JP2006212477A - 機能性基板の製造方法、機能性基板、微細パターンの形成方法、導電膜配線、電子光学装置および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の機能性基板の製造方法は、基板本体に第1の処理を施す第1の工程と、第1の処理が施された基板本体上に自己組織化膜を形成する第2の工程とを備え、自己組織化膜の所定の液滴に対する後退接触角をA[°]、自己組織化膜の前記液滴に対する前進接触角をB[°]としたとき、A/B≦0.60の関係を満足するように、第1の処理の処理条件および自己組織化膜の形成条件を設定することを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
ここで、バルジと断線、短絡との関係について説明する。図8は、導電膜配線において、バルジや断線が発生した状態を示すものである。図8に示すように、導電膜配線A1、A3、A4上においては、それぞれ、バルジ(液だまり)B1、B2、B3が発生している。このようなバルジが発生すると、隣接する導電膜配線間のピッチが比較的狭い場合等に、短絡等を生じ易くなる。図示の構成では、導電膜配線A1上において発生したバルジB1が隣の導電膜配線A2に接触することにより、導電膜配線A1と導電膜配線A2とが短絡部X1において短絡している。また、上記のようなバルジは、一般に、周囲の液体が引き寄せられることにより発生するため、その周囲の液量が相対的に少なくなり、導電配線の太さのばらつきが大きくなる傾向を示す。そして、このようなばらつきが大きくなると、導電膜配線において不本意な断線を発生することがある。図示の構成では、導電膜配線A1の断線部X2において断線が発生している。このように、バルジの発生は、導電膜配線の性能上、致命的な欠陥を招くものである。
本発明の機能性基板の製造方法は、基板本体に第1の処理を施す第1の工程と、
前記第1の処理が施された前記基板本体上に自己組織化膜を形成する第2の工程とを備え、
前記自己組織化膜の所定の液滴に対する後退接触角をA[°]、前記自己組織化膜の前記液滴に対する前進接触角をB[°]としたとき、A/B≦0.60の関係を満足するように、前記第1の処理の処理条件および前記自己組織化膜の形成条件を設定することを特徴とする。
これにより、液体プロセスによる微細パターンの薄膜の形成に、好適に用いることができる機能性基板の製造方法を提供することができる。
これにより、微細パターンの薄膜の形成により好適に用いることができる。
これにより、微細パターンの薄膜の形成により好適に用いることができる。
これにより、自己組織化膜の液滴に対する前進接触角を十分に大きいものとしつつ、自己組織化膜の液滴に対する後退接触角を効果的に小さくさせることができ、より確実に、
A/B等を好ましい値とすることができる。
これにより、自己組織化膜の液滴に対する前進接触角を十分に大きいものとしつつ、自己組織化膜の液滴に対する後退接触角を効果的に小さくさせることができ、より確実に、A/B等を好ましい値とすることができる。
これにより、自己組織化膜の液滴に対する前進接触角を十分に大きいものとしつつ、自己組織化膜の液滴に対する後退接触角を効果的に小さくさせることができ、より確実に、A/B等を好ましい値とすることができる。
これにより、自己組織化膜の液滴に対する前進接触角を十分に大きいものとしつつ、自己組織化膜の液滴に対する後退接触角を効果的に小さくさせることができ、より確実に、A/B等を好ましい値とすることができる。
これにより、自己組織化膜の液滴に対する前進接触角を十分に大きいものとしつつ、自己組織化膜の液滴に対する後退接触角を効果的に小さくさせることができ、より確実に、A/B等を好ましい値とすることができる。
これにより、機能性基板(自己組織化膜)の表面に、均一な撥液性を付与することができ、微細なパターンの薄膜をより確実に形成することができる。
本発明の機能性基板の製造方法では、前記自己組織化膜は、その構成分子が、前記基板に、0.01×1015〜1×1015個/cm2の割合で吸着することにより形成されたものであることが好ましい。
これにより、自己組織化膜の液滴に対する前進接触角を十分に大きいものとしつつ、自己組織化膜の液滴に対する後退接触角を効果的に小さくさせることができ、より確実に、A/B等を好ましい値とすることができる。
これにより、液体プロセスによる微細パターンの薄膜の形成に、好適に用いることができる機能性基板を提供することができる。
本発明の微細パターンの形成方法は、本発明の機能性基板の表面に、所定のパターンで液滴を吐出し、前記パターンに対応する微細なパターンの薄膜を形成することを特徴とする。
これにより、所望のパターンの薄膜を確実に形成することが可能な微細パターンの形成方法を提供することができる。
これにより、例えば、十分な膜厚を有し、電気伝導に有利で、断線や短絡等の不良が生じにくく、しかも微細な導電膜配線を形成することができる。
本発明の導電膜配線は、本発明の微細パターンの形成方法を用いて形成されたことを特徴とする。
これにより、十分な膜厚を有し、電気伝導に有利で、断線や短絡等の不良が生じにくく、しかも微細な導電膜配線を提供することができる。
これにより、信頼性の高い電子光学装置を提供することができるとともに、当該電子光学装置の小型化、薄型化を図ることができる。
本発明の電子機器は、本発明の導電膜配線を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性の高い電子機器を提供することができるとともに、当該電子機器の小型化、薄型化を図ることができる。
まず、本発明の機能性基板およびその製造方法について説明する。なお、以下の説明では、機能性基板の一例として、導電性微粒子を含有した液体を用いた液滴法により微細パターンとしての導電膜配線が形成される機能性基板を例に挙げて説明するが、本発明は、導電膜配線以外の微細パターンが形成される機能性基板や、微細パターンの形成以外に用いられる機能性基板等に適用されるものであってもよい。
図1は、本発明の機能性基板の一例を模式的に示す図、図2は、前進接触角、後退接触角および静止接触角を説明する図である。
図1に示すように、機能性基板1は、基板本体10と、その表面に設けられた自己組織化膜20とを有している。
機能性基板1は、自己組織化膜20の所定の液滴90に対する後退接触角をA[°]、自己組織化膜20の液滴90に対する前進接触角をB[°]としたとき、A/B≦0.60の関係を満足する。このような関係を満足することにより、自己組織化膜20上に付与された液体が必要以上に濡れ広がるのを防止しつつ、一旦自己組織化膜20上に付与された前記液体が凝集するのを防止することができる。これにより、機能性基板1を、液体プロセスによる微細パターンの薄膜の形成に適用した場合に、不本意な断線やバルジ等の不都合の発生を確実に防止することができる。すなわち、機能性基板1を、液体プロセスによる微細パターンの薄膜の形成に好適に適用することができる。このように、機能性基板1は、A/B≦0.60の関係を満足するものであるが、0<A/B≦0.30の関係を満足するものであるのがより好ましく、0.15≦A/B≦0.30の関係を満足するものであるのがさらに好ましい。これにより、上述したような効果はさらに顕著なものとして発揮される。
自己組織化膜20の液滴90に対する静止接触角Cの具体的な値は、特に限定されないが、30〜70°であることが好ましく、35〜60°であることがより好ましく、40〜50°であることがさらに好ましい。静止接触角が前記範囲内の値であると、上述したような効果をさらに顕著なものとして発揮させることができる。
次に、上記のような接触角の関係を満足する機能性基板1の製造方法について説明する。
機能性基板1は、基板本体に第1の処理を施す第1の工程と、第1の処理が施された基板本体10上に自己組織化膜20を形成する第2の工程とを有する方法により製造される。
第1の処理が施される基板本体10は、後述する自己組織化膜20を構成する分子(自己組織化分子)が化学結合するものであればいかなる材料で構成されたものであってもよいが、例えば、Siウエハー、石英ガラス、ガラス、金属板等各種のものを用いることができる。また、これら各種の素材基板の表面に半導体膜、金属膜、誘電体膜等が下地層として形成されたものを基板本体10として用いてもよい。
上記のような基板本体10に第1の処理を施す(第1の工程)。
このように、自己組織化膜20の形成に先立ち、基板本体10に対する処理を行うことにより、例えば、基板本体10の表面に、微視的な凹凸部や自己組織化膜20を構成する分子が結合し難い欠陥部(欠陥サイト)を形成することができる。これにより、基板本体10への自己組織化膜20の構成分子の結合し易さ(結合速度(反応速度)や結合量(結合密度))等を容易に制御することができるようになる。特に、自己組織化膜20の構成分子の結合し易さを低下させることにより、後述する第2の工程で、(微視的に)基板本体10の表面に自己組織化膜20の構成分子(以下、単に「構成分子」とも言う)が結合していない部分を形成することができる。すなわち、自己組織化膜20の密度を低下させることができる。また、直鎖状の構成分子が電極の表面に対して立ちにくくなり、横になる成分が多くなる。この結果、静止接触角等には大きな違いが見られないが、後退接触角が著しく低下し、上述したような関係を満足する機能性基板1を得ることが可能となる。
酸素プラズマ処理は、例えば、プラズマ処理装置を用いて、チャンバ内を10−4Torr程度に減圧した後、酸素ガスに置換し、RF発振パワーにて酸素プラズマを励起し、基板本体10をその酸素プラズマ中で保持することにより、行うことができる。
酸素プラズマ処理時における処理ガスの流量は、特に限定されないが、10〜500sccmであるのが好ましく。50〜400sccmであるのがより好ましく、50〜150sccmであるのがさらに好ましい。
酸素プラズマ処理の時間は、特に限定されないが、例えば、1〜600秒であるのが好ましく、180〜600秒であるのがより好ましく、300〜600秒であるのがさらに好ましい。
また、酸素プラズマ処理における基板本体の加熱温度は、特に限定されないが、例えば、0〜100℃であるのが好ましく、10〜50℃であるのがより好ましく、15〜30℃であるのがさらに好ましい。
次に、第1の処理が施された基板本体10の表面に、自己組織化膜20を形成する。
自己組織化膜20は、通常、鎖状構造を有する有機分子で構成され、自己組織化膜(自己組織化単分子膜:SAM(Self Assembled Monolayer))とも呼ばれる。自己組織化膜20の構成分子は、一般に、基板に結合可能な官能基と、その反対側に親液基あるいは撥液基といった基板の表面性を改質する(表面エネルギーを制御する)官能基と、これらの官能基を結ぶ炭素の直鎖あるいは一部分岐した炭素鎖を備えており、基板に結合して自己組織化して分子膜、例えば単分子膜を形成するものである。
このような自己組織化膜を形成する化合物(分子)としては、例えば、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロデシルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロデシルトリクロロシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリクロロシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等のフルオロアルキルシラン(以下「FAS」という)、SH基およびフルオロ基を有する化合物等を挙げることができる。使用に際しては、一つの化合物を単独で用いるのも好ましいが、2種以上の化合物を組み合わせて使用しても、本発明の目的を損なわなければ制限されない。また、本発明においては、前記の自己組織化膜を構成する化合物として、上記のような化合物を用いることにより、形成される自己組織化膜20の基板本体10との密着性および撥液性を特に優れたものとすることができる。
また、前記一般式において、m/nは、0.25〜18なる関係を満足するのが好ましく、0.25〜10なる関係を満足するのがより好ましく、1〜7なる関係を満足するのがさらに好ましい。これにより、前記一般式で表される化合物は、この分子構造中に占めるフルオロ基の割合が十分に高くなり、特に高い撥水性を発揮するようになる。
また、チオール化合物は、その炭素数が4〜45であるのが好ましく、10〜42であるのがより好ましい。
自己組織化膜20の形成(第2の工程)は、いかなる方法、条件で行うものであってもよい。
図3は、化学気相成長法による、FAS処理装置30の構成図である。FAS処理装置30は、基板本体10上にFASで構成された自己組織化膜20を形成するものである。図3に示すように、FAS処理装置30は、チャンバ31と、チャンバ31内に設けられ、基板本体10を保持する基板ホルダ32と、液相状態のFAS(液体FAS)を収容する容器33とを備えている。基板ホルダ32は基板本体10上のパターン形成領域以外の部分を保持する。そして、室温環境下で、チャンバ31内に基板本体10と液体FASを収容した容器33とを放置しておくことにより、容器33内の液体FASが容器33の開口部34からチャンバ31に気相となって放出され、例えば2〜3日程度で、基板本体10上にFASで構成された自己組織化膜20が成膜される。また、チャンバ31全体を100℃程度に維持することにより、3時間程度で基板本体10上に自己組織化膜20を成膜することもできる。
上記のような条件で化学気相成長法を行うことにより、構成分子が結合し得る部分が残存することで、前述した効果をさらに顕著なものとして発揮させることができる。これに対し、上記のような条件を満足しないと、自己組織化膜20が十分に生成されず液滴との静止接触角が小さいままとなったり、自己組織化膜20が密に形成され、液滴との後退接触角が大きくなってしまう可能性がある。
自己組織化膜形成用液体を基板本体10の表面に接触させる方法としては、例えば、基板本体10を有機膜形成用液に浸漬する方法、基板本体10に有機膜形成用液をシャワー状に噴霧する方法、基板本体10を有機膜形成用液に接触させる方法等を用いることができる。
また、第2の工程の処理時間は以下の条件Iを満たすように設定することが好ましい。
I:基板本体10の表面へ結合した自己組織化分子の数が、好ましくは0.01×1015〜1×1015個/cm2程度、より好ましくは0.1×1015〜1×1015個/cm2程度、さらに好ましくは0.5×1015〜0.95×1015個/cm2程度であることが好ましい。
さらに、自己組織化膜の機能特性に着目した場合には、自己組織化膜の濡れ性が悪い場合であっても、この手法を用いることで、高機能自己組織化膜を液体プロセスで好適に使用することが可能となる。
次に、本発明の機能性基板を用いて、当該機能性基板上に微細パターンを形成する方法について説明する。以下の説明では、本発明の微細パターン形成方法の一例として、導電膜配線の形成方法を例に挙げて説明するが、本発明は、導電膜配線以外の微細パターンを形成する場合にも適用可能である。なお、本発明において、「微細パターン」とは、例えば、形成すべきパターンが、100μm以下の線幅の部位を有するもの等のように、十分に微細なパターンを有するもののことを指す。
本実施形態に係る導電膜配線(微細パターン)の形成方法は、機能性基板の表面(自己組織化膜が設けられた側の表面)に、所定のパターンで、導電性微粒子を含有する分散液(液体)を液滴として吐出する吐出工程と、吐出された分散液中に含まれる分散媒を除去する分散媒除去工程とを有している。
まず、機能性基板上に吐出する液体(吐出液)について説明する。
吐出液としては、その液滴が、機能性基板1の自己組織化膜20の表面に対して上述したような接触角の関係を満足するものであればいかなるものを用いてもよい。
本実施形態では、吐出液として導電性微粒子が分散媒中に分散した分散液を用いる。
分散液を構成する導電性微粒子としては、例えば、金、銀、銅、パラジウム、ニッケル等の金属材料を含む微粒子(金属微粒子)の他、導電性ポリマーや超電導体の微粒子等が挙げられる。これらの導電性微粒子は、分散性を向上させるために表面に有機物等をコーティングして用いることもできる。
分散液を構成する分散媒は、特に限定されないが、室温での蒸気圧が、0.001〜200mmHg(約0.133〜26600Pa)であるものが好ましく、0.001〜50mmHg(約0.133〜6650Pa)であるものがより好ましい。蒸気圧が前記下限値未満であると、乾燥が遅くなり膜中に分散媒が残留しやすくなり、後の分散媒除去工程を施したとしても、良質の導電膜を得るのが困難となる。一方、蒸気圧が前記上限値を超えると、インクジェット法で液滴を吐出する際に乾燥によるノズルの目詰まりが起こり易く、安定な吐出が困難となる可能性がある。
分散液中における分散質濃度は、形成すべき導電膜の膜厚等により異なるが、1〜80質量%であるのが好ましい。
また、分散液の粘度は0.5〜50mPa・sであるのが好ましい。分散液の粘度が前記下限値未満であると、インクジェット法にて吐出する際に、ノズル周辺部が分散液の流出により汚染され易くなる。一方、分散液の粘度が前記上限値を越えると、インクジェット法にて吐出する際に、ノズル孔での目詰まり頻度が高くなり円滑な液滴の吐出が困難となる可能性がある。
上記のような分散液(液体)の液滴を、機能性基板1の表面(自己組織化膜20が設けられた側の表面)に吐出する(吐出工程)。
本実施形態では、線幅が20〜60μmの細線で構成された微細パターンを形成する場合について説明する。まず、上記分散液の液滴をインクジェットヘッドから吐出して、当該液滴を、基板上の配線形成領域に形成すべき微細パターンに対応するパターンで付与する。
インクジェットの吐出方式としては、圧電体素子の体積変化により液体材料を吐出させるピエゾジェット方式であっても、熱の印加により急激に蒸気が発生することにより液体材料の液滴を吐出させる方式であってもよい。
液滴を配線形成領域全体に吐出した後、分散媒の除去を行うため、必要に応じて乾燥処理をする。乾燥処理は、自然乾燥でも良いし、例えば、ホットプレート、電気炉等による処理の他、ランプアニール等によって行うこともできる。ランプアニールに使用する光の光源としては、例えば、赤外線ランプ、キセノンランプ、YAGレーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレーザー、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArCl等のエキシマレーザー等が挙げられる。これらの光源は一般には、出力10〜5000Wの範囲のものが用いられるが、本実施形態では100〜1000Wの範囲で十分である。
まず、本発明の電気光学装置の一例である液晶装置について説明する。図4は、本実施形態に係る液晶装置の第1基板上の信号電極等の平面レイアウトを示すものである。本実施形態に係る液晶装置は、この第1基板と、走査電極等が設けられた第2基板(図示せず)と、第1基板と第2基板との間に封入された液晶(図示せず)とから概略構成されている。
図6(b)は、ワープロ、パソコン等の携帯型情報処理装置の一例を示した斜視図である。図6(b)において、700は情報処理装置、701はキーボード等の入力部、703は情報処理本体、702は、上記で図4を参照しつつ説明した液晶装置を備えた液晶表示部を示している。
図6(a)〜(c)に示す電子機器は、上記実施形態の液晶装置を備えたものであるので、配線類の断線や短絡等の不良が生じにくく、しかも、小型化、薄型化が可能となる。
以上、本発明について、好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、前述した実施形態では、自己組織化膜を化学気相成長法により形成するものとして説明したが、自己組織化膜の形成方法はこれに限定されない。例えば、自己組織化膜は、液相から形成されるものであってもよい。例えば、原料化合物を含む溶液中に基板本体を浸漬し、洗浄、乾燥することで基板本体上に自己組織化膜を形成してもよい。
また、前述した実施形態では、薄膜パターンの形成時における液滴の吐出を、インクジェット方式で行うものとして説明したが、液滴の吐出方法はこれに限定されない。
<サンプルNo.1−1〜No.1−4>
金を蒸着したシリコン基板(以下、単にシリコン基板と呼ぶ)を用意し、有機洗浄を行った。具体的には、シリコン基板をアセトンに浸しての超音波洗浄を5分間×2回行った。その後、シリコン基板をプロパノールに浸して超音波洗浄を5分間×2回行った。その後シリコン基板を取り出し、ドライエアーにより基板を乾燥させた。
酸素プラズマ処理が施されたシリコン基板上の金表面にフッ素チオールで表面処理を行い、自己組織化膜を形成し、機能性基板を得た。この表面処理は、フッ素チオールとしての、2−パーフルオロデシルエタンチオール(CF3(CF2)9(CH2)SH)のクロロホルム溶液(0.1mmol)に、酸素プラズマ処理が施されたシリコン基板を浸漬することにより行った。浸漬時間は、表1に示すようにした。
金を蒸着したシリコン基板(以下、単にシリコン基板と呼ぶ)を用意し、有機洗浄を行った。具体的には、シリコン基板をアセトンに浸しての超音波洗浄を5分間×2回行った。その後、ガラス基板をプロパノールに浸して超音波洗浄を5分間×2回行った。その後ガラス基板を取り出し、ドライエアーにより基板を乾燥させた。
その後、UVオゾン処理が施されたシリコン基板上の金表面にフッ素チオールで表面処理を行い、自己組織化膜を形成し、機能性基板を得た。この表面処理は、フッ素チオールとしての、2−パーフルオロデシルエタンチオール(CF3(CF2)9(CH2)SH)のクロロホルム溶液(0.1mmol)に、UVオゾン処理が施されたシリコン基板を浸漬することにより行った。浸漬時間は、表1に示すようにした。
以上のようにして作製された機能性基板について、後述する実施例2で用いる液体の液滴との接触角(静止接触角、後退接触角、前進接触角)を測定した。その結果を表1に示す。
(実施例2)
前記実施例1で製造した各機能性基板を用いて、ポリフルオレン誘導体のトルエン溶液を、各機能性基板上にスピンコートにより塗布し、その後、乾燥(トルエン除去)した。
○:均一な膜厚のポリマー薄膜が好適に形成できている。
△:ポリマー薄膜が島状に形成されており、均一な膜厚を有していない。
×:ポリマー薄膜が全く形成されていない
これらの結果を表2に示す。
(実施例3)
<サンプルNo.3−1〜No.3−4>
ガラス基板を用意し、有機洗浄を行った。具体的には、ガラス基板をアセトンに浸しての超音波洗浄を5分間×2回行った。その後、ガラス基板をプロパノールに浸して超音波洗浄を5分間×2回行った。その後ガラス基板を取り出し、ドライエアーにより基板を乾燥させた。
その後、酸素プラズマ処理が施されたガラス基板上にシランカップリング剤処理を行い、自己組織化膜を形成し、機能性基板を得た。この表面処理は、シランカップリング剤としてFAS17((Heptadecafluoro-1,1,2,2-tetra-hydrodecyl)tri methoxy silane)を用い、ガラス基板と、FAS17を入れた容器とを同じ密封容器に入れ、オーブンで120℃に加熱することにより行った。加熱時間は表3に示すようにした。これにより、FAS17が蒸気となってガラス基板表面に化学吸着し、自己組織化膜が形成された。
その後、加熱により、分散媒を除去することにより、銀で構成された微細パターンとしての導電性配線の形成を試みた。
ガラス基板を用意し、有機洗浄を行った。具体的には、ガラス基板をアセトンに浸しての超音波洗浄を5分間×2回行った。その後、ガラス基板をプロパノールに浸して超音波洗浄を5分間×2回行った。その後ガラス基板を取り出し、ドライエアーにより基板を乾燥させた。
その後、UVオゾン処理が施されたガラス基板上にシランカップリング剤処理を行い、自己組織化膜を形成し、機能性基板を得た。この表面処理は、シランカップリング剤としてFAS17((Heptadecafluoro-1,1,2,2-tetra-hydrodecyl)tri methoxy silane)を用い、ガラス基板とFAS17を入れた容器とを同じ密封容器に入れ、オーブンで120℃に加熱することにより行った。加熱時間は表3に示すようにした。これにより、FAS17が蒸気となってガラス基板表面に化学吸着し、自己組織化膜が形成された。
上記の各機能性基板について、導電膜配線の形成状態を観察し、以下のような4段階の基準に従い評価した。
ことができた。
○:バルジの発生がわずかに認められたが、断線やショートのない導電膜配線を形成
することができた。
△:バルジの発生が認められ、形成された導電膜配線について断線やショートが見ら
れた。
×:導電膜配線の形成ができなかった。
これらの結果を、各機能性基板についての、銀コロイドインクの液滴との接触角(静止接触角、後退接触角、前進接触角)の測定値、導電膜配線の厚さ、線幅とともに、表3に示す。
Claims (16)
- 基板本体に第1の処理を施す第1の工程と、
前記第1の処理が施された前記基板本体上に自己組織化膜を形成する第2の工程とを備え、
前記自己組織化膜の所定の液滴に対する後退接触角をA[°]、前記自己組織化膜の前記液滴に対する前進接触角をB[°]としたとき、A/B≦0.60の関係を満足するように、前記第1の処理の処理条件および前記自己組織化膜の形成条件を設定することを特徴とする機能性基板の製造方法。 - 前記自己組織化膜の前記液滴に対する後退接触角をA[°]、前記自己組織化膜の前記液滴に対する静止接触角をC[°]としたとき、A/C≦0.70の関係を満足するように、前記第1の処理の処理条件および前記自己組織化膜の形成条件を設定する請求項1に記載の機能性基板の製造方法。
- 前記自己組織化膜の前記液滴に対する後退接触角をA[°]、前記自己組織化膜の前記液滴に対する前進接触角をB[°]、前記自己組織化膜の前記液滴に対する静止接触角をC[°]としたとき、C−[(A+B)/2]≧5.0の関係を満足するように、前記第1の処理の処理条件および前記自己組織化膜の形成条件を設定する請求項1または2に記載の機能性基板の製造方法。
- 前記第1の処理は、酸素プラズマ処理である請求項1ないし3のいずれかに記載の機能性基板の製造方法。
- 前記酸素プラズマ処理におけるRF強度が0.005〜0.2W/cm2である請求項4に記載の機能性基板の製造方法。
- 前記酸素プラズマ処理における処理ガスの流量が10〜500sccmである請求項4または5に記載の機能性基板の製造方法。
- 前記酸素プラズマ処理における雰囲気の温度が0〜100℃である請求項4ないし6のいずれかに記載の機能性基板の製造方法。
- 前記酸素プラズマ処理の処理時間が1〜600秒である請求項4ないし7のいずれかに記載の機能性基板の製造方法。
- 前記自己組織化膜が、フルオロ基を含む材料で構成されたものである請求項1ないし8のいずれかに記載の機能性基板の製造方法。
- 前記自己組織化膜は、その構成分子が、前記基板に、0.01×1015〜1×1015個/cm2の割合で吸着することにより形成されたものである請求項1ないし9のいずれかに記載の機能性基板の製造方法。
- 請求項1ないし10のいずれかに記載の方法により製造されたことを特徴とする機能性基板。
- 請求項11に記載の機能性基板の表面に、所定のパターンで液滴を吐出し、前記パターンに対応する微細なパターンの薄膜を形成することを特徴とする微細パターンの形成方法。
- 前記液滴は、導電性微粒子を含有するものである請求項12に記載の微細パターンの形成方法。
- 請求項12または13に記載の微細パターンの形成方法を用いて形成されたことを特徴とする導電膜配線。
- 請求項14に記載の導電膜配線を備えることを特徴とする電子光学装置。
- 請求項14に記載の導電膜配線を備えることを特徴とする電子機器。
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