JP2020007970A - 内燃機関 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関の運転状態が変化する場合に摺動部における油膜切れの発生を抑制する。【解決手段】制御装置は、アクセル開度およびエンジン回転数を取得するステップ(S100)と、目標ストライベック数を取得するステップ(S102)と、目標油膜温度を設定するステップ(S104)と、ジャーナル温度を取得するステップ(S106)と、実油膜温度を算出するステップ(S108)と、実油膜温度−目標油膜温度の値がしきい値αよりも大きいと(S110にてYES)、開閉弁を開状態にするステップ(S112)と、油圧補正量を算出するステップ(S114)と、油圧上昇制御を実行するステップ(S116)とを含む、処理を実行する。【選択図】図8
Description
本発明は、内燃機関の制御に関する。
従来より、エンジン内部においては、潤滑用の作動油がオイルポンプ等を用いてクランクシャフトと軸受部との間の摺動部等の潤滑対象箇所に供給される。このような摺動部に供給される作動油は、その粘度が作動油の温度によって変化するという特性を有しており、摺動部における摩擦損失低減のために作動油の温度を上昇させてその粘度を小さくするという技術が公知である。
たとえば、特開2001−41040号(特許文献1)は、エンジンの潤滑油および冷却水間で熱交換を行なう熱交換器において、潤滑油の流量および冷却水の流量を制御して潤滑油温度を適切な値に保持する技術が開示される。
ところで、特許文献1のように、作動油の粘度は、燃費の観点から摺動部における摺動抵抗が増大しないように、エンジンの運転状態に応じた最適な値に調整されているが、エンジンの運転状態の変化によって、摺動部において当接する部材間に作用する荷重が増加する場合には、増加した荷重によって摺動部に形成される作動油の油膜厚さが薄くなり、油膜切れが発生することがある。そのため、摺動部で油膜切れが発生しないように、作動油の温度を調整することで作動油の粘度を最適な値に調整することが求められる。しかしながら、摺動部における荷重の増加を受けて作動油の温度の調整を行なった場合、作動油の温度の変化速度はエンジン運転状態の変化速度ほど速くないので、摺動部において一時的に油膜切れが発生してしまう虞がある。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであって、その目的は、内燃機関の運転状態が変化する場合に摺動部における油膜切れの発生を抑制する内燃機関を提供することである。
この発明のある局面に係る内燃機関は、クランクシャフトと、クランクシャフトの摺動部に作動油を供給するオイルポンプと、オイルポンプを制御する制御装置とを備える。制御装置は、内燃機関の運転状態に応じて、摺動部において油膜切れが発生しない作動油の目標温度を設定する。制御装置は、作動油の温度と目標温度との差分が大きい場合には、差分が小さい場合よりも作動油の油圧の上昇量が増加するようにオイルポンプを制御する。
このようにすると、作動油の温度と目標温度との差分が大きい場合には、差分が小さい場合よりも作動油の油圧の上昇量が増加するようにオイルポンプが制御されるので、内燃機関の運転状態が変化する場合にも作動油の油圧を上昇させることによって油膜厚さを厚くして摺動部における油膜切れの発生を抑制することができる。
好ましくは、制御装置は、作動油の温度が目標温度になるまでの間において作動油の実油膜厚さが下限値を下回らないように作動油の油圧の上昇量を設定する。
このようにすると、作動油の温度が目標温度になるまでの間においては、温度の上昇遅れによる作動油の実油膜厚さの不足分を作動油の油圧上昇によって補うことができる。そのため、摺動部における油膜切れの発生を抑制することができる。
さらに好ましくは、内燃機関は、作動油の温度を調整するように構成された温度調整装置をさらに備える。制御装置は、作動油の温度が目標温度になるように温度調整装置を制御する。
このようにすると、作動油の温度が目標温度になるように温度調整装置が制御されるので、作動油の温度が目標温度に到達するまでの温度の上昇遅れの期間において油圧を増加させることによって摺動部における油膜切れの発生を抑制することができる。
この発明によると、内燃機関の運転状態が変化する場合に摺動部における油膜切れの発生を抑制する内燃機関を提供することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号が付されている。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返されない。
図1は、本実施の形態におけるエンジン1の概略構成の一例を示す図である。エンジン1は、たとえば、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンあるいはガスエンジン等の内燃機関である。エンジン1は、たとえば、車両に搭載され、動力源として用いられるものとする。
図1に示すように、エンジン1は、シリンダヘッド10と、シリンダブロック12と、ピストン14と、コネクティングロッド16と、クランクシャフト20と、オイルポンプ30と、電動ウォータポンプ40と、制御装置200とを備える。なお、図1において、破線矢印は、各種の信号の流れを示す。
シリンダヘッド10は、シリンダブロック12の上部に設けられる。シリンダブロック12には、シリンダボア(ボア壁)13によって気筒が形成される。なお、気筒の数は、単数であってもよいし、複数であってもよい。ピストン14は、気筒内に収納される。また、シリンダブロック12には、シリンダブロック12を冷却する冷却水を流通させるためのウォータジャケット50,52が形成される。
ピストン14の頂部とボア壁13とシリンダヘッド10とによって燃焼室(燃料が燃焼する空間)が形成されている。ピストン14が気筒内を摺動することによって燃焼室の容積が変化される。
気筒の上部にはインジェクタ(図示せず)が設けられており、エンジン1の動作中においては、制御装置200によって設定されたタイミングで、設定された量の燃料が気筒内に噴射される。
なお、インジェクタから噴射される燃料の噴射量およびタイミングは、たとえば、エンジン回転数、吸入空気量、アクセルペダルの踏み込み量(以下、アクセル開度と記載する)あるいは、エンジン1を搭載した車両の速度等から制御装置200によって設定される。
ピストン14は、コネクティングロッド16を介してクランクシャフト20に接続されている。
より具体的には、クランクシャフト20は、軸中心が回転軸と一致しないクランクピン18と、軸中心が回転軸と一致するクランクジャーナル22とを含む。クランクピン18には、コネクティングロッド16の一方端が回転自在に連結される。クランクジャーナル22は、シリンダブロック12に設けられる軸受部23において回転自在に支持される。
気筒で燃料が燃焼することによって生じる筒内圧によって、ピストン14が摺動し、ピストン14が往復運動することで、クランクピン18に連結されるコネクティングロッド16の一方端がクランクシャフト20の回転軸を中心として回転する。このクランクピン18の回転運動によって、クランクシャフト20が回転する。特に図示はしないが、ピストン14の外周にはリング溝が設けられ、このリング溝に複数個のピストンリングが嵌め合わされる。
オイルポンプ30は、クランクシャフト20の回転力によって動作する機械式オイルポンプである。オイルポンプ30は、その動作時において、ストレーナ32を経由してシリンダブロック12の底部のオイルパンに貯留する作動油を吸い上げて、吸い上げた作動油を作動油配管34に吐出する。作動油配管34は、冷却水と作動油との間で熱交換が可能な熱交換器であるオイルクーラ41を通過してメインオイルホール36に接続される。
オイルポンプ30の吐出口には、たとえば、作動油配管34と作動油をオイルパンに還流するドレイン通路とに作動油を振り分けるための電磁弁が設けられる。電磁弁は、制御装置200からの制御信号に応じて動作し、オイルポンプ30から吐出される作動油の量のうちの作動油配管34とドレイン通路とに振り分ける割合を調整する。なお、オイルポンプ30は、たとえば、制御装置200からの制御信号に応じて動作する電動オイルポンプであってもよい。
メインオイルホール36には、シリンダブロック12内の潤滑対象に接続される複数の枝管や潤滑対象に作動油を吐出するオイルジェット等が接続される。潤滑対象としては、たとえば、クランクシャフト20の軸受部23、ボア壁13およびピストン14の下部を含む。
なお、オイルクーラ41内での作動油配管34には、オイルクーラ41内での経路長が長くなるように屈曲した形状(たとえば、らせん形状)が形成されてもよい。
オイルクーラ41には、冷却水が流入する流入口41aと、オイルクーラ41内を流通した冷却水が流出する流出口41bとが設けられる。
電動ウォータポンプ40は、制御装置200からの制御信号に応じてモータ等を用いて冷却水を吐出する。電動ウォータポンプ40には、冷却水の流入口40aと、ウォータジャケット50,52に冷却水を供給する第1流出口40bと、オイルクーラ41に冷却水を供給する第2流出口40cとが設けられる。
流入口40aには、ラジエータ(図示せず)からの冷却水が流入する。第1流出口40bとウォータジャケット50とは、第1冷却水配管44によって接続される。なお、ウォータジャケット50,52間は、図示しない連通路によって接続され、ウォータジャケット52から排出される冷却水は、サーモスタットの機能によって高温時にはラジエータを経由して流入口40aに循環され、低温時にはラジエータを経由しないで流入口40aに循環される。
第2流出口40cとオイルクーラ41の流入口41aとは、第2冷却水配管46によって接続される。オイルクーラ41の流出口41bは、第3冷却水配管48の一方端に接続される。第3冷却水配管48の他方端は、電動ウォータポンプ40の流入口40aに接続される冷却水配管(図示せず)に接続される。第2冷却水配管46の途中には、開閉弁42が設けられる。開閉弁42は、制御装置200からの制御信号に応じて開状態と閉状態とのうちのいずれかの状態に制御される。開閉弁42は、たとえば、作動油の冷却が要求されない場合には閉状態に制御される。開閉弁42が閉状態である場合には、第2冷却水配管46および第3冷却水配管48において冷却水は流通しない。そのため、電動ウォータポンプ40の動作によって第1流出口40bから吐出される冷却水は、第1冷却水配管44からウォータジャケット50,52を経由して最終的に流入口40aに循環する。
一方、開閉弁42は、たとえば、作動油の冷却が要求される場合に開状態に制御される。このとき、電動ウォータポンプ40の第1流出口40bから第1冷却水配管44に冷却水が吐出されるとともに、第2流出口40cから第2冷却水配管46に冷却水が吐出される。第2流出口40cから吐出される冷却水は、第2冷却水配管46を流通し、オイルクーラ41の流入口41aに供給される。オイルクーラ41内において作動油配管34内の作動油と熱交換した冷却水は流出口41bから第3冷却水配管48を経由して最終的に流入口40aに循環する。
エンジン1の動作は、制御装置200によって制御される。制御装置200は、各種処理を行なうCPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよびデータを記憶するROM(Read Only Memory)およびCPUの処理結果等を記憶するRAM(Random Access Memory)等を含むメモリと、外部との情報のやり取りを行なうための入・出力ポート(いずれも図示せず)とを含む。入力ポートには、各種センサ類(たとえば、エンジン回転数センサ102、ジャーナル温度センサ104およびアクセル開度センサ106等)が接続される。出力ポートには、制御対象となる機器(たとえば、複数のインジェクタ、オイルポンプ30の吐出口に設けられる電磁弁、電動ウォータポンプ40、開閉弁42等)が接続される。
制御装置200は、各センサおよび機器からの信号、ならびにメモリに格納されたマップおよびプログラムに基づいて、エンジン1が所望の運転状態となるように各種機器を制御する。なお、各種制御については、ソフトウェアによる処理に限られず、専用のハードウェア(電子回路)により処理することも可能である。また、制御装置200には、時間の計測を行うためのタイマー回路(図示せず)が内蔵されている。
エンジン回転数センサ102は、エンジン回転数を検出する。エンジン回転数センサ102は、検出したエンジン回転数を示す信号を制御装置200に送信する。
ジャーナル温度センサ104は、クランクシャフト20の軸受部23の温度(以下、ジャーナル温度と記載する)を検出する。ジャーナル温度センサ104は、検出したジャーナル温度を示す信号を制御装置200に送信する。
アクセル開度センサ106は、アクセル開度を検出する。アクセル開度センサ106は、検出したアクセル開度を示す信号を制御装置200に送信する。
以上のような構成を有するエンジン1の内部の摺動部(たとえば、クランクシャフト20と軸受部23との間の摺動部等)においては、摩擦損失と燃料消費量との間には、一定の相関関係がある。
図2は、燃料消費量と摩擦損失との関係の一例を示す図である。図2の縦軸は、燃料消費量を示す。図2の横軸は、摩擦損失を示す。図2に示すように、燃料消費量と摩擦損失とは、線形的に相関しており、たとえば、摩擦損失が大きいほど燃料消費量が増加し(すなわち、燃費が悪化し)、摩擦損失が小さいほど燃料消費量が減少する(燃費が改善する)関係を有する。
この摩擦損失を小さくするために、摺動部における摩擦係数を小さくすることが求められる。そのため、エンジン1の内部には、作動油がオイルポンプ30を用いて摺動部等の潤滑対象箇所に供給される。このような摺動部に供給される作動油は、その粘度が作動油の温度によって変化するという特性を有しており、摺動部における摩擦損失低減のために作動油の温度を上昇させてその粘度が小さくなるように調整される。
ところで、エンジン1の運転状態が変化する場合には、摺動部における荷重が変化する場合がある。図3は、燃料噴射量とエンジン回転数との関係を示す図である。図3の縦軸は、燃料噴射量を示す。図3の横軸は、エンジン回転数を示す。図3の太線に示す上限ラインは、各エンジン回転数に対する燃料噴射量の上限値を示す。
図3に示すように、たとえば、燃料噴射量とエンジン回転数との関係がC点に対応する関係からC点よりも負荷が増加したD点に対応する関係に変化する場合には、エンジン1の負荷が増加することによって、筒内圧が上昇し、摺動部における摺動速度や摺動部において当接する部材間に作用する荷重が変化する場合がある。
図4は、本実施の形態において筒内圧と荷重との関連を説明するための図である。図4に示すように、筒内圧によってピストン14の上部に作用する力は、コネクティングロッド16およびクランクピン18を経由してクランクジャーナル22に伝達され、荷重Fとして軸受部23との摺動面に作用する。そのため、エンジン1の運転状態(負荷)の変化によって筒内圧が変化し、摺動面に作用する荷重も変化する。
このように摺動部における摺動速度や摺動面に作用する荷重が変化する場合には、摩擦係数がしきい値よりも小さくなる最適な粘度も変化する場合がある。
図5は、摺動部における摩擦係数とストライベック数との関係の一例を示す図である。図5の縦軸は、摩擦係数を示す。図5の横軸は、ストライベック数を示す。ストライベック数とは、作動油の粘度ηと、摺動部における摺動速度Vと、摺動面に作用する荷重Fとによって決定される値である。より具体的には、ストライベック数=粘度η×摺動速度V/荷重Fの式(以下、式(1)と記載する)によってストライベック数が特定され得る。このストライベック数は、摺動部における摩擦係数と間で図5に示すような関係を有する。
より具体的には、摩擦係数が最小値μ(0)となるストライベック数S(0)を基準として、ストライベック数がS(0)よりも値が小さい領域においては、ストライベック数が小さくなるほど摩擦係数が増加する。一方、ストライベック数がS(0)よりも値が大きい領域においては、ストライベック数が大きくなるほど摩擦係数が増加する。
エンジン1の運転状態が変化すると、上述のように摺動部における摺動速度Vも、摺動面に作用する荷重Fも変化する場合がある。このような場合に、ストライベック数が摩擦係数が大きくなるように変化する場合には、摩擦損失が増加し燃費向上が図れない場合がある。そのため、エンジン1の運転状態の変化に応じて、作動油の粘度(すなわち、作動油の温度)を調整することが求められる。
しかしながら、エンジン1の負荷の増加による摺動部における荷重の増加に対して作動油の温度調整に遅れが生じる場合には、作動油の粘度の調整に遅れが生じるため、摺動部において油膜切れが発生する場合がある。
本実施の形態における油膜とは、摺動部の摺動面に形成される油膜である。図6は、クランクシャフト20における摺動部の拡大断面図である。図6に示すように、クランクシャフト20のクランクジャーナル22は、シリンダブロック12の軸受部23によって回転自在に支持される。上述のとおり、燃焼室内の燃焼によりピストン14に作用する力(爆発力)は、ピストン14からコネクティングロッド16、クランクピン18を経由してクランクジャーナル22に伝達され、荷重Fとして摺動面に作用する。このときのクランクシャフト20の回転数(エンジン回転数)から摺動速度Vが算出される。
この場合においてクランクジャーナル22と軸受部23との間の作動油によって油膜が形成される。このクランクジャーナル22と軸受部23との間に形成される油膜厚さが油膜切れが発生する厚さにならないように作動油の粘度を速やかに調整することが求められる。
図7は、作動油の油膜厚さと荷重との関係を示す図である。図7の縦軸は、油膜厚さを示す。図7の横軸は、荷重を示す。図7の実線は、作動油の粘度がηAで一定である場合の油膜厚さと荷重との関係を示す。図7の一点鎖線は、作動油の粘度がηBで一定である場合の油膜厚さと荷重との関係を示す。
図7の実線あるいは一点鎖線に示すように、作動油の粘度が一定となる場合には、荷重が増加するほど油膜厚さが減少することとなる。そのため、荷重の増加により作動油の油膜厚さが油膜切れが発生しない油膜厚さの下限値Th(0)を下回る可能性がある。
より具体的には、たとえば、図7のC点に示すように、作動油の粘度がηAであり、油膜厚さが下限値Th(0)よりも大きく、かつ、荷重としてF(0)が作用している場合を想定する。
作動油の粘度が維持されつつ、荷重がF(0)からF(1)に増加すると、図7のD’点に示すように、荷重の増加によって油膜厚さが下限値Th(0)よりも大きい状態から下限値Th(0)よりも小さい状態に変化する。そのため、荷重がF(0)からF(1)に増加するような場合には、図7のD点に示すように、作動油の粘度をηAからηBに増加させることによって、作動油の油膜厚さが下限値Th(0)よりも大きい状態を維持することができる。
作動油の粘度を増加させる場合には、作動油の温度を低下させる必要があるが、荷重の変化に対して作動油の温度調整に遅れが生じる場合には、作動油の粘度の調整に遅れが生じるため、油膜厚さが下限値Th(0)を下回ることによって摺動部において油膜切れが発生する場合がある。
そこで、本実施の形態においては、制御装置200は、作動油の温度と目標温度との差分が大きい場合には、差分が小さい場合よりも作動油の油圧の上昇量が増加するようにオイルポンプ30を制御するものとする。
このようにすると、エンジン1の運転状態が変化する場合にも作動油の油圧を上昇させることによって油膜厚さを厚くして摺動部における油膜切れの発生を抑制することができる。
以下、図8を参照して、制御装置200で実行される処理について説明する。図8は、制御装置200で実行される制御処理の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、所定の制御周期毎にメインルーチン(図示せず)から呼び出されて実行される。
ステップ(以下、ステップをSと記載する)100にて、制御装置200は、アクセル開度およびエンジン回転数を取得する。制御装置200は、たとえば、エンジン回転数センサ102およびアクセル開度センサ106とを用いてアクセル開度およびエンジン回転数を取得する。
S102にて、制御装置200は、クランクシャフト20の摺動部に対応する目標ストライベック数Stを取得する。目標ストライベック数Stは、予め定められた値であって、クランクシャフト20の摺動部において少なくとも摩擦係数が予め定められた値以下となる値である。
図9は、予め設定される目標ストライベック数を説明するための図である。図9の縦軸は、摩擦係数を示す。図9の横軸は、ストライベック数を示す。この摩擦係数とストライベック数との関係は、実験等によって予め導出される。A点は、図9の実線上の位置であって、かつ、摩擦係数が最小値μ(0)となる位置を示す。
目標ストライベック数Stとしては、たとえば、摩擦係数がμ(1)以下となるストライベック数の範囲のうちのいずれかのストライベック数が設定される。本実施の形態においては、A点よりも右側のB点に対応するストライベック数S(1)が目標ストライベック数Stとして設定される。
A点よりも右側の領域における図9の実線の傾きがA点よりも左側の領域における図9の実線の傾きよりも緩やかになる。そのため、A点よりも右側のB点に対応するストライベック数S(1)を目標ストライベック数Stとして設定されることによって、目標ストライベック数Stに対して実際のストライベック数がばらついたとしても摩擦係数が大きく上昇することが抑制される。
目標ストライベック数Stは、たとえば、制御装置200のメモリの所定の記憶領域に予め記憶される。制御装置200は、メモリの所定の記憶領域から目標ストライベック数Stを読み出すことによって目標ストライベック数Stを取得する。
図8に戻って、S104にて、制御装置200は、クランクシャフト20の摺動部に形成される油膜の目標温度(以下、目標油膜温度と記載する)Ttargetを算出する。
制御装置200は、たとえば、エンジン回転数を用いてクランクシャフト20の摺動速度Vを算出する。制御装置200は、アクセル開度とエンジン回転数とを用いてクランクシャフト20の摺動部にかかる荷重Fを算出する。
制御装置200は、たとえば、アクセル開度と、エンジン回転数と、アクセル開度とエンジン回転数と荷重との関係を示すマップとを用いて荷重Fを算出してもよい。アクセル開度とエンジン回転数と荷重との関係を示すマップは、たとえば、実験等によって適合され、予め作成されて制御装置200のメモリに記憶される。なお、制御装置200は、たとえば、アクセル開度とエンジン回転数とを用いて筒内圧を推定し、推定された筒内圧を用いて荷重Fを推定してもよい。
制御装置200は、たとえば、上述の式(1)を式変形した、粘度η=目標ストライベック数St×荷重F/摺動速度Vの式(以下、式(2)と記載する)を用いて目標粘度ηtを算出する。
すなわち、制御装置200は、S102にて取得された目標ストライベック数Stに荷重Fを乗算し、乗算した値を摺動速度Vで除算して得られた値を目標粘度ηtとする。制御装置200は、目標粘度ηtと、作動油の粘度と油膜温度との関係を示すマップとを用いて目標油膜温度Ttargetを設定する。
図10は、作動油の粘度の温度特性の一例を示す図である。図10の縦軸は、作動油の粘度を示す。図10の横軸は、油膜温度を示す。図10に示す作動油の粘度の温度特性は、実験等によって適合され、制御装置200のメモリに予め記憶される。なお、図10に示す作動油の粘度の温度特性としては、作動油の種類によって温度特性が異なるため、作動油として使用される種類に適合する特性が予め設定され、メモリに記憶される。図10の実線に示すように、作動油の粘度と油膜温度とは、油膜温度が高くなるほど作動油の粘度が低下し、油膜温度が低くなるほど作動油の粘度が増加する関係を有する。
制御装置200は、たとえば、目標粘度ηtがηAである場合には、粘度ηAに対応する温度To(1)を目標油膜温度Ttargetとして設定する。あるいは、制御装置200は、目標粘度ηtがηBである場合には、粘度ηBに対応する温度To(0)を目標油膜温度Ttargetとして設定する。
図8に戻って、S106にて、制御装置200は、ジャーナル温度センサ104によって検出されるジャーナル温度を取得する。
S108にて、制御装置200は、取得したジャーナル温度を用いて実油膜温度Tactを算出する。制御装置200は、たとえば、ジャーナル温度に予め定められた補正係数を乗算した値を実油膜温度Tactとして算出してもよいし、あるいは、ジャーナル温度にエンジン1の運転状態(アクセル開度やエンジン回転数)に基づいて設定された補正係数を乗算した値を実油膜温度Tactとして算出してもよい。
S110にて、制御装置200は、実油膜温度Tactから目標油膜温度Ttargetを減算した値がしきい値αよりも大きいか否かを判定する。実油膜温度Tactから目標油膜温度Ttargetを減算した値がしきい値αよりも大きいと判定される場合(S110にてYES)、処理はS112に移される。
S112にて、制御装置200は、開状態になるように開閉弁42を制御する。S114にて、制御装置200は、油圧補正量を算出する。制御装置200は、たとえば、実油膜温度Tactと目標油膜温度Ttargetとの差分と、油圧補正量との関係を示すマップを用いて油圧補正量を算出する。実油膜温度Tactと目標油膜温度Ttargetとの差分と油圧補正量との関係を示すマップは、実験等によって適合され、予め作成されて制御装置200のメモリに記憶される。
なお、実油膜温度Tactと目標油膜温度Ttargetとの差分と、油圧補正量との関係は、たとえば、実油膜温度Tactと目標油膜温度Ttargetとの差分から作動油の粘度の不足分が算出され、算出された作動油の粘度の不足分から作動油の油膜厚さの不足分が算出され、算出された作動油の油膜厚さの不足分から油圧補正量が算出されることによって特定される。
S116にて、制御装置200は、油圧上昇制御を実行する。具体的には、制御装置200は、エンジン1の運転状態によって設定される油圧の要求値にS114にて算出された油圧補正量を加算した値を油圧の指令値としてオイルポンプ30を制御する。なお、制御装置200は、たとえば、アクセル開度(燃料噴射量)とエンジン回転数とを用いて作動油の油圧の要求値を設定する。
なお、実油膜温度Tactから目標油膜温度Ttargetを減算した値がしきい値α以下であると判定される場合(S110にてNO)、処理は終了される。
以上のような構造およびフローチャートに基づく本実施の形態における制御装置200の動作について図11を参照しつつ説明する。
図11は、制御装置200の動作の一例を説明するためのタイミングチャートである。図11の上段、中段および下段のグラフの各横軸は、時間を示す。図11の上段のグラフの縦軸は、負荷、燃料噴射量、エンジン回転数およびアクセル開度を示す。図11の中段のグラフの縦軸は、作動油の油膜温度および作動油の粘度を示す。図11の下段のグラフの縦軸は、油圧を示す。
図11のLN1は、エンジン1の負荷の変化を示す。図11のLN2は、エンジン1における燃料噴射量の変化を示す。図11のLN3は、エンジン回転数の変化を示す。図11のLN4は、アクセル開度の変化を示す。図11のLN5は、目標油膜温度Ttargetの変化を示す。図11のLN6(破線)は、実油膜温度Tactの変化を示す。図11のLN7は、目標粘度ηtの変化を示す。図11のLN8(破線)は、実粘度の変化を示す。図11のLN9は、エンジン1の運転状態に基づく油圧の要求値の変化を示す。図11のLN10(二点鎖線)は、油圧の指令値の変化を示す。
たとえば、エンジン1が動作中であって、かつ、エンジン1を搭載した車両が一定の負荷状態で走行中である場合を想定する。
アクセル開度およびエンジン回転数が取得され(S100)、制御装置200のメモリに記憶された目標ストライベック数Stが取得され(S102)、目標油膜温度Ttargetが設定される(S104)。すなわち、取得されたアクセル開度およびエンジン回転数を用いて摺動速度Vと荷重Fとが算出される。さらに、目標ストライベック数Stに荷重Fを乗算した値が摺動速度Vで除算されることによって目標粘度ηtが算出される。算出された目標粘度ηtに対応する作動油の温度が目標油膜温度Ttargetとして設定される。
さらに、ジャーナル温度が取得され(S106)、取得されたジャーナル温度が補正されて実油膜温度Tactが算出される(S108)。実油膜温度Tactから目標油膜温度Ttargetを減算した値がしきい値α以下であるときには(S110にてNO)、作動油の油圧はエンジン1の状態に応じて制御される。
一方、図11のLN4に示すように、時間t(0)にて、ユーザがアクセルペダルを踏み込むなどして、アクセル開度が増加すると、図13のLN1,LN2およびLN3に示すように、エンジン1の負荷、燃料噴射量およびエンジン回転数は、アクセル開度の増加に追従して増加することになる。
負荷の増加により、クランクジャーナル22における摺動面に作用する荷重が増加すると、図11のLN7に示すように、荷重の増加に応じて目標粘度ηtが増加していく。そのため、図13のLN5に示すように、実油膜温度Tactよりも低い温度が目標油膜温度Ttargetとして設定されることになる。
実油膜温度Tactから目標油膜温度Ttargetを減算した値がしきい値αよりも大きくなる場合には(S110にてYES)、開閉弁42が開状態になる(S112)。開閉弁42が開状態になることにより冷却水がオイルクーラ41に供給される。供給された冷却水と作動油配管34内の作動油との間で熱交換が行なわれることによって作動油が冷却される。そのため、図13のLN6に示すように、時間t(0)の後の時間t(1)にて、目標油膜温度Ttargetの低下に遅れて作動油の実油膜温度Tactが低下していく。図11のLN8に示すように、実油膜温度Tactの低下に応じて作動油の実粘度が増加していく。
また、時間t(0)以降において、実油膜温度Tactと目標油膜温度Ttargetとの間の差分がしきい値αよりも大きくなると、差分に応じた油圧補正量が算出され(S114)、算出された油圧補正量を用いた油圧上昇制御が実行される(S116)。そのため、図13のLN10に示すように、図13のLN9に示す油圧の要求値よりも油圧補正量分だけ高い油圧を指令値としてオイルポンプ30が制御されることとなる。
図12は、作動油の油膜厚さと油圧との関係の一例を示す図である。図12の縦軸は、油膜厚さを示す。図12の横軸は、油圧を示す。図12に示すように、エンジン1の運転状態に基づく油圧の要求値を指令値P(0)として設定された場合には、油膜厚さが下限値Th(0)よりも薄いTh(1)となるのに対して、油圧の要求値に油圧補正量が加算された値を指令値P(1)として設定されることによって、油膜厚さが下限値Th(0)よりも厚いTh(2)となる。
図13は、エンジン1の運転状態が変化するときの作動油の油膜厚さと荷重との関係の変化の一例を説明するための図である。図13の縦軸は、油膜厚さを示す。図13の横軸は、荷重を示す。図13に示すように、たとえば、エンジン1の運転状態が変化する前において荷重F(0)が摺動面に作用し、作動油の粘度がηAであって、かつ、油膜厚さが下限値Th(0)よりも高いTh(2)である場合(E点)を想定する。
エンジン1の運転状態が変化して、荷重がF(0)からF(2)(F点)に変化している間において、油圧が一定であるものとすると、実油膜温度Tactの温度上昇の遅れから実油膜温度Tactと目標油膜温度Ttargetとが乖離する。そのため、図13の破線の矢印に示すように、荷重がF(0)とF(2)との間のF(1)となる時点(G’点)において油膜厚さが下限値Th(0)を下回り、最も薄くなる。
これに対して、実油膜温度Tactと目標油膜温度Ttargetとの差分に応じた油圧補正量の分だけて油圧が増加されることにより、図13の実線の矢印に示すように、荷重がF(1)となる時点(G点)においても、油膜厚さが下限値Th(0)よりも大きい状態で維持される。そのため、実油膜温度Tactが目標油膜温度Ttargetに到達するまでの間に摺動部において油膜切れが発生することが抑制される。
以上のようにして、本実施の形態に係る内燃機関によると、摺動部における作動油の実油膜温度Tactと目標油膜温度Ttargetとの差分が大きい場合には、差分が小さい場合よりも作動油の油圧補正量が増加するようにオイルポンプ30が制御されるので、エンジン1の運転状態が変化する場合にも作動油の油膜厚さを厚くして摺動部における油膜切れの発生を抑制することができる。したがって、内燃機関の運転状態が変化する場合に摺動部における油膜切れの発生を抑制する内燃機関を提供することができる。
さらに、実油膜温度Tactが目標油膜温度Ttargetになるまでの間において作動油の実油膜厚さが下限値Th(0)を下回らないように油圧補正量が設定されるので、温度の上昇遅れによる作動油の実油膜厚さの低下分を油圧補正量によって補うことができる。そのため、摺動部における油膜切れの発生を抑制することができる。
さらに、作動油の実油膜温度Tactから目標油膜温度Ttargetを減算した値がしきい値αよりも大きくなる場合に開閉弁42が制御されるので、オイルクーラ41に冷却水が供給されることにより、作動油の実油膜温度Tactを目標油膜温度Ttargetになるまで温度を上昇させることができる。さらに、実油膜温度Tactの目標油膜温度に対する上昇遅れの期間において油圧を増加させることによって摺動部における油膜切れの発生を抑制することができる。
以下、変形例について説明する。
上述の実施の形態では、ジャーナル温度を補正して実油膜温度Tactを算出するものとして説明したが、たとえば、ジャーナル温度を実油膜温度Tactとしてもよいし、エンジン1の内部の作動油の温度を取得して、取得された作動油の温度を補正して実油膜温度Tactを算出してもよいし、エンジン1の内部の作動油の温度を実油膜温度Tactとしてもよい。
上述の実施の形態では、ジャーナル温度を補正して実油膜温度Tactを算出するものとして説明したが、たとえば、ジャーナル温度を実油膜温度Tactとしてもよいし、エンジン1の内部の作動油の温度を取得して、取得された作動油の温度を補正して実油膜温度Tactを算出してもよいし、エンジン1の内部の作動油の温度を実油膜温度Tactとしてもよい。
制御装置200は、たとえば、エンジン1への燃料噴射量と、エンジン回転数とに基づいて補正係数を設定し、設定された補正係数とエンジン1の内部の作動油の温度とを乗算した値を実油膜温度Tactとして算出してもよい。この場合、制御装置200は、たとえば、燃料噴射量とエンジン回転数と補正係数との関係を示すマップを用いて補正係数を設定してもよい。燃料噴射量とエンジン回転数と補正係数との関係を示すマップは、実験等によって予め作成され、制御装置200のメモリ等に記憶される。
さらに上述の実施の形態では、実油膜温度Tactから目標油膜温度Ttargetを減算した値がしきい値αよりも大きい場合に開閉弁42を開状態にするものとして説明したが、たとえば、実油膜温度Tactから目標油膜温度Ttargetを減算した値がしきい値αよりも大きい場合に、電動ウォータポンプ40の流量を、実油膜温度Tactから目標油膜温度Ttargetを減算した値がしきい値α以下である場合よりも増量するように電動ウォータポンプ40を制御してもよい。
このようにすると、冷却水の流量が増量するので作動油の温度を低下させることができる。これにより、実油膜温度Tactを目標油膜温度Ttargetに近づけることができる。その結果、クランクシャフト20の摺動部の潤滑状態を最適な状態にすることができる。
さらに上述の実施の形態では、実油膜温度Tactから目標油膜温度Ttargetを減算した値がしきい値αよりも大きい場合に、開閉弁42を開状態にするものとして説明したが、たとえば、オイルポンプ30の吐出流量を、実油膜温度Tactから目標油膜温度Ttargetを減算した値がα以下である場合よりも増量するようにオイルポンプ30を制御してもよい。
このようにすると、作動油の吐出流量が増量するので作動油の温度を低下させることができる。これにより、実油膜温度Tactを目標油膜温度Ttargetに近づけることができる。その結果、クランクシャフト20の摺動部の潤滑状態を最適な状態にすることができる。
さらに上述の実施の形態では、実油膜温度Tactから目標油膜温度Ttargetを減算した値がしきい値αよりも大きい場合に開閉弁42を開状態にするものとして説明したが、たとえば、開閉弁42の開度を調整可能とし、実油膜温度Tactから目標油膜温度Ttargetを減算した値がしきい値αよりも大きい場合の開閉弁42の開度を、実油膜温度Tactから目標油膜温度Ttargetを減算した値がしきい値α以下である場合よりも大きくするように開閉弁42を制御してもよい。
このようにすると、オイルクーラ41への冷却水の流量が増量するので作動油の温度を低下させることができる。これにより、実油膜温度Tactを目標油膜温度Ttargetに近づけることができる。その結果、クランクシャフト20の摺動部の潤滑状態を最適な状態にすることができる。
さらに上述の実施の形態では、アクセル開度とエンジン回転数とを取得するものとして説明したが、エンジン1がディーゼルエンジンである場合には、アクセル開度に代えて燃料噴射量を取得してもよい。
さらに上述の実施の形態では、エンジン1の運転状態に基づいて油圧の要求値を算出し、実油膜温度Tactと目標油膜温度Ttargetとの差分を用いて油圧補正量を算出するものとし、要求値に油圧補正量を加算することによって指令値を算出するものとして説明したが、たとえば、エンジン1の運転状態と差分とマップ等とを用いて直接的に指令値を算出してもよい。
なお、上記した変形例は、その全部または一部を組み合わせて実施してもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 エンジン、10 シリンダヘッド、12 シリンダブロック、13 ボア壁、14 ピストン、16 コネクティングロッド、18 クランクピン、20 クランクシャフト、22 クランクジャーナル、23 軸受部、30 オイルポンプ、32 ストレーナ、34 作動油配管、36 メインオイルホール、40 電動ウォータポンプ、40a,41a 流入口、40b,40c,41b 流出口、41 オイルクーラ、42 開閉弁、44,46,48 冷却水配管、50,52 ウォータジャケット、102 エンジン回転数センサ、104 ジャーナル温度センサ、106 アクセル開度センサ、200 制御装置。
Claims (3)
- クランクシャフトと、
前記クランクシャフトの摺動部に作動油を供給するオイルポンプと、
前記オイルポンプを制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、
内燃機関の運転状態に応じて、前記摺動部において油膜切れが発生しない前記作動油の目標温度を設定し、
作動油の温度と前記目標温度との差分が大きい場合には、前記差分が小さい場合よりも前記作動油の油圧の上昇量が増加するように前記オイルポンプを制御する、内燃機関。 - 前記制御装置は、前記作動油の温度が前記目標温度になるまでの間において前記作動油の実油膜厚さが下限値を下回らないように前記作動油の油圧の上昇量を設定する、請求項1に記載の内燃機関。
- 前記内燃機関は、前記作動油の温度を調整するように構成された温度調整装置をさらに備え、
前記制御装置は、前記作動油の温度が前記目標温度になるように前記温度調整装置を制御する、請求項1または2に記載の内燃機関。
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