子へ至る光軸が遮蔽された状態と遮蔽されない状態を検出する第2スタートレバーセンサ242を、各投光腕部241a,242aと各受光腕部241b,242bが上下に重なるように配置し、各投光腕部241a,242aと各受光腕部241b,242bとの間に、第1,第2遮光部261,262が検出用の光軸を遮蔽し得るような配置構成となる。
そして、本構成例のスタートレバーユニット200では、遊技者が把握部210を操作していない非操作時(可動軸211がほぼ水平状態の時)にあっては、被検出部たる第1遮光部261が検出手段たる第1スタートレバーセンサ241の検出部(検出用光軸が存在する部位)よりも上方に位置すると共に、被検出部たる第2遮光部262が検出手段たる第2スタートレバーセンサ242の検出用光軸を遮るように位置し、第1スタートレバーセンサ241の検出状態と第2スタートレバーセンサ242の検出状態が排他的(例えば、第1スタートレバーセンサ241がOFFで第2スタートレバーセンサ242がON)となるようにした。
一方、操作部たる把握部210を押し下げた操作時にあっては、第2遮光部262が第2スタートレバーセンサ242の検出部よりも上方へ移動し、この移動した第2遮光部262が第1スタートレバーセンサ241の光軸を遮る位置へ至ることで、第1スタートレバーセンサ241の検出状態と第2スタートレバーセンサ242の検出状態が排他的(例えば、第1スタートレバーセンサ241がONで第2スタートレバーセンサ242がOFF)となるようにし、操作部たる把握部210を押し上げた操作時にあっては、第1遮光部261が第1スタートレバーセンサ241の光軸を遮る位置へ移動し、第2遮光部262が第2スタートレバーセンサ242の検出部よりも下方に移動することで、第1スタートレバーセンサ241の検出状態と第2スタートレバーセンサ242の検出状態が排他的(例えば、第1スタートレバーセンサ241がONで第2スタートレバーセンサ242がOFF)となるようにした。
なお、本構成例のスタートレバーユニット200においては、第1遮光部261および第2遮光部262の有無を検出するために第1,第2スタートレバーセンサ241,242が用いる検出媒体として可視光域の電磁波や赤外線などを使えば、汎用的な非接触式の光センサ(フォトインタラプタ)を用いることができ、コスト低減に効果的であるが、無論、検出媒体に用いる電磁波の波長帯は特に限定されるものではなく、少なくとも、第1,第2遮光部261,262の材質により遮断可能な波長の電磁波であれば構わない。
また、スタートレバーユニット200に設ける複数の検出手段は、光センサに限定されるものではなく、例えば、接触式のマイクロスイッチ等をスタートレバーセンサとして用い、把握部210の操作に基づく可動軸211の揺動に応じてマイクロスイッチをON/OFFさせるスイッチ作用部を検知部材に設けることで、操作時と非操作時とに応じた検出出力が各センサから得られる様に構成しても良い。
〈制御ブロック〉
次に、図6を参照して、スロットマシン100の制御部の構成について詳述する。本実施形態における制御部は、全体を制御する主制御部300と、遊技を盛り上げるための演出に関する制御等を遂行する副制御部400と、LCD180を制御するLCD表示制御部500とで構成されている。
〈主制御部300〉
マイクロプロセッサ(以下、MainCPUと称す)310は、スロットマシン100における制御の中枢となるものであり、バス370を介して、周辺部との間で制御信号やデータの受渡しが行われる。
乱数発生器311は、内部抽選等に用いられる乱数を発生するもので、複数のカウンタ、クロック発振器、分周器及びラッチ回路等で構成される。乱数発生器311が発生した乱数値は、バス370を介して、RAM313の乱数記憶領域に記憶され、必要に応じてMainCPU310へ送られる。
MainCPU310には、入力インターフェース360およびバス370を介して、種々の検出手段が接続されている。
例えば、8ビットの入力ポートPAからは、左停止ボタン136aが押されたことを検出する検出手段としての左停止ボタンセンサ341、中停止ボタン136bが押されたことを検出する検出手段としての中停止ボタンセンサ342、右停止ボタン136cが押されたことを検出する検出手段としての右停止ボタンセンサ343、スタートレバー135の操作に応じた検出信号を出力する検出手段としての第1スタートレバーセンサ241および第2スタートレバーセンサ242、メダル投入ボタン(1枚投入ボタン132もしくは3枚投入ボタン131)が押されたことを検出する検出手段としての投入ボタンセンサ344、精算ボタン138が押されたことを検出する検出手段としての精算ボタンセンサ345からの各検出信号が入力される。
また、8ビットの入力ポートPBからは、メダル投入口ブロック133の投入口より投入されたメダルを上流側で検出する検出手段としての第1メダルセンサ346、メダル投入口ブロック133の投入口より投入されたメダルを下流側で検出する検出手段としての第2メダルセンサ347、メダル払出装置からメダル排出口165に払い出されるメダルを上流側で検出する検出手段としての第1払出センサ348、メダル払出装置からメダル排出口165に払い出されるメダルを下流側で検出する検出手段としての第2払出センサ349からの各検出信号が入力される。
ROM(リード・オンリー・メモリ)312は、各種制御を行うためのプログラムや、各種制御データ等を記憶する記憶手段の一つである。MainCPU310は、バス370を介して、プログラムや、各種制御データ等を読み込む。RAM(ランダム・アクセス・メモリ)313は、バス370を介して、MainCPU310によって処理されるプログラムのワークエリアを有し、可変データ等を記憶する記憶手段の一つである。
また、リール110〜112の回転と停止を行うモーター(図示省略)を制御するリールモーター制御部331、及び、メダル払出装置(いわゆるホッパー:図示省略)を制御するホッパー制御部332が、入出力インターフェース330及びバス370を介してMainCPU310に接続されている。
演出用ランプ・表示器類(例えば、図1で示した入賞ライン表示ランプ120、スタートランプ121、再遊技ランプ122等のランプ類や、払出枚数表示器125、遊技回数表示器126等の各種表示器の総称)を制御する表示用ランプ表示器類制御部321は、出力インターフェース320およびバス370を介してMainCPU310に接続され、制御指令を受ける。
さらに、出力インターフェース320は、MainCPU310の指示に基づき、各種のコマンドを副制御部400の入力インターフェース430へ送信する。コマンドには、例えば、メダルが投入されたことを示すコマンド、スタートレバー135が操作されたことを示すコマンド、押された停止ボタンを示すコマンド、演出の内容(バックライト、上部ランプ、音声出力、LCD表示装置等による演出の内容)を規定したコマンド、操作スイッチ類の動作不良を示すスイッチエラーコマンド等がある。
〈副制御部400〉
マイクロプロセッサ(以下、SubCPUと称す)410は、主制御部300から送信された各種コマンドを入力インターフェース430およびバス470を介して受信し、受信したコマンドの内容に応じて副制御部400全体を制御する。
ROM411は、副制御部400全体を制御するためのプログラムやデータ等を記憶する記憶手段の一つである。RAM412は、SubCPU410で処理されるプログラムのワークエリアを有し、可変データ等を記憶する記憶手段の一つである。このRAM412は、図示を省略したバックアップ電源からの給電により停電時にも記憶保持可能で、操作スイッチ類のエラー回数の集計データ等を記憶保持する記憶手段としても機能する。
バックライト421は、リールの絵柄を照らす発光手段で、SubCPU410の指示に従って点灯/点滅/消灯する。演出用発光表示部422は、上部ランプ190、サイドランプ151,152、中央ランプ153,154、腰部ランプ155,156、下部ランプ157,158、受け皿ランプをまとめて表したもので、SubCPU410の指示に従って点灯/点滅/消灯する。バックライト421および演出用発光表示部422は、出力インターフェース420、バス470を介してSubCPU410と接続されている。
楽音信号形成部460は、SubCPU410から受け渡された制御データに基づいて、楽音信号を形成して出力する。この楽音信号は、アンプ461で増幅された後、スピーカー(具体的には上部スピーカー及び背面スピーカー)462から音として出力される。
出力インターフェース450は、SubCPU410の指示に基づき、各種制御データをLCD表示制御部500へ送信する。この制御データに基づいて、LCD表示制御部500は、LCD180を表示制御する。LCD表示制御部500については後述する。
〈LCD表示制御部500〉
SubCPU510は、副制御部400から送信された各種コマンドを入出力インターフェース530を介して受信し、受信したコマンドの内容に応じて画像データを特定し、LCD180に表示させるべき画像データをビデオ・ディスプレイ・プロセッサー(以降VDP)550へ指示する。
ROM511は、LCD用SubCPU510の制御プログラムやデータ等を記憶する記憶手段の一つである。
VDP550は、指定された画像データを外部接続されたROM552から読み込んで描画処理を行うと共にRGB信号に変換して、出力インターフェース553を介して出力し、LCD180に表示を行わせる。
〈操作スイッチの適正操作判別手法〉
ここで、上述した主制御部300により行われる操作スイッチからの検出信号に基づく適正な操作の判別手法を、複数の検出手段として第1,第2スタートレバーセンサ241,242を備えるスタートレバーユニット200に適用した具体例を、図7を参照しつつ詳述する。この図7は、第1,第2スタートレバーセンサ241,242から出力される検出信号の様々な状態(非操作状態、操作状態、電波ゴトによる異常状態)を示すものである。
先ず、スタートレバーユニット200が操作されていない非操作状態においては、可動軸211がほぼ水平状態に保持されていることで、検知部材260の第2遮光部262が第2スタートレバーセンサ242の検出用光軸を遮って、第1スタートレバーセンサ242の検出用光軸は遮蔽されていないので、第1スタートレバーセンサ241がOFFで第2スタートレバーセンサ242がONとなる。この非操作状態における第1,第2スタートレバーセンサ241,242の検出状態を基準とし、第1,第2スタートレバーセンサ241,242の検出状態が時系列にどう変化するかで、スタートレバー操作の適否を判別するのである。なお、適正操作および不正操作を判別する判別手段としての機能は、主制御部300により実現される。
上述した非操作状態から、把握部210を押し下げるように遊技者がレバー操作を行った操作状態(正常操作1)においては、可動軸211の後端側が上昇することに伴って、第2遮光部262が第2スタートレバーセンサ242の光軸よりも上方へ移動することで、第2スタートレバーセンサ242がOFFに変わり、更に第2遮光部262が第1スタートレバーセンサ241の光軸を遮る位置へ至ることで、第1スタートレバーセンサ241がONに変わる。
なお、本構成例のスタートレバーユニット200においては、把握部210を押し下げ可能な下限位置で、第2遮光部262が第1スタートレバーセンサ241の光軸よりも上方へ移動することがないように、すなわち、第1スタートレバーセンサ241が再びOFFに変化することがないようにしてある。よって、スタートレバー135が操作されたと判定できる操作時においても、第1スタートレバーセンサ241の出力と第2スタートレバーセンサ242の出力が排他的となる。
上記のようにして、第1,第2スタートレバーセンサ241,242から操作時と判定できる検出信号が出力された後、復帰部材251および復帰付勢部材252等の作用により非操作状態へ復帰するので、可動軸211の後端側が下降することに伴って、第2遮光部262が第1スタートレバーセンサ241の光軸よりも下方へ移動することで、第1スタートレバーセンサ241がOFFに変わり、更に第2遮光部262が第2スタートレバーセンサ242の光軸を遮る位置へ至ることで、第2スタートレバーセンサ242がONに変わる。
従って、第1,第2スタートレバーセンサ241,242の検出状態の変化パターンが「第1スタートレバーセンサOFF+第2スタートレバーセンサON→第1スタートレバーセンサOFF+第2スタートレバーセンサOFF→第1スタートレバーセンサON+第2スタートレバーセンサOFF→第1スタートレバーセンサOFF+第2スタートレバーセンサOFF→第1スタートレバーセンサOFF+第2スタートレバーセンサON」であった場合に、遊技者が適正なレバー操作を行ったものと判別できる。なお、遊技者が行うレバー操作では、加える力や操作時間が一定しないので、非操作状態から操作状態を経て再び操作状態へ戻るまでに第1,第2スタートレバーセンサ241,242から出力される波形も一定形状とならないため、正常操作の判別に際しては、第1,第2スタートレバーセンサ241,242からの検出信号におけるパルス波の形状パターンではなく、ONからOFFもしくはOFFからONへの変化パターンを判別対象に設定したのである。
一方、非操作状態から、把握部210を押し上げるように遊技者がレバー操作を行った操作状態(正常操作2)においては、可動軸211の後端側が下降することに伴って、第2遮光部262が第2スタートレバーセンサ242の光軸よりも下方へ移動することで、第2スタートレバーセンサ242がOFFに変わり、続いて第1遮光部261が第1スタートレバーセンサ241の光軸を遮る位置へ至ることで、第1スタートレバーセンサ241がONに変わり、操作時における第1,第2スタートレバーセンサ241,242の検出状態となる。
このとき、本構成例のスタートレバーユニット200においては、把握部210を押し上げ可能な上限位置で、第1遮光部261が第1スタートレバーセンサ241の光軸よりも下方へ移動したり、第1遮光部261が第2スタートレバーセンサ242の光軸を遮る位置に到達することがないように、すなわち、第1スタートレバーセンサ241が再びOFFに変化したり第2スタートレバーセンサ242が再びONに変化したりすることがないようにしたので、スタートレバー135が操作されたと判定できる操作時においても、第1スタートレバーセンサ241の出力と第2スタートレバーセンサ242の出力が排他的となる。
また、第1,第2スタートレバーセンサ241,242から操作時と判定できる検出信号が出力された後、復帰部材251および復帰付勢部材252等の作用により非操作状態へ復帰するので、可動軸211の後端側が上昇することに伴って、第1遮光部261が第1スタートレバーセンサ241の光軸よりも上方へ移動することで、第1スタートレバーセンサ241がOFFに変わり、続いて第2遮光部262が第2スタートレバーセンサ242の光軸を遮る位置へ至ることで、第2スタートレバーセンサ242がONに変わる。
従って、第1,第2スタートレバーセンサ241,242の検出状態の変化パターンが「第1スタートレバーセンサOFF+第2スタートレバーセンサON→第1スタートレバーセンサOFF+第2スタートレバーセンサOFF→第1スタートレバーセンサON+第2スタートレバーセンサOFF→第1スタートレバーセンサOFF+第2スタートレバーセンサOFF→第1スタートレバーセンサOFF+第2スタートレバーセンサON」であった場合に、遊技者が適正なレバー操作を行った操作状態であると判別できるのである。
なお、正常操作と判別できる変化パターンは上記の例に限らず、第1,第2スタートレバーセンサ241,242の配設位置や第1,第2遮光部261,262の縦幅や離隔距離を適宜に設定することで様々に変化させることができる。例えば、正常操作1においては、第2遮光部262が第2スタートレバーセンサ242の光軸より上方へ抜けるよりも先に、第2遮光部262が第1スタートレバーセンサ241の光軸を遮る位置に到達するように構成すれば、「第1スタートレバーセンサOFF+第2スタートレバーセンサON→第1スタートレバーセンサON+第2スタートレバーセンサON→第1スタートレバーセンサON+第2スタートレバーセンサOFF→第1スタートレバーセンサON+第2スタートレバーセンサON→第1スタートレバーセンサOFF+第2スタートレバーセンサON」が正常操作1の検出状態変化パターンとなり、正常操作2の変化パターンと区別することが可能になる。
或いは、正常操作1において、第2遮光部262が第2スタートレバーセンサ242の光軸より上方へ抜けるタイミングと、第2遮光部262が第1スタートレバーセンサ241の光軸を遮る位置に到達するタイミングをほぼ一致させたり、正常操作2において、第1遮光部261が第1スタートレバーセンサ241の光軸を遮る位置に到達するタイミングと第2遮光部262が第2スタートレバーセンサ242の光軸より下方へ抜けるタイミングをほぼ一致させたりすれば、「第1スタートレバーセンサOFF+第2スタートレバーセンサON→第1スタートレバーセンサON+第2スタートレバーセンサOFF→第1スタートレバーセンサOFF+第2スタートレバーセンサON」という単純な検出状態変化パターンで適正操作の判別を行うことができる。
上述した正常操作における第1,第2スタートレバーセンサ241,242からの検出信号の変化に対し、第1,第2スタートレバーセンサ241,242が誤動作する電磁波を放射する電波ゴトが行われた異常状態においては、第1,第2スタートレバーセンサ241,242が同時にONとなるだけで、適正操作に伴う第1,第2スタートレバーセンサ241,2422の適正な検出状態の変化パターンを再現できないので、不正行為に基づく異常状態が主制御装置300において適正操作と誤判別されることはない。
すなわち、非操作時もしくは操作時あるいは両方の時に、第1スタートレバーセンサ241と第2スタートレバーセンサ242の検出状態が排他的となる設定にしておけば、適正なレバー操作に際して第1,第2スタートレバーセンサ241,242は必ず逆の検出状態に変わるため、電波ゴトで放射される電磁波が第1,第2スタートレバーセンサ241,242をON動作させるものであってもOFF動作させるものであっても、逆の検出状態を創出できないことから、電波ゴトによる不適正操作に基づいて遊技が進行することを確実に防止できる。
なお、非操作時および操作時の何れにおいても第1スタートレバーセンサ241と第2スタートレバーセンサ242の検出状態が同一となる設定(排他的とならない設定)とした場合でも、第1スタートレバーセンサ241と第2スタートレバーセンサ242の状態が変化するタイミングに時間差が生ずるようにしておけば、非操作時から操作時への変化過程において、第1スタートレバーセンサ241と第2スタートレバーセンサ242の検出出力が排他的となる状態を生ぜしめることができるので、適正操作か不適正操作かを判別することが可能である。しかしながら、本構成例のように、非操作時と操作時の何れでも第1スタートレバーセンサ241と第2スタートレバーセンサ242の検出状態が排他的となる設定にしておけば、非操作時から操作時に至る間で検出状態が変化する過程を判別するまでもなく、第1スタートレバーセンサ241がONで第2スタートレバーセンサ242がOFFになった操作時の検出状態のみで適正操作か否かを簡易に判別できるという利点がある。
また、第1,第2スタートレバーセンサ241,242が共にOFF(負論理でセンサ入力を受ける場合は共にON)であるときは、センサ故障やコネクタ抜け等の異常が考えられるので、このような検出状態は主制御部300においてセンサ故障エラーと判別し、報知するようにしても良い。
〈遊技実行処理〉
図8は、スロットマシン100の遊技実行処理を示すフローチャートである。
先ず、メダル投入口ブロック133からのメダル投入や3枚メダル投入ボタン131もしくは1枚メダル投入ボタン132の操作によるメダルを受け付け、メダルを受け付けた場合には、副制御部400へメダル投入コマンドを送信するメダル受付処理を行う(ステップS101)。適正にメダルを受け付けた場合にはスタートレバー135の操作を受け付け可能とし、遊技者がスタートレバー135を適正に操作することにより第1,第2スタートレバーセンサ241,242からの各検出信号を受けた場合、副制御部400へリール回転開始を指示するスタートレバー受付処理を行う(ステップS102)。
次いで、上記ステップS102でスタートレバー135の操作を受け付けたら、乱数発生器311から乱数を取得して各入賞役の内部抽選をする内部抽選処理を行い(ステップS103)、この抽選結果に応じたリール停止が行えるようにリール停止準備処理を行い(ステップS104)、続いて、このゲームで行う演出を決定する演出抽選処理を行う(ステップS1058)。
次いで、左リール110,中リール111,右リール112の回転を開始させるリール回転開始処理を行う(ステップS106)。このリール回転処理において、全リール110〜112が定速回転となり、停止ボタン136a〜136cの受付が可能になると、停止操作許可コマンドを副制御部400へ送信する。続いて、停止ボタン136a〜136cの何れかが操作されて、停止ボタンセンサ341〜343からの検出信号を受け付ける停止ボタン受付処理を行う(ステップS107)。停止ボタン受付処理においては、操作された停止ボタン136a〜136cに対応する停止ボタン受付コマンド(第1〜第3停止コマンド)を副制御部400へ送信する。
そして、上記ステップS108で操作を受け付けた停止ボタンに対応する停止位置情報を示す停止位置情報コマンドを副制御部400へ送信してリールを停止させるリール停止処理を行い(ステップS108)、全リール110〜112に対する停止処理が完了しているか否かを判定し(ステップS109)、未だ回転中のリールが残っていれば、上記ステップS107およびステップS108の処理を行う。
上記のようにして、当該遊技における全リール110〜112が停止すると、リール表示窓113上の有効化された入賞ライン114上に、上記S103において内部当選した入賞役に対応して予め定めた図柄の組み合せが揃って停止しているかを判定し、入賞していると判定した場合は副制御部400へ入賞判定コマンドを送信する入賞判定処理を行い(ステップS110)、該入賞判定処理で入賞していると判定されていれば入賞役に対応して予め定めた所定数のメダルをメダル払出口156より受皿157に払い出し、副制御部400へ払出枚数コマンドを送信するメダル払出処理を行い(ステップS111)、その入賞に応じた表示動作や音声出力による入賞演出を行わせる入賞演出コマンドを副制御部400へ送信する入賞演出処理を行い(ステップS112)、入賞判定結果に応じて遊技状態コマンドを副制御部400へ送信する遊技状態更新処理を行う(ステップS113)。
上述した一連の処理工程を実行することで、1回の遊技が終了し、以後、同様の手順が繰り返されることとなる。
〈スタートレバー受付処理1〉
図9(a)は、上記遊技実行処理のステップS102で行うスタートレバー受付処理の第1例を示すフローチャートである。このスタートレバー受付処理においては、一定時間毎に実行される割り込み処理で入力ポートPAのポートデータから第1,第2スタートレバーセンサ241,242の検出レベルを読み込み(ステップS201)、第2スタートレバーセンサ242がOFFか否かを判定する(ステップS202)。そして、スタートレバー135が非操作状態においてONを保持している第2スタートレバーセンサ242がOFFに変わっていなければ、そのままステップS201の処理へ戻る。
一方、上記ステップS202で第2スタートレバーセンサ242がOFFに変わっていると判定された場合には、第1スタートレバーセンサ241がONに変わっているか否かを判定する(ステップS203)。そして、第1スタートレバーセンサ241がONに変わらずOFFを保持していた場合には、そのままステップS201の処理へ戻るが、第1スタートレバーセンサ241がONに変わったと判定された場合には、スタートレバー135の適正操作が行われたと判定できる条件(第1スタートレバーセンサ241がOFFからONに、第2スタートレバーセンサ242がONからOFFに各々変化)が達成され、リール回転開始を設定する(ステップS204)。これにより、上述した内部実行処理におけるステップS103の内部抽選処理へ移行するのである。
このように、第1例のスタートレバー受付処理においては、非操作状態から操作状態への適正な操作を、第1,第2スタートレバーセンサ241,242の各検出レベルで判定するので、不正な電波を照射することで第1,第2スタートレバーセンサ241,242が同時にON(或いは同時にOFF)となった場合には、ステップS204のリール回転開始の設定が実行されず、電波ゴトによって遊技が進行されることを効果的に防止できるのである。
〈スタートレバー受付処理2〉
図9(b)は、上記遊技実行処理のステップS102で行うスタートレバー受付処理の第2例を示すフローチャートである。このスタートレバー受付処理においても、一定時間毎に実行される割り込み処理で入力ポートPAのポートデータから第1,第2スタートレバーセンサ241,242の検出レベルを読み込み(ステップS201)、次いで、スタートレバー135が適正に操作されたときの第1,第2スタートレバーセンサ241,242の検出レベルよりなる開始パターンデータを設定し(ステップS303)、上記ステップS301で読み込んだ第1,第2スタートレバーセンサ241,242の検出レベルが開始パターンに一致しているか否かの判定を行う(ステップS303)。
上記ステップS303において、ポートデータから読み込んだ第1,第2スタートレバーセンサ241,242の検出レベルが開始パターンに一致していないと判定された場合には、不正な電波を放射する電波ゴトが行われた場合における第1,第2スタートレバーセンサ241,242の検出レベルよりなるエラーパターンを設定し(ステップS304)、上記ステップS301で読み込んだ第1,第2スタートレバーセンサ241,242の検出レベルがエラーパターンに一致しているか否かの判定を行う(ステップS305)。読み込んだ第1,第2スタートレバーセンサ241,242の検出レベルがエラーパターンとも一致していなければ、再びステップS301の処理へ戻る。
一方、上記ステップS303において、第1,第2スタートレバーセンサ241,242の検出レベルが開始パターンデータと一致していると判定された場合、すなわち、スタートレバー135が適正に操作されたときの検出状態(第1スタートレバーセンサ241がONで第2スタートレバーセンサ242がOFF)に一致する場合には、リール回転開始を設定する(ステップS306)。これにより、上述した内部実行処理におけるステップS103の内部抽選処理へ移行するのである。
しかしながら、上記ステップS304において、第1,第2スタートレバーセンサ241,242の検出レベルがエラーパターンデータと一致していると判定された場合、すなわち、第1,第2スタートレバーセンサ241,242を検出状態にする不正な電波が照射されたときの検出状態(第1スタートレバーセンサ241および第2スタートレバーセンサ242が共にON)に一致する場合には、エラー発生を報知したり遊技続行を不能とするエラー処理を行う(ステップS307)。
このように、第2例のスタートレバー受付処理においても、非操作状態から操作状態への適正な操作を、第1,第2スタートレバーセンサ241,242の各検出レベルの組合せである開始パターンで判定し、適正なレバー操作に基づいて開始パターンと一致する第1,第2スタートレバーセンサ241,242の各検出レベルの組合せが取得されない限り、ステップS306のリール回転開始の設定が実行されず、電波ゴトによって遊技が進行されることを効果的に防止できるのである。
加えて、不正な電波を照射することで第1,第2スタートレバーセンサ241,242が同時にON(或いは同時にOFF)となった場合には、第1,第2スタートレバーセンサ241,242の各検出レベルの組合せがエラーパターンと一致し、ステップS309のエラー処理が実行されるので、電波ゴトに対する遊技店の迅速な対応を促すことができる。このエラー処理として、不正操作が行われた旨の報知(各種ランプによる可視表示やスピーカからの音声出力等による可聴報知)を行う不正報知手段としての機能は、主制御部300および福制御部400が共同することで実現される。
なお、スタートレバー受付処理は上記の2例に限定されるものではなく、スタートレバー135の操作に伴って検出状態が変化する複数の検出手段からの検出情報に基づいて、適正な操作か否かを判別できれば良い。例えば、スタートレバーユニット200の把握部210を遊技者が押し下げ或いは押し上げることで、第1,第2スタートレバーセンサ241,242の検出状態が変化する順番も含めた変化パターンと比較することで、より厳密に適正操作の判別を行うようにしても良い。
また、検知部材260の第1,第2遮光部261,261を同一の鉛直面内に配置し、これを第1,第2スタートレバーセンサ241,242によってON/OFFさせる構成に限定されるものではなく、例えば、複数の遮光部を夫々異なる鉛直面内に配置し、各遮光部によってON/OFFさせ得るように各スタートレバーセンサを配置するものでも良い。
具体的には、図10に示すように、検知部材260′の後端側には、第1,第2スタートレバーセンサ241,242に衝接することのない位置で左右両側に延出する側板部265を設け、該側板部265の一側端部より後方へ第1遮光部266aを延出させると共に、側板部265の他側端部より後方へ第2遮光部266bを延出させる。従って、第1遮光部266aと第2遮光部266bとは、可動軸211の揺動に応じて、各々異なる鉛直面内で上下動することとなる。
そして、第1遮光部266aが上下動する鉛直面と、第1スタートレバーセンサ241の投光腕部241aに設けた発光素子から受光腕部241bに設けた受光素子へ至る光軸が直交するように第1スタートレバーセンサ241を配置すると共に、第2遮光部266bが上下動する鉛直面と、第2スタートレバーセンサ242の投光腕部242aに設けた発光素子から受光腕部242bに設けた受光素子へ至る光軸が直交するように第2スタートレバーセンサ242を配置することで(特に、図10(b)を参照)、第1スタートレバーセンサ241と第2スタートレバーセンサ242が第1遮光部266aと第2遮光部266bを各々個別に検出できるようになる。なお、第1スタートレバーセンサ241の投光腕部241aの直下方に第2スタートレバーセンサ242の受光腕部242bが位置するように、第1スタートレバーセンサ241と第2スタートレバーセンサ242は、上下に位置をずらして配設した。
さらに、第1遮光部266aと第2遮光部266bとは、それぞれ水平方向の配設位置も異ならしめ、縦方向の幅がaである第1遮光部266aの下縁から距離bを隔てて、縦方向の幅がcである第2遮光部266bの上縁が位置するようにした(特に、図10(c)を参照)。これらa〜cの値を適宜に設定することで、非操作時および操作時における第1スタートレバーセンサ241と第2スタートレバーセンサ242の検出状態を任意に設定することができるので、上述したと同様に、その変化パターンから適正操作か電波ゴトかを判別することが可能となる。
なお、第1スタートレバーセンサ241のみに作用する第1遮光部266aと第2スタートレバーセンサ242のみに作用する第2遮光部266bは、互いに他方のセンサに影響しないことから、例えば、一方の遮光部が常にスタートレバーセンサの光軸を遮るOFF状態を保持するように縦方向の幅を設定しておき、他方の遮光部の上下動に応じたスタートレバーセンサの検出出力の変化パターンを適正操作の判別に用い、常時OFFであるはずのスタートレバーセンサがONに変化した場合には、電波照射による不適正な操作であると判別するようにしても良い。
〈スタートレバーユニットの第2構成〉
図11に示すのは、3つの検出手段として、第1スタートレバーセンサ241,第2スタートレバーセンサ272,第3スタートレバーセンサ273を備える第2構成例のスタートレバーユニット200′の概略縦断面図である。なお、第2構成例において、第1構成例に係るスタートレバーユニット200と同一の構成には、同一符号を付して説明を省略する。
このスタートレバーユニット200′においては、可動軸211の後端に取り付けた検知部材280に1つの遮光部281を設け、可動軸211の揺動に応じて遮光部281が鉛直面内を往復動作する際に、第1〜第3スタートレバーセンサ271〜273の検出部位である検出用光軸を遮蔽し得るように配置したものである。具体的には、最上部に第1スタートレバーセンサ271を、真ん中に第2スタートレバーセンサ272を、最下部に第3スタートレバーセンサ273を配置し、可動軸211がほぼ水平方向に位置する非操作時においては、遮光部281が第2スタートレバーセンサ272の光軸を遮蔽してONとし、第1,第3スタートレバーセンサ271,273は遮光部281に光軸を遮蔽されることなくOFF状態を保持する(図12の非操作状態を参照)。
上記のような非操作状態から、遊技者が把握部210を下方に押し下げて操作状態とした場合には、遮光部281が第2スタートレバーセンサ272の光軸よりも上方へ移動して第2スタートレバーセンサ272がOFFに変化し、更に遮光部281が上方へ移動して第1スタートレバーセンサ271の光軸を遮蔽する部位に到達することで第1スタートレバーセンサ271がONに変化する(図12の正常操作1を参照)。すなわち、第1スタートレバーセンサ271がOFFからONへ変化し、第2スタートレバーセンサ272がONからOFFへ変化し、第3スタートレバーセンサ273がOFFを保持したままであることを正常操作の判別用変化パターンとすれば、把握部210が下方に押し下げられた正常操作を主制御装置300において判別できる。
一方、上記のような非操作状態から、遊技者が把握部210を上方に押し上げて操作状態とした場合には、遮光部281が第2スタートレバーセンサ272の光軸よりも下方へ移動して第2スタートレバーセンサ272がOFFに変化し、更に遮光部281が下方へ移動して第3スタートレバーセンサ273の光軸を遮蔽する部位に到達することで第3スタートレバーセンサ273がONに変化する(図12の正常操作2を参照)。すなわち、第1スタートレバーセンサ271がOFFを保持したままで、第2スタートレバーセンサ272がONからOFFへ変化し、第3スタートレバーセンサ273がOFFからONへ変化したことを正常操作の判別用変化パターンとすれば、把握部210が上方に押し下げられた正常操作を主制御装置300において判別できる。
しかしながら、第1〜第3スタートレバーセンサ271〜273が誤動作する電磁波を放射する電波ゴトが行われた異常状態においては、第1〜第3スタートレバーセンサ271〜273が同時にONとなるだけで、適正操作に伴う第1〜第3スタートレバーセンサ271〜273の適正な検出状態の変化パターンを再現できないので、不正行為に基づく異常状態が主制御装置300において適正操作と誤判別されることはない。
〈スタートレバーユニットの第3構成〉
図13に示すのは、1つの操作検出手段としてスタートレバーセンサ291を、2つの付勢検出媒体検出手段として第1受光素子292a,第2受光素子292bを備える第3構成例のスタートレバーユニット200″の概略縦断面図である。なお、第3構成例において、第1構成例に係るスタートレバーユニット200或いは第2構成例に係るスタートレバーユニット200′と同一の構成には、同一符号を付して説明を省略する。
スタートレバーセンサ291は、スタートレバーユニット200″の非操作時(可動軸211がほぼ水平状態にあるとき)に、1つの被検出部である遮光部281が光軸を遮蔽することでON状態となり、遊技者により把握部201が押し下げ或いは押し上げられて遮光部281が上方或いは下方へ移動することでOFF状態となる。
一方、第1受光素子292aおよび第2受光素子292bは、上記スタートレバーセンサ291の光軸を形成する発光素子が照射する波長域の電磁波(検出媒体)を検出する受光部を前面側に向けて配置したもので、把握部211の操作による遮光部281の往復動作によってON状態となることはないが、遮光部281がスタートレバーセンサ291の光軸を遮蔽している非操作時に、スタートレバーセンサ291をON状態にさせる不正な電磁波がスロットマシン100の前面側より照射されると、第1,第2受光素子292a,292bの両方(或いは一方)がON状態に変化することとなる。
すなわち、第1,第2受光素子292a,292bがOFFを保持したままで、スタートレバーセンサ291がOFFからONへ変化したことを正常操作の判別用変化パターンとすれば、把握部210が押し下げ或いは押し上げられた正常操作を主制御装置300において判別でき、スタートレバーセンサ291が誤動作する電磁波を放射する電波ゴトが行われた異常状態においては、第1,第2受光素子292a,292bの両方或いは一方がONになってしまい、適正操作に伴うスタートレバーセンサ291および第1,第2受光素子292a,292bの適正な検出状態の変化パターンを再現できないので、不正行為に基づく異常状態が主制御装置300において適正操作と誤判別されることはない。
なお、ゴト行為による不正電波検出用の受光素子は2つに限らず、1つのみ設ける構成でも良い。しかしながら、検出媒体として用いる電磁波の周波数が有する直進性・透過性等から、不正電波検出用の受光素子に検出されることなくスタートレバーセンサ291のみをONさせてしまう可能性が無いとは言えないので、本構成例の如く、上下2個、或いは3個以上の受光素子を、スタートレバーセンサ291の近傍であって、被検出部たる遮光部281の変動を阻害しない部位に設けておくことは有効である。また、本構成例の受光素子を上述した第1構成例のスタートレバーユニット200や第2構成例のスタートレバーユニット200′に適用して、電波ゴトの検出をより確実に行えるようにしても良い。
以上、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳述したが、本発明の包摂範囲は、これらの構成のみに限定されるものではない。例えば、上述したスタートレバー135のように操作部の操作によって被検出部が円弧上を往復動作するものに限らず、停止ボタン136a〜136c等の押しボタン式スイッチの操作によって、被検出部がほぼ一直線上を往復動作する検出手段にも適用できる。斯くする場合は、被検出部の往復動作方向に位置を異ならせて検出手段としてのフォトインタラプタを複数設けておき、その光軸を遮蔽する遮蔽部と光軸を遮蔽しない透過部とを被検出部の往復動作方向へ交互に設けておけば、ストップスイッチの操作に応じて各フォトインタラプタから得られる検出状態の変化パターンを適正操作か否かの判別に用いることができる。