JP2006207497A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 蓄熱タンク内の冷却水を、エンジン停止時において適切に制御する。
【解決手段】 エンジンECUは、蓄熱タンク内の冷却水がエンジンに供給されている場合(途中)にアイドリングストップ条件が成立した場合(S108にてYES)、エンジンを停止するステップ(S110)と、蓄熱タンクから流出した冷却水の量(冷却水供給量)Lを推定するステップ(S112)と、冷却水供給量Lがしきい値L(0)より小さい場合(S114にてNO)、冷却水の供給を停止するステップ(S122)と、冷却水供給量Lがしきい値L(0)以上である場合(S114にてYES)、冷却水の供給を継続するステップ(S116)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】 図2
【解決手段】 エンジンECUは、蓄熱タンク内の冷却水がエンジンに供給されている場合(途中)にアイドリングストップ条件が成立した場合(S108にてYES)、エンジンを停止するステップ(S110)と、蓄熱タンクから流出した冷却水の量(冷却水供給量)Lを推定するステップ(S112)と、冷却水供給量Lがしきい値L(0)より小さい場合(S114にてNO)、冷却水の供給を停止するステップ(S122)と、冷却水供給量Lがしきい値L(0)以上である場合(S114にてYES)、冷却水の供給を継続するステップ(S116)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、液媒体を保温状態で一時的に蓄える蓄熱システムを搭載した車両の制御装置に関し、特に、内燃機関に高温の液媒体を供給したり、内燃機関に低温の液媒体を供給したりして、内燃機関の温度を制御する車両の制御装置に関する。
自動車などに搭載される内燃機関が冷間状態で始動される場合には、吸気ポートや燃焼室等の壁面温度が低くなるため、燃料が霧化し難くなるとともに燃焼室の周縁部において消炎が発生し易くなり、始動性の低下や排気エミッションの悪化などが誘発される。
このような問題に対し、水冷式内燃機関において高温の冷却水を保温貯蔵する蓄熱装置を備え、内燃機関の始動時などに蓄熱装置に貯蔵されている冷却水を内燃機関へ供給することにより内燃機関の昇温を図り、以て始動性の向上や暖機の早期化を図る技術が提案されている。
たとえば、特開2003−184553号公報(特許文献1)に開示された蓄熱装置を備えた内燃機関は、内燃機関のシリンダヘッドに形成され、熱媒体が流通する熱媒体流通路と、熱媒体流通路を流れる熱媒体の一部を保温貯蔵する蓄熱装置と、蓄熱装置から熱媒体流通路へ熱媒体を導く第1の熱媒体通路と、熱媒体流通路から蓄熱装置へ熱媒体を導く第2の熱媒体通路と、第1の熱媒体通路と第2の熱媒体通路とを択一的に導通させる通路切換手段とを備える。
この蓄熱装置を備えた内燃機関によると、通路切換手段が第1の熱媒体通路を導通させることにより、蓄熱装置内に保温貯蔵されている高温の熱媒体が第1の熱媒体通路を介して直接的に熱媒体流通路へ供給されるとともに、通路切換手段が第2の熱媒体通路を導通させることにより、熱媒体流通路内の高温の熱媒体が第2の熱媒体通路を介して直接的に蓄熱装置へ供給される。このように熱媒体流通路と蓄熱装置との間で直接的に熱媒体の授受が行なわれると、蓄熱装置から熱媒体流通路へ熱媒体を供給する際の熱損失が最小限に抑制されるとともに、熱媒体流通路から蓄熱装置へ熱媒体を供給する際の熱損失も最小限に抑制される。この結果、熱媒体流通路内の熱媒体が持つ熱量が少ない場合であっても、その少ない熱量が効率良く蓄熱装置に蓄えられることになる。
特開2003−184553号公報
ところで、地球温暖化の防止や省資源化の観点から、交差点等において赤信号で車両が停車するとエンジン(内燃機関)を自動的に停止させて、再び走行を始めようと運転者が操作すると(たとえばアクセルペダルを踏んだり、あるいはブレーキペダルの踏み込みを止めたり、シフトレバーを前進走行ポジションに切り替えるなどの操作を行なうと)、エンジンが再始動するアイドリングストップシステム(エコノミーランニングシステム、エンジンオートマチックストップアンドスタートシステムとも呼ばれる。)が実用化されている。このシステムにおいては、エンジンの再始動時には、車両に搭載された二次電池の電力を用いてモータジェネレータやスタータモータなどの電動機によりクランクシャフトを回転させてエンジンを再始動させる。このアイドリングストップシステムを搭載した車両においては、エンジンの停止と始動(再始動)が頻繁に繰返される。したがって、特開2003−184553号公報に記載の蓄熱装置を備えた車両にアイドリングストップシステムを搭載した場合、蓄熱装置内の高温の熱媒体をエンジンに供給している場合において、エンジンが停止(一時停止)され得る。しかしながら、特開2003−184553号公報には、このような場合を想定した記載は何等ない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、蓄熱システムにより保温状態で一時的に蓄えられた液媒体を、内燃機関の停止時において適切に制御することができる車両の制御装置を提供することである。
第1の発明に係る車両の制御装置は、内燃機関に設けられた流路を循環する液媒体の一部を保温貯蔵するための貯蔵手段と、貯蔵手段内の液媒体を、貯蔵手段および内燃機関の間で循環させるための循環手段とが搭載された車両を制御する。この制御装置は、貯蔵手段から流出した液媒体の量を検知するための検知手段と、貯蔵手段内の液媒体が内燃機関に供給されている場合において、内燃機関が停止した場合、流出した液媒体の量に基づいて、循環手段を制御するための制御手段とを含む。
第1の発明によると、貯蔵手段内の液媒体が内燃機関に供給されている場合において、内燃機関が停止した場合、次回、内燃機関の始動する際に再度液媒体を内燃機関に供給する必要があり得る。したがって、貯蔵手段から流出した液媒体の量が予め定められた量よりも少ない場合、内燃機関への液媒体の供給が停止される。これにより、次回内燃機関を始動する際に内燃機関に供給される液媒体を確保することができる。一方、貯蔵手段内に高温の液媒体がほとんど残っていない場合、次回内燃機関を始動する際に液媒体を内燃機関に供給しても、大きな効果は望めない。したがって、貯蔵手段から流出した液媒体の量が予め定められた量よりも多い場合、内燃機関への液媒体の供給が継続される。これにより、貯蔵手段内の液媒体を無駄なく使用することができる。そのため、内燃機関の停止時において、貯蔵手段内の液媒体を適切に制御することができる。その結果、蓄熱システムにより保温状態で一時的に蓄えられた液媒体を、内燃機関の停止時において適切に制御することができる車両の制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る車両の制御装置においては、第1の発明の構成に加え、車両には、車両の状態が予め定められた条件を満足すると内燃機関を一時的に停止するアイドリングストップシステムが搭載される。制御手段は、貯蔵手段内の液媒体が内燃機関に供給されている場合において、内燃機関がアイドリングストップシステムにより一時的に停止した場合、流出した液媒体の量に基づいて、循環手段を制御するための手段を含む。
第2の発明によると、貯蔵手段内の液媒体が内燃機関に供給されている場合において、アイドリングストップシステムにより内燃機関が一時的に停止した場合、その後、内燃機関が再始動される可能性が高い。内燃機関の再始動時には、液媒体を内燃機関に供給する必要があり得る。したがって、たとえば、貯蔵手段から流出した液媒体の量が予め定められた量よりも少ない場合、内燃機関への液媒体の供給が停止される。これにより、内燃機関の再始動時に内燃機関に供給される液媒体を確保することができる。一方、貯蔵手段内に高温の液媒体がほとんど残っていない場合、内燃機関の再始動時に液媒体を内燃機関に供給しても、大きな効果は望めない。したがって、貯蔵手段から流出した液媒体の量が予め定められた量よりも多い場合、内燃機関への液媒体の供給が継続される。これにより、貯蔵手段内の液媒体を無駄なく使用することができる。
第3の発明に係る車両の制御装置においては、第1または2の発明の構成に加え、制御手段は、流出した液媒体の量が予め定められた量よりも少ない場合、内燃機関への液媒体の供給を停止するように循環手段を制御するための手段と、流出した液媒体の量が予め定められた量よりも多い場合、内燃機関への液媒体の供給を継続するように循環手段を制御するための手段とを含む。
第3の発明によると、貯蔵手段から流出した液媒体の量が予め定められた量よりも少ない場合、内燃機関への液媒体の供給が停止される。これにより、内燃機関の再始動時に内燃機関に供給される液媒体を確保することができる。一方、貯蔵手段から流出した液媒体の量が予め定められた量よりも多い場合、内燃機関への液媒体の供給が継続される。これにより、貯蔵手段内の液媒体を無駄なく使用することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
図1を参照して、本実施の形態に係る制御装置の制御対象である蓄熱システムの制御ブロック図を示す。
図1に示す蓄熱システムは、内燃機関(エンジン)を搭載した車両に適用される。なお、この車両は、エンジンのみを搭載した車両であってもよいし、エンジンとバッテリにより駆動されるモータとを搭載したハイブリッド車両のいずれであってもよい。
このエンジンは、運転者がイグニッションスイッチをスタート位置にすることによりスタータによりクランキングされて始動される。また、このようなエンジンの始動については、アイドリングストップにおけるエンジンの一時的な停止後の再始動も同じように行なわれる。アイドリングストップシステムは、交差点等において赤信号で車両が停車するとエンジンを自動的に停止させて、再び走行を始めようと運転者が操作するとエンジンを再始動させる。たとえば、アクセル開度が0であって、シフト操作後1秒以上経過しており、車速が0であって、エンジン回転数が1000rpm以下であって、車両が登坂路や降坂路に停止しておらず、エンジン冷却水温が予め定められた範囲内にあると、アイドリングストップが許可されてエンジンが一時的に停止する。その後、アイドリングストップ条件が成立しなくなるとエンジンが再始動される。
図1に示すように、この蓄熱システムは、シリンダヘッド(以下、ヘッドと記載する。)100およびシリンダブロック110に設けられた冷却水流路を流れる冷却水の一部を蓄熱タンク310に保温して貯蔵しておいて、その冷却水を必要に応じて蓄熱タンク310からヘッド100やシリンダブロック110に供給する。ヘッド100およびシリンダブロック110とラジエータ400またはラジエータバイパス通路410との間において、機械式ウォータポンプ200により冷却水が循環される。ラジエータ400およびラジエータバイパス通路410のいずれを通るかについては、流量制御弁430により制御される。なお、機械式ウォータポンプ200には、ベルトを介して、エンジンのクランクシャフトから駆動力が伝達される。そのため、機械式ウォータポンプ200は、エンジンのフリクションとなる。
蓄熱タンク310からヘッド100およびシリンダブロック110への冷却水の供給は電動式ウォータポンプ300により行なわれる。電動式ウォータポンプ300を駆動することにより、蓄熱タンク310内の冷却水(温水であったり冷水であったりする)が三方弁610を介してヘッド100、シリンダブロック110、ヒータコア500等に供給される。三方弁610は、全閉状態、全開状態(ポートA、ポートBおよびポートCを連通状態)、ポートAとポートBとを連通状態、ポートAとポートCとを連通状態、ポートBとポートCとを連通状態の5通りの状態を実現することができる。
また、この蓄熱システムの温度センサとして、ヘッド100の冷却水出口側に設けられたエンジン冷却水温度センサ120と、蓄熱タンク310の出口側に設けられた蓄熱タンク出口温度センサ320と、ラジエータ400の出口に設けられたラジエータ出口水温センサ420とが設けられる。これらの温度センサからの信号は、エンジンECU(Electronic Control Unit)1000に入力される。
また、エンジンECU1000は、電動式ウォータポンプ300、三方弁610、流量制御弁430を制御する。流量制御弁430は、制御デューティを変更することにより、ラジエータ400に流通する冷却水の流量およびラジエータバイパス通路410を流通する冷却水の流量を制御することができる。このとき、流量制御弁430は、ラジエータ400のみに、ラジエータバイパス通路410のみに、ラジエータ400およびラジエータバイパス通路410に、冷却水を流すことができる。流量制御弁430は、エンジンECU1000から全開指令信号を受信すると、冷却水の全量をラジエータ400に流すように、流量を制御する。また、流量制御弁430は、エンジンECU1000から全閉指令信号を受信すると、冷却水の全量をラジエータバイパス通路410に流すように、流量を制御する。さらに、流量制御弁430は、エンジンECU1000から指令信号を受信して、冷却水の一部をラジエータ400に流して、残りの冷却水をラジエータバイパス通路410に流すように流量を制御することもできる。
また、エンジンECU1000は、電動式ウォータポンプ300を駆動するモータの制御デューティを変更することにより、モータの回転数を制御して、電動式ウォータポンプ300の吐出量を制御することができる。また、この制御は、電動式ウォータポンプ300のモータの電圧を可変とすることにより行なってもよい。また、電動式ウォータポンプ300のモータの通電時間を変更することにより、電動式ウォータポンプ300の駆動時間を制御して、電動式ウォータポンプ300から吐出される総冷却水量を制御するようにしてもよい。
図2を参照して、図1のエンジンECU1000で実行されるプログラムの制御構造について説明する。
ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、エンジンECU1000は、エンジン冷却水温度センサ120から送信された信号に基づいてエンジン冷却水温THW(1)を検知するとともに、蓄熱タンク出口温度センサ320から送信された信号に基づいて蓄熱タンク水温THW(2)を検知する。
S102にて、エンジンECU1000は、蓄熱タンク310内の冷却水をエンジンに供給するか否かを判別する。蓄熱タンク310内の冷却水をエンジンに供給するか否かは、たとえばエンジン冷却水温THW(1)および蓄熱タンク水温THW(2)をパラメータに持つマップに基づいて判別される。蓄熱タンク310内の冷却水をエンジンに供給する場合(S102にてYES)、処理はS104に移される。そうでない場合(S102にてNO)、この処理は終了する。S104にて、エンジンECU1000は、電動式ウォータポンプ300を駆動する。S106にて、エンジンECU1000は、エンジンを始動する。
S108にて、エンジンECU1000は、アイドリングストップ条件が成立したか否かを判別する。たとえば、アクセル開度が0であって、シフト操作後1秒以上経過しており、車速が0であって、エンジン回転数が1000rpm以下であって、車両が登坂路や降坂路に停止しておらず、エンジン冷却水温が予め定められた範囲内にあると、アイドリングストップ条件が成立したと判別される。アイドリングストップ条件が成立した場合(S108にてYES)、処理はS110に移される。そうでない場合(S108にてNO)、処理はS124に移される。S110にて、エンジンECU1000は、エンジンを停止する
S112にて、エンジンECU1000は、蓄熱タンク310からエンジンに供給した冷却水の量、すなわち蓄熱タンク310から流出した冷却水の量(冷却水供給量)Lを推定する。冷却水供給量Lは、たとえば電動式ウォータポンプ300の駆動時間に基づいて推定される。なお、冷却水供給量Lの推定方法はこれに限らない。
S112にて、エンジンECU1000は、蓄熱タンク310からエンジンに供給した冷却水の量、すなわち蓄熱タンク310から流出した冷却水の量(冷却水供給量)Lを推定する。冷却水供給量Lは、たとえば電動式ウォータポンプ300の駆動時間に基づいて推定される。なお、冷却水供給量Lの推定方法はこれに限らない。
S114にて、エンジンECU1000は、冷却水供給量Lがしきい値L(0)以上であるか否かを判別する。しきい値L(0)は、たとえば蓄熱タンク310の容量の半分の値に設定される。なお、しきい値L(0)はこれに限らない。冷却水供給量Lがしきい値L(0)以上である場合(S114にてYES)、処理はS116に移される。そうでない場合(S114にてNO)、処理はS122に移される。
S116にて、エンジンECU1000は、冷却水の供給を継続する。すなわち、エンジンECU1000は、電動式ウォータポンプ300の駆動を継続する。S118にて、エンジンECU1000は、冷却水供給量Lを推定する。
S120にて、エンジンECU1000は、冷却水供給量Lがしきい値L(1)(L(1)>L(0))以上であるか否かを判別する。しきい値L(1)は、たとえば蓄熱タンク310の容量と同じ値に設定される。なお、しきい値L(1)はこれに限らない。冷却水供給量Lがしきい値L(1)以上である場合(S120にてYES)、処理はS122に移される。そうでない場合(S120にてNO)、処理はS116に戻される。S122にて、エンジンECU1000は、冷却水の供給を停止する。すなわち、エンジンECU1000は、電動式ウォータポンプ300を停止する。その後、この処理は終了する。
S124にて、エンジンECU1000は、冷却水供給量Lを推定する。S126にて、エンジンECU1000は、冷却水供給量Lがしきい値L(1)以上であるか否かを判別する。冷却水供給量Lがしきい値L(1)以上である場合(S124にてYES)、処理はS122に移される。そうでない場合(S126にてNO)、処理はS108に戻される。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る蓄熱システムの動作について説明する。
エンジンが停止している状態において、たとえば、運転者によりイグニッションスイッチがエンジンスタート位置まで操作されたり、アイドリングストップ中にアイドリングストップ条件が満足されなくなったりすると、エンジン冷却水温THW(1)および蓄熱タンク水温THW(2)が検知される(S100)。エンジン冷却水温THW(1)および蓄熱タンク水温THW(2)をパラメータに持つマップに基づいて、蓄熱タンク310内の冷却水をエンジンに供給するか否かが判別される(S102)。
ここでは、蓄熱タンク310内の高温の冷却水が、エンジンに供給される(S102にてYES)と想定する。この場合、電動式ウォータポンプ300が駆動される(S104)。これにより、蓄熱タンク310内の高温の冷却水が、シリンダブロック110のみに供給されたり、ヘッド100およびシリンダブロック110に供給されたりして、エンジンが暖められる。この状態で、エンジンが始動される(S106)。そのため、エンジンの始動性がよい状態でエンジンを始動することができる。エンジン始動後、アイドリングストップ条件が成立したか否かが判別される(S108)。
アイドリングストップ条件が成立しない場合(S108にてNO)、冷却水供給量Lが推定され(S124)、冷却水供給量Lがしきい値L(1)以上であるか否かが判別される(S126)。
冷却水供給量Lがしきい値L(1)以上である場合(S126にてYES)、蓄熱タンク310内の高温の冷却水が蓄熱タンク310からほとんど流出したといえる。この場合、電動式ウォータポンプ300が停止されて冷却水の供給が停止される(S122)。冷却水供給量Lがしきい値L(1)より小さい場合(S126にてNO)、アイドリングストップ条件が成立したか否かが再び判別される(S108)。
冷却水供給量Lがしきい値L(1)以上になって(S126にてYES)、冷却水の供給が停止される(S122)前、すなわち、冷却水がエンジンに供給されている場合(途中)にアイドリングストップ条件が成立した場合(S108にてYES)、エンジンが停止され(S110)、冷却水供給量Lが推定される(S112)。
アイドリングストップシステムによりエンジンが停止されると、その後、エンジンが再始動される可能性が高い。再始動時においても、蓄熱タンク310内の高温の冷却水をエンジンに供給する必要性がある場合がある。そのため、エンジン停止時における冷却水供給量Lが、しきい値L(0)より小さい場合(S114にてNO)、すなわち、蓄熱タンク310内に、高温の冷却水が十分に残っている場合は、電動式ウォータポンプ300が停止されて冷却水の供給が停止される(S122)。これにより、再始動時にエンジンに供給する冷却水を確保することができる。
一方、エンジン停止時における冷却水供給量Lが、しきい値L(0)以上である場合(S114にてYES)、蓄熱タンク310内に残っている高温の冷却水は少ない。そのため、残った冷却水を再始動時にエンジンに供給しても、エンジンの温度を上昇するという効果は大きくない。この場合、冷却水の供給が継続される(S116)。
その後、冷却水供給量Lが推定され(S118)、冷却水供給量Lがしきい値L(1)以上になると(S120にてYES)、冷却水の供給が停止される(S122)。一方、冷却水供給量Lがしきい値L(1)より小さい場合(S120にてNO)、冷却水の供給が継続される(S116)。これにより、蓄熱タンク310内の高温の冷却水がなくなるまで、蓄熱タンク310からエンジンに冷却水が供給される。そのため、高温の冷却水を無駄なく使用し、エンジンの温度を上昇させることができる。
以上のように、本実施の形態に係る蓄熱システムのエンジンECUは、蓄熱タンク内の冷却水をエンジンに供給している場合(途中)に、アイドリングストップ条件が成立してエンジンが一時的に停止された場合において、蓄熱タンクからの冷却水供給量Lがしきい値L(0)より小さい場合、冷却水の供給を停止する。これにより、エンジンの再始動時にエンジンに供給する冷却水を確保することができる。一方、エンジンの停止時における冷却水供給量Lがしきい値L(0)以上である場合、冷却水の供給を継続する。これにより、蓄熱タンク内の冷却水を無駄なく使用することができる。そのため、エンジンの停止時において、蓄熱タンク内の冷却水を適切に制御することができる。
なお、本実施の形態においては、アイドリングストップシステムによりエンジンが一時的に停止された場合の他、その他、たとえば運転者によりイグニッションスイッチがオフにされてエンジンが停止した場合や意図せずエンジンが停止した場合(エンストなど)において、冷却水の供給を継続するか否かを決定してもよい。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 シリンダヘッド、110 シリンダブロック、120 エンジン冷却水温度センサ、200 機械式ウォータポンプ、300 電動式ウォータポンプ、310 蓄熱タンク、320 蓄熱タンク出口温度センサ、400 ラジエータ、410 ラジエータバイパス通路、420 ラジエータ出口水温センサ、430 流量制御弁、500 ヒータコア、610 三方弁、620 ヒータバルブ、1000 エンジンECU。
Claims (3)
- 内燃機関に設けられた流路を循環する液媒体の一部を保温貯蔵するための貯蔵手段と、前記貯蔵手段内の液媒体を、前記貯蔵手段および前記内燃機関の間で循環させるための循環手段とが搭載された車両の制御装置であって、
前記貯蔵手段から流出した液媒体の量を検知するための検知手段と、
前記貯蔵手段内の液媒体が前記内燃機関に供給されている場合において、前記内燃機関が停止した場合、前記流出した液媒体の量に基づいて、前記循環手段を制御するための制御手段とを含む、車両の制御装置。 - 前記車両には、前記車両の状態が予め定められた条件を満足すると内燃機関を一時的に停止するアイドリングストップシステムが搭載され、
前記制御手段は、前記貯蔵手段内の液媒体が前記内燃機関に供給されている場合において、前記内燃機関が前記アイドリングストップシステムにより一時的に停止した場合、前記流出した液媒体の量に基づいて、前記循環手段を制御するための手段を含む、請求項1に記載の車両の制御装置。 - 前記制御手段は、
前記流出した液媒体の量が予め定められた量よりも少ない場合、前記内燃機関への液媒体の供給を停止するように前記循環手段を制御するための手段と、
前記流出した液媒体の量が前記予め定められた量よりも多い場合、前記内燃機関への液媒体の供給を継続するように前記循環手段を制御するための手段とを含む、請求項1または2に記載の車両の制御装置。
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