JP2006207461A - 車両の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 吸気ポートや燃焼室の壁温とエンジンオイルの油温とをバランスよく管理する。
【解決手段】 エンジンECUは、アイドリングストップ条件が成立して、エンジンが一時的に停止されている場合において、運転者がブレーキペダルから足を離してアクセルペダルが踏込まれ、アイドリングストップ復帰条件が成立した場合(S100にてYES)、エンジン水温THW(1)およびタンク水温THW(2)を検知するステップと(S102)、エンジン水温THW(2)に基づいて、油温を推定するステップ(S104)と、エンジン水温THW(1)、タンク水温THW(2)、油温をパラメータとする3次元マップに基づいて、蓄熱タンク310内の冷却水の供給先を、ヘッド100およびシリンダブロック110の少なくともいずれか一方に決定するステップ(S108)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、液媒体を保温状態で一時的に蓄える蓄熱システムを搭載した車両の制御装置に関し、特に、内燃機関に高温の液媒体を供給して内燃機関の温度を制御する車両の制御装置に関する。
自動車などに搭載される内燃機関が冷間状態で始動される場合には、吸気ポートや燃焼室等の壁面温度が低くなるため、燃料が霧化し難くなるとともに燃焼室の周縁部において消炎が発生し易くなり、始動性の低下や排気エミッションの悪化などが誘発される。
このような問題に対し、水冷式内燃機関において高温の冷却水を保温貯蔵する蓄熱装置を備え、内燃機関の始動時などに蓄熱装置に貯蔵されている冷却水を内燃機関へ供給することにより内燃機関の温度上昇を図り、以て始動性の向上や暖機の早期化を図る技術が提案されている。
たとえば、特開2003−184553号公報(特許文献1)に開示された蓄熱装置を備えた内燃機関は、内燃機関のシリンダヘッドに形成され、熱媒体が流通する熱媒体流通路と、熱媒体流通路を流れる熱媒体の一部を保温貯蔵する蓄熱装置と、蓄熱装置から熱媒体流通路へ熱媒体を導く第1の熱媒体通路と、熱媒体流通路から蓄熱装置へ熱媒体を導く第2の熱媒体通路と、第1の熱媒体通路と第2の熱媒体通路とを択一的に導通させる通路切換手段とを備える。
この蓄熱装置を備えた内燃機関によると、通路切換手段が第1の熱媒体通路を導通させることにより、蓄熱装置内に保温貯蔵されている高温の熱媒体が第1の熱媒体通路を介して直接的に熱媒体流通路へ供給されるとともに、通路切換手段が第2の熱媒体通路を導通させることにより、熱媒体流通路内の高温の熱媒体が第2の熱媒体通路を介して直接的に蓄熱装置へ供給される。このように熱媒体流通路と蓄熱装置との間で直接的に熱媒体の授受が行われると、蓄熱装置から熱媒体流通路へ熱媒体を供給する際の熱損失が最小限に抑制されるとともに、熱媒体流通路から蓄熱装置へ熱媒体を供給する際の熱損失も最小限に抑制される。この結果、熱媒体流通路内の熱媒体が持つ熱量が少ない場合であっても、その少ない熱量が効率良く蓄熱装置に蓄えられることになる。
特開2003−184553号公報
しかしながら、特許文献1に開示された蓄熱装置を備えた内燃機関においては、内燃機関の冷却水に着目したものに過ぎない。内燃機関(エンジン)には、シリンダとピストンとの間の摺動抵抗を低減、内燃機関の冷却等のために潤滑油(エンジンオイル)が循環されている。この潤滑油は温度によりその粘度が大きく異なる。潤滑油の温度が低ければ粘度が高くなり摺動抵抗が増えるが、逆に温度が高すぎても粘度が低くなり、内燃機関の潤滑に必要な粘度が得られず、摺動抵抗を低減し得ない。いずれの場合においても、燃費に悪影響を与える。したがって、潤滑油の温度を適切に制御する必要がある。しかしながら、特許文献1に開示された内燃機関においては、潤滑油の温度を制御して適切な粘度を得ることについては何等考慮されずに、熱媒体が内燃機関に供給される。そのため、吸気ポートや燃焼室の壁温と潤滑油の温度とをバランスよく管理することができないという問題点があった。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、液媒体を保温状態で一時的に蓄える蓄熱システムを用いて、吸気ポートや燃焼室の壁温と潤滑油の温度とをバランスよく管理することができる車両の制御装置を提供することである。また、本発明の他の目的は、内燃機関の吸気ポートの壁面の温度を精度よく推定することができる車両の制御装置を提供することである。また、本発明のさらに他の目的は、内燃機関のシリンダにおける摩擦抵抗を精度よく推定することができる車両の制御装置を提供することである。
第1の発明に係る車両の制御装置は、内燃機関に設けられた流路を循環する液媒体の一部を保温貯蔵するための貯蔵手段と、貯蔵手段内の液媒体を、内燃機関の間で循環させるための循環手段とが搭載された車両を制御する。この制御装置は、内燃機関における液媒体の温度を検知するための手段と、内燃機関の潤滑油の温度を検知するための手段と、内燃機関における液媒体の温度および内燃機関の潤滑油の温度に基づいて、貯蔵手段内の液媒体を内燃機関のシリンダヘッドおよびシリンダブロックの少なくともいずれか一方に供給するように前記循環手段を制御するための制御手段とを含む。
第1の発明によると、たとえば、内燃機関における液媒体の温度が予め定められた第1の温度よりも低く、かつ内燃機関の潤滑油の温度が予め定められた第2の温度よりも低い場合、貯蔵手段内の液媒体がシリンダヘッドおよびシリンダブロックの両方に供給される。これにより、シリンダヘッドの吸気ポートや燃焼室の壁温とシリンダブロック内の潤滑油の温度とを上昇させることができる。また、内燃機関における液媒体の温度が予め定められた第1の温度よりも低く、かつ内燃機関の潤滑油の温度が予め定められた第2の温度よりも高い場合、貯蔵手段内の液媒体がシリンダヘッドに供給される。これにより、シリンダヘッドの吸気ポートや燃焼室の壁温を上昇させるとともに、潤滑油の温度が必要以上に上昇することを抑制することができる。また、内燃機関における液媒体の温度が予め定められた第1の温度よりも高く、かつ内燃機関の潤滑油の温度が予め定められた第2の温度よりも低い場合、貯蔵手段内の液媒体がシリンダブロックに供給される。これにより、シリンダブロック内の潤滑油の温度を上昇させるとともに、シリンダヘッドの吸気ポートや燃焼室の壁温が必要以上に上昇することを抑制することができる。そのため、吸気ポートや燃焼室の壁温と潤滑油の温度とをバランスよく管理することができる。その結果、液媒体を保温状態で一時的に蓄える蓄熱システムを用いて、吸気ポートや燃焼室の壁温と潤滑油の温度とをバランスよく管理することができる車両の制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る車両の制御装置においては、第1の発明の構成に加え、制御手段は、内燃機関における液媒体の温度が予め定められた第1の温度よりも低く、かつ内燃機関の潤滑油の温度が予め定められた第2の温度よりも低い場合、貯蔵手段内の液媒体をシリンダヘッドおよびシリンダブロックの両方に供給するように循環手段を制御するための手段と、内燃機関における液媒体の温度が第1の温度よりも低く、かつ内燃機関の潤滑油の温度が第2の温度よりも高い場合、貯蔵手段内の液媒体をシリンダヘッドに供給するように循環手段を制御するための手段と、内燃機関における液媒体の温度が第1の温度よりも高く、かつ内燃機関の潤滑油の温度が第2の温度よりも低い場合、貯蔵手段内の液媒体をシリンダブロックに供給するように循環手段を制御するための手段とを含む。
第2の発明によると、内燃機関における液媒体の温度が予め定められた第1の温度よりも低く、かつ内燃機関の潤滑油の温度が予め定められた第2の温度よりも低い場合は、シリンダヘッドの吸気ポートや燃焼室の壁温とシリンダブロック内の潤滑油の温度とを上昇させることができる。内燃機関における液媒体の温度が第1の温度よりも低く、かつ内燃機関の潤滑油の温度が第2の温度よりも高い場合は、シリンダヘッドの吸気ポートや燃焼室の壁温を上昇させるとともに、潤滑油の温度が必要以上に上昇することを抑制することができる。内燃機関における液媒体の温度が第1の温度よりも低く、かつ内燃機関の潤滑油の温度が第2の温度よりも高い場合は、シリンダブロック内の潤滑油の温度を上昇させるとともに、シリンダヘッドの吸気ポートや燃焼室の壁温が必要以上に上昇することを抑制することができる。
第3の発明に係る車両の制御装置は、第2の発明の構成に加え、予め定められた条件に基づいて、第1の温度および第2の温度の少なくともいずれか一方を変更するための変更手段をさらに含む。
第3の発明によると、たとえば、貯蔵手段における液媒体の温度が高い場合は、低い場合に比べて、第1の温度および第2の温度の少なくともいずれか一方が高くされる。これにより、貯蔵手段の液媒体を用いて内燃機関の温度をより上昇できる状態においては、シリンダヘッドまたはシリンダブロックに貯蔵手段から液媒体が供給される領域を拡大し、より効果的に内燃機関の温度を上昇させることができる。また、内燃機関に吸入される空気の温度が高い場合は、低い場合に比べて、第1の温度および第2の温度の少なくともいずれか一方が低くされる。これにより、貯蔵手段の液媒体を用いて内燃機関の温度を上昇させる必要性が少ない状態においては、シリンダヘッドまたはシリンダブロックに貯蔵手段から液媒体が供給される領域を縮小し、内燃機関の温度が必要以上に上昇することを抑制することができる。
第4の発明に係る車両の制御装置は、第3の発明の構成に加え、貯蔵手段における液媒体の温度を検知するための手段をさらに含む。変更手段は、貯蔵手段における液媒体の温度に基づいて、第1の温度および第2の温度の少なくともいずれか一方を変更するための手段を含む。
第4の発明によると、たとえば、貯蔵手段における液媒体の温度が高い場合は、低い場合に比べて、第1の温度および第2の温度の少なくともいずれか一方が高くされる。これにより、貯蔵手段の液媒体を用いて内燃機関の温度をより上昇できる状態においては、シリンダヘッドまたはシリンダブロックに貯蔵手段から液媒体が供給される領域を拡大し、より効果的に内燃機関の温度を上昇させることができる。
第5の発明に係る車両の制御装置においては、第4の発明の構成に加え、予め定められた条件は、貯蔵手段における液媒体の温度が高い場合は、低い場合に比べて、第1の温度および第2の温度の少なくともいずれか一方を高くするという条件である。
第5の発明によると、貯蔵手段の液媒体を用いて内燃機関の温度をより上昇できる状態においては、シリンダヘッドまたはシリンダブロックに貯蔵手段から液媒体が供給される領域を拡大し、より効果的に内燃機関の温度を上昇させることができる。
第6の発明に係る車両の制御装置は、第3の発明の構成に加え、内燃機関に吸入される空気の温度を検知するための手段をさらに含む。変更手段は、内燃機関に吸入される空気の温度に基づいて、第1の温度および第2の温度の少なくともいずれか一方を変更するための手段を含む。
第6の発明によると、たとえば、内燃機関に吸入される空気の温度が高い場合は、低い場合に比べて、第1の温度および第2の温度の少なくともいずれか一方が低くされる。これにより、貯蔵手段の液媒体を用いて内燃機関の温度を上昇させる必要性が少ない状態においては、シリンダヘッドまたはシリンダブロックに貯蔵手段から液媒体が供給される領域を縮小し、内燃機関の温度が必要以上に上昇することを抑制することができる。
第7の発明に係る車両の制御装置においては、第6の発明の構成に加え、予め定められた条件は、内燃機関に吸入される空気の温度が高い場合は、低い場合に比べて、第1の温度および第2の温度の少なくともいずれか一方を低くするという条件である。
第7の発明によると、貯蔵手段の液媒体を用いて内燃機関の温度を上昇させる必要性が少ない状態においては、シリンダヘッドまたはシリンダブロックに貯蔵手段から液媒体が供給される領域を縮小し、内燃機関の温度が必要以上に上昇することを抑制することができる。
第8の発明に係る車両の制御装置は、第1〜7のいずれかの発明の構成に加え、貯蔵手段からシリンダヘッドへの液媒体の供給状態に対応して、内燃機関の吸気ポートの壁面の温度を推定するための手段をさらに含む。
第8の発明によると、貯蔵手段からシリンダヘッドへ液媒体が供給された場合と供給されない場合とでは、吸気ポートの壁温が異なる。そのため、貯蔵手段からシリンダヘッドへの液媒体の供給状態に対応して、内燃機関の吸気ポートの壁面の温度が推定される。これにより、内燃機関の吸気ポートの壁面の温度を精度よく推定することができる。そのため、内燃機関の吸気ポートの壁面の温度を精度よく推定することができる車両の制御装置を提供することができる。
第9の発明に係る車両の制御装置は、第1〜7のいずれかの発明の構成に加え、貯蔵手段からシリンダブロックへの液媒体の供給状態に対応して、内燃機関のシリンダにおける摩擦抵抗を推定するための手段をさらに含む。
第9の発明によると、貯蔵手段からシリンダブロックへ液媒体が供給された場合と供給されない場合とでは、シリンダブロック内の油温が異なる。したがって、内燃機関のシリンダにおける摩擦抵抗が異なる。そのため、貯蔵手段からシリンダブロックへの液媒体の供給状態に対応して、シリンダにおける摩擦抵抗が推定される。これにより、内燃機関のシリンダにおける摩擦抵抗を精度よく推定することができる。そのため、内燃機関のシリンダにおける摩擦抵抗を精度よく推定することができる車両の制御装置を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
<第1の実施の形態>
図1を参照して、本実施の形態に係る制御装置の制御対象である蓄熱システムの制御ブロック図を示す。
図1に示す蓄熱システムは、内燃機関(エンジン)を搭載した車両に適用される。なお、この車両は、エンジンのみを搭載した車両であってもよいし、エンジンとバッテリにより駆動されるモータとを搭載したハイブリッド車両のいずれであってもよい。
また、この車両にはアイドリングストップシステムが搭載されている。アイドリングストップシステムは、交差点等において赤信号で車両が停車するとエンジンを自動的に停止させて、再び走行を始めようと運転者が操作するとエンジンを再始動させる。たとえば、アクセル開度が0であって、シフト操作後1秒以上経過しており、車速が0であって、エンジン回転数が1000rpm以下であって、車両が登坂路や降坂路に停止しておらず、エンジン冷却水温が予め定められた範囲内にあると、アイドリングストップが許可されてエンジンが一時的に停止する。なお、本実施の形態に係る蓄熱システムを、アイドリングストップシステムが搭載されていない車両に搭載してもよい。
図1に示すように、この蓄熱システムは、シリンダヘッド(以下、ヘッドと記載する。)100およびシリンダブロック110に設けられた冷却水流路を流れる冷却水の一部を蓄熱タンク310に保温して貯蔵しておいて、その冷却水を必要に応じて蓄熱タンク310からヘッド100やシリンダブロック110に供給する。ヘッド100およびシリンダブロック110とラジエータ400またはラジエータバイパス通路410との間において、機械式ウォータポンプ200により冷却水が循環される。ラジエータ400およびラジエータバイパス通路410のいずれを通るかについては、流量制御弁430により制御される。
蓄熱タンク310からヘッド100および/またはシリンダブロック110への冷却水の供給は電動式ウォータポンプ300により行なわれる。電動式ウォータポンプ300を駆動することにより、蓄熱タンク310内の冷却水(温水であったり冷水であったりする)が三方弁600を介してヘッド100および/またはシリンダブロック110等に供給される。三方弁600は、全閉状態、全開状態(ポートA、ポートBおよびポートCを連通状態)、ポートAとポートBとを連通状態、ポートAとポートCとを連通状態の4通りの状態を実現することができる。
また、この蓄熱システムの温度センサとして、ヘッド100の冷却水出口側に設けられたエンジン冷却水温度センサ120と、蓄熱タンク310の出口側に設けられた蓄熱タンク出口温度センサ320と、ラジエータ400の出口に設けられたラジエータ出口水温センサ420と、吸気温センサ1002とが設けられる。これらの温度センサからの信号は、エンジンECU(Electronic Control Unit)1000に入力される。
また、エンジンECU1000は、電動式ウォータポンプ300、三方弁600、流量制御弁430を制御する。流量制御弁430は、制御デューティを変更することにより、ラジエータ400に流通する冷却水の流量およびラジエータバイパス通路410を流通する冷却水の流量を制御することができる。このとき、流量制御弁430は、ラジエータ400のみに、ラジエータバイパス通路410のみに、ラジエータ400およびラジエータバイパス通路410に、冷却水を流すことができる。流量制御弁430は、エンジンECU1000から全開指令信号を受信すると、冷却水の全量をラジエータ400に流すように、流量を制御する。また、流量制御弁430は、エンジンECU1000から全閉指令信号を受信すると、冷却水の全量をラジエータバイパス通路410に流すように、流量を制御する。さらに、流量制御弁430は、エンジンECU1000から指令信号を受信して、冷却水の一部をラジエータ400に流して、残りの冷却水をラジエータバイパス通路410に流すように流量を制御することもできる。
また、エンジンECU1000は、電動式ウォータポンプ300を駆動するモータの制御デューティを変更することにより、モータの回転数を制御して、電動式ウォータポンプ
300の吐出量を制御することができる。また、この制御は、電動式ウォータポンプ300のモータの電圧を可変とすることにより行なってもよい。また、電動式ウォータポンプ300のモータの通電時間を変更することにより、電動式ウォータポンプ300の駆動時間を制御して、電動式ウォータポンプ300から吐出される総冷却水量を制御するようにしてもよい。
蓄熱タンク310内の冷却水の供給先は、図2に示すように、エンジン冷却水温度センサ120により検知されるエンジン水温、蓄熱タンク出口温度センサ320により検知されるタンク水温およびエンジンオイルの温度(油温)をパラメータに持つ3次元マップにより決定される。なお、タンク水温の代わりに、タンク水温とエンジン水温との温度差をパラメータにしてもよい。
油温は、エンジン水温から推定される。油温をエンジン水温から推定する方法については、公知の一般的な技術を利用すればよいため、ここではその詳細な説明は繰返さない。なお、油温を推定する代わりにセンサなどにより直接検知してもよい。
エンジン水温がしきい値TWよりも低く、かつ油温がしきい値TOよりも低い場合、蓄熱タンク310内の冷却水(温水)は、ヘッド100およびシリンダブロック110の両方に供給される。
エンジン水温がしきい値TWよりも低く、かつ油温がしきい値TOよりも高い場合、蓄熱タンク310内の冷却水(温水)は、ヘッド100のみに供給される。エンジン水温がしきい値TWよりも高く、かつ油温がしきい値TOよりも低い場合、蓄熱タンク310内の冷却水(温水)は、シリンダブロック110のみに供給される。
エンジン水温がしきい値TWよりも高く、かつ油温がしきい値TOよりも高い場合、蓄熱タンク310内の冷却水(温水)は、ヘッド100およびシリンダブロック110の両方に供給されない。
しきい値TWおよびしきい値TOは、タンク水温が高いほど(タンク水温とエンジン水温との温度差が大きいほど)、高い値に設定される。これにより、蓄熱タンク310内の温水を用いてヘッド100およびシリンダブロック110の温度をより上昇できる状態にある場合は、ヘッド100およびシリンダブロック110に温水が供給される領域を拡大し、より効果的にヘッド100およびシリンダブロック110の温度を上昇させることができる。なお、タンク水温が高いほど(タンク水温とエンジン水温との温度差が大きいほど)、しきい値TWおよびしきい値TOのいずれか一方を高い値に設定してもよい。
図3を参照して、本発明の実施の形態に係る蓄熱システムを制御するエンジンECU1000が実行するプログラムの制御構造について説明する。以下に説明するプログラムは、たとえばアイドリングストップ条件が成立し、エンジンが一時的に停止されている状態において実行される。
ステップ(以下、ステップをSと略す)100にて、エンジンECU1000は、アイドリングストップ復帰条件が成立したか否かを判別する。たとえば、運転者がブレーキペダルから足を離し、アクセルペダルが踏込まれた場合、エンジンECU1000は、アイドリングストップ復帰条件が成立したと判定する。アイドリングストップ復帰条件が成立した場合(S100にてYES)、処理はS102に移される。そうでない場合(S100にてNO)、処理はS100に戻される。
S102にて、エンジンECU1000は、エンジン冷却水温度センサ120から送信された信号に基づいて、エンジン水温THW(1)を検知し、蓄熱タンク出口温度センサ320から送信された信号に基づいて、タンク水温THW(2)を検知する。S104にて、エンジンECU1000は、エンジン水温THW(1)に基づいて、油温を推定する。なお、油温の推定方法については、公知の一般的な技術を利用すればよいため、ここではその詳細な説明は繰返さない。
S106にて、エンジンECU1000は、メモリに記憶された3次元マップに基づいて、蓄熱タンク310内の冷却水(温水)をヘッド100およびシリンダブロック110の少なくともいずれか一方に供給するか否かを判別する。蓄熱タンク310内の冷却水(温水)をヘッド100およびシリンダブロック110の少なくともいずれか一方に供給する場合(S106にてYES)、処理はS108に移される。そうでない場合(S106にてNO)、処理はS118に移される。
S108にて、エンジンECU1000は、メモリに記憶された3次元マップに基づいて、蓄熱タンク310内の冷却水(温水)の供給先を決定する。蓄熱タンク310内の冷却水の供給先が、ヘッド100およびシリンダブロック110である場合、処理はS110に移される。蓄熱タンク310内の冷却水の供給先が、ヘッド100のみである場合、処理はS112に移される。蓄熱タンク310内の冷却水の供給先が、シリンダブロック110のみである場合、処理はS114に移される。
S110にて、エンジンECU1000は、三方弁600を全開状態にする。その後、処理はS116に移される。S112にて、エンジンECU1000は、三方弁600のポートAとポートBとを連通状態にし、ポートCを遮断状態にする。その後、処理はS116に移される。S114にて、エンジンECU1000は、ポートAとポートCとを連通状態にし、ポートBを遮断状態にする。その後、処理はS116に移される。
S116にて、エンジンECU1000は、電動式ウォータポンプ300を駆動する。S118にて、エンジンECU1000は、エンジンを始動する。その後、この処理は終了する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る蓄熱システムの動作について説明する。
アイドリングストップ条件が成立して、エンジンが一時的に停止されている場合において、運転者がブレーキペダルから足を離してアクセルペダルが踏込まれ、アイドリングストップ復帰条件が成立した場合(S100にてYES)、エンジン水温THW(1)およびタンク水温THW(2)が検知される(S102)。また、エンジン水温THW(2)に基づいて、油温が推定される(S104)。
エンジン水温THW(1)、タンク水温THW(2)、油温およびエンジンECU1000のメモリに記憶された3次元マップに基づいて、蓄熱タンク310内の冷却水(温水)が、ヘッド100およびシリンダブロック110の少なくともいずれか一方に供給されるか否かが判別される(S106)。
ここでは、蓄熱タンク310内の冷却水(温水)が、ヘッド100およびシリンダブロック110の少なくともいずれか一方に供給される(S106にてYES)と想定する。この場合、蓄熱タンク310内の冷却水(温水)の供給先が決定される(S108)。
エンジン水温がしきい値TWよりも低く、かつ油温がしきい値TOよりも低い場合、蓄熱タンク310内の冷却水の供給先は、ヘッド100およびシリンダブロック110の両方に決定される。この場合、三方弁600が全開状態にされて(S110)、電動式ウォータポンプ300が駆動され(S116)、エンジンが始動(再始動)される(S118)。
これにより、ヘッド100およびシリンダブロック110の両方の温度を上昇させ、吸気ポートや燃焼室の壁温およびシリンダブロック110内の油温を上昇させることができる。そのため、エンジンの始動時および始動後における燃料の霧化を促進して排気エミッション特性を向上するとともに、エンジンオイルの粘度を低減して、フリクション損失を低減し、燃費を向上することができる。
エンジン水温がしきい値TWよりも低く、かつ油温がしきい値TOよりも高い場合、蓄熱タンク310内の冷却水の供給先は、ヘッド100のみに決定される。この場合、三方弁600のポートAとポートBとが連通状態に、ポートCが遮断状態にされて(S112)、電動式ウォータポンプ300が駆動され(S116)、エンジンが始動(再始動)される(S118)。
これにより、ヘッド100の温度を上昇させるとともに、シリンダブロック110の温度が必要以上に上昇することを抑制することができる。そのため、エンジンの始動時および始動後における燃料の霧化を促進して排気エミッション特性を向上するとともに、エンジンオイルの粘度を適切な値に制御してフリクション損失を低減し、燃費を向上することができる。
エンジン水温がしきい値TWよりも高く、かつ油温がしきい値TOよりも低い場合、蓄熱タンク310内の冷却水の供給先は、シリンダブロック110のみに決定される。この場合、三方弁600のポートAとポートCとが連通状態に、ポートBが遮断状態にされて(S114)、電動式ウォータポンプ300が駆動され(S116)、エンジンが始動(再始動)される(S118)。
これにより、シリンダブロック110の温度を上昇させるとともに、ヘッド100の温度が必要以上に上昇することを抑制することができる。そのため、エンジン始動時および始動後において吸気ポートや燃焼室の壁温を適切な温度にするとともに、エンジンオイルの粘度を低減して、フリクション損失を低減し、燃費を向上することができる。
以上のようにして、本実施の形態に係る蓄熱システムおよびその制御装置であるエンジンECUによると、蓄熱タンク内の冷却水は、エンジン水温、油温およびタンク水温をパラメータとして3次元マップに基づいて、ヘッドおよびシリンダブロックの両方に供給されたり、ヘッドのみに供給されたり、シリンダブロックのみに供給されたりする。これにより、温度上昇が必要な部位にのみ温水を供給しつつ、温度上昇の必要性が小さい部位に温水が供給されることを抑制することができる。そのため、ヘッドおよびシリンダブロックの温度を適切な温度に制御し、吸気ポートや燃焼室の壁面および油温を適切な温度に制御することができる。その結果、排気エミッション性能の向上および燃費の向上を両立することができる。
なお、本実施の形態においては、アイドリングストップ条件が成立して、エンジンが一時的に停止されている状態からエンジンを始動(再始動)する場合の他、イグニッションスイッチをオフ状態からオン状態にしてエンジンを始動する場合に、3次元マップを用いて蓄熱タンク内の冷却水の供給先を決定してもよい。
<第2の実施の形態>
図4を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、前述の第1の実施形態と比較して、蓄熱タンク内の冷却水の供給先を決定する3次元マップにおけるしきい値TWおよびしきい値TOを、吸気温(エンジンに吸入される空気の温度)に応じて変更する点で相違する。その他の構造については、前述の第1の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
図4を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る蓄熱システムを制御するエンジンECU1000で実行されるプログラムの制御構造について説明する。エンジンECU1000は、前述の第1の実施の形態におけるプログラムに加えて、以下に説明するプログラムを実行する。
S200にて、エンジンECU1000は、吸気温センサ1002から送信された信号に基づいて、吸気温THAを検知する。S202にて、エンジンECU1000は、吸気温THAが、高温側のしきい値THA(1)よりも大きいか否かを判別する。吸気温THAが、しきい値THA(1)よりも大きい場合(S202にてYES)、処理はS204に移される。そうでない場合(S202にてNO)、処理はS206に移される。S204にて、エンジンECU1000は、3次元マップのしきい値TWおよびしきい値TOを低くする。その後、この処理は終了する。
S206にて、エンジンECU1000は、吸気温THAが、低温側のしきい値THA(2)よりも低いか否かを判別する。吸気温THAが、しきい値THA(2)よりも低い場合(S206にてYES)、処理はS208に移される。そうでない場合(S206にてNO)、処理はS210に移される。
S208にて、エンジンECU1000は、3次元マップのしきい値TWおよびしきい値TOを高くする。その後、この処理は終了する。S210にて、エンジンECU1000は、3次元マップのしきい値TWおよびしきい値TOを維持する。その後、この処理は終了する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る蓄熱システムの動作について説明する。
燃料の霧化性およびエンジンオイルの粘度は、外気(車両外の空気)の影響を強く受ける。そのため、外気温を考慮して蓄熱タンク内の冷却水(温水)を供給する必要がある。したがって、蓄熱システムが起動されると、外気温としての吸気温THAが検知される(S200)。
吸気温THAが、高温側のしきい値THA(1)よりも高い場合(S202にてYES)、車両は高温環境下にあるため、燃料の霧化性が比較的よく、かつエンジンオイルの粘度が比較的高い状態にあり、温水要求が低い状態であるといえる。この場合、エンジンECU1000に記憶された3次元マップにおけるしきい値TWおよびしきい値TOが低くされる(S204)。
これにより、ヘッド100およびシリンダブロック110に蓄熱タンク310から温水が供給される領域が縮小される。そのため、必要以上に温水がヘッド100およびシリンダブロック110に供給されることを抑制することができる。その結果、高温環境下において、ヘッド100およびシリンダブロック110の温度を適切な状態に制御することができる。
吸気温THAが、低温側のしきい値THA(2)よりも低い場合(S206にてYES)、車両は低温環境下にあるため、燃料の霧化性が比較的悪く、かつエンジンオイルの粘度が比較的低い状態にあり、温水要求が高い状態であるといえる。この場合、エンジンECU1000に記憶された3次元マップにおけるしきい値TWおよびしきい値TOが高くされる(S208)。
これにより、ヘッド100およびシリンダブロック110に蓄熱タンク310から温水が供給される領域が拡大される。そのため、より多くの温水をヘッド100およびシリンダブロック110に供給することができる。その結果、低温環境下において、ヘッド100およびシリンダブロック110の温度を適切な状態に制御することができる。
吸気温THAが、高温側のしきい値THA(1)よりも低く(S202にてNO)、低温側のしきい値THA(2)よりも高い場合(S206にてNO)、車両は低温環境下にもなく、高温環境下にもない状態であるといえる。この場合、エンジンECU1000に記憶された3次元マップにおけるしきい値TWおよびしきい値TOは維持される(S210)。
以上のようにして、本実施の形態に係る蓄熱システムおよびその制御装置であるエンジンECUによると、3次元マップにおけるしきい値TWおよびしきい値TOは、吸気温に応じて変更される。これにより、ヘッドおよびシリンダブロックの温度を、車外環境に応じた適切な温度に制御することができる。
なお、吸気温センサ1002の代わりに外気温センサを設け、3次元マップにおけるしきい値TWおよびしきい値TOを外気温に応じて変更してもよい。また、3次元マップにおけるしきい値TWおよびしきい値TOのいずれか一方を、吸気温または外気温に応じて変更してもよい。
<第3の実施の形態>
図5〜図8を参照して、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、前述の第1の実施の形態または第2の実施の形態と比較して、蓄熱タンクから冷却水が供給された後において、ヘッドに形成された吸気ポートの壁温およびシリンダブロック110に形成されたシリンダのボア壁におけるフリクションを推定する点で相違する。前述の第1の実施の形態または第2の実施の形態と同じである。それらについての機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
図5を参照して、本発明の実施の形態に係る蓄熱システムを制御するエンジンECU1000が実行するプログラムの制御構造について説明する。エンジンECU1000は、前述の第1の実施の形態におけるプログラムに加えて、以下に説明するプログラムを実行する。また、以下に説明するプログラムは、エンジンが始動(再始動)される前に実行される。
S300にて、エンジンECU1000は、電動式ウォータポンプ300が駆動されたか否かを判別する。電動式ウォータポンプ300を駆動するか否かはエンジンECU1000自体が決定するため、電動式ウォータポンプ300が駆動されたか否かは、エンジンECU1000の内部で判別される。電動式ウォータポンプ300が駆動された場合(S300にてYES)、処理はS302に移される。そうでない場合(S300にてNO)、処理はS300に戻される。
S302にて、エンジンECU1000は、電動式ウォータポンプ300が冷却水を吐出した総量(以下、総吐出量とも記載する)を推定する。総吐出量は、電動式ウォータポンプ300の駆動時間に基づいて推定される。
S304にて、エンジンECU1000は、冷却水の供給先を判別する。冷却水の供給先は、エンジンECU1000が、メモリに記憶された3次元マップに基づいて決定しているため、冷却水の供給先は、エンジンECU1000の内部で判別される。冷却水の供給先がヘッド100およびシリンダブロック110である場合、処理は図6に示すS306に移される。冷却水の供給先がヘッド100のみである場合、処理は図7に示すS316に移される。冷却水の供給先がシリンダブロック110のみである場合、処理は図8に示すS322に移される。
S306にて、エンジンECU1000は、ヘッド100に供給された冷却水の量およびシリンダブロック110に供給された冷却水の量を推定する。ヘッド100に供給された冷却水の量は、ヘッド100およびシリンダブロック110に供給される冷却水のうち、ヘッド100に供給される冷却水の割合を、電動ウォータポンプ300の総吐出量に乗算することにより推定される。同様に、シリンダブロック110に供給された冷却水の量は、ヘッド100およびシリンダブロック110に供給される冷却水のうち、シリンダブロック110に供給される冷却水の割合を、電動ウォータポンプ300の総吐出量に乗算することにより推定される。
ヘッド100に供給される冷却水の割合およびシリンダブロック110に供給される冷却水の割合は、たとえば三方弁600のポートBの開度とポートCの開度とから算出すればよい。
S308にて、エンジンECU1000は、ヘッド100に伝達された熱量およびシリンダブロック110に伝達された熱量を推定する。ヘッド100に伝達された熱量は、ヘッド100に供給された冷却水の量およびタンク水温に基づいて推定される。タンク水温からエンジン水温初期値(電動式ウォータポンプ300が駆動する前におけるエンジン水温)を減算して得られる初期温度差を、ヘッド100内の冷却水の量にヘッド100の熱容量を加えた値とヘッド100に供給された冷却水の量との比を表す係数で除算して、蓄熱タンク310内の温水からシリンダブロック110へ伝達される熱量を推定する。同様に、シリンダブロック110に伝達された熱量は、シリンダブロック110に供給された冷却水の量およびタンク水温に基づいて推定される。タンク水温からエンジン水温初期値を減算して得られる初期温度差を、シリンダブロック110内の冷却水の量にシリンダブロック110の熱容量を加えた値とシリンダブロック110に供給された冷却水の量との比を表す係数で除算して、蓄熱タンク310内の温水からシリンダブロック110へ伝達される熱量を推定する。なお、ヘッド100に伝達される熱量およびシリンダブロック110に伝達される熱量を推定する方法は、これに限らない。
S310にて、エンジンECU1000は、ヘッド100に伝達された熱量から吸気ポートの壁温を推定する。たとえばヘッド100に伝達された熱量と吸気ポートの壁温の上昇量との関係を予め実験等で計測して、計測結果をマップとしてメモリに記憶し、このマップから導かれる壁温の上昇量を、エンジン水温初期値から推定される吸気ポートの壁温の初期値に加算して、吸気ポートの壁温を推定する。なお、吸気ポートの壁温の推定方法は、これに限らない。
S312にて、エンジンECU1000は、シリンダブロック110に伝達された熱量から、油温を推定する。たとえばシリンダブロック110に伝達された熱量と油温の上昇量との関係を予め実験等で計測して、計測結果をマップとしてメモリに記憶し、このマップから導かれる油温の上昇量を、エンジン水温初期値から推定される油温の初期値に加算して、油温を推定する。なお、油温の推定方法は、これに限らない。
S314にて、エンジンECU1000は、推定された油温に基づいて、シリンダブロック110のシリンダにおけるフリクションを推定する。たとえば油温とフリクションとの関係を予め実験等で計測して、計測結果をマップとしてメモリに記憶し、このマップに基づいて、フリクションが推定される。なお、フリクションを推定する方法は、これに限らない。
S316にて、エンジンECU1000は、電動式ウォータポンプ300からの総吐出量を、ヘッド100に供給された冷却水の量として、ヘッド100に伝達された熱量を推定する。
S318にて、エンジンECU1000は、ヘッド100に伝達された熱量から、吸気ポートの壁温を推定する。S320にて、エンジンECU1000は、エンジン水温初期値から推定される油温に基づいて、シリンダブロック110のシリンダにおけるフリクションを推定する。
S322にて、エンジンECU1000は、電動式ウォータポンプ300からの総吐出量を、シリンダブロック110に供給された冷却水の量として、シリンダブロック110に伝達された熱量を推定する。
S324にて、エンジンECU1000は、シリンダブロック110に伝達された熱量から油温を推定する。S326にて、エンジンECU1000は、シリンダブロック110に伝達された熱量から推定された油温に基づいて、シリンダブロック110のシリンダにおけるフリクションを推定する。S328にて、エンジンECU1000は、エンジン水温初期値に基づいて、吸気ポートの壁温を推定する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る蓄熱システムの動作について説明する。
蓄熱タンク310内の冷却水(温水)をヘッド100およびシリンダブロック110の少なくともいずれか一方に供給するため、電動式ウォータポンプ300が駆動された場合(S300にてYES)、電動式ウォータポンプ300からの冷却水の総吐出量が推定され(S302)、冷却水の供給先が判別される(S304)。
ヘッド100およびシリンダブロック110に冷却水が供給される場合、ヘッド100に供給された冷却水の量およびシリンダブロック110に供給された冷却水の量が推定される(S306)。また、ヘッド100に供給された冷却水の量およびタンク水温に基づいてヘッド100に伝達された熱量が推定されるとともに、シリンダブロック110に供給された冷却水の量およびタンク水温に基づいてシリンダブロック110に伝達された熱量が推定される(S308)。
さらに、ヘッド100に伝達された熱量から吸気ポートの壁温が推定され(S310)、シリンダブロック110に伝達された熱量から、油温が推定される(S310)。推定された油温から、シリンダブロックのシリンダにおけるフリクションが推定される(S314)。
これにより、ヘッド100およびシリンダブロック110に冷却水が供給される場合における吸気ポートの壁温およびシリンダにおけるフリクションを、精度よく推定することができる。
推定された吸気ポートの壁温は、たとえば燃料の噴射量を算出するために用いられる。また、推定されたシリンダにおけるフリクションは、たとえば、エンジンをクランキングするスタータモータ(図示せず)の制御に用いられる。
そのため、ヘッド100およびシリンダブロック110に冷却水が供給される場合において、燃料の噴射量を精度よく算出するとともに、スタータをエンジンの状態に応じて精度よく制御することができる。
ヘッド100のみに冷却水が供給される場合、電動式ウォータポンプ300からの総吐出量を、ヘッド100に供給された冷却水の量として、ヘッド100に伝達された熱量が推定される(S316)。この熱量(ヘッド100に伝達された熱量)から、吸気ポートの壁温が推定される(S318)。一方、シリンダブロック110のシリンダにおけるフリクションは、エンジン水温初期値から推定される油温に基づいて推定される(S320)。
これにより、ヘッド100のみに冷却水が供給される場合における吸気ポートの壁温およびシリンダにおけるフリクションを精度よく推定することができる。そのため、ヘッド100のみに冷却水が供給される場合において、燃料の噴射量を精度よく算出するとともに、スタータをエンジンの状態に応じて精度よく制御することができる。
シリンダブロック110のみに冷却水が供給される場合、電動式ウォータポンプ300からの総吐出量を、シリンダブロック110に供給された冷却水の量として、シリンダブロック110に伝達された熱量が推定される(S322)。この熱量(シリンダブロック110に伝達された熱量)から、油温が推定されて(S324)、シリンダブロック110のシリンダにおけるフリクションが推定される(S326)。一方、吸気ポートの壁温は、エンジン初期水温に基づいて推定される(S328)。
これにより、シリンダブロック110のみに冷却水が供給される場合における吸気ポートの壁温およびシリンダにおけるフリクションを精度よく推定することができる。そのため、シリンダブロック110のみに冷却水が供給される場合において、燃料の噴射量を精度よく算出するとともに、スタータをエンジンの状態に応じて精度よく制御することができる。
以上のように、本実施の形態に係る蓄熱システムにおいて、エンジンECUは、蓄熱タンク内の冷却水の供給先に応じて、排気ポートの壁温およびシリンダにおけるフリクションを推定する。これにより、蓄熱タンク内の冷却水の供給先に応じて、精度よくエンジンを制御することができる。
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の第1の実施の形態に係る蓄熱システムの制御ブロック図である。 図1のエンジンECUのメモリに記憶されたマップを示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る蓄熱システムのエンジンECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る蓄熱システムのエンジンECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態に係る蓄熱システムのエンジンECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャート(その1)である。 本発明の第3の実施の形態に係る蓄熱システムのエンジンECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャート(その2)である。 本発明の第3の実施の形態に係る蓄熱システムのエンジンECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャート(その3)である。 本発明の第3の実施の形態に係る蓄熱システムのエンジンECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャート(その4)である。
符号の説明
100 シリンダヘッド、110 シリンダブロック、120 エンジン冷却水温度センサ、200 機械式ウォータポンプ、300 電動式ウォータポンプ、310 蓄熱タンク、320 蓄熱タンク出口温度センサ、400 ラジエータ、410 ラジエータバイパス通路、420 ラジエータ出口水温センサ、430 流量制御弁、500 ヒータコア、600,610 三方弁、1000 エンジンECU、1002 吸気温センサ。

Claims (9)

  1. 内燃機関に設けられた流路を循環する液媒体の一部を保温貯蔵するための貯蔵手段と、前記貯蔵手段内の液媒体を、前記内燃機関の間で循環させるための循環手段とが搭載された車両の制御装置であって、
    前記内燃機関における液媒体の温度を検知するための手段と、
    前記内燃機関の潤滑油の温度を検知するための手段と、
    前記内燃機関における液媒体の温度および前記内燃機関の潤滑油の温度に基づいて、前記貯蔵手段内の液媒体を前記内燃機関のシリンダヘッドおよびシリンダブロックの少なくともいずれか一方に供給するように前記循環手段を制御するための制御手段とを含む、車両の制御装置。
  2. 前記制御手段は、
    前記内燃機関における液媒体の温度が予め定められた第1の温度よりも低く、かつ前記内燃機関の潤滑油の温度が予め定められた第2の温度よりも低い場合、前記貯蔵手段内の液媒体を前記シリンダヘッドおよび前記シリンダブロックの両方に供給するように前記循環手段を制御するための手段と、
    前記内燃機関における液媒体の温度が前記第1の温度よりも低く、かつ前記内燃機関の潤滑油の温度が前記第2の温度よりも高い場合、前記貯蔵手段内の液媒体を前記シリンダヘッドに供給するように前記循環手段を制御するための手段と、
    前記内燃機関における液媒体の温度が前記第1の温度よりも高く、かつ前記内燃機関の潤滑油の温度が前記第2の温度よりも低い場合、前記貯蔵手段内の液媒体を前記シリンダブロックに供給するように前記循環手段を制御するための手段とを含む、請求項1に記載の車両の制御装置。
  3. 前記制御装置は、予め定められた条件に基づいて、前記第1の温度および前記第2の温度の少なくともいずれか一方を変更するための変更手段をさらに含む、請求項2に記載の車両の制御装置。
  4. 前記制御装置は、前記貯蔵手段における液媒体の温度を検知するための手段をさらに含み、
    前記変更手段は、前記貯蔵手段における液媒体の温度に基づいて、前記第1の温度および前記第2の温度の少なくともいずれか一方を変更するための手段を含む、請求項3に記載の車両の制御装置。
  5. 前記予め定められた条件は、前記貯蔵手段における液媒体の温度が高い場合は、低い場合に比べて、前記第1の温度および前記第2の温度の少なくともいずれか一方を高くするという条件である、請求項4に記載の車両の制御装置。
  6. 前記制御装置は、前記内燃機関に吸入される空気の温度を検知するための手段をさらに含み、
    前記変更手段は、前記内燃機関に吸入される空気の温度に基づいて、前記第1の温度および前記第2の温度の少なくともいずれか一方を変更するための手段を含む、請求項3に記載の車両の制御装置。
  7. 前記予め定められた条件は、前記内燃機関に吸入される空気の温度が高い場合は、低い場合に比べて、前記第1の温度および前記第2の温度の少なくともいずれか一方を低くするという条件である、請求項6に記載の車両の制御装置。
  8. 前記制御装置は、前記貯蔵手段から前記シリンダヘッドへの液媒体の供給状態に対応して、前記内燃機関の吸気ポートの壁面の温度を推定するための手段をさらに含む、請求項1〜7のいずれかに記載の車両の制御装置。
  9. 前記制御装置は、前記貯蔵手段から前記シリンダブロックへの液媒体の供給状態に対応して、前記内燃機関のシリンダにおける摩擦抵抗を推定するための手段をさらに含む、請求項1〜7のいずれかに記載の車両の制御装置。
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