JP2006206689A - ポリフェニレンエーテル樹脂組成物、プリプレグ、積層板 - Google Patents
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Abstract
【課題】難燃剤が添加されていても、成形時において流動性を高く得ることができるポリフェニレンエーテル樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ポリフェニレンエーテル樹脂、トリアリルイソシアヌレート、高誘電率粉末、難燃剤を含有するポリフェニレンエーテル樹脂組成物1に関する。ポリフェニレンエーテル樹脂として数平均分子量が2000〜10000でエテニルベンジル化されたものを用いる。ポリフェニレンエーテル樹脂組成物1全量に対して、トリアリルイソシアヌレートを5〜30質量%含有し、高誘電率粉末として誘電率が50〜3000であるものを30〜80質量%含有し、難燃剤を3〜12質量%含有する。
【選択図】図1
【解決手段】ポリフェニレンエーテル樹脂、トリアリルイソシアヌレート、高誘電率粉末、難燃剤を含有するポリフェニレンエーテル樹脂組成物1に関する。ポリフェニレンエーテル樹脂として数平均分子量が2000〜10000でエテニルベンジル化されたものを用いる。ポリフェニレンエーテル樹脂組成物1全量に対して、トリアリルイソシアヌレートを5〜30質量%含有し、高誘電率粉末として誘電率が50〜3000であるものを30〜80質量%含有し、難燃剤を3〜12質量%含有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、プリント配線板の材料として用いられるポリフェニレンエーテル樹脂組成物、プリプレグ、積層板に関するものである。
ポリフェニレンエーテル(PPE)は、高周波特性等に優れているため、通信機器用途の高周波用プリント配線板の材料として用いられている(例えば、特許文献1〜4参照。)。また、情報伝送は近年高速化・高周波化の傾向にあり、移動無線、衛星放送、衛星通信等のニューメディアでは機器の小型化が進められており、これに伴い誘電体共振器等のマイクロ波用回路素子に対しても小型化が強く望まれている。一般にマイクロ波用回路素子の大きさは、使用されるプリント回路用基板(プリント配線板)の誘電率が大きいほど小型になる。
このような事情から、回路短小化のために、誘電率が大きくかつ誘電正接が低い材料として、誘電率の大きい無機充填材を含有させたポリフェニレンエーテル系積層板が使用されている。
特許第3077550号公報
特許第3151397号公報
特許第3339301号公報
特開平11−12456号公報
しかしながら、従来は高分子量のポリフェニレンエーテルを用いていたため、難燃剤を添加すると成形時の流動性に問題が生じ、多層成形時にボイドやカスレを生じるため、マルチ材(多層板の製造に使用される積層板やプリプレグ等の多層成形材料のこと)としての信頼性に乏しいものであった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、難燃剤が添加されていても、成形時において流動性を高く得ることができるポリフェニレンエーテル樹脂組成物並びに、ボイドやカスレが無く、難燃性に優れたプリント配線板を製造することができるプリプレグ及び積層板を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係るポリフェニレンエーテル樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル樹脂、トリアリルイソシアヌレート、高誘電率粉末、難燃剤を含有するポリフェニレンエーテル樹脂組成物1であって、ポリフェニレンエーテル樹脂として数平均分子量が2000〜10000でエテニルベンジル化されたものを用いると共に、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物1全量に対して、トリアリルイソシアヌレートを5〜30質量%含有し、高誘電率粉末として誘電率が50〜3000であるものを30〜80質量%含有し、難燃剤を3〜12質量%含有して成ることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1において、高誘電率粉末として酸化チタンを用いて成ることを特徴とするものである。
本発明の請求項3に係るプリプレグは、請求項1又は2に記載のポリフェニレンエーテル樹脂組成物1を有機溶剤に溶解させて得られた樹脂ワニスを樹脂含有量が40〜65質量%となるように基材2に含浸させると共に乾燥させて成ることを特徴とするものである。
本発明の請求項4に係るプリプレグは、請求項1又は2に記載のポリフェニレンエーテル樹脂組成物1を有機溶剤に溶解させて得られた樹脂ワニスを樹脂含有量が75〜95質量%となるように基材2に含浸させると共に乾燥させて成ることを特徴とするものである。
請求項5の発明は、請求項3又は4において、基材2としてHガラスを用いて成ることを特徴とするものである。
本発明の請求項6に係る積層板は、請求項3乃至5のいずれかに記載のプリプレグ3と金属層4を積層して成ることを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係るポリフェニレンエーテル樹脂組成物によれば、難燃剤が添加されていても、成形時において流動性を高く得ることができるものである。
請求項2の発明によれば、誘電正接をより低減することができるものである。
本発明の請求項3に係るプリプレグによれば、ボイドやカスレが無く、難燃性に優れたプリント配線板を製造することができるものである。
本発明の請求項4に係るプリプレグによれば、ボイドやカスレが無く、難燃性に優れたプリント配線板を製造することができるものである。
請求項5の発明によれば、誘電率をさらに上げることができるものである。
本発明の請求項6に係る積層板によれば、ボイドやカスレが無く、難燃性に優れたプリント配線板を製造することができるものである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明に係るポリフェニレンエーテル樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、高誘電率粉末、難燃剤を含有するものである。
ポリフェニレンエーテル樹脂としては、数平均分子量が2000〜10000でエテニルベンジル化されたものを用いる。数平均分子量が上記の範囲であることによって、成形性及び耐熱性を共に高く得ることができるものである。しかし、数平均分子量が2000より小さいと、成形性は向上するものの、硬化物のガラス転移温度(Tg)が低下し、耐熱性が悪化する。逆に数平均分子量が10000より大きいと、成形性が悪化する。また、エテニルベンジル化されたものを用いるのは、これにより硬化物の耐熱性が向上し、伝送特性に影響を及ぼす誘電正接を低減させることができるからである。
数平均分子量が2000〜10000でエテニルベンジル化されたポリフェニレンエーテル樹脂は、まず、数平均分子量が13000〜25000である高分子量のポリフェニレンエーテル樹脂を分子切断した後、このように低分子量化されたポリフェニレンエーテル樹脂をエテニルベンジル化して変性することによって、調製することができる。具体的には、まず、70〜90℃に加熱したトルエン等の有機溶剤200質量部に、高分子量のポリフェニレンエーテル樹脂を100質量部、ビスフェノールAを0.5〜10質量部、t−ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネートを0.5〜5質量部、ナフテン酸コバルトを0.001〜0.005質量部入れて、これらが完全に溶解するまで撹拌して反応させる。次に、60〜90℃に加熱したトルエン等の有機溶剤200質量部に、上記の反応で得られた低分子量のポリフェニレンエーテル樹脂を100質量部、クロロメチルスチレンを0.5〜10質量部、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイドを0.1〜1質量部入れて、これらを溶解させると共に、この混合液に濃度を50質量%に調整した水酸化ナトリウム水溶液を1〜10質量部滴下する。その後、この混合液をろ過し、洗浄すると、数平均分子量が2000〜10000でエテニルベンジル化されたポリフェニレンエーテル樹脂を得ることができる。
また、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物全量に対して、トリアリルイソシアヌレートは5〜30質量%含有させる。トリアリルイソシアヌレートの含有量が5質量%より少ないと、成形性が悪化する。逆にトリアリルイソシアヌレートの含有量が30質量%より多いと、密着性が悪化する。なぜなら、トリアリルイソシアヌレートは、ガラス転移温度(Tg)が高く、耐熱性に優れた材料であるが、固くて脆いので、密着性が乏しくなるのである。
また、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物全量に対して、高誘電率粉末(高誘電率フィラー)として、誘電率が50〜3000であるものを30〜80質量%含有する。高誘電率粉末の誘電率が50より小さいと、誘電率を上げる効果を得ることができない。また、現在入手可能な高誘電率粉末の誘電率の上限は3000であるため、本発明で使用する高誘電率粉末の誘電率の上限も3000となる。また、高誘電率粉末の含有量が30質量%より少ないと、誘電率を上げる効果を得ることができず、逆に高誘電率粉末の含有量が80質量%より多いと、成形性が悪化する。
高誘電率粉末の具体例として、酸化チタンやチタン酸バリウム等を挙げることができるが、誘電正接をより低減することができるという点で、酸化チタンを用いるのが好ましい。
また、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物全量に対して、難燃剤を3〜12質量%含有する。難燃剤の含有量が3質量%より少ないと、難燃性を向上させることができない。逆に難燃剤の含有量が12質量%より多いと、成形性が悪化する。難燃剤の具体例としては、デカブロモジフェニルエタン、4,4−ジブロモビフェニル、エチレンビステトラブロモフタルイミド等を挙げることができる。
樹脂ワニスは、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物を有機溶剤に溶解させることによって調製することができる。具体的には、まず、70〜90℃に加熱したトルエン等の有機溶剤に、数平均分子量が2000〜10000でエテニルベンジル化されたポリフェニレンエーテル樹脂を入れて、これが完全に溶解するまで撹拌する。溶解後、トリアリルイソシアヌレート及びα,α’−ジ(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼンを所定量加えて30〜50℃になるまで冷却する。そして、冷却後、高誘電率粉末及び難燃剤をホモディスパー等で撹拌しながら投入することによって、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物の樹脂ワニスを得ることができる。このようにして得られた樹脂ワニスによれば、難燃剤が添加されていても、成形時において流動性を高く得ることができるものである。
プリプレグは、上記の樹脂ワニスを基材に含浸させると共に、これを100〜150℃、1〜10分間の加熱処理で乾燥させることによって、作製することができる。この場合、プリプレグ全量に対する樹脂含有量を以下のように調整することによって、コア材を製造するのに適したコア材用プリプレグと、回路埋め込み性に優れた回路埋込用プリプレグとを作製することができる。
すなわち、コア材用プリプレグは、プリプレグ全量に対して樹脂含有量が40〜65質量%となるように、樹脂ワニスを基材に含浸させると共に乾燥させることによって、作製することができる。そして、このプリプレグを用いてコア材を製造すれば、ボイドやカスレが無く、難燃性に優れたプリント配線板を製造することができるものである。しかし、樹脂含有量が40質量%より少ないと、ボイドやカスレが発生するおそれがある。逆に樹脂含有量が65質量%より多いと、成形時に板厚のバラツキが大きくなるおそれがあり、コア材用として用いるのは好ましくない。
一方、回路埋込用プリプレグは、樹脂含有量が75〜95質量%となるように、樹脂ワニスを基材に含浸させると共に乾燥させることによって、作製することができる。そして、このプリプレグを用いて回路を埋め込むようにすれば、ボイドやカスレが無く、難燃性に優れたプリント配線板を製造することができるものである。しかし、樹脂含有量が75質量%より少ないと、回路埋め込み性を高く得ることができないおそれがある。また、樹脂含有量を95質量%より多くするのは困難であるため、樹脂含有量の上限は95質量%となる。
また、基材の具体例としては、HガラスやEガラスのガラスクロス等を挙げることができるが、コア材用及び回路埋込用を問わず、誘電率をさらに上げることができるという点で、Hガラスを用いるのが好ましい。
そして、積層板5は、上記のようにして得られたプリプレグ3と金属層4を積層することによって、製造することができる。具体的には、例えば、コア材用プリプレグ3aの両面に銅箔等の金属箔を重ね、これを加熱加圧して積層成形することによって、金属張積層板を製造した後、エッチングにより金属張積層板の両面に回路6を形成する。次に、これをコア材7として用い、図1(a)に示すように、このコア材7の両側に回路埋込用プリプレグ3bを配置し、さらにその外側に銅箔等の金属箔8を配置する。そして、これを加熱加圧して積層成形することによって、プリプレグ3と金属層4を積層した図1(b)に示すような積層板5を得ることができる。その後、この積層板5にサブトラクティブ法等を行うことによって、ボイドやカスレが無く、難燃性に優れたプリント配線板を製造することができるものである。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
(PPE−1及びPPE−2)
数平均分子量が2400であるポリフェニレンエーテル樹脂(PPE−1)及び数平均分子量が9000であるポリフェニレンエーテル樹脂(PPE−2)は、数平均分子量が14000である高分子量のポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)を分子切断することによって、調製した。
数平均分子量が2400であるポリフェニレンエーテル樹脂(PPE−1)及び数平均分子量が9000であるポリフェニレンエーテル樹脂(PPE−2)は、数平均分子量が14000である高分子量のポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)を分子切断することによって、調製した。
具体的には、まず、撹拌装置と撹拌羽根を付けた2000mlのフラスコにトルエン(ナカライテスク株式会社製試薬)を入れ、90℃に加熱したオイルバスにこのフラスコを浸して、内部のトルエンが80℃になるまで加熱した。次に、80℃に加熱したトルエンに、数平均分子量が14000であるポリフェニレンエーテル樹脂(日本ジーイープラスチックス株式会社製「ノリルPX9701」)、ビスフェノールA、t−ブチルペルオキシイソプロピルモノカーボネート(日本油脂株式会社製「パーブチルI」)、濃度を8質量%に調整したナフテン酸コバルトのトルエン溶液をそれぞれ下記[表1]に示す配合量で入れて、これらが完全に溶解するまで撹拌して反応させた。そして、この反応によって、PPE−1及びPPE−2が得られた。
(変性PPE−1)
数平均分子量が2700でエテニルベンジル化されたポリフェニレンエーテル樹脂(変性PPE−1)は、PPE−1をエテニルベンジル化して変性することによって、調製した。
数平均分子量が2700でエテニルベンジル化されたポリフェニレンエーテル樹脂(変性PPE−1)は、PPE−1をエテニルベンジル化して変性することによって、調製した。
具体的には、まず、撹拌装置と撹拌羽根を付けた2000mlのフラスコにトルエンを入れ、85℃に加熱したオイルバスにこのフラスコを浸して、内部のトルエンが75℃になるまで加熱した。次に、75℃に加熱したトルエンに、PPE−1、クロロメチルスチレン(東京化成工業株式会社製)、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイドをそれぞれ下記[表2]に示す配合量で入れて、これらを溶解させると共に、この混合液に濃度を50質量%に調整した水酸化ナトリウム水溶液を滴下した。その後、この混合液をろ過し、洗浄すると、変性PPE−1が得られた。
(樹脂ワニス)
樹脂ワニスは、次のようにして調製した。すなわち、まず、撹拌装置と撹拌羽根を付けた2000mlのフラスコにトルエンを入れ、90℃に加熱したオイルバスにこのフラスコを浸して、内部のトルエンが80℃になるまで加熱した。次に、80℃に加熱したトルエンに、PPE、PPE−1、PPE−2又は変性PPE−1を入れて、これが完全に溶解するまで撹拌した。溶解後、トリアリルイソシアヌレート(日本化成株式会社製)及びα,α’−ジ(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン(日本油脂株式会社製「パーブチルP」)を下記[表3][表4]に示す配合量で加えて、40℃になるまで冷却した。そして、冷却後、高誘電率粉末(酸化チタンである古河機械金属株式会社製「RLX−A」又はチタン酸バリウムである富士チタン工業株式会社製「N5500」)及び難燃剤(アルベマール浅野株式会社製「SAYTEX8010」)をホモディスパーで撹拌しながら投入することによって、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物の樹脂ワニスが得られた。
樹脂ワニスは、次のようにして調製した。すなわち、まず、撹拌装置と撹拌羽根を付けた2000mlのフラスコにトルエンを入れ、90℃に加熱したオイルバスにこのフラスコを浸して、内部のトルエンが80℃になるまで加熱した。次に、80℃に加熱したトルエンに、PPE、PPE−1、PPE−2又は変性PPE−1を入れて、これが完全に溶解するまで撹拌した。溶解後、トリアリルイソシアヌレート(日本化成株式会社製)及びα,α’−ジ(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン(日本油脂株式会社製「パーブチルP」)を下記[表3][表4]に示す配合量で加えて、40℃になるまで冷却した。そして、冷却後、高誘電率粉末(酸化チタンである古河機械金属株式会社製「RLX−A」又はチタン酸バリウムである富士チタン工業株式会社製「N5500」)及び難燃剤(アルベマール浅野株式会社製「SAYTEX8010」)をホモディスパーで撹拌しながら投入することによって、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物の樹脂ワニスが得られた。
(プリプレグ)
プリプレグは、上記の樹脂ワニスをガラスクロスの基材(Hガラス又はEガラスの2116タイプ、Eガラスの3313、1080、1035タイプ、いずれも日東紡株式会社製)に含浸させると共に、これを乾燥ゾーンで120℃、5分間の加熱処理で乾燥させることによって、作製した。なお、プリプレグ全量に対する樹脂含有量を下記[表3][表4]に示す。
プリプレグは、上記の樹脂ワニスをガラスクロスの基材(Hガラス又はEガラスの2116タイプ、Eガラスの3313、1080、1035タイプ、いずれも日東紡株式会社製)に含浸させると共に、これを乾燥ゾーンで120℃、5分間の加熱処理で乾燥させることによって、作製した。なお、プリプレグ全量に対する樹脂含有量を下記[表3][表4]に示す。
(積層板)
積層板は、上記のプリプレグと金属層を積層することによって、製造した。具体的には、プリプレグの両面に銅箔(厚さ12μm又は35μm)を重ね、これを200℃、3.0MPa(30kg/cm2)で加熱加圧して積層成形することによって、銅張積層板を製造した後、エッチングにより銅張積層板の両面に残銅率50%の網状格子パターンの回路を形成した。次に、これをコア材として用い、図1(a)に示すように、このコア材の両側にプリプレグを配置し、さらにその外側に銅箔(厚さ18μm)を配置した。そして、これを200℃、3.0MPa(30kg/cm2)で加熱加圧して積層成形することによって、プリプレグと銅層を積層した図1(b)に示すような積層板(四層板)が得られた。
積層板は、上記のプリプレグと金属層を積層することによって、製造した。具体的には、プリプレグの両面に銅箔(厚さ12μm又は35μm)を重ね、これを200℃、3.0MPa(30kg/cm2)で加熱加圧して積層成形することによって、銅張積層板を製造した後、エッチングにより銅張積層板の両面に残銅率50%の網状格子パターンの回路を形成した。次に、これをコア材として用い、図1(a)に示すように、このコア材の両側にプリプレグを配置し、さらにその外側に銅箔(厚さ18μm)を配置した。そして、これを200℃、3.0MPa(30kg/cm2)で加熱加圧して積層成形することによって、プリプレグと銅層を積層した図1(b)に示すような積層板(四層板)が得られた。
(二次成形性)
各積層板の外側の銅箔をエッチングで除去した後、ボイド・カスレの有無を判断した。判断基準は次のとおりである。
各積層板の外側の銅箔をエッチングで除去した後、ボイド・カスレの有無を判断した。判断基準は次のとおりである。
「○」:ボイド・カスレ無し
「△」:ボイド・カスレが一部に見られるが、成形圧力を上げることで改善できるもの
「×」:ボイド・カスレ有り
(難燃性)
各積層板(0.8mmt)について、UL法サブジェクト94に準拠して、難燃性を測定した。なお、比較例1、2については、ボイド・カスレが生じ、目的とするものが得られなかったので、難燃性の測定は行わなかった。
「△」:ボイド・カスレが一部に見られるが、成形圧力を上げることで改善できるもの
「×」:ボイド・カスレ有り
(難燃性)
各積層板(0.8mmt)について、UL法サブジェクト94に準拠して、難燃性を測定した。なお、比較例1、2については、ボイド・カスレが生じ、目的とするものが得られなかったので、難燃性の測定は行わなかった。
(誘電特性)
各積層板(0.8mmt)について、IPC−TM−650に準拠して、誘電率及び誘電正接を測定した。
各積層板(0.8mmt)について、IPC−TM−650に準拠して、誘電率及び誘電正接を測定した。
(Tg測定)
各積層板(0.8mmt)について、DMA(昇温5℃/min)で、Tgを測定した。
各積層板(0.8mmt)について、DMA(昇温5℃/min)で、Tgを測定した。
以上の測定結果を下記[表3][表4]に示す。
1 ポリフェニレンエーテル樹脂組成物
2 基材
3 プリプレグ
4 金属層
5 積層板
2 基材
3 プリプレグ
4 金属層
5 積層板
Claims (6)
- ポリフェニレンエーテル樹脂、トリアリルイソシアヌレート、高誘電率粉末、難燃剤を含有するポリフェニレンエーテル樹脂組成物であって、ポリフェニレンエーテル樹脂として数平均分子量が2000〜10000でエテニルベンジル化されたものを用いると共に、ポリフェニレンエーテル樹脂組成物全量に対して、トリアリルイソシアヌレートを5〜30質量%含有し、高誘電率粉末として誘電率が50〜3000であるものを30〜80質量%含有し、難燃剤を3〜12質量%含有して成ることを特徴とするポリフェニレンエーテル樹脂組成物。
- 高誘電率粉末として酸化チタンを用いて成ることを特徴とする請求項1に記載のポリフェニレンエーテル樹脂組成物。
- 請求項1又は2に記載のポリフェニレンエーテル樹脂組成物を有機溶剤に溶解させて得られた樹脂ワニスを樹脂含有量が40〜65質量%となるように基材に含浸させると共に乾燥させて成ることを特徴とするプリプレグ。
- 請求項1又は2に記載のポリフェニレンエーテル樹脂組成物を有機溶剤に溶解させて得られた樹脂ワニスを樹脂含有量が75〜95質量%となるように基材に含浸させると共に乾燥させて成ることを特徴とするプリプレグ。
- 基材としてHガラスを用いて成ることを特徴とする請求項3又は4に記載のプリプレグ。
- 請求項3乃至5のいずれかに記載のプリプレグと金属層を積層して成ることを特徴とする積層板。
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