JP6682997B2 - 内燃機関の油温制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は内燃機関の油温制御装置に係り、特に、内燃機関の潤滑油としてのオイルの温度を制御するための装置に関する。
内燃機関(エンジン)の油温制御はサーモスタットを用いて行うのが一般的である。すなわち、オイルを冷却するオイルクーラと、オイルクーラをバイパスするバイパス通路とを設け、油温がサーモスタットの開弁温度以上のときにはサーモスタットを開弁させてオイルをオイルクーラ側に流し、オイルを冷却する。逆に、油温がサーモスタットの開弁温度未満のときには、サーモスタットを閉弁させてオイルをバイパス通路側に流し、オイルクーラによるオイル冷却を抑制する。
特開平6−117212号公報
ところで、エンジンの耐久性向上の観点からはオイル温度を低下させるのが有利であるが、エンジンフリクションの低下および燃費向上の観点からはオイル温度を上昇させるのが有利である。こうした両観点をバランスさせるため、近年では、機械式サーモスタットに代わり、電子制御式分配弁を用いて、オイルクーラ側とバイパス通路側へのオイルの分配比を細かく且つ燃費向上にできるだけ有利となるように制御することが検討されている。この分配弁の制御に際しては、目標オイル温度が設定され、実際のオイル温度が目標オイル温度に近づくよう分配弁が制御される。
しかし、エンジンの暖機状態等、各種状況によっては目標オイル温度が低くなりすぎることがあり、そうなると実際のオイル温度の上昇が遅れ、エンジンフリクションの低下による燃費向上に不利となる。
そこで本発明は、かかる事情に鑑みて創案され、その目的は、オイル温度を速やかに上昇させることができる内燃機関の油温制御装置を提供することにある。
本発明の一の態様によれば、
内燃機関のオイルを冷却するオイルクーラと、
前記オイルクーラをバイパスするバイパス通路と、
前記オイルクーラ側と前記バイパス通路側へのオイルの分配比を変化させる分配弁と、
前記分配弁を制御する制御ユニットと、
前記内燃機関の運転状態を検出する検出器と、
前記内燃機関の排気温度を検出する排気温センサと、
を備え、
前記制御ユニットは、
前記検出器により検出された運転状態に基づき排気温度を推定し、
推定された排気温度と、前記排気温センサにより検出された排気温度との差に基づき、オイルの昇温が可能な状態か否かを判定し、
昇温が可能な状態と判定した場合、昇温が可能でない状態と判定した場合に比べて高い目標オイル温度を、検出された運転状態に基づき設定し、
設定された前記目標オイル温度に基づき、前記分配弁を制御するように構成されている
ことを特徴とする内燃機関の油温制御装置が提供される。
好ましくは、前記昇温が可能な状態は、前記内燃機関の暖機が終了してない状態であり、前記昇温が可能でない状態は、前記内燃機関の暖機が終了した状態である。
好ましくは、前記制御ユニットに、前記運転状態と第1の目標オイル温度との関係を定めた第1のマップと、前記運転状態と第2の目標オイル温度との関係を定めた第2のマップとが予め記憶され、
前記第1および第2のマップにおいて、高回転かつ高負荷側の所定領域が規定され、
前記第2のマップにおける所定領域内の第2の目標オイル温度は、前記第1のマップにおける所定領域内の第1の目標オイル温度より高い値を有し、
前記制御ユニットは、
昇温が可能でない状態と判定した場合、前記第1のマップから得られる第1の目標オイル温度を前記目標オイル温度として設定し、
昇温が可能な状態と判定した場合、前記第2のマップから得られる第2の目標オイル温度を前記目標オイル温度として設定する。
好ましくは、前記油温制御装置は、オイル温度を検出する油温センサをさらに備え、
前記制御ユニットは、前記油温センサにより検出されたオイル温度と前記目標オイル温度との差に基づき、前記分配弁をフィードバック制御する。
本発明によれば、オイル温度を速やかに上昇させることができる。
油温制御装置の概略構成図である。 第1のマップを示す図である。 第2のマップを示す図である。 第3のマップを示す図である。 制御の一例を示すフローチャートである。 他の実施形態の制御の一例を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係る油温制御装置の概略構成図である。本実施形態におけるエンジンは、車両に搭載された多気筒圧縮着火式内燃機関すなわちディーゼルエンジンである。但しエンジンの用途、種類等は任意である。
図示するように、油温制御装置は、オイルポンプ1から供給された潤滑油としてのオイルの温度を制御するように構成されている。オイルポンプ1はエンジンに備えられ、クランクシャフトにより回転駆動されてオイルパンからオイルを吸引し、エンジンの各潤滑部に向けてオイルを吐出する。
油温制御装置は、オイル通路7の上流側から順に直列に配置された分配弁2、オイルクーラ3、オイルフィルタ4およびオイルギャラリ5を備える。また油温制御装置は、オイルクーラ3をバイパスするバイパス通路6を備える。バイパス通路6の上流端は分配弁2に接続され、バイパス通路6の下流端は、オイルクーラ3の出口側のオイル通路7に合流点8にて合流接続される。この合流点8はオイルフィルタ4の上流側に位置される。
オイルクーラ3は、エンジン外における車両の所定位置に設置される。本実施形態のオイルクーラ3は、エンジンの冷却水によりオイルを冷却する水冷式であるが、外気によりオイルを冷却する空冷式であってもよい。
オイルフィルタ4はエンジンに取り付けられる。オイルギャラリ5は周知のように、エンジンのシリンダブロック等の内部に形成され一定の容積を有するオイル溜まりである。このオイルギャラリ5から、潤滑が必要なエンジンの各潤滑部に向けて、オイルが分配供給される。
分配弁2は三方電磁弁からなり、オイルクーラ3側とバイパス通路6側へのオイルの分配比を変化させる。当然に、オイルクーラ3側の分配比率に対しバイパス通路6側の分配比率が高いほど、高温のオイルが各潤滑部に供給される。ここで便宜上、バイパス通路6側の分配比率が100%、オイルクーラ3側の分配比率が0%のときの分配弁2の開度を100%すなわち全開とし、逆に、バイパス通路6側の分配比率が0%、オイルクーラ3側の分配比率が100%のときの分配弁2の開度を0%すなわち全閉とする。分配弁2の開度は0〜100%の間で可変である。分配弁2の開度を増大させるほど供給オイル温度は高温となる。
油温制御装置は、分配弁2を制御する制御ユニットもしくはコントローラとしての電子制御ユニット(以下「ECU」と称す)100を備える。ECU100はCPU、ROM、RAM、入出力ポートおよび記憶装置等を含み、後述の制御を実行するように構成され、またはプログラムされている。
油温制御装置は、それぞれECU100に電気的に接続された回転速度センサ11、アクセル開度センサ12、油温センサ13および排気温センサ14を備える。回転速度センサ11は、エンジンの回転速度ないし回転数(rpm)を検出するためのセンサである。アクセル開度センサ12は、運転者によるアクセルペダルの操作量すなわちアクセル開度を検出するためのセンサである。
油温センサ13は、オイル温度を検出するためのセンサで、合流点8もしくはこれより下流側に配置される。本実施形態の油温センサ13はオイルギャラリ5に設置され、オイルギャラリ5内のオイル温度を検出するよう配置されている。しかしながら、油温センサ13の設置位置は適宜変更可能である。
排気温センサ14は、エンジンの排気温度を検出するためのセンサである。本実施形態において、排気温センサ14は、エンジンの排気ポートの直後の排気マニホールドに設置され、排気マニホールド内の排気温度を検出するよう配置されている。排気温センサ14の設置位置も適宜変更可能であるが、排気温センサ14はできるだけ排気ポートに近い位置に設置されるのが好ましい。詳しくは後述するが、エンジンの内部温度の代表値として排気温度を検出するためである。なおターボ付きエンジンの場合、排気温センサ14はタービン上流側に設置されるのが好ましい。
なお、油温制御装置は、ECU100に電気的に接続された他のセンサ(例えば油圧センサ、吸気温センサ、吸気圧センサ、排気圧センサ等)を備えていてもよい。
ECU100は主に、回転速度センサ11により検出された実際のエンジン回転速度(実回転速度という)と、アクセル開度センサ12により検出された実際のアクセル開度(実アクセル開度という)とに基づき、エンジンの運転状態を検出する。従ってECU100、回転速度センサ11およびアクセル開度センサ12は、エンジンの運転状態を検出する検出器を構成する。
またECU100は、油温センサ13により検出された実際のオイル温度(実オイル温度という)と、後述のように設定された目標オイル温度との差に基づき、分配弁2をフィードバック制御する。すなわちECU100は、実オイル温度が目標オイル温度より低い場合、その差に応じた分だけ分配弁2の開度を増大させ、実オイル温度を目標オイル温度に向けて上昇させるようにする。逆にECU100は、実オイル温度が目標オイル温度より高い場合、その差に応じた分だけ分配弁2の開度を減少させ、実オイル温度を目標オイル温度に向けて低下させるようにする。
より詳しくは、ECU100は、PID制御により分配弁2をフィードバック制御する。この際ECU100は、逐次的に、実オイル温度と目標オイル温度との差に応じた弁開度補正量を算出し、この弁開度補正量だけ分配弁2の開度を補正する。
ところで本実施形態は、ECU100が、検出された実際のエンジン運転状態(実運転状態という)に基づき排気温度を推定する点、この推定排気温度と、排気温センサ14により検出された実際の排気温度(実排気温度という)との差に基づきオイルの昇温が可能な状態か否かを判定する点、および、昇温が可能な状態と判定した場合、昇温が可能でない状態と判定した場合に比べて高い目標オイル温度を、実運転状態に基づき設定する点に特徴がある。以下、これら特徴点について説明する。
本実施形態において、オイルの昇温が可能な状態は、エンジンの暖機が終了してない状態であり、オイルの昇温が可能でない状態は、エンジンの暖機が終了した状態である。すなわちECU100は、前記差に基づき、エンジンの暖機が終了したか否かを判定する。典型的に、エンジンの暖機が終了してなければオイルの昇温が可能だからである。
ECU100には、エンジン運転状態と第1の目標オイル温度との関係を定めた図2に示す如き第1のマップM1が予め記憶されている。またECU100には、エンジン運転状態と第2の目標オイル温度との関係を定めた図3に示す如き第2のマップM2が予め記憶されている。
図2に示す第1のマップM1においては、エンジン運転状態を表すパラメータであるエンジン回転速度NEおよび燃料噴射量Qと、第1の目標オイル温度Aとの関係が規定されている。ECU100は、実回転速度と、指示値としての目標燃料噴射量とに対応した第1の目標オイル温度Aを、第1のマップM1から取得する。
ここでECU100は、実回転速度と実アクセル開度に基づき図示しない別マップから目標燃料噴射量を算出するように構成されている。そしてこの目標燃料噴射量と等しい量の燃料が実際に噴射されるよう、図示しない筒内噴射用インジェクタ(燃料噴射弁)に指示信号を送り、インジェクタを開弁駆動する。実際に噴射された燃料量を検出するセンサをインジェクタに設け、このセンサからECU100に当該燃料量に関する情報を送ってもよい。第1の目標オイル温度Aを取得するための燃料噴射量Qの値として、目標燃料噴射量と当該燃料量のいずれの値を用いてもよいが、本実施形態では目標燃料噴射量の値を用い、これを便宜上、実噴射量と称す。この点、第2のマップM2においても同様である。
第1のマップM1において、高回転かつ高負荷側の所定領域、すなわち第2領域R2と、残余の第1領域R1とが規定されている。第1領域R1では、一律に等しいA1という値の第1の目標オイル温度が入力されている。また第2領域R2では、A1より所定温度低いA2という値の第1の目標オイル温度が一律に入力されている。
第2領域R2は、高回転かつ高負荷領域であり、エンジン内部、もしくは燃焼室内に曝されるエンジン耐久上問題となる部品(耐久部品、例えばピストン、バルブ等)の温度が顕著に高温となる領域である。従ってエンジン耐久上の観点から、第2領域R2では第1領域R1よりも低い目標オイル温度を設定している。
図3に示す第2のマップM2においても、エンジン回転速度NEおよび燃料噴射量Qと、第2の目標オイル温度Bとの関係が規定されている。ECU100は、実回転速度と実噴射量に対応した第2の目標オイル温度Bを第2のマップM2から取得する。
第2のマップM2においても、第1のマップM1と同様の第1領域R1および第2領域R2が規定されている。第1領域R1では、一律に等しいB1という値の第2の目標オイル温度が入力されている。このB1は前述のA1と等しい(B1=A1)。
他方、第2領域R2でも、B1という値の第2の目標オイル温度が一律に入力されている。従って、第2領域R2に関して言えば、第2のマップM2における第2の目標オイル温度B1は、第1のマップM1における第1の目標オイル温度A2より高い。
なお、第1領域R1に関して言えば、第2のマップM2における第2の目標オイル温度B1は、第1のマップM1における第1の目標オイル温度A1と等しい。これらA1、A2、B1の大小関係について述べると、A1=B1>A2である。
また、ECU100には、エンジン運転状態と排気温度との関係を定めた図4に示す如き第3のマップM3が予め記憶されている。第3のマップM3においては、エンジン回転速度NEおよび燃料噴射量Qと排気温度Txとの関係が規定されている。ECU100は、実回転速度および目標燃料噴射量に対応した排気温度を、排気温度の推定値(推定排気温度という)として第3のマップM3から取得する。
第3のマップM3においては、実機試験等を通じ、各エンジン回転速度NEと各燃料噴射量Qに応じて個別に設定された排気温度が入力されている。これら排気温度の値を総じてCで表す。これら排気温度の値Cは、エンジンの暖機が終了しており(暖機後状態という)、かつ、エンジンが定常運転している場合の、排気温センサ14の設置位置における排気温度の値である。概して、排気温度の値Cは、高回転高負荷側に向かうほど高くなる。このようにECU100は、実運転状態に基づき排気温度を推定する。
ECU100は、推定排気温度と実排気温度との差に基づき、エンジンの暖機が終了したか否かを判定する。実排気温度は、エンジンの内部温度、例えば燃焼室内に曝されるピストン、バルブ等といったエンジンの耐久部品の温度を表す指標値として好適である。従って本実施形態では、実排気温度を用いて、エンジンの暖機が終了した暖機後状態か、エンジンの暖機が未だ終了していない暖機前状態かを判定している。
一般的にこうした判定は、水温センサにより検出されたエンジン冷却水温に基づいて行われる。しかし水温の値は、エンジン内部の水路構造や水温センサの設置位置等によっては、必ずしもエンジンの内部温度ひいては暖機状態を正確に表すものではない。そこで本実施形態では、実際の水温ではなく、より正確な実排気温度を用いて暖機終了か否かを判定することとしている。
ECU100は、推定排気温度Cと実排気温度TXrとの差である排気温度差ΔTxを式:ΔTx=C−TXrから算出する。そして排気温度差ΔTxが所定の閾値α以下の場合、エンジンが暖機後状態であると判定する。他方、排気温度差ΔTxが閾値αより大きい場合、エンジンが暖機前状態であると判定する。閾値αは、本実施形態の場合ゼロとされるが、多少の誤差を考慮してゼロ近傍の正の値、または負の値としてもよい。推定排気温度Cが暖機後状態を前提としているので、かかる判定方法により暖機後状態か否かを正確に判定することができる。
ECU100は、暖機後状態と判定した場合、第1のマップM1から実運転状態(実回転速度と実噴射量)に対応した第1の目標オイル温度Aを取得すると共に、この取得した第1の目標オイル温度Aを最終的な目標オイル温度として設定する。なおAはA1またはA2である。またECU100は、暖機前状態と判定した場合、第2のマップM2から実運転状態に対応した第2の目標オイル温度Bを取得すると共に、この取得した第2の目標オイル温度Bを最終的な目標オイル温度として設定する。なおBはB1である。
特に、実運転状態が第2領域R2にあるとき、暖機前状態と判定した場合には、暖機後状態と判定した場合に比べて、高い目標オイル温度B1が設定される。よって、目標オイル温度と実オイル温度との差に基づき分配弁2をフィードバック制御したときに、目標オイル温度が引き上げられた分、実オイル温度の上昇を早めることができ、実オイル温度を速やかに上昇させることができる。これは、エンジンフリクションの低下および燃費向上に有利である。
暖機前状態と判定した場合には、実運転状態が第2領域R2にあるときであっても、ピストン、バルブ等の耐久部品の温度に比較的余裕があると考えられ、オイルの昇温の余地があると考えられる。従ってこの場合には、オイルの昇温が可能と実質的に判定し、目標オイル温度を引き上げるようにしている。
なお、実運転状態が第1領域R1にあるときには、暖機前状態と暖機後状態とで等しい値の目標オイル温度A1、B1が設定されるので、実オイル温度の上昇の仕方に実質的な相違はない。暖機後状態と判定した場合に、実運転状態が第2領域R2にあるときには、ピストン、バルブ等の耐久部品の温度に比較的余裕がないと考えられ、オイルの昇温の余地は実質的にないと考えられる。従ってこの場合には、耐久面を考慮して目標オイル温度を暖機前状態より引き下げるようにしている。
次に、本実施形態における制御の一例を図5に示すフローチャートに基づいて説明する。図示するルーチンはECU100により所定の演算周期τ(例えば10msec)毎に繰り返し実行される。
まずステップS101では、実回転速度NEr、実噴射量Qr、実オイル温度TOrおよび実排気温度TXrの値が取得される。次いでステップS102では、第1および第2のマップM1,M2から、実回転速度NErおよび実噴射量Qrに対応した第1および第2の目標オイル温度A,Bの値がそれぞれ取得される。
ステップS103では、目標オイル温度差ΔTOmが式:ΔTOm=B−Aから算出される。そしてステップS104では、目標オイル温度差ΔTOmがゼロに等しいか否かが判断される。
ゼロに等しい場合、第1および第2の目標オイル温度A,Bの値が同じである。これは、実運転状態が第1領域R1内にあることを意味する。この場合、目標オイル温度として、第1および第2の目標オイル温度A,Bのいずれを採用しても差し支えない。本実施形態では、ステップS109に進んで、ステップS102で既に取得済みの第1および第2の目標オイル温度A,Bのうち、第1の目標オイル温度Aを最終的な目標オイル温度として採用する。
他方、ゼロに等しくない場合、実運転状態が第2領域R2内にあることを意味する。この場合には、以下に述べるように、実排気温度TXrの大きさに応じて目標オイル温度を選択すべく、ステップS105に進む。
ステップS105では、第3のマップM3から、実回転速度NErおよび実噴射量Qrに対応した推定排気温度Cの値が取得される。そして排気温度差ΔTxが式:ΔTx=C−TXrから算出される。次いでステップS106において、排気温度差ΔTxが閾値α(本実施形態ではゼロ)より大きいか否かが判断される。
排気温度差ΔTxが閾値αより大きい場合、実排気温度TXrが推定排気温度Cより低いことから、実質的に暖機前状態と判定される。そしてステップS107に進み、ステップS102で既に取得済みの第1および第2の目標オイル温度A,Bのうち、第2の目標オイル温度Bが目標オイル温度として採用される。
他方、排気温度差ΔTxが閾値α以下の場合、実排気温度TXrが推定排気温度C以上であることから、実質的に暖機後状態と判定される。この場合、ステップS109に進み、ステップS102で既に取得済みの第1および第2の目標オイル温度A,Bの中から、第1の目標オイル温度Aが最終的な目標オイル温度として採用される。
ステップS107またはS109の後、ステップS108において、目標オイル温度(AまたはB)と実オイル温度TOrの差に基づき、分配弁2がPID制御によりフィードバック制御される。
このように本実施形態によれば、実運転状態が第2領域R2内にあり(ステップS104:NO)、かつ暖機前状態のとき(ステップS106:YES)、暖機後状態のときに比べより高い第2の目標オイル温度B(=B1>A2)を、フィードバック制御の目標値に使用するので、実オイル温度TOrの上昇を早め、実オイル温度TOrを速やかに上昇させることができる。そしてエンジンフリクションを低下させ、燃費を向上することができる。
また本実施形態によれば、暖機前状態か暖機後状態かによってマップを切り替えて目標オイル温度を設定するため、暖機終了の有無に応じて異なる目標オイル温度の設定を容易に行うことができる。
また本実施形態によれば、エンジン耐久上問題となる高回転高負荷側の第2領域R2のみ、暖機前状態と暖機後状態とでマップの入力値を変え、目標オイル温度を変更する。このため、エンジン耐久性向上と、エンジンフリクション低下および燃費向上といった相反する要求を好適にバランスさせ、満足することができる。すなわち、暖機前状態では、エンジン内部の部品温度が相対的に低いため、目標オイル温度を相対的に高めてもエンジン耐久上問題は少ないし、逆にフリクション低下にとって有利である。他方、暖機後状態では、オイルが十分暖まっているのでフリクション上の問題は少なく、よって目標オイル温度を相対的に低くすることで、エンジン耐久性を向上できる。
上記制御によれば、ステップS103において目標オイル温度差ΔTOmが算出され、これがゼロに等しい場合(ステップS104:YES)、暖機前状態か暖機後状態かの判定(ステップS106)を行うことなく、第1の目標オイル温度Aを最終的な目標オイル温度として設定する。このため制御を簡略化できる。
以上、本発明の実施形態を詳細に述べたが、本発明は以下のような他の実施形態も可能である。なお前述の基本実施形態と同様の部分については説明を割愛し、以下、相違点を中心に説明する。
(1)図6は、他の実施形態に係る制御のフローチャートである。基本実施形態と同様のステップについては、符号を200番台に変更して図示するのみで、詳細な説明を割愛する。
本実施形態は、前述のステップS102〜S104が省略された点が基本実施形態と主に異なる。ステップS201で実回転速度NEr等の値が取得された後、ステップS205に進んで、ステップS105と同様に排気温度差ΔTxが算出される。ステップS206はステップS106と同様である。
ステップS206において、排気温度差ΔTxが閾値αより大きい、すなわち暖機前状態と判定された場合、ステップS207において、第2のマップM2が選択される。そして第2のマップM2から、実回転速度NErおよび実噴射量Qrに対応した第2の目標オイル温度Bの値が取得され、この値が、最終的な目標オイル温度として採用される。
他方、ステップS206において、排気温度差ΔTxが閾値α以下、すなわち暖機後状態と判定された場合、ステップS209において、第1のマップM1が選択される。そして第1のマップM1から、実回転速度NErおよび実噴射量Qrに対応した第1の目標オイル温度Aの値が取得され、この値が、最終的な目標オイル温度として採用される。
このとき、実運転状態が第2領域R2にあれば、暖機前状態のときに暖機後状態のときよりも高い目標オイル温度B1が得られる。また実運転状態が第1領域R1にあれば、暖機前状態のときと暖機後状態のときとで等しい目標オイル温度B1またはA1が得られる。
この制御によれば、ステップS102〜S104を省略した分、制御を簡略化できる。
(2)上記実施形態では、実運転状態が高回転高負荷側の第2領域R2にあるときのみ、エンジン暖機状態に応じた目標オイル温度の変更を行った。しかしながら、目標オイル温度の変更は、そうした変更の要請がある任意のエンジン運転領域で行うことができ、高回転高負荷側以外の領域で行うこともできる。
(3)上記実施形態では、図2に示す第1のマップM1において、第1領域R1内の目標オイル温度を一律に等しいA1とし、第2領域R2内の目標オイル温度を一律に等しいA2とした。しかしながらこれに限らず、例えば、第1領域R1および第2領域R2の少なくとも一方の目標オイル温度をある程度のばらつき幅を持たせて異ならせてもよい。この場合、第2領域R2の最大目標オイル温度を、第1領域R1の最小目標オイル温度より低くするのが好ましい。
また、図3に示す第2のマップM2においても、例えば、第1領域R1および第2領域R2の少なくとも一方の目標オイル温度をある程度のばらつき幅を持たせて異ならせてもよい。この場合、第2領域R2の目標オイル温度を、第1領域R1の目標オイル温度と同等レベルに設定するのが好ましい。
いずれにしても、第1のマップM1と第2のマップM2の間では、目標オイル温度を変更する領域(具体的には第2領域R2)の同一運転状態において、第2のマップM2の目標オイル温度は第1のマップM1の目標オイル温度より高く設定される。
前述の各実施形態の構成は、特に矛盾が無い限り、部分的にまたは全体的に組み合わせることが可能である。本発明の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
2 分配弁
3 オイルクーラ
6 バイパス通路
11 回転速度センサ
12 アクセル開度センサ
13 油温センサ
14 排気温センサ
100 電子制御ユニット(ECU)

Claims (4)

  1. 内燃機関のオイルを冷却するオイルクーラと、
    前記オイルクーラをバイパスするバイパス通路と、
    前記オイルクーラ側と前記バイパス通路側へのオイルの分配比を変化させる分配弁と、
    前記分配弁を制御する制御ユニットと、
    前記内燃機関の運転状態を検出する検出器と、
    前記内燃機関の排気温度を検出する排気温センサと、
    を備え、
    前記制御ユニットは、
    前記検出器により検出された運転状態に基づき排気温度を推定し、
    推定された排気温度と、前記排気温センサにより検出された排気温度との差に基づき、オイルの昇温が可能な状態か否かを判定し、
    昇温が可能な状態と判定した場合、昇温が可能でない状態と判定した場合に比べて高い目標オイル温度を、検出された運転状態に基づき設定し、
    設定された前記目標オイル温度に基づき、前記分配弁を制御するように構成されている
    ことを特徴とする内燃機関の油温制御装置。
  2. 前記昇温が可能な状態は、前記内燃機関の暖機が終了してない状態であり、前記昇温が可能でない状態は、前記内燃機関の暖機が終了した状態である
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の油温制御装置。
  3. 前記制御ユニットに、前記運転状態と第1の目標オイル温度との関係を定めた第1のマップと、前記運転状態と第2の目標オイル温度との関係を定めた第2のマップとが予め記憶され、
    前記第1および第2のマップにおいて、高回転かつ高負荷側の所定領域が規定され、
    前記第2のマップにおける所定領域内の第2の目標オイル温度は、前記第1のマップにおける所定領域内の第1の目標オイル温度より高い値を有し、
    前記制御ユニットは、
    昇温が可能でない状態と判定した場合、前記第1のマップから得られる第1の目標オイル温度を前記目標オイル温度として設定し、
    昇温が可能な状態と判定した場合、前記第2のマップから得られる第2の目標オイル温度を前記目標オイル温度として設定する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の油温制御装置。
  4. オイル温度を検出する油温センサをさらに備え、
    前記制御ユニットは、前記油温センサにより検出されたオイル温度と前記目標オイル温度との差に基づき、前記分配弁をフィードバック制御する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の内燃機関の油温制御装置。
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