JP2006216650A - 磁性素子および磁性素子の製造方法 - Google Patents

磁性素子および磁性素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】磁性素子の諸特性の温度特性を安定させること。
【解決手段】導体を巻回することにより形成されるコイル20と、磁性材料から構成されると共に、コイル20で生じる磁束を通過させるEPコア12a,12bと、EPコア12a,12bのうち、互いに対向するEPコア12a,12bの間に設けられると共に、セラミックス材料または樹脂材料を具備して構成される固体部16とを具備し、固体部16は、対向するEPコア12a,12bのそれぞれの対向面に接触していると共に、この固体部16は、その厚み寸法が3μm以上から30μm以下の範囲内に設けられている
【選択図】 図1

Description

本発明は、インダクタ、ノイズフィルタ、トランス等の電子部品に使用される磁性素子のおよび磁性素子の製造方法に関する。
近年、電子機器および電子部品には、高性能化、小型化、安全性の向上等に対する要求が強まっている。特に磁性素子は、信号の伝達、電源の整流等のような電子機器を動作させるにあたり重要な用途で用いられることが多い。このため、高性能化、小型化はもちろん、一層の安全性の確保も求められている。
磁性素子の性能および安全性を低下させたり、阻害される要因としては、使用環境下における温度変化(温度負荷ともいう。)が大きな要因の一つとしてあげられる。例えば、常温のように温度負荷が比較的軽微な状態において磁性素子を使用する場合、安全性が低下する虞れは低い。しかしながら、磁性素子が搭載された電子機器を、高い温度環境下にて使用する場合、あるいは磁性素子自身が比較的大電流を伴う電源回路等に実装される場合等においては、磁性素子の諸特性が不安定となることも多い。このような場合、磁性素子には、回路、機器において熱暴走や誤作動が発生する恐れが生じる。このため、磁性素子には温度負荷が加わる場合でも、温度特性が安定していることが求められている。
従来から、磁性素子には、コイルと、少なくとも2つ以上の磁性コアと、を有するタイプが存在する。かかるタイプの磁性素子は、上記磁性コア同士を突き合わせる配置を有しているため、直接、磁性コアの端面(磁路と直行する底面)同士が接触する状態となる。しかしながら、突き合わせている端面を微視的に観察した場合、研磨傷または磁性体の焼き肌等による無数の凹凸が存在している。それにより、突き合わされている端面は、当該端面の全体で接触しておらず、部分的に接触する状態となっている。このため、上記磁性素子が温度負荷を受ける場合、磁性コアの膨張および収縮等の理由により、微小な凹凸部分での接触の割合に変化が生じ、それによって諸特性の温度による変化(諸特性の温度特性)が悪化するという問題を有していた。
上記問題を解決するためには、磁性コアの端面をできる限り平坦にすることが有効である。一般的には、精密切削または研磨等に加え、化学研磨法等を用いることにより平坦な端面を得るという手段が挙げられ、端面の凹凸は最も小さい状態で3μm高低差まで抑えることが可能である。しかしながら、上記の手段は、切削機器および研磨機器に高精度が要求されると共に、一連の工程に要する時間も大幅に増大するために、コスト、工程時間等の面において製品の量産には容易に採用することができない。このため、上記のような問題を改善する技術として、例えば特許文献1のようなものが知られている。
特許文献1記載の磁性素子では、磁心において磁路が形成される箇所の少なくとも1箇所以上に、切削や研磨等の手段によりギャップを形成し、当該ギャップに希土類磁石、すなわち永久磁石粉末と樹脂との混合物とからなるボンド磁石を挿入している。それによって諸特性に係る温度特性の向上を図っている。
特開2004−103658号公報(図5、図6)
しかしながら、特許文献1記載の磁性素子では、ボンド磁石を挿入できるギャップを設けるにあたり切削や研磨等の工程を必要としていて、さらにかかる工程を個々の部品において作業を行う必要がある。このため特許文献1記載の磁性素子では、生産性が極めて低いものとなる。また、特許文献1記載の磁性素子では、フェライト等の磁心に流れる磁束の向きに対し、反対方向に磁力を発生するよう永久磁石が配置されている。このため、インダクタンス部品を実装する際に方向性に注意を要するばかりか、仮に電流の入力方向が逆になった場合、磁束と磁力の向きが同一となり、温度特性に悪影響を及ぼすといった問題も生じる。
本発明は上記の事情にもとづきなされたもので、その目的とするところは、温度変化が生じても諸特性の変化を抑えることができ、安定した温度特性を備える磁性素子および磁性素子の製造方法を提供しようとするものである。
上記課題を解決するために、本発明の磁性素子は、導体を巻回することにより形成されるコイルと、磁性材料から構成されると共に、コイルで生じる磁束を通過させる複数のコア部材と、複数のコア部材のうち、互いに対向するコア部材の間に設けられると共に、非磁性かつ絶縁性の材質を具備して構成される温度特性調整手段と、を具備し、温度特性調整手段は、対向するコア部材のそれぞれの対向面に接触していると共に、この温度特性調整手段は、その厚み寸法が3μm以上から30μm以下の範囲内に設けられているものである。
このように構成した場合には、互いに対向するコア部材の間には温度特性調整手段が配置されているため、この温度特性調整手段の存在によりコア部材の端面は互いに温度特性調整手段に対して密着した状態となっている。このため、突き合わされるコア部材同士が、部分的にしか接触せず、非接触の部分が大部分となるといった事態が生じるのを防止することができる。このため、磁性素子の諸特性における温度特性の安定化を図ることが可能となる。また、磁性素子の諸特性における温度特性の安定化が確保されることにより、同仕様にて製造される製品の諸特性における温度特性のばらつきも改善され、当該製品の品質を向上させることができる。また、本発明における温度特性調整手段の厚み寸法を3μm以上から30μm以下に限定することにより、高精度の温度特性調整手段を精密切削、研磨および化学研磨法等を用いることなく、容易にかつ低コストで得ることが可能である。また、透磁率の低下を抑えながら、磁気飽和が生じにくい状態にすることができる。
また、他の発明は、上述の発明に加えて更に、温度調整手段は、セラミック材料、樹脂材料またはセラミック材料と樹脂材料とを混合した混合材を成分としたものである。このように構成した場合には、温度調整手段を構成する薄膜または粉末を、1つの工程において大量に生産することが可能となる。そのため、切削、研磨等を行う場合と比較して、工数の増大やコストの増加を抑えることができると共に、高精度の寸法範囲にて温度調整手段を形成することが可能となる。そのため、磁性素子の製造コストが低減されると共に、温度調整手段の品質も向上させることができる。
さらに、本発明の磁性素子は、複数のコア部材の表面に薄膜を形成する薄膜形成ステップと、導体を巻回することにより形成されるコイルをコア部材に設置させるコイル設置ステップと、薄膜形成ステップにより薄膜が形成されたコア部材を、該薄膜が露出する状態で、少なくとも2つ以上の磁性コア保持治具に保持させる保持ステップと、露出状態にある薄膜が対向する状態で、2つ以状の磁性コア保持治具を互いに接近させ、対向状態にある薄膜を押圧して互いに接近させる接触ステップと、接触ステップ後、磁性コア保持治具を介してコア部材に振動を与え、接触状態にある薄膜同士を互いに融着させる融着ステップと、からなる製造方法により製造されている。
このような製造方法を採用することにより、磁性素子は、コア部材を押圧した状態で、コア部材に振動を加えることによって、コア部材に形成された薄膜が熱融着されることとなる。したがって、融着完了後には、薄膜部同士がムラなく固着することとなり、磁性素子において個々の突き合わされたコア部材を固定するためにテープを巻きつける必要がなくなり、工数を削減することができる。また、磁性コア保持治具に、多数のコア部材を保持させることで、大量に融着を実行することができ磁性素子を大量に生産することが可能となる。そのため、製造工数、工数時間およびコストの大幅な削減が可能となる。
本発明によると、磁性素子の諸特性における温度特性を安定させることが可能となる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態に係る磁性素子10について、図1および図2に基づいて説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る磁性素子10の構成を示す図であり、(a)は、その側面から見た透視図であり、(b)は、(a)におけるA−A線で切断した正面方向から見た断面図である。また、図2は、図1(a)中の矢示Bで示した部分の拡大図である。また、図1(a)において、一端側とは右側を指し、他端側とは左側を指すものとする。
磁性素子10は、図1(a)に示すように、左右対称の2つのEPコア12a,12bとから構成される磁性コア体12と、EPコア12aとEPコア12bとの間に配置される、温度特性調整手段としての固体部16と、磁性コア体12に設けられる磁芯18に巻回されるコイル20とから主に構成されている。なお、それぞれのEPコア12a,12bは、コア部材に相当する。
磁性コア体12は、左右対称のEPコア12a,12bを突き合わせることによって構成されている。EPコア12a,12bにおけるEPコア12aの形状は、図1に示すように、下面12c側および図1(a)における一端側の端面12eが開口となるように、略半円柱状にくり抜かれている(以下、このくり抜き部分を、凹部120とする。)。そして、凹部120のうち、他端側の壁面12dから一端側の端面12eに向かって円柱形状の磁芯18aが突出している。なお、EPコア12bの形状は、EPコア12aと左右対称の形状をなしている。以下の説明では、EPコア12bのうち磁芯18aに相当する磁芯を磁芯18bとする。
また、EPコア12aの一端側の端面12eとEPコア12bの他端側の端面12fとの間には、3μm以上〜30μm以下の厚み寸法範囲の間隔を有する固体部16が設けられている。
すなわち、EPコア12aの端面12eとEPコア12bの端面12fとには、固体部16が突き合わされた状態となっている。固体部16は、例えば、アルミナまたはシリカ等のセラミック材料の粉末若しくはエポキシ系樹脂またはシリコン系樹脂等の薄膜から形成されている。また、固体部16は、非磁性かつ絶縁性となる材質であれば、上述の材質以外の材質であっても良い。
また、薄膜からなる固体部は、PVD技術を用いたイオンプレーティング、真空蒸着、イオンビーム蒸着等の蒸着、印刷塗膜法、静電塗装または静電塗膜法等によって形成される。それによって、固体部16は、端面12e,12fの凹凸を埋める状態で入り込んでいる(図2参照)。また、薄膜からなる固体部16を形成するにおいて、他の手法を採用するようにしても良い。本実施の形態では、EPコア12aの端面12eに、上述の各手法によって薄膜からなる固体部16が形成される。そして、固体部16が形成されたEPコア12aと固体部16が形成されていないEPコア12bとが突き合わされる。図2に示すように、EPコア12aとEPコア12bとが突き合わされた状態では、固体部16の他端側と一端側の両側の側面は、各端面12e,12fと密着する状態で接触している。また、固体部16をEPコア12bの端面12fのみに形成するようにしても良いし、固体部16を半分の厚さとして、EPコア12a,12bの双方の端面12e,12fに形成するようにしても良い。
また、磁性コア体12の磁芯18には、エナメル等の絶縁皮膜で覆われた導体20aが巻回されている。それによって、磁芯18aの外周面には、磁性コア体12に磁束を励起するコイル20が配置されている。このコイル20に電流を流すことによって、磁束が発生し、磁芯18を当該磁束が通過することとなる。このコイル20の磁性コア体12への取り付けは、予め所望の巻数に空芯巻回されたコイル20の空芯部を、EPコア12a,12bの磁芯18a,18bのいずれか一方に挿通し、その後、他方のEPコア12b,12aの磁芯18b,18aを、コイル20の空芯部に挿通し、EPコア12a,12bを互いに突き合わせる、あるいは、巻枠部の両端に鍔部を有し、EPコア12a,12bの磁芯18a,18bを挿通する挿通孔を有したボビン部材の巻枠部へコイル20を巻回し、EPコア12a,12bの磁芯18a,18bに挿通して、EPコア12a,12bを互いに突き合わせる等の手段によって行われる。また、EPコア12aとEPコア12bを突き合わせた後、磁性素子10の外周をテープで巻く。それによって、EPコア12aとEPコア12bとが互いに固定される。このようにして磁性素子10は形成される。
以上のように構成された磁性素子10では、EPコア12aとEPコア12bの間には、固体部16が設けられている。しかも、EPコア12aおよびEPコア12bは、互いに固体部16に対して密着した状態となっている。このため、EPコア12aとEPコア12bとは、互いに接触することがなく、これらが互いに部分的にしか接触せずに、非接触の部分の割合が大きくなる、といった事態が生じるのを防ぐことができる。この固体部16の存在により、EPコア12a,12bの接合状態が不確実な(温度変化により、端面12e,12fの微視的な凹凸の接触状態が変化する)場合に比べ、磁性素子10の諸特性における温度特性の安定化が図られることとなる。また、磁性素子10の諸特性における温度特性の安定化が確保されることにより、同仕様にて製造された製品の諸特性における温度特性のばらつきも改善され、当該製品の品質を向上させることができる。さらに、固体部16の寸法範囲を3μm以上〜30μm以下に限定することにより、透磁率の低下を抑えながら、磁気飽和が生じにくい状態にすることができる共に、インダクタンス、インピーダンス等の値の低下も抑えられる。
また、磁性素子10では、固体部16は、セラミック材料または樹脂材料から構成されている。そのため、固体部16を薄膜形成技術を用いて形成することができ、1つの工程において大量に同品質の固体部16を生産することが可能となる。よって、切削、研磨等を行う場合と比較して工数の増大やコストの増加を抑えることができると共に、高精度の寸法範囲にて固体部16を形成することが可能となる。そのため、磁性素子10の製造コストを低減させることができ、固体部16の品質も向上させることができる。
また、磁性素子10では、固体部16が、EPコア12a,12bの端面12e,12fと直接接触している。このため、磁性素子10が温度負荷を受ける(温度変化が生じる)ことによって、EPコア12a,12bに熱膨張または熱収縮が生じた場合でも、固体部16が当該熱膨張または熱収縮を緩和するように働くものと考えられる。そのため安定した諸特性における温度特性が得られることとなり、磁性素子10の諸特性における温度特性にばらつきが発生するのを防止することができる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態に係る磁性素子40について、以下に説明する。なお、本実施の形態においては、磁性素子40の概略構成は図1に示すものと同様であるため、その説明を省略する。また、第1の実施の形態と同一の部材、同一の部分には同一の符号を付すと共にその説明を省略または簡略化する。なお、第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様な構成となっているため、第1の実施の形態との相違部分について述べることとする。
図3は、図1(a)中の矢示Bで示した部分の拡大図である。また、図4は、温度特性調整手段としての固体部42を構成する粉末42aを最大粒子径約15μmのアルミナ粉末とした場合の磁性素子40の温度とインダクタンスの温度特性との関係を示す図である。
なお、磁性素子40は、第1の実施の形態の固体部とは微視的な構成の異なる固体部42を有している。
磁性素子40においても、第1の実施の形態と同様に、EPコア12aの一端側の端面12eとEPコア12bの他端側の端面12fとの間には、3μm以上〜30μm以下の厚み寸法範囲の間隔を有する固体部42が設けられている。ここで、第2の実施の形態では、固体部42は、3μm以上〜30μm以下の寸法範囲の粉末を、EPコア12aの一端側の端面12eおよびEPコア12bの他端側の端面12fに直接付着させることにより構成されている。すなわち、EPコア12aとEPコア12bとを突き合わせた状態では、図3に示されるように、固体部42は、端面12eおよび端面12fに直接付着させた多数の粉末42aを有する状態となっている。
また、EPコア12aとEPコア12bとを突き合わせて磁性コア体12を形成するときは、EPコア12aまたはEPコア12bのどちらか一方若しくは双方に粉末42aを付着させ、その状態でEPコア12aとEPコア12bとを突き合わせている。粉末42aは、例えば、アルミナまたはシリカ等のセラミック材料の粉末若しくはエポキシ系樹脂またはシリコン系樹脂等の粉末から構成されている。なお、粉末42aは、非磁性かつ絶縁性となる材質であれば他の材質であっても良い。また、粉末42aの形状は、粒子最大径が3μm以上〜30μm以下の範囲であれば特に限定はされない。
また、粉末42aは、それ自体が有する付着力(例えば、摩擦力等)によって、またはEPコア12aおよびEPコア12bに静電気を帯電させることによって、端面12eおよび端面12fに付着させられる。本実施の形態では、図3に示すように、EPコア12aとEPコア12bとが突き合わされた状態では、固体部42は、EPコア12a,12bの端面12e,12fと直接的に接している。なお、本実施の形態では、端面12e,12fは、粉末42aに対して部分的に接触する状態となっている。しかしながら、本実施の形態においても、端面12eと端面12fとは、直接接触せず、互いに離れた状態となっている。
また、本実施の形態においてもEPコア12aとEPコア12bを突き合わせて固体部42を端面12e,12fに接触させた後、磁性素子40の外周をテープで巻くことによって、EPコア12aとEPコア12bとが互いに固定される。
以上のように構成された、磁性素子40では、磁性コア体12には、粉末42aを直接付着させた固体部42が設けられている。しかも、EPコア12aおよびEPコア12bは、固体部42に対して接触する状態に設けられている。そのため、EPコア12aとEPコア12bとは互いに接触することなく、これらが互いに部分的にしか接触せず、非接触の部分の割合が大きくなる、といった事態が生じるのを防ぐことができる。そのため、EPコア12a,12bの接合状態が不確実な場合に比べて磁性素子40の諸特性における温度特性の安定化が図られることとなる。また、磁性素子40の諸特性における温度特性の安定化が確保されることにより、同仕様にて製造された製品の諸特性における温度特性のばらつきも改善され、当該製品の品質を向上させることができる。さらに、固体部42の寸法範囲および粉末42aの最大径を3μm以上〜30μm以下に限定することにより、透磁率の低下を抑えながら、磁気飽和が生じにくい状態にすることができる共に、インダクタンス、インピーダンス等の値の低下も抑えられる。
また、磁性素子40では、固体部42は、セラミックまたは樹脂を材料とする粉末42aから構成されている。そのため、付着力を利用して粉末42aからなる固体部42を形成することにより、1つの工程において大量に同品質の固体部42を形成することが可能となる。よって、切削、研磨等を行う場合と比較して、工数の増大やコストの増加を抑えることができると共に、高精度の寸法範囲にて固体部42を形成することが可能となる。そのため、磁性素子40の製造コストを低減されることができ、固体部42の品質も向上させることができる。
また、磁性素子40では、固体部42が、EPコア12a,12bの端面12e,12fと直接接触するようにしているため、磁性素子40が温度負荷を受ける(温度変化が生じる)ことにより、EPコア12a,12bが熱膨張または熱収縮した場合でも、固体部42が当該熱膨張または熱収縮を緩和するように働くものと考えられる。そのため安定した諸特性における温度特性が得られることとなり、磁性素子40の諸特性における温度特性にばらつきが発生するのを防止することができる。
なお、図4に、固体部42を構成する粉末42aの最大粒子径を約15μmとすると共に、粉末42aをアルミナ粉末とした場合の磁性素子40の温度とインダクタンスの温度特性との関係を示す。ここで、破線は従来品(磁性コア間に固体部42を配置せず、直接突き合わせたもの)のサンプル5個の実験結果を表し、実線は上述のアルミナ粉末構成される固体部42を備える磁性素子40のサンプル5個の実験結果を表している。この結果として、従来品は、個々におけるインダクタンスの温度特性が大きく異なり、特に温度負荷が大きくなる20℃以上の環境下では、特性は不安定なものとなっている。一方、磁性素子40のサンプル5個については、特性を示す曲線はほぼ同じとなっており、品質が安定したものとなっている。
図4の結果より、固体部42を有さず磁性コア同士を突き合わせた場合、その突き合わせの端面には、研磨傷または磁性体の焼き肌等による凹凸が残存している。磁性コア同士を直接的に突き合わせた場合は、接触する部位と離隔する部位とが混在した状態となっている。このため、熱により磁性コアが膨張または収縮すると、接触していた部分が離隔し、または離隔していた部分が接触するといった現象が起こり、しかも、接触/離隔部分は、各磁性体ごとにばらつく、と想定される。このため、インダクタンスの温度特性の変化にばらつきが生じたものと考えられる。
一方、磁性素子40の場合、図3より、双方のEPコア12a,12bの間に固体部42を有している。そのため、EPコア12a,12b同士が直接接触することにより、EPコア12a,12b同士が部分的にしか接触していない、という状態が生じるのを防ぐことができる。また、固体部42は、熱によってEPコア12a,12bが膨張または収縮するのを緩和するように作用し、かつ規定の寸法にてEPコア12a,12b同士を離隔するようにも作用すると考えられる。また、図4には、磁性素子40のインダクタンスの温度特性のみしか現されていないが、例えば、直流重畳特性、コアロスまたは品質係数等の温度特性の安定化も得られるものと考えられる。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態に係る磁性素子60について、以下説明する。なお、本実施の形態においては、磁性素子60の概略構成は図1に示すものと同様であるため、その説明を省略する。また、第1の実施の形態と同一の部材、同一の部分には同一の符号を付すと共にその説明を省略または簡略化する。なお、第3の実施の形態では、第1の実施の形態と同様な構成となっているため、第1の実施の形態との相違部分について述べることとする。また、図5は、図1(a)中の矢示Bで示した部分の拡大図であり、(a)は、EPコア12a,12bの双方にコーティング部62aを形成し、一方のコーティング部62aへ粉末62cを付着させて固体部62を形成した場合を示す図であり、(b)は、EPコア12a,12bの一方に粉末62cを付着させ、他方にコーティング部62aを形成させて固体部62を形成した場合を示す図である。(c)は、コーティング材料62aと粉末62cを混錬させて固体部62を形成した場合を示す図である。また、第1の実施の形態と同一の部材、同一の部分には同一の符号を付すと共にその説明を省略または簡略化する。なお、第3の実施の形態では、第1の実施の形態と同様な構成となっているため、第1の実施の形態との相違部分について述べることとする。また、図6(a)において、一端側とは右側を指し、他端側とは左側を指すものとする。
磁性素子60は、第1の実施の形態の固体部16および第2の実施の形態の固体部42とは微視的な構成の異なる、温度特性調整手段としての固体部62を有している。
この磁性素子60においても、第1の実施の形態と同様に、EPコア12aの一端側の端面12eとEPコア12bの他端側の端面12fとの間には、3μm以上〜30μm以下の厚み寸法範囲の間隔を有する固体部62が設けられている。ここで、本実施の形態では、固体部62は、コーティング部62aと、3μm以上〜30μm以下の寸法範囲の粉末部62bとから形成されており、次の3つの態様に分類される。
第1の態様は、図5(a)に示すように、EPコア12a,12bの双方にコーティング部62a,62aを形成し、そのうち一方のコーティング部62aへ粉末62cを付着させ、その状態で双方のEPコア12a、EPコア12bを突き合わせて固体部62を形成した場合である。第2の態様は、図5(b)に示すように、EPコア12aに粉末62cを付着させ、EPコア12bにコーティング部62aを形成し、EPコア12aとEPコア12bとを互いに突き合わせて固体部62を形成した場合である。第3の態様は、図5(c)に示すように、コーティング部62aを構成する材料と粉末62cを混錬させて固体部62を形成した場合である。
第1の態様では、端面12eおよび端面12fの双方に、薄膜状のコーティング部62a,62aを形成し、その後、コーティング部62a,62aのどちらか一方に粉末62cを付着させて粉末部62bを形成する。その後、コーティング部62aのみが形成されたEPコア12a,EPコア12bと、コーティング部62aおよび粉末部62bの双方が形成されたEPコア12b,EPコア12aとを突き合わせて固体部62を形成している。第1の態様において、EPコア12aとEPコア12bとを突き合わせた状態では、図5(a)に示されるように、EPコア12aの端面12eおよびEPコア12bの端面12fに、コーティング部62a,62aが直接接触する状態となっている。さらに、コーティング部62a,62aの端面には、多数の粉末62cが付着した状態となっている。したがって、端面12eおよび端面12fは、固体部62を形成するコーティング部62a,62aに密着した状態で接触している。
第2の態様では、端面12eに粉末62cを付着させて粉末部62bを形成し、端面12fに薄膜となるコーティング部62aを形成した後、粉末部62bが形成されたEPコア12aとコーティング部62aが形成されたEPコア12bとを突き合わせ、固体部62を形成している。図5(b)に示すように、第2の態様において、EPコア12aとEPコア12bとを突き合わせた状態では、端面12eには粉末部62bが直接接触し、端面12fにはコーティング部62aが直接接触している。また、コーティング部62aのうち、EPコア12aと対向する側の端面には多数の粉末62cが接触した状態となっている。
第3の態様では、流動性を有すると共に硬化後にコーティング部62aを構成するコーティング材料と、粉末62cを混錬して混錬材を形成した後、印刷塗膜法を用いて、当該混錬材の塗膜を端面12eまたは端面12fのどちらか一方に形成させる。その後、当該塗膜が形成されたEPコア12aまたはEPコア12bと、当該塗膜が形成されていないEPコア12bまたはEPコア12aとを突き合わせることにより固体部62を形成している。図5(c)に示すように、第3の態様において、EPコア12aとEPコア12bとを突き合わせた状態では、端面12eおよび端面12fには、固体部62が直接接触しているが、この固体部62は、コーティング部62aに粉末62cが混在する状態となっている。なお、混錬材の塗膜の厚さが半分となるように、端面12eおよび端面12fの双方に混錬材の塗膜を形成し、その後、当該塗膜が形成されたEPコア12aとEPコア12bとを突き合わせて固体部62を形成するようにしても良い。
第1から第3の態様において、固体部62を形成するコーティング部62aは、流動性を有するエポキシ樹脂、アクリル樹脂等、種々の樹脂系材料を用いることが可能である。粉末部62bを形成する粉末62cは、第1および第2の実施の形態の場合と同様に、例えば、アルミナまたはシリカ等のセラミック材料の粉末若しくはエポキシ系樹脂またはシリコン系樹脂等の粉末を用いることが可能である。なお、固体部62を構成するコーティング部62aおよび粉末部62bの材質は、非磁性かつ絶縁性となる材質であれば上述の材質には限られず、他の材質であっても良い。また、コーティング部62aと粉末部62bの位置関係および配置構成は、第1から第3の態様に記載したものであり、かつ固体部62の寸法範囲が3μm以上〜30μm以下の範囲であれば特に限定はされない。
また、コーティング部62aとなる薄膜は、印刷塗膜法に限らずに、その他PVDやイオンプレーティング等の蒸着、静電塗装または静電塗膜法等によって形成してもよい。また、薄膜が形成されれば、上述の手段に限らずに、他の手段を採用しても良い。また、粉末62cは、それ自体が有する付着力(例えば摩擦力)によって、またはEPコア12aおよびEPコア12bに静電気を帯電させることによって端面12e、端面12fまたはコーティング部62aの端面に付着させている。
また、本実施の形態においても、EPコア12aとEPコア12bを突き合わせた後、磁性素子60の外周をテープで巻くことによって、EPコア12aとEPコア12bとが互いに固定される。
以上のように構成された磁性素子60では、磁性コア体12には固体部62が設けられている。また、上述の3つの態様では、固体部62の側面は、コーティング部62a、粉末部62bまたはコーティング部材と粉末62cの混錬材のいずれかとなっていて、端面12e,12fは上述のうちのいずれかの固体部62の側面と接触している。したがって、突き合わされたEPコア12a,12bが、固体部62の側面と直接的に接していることとなり、EPコア12aとEPコア12bとは互いに接触することがなく、従来のようにEPコア12aとEPコア12bとが部分的にしか接触しない、といった事態が生じるのを防ぐことができる。そのため、EPコア12a,12bの接合状態が不確実な場合に比べて磁性素子60の諸特性における温度特性の安定化が図られる。
また、磁性素子60の諸特性における温度特性の安定化が確保されることにより、同仕様にて製造された製品の諸特性における温度特性のばらつきも改善され、当該製品の品質を向上させることができる。さらに、固体部62の寸法範囲および粉末62cの最大径を3μm以上〜30μm以下に限定することにより、透磁率の低下を抑えながら、磁気飽和が生じにくい状態にすることができると共に、インダクタンス、インピーダンス等の値の低下も抑えられる。
また、磁性素子60では、固体部62が、EPコア12a,12bの端面12e,12fと直接接触しているため、磁性素子60が温度負荷を受ける(温度変化が生じる)ことにより、EPコア12a,12bが熱膨張または熱収縮した場合でも、固体部62が当該熱膨張または熱収縮を緩和するように働くものと考えられる。そのため安定した諸特性における温度特性が得られることとなり、磁性素子60の諸特性における温度特性にばらつきが発生するのを防止できることとなる。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態に係る磁性素子80について、図6から図8に基づいて説明する。図6は、本発明の第4の実施の形態に係る磁性素子80の構成を示す図であり、(a)は、その側面から見た透視図であり、(b)は、(a)におけるK−K線で切断した正面方向から見た断面図である。また、図7は、図6(a)中の矢示Mで示した部分の拡大図であり、図8は、超音波融着装置90を用いて磁性素子80を製造する様子を示す模式図である。また、第1の実施の形態と同一の部材、同一の部分には同一の符号を付すと共にその説明を省略または簡略化する。なお、第4の実施の形態では、第1の実施の形態と同様な構成となっているため、第1の実施の形態との相違部分について述べることとする。また、図6(a)および図8において、一端側とは右側を指し、他端側とは左側を指すものとする。
磁性素子80は、第1の実施の形態の固体部16とは微視的な構成の異なる、温度特性調整手段としての固体部82を有する。
また、磁性素子80においても、第1の実施の形態と同様に、EPコア12aの一端側の端面12eとEPコア12bの他端側の端面12fとの間には、3μm以上〜30μm以下の厚み寸法範囲の間隔を有する固体部82が設けられている。本実施の形態では、固体部82は、3μm以上〜30μm以下の寸法範囲の半分の厚さの薄膜部84a,84bから形成されている。薄膜部84a,84bは、端面12eおよび端面12fのそれぞれに、蒸着等の手法により形成されている。
本実施の形態では、EPコア12aとEPコア12bの接合は、薄膜部84aと、薄膜部84bの双方を突き合わせ、図7に示すように、その突き合わせ状態(接触状態)で、超音波融着を用いることにより行われている。本実施で採用する超音波融着の方法は、超音波振動を用いた摩擦融着であり、具体的には、図7に示すように、当該薄膜部84aと薄膜部84bとを接触させた状態で、EPコア12aとEPコア12bに超音波振動を加えている。この超音波振動により、薄膜部84a,84bの境界面84cに摩擦熱を発生させ、この摩擦熱により薄膜部84aと薄膜部84bとを融着させている。それにより、薄膜部84aと薄膜部84bとは、ムラのない状態で互いに強固に接着される。
本実施の形態において、固体部82を形成する薄膜部84a,84bの材質は共にエポキシ系樹脂であり、薄膜部84a,84bは共に、蒸着法によってEPコア12a,12bの端面12e,12fに形成されている。また、薄膜部84a,84bの形成方法は、上述の手法に限られるものではなく、例えば、所定の最大粒子径を有するアルミナまたはシリカ等のセラミック粉末と、エポキシ系樹脂またはシリコン系樹脂等の樹脂材とを混合したものを、印刷塗膜法または静電塗膜法等を用いて形成するようにしても良く、あるいは上記の材料構成からなるシート状の固体部82を、EPコア12a,12bの端面12e,12fの中間部位に挟み込むように配置しても良い。この場合、押圧状態の下、超音波振動による摩擦熱を生じさせることにより、固体部82の厚み寸法を小さくする寸法変化が樹脂材に生じる場合でも、セラミック粉末は厚み寸法の変化が比較的生じ難い。そのため、固体部82の規定寸法を維持することができる。
次に、磁性素子80を超音波融着を用いて製造する工程について説明する。
磁性素子80は、図8に示される、超音波融着装置90を用いて製造される。超音波融着装置90は、EPコア12a,12bを保持するための磁性コア保持治具92a,92bと、磁性コア保持治具92aに取り付けられると共に、磁性コア保持治具92aを矢示P−P方向に振動させる超音波振動子93とから構成されている。また、磁性コア保持治具92a,92bのそれぞれには、EPコア12aまたはEPコア12bを保持するための磁性コア保持凹部95a,95bが設けられている。磁性コア保持凹部95a,95bは、図8においては、磁性コア保持治具92a,92bのうち互いに対向する対向面に水平な方向に向かって、それぞれ3つずつ設けられている。なお、磁性コア保持凹部95aと磁性コア保持凹部95bとは、互いに対向するように設けられている。なお、磁性コア保持凹部95a,95bの個数は、磁性コア保持治具92a,92bのそれぞれに3つずつ設けられる場合には限らず、3つ以下または、3つ以上設けるようにしても良い。
上述の磁性素子80を製造する場合、予め、EPコア12aの端面12e,12fにそれぞれ薄膜部84a,84bを、蒸着等の手法により、形成する(薄膜形成ステップに相当)。さらに、巻回されたコイル20をEPコア12a,12bのいずれか一方に設置する(コイル設置ステップに相当)。その後、磁性コア保持凹部95aにEPコア12aまたはEPコア12bの一方を、磁性コア保持凹部95bにEPコア12aまたはEPコア12bの残りの他方を保持させる(保持ステップに相当)。そして、EPコア12aとEPコア12bとを対向させ、その後、薄膜部84a,84b同士を矢示Q方向に圧力を加えた状態で接触させる(接触ステップに相当)。この状態で、超音波振動子93により矢示P−P方向に超音波振動を加える。それにより、薄膜部84a,84bが互いに接触する部位には摩擦熱が生じ、薄膜部84a,84bが互いに融着する(融着ステップに相当)。なお、本実施の形態における、矢示P−P方向の超音波周波数の一例としては、19.15kHz、超音波融着の処理時間は0.2〜0.3秒とするものがある。また、矢示Q方向の加圧力を0.1〜0.2MPaとし、矢示P−P方向の超音波振動の振幅を、20μmとするものがある。
以上のように構成された、磁性素子80は、超音波振動を加えることにより薄膜部84a,84bを熱融着させているため、融着完了後には、薄膜部84aと薄膜部84bとをムラなく完全に固着されることが可能となる。このため、磁性素子80においては、個々のEPコア12a,12bを固定するためにテープを巻きつける必要がなくなり工数を削減することができる。すなわち、超音波融着装置90の磁性コア保持治具92a,92bに、多数のEPコア12a,12bを保持させることで、超音波融着を実行することができ、磁性素子80を大量に生産することが可能となる。また、超音波融着の処理時間も短いため、製造工程数、工程時間およびコストの大幅な削減が可能となる。
このように、薄膜部84a,84bが互いにムラなく密着するため、当該薄膜部84a,84bの融着状態が安定し、且つ、同品質の磁性素子80を短時間に大量に生産することが可能となる。
また、磁性素子80では、蒸着および融着を用いることで、EPコア12a,12bと固体部82との接着状態が安定している。このため、温度負荷が加わった際に、固体部82の寸法が変化しにくく、従来のテープによって磁性素子80を固定していた場合と比較して、諸特性における温度特性を向上させることが可能となる。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれ以外にも種々変形可能となっている。以下、それについて述べる。
上述の各実施の形態では、磁性素子10,40,60,80において磁性コアとしてEPコア12a,12bを組み合わせているが、これに限ることなく、U型コアとI型コア、E型コア同士等を組み合わせるようにしても良い。また、各実施の形態では、磁性素子10,40,60,80は、2つの磁性コアであるEPコア12a,12bを突き合わせることで構成されているが、2つに限らず、3つ以上の他の種類の磁性コアを突き合わせて構成するようにしても良い。
また、第1の実施の形態では、固体部16を3μm以上〜30μm以下の寸法範囲の半分の厚みとしてEPコア12a,12bに形成する変形例が示されており、また、第4の実施の形態では、固体部82を形成する薄膜部84a,84bをそれぞれ3μm以上〜30μm以下の寸法範囲の半分の厚みとして、EPコア12a,12bの双方の端面12e,12fに形成している。しかしながら、これらを半分の厚みとすることに限らず、固体部16および薄膜部84a,84bの厚みの割合を3:2または2:1等、異なったの割合とするようにしても良い。
また、第1の実施の形態、第3の実施の形態および第4の実施の形態では、EPコア12a,12bへの固体部16、薄膜部62a,84a,84bの形成には、蒸着、印刷塗膜、静電塗装または静電塗膜による手法を採用しているが、これらの手法に限ることなく、化学気相成長法、焼付け法またはスパッタリング等の他の手法を用いて薄膜を形成するようにしても良い。
また、第4の実施の形態では、超音波周波数、超音波融着の処理時間および加圧力の値は、それぞれ19.15kHz、0.2〜0.3秒、0.1〜0.2MPaとされていが、これらに限ることなく、超音波周波数の範囲を17〜21Hz、超音波融着の処理時間を0.1〜0.5秒、加圧力の範囲を0.05〜0.4MPa等の範囲としてそれぞれの値を組み合わせるようにしても良い。
本発明の磁性素子および磁性素子の製造方法は、インダクタンス、トランス,フィルタ等の各種電子部品において利用することができる。
本発明の第1から第3の実施の形態に係る磁性素子の構成を示す図であり、(a)は、その側面から見た透視図であり、(b)は、(a)におけるA−A線で切断した場合の正面方向から見た断面図である。 図1(a)中の磁性素子において矢示Bで示した部分の拡大図である。 本発明の第2の実施の形態において、図1(a)中の磁性素子において矢示Aで示した部分の拡大図である。 本発明の第2の実施の形態において、固体部を構成する粉末を最大粒子径約15μmのアルミナ粉末とした場合の磁性素子の温度とインダクタンスの温度特性との関係を示す図である。 本発明の第3の実施の形態において、図1(a)中の磁性素子において矢示Aで示した部分の拡大図である。 本発明の第4の実施の形態に係る磁性素子の構成を示す図であり、(a)は、その側面から見た透視図であり、(b)は、(a)におけるK−K線で切断した場合の正面から見た断面図である。 図6(a)中の磁性素子において矢示Mで示した部分の拡大図である。 超音波融着による磁性素子の製造工程を示す模式図である。
符号の説明
10、40,60,80…磁性素子
12…磁性コア体
12a,12b…EPコア
12e,12f…端面
16,42,62,82…固体部(温度特性調整手段に対応)
42a,62c…粉末
62a…コーティング部
84a、84b…薄膜部
62b…粉末部

Claims (3)

  1. 導体を巻回することにより形成されるコイルと、
    磁性材料から構成されると共に、上記コイルで生じる磁束を通過させる複数のコア部材と、
    上記複数のコア部材のうち、互いに対向するコア部材の間に設けられると共に、非磁性かつ絶縁性の材質を具備して構成される温度特性調整手段と、
    を具備し、
    上記温度特性調整手段は、対向するコア部材のそれぞれの対向面に接触していると共に、この温度特性調整手段は、その厚み寸法が3μm以上から30μm以下の範囲内に設けられている、
    ことを特徴とする磁性素子。
  2. 前記温度調整手段は、セラミック材料、樹脂材料またはセラミック材料と樹脂材料とを混合した混合材を成分としていることを特徴とする請求項1記載の磁性素子。
  3. 複数のコア部材の表面に薄膜を形成する薄膜形成ステップと、
    導体を巻回することにより形成されるコイルを上記コア部材に設置させるコイル設置ステップと、
    上記薄膜形成ステップにより薄膜が形成された上記コア部材を、該薄膜が露出する状態で、少なくとも2つ以上の磁性コア保持治具に保持させる保持ステップと、
    露出状態にある上記薄膜が対向する状態で、2つ以上の上記磁性コア保持治具を互いに接近させ、対向状態にある上記薄膜を押圧して互いに接近させる接触ステップと、
    上記接触ステップ後、上記磁性コア保持治具を介して上記コア部材に振動を与え、接触状態にある上記薄膜同士を互いに融着させる融着ステップと、
    を備えることを特徴とする磁性素子の製造方法。
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