JP2006214361A - エンジンの異常検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】異常検出装置1は、エンジン2の回転数を用いて回転変動量を算出する回転変動量算出手段5と、エンジン2に燃料の噴射が行われていない時(無噴射時)の回転変動量に基づき、エンジン2に回転異常が発生したか否かを判定する回転異常判定手段6とを備える。無噴射時の回転変動量は、燃料噴射装置等の出力発生装置の影響を受けていない。よって、無噴射時の回転変動量に基づき、エンジン2に回転異常が発生したか否かを判定すれば、エンジン2自体に起因する回転異常が発生したか否かを判定することができる。このため、この異常検出装置1により回転異常が発生したと判定されたときには、異常原因をエンジン2自体に起因するものに特定することができる。
【選択図】図1
Description
従来から、エンジンの各気筒における回転変動量を監視することで、エンジンの回転異常を検出する異常検出装置が公知となっている。この異常検出装置の1つに、回転数を気筒間で平均化するため、回転変動量に応じて噴射量の補正を行い、このときの補正量が所定値以上になった気筒を異常気筒と判定するものがある(例えば、特許文献1参照)。ここで、回転変動量とは、各気筒におけるピストンの作動状態を示すものであり、例えば、各気筒での膨張行程による回転数の増加量として定義される。
しかし、この技術のように回転変動量を監視するのみでは、異常気筒の特定はできるものの、異常原因を特定することができない。例えば、ディーゼルエンジンのような直噴型エンジンの場合、回転異常が生じる原因には、エンジン自体に起因するものと、気筒内に燃料を噴射供給する燃料噴射装置に起因するものとが考えられ、異常原因がいずれに起因するものであるかを識別できないと、適切な処理を行うことができない。
請求項1に記載のエンジンの異常検出装置(以下、単に「異常検出装置」とする)は、エンジンの回転数を用いて、エンジンの各気筒におけるピストンの作動状態を示す回転変動量を算出する回転変動量算出手段と、エンジンに燃料の噴射が行われていない時(無噴射時)の、回転変動量算出手段が算出する回転変動量に基づき、エンジンに回転異常が発生したか否かを判定する回転異常判定手段とを備える。
無噴射時の回転変動量は、燃料噴射装置等の出力発生装置の影響を受けていない。よって、無噴射時の回転変動量に基づき、エンジンに回転異常が発生したか否かを判定すれば、エンジン自体に起因する回転異常が発生したか否かを判定することができる。このため、この異常検出装置により回転異常が発生したと判定されたときには、異常原因をエンジン自体に起因するものに特定することができる。
請求項2に記載の異常検出装置によれば、回転異常判定手段は、全気筒の回転変動量を集取して、回転変動量の気筒間平均を算出し、気筒間平均と回転変動量とを比較することで、エンジンに回転異常が発生したか否かを判定する。
回転変動量は、噴射の有無以外に、エンジン回転数、エンジン温度、スロットル開度、補機負荷(補機とは、例えば、オルタネータやエアコンのコンプレッサである)等により影響を受けて変動する。しかし、全気筒の回転変動量を集取する程度の短期間では、このような回転変動量を変動させる変動因子の影響が極めて小さい。このため、請求項2の手段によれば、変動因子が安定していないときでもエンジンに回転異常が発生したか否かを判定することができる。
請求項3に記載の異常検出装置によれば、回転異常判定手段は、回転変動量を変動させる変動因子が安定していると判断した時に、所定の閾値と回転変動量とを比較することで、エンジンに回転異常が発生したか否かを判定する。
変動因子が安定している時、回転変動量が変動因子から受ける影響は小さい。よって、無噴射、かつ変動因子が安定している時に回転変動量が変動すれば、エンジンに回転異常が発生している可能性は極めて高い。このため、変動因子が安定していると判断した時に、所定の閾値と回転変動量とを比較することで、エンジンに回転異常が発生したか否かを判定することができる。
請求項4に記載の異常検出装置によれば、変動因子が安定している時とは、クランキング時である。
請求項5に記載の異常検出装置によれば、回転変動量と比較される所定の閾値は、回転変動量の算出時期に応じて変化する可変量である。
回転変動量は、走行距離等に応じて経時変化する。そこで、閾値を回転変動量の算出時期に応じて変化する可変量とすることで、経時変化を反映した閾値を設定することができる。このため、経時変化を考慮した異常検出を行うことができる。
請求項6に記載の異常検出装置によれば、回転異常判定手段は、所定の閾値と回転変動量との差に応じて、エンジンに回転異常が発生したと判定するまでの、所定の閾値と回転変動量との比較回数を増減する。
これにより、所定の閾値と回転変動量との差が小さい時には比較回数を増やし、異常発生の判定を慎重に行うとともに、所定の閾値と回転変動量との差が大きい時には、少ない比較回数で迅速に異常発生の判定を行うことができる。
請求項7に記載の異常検出装置によれば、回転異常判定手段によりエンジンに回転異常が発生したと判定された場合、エンジン出力が所定の上限以下に制限される。
請求項8に記載の異常検出装置によれば、回転変動量は、いずれかの気筒でピストンが上死点に到達した時から、次に別の気筒でピストンが上死点に到達する時までの期間における、回転数の最大値と回転数の初期値との差である。
なお、回転変動量は、いずれかの気筒でピストンが上死点に到達した時から、次に別の気筒でピストンが上死点に到達する時までの期間における、回転数の最大値と回転数の初期値との差である。
実施例1の異常検出装置1の構成を、図1を用いて説明する。
異常検出装置1は、例えば、4気筒のディーゼルエンジン2の回転異常を検出するものである。そして、異常検出装置1は、図1(a)に示すように、出力発生装置3を制御するECU4(エレクトロニック・コントロール・ユニットの略:電子制御装置)が、後記する回転変動量算出手段5や回転異常判定手段6として機能することにより構成される。
異常検出装置1は、エンジン回転数を用いて、エンジン2の各気筒におけるピストン(図示せず)の作動状態を示す回転変動量を算出する回転変動量算出手段5、エンジン2に燃料の噴射が行われていない時の回転変動量に基づき、エンジン2に回転異常が発生したか否かを判定する回転異常判定手段6としての機能を備える。
実施例1の異常検出装置1による制御方法を、図2ないし図4を用いて説明する。
まず、図3に示す制御方法のフローチャートを説明する。まず、ステップS1で、異常検出条件が成立したか否か、すなわち無噴射状態になったか否かを判定する。そして、異常検出条件が成立していると判定された場合(YES)、ステップS2に進み、異常検出条件が成立していないと判定された場合(NO)、この制御フローを終了する。
実施例1の異常検出装置1は、回転数を用いて回転変動量を算出する回転変動量算出手段5と、無噴射時の回転変動量に基づき、エンジン2に回転異常が発生したか否かを判定する回転異常判定手段6とを備える。
無噴射時の回転変動量は、燃料噴射装置3の影響を受けていない。よって、無噴射時の回転変動量に基づき、エンジン2に回転異常が発生したか否かを判定すれば、エンジン2自体に起因する回転異常が発生したか否かを判定することができる。このため、この異常検出装置1により回転異常が発生したと判定されたときには、異常原因をエンジン2自体に起因するものに特定することができる。
回転変動量は、噴射の有無以外に、回転数、エンジン2の温度、スロットル開度、補機負荷(補機とは、例えば、オルタネータやエアコンのコンプレッサである)等により影響を受けて変動する。しかし、全気筒の回転変動量を集取する程度の短期間では、回転変動量に対する変動因子の影響が極めて小さい。このため、変動因子が安定していないときでもエンジン2に回転異常が発生したか否かを判定することができる。
実施例2の異常検出装置1の構成を、図5を用いて説明する。
実施例2では、オルタネータやエアコンのコンプレッサのようにエンジン出力により駆動される補機16により、エンジン出力の一部が吸収される。そして、補機16に吸収されるエンジン出力(補機負荷)を示す信号がECU4に入力される。
実施例2の異常検出装置1による制御方法を、図7および図8を用いて説明する。
まず、図8に示す制御方法のフローチャートを説明する。まず、ステップS11で、異常検出条件が成立したか否か、すなわち無噴射状態になったか否か、および変動因子が安定しているか否か、を判定する。そして、異常検出条件が成立していると判定された場合(YES)、ステップS12に進み、異常検出条件が成立していないと判定された場合(NO)、この制御フローを終了する。
実施例2の回転異常判定手段6は、回転変動量を変動させる変動因子が安定していると判断した時に、所定の閾値と回転変動量とを比較することで、エンジン2に回転異常が発生したか否かを判定する。
変動因子が安定している時、回転変動量が変動因子から受ける影響は小さい。よって、無噴射、かつ変動因子が安定している時に回転変動量が変動すれば、エンジン2に回転異常が発生している可能性は極めて高い。このため、変動因子が安定していると判断した時に、所定の閾値と回転変動量とを比較することで、エンジン2に回転異常が発生したか否かを判定することができる。
回転変動量は、走行距離等に応じて経時変化する。そこで、閾値を回転変動量の算出時期に応じて変化する可変量とすることで、経時変化を反映した閾値を設定することができる。このため、経時変化を考慮した異常検出を行うことができる。
これにより、閾値と回転変動量との差が小さい時には比較回数を増やし、異常発生の判定を慎重に行うとともに、閾値と回転変動量との差が大きい時には、少ない比較回数で迅速に異常発生の判定を行うことができる。
本実施例では、異常検出装置1をディーゼルエンジンに適用する例を挙げて説明したが、出力発生装置として点火装置を要するガソリンエンジン等にも適用することができる。
2 エンジン
5 回転変動量算出手段
6 回転異常判定手段
Claims (8)
- エンジンの回転数を用いて、前記エンジンの各気筒におけるピストンの作動状態を示す回転変動量を算出する回転変動量算出手段と、
前記エンジンに燃料の噴射が行われていない時の、前記回転変動量算出手段が算出する回転変動量に基づき、前記エンジンに回転異常が発生したか否かを判定する回転異常判定手段とを備えたエンジンの異常検出装置。 - 請求項1に記載のエンジンの異常検出装置において、
前記回転異常判定手段は、
全気筒の回転変動量を集取して、前記回転変動量の気筒間平均を算出し、
この気筒間平均と回転変動量とを比較することで、前記エンジンに回転異常が発生したか否かを判定することを特徴とするエンジンの異常検出装置。 - 請求項1に記載のエンジンの異常検出装置において、
前記回転異常判定手段は、前記回転変動量を変動させる変動因子が安定していると判断した時に、所定の閾値と前記回転変動量とを比較することで、前記エンジンに回転異常が発生したか否かを判定することを特徴とするエンジンの異常検出装置。 - 請求項3に記載のエンジンの異常検出装置において、
前記変動因子が安定している時とは、クランキング時であることを特徴とするエンジンの異常検出装置。 - 請求項3に記載のエンジンの異常検出装置において、
前記所定の閾値は、前記回転変動量の算出時期に応じて変化する可変量であることを特徴とするエンジンの異常検出装置。 - 請求項3に記載のエンジンの異常検出装置において、
前記回転異常判定手段は、前記所定の閾値と前記回転変動量との差に応じて、前記エンジンに回転異常が発生したと判定するまでの、前記所定の閾値と前記回転変動量との比較回数を増減することを特徴とするエンジンの異常検出装置。 - 請求項1に記載のエンジンの異常検出装置において、
前記回転異常判定手段により前記エンジンに回転異常が発生したと判定された場合、エンジン出力が所定の上限以下に制限されることを特徴とするエンジンの異常検出装置。 - 請求項1に記載のエンジンの異常検出装置において、
前記回転変動量は、いずれかの気筒でピストンが上死点に到達した時から、次に別の気筒でピストンが上死点に到達する時までの期間における、前記回転数の最大値と前記回転数の初期値との差であることを特徴とするエンジンの異常検出装置。
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JP2005028348A JP2006214361A (ja) | 2005-02-04 | 2005-02-04 | エンジンの異常検出装置 |
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2005
- 2005-02-04 JP JP2005028348A patent/JP2006214361A/ja active Pending
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