JP2006210820A - セラミックグリーンシートの製造方法 - Google Patents

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政幸 吉田
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俊二 青木
Junichi Sudo
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Abstract

【課題】 現像後におけるセラミック層上の導電性粉末の残留を大幅に低減し得るセラミックグリーンシートの製造方法を提供すること。
【解決手段】 本発明のセラミックグリーンシートの製造方法は、セラミック粉末を含むセラミック材料からなるセラミック層を形成する工程、セラミック層上に、導電性粉末を含み、且つ、感光性を有する導電材料からなる導体層を形成する工程、導体層の所定部分に露光を施す工程及び導体層を現像して導体パターン部を形成する工程を含んでいる。そして、セラミック粉末の平均粒径d1と、導電性粉末の平均粒径d2とは、下記式(1)に示す関係を満たしている。
d2/d1≧3…(1)
【選択図】 図1

Description

本発明は、セラミックグリーンシートの製造方法に関する。
セラミックコンデンサ等のセラミック電子部品を製造するためには、セラミック材料からなる薄膜に導体パターン等が内蔵された形態のセラミックグリーンシートが用いられる。セラミックグリーンシートは、通常、セラミック材料からなるセラミック層を形成した後、その上に導体パターン部を形成し、さらにセラミック層上の導体パターンを除く領域に絶縁層を設けることにより製造されるのが一般的である。
このようなセラミックグリーンシートの製造における導体パターン部の形成方法としては、セラミック層上に、導電性粉末を含む導電ペースト等を用い、印刷法により所定のパターンを有する導体パターン部を直接形成する方法が知られている。しかし、このような方法では、導体パターン部の端縁部に、印刷時のにじみやかすれに基づく凹凸が生じ易く、良好なパターン形成を行うのが困難な傾向にあった。
そこで、より良好なパターン形状を有する導体パターン部を形成するために、セラミック層上に、感光性導体ペーストからなる導体パターンを形成した後、この導体パターンに対して露光及び現像を行う方法が検討されている(特許文献1参照)。
特開2000−101235号公報
しかしながら、上記従来技術のように、露光・現像を経て導体パターン部の形成を行う場合、良好な形状を有するパターンの形成が可能であるものの、現像により除去されるべき導電性粉末が、セラミック層上に残存し易い傾向にあった。このようにセラミック層上の所望外の領域に導電性粉末が残存していると、このセラミックグリーンシートから製造される電子部品は、ショートや耐圧不良等の問題を生じ易いものとなる。
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、現像後における導電性粉末の残存を大幅に低減し得るセラミックグリーンシートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために、露光・現像を経て導体パターン部の形成を行う方法について詳細に検討を行った。その結果、現像後におけるセラミック層上への導電性粉末の残存は、現像により除去されるべき導電性粉末が、セラミック層表面の凹凸に入り込んでしまうために生じていることが判明した。このセラミック層表面の凹凸は、当該セラミック層が、微視的には多数のセラミック粒子から構成されているために不可避的に形成されるものである。
そして、本発明者らはこのような知見に基づいて更に検討を進めた結果、導電材料中に含まれる導電性粉末の粒径と、セラミック材料中のセラミック粉末の粒径とが所定の関係となるように調整することで、上述したセラミック層表面の凹凸への導電性粉末の入り込みを大幅に抑制できるようになることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明のセラミックグリーンシートの製造方法は、セラミック粉末を含むセラミック材料からなるセラミック層を形成する工程と、セラミック層上に、導電性粉末を含み感光性を有する導電材料からなる導体層を形成する工程と、導体層の所定部分に露光を施す工程と、導体層を現像して導体パターン部を形成する工程とを含み、セラミック粉末の平均粒径d1と、導電性粉末の平均粒径d2とは、下記式(1)に示す関係を満たしていることを特徴とする。
d2/d1≧3…(1)
上記本発明のセラミックグリーンシートの製造方法においては、導電性粉末の平均粒径が、セラミック粉末の平均粒径の3倍以上となっている。つまり、セラミック粉末の平均粒径が、導電性粉末の平均粒径に比して大幅に小さくなっている。したがって、導電性粉末を構成している粒子は、その大部分がセラミック層表面に形成されている凹凸よりも大きく、この凹凸中に入り込み難いものとなっている。このため、本発明のセラミックグリーンシートの製造方法においては、現像後におけるセラミック層上への導電性粉末の残留が大幅に少なくなる。そして、こうして得られたセラミックグリーンシートを用いれば、ショートや耐電圧不良等の問題が極めて少ないセラミック電子部品の製造が可能となる。
本発明によれば、現像後におけるセラミック層上の所望外の領域への導電性粉末の残存を大幅に低減し得るセラミックグリーンシートの製造方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の好適な実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、全図を通じ、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
[セラミックグリーンシートの製造方法]
(第1実施形態)
図1(a)〜図1(f)は、セラミックグリーンシートの製造方法の第1実施形態を模式的に示す工程断面図である。
まず、図1(a)に示されるように、基材1の表面1aに離型処理を施す。これにより、基材1の表面1a上には離型層3が形成される。
基材1は、板状又はフィルム状であり、例えば、PETフィルムが挙げられる。基材1の厚さは、25〜100μm程度であると好ましく、50μm程度であるとより好ましい。離型処理では、まず、例えば付加反応型のシリコーン樹脂材料を、トルエン又はメチルエチルケトン等の溶媒に加え、得られた溶液をバーコート法、グラビアコート法、ドクターブレードコート法等により基材1の表面1a上に塗布する。
その後、溶液が塗布された基材1に対し、例えば150℃で30秒間、加熱による乾燥処理を行う。これにより、付加反応型のシリコーン樹脂材料が付加重合すると共に、溶媒が除去される。このようにして、例えば厚さ0.01〜0.1μm程度の離型層3を形成する。なお、用いるシリコーン樹脂材料の種類や使用量等を変えることによって離型層3の性能(離型性)を調整することもできる。
次に、図1(b)に示されるように、基材1における離型層3上に、セラミック材料からなるセラミック層5を形成する。セラミック層5の厚さは、乾燥後の厚さが0.8〜50μmとなるようにすることが好ましい。セラミック材料は、少なくともセラミック粉末を含むセラミック層形成用の材料であり、例えば、セラミック粉末、バインダー樹脂、溶媒等を含むセラミックペーストやセラミックスラリーが挙げられる。ここで、セラミック粉末とは、いわゆるフェライト粉末も含むものとする。セラミック粉末の平均粒径は、0.2〜1μmであると好ましい。
本実施形態においては、上記セラミック材料としては、後述の導体パターン部13を形成する工程において現像に用いる現像液に対して不溶性のものを用いる。このようなセラミック材料としては、例えば、当該材料中に含まれるバインダー樹脂が、現像液に対して不溶性であるものが挙げられる。
セラミック層5は、例えば、以下のようにして形成することができる。すなわち、まず、塗布コーター(例えばドクターブレードを備えたコーター)を用いて、ペースト状又はスラリー状であるセラミック材料を離型層3上に塗布する。なお、塗布コーターに代え、印刷機を用いて、ペースト状又はスラリー状のセラミック材料を離型層3上にパターン印刷してもよい。このように塗布又は印刷を行った後、加熱による乾燥処理を行い、セラミック材料中の溶剤成分を除去する。
後者のように印刷によりセラミック層5を形成すれば、基材1における表面1aの全面にセラミック層5を形成したときに比べて、セラミック材料の使用量を抑制することができる。したがって、例えば高価なセラミック材料を用いる場合には、上述した印刷法によりセラミックグリーンシートの製造コストを低減できる。
次に、図1(c)に示されるように、セラミック層5上に、導電材料からなる導体層13aを形成する。導体層13aの厚さは、乾燥後の厚さが1.5〜25μmとなるようにすることが好ましい。この導電材料は、導電性粉末を含み、且つ感光性を有する材料である。このような導電材料としては、導電性粉末及び感光性樹脂成分を含む導電ペーストが挙げられる。この感光性を有する導電材料は、後述の導体パターン部13を形成する工程において現像に用いる現像液に対して可溶性を有しているが、所定の活性光線を照射されると硬化して、同じ溶媒に対して不溶性となる。
導電材料に含まれる導電性粉末としては、金属粉末(例えば、Ag、Ni、Pd、Cu又はAg−Pd等の合金等の金属粒子からなる粉末)が挙げられる。また、本実施形態において、導電成分の粉末の平均粒径は、上述したセラミック層5を形成するためのセラミック粉末の平均粒径の3倍以上である。すなわち、セラミック粉末の平均粒径をd1、導電性粉末の平均粒径をd2としたとき、d1及びd2は下記式(1)の関係を満たしている。
d2/d1≧3…(1)
導電性粉末及びセラミック粉末の平均粒径をこのような関係とすることで、後述するように、その後のエッチング工程において、導体層13aにおける所望外の領域の除去を良好に行えるようになる。かかる効果をより有効に得る観点からは、導電性粉末の平均粒径は、セラミック粉末の平均粒径の5倍以上であると好ましく、10倍以上であるとより好ましい。具体的には、本実施形態において、導電性粉末の平均粒径は、0.6〜3μmの範囲内であって、上記条件を満たす値であると好ましい。
感光性樹脂成分としては、エッチング液に対して可溶性を有するネガ型の感光性バインダー樹脂が挙げられる。ネガ型の感光性バインダー樹脂材料は、例えば、紫外線の照射により架橋重合するポリマー又はモノマー、及び重合開始剤等を含有するものである。また、導電材料に含まれる溶媒としては、例えば、アルカリ溶液、アルカリ水溶液、有機溶剤系溶媒、水系溶媒等が挙げられる。
導体層13aは、セラミック層5上に部分的に形成してもよく、全面に形成してもよい。ただし、後述する導体パターン部13の基材1からの剥離を低減する観点からは、セラミック層5は、導体層13aよりも広い面積にわたって形成されていることが好ましい。導体層13aの形成に用いた導電材料は、感光性を有する電極材料であり、例えば、セラミック電子部品等において、導体層13aは電極層となる。
導体層13aは、例えば、上述したペースト状又はスラリー状の導電材料を、セラミック層5の全面に塗布するか、または、セラミック層5の所定の部分にパターン印刷することにより形成することができる。そして、このような塗布又は印刷後、加熱等による乾燥処理を行うことによって、導電材料中の溶剤成分を除去して、導体層13aを形成する。なお、加熱により導電材料の感光性能を変化又は発現させることもできる。
続いて、図1(d)に示されるように、導体層13aの所定領域13bに露光を施す。本実施形態では、所定のパターン形状を有する光透過部11aと、光透過部11aを取り囲む遮光部11bとを有するマスク11を用いて、導体層13aに紫外線等の活性光線Lを照射する。紫外線は、例えば高圧水銀灯から出射される。
導体層13aに照射する活性光線Lとしては、波長が365nmの光(i線)、波長が405nmの光(h線)、波長が436nmの光(g線)、又はこれらの混合光等が挙げられる。また、連続した波長帯を有する光を導体層13aに照射してもよい。
露光法としては、密着露光法、プロキシミティ露光法、プロジェクション露光法等が挙げられる。露光量は、導体層13aに含まれる導電材料の感光性能、導体層13aの厚さ(高さ)等に応じて適宜調整され、例えば数百〜数千mJ/cmである。また、所望の解像度を得るために、後述の現像処理条件と露光量とを適宜設定することができる。
マスク11としては、例えばガラスマスク、フィルムマスク等が挙げられる。なお、露光は、マスク11を用いずに、導体層13aの所定部分13bにレーザ光を選択的に照射することにより行ってもよい。このようにレーザ光を照射する際には、レーザ描画装置を好適に用いることができる。
次に、図1(e)に示されるように、所定の溶媒(本実施形態においては現像液)を用いて、導体層13aを現像することにより導体パターン部13を形成する。かかる工程において、露光が施された導体層13aの所定領域13bは、導電材料中のバインダー樹脂が架橋重合することによって硬化しており、現像液に対して不溶となっている。一方、露光が施されていない導体層13aの部分は、導電材料が硬化せず、現像液に可溶となっている。したがって、現像により、導体層13aの未露光部(所定領域13b以外)が除去される。その結果、かかる現像の工程においては、マスク11の光透過部11aに対応するパターン形状を有する導体パターン部13が形成されることとなる。
上記現像液としては、例えば、アルカリ溶液、アルカリ水溶液、有機溶剤系溶媒、水系溶媒等が挙げられる。現像液は、導電材料中に含まれる感光性樹脂成分との相溶性を考慮して選択することが好ましい。
一例として、現像液としては、NaCOの1質量%水溶液が挙げられる。この場合、まず、現像液をスプレー圧0.01〜0.3MPaで数十秒〜数分間、導体層13aに吹き付ける。続いて、純水をスプレー圧0.01〜0.3MPaで数十秒〜数分間、導体層13aに吹き付ける。これにより、例えば、導電材料に含まれる感光性バインダー樹脂の側鎖等にあるカルボキシル基における水素原子(H)が、溶媒中のナトリウム原子(Na)と置換される。そして、架橋重合していない部分がOHの存在下で溶解される。
その後、図1(f)に示されるように、セラミック層5上における導体パターン部13が形成されていない領域上に、絶縁層9を形成する。絶縁層9の構成材料としては、セラミック材料や、フェライト等の磁性材料が挙げられ、セラミック層5と同様の材料を用いることが好ましい。こうして、絶縁材料からなる薄膜(セラミック層5及び絶縁層9)中に導体パターン部13が内蔵された形状を有するセラミックグリーンシート10が、基材1の離型層3上に形成される。その後、基材1を剥離してもよい。
以上説明した実施形態においては、上述の如く、導体層13aを形成するための導電材料に含まれる導電性粉末の平均粒径が、セラミック層5を形成するためのセラミック材料に含まれるセラミック粉末の平均粒径の3倍以上となっている。つまり、セラミック粉末の平均粒径は、導電材料の平均粒径に比して大幅に小さく、セラミック層5は、導体層13aに比べて極めて緻密な層となっている。
このため、導体層13a中の導電性粉末は、セラミック層5の表面に不可避的に形成された凹凸中に入り込むことが困難である。したがって、上述した現像の工程において、導体層13aの不要部分(未露光部分)を現像液により除去した場合であっても、導電材料、特に、従来セラミック層の凹凸に入り込み易かった導電性粉末が、セラミック層5上に残ることが極めて少なくなる。
上述したセラミックグリーンシートの製造においては、例えば、基材上に形成されるセラミック層にスルーホールを設けてもよい。図2は、セラミック層にスルーホールが形成されたセラミックグリーンシートの断面構造を模式的に示す図である。
図示されるように、セラミックグリーンシート110は、表面に離型層3が形成された基材1上に、一部にスルーホール115が設けられたセラミック層105と、導体パターン部113とがこの順に積層された構成を有している。また、セラミック層105上の導体パターン部113の未形成領域には、絶縁層109が形成されている。つまり、絶縁材料からなる薄膜(セラミック層105及び絶縁層109)中に導体パターン(導体パターン部113及びスルーホール115)が内蔵された形状を有している。このような構成を有するセラミックグリーンシート110は、これを複数積層する際、導体パターン部113同士の導通を容易に図ることができる。
上記構成を有するセラミックグリーンシート110は、例えば、以下に示すようにして製造可能である。すなわち、まず、上記実施形態と同様にして基材1の離型層3上にセラミック層5を形成した後、当該層5の所定位置にレーザ照射等を行うことにより貫通孔を設ける。次に、導電材料を、上記貫通孔に充填するとともにセラミック層5上に塗布する。その後、上記実施形態と同様にして露光・現像を行うことにより、セラミック層5にスルーホール115が形成されたものであるセラミックグリーンシート110を得ることができる。
(第2実施形態)
図3(a)〜図3(f)は、セラミックグリーンシートの製造方法の第2実施形態を模式的に示す工程断面図である。第2実施形態においては、第1実施形態におけるセラミック層5に代えて、セラミック層205を形成する。
すなわち、まず、図3(a)に示されるように、第1実施形態と同様にして基材1上に離型層3を形成した後、図3(b)に示されるように、この離型層3上に、セラミック粉末を含むセラミック材料からなるセラミック層205を形成する。本実施形態においては、セラミック層205形成用のセラミック材料として、後述する導体パターン部213を形成する工程で用いる現像液に対し、ある程度の溶解性を有するものを用いる。
このようなセラミック材料としては、セラミック粉末のほか、現像液に対して可溶性を有するバインダー樹脂を含むものが挙げられる。より具体的には、セラミック粉末、現像液に対して可溶性を有するバインダー樹脂及び溶媒を含むセラミックペーストやセラミックスラリーが挙げられる。
例えば、現像液として、アルカリ溶液、アルカリ水溶液、有機溶剤系溶媒、水系溶媒等を用いる場合、バインダー樹脂としては、アルカリ可溶性セルロース誘導体、アルカリ可溶性アクリル樹脂等を主体とするベースポリマーが好ましい。また、バインダー樹脂としては、光重合開始剤を含有しないフォトレジスト(例えばベースポリマー、モノマー、レジン等)も適用可能である。
次に、図3(c)に示されるように、第1実施形態と同様にして、セラミック層205上に導電材料からなる導体層213aを形成する。導電材料は、導電性粉末を含み、且つ感光性を有する材料であり、導電性粉末及び感光性樹脂成分を含むペーストやスラリーであると好ましい。
本実施形態においても、導電材料中に含まれる導電性粉末としては、セラミック材料中に含まれるセラミック粉末に比して、3倍以上、好ましくは5倍以上、より好ましくは10倍以上の平均粒径を有するものを用いる。これにより、上述した第1実施形態と同様に、後述する現像において、セラミック層205上に導電性粉末が残存することを大幅に低減することが可能となる。
続いて、図3(d)に示されるように、第1実施形態と同様にして、マスク11を介して導体層213aに活性光線Lを照射し、当該導体層213a上の所定領域213bに露光を施す。露光を施された領域213bは、後述する現像液に対して不溶となる。
その後、図3(e)に示されるように、所定の溶媒(本実施形態においては現像液)を用い、導体層213aを現像することにより導体パターン部213を形成する。この際、セラミック層205は、上述の如く、現像液に対して若干の溶解性を有するセラミック材料から構成されていることから、導体パターン部213に覆われていない部分の表面近傍領域が、現像液によってエッチングされる。
このように現像液によってセラミック層205がエッチング可能な状態であると、現像時に、導体層213aを構成する導電材料とともに、その下層にあるセラミック材料も除去されることになる。このため、現像後のセラミック層205上における導電材料の残存を更に効果的に抑制できるようになる。
現像液によってセラミック層205がエッチングされる程度は特に制限されないが、例えば、導体パターン部213に覆われていない部分を全て除去する場合、セラミック材料や現像液の無駄となるほか、後述する絶縁層209を形成するための絶縁材料が多量に必要となるなど、セラミックグリーンシートの製造にかかるコストが増大する傾向にある。したがって、セラミックグリーンシートの製造を低コストで良好に行う観点からは、セラミック層205のエッチングは、現像液及びセラミック材料中のバインダ樹脂の組み合わせを適宜変更するか、または、現像液の吹き付け圧を調節すること等によって、セラミック層205の表層部分がわずかに除去される程度に行うことが好ましい。
そして、図3(f)に示されるように、第1実施形態と同様にして、セラミック層205上における導体パターン部213が形成されていない領域上に、絶縁層209を形成する。これにより、絶縁材料からなる層(セラミック層205及び絶縁層209)中に導体パターン部213が内蔵された形状を有するセラミックグリーンシート210が、基材1の離型層3上に形成される。
以上説明した実施形態においても、第1実施形態と同様、基材上に形成されるセラミック層にスルーホールを設けることができる。図4は、セラミック層にスルーホールが形成されたセラミックグリーンシートの断面構造を模式的に示す図である。
セラミックグリーンシート310は、表面に離型層3が形成された基材1上に、一部にスルーホール315が設けられたセラミック層305と、導体パターン部313とがこの順に積層された構成を有している。また、セラミック層305上の導体パターン部313の未形成領域には、絶縁層309が形成されている。つまり、絶縁材料からなる薄膜(セラミック層305及び絶縁層309)中に導体パターン(導体パターン部313及びスルーホール315)が内蔵された形状を有している。このような構成を有するセラミックグリーンシート310は、上述したセラミックグリーンシート110と同様にして製造可能である。
[セラミック電子部品]
以下、上述した実施形態の製造方法により得られたセラミックグリーンシートを用いてセラミック電子部品を製造する方法について説明する。
(コンデンサ)
まず、本発明のセラミックグリーンシートを用いてセラミック電子部品の一例であるコンデンサを得る方法について説明する。図5は、コンデンサの製造工程を模式的に示す断面工程図である。
まず、図5(a)に示されるように、セラミックグリーンシート410を複数積層するとともに、その最上部に保護層420を積層して積層体400を得る。セラミックグリーンシート410は、セラミック層405上に導体パターン部413及び絶縁層409が形成された構成を有している。なお、図中、セラミックグリーンシート410としては、上述した第1実施形態により得られたのと同様、セラミック層405の表層が除去されていないものを図示しているが、これに限られず、セラミックグリーンシート410は、第1及び第2実施形態のいずれの製造方法によって得られたものであってもよい。また、保護層420は、セラミック層405と同じセラミック材料から形成されたものであると好ましい。
続いて、積層体400を焼成する。焼成条件は、通常積層セラミックコンデンサを製造する際に行われる条件と同様とすることができる。かかる焼成により、積層体400からコンデンサ素体510が形成される。具体的には、セラミック層405、保護層420及び絶縁層409から誘電体層505が形成され、導体パターン部413から内部電極層513が形成される。
その後、コンデンサ素体510における対向する端面に、例えば、銀ペースト等の導電ペーストを焼き付けることにより、一対の外部電極520を形成する。こうして、誘電体層505と内部電極層513とが交互に積層されたコンデンサ素体510と、その両端に設けられた一対の外部電極520とを備えるコンデンサ500を得る。
このように、本発明のセラミックグリーンシートを積層することによって、セラミック電子部品の一例であるコンデンサを容易に得ることができる。このセラミックグリーンシートは、上述の如く、セラミック層405上における所望外の領域への導電材料の残存が極めて少ないものである。このため、これを積層して得られたコンデンサは、ショートや耐圧不良等の問題が大幅に低減されたものとなる。
(インダクタ)
次に、本発明のセラミックグリーンシートを用いてセラミック電子部品の一例であるインダクタを得る方法について説明する。図6は、インダクタの製造工程を模式的に示す断面工程図である。
まず、図6(a)に示されるように、セラミックグリーンシート610を複数積層するとともに、その最上部に保護層620を積層して積層体600を得る。セラミックグリーンシート610は、スルーホール615を有するセラミック層605上に導体パターン部613及び絶縁層609が形成された構成を有している。また、保護層620もまた、一部にスルーホール(図示せず)を有する構造となっている。各セラミックグリーンシート610における導体パターン部613及びスルーホール615は、積層されることによってコイルパターンを形成し得る形状となっている。
図中、セラミックグリーンシート610としては、上述した第2実施形態によって得られたのと同様、セラミック層605の表層が除去されたものを図示しているが、これに限られず、セラミックグリーンシート610は、第1及び第2実施形態のいずれの製造方法によって得られたものであってもよい。インダクタの製造において、セラミック層605は、フェライトを含むセラミック材料から形成されたものであると好ましい。また、保護層620は、セラミック層605と同じセラミック材料から形成されたものであると好ましい。
続いて、積層体600を焼成する。焼成条件は、通常インダクタを製造する際に行われる条件と同様とすることができる。かかる焼成により、積層体600からインダクタ素体710が形成される。具体的には、セラミック層605、保護層620及び絶縁層609から、絶縁層705が形成され、導体パターン部613及びスルーホール615からコイルパターン713が形成される。
その後、インダクタ素体710におけるコイルパターンの両端が露出した端面に、例えば、銀ペースト等の導電ペーストを焼き付けることにより、一対の外部電極720を形成する。こうして、絶縁層705中にコイルパターン713が内蔵され、コイルパターン713の両端部に外部電極720が接続された構造を有するインダクタ700を得る。
このように、本発明のセラミックグリーンシートを積層することによって、セラミック電子部品の一例であるインダクタも容易に得ることができる。このようにして得られたインダクタは、上記コンデンサ500と同様、ショートや耐圧不良等の問題が大幅に低減されたものとなる。
(その他の電子部品)
本発明の製造方法により得られたセラミックグリーンシートは、上述したコンデンサやインダクタに限られず、多様なセラミック電子部品の製造に適用可能である。例えば、回路基板、バリスタ、NTC(Negative Temperature Coefficient)サーミスタ、PTC(Positive Temperature Coefficient)サーミスタ、アクチュエータ、或いは、これらの積層品又は複合部品等が挙げられる。上記積層品としては、例えば多層基板等が挙げられ、また、上記複合部品としては、例えばLCフィルタ等が挙げられる。これらのセラミック電子部品は、セラミックグリーンシートにおける導体パターン部やセラミック層の構成材料やパターン形状を適宜変更することによって好適に製造可能である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[セラミックグリーンシートの製造]
(実施例1)
まず、PETフィルムからなる基材上に、シリコーン系材料からなる離型層を形成した。続いて、離型層上に、セラミック粉末としてNi−Zn系フェライト粉末、バインダー樹脂としてアクリル樹脂、及び溶媒としてトルエンを含むセラミックペーストを塗布した後、乾燥してセラミック層を形成した。次に、セラミック層上に、導電性粉末としてのAg粉末、感光性樹脂(ネガ型)、及び、光重合開始剤を含む導電ペーストを塗布した後、乾燥して導体層を形成した。なお、実施例1においては、セラミック粉末の平均粒径d1を0.2とし、導電性粉末の平均粒径d2を0.82とした。
続いて、所定のパターンの光透過部を有するマスクを介して導体層に紫外光を照射することにより、導体層の所定領域に露光を施した。それから、現像液としてNaCOの1質量%水溶液を用いて現像を行うことにより、導体層における未露光部を除去して、導体層から所定のパターンを有する導体パターン部を形成した。この際、導体層とともに、その下に形成されているセラミック層の表層部も若干エッチングされた。
その後、セラミック層上における導体パターン部の未形成領域に、セラミック層と同一のセラミック粉末を含むセラミックペーストを塗布した後、乾燥して絶縁層を形成し、これにより、導体パターン部を内蔵したセラミックグリーンシートを得た。
(実施例2〜5、比較例1〜3)
セラミック粉末の平均粒径d1及び導電性粉末の平均粒径d2の値を表1に示す組み合わせに変えたこと以外は、実施例1と同様にして実施例2〜5及び比較例1〜3のセラミックグリーンシートを製造した。
[セラミックグリーンシートの観察]
得られた実施例1〜5及び比較例1〜3のセラミックグリーンシートを、顕微鏡を用いて詳細に観察することにより、セラミック層上に導電材料(導電性粉末)が残存しているか否かを判定した。得られた結果を表1に示す。表1中、セラミック層上への導電材料の残存が見られなかったものを「無し」と表記し、導電材料の残存が見られたものを「有り」と表記した。
Figure 2006210820
表1より、d2/d1が3以上であった実施例1〜5のセラミックグリーンシートは、セラミック層上への導電材料の残存が見られなかったのに対し、d2/d1が3未満であった比較例1〜3のセラミックグリーンシートは、セラミック層上への導電材料の残存が見られることが確認された。
セラミックグリーンシートの製造方法の第1実施形態を模式的に示す工程断面図である。 セラミック層にスルーホールが形成されたセラミックグリーンシートの断面構造を模式的に示す図である。 セラミックグリーンシートの製造方法の第2実施形態を模式的に示す工程断面図である。 セラミック層にスルーホールが形成されたセラミックグリーンシートの断面構造を模式的に示す図である。 コンデンサの製造工程を模式的に示す断面工程図である。 インダクタの製造工程を模式的に示す断面工程図である。
符号の説明
1…基材、3…離型層、5…セラミック層、9…絶縁層、10…セラミックグリーンシート、13…導体パターン部、13a…導体層、13b…所定領域、11…マスク、11a…光透過部、11b…遮光部、105…セラミック層、109…絶縁層、110…セラミックグリーンシート、113…導体パターン部、115…スルーホール、205…セラミック層、209…絶縁層、210…セラミックグリーンシート、213…導体パターン部、213a…導体層、213b…所定領域、305…セラミック層、309…絶縁層、310…セラミックグリーンシート、313…導体パターン部、315…スルーホール、400…積層体、405…セラミック層、409…絶縁層、410…セラミックグリーンシート、413…導体パターン部、420…保護層、500…コンデンサ、505…誘電体層、513…内部電極層、510…コンデンサ素体、520…外部電極、600…積層体、605…セラミック層、609…絶縁層、613…導体パターン部、615…スルーホール、620…保護層、700…インダクタ、705…絶縁層、713…コイルパターン、710…インダクタ素体、720…外部電極。

Claims (1)

  1. セラミック粉末を含むセラミック材料からなるセラミック層を形成する工程と、
    前記セラミック層上に、導電性粉末を含み、且つ、感光性を有する導電材料からなる導体層を形成する工程と、
    前記導体層の所定部分に露光を施す工程と、
    前記導体層を現像して導体パターン部を形成する工程と、を含み、
    前記セラミック粉末の平均粒径d1と、前記導電性粉末の平均粒径d2とは、下記式(1)に示す関係を満たしていること、
    を特徴とするセラミックグリーンシートの製造方法。
    d2/d1≧3…(1)
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