JP2006215226A - 電気光学装置及びその製造方法、電気光学装置用基板の製造方法、並びに電子機器 - Google Patents

電気光学装置及びその製造方法、電気光学装置用基板の製造方法、並びに電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 基板上に形成される光学要素に左右で非対称な光学パターンを短時間で正確に形成できる電気光学装置の製造方法を提供する。
【解決手段】 左右で非対称な光学パターンを持つように基板8a上に形成された光学要素41と、基板8aによって支持される液晶層とを有する電気光学装置を製造する製造方法である。この製造方法は、基板8a上に第1樹脂層49”を形成する工程と、階調パターンを備えた第1マスクを用いて第1樹脂層49”を露光する工程と、露光された第1樹脂層49”を現像して段状で非対称な凸部49Aを基板8a上に複数形成する工程と、段状で非対称な複数の凸部49Aを覆う被覆膜66を形成する工程とを有する。階調マスクを用いて露光を行うので、段状凸部49Aを1回の露光で形成でき、それ故、凸部49Aの各段間で位置ズレが生じることが無い。
【選択図】 図12

Description

本発明は、非対称な光学パターンが付与された光学要素を基板上に有する電気光学装置用基板を製造するための電気光学装置用基板の製造方法に関する。また、本発明は、その電気光学装置用基板を用いて構成される電気光学装置に関する。また、本発明は、その電気光学装置を製造するための電気光学装置の製造方法に関する。また、本発明は、その電気光学装置を用いて構成される電子機器に関する。
現在、携帯電話機、携帯情報端末機、ICレコーダ、その他各種の電子機器に電気光学装置が広く用いられている。例えば、電子機器に関する情報、あるいはその他種々の情報を表示するための表示部として電気光学装置が用いられている。電気光学装置は、電気的な入力を制御することにより、光学的な出力状態に変化を持たせる装置である。このような電気光学装置としては、例えば、電気光学物質として液晶を用いる液晶表示装置が知られている。
電気光学装置の中には、基板上に光反射膜を設け、その光反射膜で反射する光を利用して表示を行うものがある。そして、このような光反射膜に左右で非対称なパターン(すなわち非対称な模様、すなわち非対称な形状)を付与する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。この従来技術では、光反射膜の下地となる光学要素である樹脂膜に左右で非対称なパターンを付与し、この非対称パターンを有する樹脂膜に光反射膜を積層することにより、光反射膜に非対称パターンを付与している。
この従来技術では、第1のフォトマスクを用いて第1回目のフォトリソグラフィ処理を行って基板上に第1の複数の凸部を形成し、次に、第2のフォトマスクを用いて第2回目のフォトリソグラフィ処理を行って上記第1の凸部の上に第2の凸部を形成し、これにより、樹脂層の表面に非対称パターンを形成している。この従来技術において、第1回目のフォトリソグラフィ処理にける露光の際の露光量と、第2回目のフォトリソグラフィ処理における露光の際の露光量は、通常、互いに異なっている。
また、フォトリソグラフィ処理によって基板上に複数の凸部を形成する技術において、それら複数の凸部を覆う被覆膜を第2回目のフォトリソグラフィ処理によって形成して、基板の表面を滑らかに成形するという技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2000−180610号公報(第3〜4頁、図1) 特開2003−075987号公報(第11〜12頁、図12)
特許文献1に開示された上記の従来の技術は、2回のフォトリソグラフィ処理によって個々の凸部に複数の段を形成するという技術であり、複数の段を持った凸部を1回のフォトリソグラフィ処理によって一度に形成するという技術ではない。この従来の技術においては、1回目のフォトリソグラフィ処理における露光と、2回目のフォトリソグラフィ処理における露光との間で露光位置の位置ズレが発生するおそれがあり、複数の段を持った凸部を希望通りの正確な段形状に形成できないおそれがあった。それ故、この従来の技術では、非対称光学パターンを希望通りに正確に形成できないおそれがあった。
また、特許文献2に開示された上記の従来の技術は、2回目のフォトリソグラフィ処理によって凸部の表面を滑らかにするという技術であるが、1回目のフォトリソグラフィ処理によって形成されるのは1つの段を持った凸部であり、複数の段を持った凸部を1回のフォトリソグラフィ処理によって一度に形成するという技術ではない。従って、この従来の技術では、下地層を構成する樹脂等といった光学要素に希望する非対称の光学パターンを付与することができなかった。
本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであって、基板上に形成される光学要素に左右で非対称な光学パターンを短時間で正確に形成できる電気光学装置、電気光学装置の製造方法、電気光学装置用基板の製造方法、及び電子機器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係る電気光学装置の製造方法は、基板と、非対称な光学パターンを持つように前記基板上に形成された光学要素と、前記基板によって支持される電気光学物質とを有する電気光学装置を製造する電気光学装置の製造方法において、前記基板上に第1樹脂層を形成する工程と、遮光率が異なる複数の遮光領域を有する階調パターンを備えた第1マスクを用いて前記第1樹脂層を露光し、さらに現像して段状で非対称な凸部を複数形成する工程と、前記段状で非対称な複数の凸部を覆う被覆膜を形成する被覆膜形成工程とを有することを特徴とする。
上記の構成において、「基板」は、例えばガラス、プラスチック等によって形成される。「非対称な光学パターン」とは、側面から見て左右が非対称である光学パターンである。ここでいう側面とは、観察方向(すなわち、人が見ている方向)を正面とした場合の側面である。上記の非対称な光学パターンの平面形状は点対称又は線対称であっても良いし、あるいは非対称であっても良い。「電気光学装置」は、電気的な入力を制御することによって光学的な出力を調整する装置であり、例えば液晶表示装置である。
また、上記の構成において、「光学要素」は基板上に設けられる光学要素であって、非対称な光学パターンを有することが必要とされる光学要素のことである。液晶表示装置の分野において非対称な光学パターンを有することが必要とされるのは、例えば、液晶パネルの内部に設ける光反射膜で反射する光に指向性を持たせるためにその光反射膜に非対称パターンを付与する場合である。
従来、光反射膜を特定の断面形状、例えば特定の凹凸形状に形成するような場合には、まず、光反射膜の下地となる樹脂層の表面に凹凸形状を付与し、その凹凸形状を持った樹脂層の上に光反射材料を積層することにより、凹凸形状を有する光反射膜を形成している。従って、本発明における「光学要素」の具体例としては、凹凸形状が付与される樹脂層や、凹凸形状が付与される光反射膜等が考えられる。
また、上記の構成において、「第1樹脂層」は、例えば感光性樹脂をスピンコート法によって基板上で広げることによって形成できる。また、「階調パターン」は、光透過率の異なる複数の領域を有するパターンのことである。この階調パターンは、例えば、所定の光透過率を有するCr(クロム)層を基板上に積層することにして、その積層数を領域別に異ならせることによって形成できる。「被覆膜」は、凸部を形成する樹脂と同じ樹脂によって形成しても良いし、あるいは、凸部を形成する樹脂とは異なる適宜の樹脂によって形成しても良い。
上記構成の本発明に係る電気光学装置の製造方法によれば、階調パターンを備えた第1マスクを用いた露光により、側面的に見て段状であり且つ側面的に見て非対称な形状である凸部を1回の露光処理及びそれに続く1回の現像処理によって一度に形成できる。このため、段の形成位置に位置ズレが発生することを防止でき、その結果、基板上に形成される光学要素に非対称光学パターンを短時間で正確に付与できる。
次に、本発明に係る電気光学装置の製造方法は、前記現像処理によって形成された段状で非対称な複数の凸部を焼成する工程を、さらに有することが望ましい。「焼成」とは樹脂を所定時間、所定温度に晒すことであり、主に、樹脂の凹凸を滑らかにすること、及び樹脂の架橋反応を完結させること、のために行われる。樹脂の架橋反応が未完結であると、その後に再び現像及び焼成を行うときや、あるいはその後に何等かの別の処理を行うときに、樹脂が剥がれるおそれがある。しなしながら、1回目の現像処理の後に焼成を施しておけば、その後の処理の際に樹脂が剥がれることを防止できる。この焼成の条件は使用される樹脂の材質に応じて種々に変化するが、現在広く用いられている感光性樹脂であるレジスト材料を用いるものとすれば、焼成の条件は、温度が200℃〜230℃程度で、時間が40〜60分程度であることが多い。
次に、本発明に係る電気光学装置の製造方法において、前記被覆膜形成工程は、前記段状で非対称な複数の凸部を覆う第2樹脂層を形成する工程と、第2マスクを用いて前記第2樹脂層を露光する工程と、前記第2樹脂層を現像して前記段状で非対称な複数の凸部を覆う被覆膜を形成する工程とを有することが望ましい。複数の非対称な段状の凸部を被覆膜によって覆うことにすれば、表面が滑らかな非対称パターンを形成できる。
上記第2樹脂層は、例えば上記第1樹脂層と同じ材料によって形成できる。また、第2樹脂層は、スピンコート、あるいはその他の周知の成膜手法によって形成できる。上記の被覆膜は、少なくとも複数の非対称な段状の凸部の全てを覆うだけの面積をもって形成される。
次に、本発明に係る電気光学装置の製造方法は、前記現像処理によって形成された前記被覆膜を焼成する工程を有することが望ましい。こうすれば、被覆膜をより一層平滑に形成でき、さらに、被覆膜を安定化することができる。
次に、本発明に係る電気光学装置の製造方法おいて、前記凸部を形成する工程では、基板上に設けられる1段目のパターンと、当該1段目のパターン上に設けられる高さが異なる複数の2段目のパターンとを形成することが望ましい。この構成によれば、複数の2段目のパターン間で高さを異ならせることにより、非対称パターンの傾斜を任意の所望の値に設定できる。
次に、本発明に係る電気光学装置の製造方法おいて、前記凸部を形成する工程では、基板上に設けられる1段目のパターンと、当該1段目のパターン上に設けられる2段目のパターンとを形成し、このとき、前記1段目のパターンの外周の一部と、前記2段目のパターンの外周の一部とが互いに重なるようにそれらのパターンを形成することが望ましい。この構成によれば、2段目のパターンを1段目のパターンから剥がれ難くすることができる。
次に、本発明に係る電気光学装置の製造方法は、前記凸部を覆う被覆膜の上に光反射膜を形成する工程をさらに有することが望ましい。こうすれば、光反射膜によって光を反射できる。さらに、下地層である凸部が持っている非対称な光学パターンに対応して光反射膜に非対称な光学パターンを付与できるので、その非対称な光学パターンの形状に応じた方向へ光反射膜によって光を反射することができる。つまり、反射光に指向性を持たせることができる。例えば、この反射光を用いて表示を行うことを考えれば、反射光の指向性を観察者の視角に合わせることにより、その観察者に明るい表示を提供できる。
次に、光反射膜を形成する工程を有する前記の本発明に係る電気光学装置の製造方法おいて、前記基板には、前記光反射膜が設けられる光反射部と前記光反射膜が設けられない光透過部とを有する複数の表示用ドット領域を規定することができる。そしてその場合、前記凸部を形成する工程では、前記光反射部に対応する領域に前記凸部を形成すると同時に、前記光透過部に対応する領域にプリズムを形成することができる。この構成によれば、プリズムの形状を適宜に選定することにより、光透過部における透過光に所望の指向性を持たせることができる。
次に、本発明に係る電気光学装置は、複数の表示用ドット領域が設けられた基板と、前記表示用ドット領域の中に設けられた、光反射膜が設けられた光反射部及び前記光反射部が設けられていない光透過部とを有し、前記光反射部には、段状で非対称な複数の凸部と、該凸部を覆う被覆膜と、該被覆膜を覆う前記光反射膜とが設けられ、前記凸部は、基板上に設けられた1段目のパターンと、当該1段目のパターン上に設けられた高さが異なる複数の2段目のパターンとからなることを特徴とする。この構成によれば、複数の2段目のパターン間で高さを異ならせることにより、非対称パターンの傾斜を任意の所望の値に設定できる。
次に、本発明に係る他の電気光学装置は、複数の表示用ドット領域が設けられた基板と、前記表示用ドット領域の中に設けられた、光反射膜が設けられた光反射部及び前記光反射部が設けられていない光透過部とを有し、前記光反射部には、段状で非対称な複数の凸部と、該凸部を覆う被覆膜と、該被覆膜を覆う前記光反射膜とが設けられ、前記凸部は、基板上に設けられた1段目のパターンと、当該1段目のパターン上に設けられた2段目のパターンとからなり、前記1段目のパターンの外周の一部と、前記2段目のパターンの外周の一部とが重なっていることを特徴とする。この構成によれば、2段目のパターンを1段目のパターンから剥がれ難くすることができる。
次に、本発明に係るさらに他の電気光学装置は、複数の表示用ドット領域が設けられた基板と、前記表示用ドット領域の中に設けられた、光反射膜が設けられた光反射部及び前記光反射部が設けられていない光透過部とを有し、前記光反射部には、段状で非対称な複数の凸部と、該凸部を覆う被覆膜と、該被覆膜を覆う前記光反射膜とが設けられ、前記光透過部には、プリズムが設けられていることを特徴とする。この構成によれば、プリズムの形状を適宜に選定することにより、光透過部における透過光に所望の指向性を持たせることができる。
次に、本発明に係る電気光学装置用基板の製造方法は、基板と、非対称な光学パターンを持つように前記基板上に形成された光学要素とを有する電気光学装置用基板を製造するための電気光学装置用基板の製造方法において、前記基板上に第1樹脂層を形成する工程と、遮光率が異なる複数の遮光領域を有する階調パターンを備えた第1マスクを用いて前記第1樹脂層を露光し、さらに現像して段状で非対称な凸部を複数形成する工程と、前記段状で非対称な複数の凸部を覆う被覆膜を形成する被覆膜形成工程とを有することを特徴とする。
この電気光学装置用基板の製造方法によれば、階調パターンを備えた第1マスクを用いた露光により、側断面的に見て段状であり且つ側断面的に見て非対称な形状である凸部を1回の露光処理及びそれに続く1回の現像処理によって一度に形成できる。このため、段の形成位置に位置ズレが発生することを防止でき、その結果、非対称光学パターンを短時間で正確に形成できる。
次に、本発明に係る電気光学装置用基板の製造方法は、前記現像処理によって形成された複数の非対称な段状の凸部を焼成する工程をさらに有することが望ましい。一般に、フォトリソグラフィ処理を受けた樹脂の架橋反応が未完結であると、その樹脂に対して再度、フォトリソグラフィ処理を施したときにその樹脂が剥がれるおそれがある。しかしながら、1回目のフォトリソグラフィ処理を受けた後の樹脂に焼成を施しておけば、2回目のフォトリソグラフィ処理の際に樹脂が剥がれることを防止できる。この点に鑑み、本発明に係る電気光学装置用基板の製造方法において、現像によって形成された複数の非対称な段状の凸部を焼成することにすれば、それらの凸部に再度のフォトリソグラフィ処理を施して上記の被覆膜を形成する際、凸部が剥がれることを確実に防止できる。
次に、本発明に係る電子機器は、以上に記載した構成の電気光学装置を有することを特徴とする。本発明に係る電気光学装置では、電気光学装置を構成する基板の上に形成される任意の光学要素、例えば光反射膜、に所望の非対称パターンを正確に付与できるので、電気光学装置に所望の光学特性を付与できる。それ故、その電気光学装置を用いた電子機器に対しても所望の光学特性を付与できる。このような電子機器としては、例えば、携帯電話機、携帯情報端末機、ICレコーダ、その他種々の電子機器が考えられる。
(電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電気光学装置用基板の製造方法の第1実施形態)
以下、本発明に係る電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電気光学装置用基板の製造方法を実施形態に基づいて説明する。なお、本発明がその実施形態に限定されないことはもちろんである。また、これ以降の説明では図面を用いて各種の構造を例示するが、これらの図面に示される構造は特徴的な部分を分かり易く示すために実際の構造に対して寸法を異ならせて示す場合があることに注意を要する。
図1は、本発明に係る電気光学装置の一実施形態である液晶表示装置1を示している。ここに示す液晶表示装置1は、電気光学パネルとしての液晶パネル2と、この液晶パネル2に付設された照明装置3と、液晶パネル2に接続された配線基板としてのFPC(Flexible Printed Circuit:可撓性プリント回路)基板4とを有する。この液晶表示装置1に関しては矢印Aが描かれた側が観察側であり、上記の照明装置3は液晶パネル2に関して観察側と反対側に配置されてバックライトとして機能する。
液晶パネル2は、長方形又は正方形で環状のシール材6によって互いに貼り合わされた一対の基板7及び8を有する。基板7はスイッチング素子が形成される素子基板である。また、基板8はカラーフィルタが形成されるカラーフィルタ基板である。シール材6はその一部に液晶注入口6aを有し、この液晶注入口6aを介して液晶が液晶パネル2の内部へ注入され、素子基板7とカラーフィルタ基板8との間に液晶層12が形成される。液晶注入口6aは液晶の注入が完了した後に樹脂によって封止される。
照明装置3は、光源としてのLED(Light Emitting Diode)13と、導光体14とを有する。光源としては、LEDのような点状光源以外に、冷陰極管のような線状光源を用いることもできる。導光体14は、例えば、透光性を有する樹脂を材料とする成形加工によって形成され、LED13に対向する側面が光入射面14aであり、液晶パネル2に対向する面が光出射面14bである。矢印Aで示す観察側から見て導光体14の背面側には、必要に応じて、光反射層16が設けられる。また、導光体7の光出射面14bには、必要に応じて、光拡散層17が設けられる。
素子基板7は、図2において、第1の透光性の基板7aを有する。この第1透光性基板7aは、例えば、透光性のガラス、透光性のプラスチック等によって形成される。この第1透光性基板7aの外側表面には偏光板18aが、例えば、貼着によって装着される。必要に応じて、偏光板18a以外の光学要素、例えば位相差板を設けることもできる。他方、第1透光性基板7aの内側表面には、ライン配線19が形成される。1本のライン配線19は図2の左右方向に延びている。そして、スイッチング素子として機能する非線形抵抗素子である複数のTFD素子21がそのライン配線19に沿って該ライン配線19に接続して形成される。さらに、それらのTFD素子21及びライン配線19を覆うように絶縁層としてのオーバーレイヤ22が形成され、このオーバーレイヤ22上に複数の画素電極23が形成される。画素電極23は、例えばITO(Indium Tin Oxide:インジウムスズ酸化物)等といった金属酸化物によって形成される。
オーバーレイヤ22の上には複数のフォトスペーサ24が形成される。各フォトスペーサ24は各画素電極23の間に位置している。これらのフォトスペーサ24は、例えば、感光性樹脂をフォトリソグラフィ処理によってパターニングすることによって形成する。フォトスペーサ24は、立った状態の円柱形状に形成されており、セルギャップGが均一な寸法を維持するように機能する。なお、フォトスペーサ24はギャップ材と呼ばれることがある。
フォトスペーサ24及び画素電極23の上には配向膜26aが形成される。この配向膜26aは、例えばポリイミド等によって形成される。配向膜26aには配向処理、例えばラビング処理が施され、これにより、素子基板7の近傍における液晶分子の初期配向が決められる。
オーバーレイヤ22は、例えばアクリル樹脂等といった透光性を有した絶縁材料によってライン配線19及びTFD素子21を覆うように形成される。画素電極23は、このオーバーレイヤ22の上に形成されている。このオーバーレイヤ22には、図3に示すように、画素電極23とTFD素子21とを電気的に接続するためのコンタクトホール27が形成される。このコンタクトホール27は、TFD素子21とは重ならない位置であって、画素電極23と平面的に重なる位置に形成する。また、TFD素子21は、2つのTFD要素である第1TFD要素21aと第2TFD要素21bとを直列に接続することによって、いわゆるバック・ツー・バック(Back-to-Back)構造として形成されている。
TFD素子21は、例えば次のようにして形成される。すなわち、まず、Ta(タンタル)またはTa合金によってライン配線19の第1層31及びTFD素子21の第1素子電極34を形成する。次に、陽極酸化処理によってライン配線19の第2層32及びTFD素子21の絶縁膜35を形成する。次に、例えばCrによってライン配線19の第3層33及びTFD素子21の第2素子電極36を形成する。そして、このように形成したTFD素子21を覆うようにオーバーレイヤ22を形成する。
第1TFD要素21aの第2素子電極36はライン配線19の第3層33から延びている。また、オーバーレイヤ22を、例えばフォトリソグラフィ処理によって形成する際、コンタクトホール27を第2TFD要素21bの第2素子電極36の先端部の直上に形成する。そして、オーバーレイヤ22を挟んでTFD素子21の反対側に画素電極23が形成され、コンタクトホール27を通して画素電極23と第2素子電極36とが導通する。
上記のように、画素電極23の下にオーバーレイヤ22を設けることにより、画素電極23の層とTFD素子21の層とを別の層に分けている。この構造は、画素電極23とTFD素子21とを同じ層に形成する構造に比べて、図2の素子基板7の表面を有効に活用できる。例えば、画素電極23の面積、すなわち画素面積を大きくすることができるので、液晶表示装置1において表示を見やすくできる。
なお、図3の第1素子電極34等が第1透光性基板7aから剥れることを防止したり、第1透光性基板7aから第1素子電極34等へ不純物が拡散しないようにする等のために、TFD素子21と第1透光性基板7aとの間及びライン配線19と第1透光性基板7aとの間に下地層37を設けることもできる。
図2において、素子基板7に対向するカラーフィルタ基板8は、矢印Aで示す観察側から見て長方形又は正方形の第2の透光性の基板8aを有する。この第2透光性基板8aは、例えば、透光性のガラス、透光性のプラスチック等によって形成される。この第2透光性基板8aの外側表面には偏光板18bが、例えば、貼着によって装着される。必要に応じて、偏光板18b以外の光学要素、例えば位相差板を設けることもできる。
第2透光性基板8aの内側表面には、図4に示すように、樹脂膜41が形成され、その上に光反射膜42が形成される。光反射膜42は、例えば、Al(アルミニウム)、Al合金等によって形成される。光反射膜42の上には複数の着色要素43及びそれらを取り囲む遮光部材44が形成され、その上にオーバーコート層46が形成され、その上に紙面垂直方向へ直線的に延びる複数の帯状電極47が形成され、さらにその上に配向膜26bが形成される。配向膜26bには配向処理、例えばラビング処理が施され、これにより、カラーフィルタ基板8の近傍における液晶分子の初期配向が決められる。
上記の樹脂膜41は、図5(b)に示すように、樹脂によって形成された段状の凸部49Aの表面を被覆膜66で覆うことによって形成されている。この凸部49Aは、これ以降、樹脂凸部49Aと呼ばれることがある。樹脂凸部49Aは、図6及び図7に示すように基板8a上に複数個、ランダムな配列状態で設けられている。個々の樹脂凸部49Aは図5(b)に示すように段状であるが、これに被覆膜66が被覆されて樹脂膜41が形成されると、その樹脂膜41における個々の凸部は滑らかな円錐形状になる。樹脂凸部49Aは左右で非対称な段状に(すなわち、左右で非対称な光学パターンとして)形成されており、そのため、樹脂膜41における個々の凸部も左右で非対称なテーパを持つ偏心状態の円錐形状として形成される。
樹脂膜41の凸部はこのように偏心状態の円錐形状として形成されるので、その樹脂膜41の上に積層される光反射膜42も図5(a)に等高線Hで示すように偏心状態の円錐形状である凸部48を有することになる。この凸部48は、これ以降、反射凸部48と呼ばれることがある。ここで、偏心状態とは、反射凸部48の頂点Pが反射凸部48の平面形状である円形の中心からずれている形状のことである。
個々の反射凸部48は、樹脂膜41における個々の凸部と同様に、左右で非対称なテーパ(すなわち、左右で非対称な光学パターンとして)を持つことになる。このような反射凸部48が基板8a上に複数個設けられることにより、光反射膜42で反射した光L2は個々の反射凸部48のテーパに対応した特定の方向に進行する。すなわち、光反射膜42は反射光に指向性を付与できる。このような指向性を観察者が表示を見る方向、すなわち観察者の視角に合わせることにより、観察者に明るい表示を提供できる。
以上のように、本実施形態では、光反射膜42の凸部48を偏心形状とするために、光反射膜42の下地である樹脂膜41を構成する個々の樹脂凸部49Aを偏心形状に形成している。つまり、光反射膜42に非対称な光学パターンを形成するために、樹脂膜41に非対称な光学パターンを形成している。この非対称な光学パターンの形成方法の詳細については後述する。
図4において、オーバーコート層46は、例えば、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等といった感光性の樹脂によって形成される。図4の紙面垂直方向に帯状に延びる複数の電極47は、例えばITO等といった金属酸化物によって形成される。また、その上に形成された配向膜26bは、例えばポリイミド等によって形成される。
素子基板7上に設けられた複数の画素電極23は矢印A方向から見て、縦横にマトリクス状に並ぶ、いわゆるドットマトリクス状に配列されている。つまり、複数の画素電極23は、図4の左右方向へ直線状に並べられると共に、図4の紙面垂直方向へ直線状に並べられている。一方、カラーフィルタ基板8上に設けられた複数の帯状電極47は、図4において左右方向に等間隔で紙面垂直方向に延びている。画素電極23及び帯状電極47は以上の構成により矢印A方向から見て重なり合っており、その重なり合った領域が表示のための最小単位である表示ドット領域Dを形成している。表示ドット領域Dが複数、縦横にマトリクス状に並ぶことにより図1の表示領域Vが形成され、この表示領域Vに文字、数字、図形等といった像が表示される。
図4において、個々の表示ドット領域Dに含まれる光反射膜42は光透過用の開口51を有する。これらの開口51は観察側から平面的に見て、図6に示すように、長方形状に形成されている。図4において、個々の表示ドット領域Dの中で光反射膜42が存在する領域Rが反射部であり、開口51が形成された領域Tが透過部である。観察側から入射した外部光、すなわち素子基板7側から入射した外部光Loは、反射部Rで反射する。一方、図2の照明装置3の導光体7から出射した図4の光L1は、透過部Tを透過する。
光反射膜42の構成を1つの表示ドット領域Dに着目して図示すると図7に示す通りである。図7において、第2透光性基板8aの上に樹脂膜41が形成され、その上に光反射膜42が形成され、さらに光反射膜42の一部に開口51が形成されている。樹脂膜41は非対称な光学パターンを持った複数の非対称な樹脂凸部49Aを有している。これら複数の樹脂凸部49Aは表示ドット領域D内でランダム(すなわち、無秩序)に並べられている。樹脂凸部49Aを有する樹脂膜41の上に光反射膜42が積層されることにより、その光反射膜42は樹脂凸部49Aに対応した反射凸部48を有することになる。なお、光反射膜42が形成されない開口51の中では、樹脂凸部49Aが外部に直接に露出している。
図4に示す複数の着色要素43は、図6に示すように1つ1つが表示ドット領域Dに対応して長方形のドット状に形成されている。これらの着色要素43の1つ1つは、B(青)、G(緑)、R(赤)の3原色のいずれか1つの光を通す材料によって形成されている。これら各色の着色要素43は、本実施形態では、縦方向に同じ色が並び、横方向に順々に異なる色が並ぶという色配列であるストライプ配列に並べられている。配列としては、ストライプ配列に代えてデルタ配列、モザイク配列、その他適宜の配列を選択しても良い。なお、着色要素43は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の3原色によって形成することもできる。
図4に示す遮光部材44は、例えばCr(クロム)等といった遮光性の材料によって、複数の着色要素43の間を埋める状態に形成される。この遮光部材44は、ブラックマスクとして機能して着色要素43を透過した光によって表示される像のコントラストを向上させる。なお、遮光部材44は、Cr等といった特定の材料によって形成されることに限られず、例えば、着色要素43を構成するB,G,R又はC,M,Yの各着色要素を重ねること、すなわち積層することによっても形成することができる。図5(a)及び図5(b)に示した光反射膜42の凸部48は図6において遮光部材44及び着色要素43の裏面に設けられている。なお、図6では図面を分かり易く示すために反射凸部48を模式的に大きく且つ少ない数で示してあるが、実際には、小さな反射凸部48が多数設けられる。
本実施形態のように、B,G,Rの3色から成る着色要素43を用いてカラー表示を行う場合は、B,G,Rの3色に対応する3つの着色要素43に対応する3つの表示ドット領域Dによって1つの画素が形成される。他方、白黒又は任意の1色でモノカラー表示を行う場合は、1つの表示ドット領域Dによって1つの画素が形成される。
図2において、素子基板7を構成する第1透光性基板7aはカラーフィルタ基板8の外側へ張り出す張出し部52を有している。この張出し部52のうちの矢印Aで示す観察側と反対側の表面には、配線54がフォトエチング処理等によって形成されている。配線54は複数本形成されており、それらの複数本が図2の紙面垂直方向へ互いに等間隔で平行に並べられている。また、張出し部52の辺端には複数の外部接続用端子56が紙面垂直方向へ互いに等間隔で平行に並ぶように形成されている。図1に示したFPC4に形成される配線は、図2の外部接続用端子56に導電接続する。
複数の配線54の一部はライン配線19となって第1透光性基板7aの表面上を延びている。また、複数の配線54の残りの一部はシール材6の中にランダム(すなわち、無秩序)に含まれる導通材57を介してカラーフィルタ基板8上に設けられた帯状電極47に導電接続されている。導通材57は、図2では模式的に大きく描かれているが、実際にはシール材6の断面の幅よりも小さいものであり、シール材6の1つの断面内に複数の導通材57が含まれるのが普通である。
張出し部52の表面には、ACF(Anisotropic Conductive Film:異方性導電膜)58を用いたCOG(Chip On Glass)技術によって、駆動用IC53が実装されている。駆動用IC53は、本実施形態では図1に示すように複数、例えば3個実装されている。例えば、中央の1つの駆動用IC53は、図2のライン配線19へデータ信号及び走査信号の一方を伝送する。他方、図1において両側の駆動用IC53,53は、カラーフィルタ基板8上に形成された帯状電極47へデータ信号及び走査信号の他方を伝送する。
以上のように構成された液晶表示装置1によれば、図2において、液晶表示装置1が明るい室外や明るい室内に置かれる場合は、太陽光や室内光等といった外部光を用いて反射型の表示が行われる。一方、液晶表示装置1が暗い室外や暗い室内に置かれる場合は、照明装置3をバックライトとして用いて透過型の表示が行われる。
上記の反射型表示を行う場合、図4において、観察側である矢印Aの方向から素子基板7を通して液晶パネル2内へ入射した外部光Loは、液晶層12を通過してカラーフィルタ基板8内へ入った後、反射部Rにおいて光反射膜42で反射して再び液晶層12へ供給される。他方、上記の透過型表示を行う場合、図2の照明装置3の光源6が点灯し、それからの光が導光体14の光入射面14aから導光体14へ導入され、さらに、光出射面14bから面状の光として出射する。この出射光は、図4の符号L1で示すように透過部Tにおいて開口51を通って液晶層12へ供給される。
以上のようにして液晶層12へ光が供給される間、素子基板7側の画素電極23とカラーフィルタ基板8側の帯状電極47との間には、走査信号およびデータ信号によって特定される所定の電圧が印加され、これにより、液晶層12内の液晶分子の配向がTN構造と垂直配向との間で表示ドット領域Dごとに制御され、この結果、液晶層12に供給された光が表示ドット領域Dごとに変調される。この変調された光が、素子基板7側の偏光板18a(図2参照)を通過するとき、その偏光板18aの偏光特性に従って表示ドット領域Dごとに通過を許容または通過を阻止され、これにより、素子基板7の表面に文字、数字、図形等といった像が表示され、これが、矢印A方向から視認される。
次に、以上に説明した液晶表示装置1を製造するための製造方法を図8に示す工程図を参照して説明する。図8の工程P1〜工程P7に至る工程は図1の素子基板7を形成する工程である。また、工程P11〜工程P17に至る工程は図1のカラーフィルタ基板8を形成する工程である。また、工程P21〜工程P28に至る工程はそれらの基板を貼り合わせて製品である液晶表示装置を形成する工程である。
なお、本実施形態では、図1に示す素子基板7及びカラーフィルタ基板8を1つずつ形成するのではなく、素子基板7に関しては、複数の素子基板7を形成できる大きさの面積を有する素子側マザー透光性基板の上に素子基板7の複数個分の要素を同時に形成するものとする。また、カラーフィルタ基板8に関しては、複数のカラーフィルタ基板8を形成できる大きさの面積を有するカラーフィルタ側マザー透光性基板の上にカラーフィルタ基板8の複数個分の要素を同時に形成するものとする。素子側マザー透光性基板及びカラーフィルタ側マザー透光性基板は、例えば、透光性ガラス、透光性プラスチック等によって形成される。
まず、図8の工程P1において、素子側マザー透光性基板の表面にスイッチング素子である図3のTFD素子21及び配線19を同時に形成する。なお、配線19の第1層31は、TFD素子21の第1素子電極34と同時に、例えばTaによって形成する。また、配線19の第2層32は、陽極酸化処理によってTFD素子21の絶縁膜35と同時に形成する。また、配線19の第3層33は、TFD素子21の第2素子電極36と同時に、例えばCrによって形成する。
次に、工程P2において、絶縁層である図3のオーバーレイヤ22を、ポジ型感光性樹脂材料によって第1透光性基板7a上に形成する。このとき、オーバーレイヤ22の適所にコンタクトホール27が形成される。次に、工程P3において、図3の画素電極23をITOを材料としてフォトエッチング処理(すなわち、フォトリソグラフィ処理及びエッチング処理)によって形成する。このとき、コンタクトホール27において画素電極23とTFD素子19の第2電極36との導通がとられる。
次に、工程P4において、図2のフォトスペーサ24が、例えば、ネガ型感光性樹脂を材料としてフォトリソグラフィ処理によって形成され、さらに工程P5において図2の配向膜26aが、例えばポリイミドを印刷することによって形成される。次に、工程P6において、配向膜26aにラビング処理が施され、さらに工程P7において、図1のシール材6が、例えばエポキシ系樹脂を印刷することによって形成される。以上により、素子側マザー透光性基板の上に素子基板7の複数個分の要素が形成されて大面積の素子側マザー基板が形成される。
次に図8の工程P11において、カラーフィルタ側マザー透光性基板の表面上に、図4の光反射膜42を図5に示すような非対称な凸状の光学パターンを有するように形成する。光反射膜42を非対称な凸状の光学パターンとして形成することにより、この光反射膜42で反射する光に指向性を持たせることができる。この光反射膜42の形成工程の詳細については後述する。なお、このとき、表示ドット領域Dごとに開口51が形成され、これにより、光反射部Rと光透過部Tが形成される。
次に、工程P12において、図2の遮光部材44を、例えばCrを材料としてフォトエッチング処理によって所定のパターン(例えば、複数の表示ドット領域Dの周りを埋めるような格子状パターン)に形成する。次に、工程P13において、図2の着色要素43を形成する。着色要素43については、B,G,Rの各色ごとに順々に形成する。例えば、各色の顔料や染料を感光性樹脂に分散させて成る着色材料をフォトリソグラフィ処理によって所定の配列に形成する。次に、工程P14において、図2のオーバーコート層46を、例えばアクリル樹脂、ポリイミド樹脂等といった感光性樹脂を材料としてフォトリソグラフィ処理によって形成する。
次に、図8の工程P15において、図2の帯状電極47をITOを材料としてフォトエッチング処理によって形成し、さらに工程P16において図2の配向膜26bを形成し、さらに工程P17において、配向処理としてのラビング処理を行う。以上により、カラーフィルタ側マザー透光性基板の上にカラーフィルタ基板8の複数個分の要素が形成されて大面積のカラーフィルタ側マザー基板が形成される。
その後、図8の工程P21において、素子側マザー基板とカラーフィルタ側マザー基板とを貼り合わせる。これにより、素子側マザー基板とカラーフィルタ側マザー基板とが個々の液晶パネルの領域において図1のシール材6を挟んで貼り合わされた構造の大面積のパネル構造体が形成される。
次に、以上のようにして形成された大面積のパネル構造体に含まれるシール材6を、工程P22において熱硬化または紫外線硬化によって硬化させて両マザー基板を接着して大面積のパネル構造体を形成する。次に、工程P23において、そのパネル構造体を1次切断、すなわち1次ブレイクして、図1の液晶パネル2の複数個が1列に並んだ状態で含まれる中面積のパネル構造体、いわゆる短冊状のパネル構造体を複数形成する。シール材6には予めその適所に開口6aが形成されており、上記の1次ブレイクによって短冊状のパネル構造体が形成されると、その開口6aが外部に露出する。
次に、図8の工程P24において、上記のシール材6の開口6aを通して各液晶パネル部分の内部へ液晶を注入し、その注入の完了後、その開口6aを樹脂によって封止する。次に工程P25において、2回目の切断、すなわち2次ブレイクを行い、短冊状のパネル構造体から図1に示す個々の液晶パネル2を切り出す。
次に、図8の工程26において、図1の基板張出し部52の表面に駆動用IC53を実装する。さらに、工程P27において図1の偏光板18a及び18bを液晶パネル2に接着する。そしてさらに、工程P28において、図1の照明装置4を液晶パネル2に取付ける。これにより、液晶表示装置1が完成する。
以下、工程P11の光反射膜の形成工程について、図9を参照して詳細に説明する。図9に示す方法は、大きく分けて、段状凸部形成工程Q1、被覆膜形成工程Q2、及び光反射膜形成工程Q3を有する。段状凸部形成工程Q1は図5(b)に示した段状の樹脂凸部49Aを形成する工程である。また、被覆膜形成工程Q2は図5(b)の樹脂凸部49Aの上に樹脂膜66を形成する工程である。また、光反射膜形成工程Q3は図5(b)の樹脂膜66の上に光反射膜42を形成する工程である。
段状凸部形成工程Q1では、まず工程P31において、図10のカラーフィルタ側マザー透光性基板68aの表面の全域に、図11(b)に符号49”で示すように、厚さが均一な第1樹脂層49”を形成する。第1樹脂層49”は、例えばポジ型の感光性レジスト材料、例えばJSR社製の商品名PC405Gを用いるものとする。なお、マザー基板68aは、図1に示した液晶パネル2のカラーフィルタ基板8を複数個形成できる面積を有する基板である。
図10においてドットマトリクス状に並べられた複数の方形状の領域Fは、図1のカラーフィルタ基板8の1個分の要素を形成するための領域を示している。本明細書においてはこの領域をパターン形成領域Fと呼ぶことにする。1つのパターン形成領域Fを示す図10(b)において、符号6’で示す枠状の部分は、図1のシール材6に対応する部分を示している。このシール材対応部分6’によって囲まれる領域内に、図2に示す表示ドット領域Dが複数個、ドットマトリクス状に形成される。
次に、図9の工程P32において、階調パターンを備えた第1露光マスクを用いて図11(b)の第1樹脂層49”を露光する。なお、本実施形態では、第1露光マスクとして図13に示す第1マスク61を用いるものとし、その第1マスク61を一括露光装置の所定位置に装着して露光処理を行うものとする。
第1マスク61は、例えば、ガラス基板64の表面に所定パターンの遮光領域を形成することによって形成されている。この第1マスク61は、液晶パネルの1個分のマスクパターン62を4個備えており、液晶パネル4個分の露光処理を同時に行うことができるようになっている。個々のマスクパターン62には図2の表示ドット領域Dの個々に対応する領域D’が複数個、ドットマトリクス状に配列されている。そして、個々の領域D’内には図13(b)に示すように複数のドット状の遮光領域63がランダム(すなわち、無秩序)に設けられている。
個々の遮光領域63は、平面図である図13(c)及び側面図である図13(d)に示すように、段状の階調パターンによって形成されている。階調パターンとは、光透過率の異なる複数の領域を有するパターンのことである。本実施形態では、第1マスク61を構成するガラス基板64の表面を第1段A1とし、その表面に円板形状の第2段パターンA2を形成し、その上に第2段パターンA2よりも面積の小さい円板形状の第3段パターンA3を形成し、さらにその上に第3段パターンA3よりも面積の小さい円板形状の第4段パターンA4を形成することにより、多段構造の遮光領域63が形成されている。
各々の段パターンA2,A3,A4は、いずれも、適宜の厚さの非透明部材、例えば所定厚さのCrによって形成されている。また、図13(c)に示すように、第3段パターンA3は第2段パターンA2に対して偏心状態に(すなわち、両方の円形の中心位置が互いにずれる状態)に形成されている。また、第4段パターンA4は第3段パターンA3に対して偏心状態に形成されている。本実施形態では、各々の段パターン間の偏心量δを均等に設定している。なお、各段パターンの厚さや偏心量は、必要に応じて自由に設定することができる。
遮光領域63においては、Crの積層厚さが厚くなる程、光透過率が低くなっており、具体的には、第1段(すなわち、ガラス基板)の光透過率が100%であり、第2段パターンA2の光透過率が80%であり、第3段パターンA3の光透過率が40%であり、第4段パターンA4の光透過率が0%になるように各段のCrの厚さが設定されている。つまり、本実施形態の遮光領域63は4階調のパターンとして形成されている。
本実施形態で用いる第1マスク61は以上のように形成されているので、これを用いて図9の露光工程P32で一括露光装置を用いて図11(b)の第1樹脂層49”を露光すれば、符号49A’で示すように、図13(c)の遮光領域63内の光透過率の相違に対応して段状の凸部49A’が形成される。但し、この露光の段階では、凸部49A’は顕在した形状ではなく、現像によって顕在化し得る形状である。
次に、図9の工程P33において、現像液を用いて現像処理を行うことにより、図11(b)に示すように、4つの段部A11,A22,A33,A44を有する凸部49A’が形成される。この凸部49A’はマスク61の遮光領域63と同様に各段部が円板形状であって、且つそれらが互いに偏心状態に形成されている。また、各段間の偏心量δは均等である。また、必要に応じて偏心量δに変化を持たせることもできる。
次に、図9の工程P34において、図11(b)の複数の凸部49A’に対して焼成を行う。例えば、凸部49A’の材料として感光性のレジスト材料であるJSR社製のPC405Gを用いた場合には、約220℃で40〜60分程度の焼成を行う。この焼成処理により、図11(b)に示した凸部49A’の各段部A22,A33,A44の角部を図12(a)に示すように滑らかにすることができる。以下、このような滑らかな角部を有する段状の樹脂凸部を符号49Aを用いて示すことにする。この樹脂凸部49Aが、図5(b)に示すように、光反射膜42の凸部48の下地部分となる。
また、図9の工程P34で焼成を行うことにより、図12(a)の樹脂凸部49Aを形成する樹脂の架橋反応を完結させることができる。このように樹脂の架橋反応が完結すれば、樹脂の強度を高めることができる。焼成によって架橋反応を完結させておかないと、樹脂凸部49Aに対してさらに後処理、例えば再度の現像処理や再度の焼成処理を加えたときに、その凸部49Aに剥がれが生じるおそれがあるが、焼成によって架橋反応を完結させておけばその後に凸部49A等に剥がれ等が生じることを防止できる。
以上により図12(a)に示すように複数の段部を有していて非対称な形状である凸部49Aが形成された後、図9の工程P35において、図12(b)に示すように、第2樹脂層66を例えばスピンコート処理により図10のマザー透光性基板68aの表面の全域に一様な厚さで形成する。そして、次に、工程P36において、第2のマスクを用いて露光処理を行う。
この第2のマスクは、例えばその平面図を図14(a)に示し、その側面図を図14(b)に示すようなマスクとして構成できる。この第2のレチクルマスク67は、ガラス基板68の表面に方形状のマスクパターン69を4個形成することによって形成されている。個々のマスクパターン69は一様な厚さのCr膜によって形成されていて、その大きさは図1のシール材6によって囲まれる領域内に収まる程度の大きさに設定されている。
図9の工程P36において、図14に示す第2レチクルマスク67を用いて露光を行い、さらに工程P37によって現像液を用いて現像することにより、図12(b)の第2樹脂層66を図10に示すマザー基板68aの表面上の各パターン形成領域F内に納まる大きさに形成する。これにより、複数の段を有する非対称形状の凸部49Aを被覆する被覆膜66を形成できる。この被覆膜66を工程P38において焼成、例えば約220℃で40〜60分程度で焼成することにより、被覆膜66の表面を滑らかにし且つ被覆膜66の樹脂の状態を安定化できる。
次に、工程P39において、図12(c)に示すように被覆膜66の上に光反射材料42’、例えばAl(アルミニウム)又はAl合金を塗布等によって形成する。この場合、光反射材料42’は図10のマザー基板68aの表面の全域に一様な厚さで形成する。そしてさらに、工程P40において、その光反射材料42’をフォトエッチング処理して図10のパターン形成領域F内に納まる大きさに形成すると共に、図4及び図6に示すように各ドット表示領域D内の適所に開口51を形成する。
以上により、図5(a)及び図5(b)に示したような、頂部が鈍角的に緩やかに丸められていると共にその頂部が中心からずれた状態の円錐形状である光反射膜42、すなわち、非対称な立体形状の光反射膜42が多数形成される。既述したように、これらの光反射膜42は、これに入射した光L2を特定の方向に反射させることができる。つまり、光反射膜42は、その凸部48で光を反射させることにより、その反射光に指向性を持たせることができる。このため、図4に示した液晶パネル2を構成する光反射膜42としてそのような非対称形状の光学パターンを持った光反射膜を用いれば、矢印Aで示す観察側から液晶パネル2の表示を見た場合に、観察者の視角に対応した特定の方向に明るい表示を実現できる。
以上に説明したように、本実施形態に係る製造方法によれば、図13(c)及び図13(d)に示すような階調パターンによって形成された遮光領域63を備えた第1マスク61を用いた露光により、図11(b)に示すように側断面的に見て段状であり、且つ側断面的に見て非対称な形状である凸部49A’を、1回の露光処理及びそれに続く1回の現像処理によって一度に形成した。このため、光学要素としての凸部49A’の各段A22,A33,A44の形成位置に位置ズレが発生することがなくなった。また、凸部49A’を焼成して得られる光学要素としての樹脂凸部49A(図12(a)参照)の各段の形成位置に位置ズレが発生することもなくなった。その結果、基板8a上に形成される光学要素としての光反射膜42に非対称な光学パターンを持った凸部48を短時間で正確に付与できるようになった。
(電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電気光学装置用基板の製造方法の第2実施形態)
図15は、本発明に係る電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電気光学装置用基板の製造方法の第2の実施形態を説明するための図である。この図は、既述した第1の実施形態における図11に相当する図である。
第1実施形態では、図8の光反射膜形成工程P11の中で行われる図9の露光工程P32において、図13に示すマスク61を用いて露光処理を行って、さらに現像処理を行うことにより、図11(a)に示す平面形状及び図11(b)に示す断面形状を有する非対称で段状の凸部49A’を形成した。これに対し、本実施形態に係る製造方法では、図13で示すマスクとは異なるマスクパターンを備えたマスクを用いて、図15(a)に示す平面形状であって且つ図15(b)に示す側断面形状を有する非対称で段状の樹脂凸部49B’を形成する。
この樹脂凸部49B’では、ガラス基板8aの表面である第1段A11の上に円板形状の第2段パターンA22が形成され、その第2段パターンA22の中心線上に高さの低い円柱形状の第3段パターンA33が形成され、さらに第2段パターンA22の中心線上の別の位置に高さの高い円柱形状の第4段パターンA44が形成されている。
このようにして凸部49B’を形成した後に、図9の焼成工程P34と同様の焼成工程を実行して図12(a)に示す場合と同様に凸部49B’の角部を滑らかにし、次に図9の被覆膜形成工程Q2の場合と同様の工程を実行して図12(b)に示す場合と同様に被覆膜66を形成し、次に、図9の光反射膜形成工程Q3の場合と同様の工程を実行して図12(c)に示す場合と同様に光反射膜42を形成する。以上に説明した工程以外の工程は、図8に示した各工程と同じとすることができるので、説明は省略する。
本実施形態に係る製造方法においても、図15(b)の光反射膜42の基礎となる樹脂凸部49B’はその側面断面形状が非対称形状であるので、その上に形成される光反射膜42の凸部の側面断面形状も非対称形状になり、その結果、その光反射膜42で反射する光に指向性を持たせることができる。また、凸部49B’は階調パターンを備えた露光マスクを用いた1回の露光処理によって形成されるので、各々の段の間に位置ズレが発生することがなく、それ故、凸部49B’を所望の非対称形状に正確に形成できる。
なお、本実施形態では、観察側において指向性を持たせた方向の側のパターンA33の方が他方のパターンA44よりも高さが低くなっている。
(電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電気光学装置用基板の製造方法の第3実施形態)
図16は、本発明に係る電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電気光学装置用基板の製造方法の第3の実施形態を説明するための図である。この図は、既述した第1の実施形態における図11及び既述した第2の実施形態における図15に相当する図である。
第1実施形態では、図8の光反射膜形成工程P11の中で行われる図9の露光工程P32において、図13に示すマスク61を用いて露光処理を行って、さらに現像処理を行うことにより、図11(a)に示す平面形状及び図11(b)に示す断面形状を有する非対称で段状の凸部49A’を形成した。これに対し、本実施形態に係る製造方法では、図13に示すマスクとは異なるマスクパターンを備えたマスクを用いて、図16(a)に示す平面形状であって且つ図16(b)に示す側面断面形状を有する非対称で段状の樹脂凸部49C’を形成する。この樹脂凸部49C’では、ガラス基板8aの表面である第1段A11の上に円板形状の第2段パターンA22が形成され、さらにその第2段パターンA22の上に半円板形状の第3段パターンA33が形成されている。
このようにして樹脂凸部49C’を形成した後に、図9の焼成工程P34と同様の焼成工程を実行して図12(a)に示す場合と同様に凸部49C’の角部を滑らかにし、次に図9の被覆膜形成工程Q2の場合と同様の工程を実行して図12(b)に示す場合と同様に被覆膜66を形成し、次に、図9の光反射膜形成工程Q3の場合と同様の工程を実行して図16(b)に示す光反射膜42を形成する。以上に説明した工程以外の工程は、図8に示した各工程と同じとすることができるので、説明は省略する。
本実施形態に係る製造方法においても、光反射膜42の凸部の基礎となる樹脂凸部49C’の断面形状は非対称形状であるので、その上に形成される光反射膜42の凸部もその断面形状が非対称形状になり、その結果、その光反射膜42で反射する光に指向性を持たせることができる。また、凸部49C’は階調パターンを備えた露光マスクを用いた1回の露光処理によって形成されるので、各々の段の間に位置ズレが発生することがなく、それ故、凸部49C’を所望の非対称形状に正確に形成できる。
なお、本実施形態によれば、第3段パターンA33の外周の一部が第2段パターンA22の外周の一部と一致して重なっている。これにより、第3段パターンA33は第2段パターンA22、従って基板8aから剥がれにくくなっている。また、第3段パターンA33の形状は、その外周が第2段パターンA22に一致していれば、半円状に限られない。
(電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電気光学装置用基板の製造方法の第4実施形態)
図17は、本発明に係る電気光学装置、電気光学装置の製造方法、及び電気光学装置用基板の製造方法の第4の実施形態を説明するための図である。この図は、既述した第1の実施形態における図7に相当する図である。
第1実施形態では、図8の光反射膜形成工程P11において、すなわち図9の工程P31〜工程P40において、図7に示すような光学要素を形成した。これに対し、本実施形態の製造方法では、図7の光学要素に代えて図17の光学要素を形成するものとする。図17に示す光学要素は、第2透光性基板8a上に形成された樹脂膜41と、その樹脂膜41に積層された光反射膜42とを有する。光反射膜42には、図7の実施形態の場合と同様に開口51が設けられている。
また、図7の場合と同様にして、樹脂膜41はランダムに配列された複数の樹脂凸部49Aを有し、そして光反射膜42は樹脂凸部49Aと同じ位置に反射凸部48を有する。本実施形態の製造方法が図7を用いて説明した先の実施形態の製造方法と異なる点は、光反射膜42に形成される開口51の内部領域に対応する領域の樹脂膜41の表面に樹脂凸部49Aを形成するのに代えて1つ又は複数のプリズム71を形成したことである。つまり、図7の実施形態では光透過領域に樹脂凸部49Aを設けたのに対し、本実施形態では光透過領域にプリズム71を設けている。このように光透過領域にプリズム71を設けることにより、図2の液晶表示装置1によって透過型の表示を行う際に、表示の指向性を所望の方向に正確に調整できる。
プリズム71は、図9の工程P31〜工程P38を経て形成される。つまり、プリズム71は、基板8a上に非対称な凸部である樹脂膜41を形成する際に同時に形成される。具体的には、まず、例えば図18(a)の平面図及び図18(b)の断面図で示すように、ガラス基板8aの上に感光性レジストによって第1樹脂層49”を形成し、その第1樹脂層49”を所定の露光マスクを介して露光して、さらに現像することにより、階段状の凸部49D’を形成する。
次に、その階段状の凸部49D’を焼成することにより、図19(a)に示すように各段の角部が滑らかに成形された階段状の凸部49Dを形成する。次に、図9の被覆膜形成工程Q2と同様の工程によって図19(b)に示すように階段状の凸部49Dの表面を被覆膜66によって被覆する。これにより、所望の形状のプリズム71が形成される。
本実施形態においては、透過部のプリズム71と反射部の非対称凸部49Aとが同じ方向に傾斜しており、そのため、透過部及び反射部の両方が観察側の同じ方向に指向性を備えている。この結果、本実施形態によれば、透過表示においても反射表示においても指向性を備えた表示が可能となる。
(その他の実施形態)
以上、好ましい実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はその実施形態に限定されるものでなく、請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々に改変できる。
例えば、以上に説明した実施形態では、液晶表示装置の光反射膜及びその下地膜に凹凸パターンを形成する場合であって、その凹凸パターンを左右で非対称な光学パターンとして形成する場合を例に挙げた。しかしながら、液晶表示装置において光反射膜及びその下地膜以外の光学要素を非対称な光学パターンとして形成する必要がある場合には、その光学パターンを形成するために本発明を適用することもできる。また、本発明は、液晶表示装置以外の電気光学装置において、何等かの非対称な光学パターンを形成する場合にも適用できる。
また、本発明は、上述した例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更を加え得ることは勿論である。また、本発明の要旨を変更しない範囲で、上記各実施形態を組み合わせてもよい。
また、上述の実施形態ではTFD型の半透過反射型液晶装置について説明したがこれに限られるものではなく、例えばTFT(Thin Film Transistor)アクティブマトリクス型、パッシブマトリクス型、反射型の液晶装置であってもよい。また、電気泳動表示装置などの各種電気光学装置に本発明を適用してもよい。
(電子機器の実施形態)
以下、本発明に係る電子機器を実施形態を挙げて説明する。なお、この実施形態は本発明の一例を示すものであり、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
図20は、本発明に係る電子機器の一実施形態を示している。ここに示す電子機器は、液晶表示装置121と、これを制御する制御回路120とを有する。制御回路120は、表示情報出力源124、表示情報処理回路125、電源回路126及びタイミングジェネレータ127によって構成される。そして、液晶表示装置121は液晶パネル122及び駆動回路123を有する。
表示情報出力源124は、RAM(Random Access Memory)等といったメモリや、各種ディスク等といったストレージユニットや、ディジタル画像信号を同調出力する同調回路等を備え、タイミングジェネレータ127により生成される各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等といった表示情報を表示情報処理回路125に供給する。
次に、表示情報処理回路125は、増幅・反転回路や、ローテーション回路や、ガンマ補正回路や、クランプ回路等といった周知の回路を多数備え、入力した表示情報の処理を実行して、画像信号をクロック信号CLKと共に駆動回路123へ供給する。ここで、駆動回路123は、走査線駆動回路やデータ線駆動回路と共に、検査回路等を総称したものである。また、電源回路126は、上記の各構成要素に所定の電源電圧を供給する。
液晶表示装置121は、例えば、図5に示すような非対称な光学パターンを持った光反射膜42を有する図1の液晶表示装置1や、図15に示すような非対称な光学パターンを持った光反射膜42を有する図1の液晶表示装置1や、図16に示すような非対称な光学パターンを持った光反射膜42を有する図1の液晶表示装置1や、あるいは、図17に示すような非対称光学パターンを持った光反射膜42及びプリズム71を有する図1の液晶表示装置1等を用いて構成できる。
上記の各液晶表示装置1によれば、基板上に形成される光反射膜42に左右で非対称な光学パターンを短時間で正確に形成できるので、この液晶表示装置を用いた電子機器においても光反射膜42に左右で非対称な光学パターンを短時間で正確に形成できる。光反射膜42に非対称な光学パターンを正確に形成できれば、液晶表示装置1に鮮明な像を表示できるので、電子機器に関する情報を鮮明に表示できる。
図21は、本発明に係る電子機器の他の実施形態である携帯電話機を示している。ここに示す携帯電話機130は、本体部131と、これに開閉可能に設けられた表示体部132とを有する。液晶表示装置等といった電気光学装置によって構成された表示装置133は、表示体部132の内部に配置され、電話通信に関する各種表示は、表示体部132において表示画面134によって視認できる。本体部131には操作ボタン136が配列されている。
表示体部132の一端部にはアンテナ137が伸縮自在に取付けられている。表示体部132の上部に設けられた受話部138の内部には、図示しないスピーカが配置される。また、本体部131の下端部に設けられた送話部139の内部には図示しないマイクが内蔵されている。表示装置133の動作を制御するための制御部は、携帯電話機の全体の制御を司る制御部の一部として、又はその制御部とは別に、本体部131又は表示体部132の内部に格納される。
表示装置133は、例えば、図5に示すような非対称な光学パターンを持った光反射膜42を有する図1の液晶表示装置1や、図15に示すような非対称な光学パターンを持った光反射膜42を有する図1の液晶表示装置1や、図16に示すような非対称な光学パターンを持った光反射膜42を有する図1の液晶表示装置1や、あるいは、図17に示すような非対称光学パターンを持った光反射膜42及びプリズム71を有する図1の液晶表示装置1等を用いて構成できる。
(変形例)
なお、電子機器としては、以上に説明した携帯電話機等の他にも、パーソナルコンピュータ、液晶テレビ、ビューファインダ型又はモニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、ワードプロセッサ、ワークステーション、テレビ電話機、POS端末器等が挙げられる。
本発明に係る電気光学装置の製造方法を用いて製造される液晶表示装置の一例を示す斜視図である。 図1の液晶表示装置の側面断面図である。 図1の液晶表示装置における1つの表示ドット領域を示す斜視図である。 図2の液晶表示装置における1つの画素部分を示す側面断面図である。 図2の液晶表示装置で用いられる光反射膜の微小領域部分を示す図であり、(a)は平面図を示し、(b)は側面図を示している。 図4のB−B線に従った平面断面図である。 図6における1つの表示ドット領域Dの表面を示す斜視図である。 本発明に係る電気光学装置の製造方法の一実施形態を示す工程図である。 図8に示す工程図の主要部である本発明に係る非対称光学パターンの製造方法の一実施形態を示す工程図である。 図8の製造方法で用いるマザー基板の一例を示す図であり、(a)はその全体の平面図を示し、(b)はその一部であるパターン形成領域を示している。 図9に示す製造方法の主要工程において形成される光学要素を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)はC−C線に従った断面図である。 図11に示す光学要素に引き続いて形成される複数の光学要素を経時的に示す図である。 図9に示す製造方法で用いられる露光マスクの一例を示す図であり、(a)は全体の平面図を示し、(b)はその一部領域を示し、(c)はさらにその一部領域を示し、(d)はその側面構造を示している。 図9に示す製造方法で用いられる他の露光マスクの一例を示す図であり、(a)は全体の平面図を示し、(b)はD−D線に従った断面図を示している。 本発明に係る電気光学装置の製造方法の他の実施形態における主要工程において形成される光学要素の一例を示しており、(a)はその平面図であり、(b)はE−E線に従った断面図である。 本発明に係る電気光学装置の製造方法のさらに他の実施形態における主要工程において形成される光学要素の一例を示しており、(a)はその平面図であり、(b)はF−F線に従った断面図である。 本発明に係る電気光学装置の製造方法のさらに他の実施形態における主要工程において形成される光学要素の一例を示す斜視図である。 図17に示す光学要素の製造過程中の1つの状態を示す図であり、(a)は平面図を示し、(b)は側面図を示している。 図18に引き続く製造過程における光学要素の状態を示す図である。 本発明に係る電子機器の一実施形態を示すブロック図である。 本発明に係る電子機器の他の実施形態を示す斜視図である。
符号の説明
1.液晶表示装置(電気光学装置)、 2.液晶パネル(電気光学パネル)、
3.照明装置、 7.素子基板、 7a.第1透光性基板、 8.カラーフィルタ基板、
8a.第2透光性基板、 12.液晶層、 18a,18b.偏光板、
19.ライン配線、 21.TFD素子、 22.オーバーレイヤ、 23.画素電極、
41.樹脂膜(非対称光学パターン、光学要素)、 42.光反射膜、
47.帯状電極、 48.反射凸部、
49A,49A’,49B’,49C’.段状で非対称な樹脂凸部、
49D,49D’.階段状で非対称な樹脂凸部、 49”.第1樹脂層、 51.開口、
61.第1レチクルマスク、 62.マスクパターン、 63.遮光領域、 64.ガラス基板、 66.被覆膜、 67.第2レチクルマスク、 68.ガラス基板、
68a.マザー透光性基板、 69.マスクパターン、 71.プリズム、
121.液晶表示装置(電気光学装置)、 130.携帯電話機(電子機器)、
A22,A33,A44.段パターン、 D.表示ドット領域、
F.パターン形成領域、 G.セルギャップ、 H.等高線、 L0.外部光、
L1.透過光、 L2.反射光、 P.頂点、 R.反射部、 T.透過部、
V.表示領域

Claims (14)

  1. 基板と、非対称な光学パターンを持つように前記基板上に形成された光学要素と、前記基板によって支持される電気光学物質とを有する電気光学装置を製造する電気光学装置の製造方法において、
    前記基板上に第1樹脂層を形成する工程と、
    遮光率が異なる複数の遮光領域を有する階調パターンを備えた第1マスクを用いて前記第1樹脂層を露光し、さらに現像して段状で非対称な凸部を複数形成する工程と、
    前記段状で非対称な複数の凸部を覆う被覆膜を形成する被覆膜形成工程と
    を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  2. 請求項1記載の電気光学装置の製造方法において、前記現像によって形成された段状で非対称な複数の凸部を焼成する工程を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2記載の電気光学装置の製造方法において、
    前記被覆膜形成工程は、
    前記段状で非対称な複数の凸部を覆う第2樹脂層を形成する工程と、
    第2マスクを用いて前記第2樹脂層を露光する工程と、
    前記第2樹脂層を現像して前記段状で非対称な複数の凸部を覆う被覆膜を形成する工程と、
    を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  4. 請求項3記載の電気光学装置の製造方法において、前記現像によって形成された前記被覆膜を焼成する工程を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の電気光学装置の製造方法おいて、
    前記凸部を形成する工程では、基板上に設けられる1段目のパターンと、当該1段目のパターン上に設けられる高さが異なる複数の2段目のパターンとを形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  6. 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の電気光学装置の製造方法おいて、
    前記凸部を形成する工程では、基板上に設けられる1段目のパターンと、当該1段目のパターン上に設けられる2段目のパターンとを形成し、
    前記1段目のパターンの外周の一部と、前記2段目のパターンの外周の一部とが重なっていることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1つに記載の電気光学装置の製造方法おいて、前記凸部を覆う被覆膜の上に光反射膜を形成する工程を有することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  8. 請求項7記載の電気光学装置の製造方法おいて、
    前記基板には、前記光反射膜が設けられる光反射部と前記光反射膜が設けられない光透過部とを有する複数の表示用ドット領域が規定されており、
    前記凸部を形成する工程では、前記光反射部に対応する領域に前記凸部を形成すると同時に、前記光透過部に対応する領域にプリズムを形成することを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  9. 複数の表示用ドット領域が設けられた基板と、
    前記表示用ドット領域の中に設けられた、光反射膜が設けられた光反射部及び前記光反射部が設けられていない光透過部とを有し、
    前記光反射部には、段状で非対称な複数の凸部と、該凸部を覆う被覆膜と、該被覆膜を覆う前記光反射膜とが設けられ、
    前記凸部は、基板上に設けられた1段目のパターンと、当該1段目のパターン上に設けられた高さが異なる複数の2段目のパターンとからなることを特徴とする電気光学装置。
  10. 複数の表示用ドット領域が設けられた基板と、
    前記表示用ドット領域の中に設けられた、光反射膜が設けられた光反射部及び前記光反射部が設けられていない光透過部とを有し、
    前記光反射部には、段状で非対称な複数の凸部と、該凸部を覆う被覆膜と、該被覆膜を覆う前記光反射膜とが設けられ、
    前記凸部は、基板上に設けられた1段目のパターンと、当該1段目のパターン上に設けられた2段目のパターンとからなり、
    前記1段目のパターンの外周の一部と、前記2段目のパターンの外周の一部とが重なっていることを特徴とする電気光学装置。
  11. 複数の表示用ドット領域が設けられた基板と、
    前記表示用ドット領域の中に設けられた、光反射膜が設けられた光反射部及び前記光反射部が設けられていない光透過部とを有し、
    前記光反射部には、段状で非対称な複数の凸部と、該凸部を覆う被覆膜と、該被覆膜を覆う前記光反射膜とが設けられ、
    前記光透過部には、プリズムが設けられていることを特徴とする電気光学装置。
  12. 基板と、非対称な光学パターンを持つように前記基板上に形成された光学要素とを有する電気光学装置用基板を製造するための電気光学装置用基板の製造方法において、
    前記基板上に第1樹脂層を形成する工程と、
    遮光率が異なる複数の遮光領域を有する階調パターンを備えた第1マスクを用いて前記第1樹脂層を露光し、さらに現像して段状で非対称な凸部を複数形成する工程と、
    前記段状で非対称な複数の凸部を覆う被覆膜を形成する被覆膜形成工程と
    を有することを特徴とする電気光学装置用基板の製造方法。
  13. 請求項12記載の電気光学装置用基板の製造方法において、前記現像によって形成された段状で非対称な複数の凸部を焼成する工程を有することを特徴とする電気光学装置用基板の製造方法。
  14. 請求項9から請求項11のいずれか1つに記載の電気光学装置を有することを特徴とする電子機器。

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