JP2006216618A - ケース入りコンデンサ - Google Patents
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Abstract
【課題】端子位置の寸法精度を良くすることができ、コンデンサ素子の傾きを防止できるケース入りコンデンサを提供する。
【解決手段】両端面に電極板18、19が接続されたコンデンサ素子2をケース1に収納し樹脂を充填したケース入りコンデンサである。コンデンサ素子2の一方の端面がケース1の開口部7側に対応すると共に、コンデンサ素子2の他方の端面がケース1の底部5側に対応するように配置する。ケース1の相対向する内面8a、9aに突起部13を形成する。開口部7側の電極板18の相対向する端縁部18a、18bに突起部13と係合する係合部22を設けた。
【選択図】図1
【解決手段】両端面に電極板18、19が接続されたコンデンサ素子2をケース1に収納し樹脂を充填したケース入りコンデンサである。コンデンサ素子2の一方の端面がケース1の開口部7側に対応すると共に、コンデンサ素子2の他方の端面がケース1の底部5側に対応するように配置する。ケース1の相対向する内面8a、9aに突起部13を形成する。開口部7側の電極板18の相対向する端縁部18a、18bに突起部13と係合する係合部22を設けた。
【選択図】図1
Description
この発明は、コンデンサ素子をケースに収納して樹脂を充填したケース入りコンデンサに関するものである。
コンデンサ素子をケースに収納して樹脂を充填したコンデンサでは、樹脂とコンデンサ素子の比重の違いから樹脂注型時にコンデンサ素子がケース開口部側に浮き上がり、寸法不良となるおそれがある。そこで、従来には、この浮き上がりを防止する方法として、電極引出し端子部をケースの外側で係合、固定する支持部を設けるものがある(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、上記特許文献1のケース入りコンデンサは、図5に示すように、ケース51にコンデンサ素子52を収納し、このケース51内に樹脂53を充填することによって、形成される。この場合、ケース51の対向する側壁52、52に、支持部としての係合用リブ54、54を突設し、コンデンサ素子55の両電極56、56に接続される引出し端子部57、57を上記係合用リブ54、54に固定するようにしている。
特開平9−162069号公報
上記特許文献1に記載された方法では、引出し端子部57がケース開口部の片側からのみ引出される場合、コンデンサ素子55は片側の側壁52に対してのみ支持されることになるので、コンデンサ素子55がケース51に対して傾くおそれがあり、寸法精度を良くするのが難しい。また、支持部(係合用リブ54)が不要な場合、係合用リブ54を除去する作業が特別に必要であり、そのため作業性に劣っていた。
この発明は、上記従来の欠点を解決するためになされたものであって、その目的は、引出し端子部の位置決め精度を向上することができ、コンデンサ素子の傾きを防止できるケース入りコンデンサを提供することにある。
請求項1のケース入りコンデンサは、両端面に電極板18、19が接続されたコンデンサ素子2をケース1に収納して樹脂を充填したケース入りコンデンサにおいて、コンデンサ素子2の一方の端面がケース1の開口部7側に対応すると共に、コンデンサ素子2の他方の端面がケース1の底部5側に対応するように配置し、さらにケース1の相対向する内面8a、9aと、上記開口部7側の電極板18の相対向する端縁部18a、18bとの間に係合手段Kを設けたことを特徴としている。
請求項2のケース入りコンデンサは、上記係合手段Kが、ケース1の相対向する内面8a、9aに形成される突起部13と、上記開口部7側の電極板18の相対向する端縁部18a、18bに設けられて上記突起部13に係合する係合部22とを備えたことを特徴としている。
請求項3のケース入りコンデンサは、複数の扁平素子2aを並設して上記コンデンサ素子2を構成するとともに、隣合う扁平素子2a、2aの湾曲部17、17にて形成されるスペース27に、上記突起部13が嵌入状となるように、上記コンデンサ素子2をケース1に収納したことを特徴としている。
請求項1のケース入りコンデンサによれば、係合手段を介して、ケースと、開口部側の電極板とを連結することができ、ケースに対する外部接続用端子部の位置決めが精度良く行われた状態で、ケース内にコンデンサ素子を収納することができる。係合手段がケースの対向する両方に設けられるので、コンデンサ素子が傾くのを防止することができる。また、係合位置に規制されることなく、外部接続用端子部を任意の位置から引出すことができるので、ケースの開口部の片側からのみから引出すことが可能であって、このような場合であっても、コンデンサ素子が傾かない。さらに、引出し端子部を固定するための係合用リブを必要とせず、片側のみ引出される場合であってもこのようなリブの除去作業が不要である。
請求項2のケース入りコンデンサによれば、係合手段が、ケースの相対向する内面に形成される突起部と、開口部側の電極板の相対向する端縁部に設けられる係合部とを備えるものであるので、ケースと電極板との連結を安定して確実に行うことができ、ケースに対する外部接続用端子部の位置決め精度が一層向上する。また、電極板の係合部は、ケースの対向する両方の内面側で突起部に固定されるので、コンデンサ素子が傾きを確実に防止することができる。
請求項3のケース入りコンデンサによれば、隣合う扁平素子の湾曲部間においてスペースが形成され、ケースの突起部がこのスペースに嵌入状となるように、コンデンサ素子をケースに収納することができるので、コンデンサ素子を突起部に妨げられることなくケースに収納できる。また、ケースの突起部がスペースに嵌入状となるので、この突起部に係合する電極板の係合部もこのスペースに対応する位置に配置される。このため、ケースの突起部と電極板の係合部とが上記スペースに収納状となり、ケースの奥行き寸法が大きくなるのを防いで、電極板の係合部とケースの突起部とを確実に固定することができ、このコンデンサのコンパクト化を図ることができる。
次に、この発明のケース入りコンデンサの具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1はこの発明のケース入りコンデンサの平面図を示し、図2は要部断面図を示している。ケース入りコンデンサは、ケース1と、このケース1に収納される複数のコンデンサ素子2と、このコンデンサ素子2が収納された状態でケース1内に充填される樹脂(図示省略)とを備える。
ケース1は、図1及び図3に示すように、底壁5と、この底壁5から立設される周壁6とからなり、上方に開口部7が形成される。また、周壁6は、前壁8と後壁9と側壁10、11とからなる。この場合、側壁10、11の長さ寸法、つまりこのケース1の奥行き寸法Aを、前壁8及び後壁9の長さ寸法、つまりこのケースの幅寸法Bよりも短くしている。そして、ケース1の相対向する内面、つまり前壁8と後壁9の内面8a、9aには、それぞれ、リブ12と突起部13とが内方へ突出形成されている。図3に示すように、リブ12は上下方向に延び、その断面形状が半円形とされる。また、突起部13もリブ状であって、上下方向に延び、その断面形状が半長円形とされる。この突起部13には貫通孔14が設けられている。この場合、貫通孔14に代えて止り孔であってもよい。なお、図例では、リブ12は前壁8と後壁9の内面8a、9aにそれぞれ6個ずつ計12個配置され、この突起部13は前壁8と後壁9の内面8a、9aにそれぞれ2個ずつ計4個配置されている。
また、図1に示すように、コンデンサ素子2は複数の扁平フィルムコンデンサ素子(扁平素子)2aからなり、各扁平素子2aの一方のメタリコン電極15がケース1の開口部7側に対応すると共に、各扁平素子2aの他方のメタリコン電極16がケース1の底部(底壁5)側に対応するように、それぞれケース1に配置される。この場合、前壁8側及び後壁9側にそれぞれ複数(図例では6個ずつ計12個)の扁平素子2aが配置される。また、扁平素子2aの端部(側端部)は、円弧状の湾曲部17とされ、隣合う(左右方向に隣合う)扁平素子2a、2aの湾曲部17、17が突き合わせ状となっている。
そして、各扁平素子2a・・の上側の第1メタリコン電極15・・には、図1に示すように平板体からなる第1電極板18が接続され、各扁平素子2a・・の下側の第2メタリコン電極16・・にも平板体からなる第2電極板19(図2参照)が接続される。すなわち、上下の両電極板18、19で複数の扁平素子2a・・が挟持状に保持される。また、第1電極板18には、ケース1の前壁8側に複数の(図例では3個)の第1外部接続用端子部20が設けられ、第2電極板19にも、ケース1の前壁8側に複数の(図例では3個)の第2外部接続用端子部21が上記第1外部接続用端子部20に対応しない位置に接触しないように設けられている。
すなわち、図1と図2に示すように、第1外部接続用端子部20は、前壁8側に突出する第1部20aと、この第1部20aから上方へ突出する第2部20bとからなり、第2外部接続用端子部21も、前壁8側に突出する第1部21aと、この第1部21aから上方へ突出する第2部21bとからなる。この場合、第2外部接続用端子部21の第2部21bはコンデンサ素子2の高さ方向に延びコンデンサ素子2に沿うように配置され、上記第1電極板18から突出している。また、第1外部接続用端子部20の第2部20bの突出高さを第2外部接続用端子部21の第2部21bの突出高さと略同一としている。
そして、ケース1と第1電極板18とは係合手段Kにて連結(結合)することになる。この場合、第1電極板18には、ケース1の前壁8側及び後壁9側、つまり第1電極板18の相対向する端縁部18a、18bにそれぞれ係合部22・・が突設されている。各係合部22・・は内方へ水平方向に沿って突出される平板片からなり、貫通孔23が設けられている。この場合、各係合部22・・は、各突起部13・・の上方に位置するように配置される。このため、係合部22と突起部13とが重ね合わされた状態で、図4に示すように、係合部22の貫通孔23と突起部13の貫通孔14に、連結用ピン25を嵌入(挿入)することによって、係合部22と突起部13を一体連結している。このように、突起部13と係合部22と連結用ピン25とでもって、ケース1と電極板18とを連結する係合手段Kを構成することになる。なお、連結用ピン25は樹脂製ピンであり、軸部25aと頭部25bとからなる。この軸部25aの外径は貫通孔14、23の内径と同等かまたは僅かに大きく設定されている。そして、連結用ピン25の軸部25aが貫通孔23、14に挿入される。
そして、コンデンサ素子2がケース1に収納された状態では、図1に示すように、ケース1のリブ12・・がその対応する扁平素子2a・・に当接して扁平素子2a・・が位置決めされると共に、各扁平素子2a・・とケース1の内面との間に充填樹脂の注入空間26が形成され、この注入空間26に樹脂(例えば、エポキシ樹脂)が充填される。なお、上記連結用ピン25として、この充填樹脂と同一の樹脂から構成しても、他の樹脂で構成してもよい。
連結される係合部22と突起部13とは、それぞれ、隣合う扁平素子2a、2aの湾曲部17、17間に対応する位置に配設される。すなわち、隣合うコンデンサ素子2、2の湾曲部17、17によって、図1に示すように、平面視略三角形状のスペース27が形成され、このスペース27に対応して、係合部22と突起部13とが配置される。このため、ケース1の突起部13及び電極板18の係合部22がこの湾曲部17、17間のスペース27に嵌入状となって収納状となる大きさにされる。なお、図例では、連結される係合部22と突起部13とは、全てのスペース27に対応するように配置されていないが、全てのスペース27に対応するように配置してもよい。
上記コンデンサによれば、係合手段Kを介して、ケース1と、開口部7側の電極板18とを連結することができ、ケース1に対する外部接続用端子部20、21の位置決めが精度良く行われた状態で、ケース1内にコンデンサ素子2を収納することができる。係合手段Kは、ケース1の対向する両方に設けられるので、外部接続用端子部20、21が開口部7の片側からのみ引出されている場合であってもコンデンサ素子2が傾くのを防止することができる。特に、係合手段Kが、ケース1の相対向する内面8a、9aに形成される突起部13と、開口部7側の電極板18の相対向する端縁部18a、18bに設けられる係合部22とを備えるものであるので、ケース1と電極板18との連結を安定して確実に行うことができ、ケース1に対する外部接続用端子部20、21の位置決め精度が一層向上する。また、電極板18の係合部22は、ケース1の対向する両方の内面8a、9a側で突起部22に固定されるので、コンデンサ素子2の傾きを確実に防止することができる。さらに、係合位置に規制されることなく、外部接続用端子部20、21を任意の位置から引出すことができるので、ケース1の開口部7の片側からのみから引出すことが可能であって、このような場合であっても、コンデンサ素子2が傾かない。さらに、引出し端子部を固定するための係合用リブを必要とせず、片側のみ引出される場合であってもこのようなリブの除去作業が不要である。
さらに、隣合う扁平素子2a、2aの湾曲部17、17間においてスペース27が形成され、ケース1の突起部13がこのスペース27に嵌入状となるようにしてコンデンサ素子2をケース1に収納することができるので、コンデンサ素子2を突起部13に妨げられることなくケース1に収納できる。また、ケース1の突起部13がスペース27に嵌入状となるので、この突起部13に係合する電極板18の係合部22もこのスペース27に対応する位置に配置される。このため、ケース1の突起部13と電極板18の係合部22とが上記スペース27に収納状となり、ケース1の奥行き寸法Aが大きくなるのを防いで、電極板18の係合部22とケース1の突起部13とを確実に固定することができ、このコンデンサのコンパク化を図ることができる。さらに、係合部22と突起部13とがケース1の開口部7の開口端側に設けられることになるので、この係合部22と突起部13との連結作業を行い易い利点がある。
以上にこの発明の具体的な実施の形態について説明したが、この発明は上記形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、使用する素子2aとして、扁平形に限らず、また巻回形のみならず積層形であってもよい。さらに、扁平素子2aの数も増減可能である。このため、ケース1に設けられるリブ12及び突起部13の数、電極板18に設けられる係合部22の数も増減可能である。また、電極板18、19の形状としても、図例のものに限るものではない。さらに、係合手段Kにおける係合部22と突起部13の連結固定方法としても、ピン25を使用したものに限らず金属のネジでもよく、突起部13と係合部22とが嵌合するようなものであってもよい。また、係合手段Kとして、突起部13と係合部22とに限るものではなく、ケース1の前壁8及び後壁9に切欠部を設け、この切欠部に係合部22が嵌合するようなものであってもよい。また、外部接続用端子20、21の引出し部位(第2部20b、21b)を、ケース1の開口部7の片方(図例では、ケース1の前壁8側)のみに配置する以外に、後壁9側のみ、または前壁8及び後壁9側や前後方向中間に配置するようにしてもよい。さらに、リブ12の断面形状としても半円形状に限るものではなく、各扁平素子2a・・とケース1の内面との間に充填樹脂の注入空間26が形成されるものであればよい。また、突起部13の断面形状としても半長円形状に限るものではなく、係合部22に連結可能なものであればよい。
1・・ケース、2・・コンデンサ素子、2a・・扁平素子、5・・底部、7・・開口部、8a、9a・・内面、13・・突起部、17・・湾曲部、18、19・・電極部、18a、18b・・端縁部、22・・係合部、K・・係合手段
Claims (3)
- 両端面に電極板(18)(19)が接続されたコンデンサ素子(2)をケース(1)に収納して樹脂を充填したケース入りコンデンサにおいて、コンデンサ素子(2)の一方の端面がケースの開口部(7)側に対応すると共に、コンデンサ素子(2)の他方の端面がケース(1)の底部(5)側に対応するように配置し、さらにケース(1)の相対向する内面(8a)(9a)と、上記開口部(7)側の電極板(18)の相対向する端縁部(18a)(18b)との間に係合手段(K)を設けたことを特徴とするケース入りコンデンサ。
- 上記係合手段(K)が、ケース(1)の相対向する内面(8a)(9a)に形成される突起部(13)と、上記開口部(7)側の電極板(18)の相対向する端縁部(18a)(18b)に設けられて上記突起部(13)に係合する係合部(22)とを備えたことを特徴とする請求項1のケース入りコンデンサ。
- 複数の扁平素子(2a)を並設してコンデンサ素子(2)を構成するとともに、隣合う扁平素子(2a)(2a)の湾曲部(17)(17)にて形成されるスペース(27)に、上記突起部(13)が嵌入状となるように、上記コンデンサ素子(2)をケース(1)に収納したことを特徴とする請求項2のケース入りコンデンサ。
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Legal Events
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20100727 |