JP2006216097A - 追記型光記録媒体及びその製造方法、並びに記録再生方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 断熱層の厚みを最適化することで、優れた記録再生特性を有する追記型光記録媒体及び該追記型光記録媒体の製造方法、並びに追記型光記録媒体の記録再生方法の提供。
【解決手段】 酸化物を含む記録層と、反射層と、該記録層と該反射層との間に断熱層とを少なくとも有する追記型光記録媒体であって、前記断熱層の厚みが、該断熱層の厚みを変化させた時の前記追記型光記録媒体の反射率が極小値となる厚みであることを特徴とする追記型光記録媒体である。該断熱層の厚みが、該断熱層の厚みを変化させた時の追記型光記録媒体の反射率が極小値となる厚みのうちの最も薄い厚みである態様、該断熱層の厚みを変化させた時の追記型光記録媒体の反射率が極小値となる厚みのうちの2番目に薄い厚みである態様、などが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、青色レーザ波長領域以下であっても、高密度の記録を高信頼性で行うことが可能な追記型(WORM:Write Once Read Many)光記録媒体及びその製造方法、並びに記録再生方法に関する。
近時、超高密度の記録が可能となる青色レーザの開発は急速に進んでおり、それに対応した追記型光記録媒体の開発が行われている。
従来の追記型光記録媒体では、有機材料からなる記録層にレーザ光を照射し、主に有機材料の分解及び変質による屈折率変化を生じさせることで記録ピットを形成させている。このため、記録層に用いられる有機材料の光学定数や分解挙動が、良好な記録ピットを形成させるための重要な要素となっている。
前記青色レーザ対応の追記型光記録媒体の記録層に用いる有機材料としては、青色レーザ波長に対する光学的性質や分解挙動の適切な材料を選択する必要がある。即ち、未記録時の反射率を高め、またレーザの照射によって有機材料が分解し、大きな屈折率変化が生じるようにするため、記録再生波長は大きな吸収帯の長波長側の裾に位置するように選択される。これは、有機材料の大きな吸収帯の長波長側の裾は、適度な吸収係数を有し、かつ大きな屈折率が得られる波長領域となるためである。
しかしながら、青色レーザ波長に対する光学的性質が従来並みの値を有する有機材料は未だ得られていない。これは、青色レーザ波長近傍に吸収帯を持つ有機材料を得るためには、分子骨格を小さくするか又は共役系を短くする必要があるが、そうすると吸収係数の低下、即ち、屈折率の低下を招くためである。
つまり、青色レーザ波長近傍に吸収帯を持つ有機材料は多数存在し、吸収係数を制御することは可能となるが、大きな屈折率を持たないため、大きな変調度を得ることができなくなるという課題がある。
一方、金属又は半金属の酸化物を記録層とした追記型光記録媒体としては、高信頼性を有するTeOx−Pd記録層が提案されている(特許文献1及び特許文献2参照)。これら提案では、厚み方向にTeOx−Pd記録層の組成比を変えて、保存安定性等の信頼性を高めている。しかし、これらの提案には、記録層に隣接して誘電体層、あるいは断熱層を設ける点について開示も示唆する記載もない。
また、非特許文献1及び非特許文献2には、TeOx−Pdからなる記録層が誘電体層で挟まれた構造を有する光記録媒体が開示されている。しかし、これらの文献には、誘電体層の役割や条件について何ら記載されていない。
また、特許文献3には、記録層が金属、又は半金属の酸化物を含有しない追記型光記録媒体が提案されている。この提案では、Cu/Siからなる記録層に隣接して、Ta、Al、SiO、TiO、GeO、Nb、SnO、CeO、Y、La、AlN、Si、GeN、SiC、MgF又はその混合物からなる誘電体層が設けられている。
更に、前記酸化ビスマスを含有する材料に関しては、以下のような技術が公開されている。例えば、特許文献4には、一般式A(M(Feにおいて、Aの各種酸化物、Mの各種元素、x、y、及びzの各種割合を規定した非晶質強磁性酸化物が開示されている。
また、特許文献5には、一般式(Bi(MmOn)(Feにおいて、Mの酸化物、x、y、及びzの割合を規定した非晶質相を50%以上含む金属酸化物及びその製造方法が開示されている。
また、特許文献6には、一般式(B(Bi1−xの組成を有する非晶質化合物で、その組成xの範囲、急冷方法について開示されている。
また、特許文献7には、一般式(Bi1−x(Fe(但し、0.90≧x>0)からなる組成を有するビスマス−鉄系非晶質化合物材料が開示されている。
しかしながら、上記先行技術は、いずれも透光性、強磁性のアモルファス酸化物材料に関するものであって、その用途は、光磁気記録媒体、磁気によって光を制御する機能素子、光磁気センサー、透明導電膜、圧電膜などである。また、これらの先行技術は、材料や製造方法に関するものが主体であり、追記型光記録媒体への応用については開示も示唆もされていない。
特開平6-150366号公報 特公平6-93300号公報 特開2004−158145号公報 特開昭61−101450号公報 特開昭61−101448号公報 特開昭59−8618号公報 特開昭59−73438号公報 Proceedings of The 14th Symposium on PCOS2002 PP.23〜28 映情学技報 VOL.28, NO.43, PP.5〜8
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、酸化物、特に酸化ビスマスを含む記録層を有し、断熱層の厚みを最適化することにより、優れた記録再生特性を有する追記型光記録媒体及び該追記型光記録媒体の製造方法、並びに追記型光記録媒体の記録再生方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、記録層が酸化物を含み、追記型光記録媒体の反射率が極小値となるような厚みに設定すると、記録感度を十分確保でき、かつ良好なジッタ特性有する追記型光記録媒体が提供できることを知見した。
なお、断熱層厚みを、追記型光記録媒体の反射率が極小値となるような断熱層の厚みに設定するとジッタ特性が最良となる原因の詳細は不明であるが、記録感度が高くなること(記録パワーが下がる)及び、高い変調度が得られることに起因するものと考えられる。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 酸化物を含む記録層と、反射層と、該記録層と該反射層との間に断熱層とを少なくとも有する追記型光記録媒体であって、
前記断熱層の厚みが、該断熱層の厚みを変化させた時の前記追記型光記録媒体の反射率が極小値となる厚みであることを特徴とする追記型光記録媒体である。該<1>の追記型光記録媒体においては、酸化物、特に酸化ビスマスを含む記録層を有する追記型光記録媒体において、その記録再生特性を十分引き出すことができる最適な厚みの断熱層を有する追記型光記録媒体を提供することができる。
<2> 断熱層の厚みが、該断熱層の厚みを変化させた時の追記型光記録媒体の反射率が極小値となる厚みのうちの最も薄い厚みである前記<1>に記載の追記型光記録媒体である。該<2>の追記型光記録媒体においては、該光記録媒体の反射率が極小値をとるうちの最薄の厚みの断熱層に設定した場合、非常に優れた記録再生特性が実現できる。
<3> 断熱層の厚みが、該断熱層の厚みを変化させた時の追記型光記録媒体の反射率が極小値となる厚みのうちの2番目に薄い厚みである前記<1>に記載の追記型光記録媒体である。該<3>の追記型光記録媒体においては、該光記録媒体の反射率が極小値をとる厚みのうちの2番目に薄い厚みの断熱層に設定した場合、非常に優れた記録再生特性が実現できる。
<4> 断熱層の厚みが、下記数式1から算出されるd1±5(nm)、及び下記数式2から算出されるd2±10(nm)のいずれかである前記<1>から<3>のいずれかに記載の追記型光記録媒体である。
<数式1>
d1=(−9.2×n)+35
<数式2>
d2=(−60.9×n)+240
ただし、前記数式1及び数式2において、nは、断熱層の複素屈折率の実部を表す。
<5> 記録層における酸化物が、酸化ビスマスである前記<1>から<4>のいずれかに記載の追記型光記録媒体である。該<5>の追記型光記録媒体においては、酸化ビスマスを含む記録層では、非常に優れた記録再生特性を有するためである。
<6> 記録層の厚みが25nm以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載の追記型光記録媒体である。
<7> 断熱層が、少なくともZnSを含む前記<1>から<6>のいずれかに記載の追記型光記録媒体である。
<8> 断熱層が、ZnSとSiOとの混合物を含む前記<7>に記載の追記型光記録媒体である。
<9> 反射層が、Ag及びAg合金のいずれかを含む前記<1>から<8>のいずれかに記載の追記型光記録媒体である。
<10> 基板を有する前記<1>から<9>のいずれかに記載の追記型光記録媒体である。
<11> 断熱層の厚みを変化させた時の追記型光記録媒体の反射率が極小値となる厚みをシミュレーションにより求め、該厚みの断熱層を記録層と反射層との間に形成する断熱層形成工程を少なくとも含むことを特徴とする追記型光記録媒体の製造方法である。該<11>の追記型光記録媒体の製造方法においては、良好な記録再生特性を実現できる断熱層厚みを、シミュレーションによって容易に精度よく設定でき、追記型光記録媒体の品質向上と生産性向上に大きく貢献することができる。
<12> 前記<1>から<11>のいずれかに記載の追記型光記録媒体における記録層にレーザ光を照射して情報の記録及び再生の少なくともいずれかを行うことを特徴とする追記型光記録媒体の記録再生方法である。該<12に記載の追記型光記録媒体の記録再生方法では、本発明の前記追記型光記録媒体の記録層に対し、レーザー光を照射することにより情報の記録及び再生の少なくともいずれかを行う。その結果、安定かつ確実に情報の記録及び再生の少なくともいずれかを効率よく行うことができる。
<13> 記録再生が450nm以下のレーザ光を照射することにより行われる前記<12>に記載の追記型光記録媒体の記録再生方法である。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、酸化物、特に酸化ビスマスを含む記録層を有し、断熱層の厚みを最適化することにより、優れた記録再生特性を有する追記型光記録媒体、並びに追記型光記録媒体の記録再生方法を提供することができる。
また、本発明によると、良好な記録再生特性を実現できる断熱層厚みを、シミュレーションによって容易に精度よく設定できるようになり、追記型光記録媒体の品質向上と生産性向上に大きく貢献できる追記型光記録媒体の製造方法を提供できる。
(追記型光記録媒体)
本発明の追記型光記録媒体は、酸化物を含む記録層と、反射層と、該記録層と反射層との間に断熱層とを少なくとも有してなり、基板、保護層、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
−断熱層−
前記断熱層の厚みは、該断熱層の厚みを変化させた時の前記追記型光記録媒体の反射率が極小値となる厚みである。
この場合、前記断熱層の厚みが、該断熱層の厚みを変化させた時の前記追記型光記録媒体の反射率が極小値をとる厚みの中から最も薄い厚みであることが好ましい。このように光記録媒体の反射率が極小値をとる厚みの中から最薄の厚みに断熱層を設定した場合、非常に優れた記録再生特性が実現できる。
また、前記断熱層の厚みが、該断熱層の厚みを変化させた時の前記追記型光記録媒体の反射率が極小値をとる厚みの中から2番目に薄い厚みであることが好ましい。この反射率が極小値をとる厚みの中から最薄の厚みに断熱層を設定した場合、非常に優れた記録再生特性が実現できる。
ここで、前記光記録媒体の反射率の測定は、実際に光記録媒体を作製し、実測することによって行っても、また、シミュレーションで行ってもよいが、厚み設定の正確性や簡便性の点から、シミュレーションで光記録媒体の反射率を求めることが好ましい。
即ち、前記反射率は、勿論、実際に光記録媒体を作製して、細かく断熱層の厚みを変化させて測定しても構わないが、前記断熱層の厚みが十分薄くなってくると(例えば、断熱層の厚み10nm以下)、膜の凝集状態などが厚膜状態(一般的な状態)と異なり、反射率特性に大きなバラツキが生じやすいため、特異な反射率特性を示す場合がある。また、光記録媒体の反射率測定によって断熱層の最適厚みを判断できなくなる場合が生ずる。
例えば、断熱層厚みを実際に細かく変化させて反射率を測定した場合、前記「反射率が極小値をとる最薄の厚み」が現れない場合がある。
これは、前記「反射率が極小値をとる最薄の厚み」よりも断熱層を薄くすると、上述したように、前記断熱層の膜質状態が通常状態と異なってくる場合があるため、極小値が極小値として現れなくなるためである。
ただし、実測で極小値が現れなくても、本来極小値となるはずの断熱層厚みでは(すなわち、シミュレーション上の極小値)、記録再生特性に優れることは変らないのである(ただし、その厚みで実測の反射率が極小値とならなくなっているだけである)。
また、前記断熱層厚みの最適値は、光記録媒体の反射率を極小値とする厚みであることが明らかになったため、その最適厚みをシミュレーションによって精度よく求めることが可能となる。前記シミュレーションの有効性は、昨今の測定技術の進歩により、エリプソメトリー等の方法によって、材料の複素屈折率を精度よく測定できるようになったたことにも起因する。
また、前記断熱層の厚みは、下記数式1、及び下記数式2のいずれかから算出されることが好ましい。
<数式1>
d1=(−9.2×n)+35
<数式2>
d2=(−60.9×n)+240
ただし、前記数式1及び数式2において、nは、断熱層の複素屈折率の実部を表す。
前記複素屈折率の測定精度、成膜時の厚み制御の精度、厚みの実測精度等の誤差を考慮に入れると、又は、良好な記録再生特性が保持できる厚み範囲を考慮すると、前記断熱層厚みは、d1ではd1±5(nm)、d2ではd1±10(nm)となる。
ここで、d1とd2で厚み許容誤差範囲が異なるのは、断熱層厚みが厚くなると厚みのばらつきが大きくなることを考慮しなければならないためである。
優れた記録再生特性、とりわけジッタ特性、あるいはジッタに類似する特性(例えば、PRSNR等)を得るためには、酸化物を含む記録層は、酸化ビスマスを主成分とする記録層であることが好ましく、更に該記録層の厚みは25nm以下が好ましい。
この限定を加えた場合、断熱層厚みを変化させた時の反射率において、該反射率が極小値をとる最薄の厚みd1は、およそ上記数式1で、該反射率が極小値をとる2番目に薄い厚みd2は、およそ上記数式2で表すことができる。
前記断熱層厚みを変化させた時のシミュレーション上の反射率において、該反射率が極小値をとる厚みに断熱層を設定するが、断熱層の複素屈折率の実部が小さくなると、該反射率が極小値をとる2番目に薄い厚みが100nmを超えるようになる可能性が高くなるが、前記断熱層の厚みは、成膜時にかかる温度やそれに伴い生じる変形、ストレス、更には生産性等を考慮して、100nm以下が好ましく、2〜50nmがより好ましい。
前記断熱層は、少なくともZnSを含むことが好ましい。前記断熱層がZnSを含むことによって、複素屈折率の実部(いわゆる屈折率)を高めることができ、追記型光記録媒体としての反射率を高めることができる。また、一般的にZnSを含有することで、成膜レートが向上し、生産性が高まるというメリットを有する。
前記断熱層におけるZnSの含有量は、95〜50mol%が好ましく、90〜75mol%がより好ましい。
前記ZnSと併用して前記断熱層に添加することのできるその他の化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Nb、Sm、Ce、Al、MgO、BeO、ZrO、UO、ThOなどの単純酸化物系の酸化物;SiO、2MgO・SiO、MgO・SiO、CaO・SiO、ZrO・SiO、3Al・2SiO、2MgO・2Al・5SiO、LiO・Al・4SiOなどのケイ酸塩系の酸化物;AlTiO、MgAl、Ca10(PO(OH)、BaTiO、LiNbO、PZT〔Pb(Zr,Ti)O〕、PLZT〔(Pb,La)(Zr,Ti)O〕、フェライトなどの複酸化物系の酸化物;Si、AlN、BN、TiNなどの窒化物系の非酸化物;SiC、B4C、TiC、WCなどの炭化物系の非酸化物;LaB、TiB、ZrBなどのホウ化物系の非酸化物;CdS、MoSなどの硫化物系の非酸化物;MoSiなどのケイ化物系の非酸化物;アモルファス炭素、黒鉛、ダイアモンド等の炭素系の非酸化物が挙げられる。これらの中でも、断熱層の熱伝導率を低い値に制御できる点から、SiOが特に好ましい。
次に,本発明の追記型光記録媒体の層構成について図面に基づいて説明する。
ここで、図1は、本発明の追記型光記録媒体の一実施形態を説明するための断面図であり、基板1上に記録層2、断熱層3、反射護層4がこの順に形成され、必要に応じて反射層上に紫外線(UV)硬化樹脂からなる保護層が形成されていてもよく、更に必要に応じて保護層上に、光記録媒体の更なる補強或いは保護のために、別の基板を貼り合わせてもよい。
具体的には、以下の層構成のものが挙げられる。
(1)基板/酸化物を含む記録層/断熱層/反射層
(2)基板/下引層/酸化物を含む記録層/断熱層/反射層
(3)基板/反射層/断熱層/酸化物を含む記録層/保護層
(4)基板/反射層/断熱層/酸化物を含む記録層/上引層/保護層
更に、上記構造は、多層化されても構わない。
−基板−
前記基板としては、例えば、表面にトラッキング用の案内溝を有し、直径12cm、厚さ0.6mmのディスク状で、加工性、光学特性に優れたポリカーボネート樹脂製基板が好適である。トラッキング用の案内溝は、ピッチ0.74±0.03μm、溝深さ22〜40nm、溝幅0.2〜0.4μm範囲内の蛇行溝であることが好ましい。特に溝を深くすることにより、光記録媒体の反射率が下がり変調度を大きくすることができる。
前記基板の材料としては、通常、ガラス、セラミックス、樹脂、などが用いられるが、成形性、コストの点から、樹脂製基板が好適である。前記樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂などが挙げられる。成形性、光学特性、コストの点から、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
−酸化物を含む記録層−
前記酸化物を含む記録層(以下、RO層と称することもある)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記RO層において、Rとしては、Y、Bi、In、Mo、V及びランタン系列元素から選ばれる一種以上の元素を用いることができる。Oは酸素を表す。これらの中でも、優れた記録再生特性と信頼性を有する点から、酸化ビスマスが特に好ましい。
更に、前記RO層には、Al、Cr、Mn、Sc、In、Ru、Rh、Co、Fe、Cu、Ni、Zn、Li、Si、Ge、Zr、Ti、Hf、Sn、Pb、Mo、V、及びNbの中から選択される少なくとも1種の元素Mを含有させることが好ましい。
例えば、RxMyO(ただし、x,yは原子数比)で表されるRO層では、x/(x+y)≧0.3とすることによりRO層自体の変形、或いは基板等の隣接層の変形を抑制することが可能となり、記録マーク間の干渉を小さくすることができる。
また、記録再生特性の一層の向上を図るには、RとしてBiを選択することが好ましい。また、Bi4B又はBi4Bで表されるBiO膜又はBiOM膜を採用することにより、記録再生特性や保存安定性性等を改善させることができる。4B族元素としてはC、Si、Ge、Sn、Pbが挙げられ、これらの中でも、SiとGeが特に好ましい。
また、BiOM膜の場合には、添加元素Mの作用により、大きな複素屈折率の変化、組成の変化、溶融を起こしたり、或いは隣接層に構成元素を拡散させる能力が更に向上する。
前記RO層は、R元素の完全な酸化物のみからなる膜に限定されるものではなく、R元素とR元素の酸化物を同時に含有してもよい(以下、「R+RO」と略記する)。
また、RO層が元素Mを含有する場合は、(1)R−M−Oの三元化合物、(2)R+MO(元素Rと元素Mの酸化物からなる混合物)、(3)RO+MO(元素Rの酸化物と元素Mの酸化物からなる混合物)、(4)R+RO+MO(元素R、元素Rの酸化物、及び元素Mの酸化物からなる混合物)、或いは(1)〜(4)の組み合わせからなる元素、化合物を同時に含有してもよい。逆に言えば、本発明で言うRO層とは、前記のような混合物を含めた総称である。
そして、例えば元素R(非酸化物状態)を記録によって酸化させ、これに伴ってRO層の複素屈折率を大きく変化させることができる。この酸化という記録原理を用いれば非変形記録を実現でき、符号間干渉の小さい記録を行うことができる。
また、例えば元素Rの酸化物を記録によって還元させ、これに伴ってRO層の複素屈折率を大きく変化させることができる。この還元という記録原理を用いれば非変形記録を実現でき、符号間干渉の小さい記録を行うことができる。
但し、RO層において、元素R及び/又は元素Mが非酸化物状態で多く存在する場合は、RO層の保存安定性を低下させる場合があるので、元素R及び/又は元素M単体の含有量は、元素R及び/又は元素Mの酸化物量に対して少ない方が好ましい場合がある。この割合は、記録感度、ジッタ、保存安定性等の兼ね合いによって適宜調整することが可能である。本発明では、光吸収機能及び記録機能の主体が元素R又はその酸化物であり、前記元素R群が特有な効果を有する。
特に、RO層が、RxMyOの組成で表される場合(ただし、x、yは原子数比)、x/(x+y)≧0.3とすることで、記録再生特性の向上を図ることができる。なお、細かな記録再生特性や、保存安定性の調整にはx/(x+y)≧0.3の範囲外のRO層を使用することも有効である。
前記記録層は、各種気相成長法、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。なかでも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
前記記録層の厚みは、25nm以下が好ましく、5〜15nmがより好ましい。前記厚みが25nmを超えると、反射率が極端に低下したり、記録層内に熱が広がり易くなり、記録再生特性が悪化することがある。
−反射層−
前記反射層は光反射層としての役割を果たす一方で、記録時にレーザ光照射により記録層に加わった熱を逃がす放熱層としての役割も担っている。非晶質マークの形成は,放熱による冷却速度により大きく左右されるため,反射層の選択は高線速対応媒体では特に重要である。
前記反射層は、例えば、Al、Au、Ag、Cu、Taなどの金属材料、又はそれらの合金などを用いることができる。また、これら金属材料への添加元素として、Cr、Ti、Si、Cu、Ag、Pd、Taなどが使用できる。これらの中でも、Ag及びAg合金のいずれかを含有することが好ましい。
なお、このように高熱伝導率性を考慮すると純銀が最良であるが、耐食性を考慮しCuを添加してもよい。この場合Agの特性を損なわないためには銅の添加量範囲は0.1〜10原子%程度が好ましく、特に0.5〜3原子%が好適である。過剰の添加は逆にAgの耐食性を劣化させてしまう。
前記反射層は、各種気相成長法、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などによって形成できる。なかでも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
前記反射層の膜厚は100〜300nmが好ましい。反射層の放熱能力は基本的には層の厚さに比例するので、100nm未満であると、冷却速度が低下するため好ましくない。一方、300nmより厚くなると、材料コストの増大を招くので好ましくない。
前記保護層は、高密度化を図るため高NAのレンズを用いる場合に必要となる。例えば高NA化すると、再生光が透過する部分の厚さを薄くする必要がある。これは、高NA化に伴い、光学ピックアップの光軸に対してディスク面が垂直からズレる角度(いわゆるチルト角、光源の波長の逆数と対物レンズの開口数(NA)の積の2乗に比例する)により発生する収差の許容量が小さくなるためであり、このチルト角が基板の厚さによる収差の影響を受け易いためである。
従って、基板の厚さを薄くしてチルト角に対する収差の影響をなるべく小さくするようにしている。
そこで、例えば、基板上に凹凸を形成して記録層とし、その上に反射層を設け、更にその上に光を透過する薄膜である光透過性の保護層を設けるようにし、保護層側から再生光を照射して記録層の情報を再生するような光記録媒体や、基板上に反射層を設け、その上に記録層を設け、更にこの上に光透過性を有する保護層を設けるようにし、保護層側から再生光を照射して記録層の情報を再生するような光記録媒体が提案されている。
このようにすれば、保護層を薄型化していくことで対物レンズの高NA化に対応可能である。つまり、薄い保護層を設け、この保護層側から記録再生することで、更なる高記録密度化を図ることができる。
なお、このような保護層は、ポリカーボネート樹脂製シートや、紫外線硬化型樹脂により形成されるのが一般的である。また、前記保護層には、該保護層を接着するための層を含めてもよい。
なお、前記基板上、前記反射層下には反射率の向上、記録特性の改善、密着性の向上等のために公知の無機系材料又は有機系材料からなる上引層、下引層、或いは接着層を設けることもできる。
(追記型光記録媒体の製造方法)
本発明の追記型光記録媒体の製造方法は、断熱層形成工程を少なくとも含んでなり、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
−断熱層形成工程−
前記断熱層形成工程は、断熱層の厚みを変化させた時の追記型光記録媒体の反射率が極小値となる厚みをシミュレーションにより求め、該厚みの断熱層を前記記録層と前記反射層との間に形成する工程である。
ここで、前記シミュレーションは、例えば、追記型光記録媒体の構成として、プラスチック基板/酸化物を含む記録層/断熱層/反射層を選択し、酸化物を含む記録層としてはBiFeO、断熱層としてはZnS-SiO(ZnS:SiO=85:15(モル比))を採用した。記録層(BiFeO)厚みを5nm、反射層厚みを100nmと固定し、断熱層(ZnS-SiO)厚みを0〜200nmまで変化させて、追記型光記録媒体の反射率をディフラクト(MM Research,Inc.社製)により計算(シミュレーション)して、行うことができる。
前記断熱層の形成方法としては、各種気相成長法、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマCVD法、光CVD法、イオンプレーティング法、電子ビーム蒸着法などが用いられる。これらの中でも、スパッタリング法が、量産性、膜質等に優れている。
前記その他の工程としては、例えば、記録層形成工程、反射層形成工程、保護層形成工程、などが挙げられ、公知の方法により形成することができる。
(記録再生方法)
本発明の追記型光記録媒体の記録再生方法は、本発明の前記追記型光記録媒体における記録層にレーザ光を照射して情報の記録及び再生の少なくともいずれかを行う。
この場合、前記記録再生は450nm以下のレーザ光により行われることが好ましい。
前記記録層における酸化物材料は、記録再生波長が450nm以下の領域で、適度な複素屈折率を有するため、一般的に相変化型光記録媒体で用いられる材料に比べて、高反射率を実現しやすく、追記型光記録媒体に向いているという利点がある。
また、一般的に相変化型光記録媒体で用いられる材料に比べて、複素屈折率の虚部が小さいため、多層型追記型光記録媒体を実現しやすい。
前記酸化物材料のこれらの特性(高反射率及び高透過率特性)を十分に活かせる記録再生波長領域が450nm以下である。
以下、実施例により本発明について詳細に説明するが、本発明は、下記実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
−シュミレーション−
追記型光記録媒体の構成として、プラスチック基板/酸化物を含む記録層/断熱層/反射層を選択し、酸化物を含む記録層としてはBiFeO、断熱層としてはZnS-SiO(ZnS:SiO=85:15(モル比))を採用した。
前記基板、記録層、断熱層、及び反射層の複素屈折率(n、k)を表1に示す。なお、nは複素屈折率の実部、kは複素屈折率の虚部を表す。
Figure 2006216097
この追記型光記録媒体において、記録層(BiFeO)厚みを5nm、反射層厚みを100nmと固定し、断熱層(ZnS-SiO)厚みを0〜200nmまで変化させた時の追記型光記録媒体の反射率をディフラクト(MM Research,Inc.社製)により計算(シミュレーション)した。結果を図2に示す。
図2の結果から、追記型光記録媒体の反射率が極小値をとる断熱層(ZnS-SiO)の厚みは15nm近傍、100nm近傍であることがわかった。
一方、断熱層の最適厚みを下記数式1から算出されるd1±5(nm)、及び下記数式2から算出されるd2±10(nm)より求めた。
<数式1>
d1=(−9.2×n)+35
<数式2>
d2=(−60.9×n)+240
ただし、前記数式1及び数式2において、nは、断熱層の複素屈折率の実部を表す。
反射率が極小値をとる最も薄い断熱層の厚みd1は、上記数式1から、d1=−9.2×2.3+35=13.84nmとなった。
反射率が極小値をとる2番目に薄い断熱層の厚みd2は、上記数式2から、d2=−60.9×n+240=99.93nmとなった。
これらの結果から、上記数式1及び数式2で求められた結果と、図2の結果は非常によく一致することが確認できた。
なお、光記録媒体の反射率が極小値をとる断熱層(ZnS-SiO)の厚みは、100nmより厚い領域にも存在するが、生産性や断熱層(ZnS-SiO)を成膜時の温度の影響等を考えると、実際の追記型光記録媒体の生産には不向きな面もあるので、本実施例では検討対象外とした(ただし、断熱層の厚みを100nm以下に限定するものではない)。
(実施例2)
実施例1のシミュレーション結果に基づいて、実際に、追記型光記録媒体を作製した。
まず、直径12cm、厚さ0.6mm、トラックピッチ0.43μm、溝深さ20nmのポリカーボネート樹脂製基板上に、スパッタ法(芝浦メカトロニクス社製のスパッタリング装置)により、記録層としてのBiFeOを厚みが5nmとなるように成膜した。
次に、記録層上に、ZnS:SiO=85:15(モル比)のターゲットを用いてスパッタ法により断熱層としてのZnS-SiOを厚みが15nmとなるように成膜した。
次に、断熱層上に、反射層としてのAg合金層をスパッタ法により厚みが100nmとなるように成膜した。
次に、反射層上に、塗布法により保護層を厚みが5μmとなるように成膜して、追記型光記録媒体を作製した。
(実施例3)
実施例2において、断熱層としてのZnS-SiOの厚みを100nmにした以外は、実施例2と同様にして、追記型光記録媒体を作製した。
(比較例1)
実施例2において、断熱層としてのZnS−SiOの厚みを20nmにした以外は、実施例2と同様にして、追記型光記録媒体を作製した。
この比較例1の断熱層の厚み20nmは、図2に示す通り、追記型光記録媒体の反射率が極小値となる厚みではないことが明らかである。
(比較例2)
実施例2において、断熱層としてのZnS−SiOの厚みを78nmにした以外は、実施例2と同様にして、追記型光記録媒体を作製した。
この比較例2の断熱層の厚み78nmは、図2に示す通り、追記型光記録媒体の反射率が極小値となる厚みではないことが明らかである。
次に、実施例2〜3及び比較例1〜2の追記型光記録媒体について、パルステック工業株式会社製の光ディスク評価装置DDU−1000(波長:405nm、NA:0.65)を用いて、以下の記録再生条件で記録を行い、記録再生特性を評価した。結果を表2に示す。
<記録再生条件>
・変調方式:1−7変調
・記録線密度:最短マーク長(2T)=0.204μm
・記録線速度:6.6m/s
・波形等化:リミットイコライザ(Blu-ray規格に準拠)
・再生パワー:0.5mW
Figure 2006216097
表2の結果から、実施例2〜3は、比較例1〜2に比べて、非常に良好な記録再生特性を有することが確認できた。
(実施例4)
−シミュレーション−
追記型光記録媒体の構成として、プラスチック基板/酸化物を含む記録層/断熱層/反射層を選択し、これらの複素屈折率(n、k)を、表3に示す通りに設定した。なお、nは複素屈折率の実部、kは複素屈折率の虚部を表す。
Figure 2006216097
この追記型光記録媒体において、記録層の厚みを5nm、反射層の厚みを100nmと固定し、断熱層の複素屈折率の実部を1.7、2.0、2.1、2.2、2.3(実施例1のシミュレーションと同様)、2.4、2.5と変えて、断熱層の厚みを0〜200nmまで変化させた時の追記型光記録媒体の反射率を、それぞれ計算(シミュレーション)した。結果を図3に示す。
図3の結果から、反射率の極小値をとる厚みは、断熱層の複素屈折率の実部が小さくなると、断熱層の厚みが厚くなる側にシフトすることがわかる。即ち、断熱層厚みを変化させた時の反射率が極小値をとる2番目に薄い厚みをできるだけ薄くするには(断熱層の厚みを薄くできれば生産性を上げることができる)、断熱層の複素屈折率の実部を高くすることが好ましい。この点で、断熱層材料にZnSを含有させることは非常に有効であることが認められる。
このことから、例えば、断熱層の材料や組成を変更した場合、その複素屈折率を測定するだけで、良好な記録再生特性が得られる断熱層の厚みを容易に、かつ確実に決定できることが明らかである。
この事実を更に検証するため、実施例1において、断熱層であるZnS-SiOを、ZnS:SiO=85:15(モル比)からZnS:SiO=50:50(モル比)に変更した。このZnS:SiO=50:50(モル比)の複素屈折率の実部は、エリプソメトリーによる測定の結果、1.7であった。
(実施例5)
実施例4のシミュレーション結果に基づいて、実施例2と同様にして、以下の組成及び厚みの追記型光記録媒体を作製した。
即ち、プラスチック基板(トラックピッチ0.43μm、溝深さ20nm)/記録層としてのBiFeO(厚み:5nm)/断熱層としてのZnS-SiO(厚み:14nm)/反射層としてのAg合金層(厚み:100nm)/保護層(厚み:5μm)を順次積層して、追記型光記録媒体を作製した。
(実施例6)
実施例5において、断熱層としてのZnS-SiOの厚みを22nmとした以外は、実施例5と同様にして、追記型光記録媒体を作製した。
得られた追記型光記録媒体について、パルステック工業(株)製の光ディスク評価装置DDU−1000(波長:405nm、NA:0.65)を用いて、実施例2と同様の記録再生条件で記録を行った。
Figure 2006216097
表4の結果から、断熱層としてのZnS:SiO=85:15(モル比)で非常に良好な記録再生特性を示した断熱層の厚み14nmでは、ZnS:SiO=50:50(モル比)とした追記型光記録媒体では、実用可能なレベルではあるが、あまり良好な記録再生特性を示さなかった。
これに対し、図3で示したシミュレーションで反射率が極小値をとる最薄の厚みである22nm(図3において、複素屈折率の実部が1.7の反射率曲線を参照)に断熱層厚みを設定した場合に良好な記録再生特性が実現できることが確認できた。
また、実施例2と同様に、上記数式1及び数式2から、断熱層の最適厚みを計算すると、反射率が極小値をとる最薄の厚みd1は数式1からd1=−9.2×1.7+35=19.36nmとなった。また、反射率が極小値をとる2番目に薄い厚みd2は数式2から、d2=−60.9×n+240=136.47nmとなった。
このように数式1及び数式2で求められた断熱層の最適厚みの結果と、図3の結果は非常によく一致することが認められた。
本発明の追記型光記録媒体は、青色レーザ波長領域以下であっても、高密度の記録を高信頼性で行うことができ、各種光記録媒体、特に、CD−R、DVD−Rなどに幅広く用いられる。
図1は、本発明の追記型光記録媒体の層構成の一例を示す概略断面図である。 図2は、実施例1のシミュレーションによる断熱層の厚みと反射率との関係を示すグラフである。 図3は、実施例4のシミュレーションによる断熱層の厚みと反射率との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 基板
2 記録層
3 断熱層
4 反射層

Claims (13)

  1. 酸化物を含む記録層と、反射層と、該記録層と該反射層との間に断熱層とを少なくとも有する追記型光記録媒体であって、
    前記断熱層の厚みが、該断熱層の厚みを変化させた時の前記追記型光記録媒体の反射率が極小値となる厚みであることを特徴とする追記型光記録媒体。
  2. 断熱層の厚みが、該断熱層の厚みを変化させた時の追記型光記録媒体の反射率が極小値となる厚みのうちの最も薄い厚みである請求項1に記載の追記型光記録媒体。
  3. 断熱層の厚みが、該断熱層の厚みを変化させた時の追記型光記録媒体の反射率が極小値となる厚みのうちの2番目に薄い厚みである請求項1に記載の追記型光記録媒体。
  4. 断熱層の厚みが、下記数式1から算出されるd1±5(nm)、及び下記数式2から算出されるd2±10(nm)のいずれかである請求項1から3のいずれかに記載の追記型光記録媒体。
    <数式1>
    d1=(−9.2×n)+35
    <数式2>
    d2=(−60.9×n)+240
    ただし、前記数式1及び数式2において、nは、断熱層の複素屈折率の実部を表す。
  5. 記録層における酸化物が、酸化ビスマスである請求項1から4のいずれかに記載の追記型光記録媒体。
  6. 記録層の厚みが25nm以下である請求項1から5のいずれかに記載の追記型光記録媒体。
  7. 断熱層が、少なくともZnSを含む請求項1から6のいずれかに記載の追記型光記録媒体。
  8. 断熱層が、ZnSとSiOとの混合物を含む請求項7に記載の追記型光記録媒体。
  9. 反射層が、Ag及びAg合金のいずれかを含む請求項1から8のいずれかに記載の追記型光記録媒体。
  10. 基板を有する請求項1から9のいずれかに記載の追記型光記録媒体。
  11. 断熱層の厚みを変化させた時の追記型光記録媒体の反射率が極小値となる厚みをシミュレーションにより求め、該厚みの断熱層を記録層と反射層との間に形成する断熱層形成工程を少なくとも含むことを特徴とする追記型光記録媒体の製造方法。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載の追記型光記録媒体における記録層にレーザ光を照射して情報の記録及び再生の少なくともいずれかを行うことを特徴とする追記型光記録媒体の記録再生方法。
  13. 記録再生が450nm以下のレーザ光を照射することにより行われる請求項12に記載の追記型光記録媒体の記録再生方法。
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