JP5392241B2 - 多気筒内燃機関 - Google Patents

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本発明は、多気筒内燃機関に関するものである。
複数気筒を持つ内燃機関においては、各気筒の燃焼室を形成するピストンとシリンダヘッドとにわずかの製造誤差が存在し、これにより気筒毎の実圧縮比にばらつきが生じる。 ここで、各気筒が相互に実圧縮比のばらつきを生じている場合、各気筒毎に、圧縮端の温度、圧力が相互に異なるという事態が生じることとなる。このため、各気筒を同一の燃料噴射条件で運転したとしても、各気筒毎に回転変動が発生する憂いがある。また、特定の気筒で排気ガス特性が最適な運転となっていない状態が生じることもある。
そこで、複数気筒を持つ内燃機関において、各気筒が相互に実圧縮比のばらつきを生じているか否かを検査し、その各気筒相互の圧縮比のばらつきを予め検出しておき、そのばらつきを補正するための補正値を求めておくことで、その補正値を用いて運転制御値を補正し、複数気筒の相互のばらつきを排除し、ばらつきによる気筒間の制御ずれに起因する、例えば、排気ガス特性が悪化するというような事態の発生を防止し、あるいは、各気筒の回転変動を抑制するため、圧縮比が低い気筒はその分燃料噴射量を多くするようにして圧縮比ばらつきに起因する振動を抑えるとの処理を行えると推測される。
そこで、このばらつきを測定する必要があるが、その場合、製造ラインでの各気筒の実圧縮比の計測には、工数がかかりすぎるため、困難である。
なお、特許文献1(特開平11−351025号公報)に開示のディーゼルエンジンの制御装置には、スタータ信号検出直後の数サイクルは、燃料噴射を停止し、該各気筒の吸気上死点時のエンジン回転数を検出し、該各気筒のエンジン回転数差から、該各気筒の圧縮比ばらつきを演算する圧縮比ばらつき演算手段が記載される。
特開平11−351025号公報
上述のように、各気筒相互の圧縮比の相対的なずれを検出する必要があるが、特許文献1に記載されたように、クランキング中のエンジン回転数の変動から各気筒の圧縮比のずれを算出する場合、圧縮比のずれ以外にバッテリ電圧の変動やスタータ自体のトルク変動、各気筒のフリクションまたは外部負荷の変動などエンジン回転数の変動にかかわる要因が多々あるため、エンジン回転数の変動から実圧縮比を推定することは精度の低いものとなっている。
本発明は以上のような課題に基づきなされたもので、目的とするところは、気筒毎の圧縮比を的確に推定でき、求めた気筒毎の圧縮比を用いて内燃機関の運転制御値を各気筒の圧縮比のばらつきを排除するように補正できる多気筒内燃機関を提供することにある。
本願請求項1の発明は、複数の気筒に吸入される吸気の温度を検出する吸気温度検出手段と、各気筒から排出される排気の温度を検出する排気温度検出手段と、前記吸気温度検出手段で検出した吸気温度と前記排気温度検出手段で検出した排気温度に基づいて各気筒の圧縮比を推定する圧縮比推定手段と、前記圧縮比推定手段で推定した各気筒の圧縮比に基づき内燃機関の運転制御値を気筒毎に補正する補正制御手段と
を備えたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の多気筒内燃機関において、前記内燃機関の冷却水温度を検出する冷却水温度検出手段を備え、前記圧縮比推定手段は、前記吸気温度検出手段で検出した吸気温度と前記冷却水温度検出手段で検出した冷却水温度に基づいて各気筒の上死点筒内温度を推定し、推定した各気筒の上死点筒内温度と前記吸気温度検出手段で検出した排気温度に基づいて各気筒の圧縮比を推定することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2記載の多気筒内燃機関において、前記圧縮比推定手段は、前記上死点筒内温度と前記吸気温度との比が大きいほど圧縮比が高いと推定することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1から3の何れか1つに記載の多気筒内燃機関において、各気筒に燃料を供給する燃料供給手段を備え、前記圧縮比推定手段は、前記内燃機関のクランキング中で、かつ前記燃料供給手段からの燃料供給が停止している運転状態で圧縮比を推定することを特徴とする。
請求項1の発明は、気筒に吸入される吸気の吸気温度と、気筒から排出される排気の排気温度とに基づいて圧縮比を推定するので、各気筒の圧縮比にそって圧縮膨張した空気、即ち圧縮比の影響を受けた排気の温度により各気筒の圧縮比を的確に推定でき、求めた各気筒の圧縮比のばらつきの影響を排除するように内燃機関の運転制御値を補正することができる。
請求項2の発明は、吸気温度と冷却水温とに基づいて上死点筒内温度を推定し、推定した上死点筒内温度と排気温度に基づいて圧縮比を推定するので、気筒内の空気が冷却水と熱量の授受を行っても各気筒の圧縮比を的確に推定でき、求めた各気筒の圧縮比のばらつきの影響を排除するように内燃機関の運転制御値を補正することができる。
請求項3の発明は、上死点筒内温度と排気温度の比により圧縮比を容易に推定できる。
請求項4の発明は、燃料の気化熱による温度低下や燃焼による温度上昇を抑制して各気筒の圧縮比を的確に推定でき、求めた各気筒の圧縮比のばらつきの影響を排除するように内燃機関の運転制御値を補正することができる。
本発明の一実施形態としての多気筒内燃機関の全体構成図である。 図1の多気筒内燃機関の駆動時の各気筒の排気温度の経時変化特性線図である。 図1の多気筒内燃機関で用いる圧縮比―前後温度比設定マップの特性説明図である。 図1の多気筒内燃機関の圧縮比補正制御ルーチンのフローチャートである。 図1の多気筒内燃機関の圧縮比推定ルーチンのフローチャートである。 図1の多気筒内燃機関の圧縮比推定ルーチンの変形例でのフローチャートである。
以下、本発明の第1の実施の形態である多気筒内燃機関について説明する。
図1は、本発明の多気筒内燃機関(以後エンジンと記す)1の全体構成図である。
本実施形態にかかるエンジン1はシリンダブロック及びその下側部材(不図示)等からなるエンジン本体101と、エンジン本体101内に設けられピストンsを収容する燃焼室6と、エンジン本体101の上部に組み付けられたシリンダヘッド3とを備えている。ここでピストンsの上面からその上方(紙面手前方向)に位置するシリンダヘッド3の低壁までの間が燃焼室6を形成しており、この燃焼室6に連通するように吸気ポートipと排気ポートepがシリンダヘッド3に形成されている。吸気ポートipには新気を燃焼室6内に導入するための吸気通路Riが接続され、排気ポートepには燃焼ガスを排出するための排気通路Reが接続されている。
エンジン本体101の上側のシリンダヘッド3の左右側壁面には吸気マニホールド4及び排気マニホールド5が一体結合され、吸気マニホールド4には吸気路Riが、排気マニホールド5には排気路Reが接続される。
シリンダヘッド3において、吸気ポートipと燃焼室6との接続部には、吸気バルブb1が設けられ、排気ポートepと燃焼室6との接続部には、排気バルブb2が設けられ、燃焼室6の頂部には、燃料供給手段の要部をなす電気制御式燃料噴射弁(以後単に燃料噴射弁と記す)17が配置されている。なお、シリンダヘッド3には機関駆動に連動する動弁系(一部のみ図示する)41の吸気カムシャフト42及び排気カムシャフト43が配備され、これにより吸気バルブb1や排気バルブb2が開閉駆動され、吸気及び排気作動を行う。
ここで、エンジン1は4気筒であり、各気筒の吸気マニホールド4は吸気管8を介して排気ターボチャージャ50のコンプレッサ51を経てエアクリーナ9に接続される。エアクリーナ9には、吸入吸気量Qa情報を得るエアフローメータ11が取り付けられる。
吸気管8内にはステップモータ121により駆動されるスロットル弁12が配置され、更に吸気管8の途中には吸気管8内を流れる吸入空気を冷却するためのインタークーラ7が配置されている。
スロットルバルブ12は、アクセルペダル13とは独立してエンジン制御装置(以後単にECUと記す)14の出力信号に基づいてその開度が制御される。さらに、スロットルバルブ12にはスロットル開度センサ28が配備され、同センサのスロットル開度θs情報がECU14に出力される。なお、図1において、エンジン本体2には同本体内の水温Tw情報を検出する水温センサ44(冷却水温度検出手段)が配備され、その検出信号はECU14に出力されている。
ECU14は、デジタルコンピュータから構成され、双方向性バス141を介して相互に接続されたROM142、RAM143、CPU144、入力ポート145および出力ポート146を備え、後述する制御機能を備える。
なお、アクセルペダル13の踏込み量に比例した出力を発生するアクセル開度センサ21、エンジン回転数Neを算出するための出力パルスを発生する回転パルス発生器22、複数の気筒に吸入される吸気の温度を吸気マニホールド4の分岐前の位置で検出する吸気温度センサ23(吸気温度検出手段)の各検出信号は入力ポート145に入力される。ここで、ECU14のROM142には、上述のアクセル開度センサ21および回転パルス発生器22により得られる機関負荷率および機関回転数に基づき、運転状態に対応させて設定されている燃料噴射量の値Qfや機関冷却水温Twに応じた補正値などが予めマップ化されて記憶されている。
一方、エンジン1の各燃焼室6から延びる排気ポートepは排気マニホールド5にそれぞれ連結され、この排気マニホールド5の合流部の下流は排気管16を介して排気ターボチャージャ50の排気タービン52に連結され、更に、排気タービン52の出口は排気管16内の未燃燃料を酸化する機能を備えた触媒152を内蔵したケーシング151に連結され、その下流にはマフラー161が順次接続されている。
排気マニホールド5には、各気筒から延びる排気ポートep内の排ガス温度を検出する排ガス温度センサ45が取り付けられ、各気筒の排ガス温度情報をECU14に出力している。
排気マニホールド5と吸気マニホールド4とは排気ガス再循環(以下「EGR」という)通路53を介して互いに連結され、EGR通路53には電気制御式EGR制御弁54が配置されている。
図1に示すように、各気筒の燃焼室6に設けられた燃料噴射弁17はECU14からの噴射信号を燃料噴射駆動回路(インジェクタドライバ)37を介して受けて、燃料供給源から供給された燃料をその噴射量を制御して燃焼室6に噴射する。
各燃料噴射弁17は不図示の燃料供給管を介して燃料リザーバ、いわゆるコモンレール30に連結されている。このコモンレール30内へは燃料供給源側の電気制御式の吐出量可変な燃料ポンプ31から燃料が供給され、コモンレール30内に供給された燃料は各燃料噴射弁17に供給される。コモンレール30にはコモンレール30内の燃料圧を検出するための燃料圧センサ29が取付けられ、燃料圧センサ29の出力信号に基づいてコモンレール30内の燃料圧が目標燃料圧となるように燃料ポンプ31の吐出量が制御される。
燃料供給源側の燃料ポンプ31の吐出側は燃圧調整手段である電磁スピル弁32を介して吸入側に戻されており、この電磁スピル弁32の開度が小さいときほど、高圧燃料ポンプ31からコモンレール30に供給される燃料量が増大される。
一方、低圧燃料ポンプ34は燃料フィルタ35を介して燃料タンク36に接続されている。燃料圧レギュレータ33は低圧燃料ポンプ34から吐出された燃料の燃料圧が予め定められた設定燃料圧よりも高くなると、燃料の一部を燃料タンク36に戻すように構成されており、燃料圧が設定燃料圧よりも高くなるのを阻止している。
次に、ECU14の制御機能を説明する。ECU14は、運転情報に応じて設定された噴射燃料量Qfの燃料を燃料噴射弁17が噴射するよう制御する燃料噴射制御手段A1として機能し、特に、アイドル運転域で通常アイドル制御を発揮するアイドル燃料供給手段A1−1と、クランキング時燃料供給手段A1−2と、定常運転時燃料供給手段A1−3との機能を各運転状態に応じて発揮する。
アイドル燃料供給手段A1−1は始動後において、冷態時であると冷態時噴射量QfLを、暖気時であると暖気時噴射量QfDをそれぞれ予め設定した運転条件であるアイドル回転数Nea,アクセル開度θa、水温Twに基づき設定し、同噴射量で各気筒の燃料噴射弁17を駆動し、アイドル回転を実行する。
クランキング時燃料供給手段A1−2は、クランキング開始時t1より設定回転数の経過までの測定域を各気筒への燃料供給をストップした燃料供給ストップ運転領域E1として設定し、そのストップ運転領域経過後の時点t2に燃料供給を行い始動領域E2に入るよう設定される。
ここで、クランキング時燃料供給手段A1−2は、燃料供給ストップ運転領域E1では、圧縮比推定手段としての機能を発揮する。即ち、ここでは、燃料噴射をストップに保持し、上死点に達した各気筒の上死点温度を吸気温度センサ23により求めた吸気温度に基づいて断熱圧縮を考慮して推定し、下死点に達した各気筒の排気ポート温度Te1〜Te4を各排気温度センサ45により求めた上で、各気筒の圧縮比を推定する。
この場合、図2に示すように、無噴射状態での燃料供給ストップ運転領域E1が時点t1から開始し、経過後の時点t2(ここでは3サイクルの経過時点とする)で各気筒の排気温度Te1〜Te4を取り込む。
次いで、各気筒の上死点筒内温度T2を断熱圧縮を考慮して下記の式(1)、(2)により推定する。
T2=Tex×ε(k−1)+dt(T2in−Twt)・・・・(1)
ε(k−1)=T2/T1・・・・(2)
ここで、
T1:吸気ポート温度
T2:上死点筒内温度
T2in:吸気温度T1から演算した圧縮端温度
ここで、T2in=T1×(V1/V2)(k−1)=T1×ε(k−1)・・・・(3)
Tex:排気温度
Twt:冷却水温度
V1:下死点燃焼室容積
V2:上死点燃焼室容積
k:比熱比
ε:圧縮比
とする。
上述のところで、式(1)の第1項は、断熱膨張の場合,T×V(k−1)=一定より、
T2×V2(k−1)=Tex×V1(k−1)を導き、これより、
T2=Tex×(V1/V2)(k−1)
T2=Tex×ε(k−1)、が得られることに基づく。
ここで、上述の式(1)の第2項は吸気温度から演算した圧縮端温度T2in(:断熱圧縮での上死点温度のこと)を式(3)を用いて求め、更に、これより冷却水による放熱が考慮されるよう、冷却水温度Twtを減算し、その補正値dt(T2in−Twt)を算出したもので、この値を第1項に修正値として加算している。
更に、式(1)で算出される上死点筒内温度T2と吸気ポート温度T1を用いて式(2)より、圧縮比εを推定できる。この際、式(2)の特性を図3に示す演算マップm1として作成し、演算を簡素化できる。ここで、圧縮比推定手段が用いる演算マップm1は上死点筒内温度T2と吸気ポート温度T1(吸気温度)との比が大きいほど圧縮比εが高くなるように設定する。
ここで演算する圧縮比εは各気筒毎にε1〜ε4と求められ、これらの相対的偏差が求められる。即ち、ε1〜ε4の平均値εmを求め、それに対する各気筒の圧縮比の偏差、δε1〜δε4を求める。この圧縮比偏差δε1〜δε4は所定エリアにストアされることとなる。
次に、クランキング時燃料供給手段A1−2は、圧縮比偏差の演算済みを判断して燃料噴射開始時点t2に達すると、燃料供給ストップ運転領域E1の経過時と見做し、始動領域E2に入り、燃料噴射を開始し、エンジン回転数が所定値を上回る時点でクランキングを停止する。ここでは所定の始動時燃料量Qfsを所定の冷態始動用燃料量演算マップ(不図示)で求める。更に、各気筒の気筒識別信号に応じて該当する燃料噴射弁17を駆動し、始動処理する。なお、上述の燃料噴射開始時点t2は全気筒において圧縮比推定を行うに足る時間が設定されている。具体的には全気筒において吸気行程→圧縮行程→膨張行程→排気行程を経験するまでの時間が予め設定される。
次に、定常運転時燃料供給手段A1−3は定常時の走行条件である要求出力を反映するアクセル開度θa相当の出力を確保できるよう各気筒の燃料噴射弁17を噴射駆動して走行を継続することとなる。この際、補正制御手段としての機能を発揮し、適正燃料噴射量を噴射するようフィードバック制御する。
この際、各気筒の燃料噴射量Qf1〜Qf4は圧縮比偏差δε1〜δε4に応じて補正される。ここでは、各圧縮比偏差δε1〜δε4に所定の燃料補正係数α(燃料量変換係数でもある)を乗算して各気筒の燃料補正量δq1〜δq4(δε1×α〜δε4×αを乗算処理する)を求める。これで、燃料噴射量Qf1〜Qf4を補正し、補正燃料噴射量Qfa1〜Qfa4(δq1〜δq4を加減処理する)を求める。この補正燃料噴射量fa1〜Qfa4で各気筒の燃料噴射弁17を駆動することで、気筒相互の出力変動が排除され、排ガス特性も均一化され、更に、排ガス処理における制御を一律化して行うことが出来る。
図4は本実施形態の圧縮端温度算出制御方法を示したフローチャートである。
このルーチンが開始されると、まずステップs1において吸気温度Tim、排気温度Tex、冷却水温度Twt、エンジン回転数Ne,負荷θa,吸入空気量Qa,等が読み込まれる。
ステップs2では、燃料カット状態であるか否かが判定される。Yesのときにはステップs3に進み、Noのときには圧縮端温度を正確に推定することができないと判断し、このルーチンを終了する。ステップs3では、燃料カット指令を、メインルーチンに出力し、時点t1を設定し、カウントに入る。
ステップs4では全気筒において圧縮比推定を行うに足る時間をカウントし、カウント経過の時点t2を判断し、経過前はステップs5に進み、不図示のメインルーチン側の指示でクランキングが成されているか否か判断し、Noではこの処理をメインルーチンに戻し、Yesでステップs6に達する。ここでは図5に示す圧縮比推定処理に進む。
図5に示すように、圧縮比推定処理ではステップa1でエンジン回転数Ne、吸気温度Tin、排気温度Tex、冷却水温度Twtを読み取る。次いで、ステップa2において、ステップa1で読み込んだデータに応じた現在の上死点筒内温度T2を演算する。ここでは上述の式(3)を用い吸気温度T1から圧縮端温度T2inを演算し、この値や排気温度Tex等に応じた上死点温度T2を式(1)を用いて演算する。
次いで、ステップa3では、式(2)及び図3のマップm1を用い、吸気温度T1、上死点筒内温度T2を用いて圧縮比εを推定する。
なお、この処理は各気筒ごとに行われ、ε1〜ε4が演算され、所定エリアにストアされ、ステップs7に進む。
ステップs7では、各気筒毎にε1〜ε4と求められ有効圧縮比εに基づき、これらの相対的偏差が求められ、ε1〜ε4の平均値εmを求め、それに対する各気筒の圧縮比の偏差、δε1〜δε4を求め、この圧縮比偏差δε1〜δε4を用いて、各気筒の燃料噴射量Qf1〜Qf4を補正し、この補正燃料噴射量fa1〜Qfa4で各気筒の燃料噴射弁17を駆動することで、気筒相互の出力変動が排除され、排ガス特性も均一化され、更に、排ガス処理における制御を一律化して行うことが出来る。
上述のところで、ステップs7では、各気筒の圧縮比の偏差、δε1〜δε4を用いて、各気筒の補正燃料噴射量fa1〜Qfa4を求めたが、これに代えて、図6に示すステップs7’のように、各気筒の吸気弁b1の閉時期補正量を修正してもよい。
この場合、圧縮比の偏差、δε1〜δε4を用いて、各気筒の吸気弁b1の閉時期を基準値θc1〜θc4より進角補正係数δθで補正し(θc1’=θc1×δθ1:乗算する)、補正閉弁時期θc1’〜θc4’を求め、これを用いて吸気弁b1の閉時期を補正し、出力補正を行うことで、気筒相互の出力変動が排除される。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
1 エンジン(内燃機関の燃料噴射装置)
6 燃焼室
11 エアフローメータ
23 吸気温度センサ(吸気温度検出手段)
44 水温センサ(冷却水温度検出手段)
45 排ガス温度センサ
ε 圧縮比
θa 負荷
A1 燃料噴射量演算手段
A1−2 クランキング時燃料供給手段(圧縮比推定手段)
A1−3 定常運転時燃料供給手段(補正制御手段)
E1 燃料供給ストップ運転領域
ECU 制御手段
Ne 機関回転数
T1 吸気ポート温度
T2 上死点筒内温度(上死点温度)
Tex 排気ポート温度
Qf 燃料噴射量

Claims (4)

  1. 複数の気筒に吸入される吸気の温度を検出する吸気温度検出手段と、
    各気筒から排出される排気の温度を検出する排気温度検出手段と、
    前記吸気温度検出手段で検出した吸気温度と前記排気温度検出手段で検出した排気温度に基づいて各気筒の圧縮比を推定する圧縮比推定手段と、
    前記圧縮比推定手段で推定した各気筒の圧縮比に基づき内燃機関の運転制御値を気筒毎に補正する補正制御手段と
    を備えたことを特徴とする多気筒内燃機関。
  2. 前記内燃機関の冷却水温度を検出する冷却水温度検出手段を備え、
    前記圧縮比推定手段は、前記吸気温度検出手段で検出した吸気温度と前記冷却水温度検出手段で検出した冷却水温度に基づいて各気筒の上死点筒内温度を推定し、推定した各気筒の上死点筒内温度と前記吸気温度検出手段で検出した排気温度に基づいて各気筒の圧縮比を推定することを特徴とする請求項1に記載の多気筒内燃機関。
  3. 前記圧縮比推定手段は、前記上死点筒内温度と前記吸気温度との比が大きいほど圧縮比が高いと推定することを特徴とする請求項2に記載の多気筒内燃機関。
  4. 各気筒に燃料を供給する燃料供給手段を備え、
    前記圧縮比推定手段は、前記内燃機関のクランキング中で、かつ前記燃料供給手段からの燃料供給が停止している運転状態で圧縮比を推定することを特徴とする請求項1から3の何れか1つに記載の多気筒内燃機関。
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