JP2006206667A - 印刷用インキ及び印刷方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ブロッキング故障を起こさず、作業環境を劣化させず、また印刷装置にもダメージを与えない印刷用インキ、及びそれを用いた印刷方法を提供する。
【解決手段】 枚葉印刷機の印刷に用いる印刷用インキにおいて、該印刷用インキがブロッキング防止パウダーを含有することを特徴とする印刷用インキ、及びそれを用いた印刷方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 枚葉印刷機の印刷に用いる印刷用インキにおいて、該印刷用インキがブロッキング防止パウダーを含有することを特徴とする印刷用インキ、及びそれを用いた印刷方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、印刷版材料に関し、特に枚葉印刷機に使用される印刷用インキ及び印刷方法に関する。
枚葉印刷機における印刷において、従来から印刷物のブロッキング防止のために澱粉を主成分とするブロッキング防止パウダーが使用されている。これは印刷された紙が一枚一枚積み重ねられるため、先に積まれた紙が後から順次積まれる紙の質量によって印刷物どうしが密着し、インキが次に積載される印刷された紙の裏面に転写されて印刷物どうしがはり付いてしまうブロッキングと呼ばれる印刷障害が発生するからである。このブロッキングは、印刷物の価値の低下、及び作業性の低下を招き、印刷クレームの大きな要因になっている。この印刷物の不都合を改善するために、印刷された紙の表面に裏移り防止パウダーがパウダースプレーノズルから散布されている。このブロッキング防止パウダーは、一般的に70μm以下、特に10μm〜30μmの範囲の粉末状であり、これを散布装置によって散布し、デリバリー部内で搬送されている印刷物の表面に付着させる。
このように、印刷された紙の表面に散布されるパウダーは、本来の印刷自体には必要ではなく、ブロッキング防止パウダーが拡散することにより作業環境が劣化したり、印刷機の各部に堆積し装置の劣化を早めたりしている。このため、印刷された紙に向けて散布されるパウダーの量は必要最小限にとどめることが望ましい。
しかし、印刷された紙に散布されるパウダーは前記のように微細粒子であるために、パウダースプレーノズルから散布されたパウダーの全量が印刷された紙に付着するわけでなく、飛散したパウダーを効率良く集塵することは極めて困難であった。
また、印刷速度の向上により、スプレーノズルからはより多くのパウダーが噴霧されることとなり、印刷された紙面に均一にパウダーを散布、付着させることが難しくなっている。
また、過剰なパウダーがデリバリー部内に浮遊し、各装置に付着してデリバリー部内を搬送中の印刷物にぼた落ちし印刷物の品質低下を生じている。
パウダーを長時間使用した後は印刷機を停止して掃除をする必要があるため、印刷機の稼動率低下という問題が生じている。このため、従来の技術として、多数考案されて(例えば、特許文献1〜3参照。)いる。しかしながら、これらの装置による方法は費用に対して効果が小さく、根本的な解決策になっていない。
特表2001−523605号公報 (特許請求の範囲、実施例)
特開2003−266634号公報 (特許請求の範囲、実施例)
特表2000−517259号公報 (特許請求の範囲、実施例)
本発明の目的は、ブロッキング故障を起こさず、作業環境を劣化させず、また印刷装置にもダメージを与えない印刷用インキ、及びそれを用いた印刷方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
(請求項1)
枚葉印刷機の印刷に用いる印刷用インキにおいて、該印刷用インキがブロッキング防止パウダーを含有することを特徴とする印刷用インキ。
枚葉印刷機の印刷に用いる印刷用インキにおいて、該印刷用インキがブロッキング防止パウダーを含有することを特徴とする印刷用インキ。
(請求項2)
前記ブロッキング防止パウダーの粒径が、5μm以上、70μm以下であることを特徴とする請求項1記載の印刷用インキ。
前記ブロッキング防止パウダーの粒径が、5μm以上、70μm以下であることを特徴とする請求項1記載の印刷用インキ。
(請求項3)
請求項1又は2記載の印刷用インキを用いて印刷することを特徴とする印刷方法。
請求項1又は2記載の印刷用インキを用いて印刷することを特徴とする印刷方法。
本発明により、ブロッキング故障を起こさない印刷の良好な印刷物の提供、作業環境の改善、及び印刷装置の負荷を軽減することができた。
本発明を更に詳しく説明する。
(ブロッキング防止パウダー)
従来から使用されているブロッキング防止パウダーは主に澱粉を主成分とし、表面にシリコン樹脂をコーティングして撥水性を持たせたものが主流であるが、本発明で使用されるものとしてはその他として、シリカ、炭酸カルシウム、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、フェノール樹脂などのプラスチック類、水酸化アルミニウム、アルミナ等の金属化合物、アラビアガム、シリコンゴム等のゴム類、セラミックス微粒子など、微粒子であればどのようなものでも使用が可能である。その中でも澱粉が好適に用いられる。
従来から使用されているブロッキング防止パウダーは主に澱粉を主成分とし、表面にシリコン樹脂をコーティングして撥水性を持たせたものが主流であるが、本発明で使用されるものとしてはその他として、シリカ、炭酸カルシウム、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、フェノール樹脂などのプラスチック類、水酸化アルミニウム、アルミナ等の金属化合物、アラビアガム、シリコンゴム等のゴム類、セラミックス微粒子など、微粒子であればどのようなものでも使用が可能である。その中でも澱粉が好適に用いられる。
粒径としては、5μm以上、70μm以下であるが、10μm以上、30μm以下がより好ましい。単分散物であれば更に好ましい。添加量としては、印刷用インキ中に100個/mm3以上、1,000個/mm3以下が好ましく、300個/mm3以上、800個/mm3以下がより好ましい。
(印刷用インキ)
主体となる印刷用インキとしては、枚葉印刷機で一般に用いられている石油系溶剤インキ、及び植物油系溶剤インキのどちらでも用いることが出来る。通常、4色印刷機では、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色が使用されるが、本発明では4色の全てにブロッキング防止パウダーを含有することが好ましい。これにより、どのような色合いの印刷物においても、ブロッキング防止性能を有することができる。
主体となる印刷用インキとしては、枚葉印刷機で一般に用いられている石油系溶剤インキ、及び植物油系溶剤インキのどちらでも用いることが出来る。通常、4色印刷機では、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色が使用されるが、本発明では4色の全てにブロッキング防止パウダーを含有することが好ましい。これにより、どのような色合いの印刷物においても、ブロッキング防止性能を有することができる。
(印刷)
本発明の印刷に用いられる印刷機としては、一般に公知の、湿し水及び枚葉インキを用いる枚葉オフセット印刷機が使用できる。
本発明の印刷に用いられる印刷機としては、一般に公知の、湿し水及び枚葉インキを用いる枚葉オフセット印刷機が使用できる。
本発明では、平版印刷版材料を、通常の印刷用インキの替わりにブロッキング防止パウダー含有印刷用インキを用いて印刷する。その印刷条件は通常の印刷と何ら変わりは無い。印刷はまず片面を印刷する。ブロッキング防止パウダー噴霧は行なわない。その後、裏面の印刷を行なう。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。使用する印刷用インキに下記パウダーを混合し、ミキサーを用いて10分間攪拌した。その印刷用インキを用い通常の印刷条件で印刷を行なった。
(ブロッキング防止パウダー)
ブロッキング防止パウダーとしては、次に挙げるものを使用した。
ブロッキング防止パウダーとしては、次に挙げるものを使用した。
パウダーA:ニッカ(株)製、ブロッキング防止パウダー(ニッカリコAS−100:平均粒径20μm)
パウダーB:原料のトウモロコシ10kgを送風精選機、石分離機でゴミを取り除き、0.30%の亜硫酸水50Lに浸漬した。50時間後、軟かくなったトウモロコシをグラインダーで磨砕し、次に水槽に流し込み、攪拌し液面に浮かんだ胚芽を取り除き、澱粉液をシフトして澱粉を沈澱させ、これを脱水機にかけて水分が10%になるまで乾燥させた。
パウダーB:原料のトウモロコシ10kgを送風精選機、石分離機でゴミを取り除き、0.30%の亜硫酸水50Lに浸漬した。50時間後、軟かくなったトウモロコシをグラインダーで磨砕し、次に水槽に流し込み、攪拌し液面に浮かんだ胚芽を取り除き、澱粉液をシフトして澱粉を沈澱させ、これを脱水機にかけて水分が10%になるまで乾燥させた。
その後、(株)栗本鐵工所製、クロスジェットミルで粉砕した。(株)島津製作所製、レーザー回折式粒度分布測定装置(SALD−2200)を用いて測定し、中心粒径20μmの澱粉パウダーを得た。
パウダーC:綜研化学(株)製、PMMA粒子(MR−20G:平均粒径20μm)
パウダーD:住友化学工業(株)製、水酸化アルミニウム(CW−375HT:平均粒径80μm)
(枚葉プロセス印刷用インキ)
東洋インキ製造(株)製、TKハイユニティ(紅)を用いた。この印刷用インキに前記パウダー各種を500個/mm3となる量を添加し、印刷を行なった。各、印刷用インキは以下の通り。
パウダーD:住友化学工業(株)製、水酸化アルミニウム(CW−375HT:平均粒径80μm)
(枚葉プロセス印刷用インキ)
東洋インキ製造(株)製、TKハイユニティ(紅)を用いた。この印刷用インキに前記パウダー各種を500個/mm3となる量を添加し、印刷を行なった。各、印刷用インキは以下の通り。
印刷用インキN:パウダー添加は無し
印刷用インキA:パウダーAを添加
印刷用インキB:パウダーBを添加
印刷用インキC:パウダーCを添加
印刷用インキD:パウダーDを添加
(印刷条件)
次に示す条件で印刷を行なった。
印刷用インキA:パウダーAを添加
印刷用インキB:パウダーBを添加
印刷用インキC:パウダーCを添加
印刷用インキD:パウダーDを添加
(印刷条件)
次に示す条件で印刷を行なった。
印刷機:三菱重工工業(株)製DAIYA F−1
印刷用紙:OKトップコート
印刷版:コダックポリクロームグラフィックス(株)製、TP−R
印刷速度:9,000枚/時
なお、水準No.2のみ、8個/mm2となるように印刷機のブロワーでパウダー噴霧を行なった。
印刷用紙:OKトップコート
印刷版:コダックポリクロームグラフィックス(株)製、TP−R
印刷速度:9,000枚/時
なお、水準No.2のみ、8個/mm2となるように印刷機のブロワーでパウダー噴霧を行なった。
(ブロッキング防止性)
ベタ部分が紙面の50%以上の画像を3,000枚印刷して棒積みにし、24時間放置する。その後、一番下に積まれていた100枚の貼り付きをチェックした。少しも貼り付きの無いものを合格(○)とし、少しでも貼り付きのあるものを(×)とした。
ベタ部分が紙面の50%以上の画像を3,000枚印刷して棒積みにし、24時間放置する。その後、一番下に積まれていた100枚の貼り付きをチェックした。少しも貼り付きの無いものを合格(○)とし、少しでも貼り付きのあるものを(×)とした。
(作業環境)
リオン(株)製、パーティクルカウンター(KC−20)を用いて、印刷機排紙部前1mの距離で10μm以上の浮遊粒子数の測定を行なった。計測粒子数が1L当たり500個以下であるものなら合格である。
リオン(株)製、パーティクルカウンター(KC−20)を用いて、印刷機排紙部前1mの距離で10μm以上の浮遊粒子数の測定を行なった。計測粒子数が1L当たり500個以下であるものなら合格である。
(装置への影響)
5万枚連続で印刷を行ない、刷り終わった時点で印刷機各部にパウダーの堆積の無いものを合格(○)とし、少しでも堆積のあるものを(×)とした。
5万枚連続で印刷を行ない、刷り終わった時点で印刷機各部にパウダーの堆積の無いものを合格(○)とし、少しでも堆積のあるものを(×)とした。
(印刷品質)
ベタ画像、50%網点画像において、かすれ、欠けのないものを合格(○)とし、少しでもかすれ、欠けのあるものを(×)とした。
ベタ画像、50%網点画像において、かすれ、欠けのないものを合格(○)とし、少しでもかすれ、欠けのあるものを(×)とした。
表1より、本発明の印刷用インキは、ブロッキング性、環境適性に優れ、印刷機への影響もない優れた性質を有していることがわかる。
Claims (3)
- 枚葉印刷機の印刷に用いる印刷用インキにおいて、該印刷用インキがブロッキング防止パウダーを含有することを特徴とする印刷用インキ。
- 前記ブロッキング防止パウダーの粒径が、5μm以上、70μm以下であることを特徴とする請求項1記載の印刷用インキ。
- 請求項1又は2記載の印刷用インキを用いて印刷することを特徴とする印刷方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005017888A JP2006206667A (ja) | 2005-01-26 | 2005-01-26 | 印刷用インキ及び印刷方法 |
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JP2005017888A JP2006206667A (ja) | 2005-01-26 | 2005-01-26 | 印刷用インキ及び印刷方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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Family
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JP2005017888A Pending JP2006206667A (ja) | 2005-01-26 | 2005-01-26 | 印刷用インキ及び印刷方法 |
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JP (1) | JP2006206667A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011213944A (ja) * | 2010-04-01 | 2011-10-27 | Niwa Insatsu Kk | インキ、印刷方法及び印刷物 |
JP2013144764A (ja) * | 2012-01-16 | 2013-07-25 | Seiko Epson Corp | クリアインク組成物 |
JP2016053143A (ja) * | 2014-09-04 | 2016-04-14 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 平版印刷インキ組成物 |
JP2016056217A (ja) * | 2014-09-05 | 2016-04-21 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 平版印刷インキ組成物 |
KR20160111488A (ko) | 2014-02-25 | 2016-09-26 | 가부시키가이샤 티앤케이 도카 | 잉크 조성물, 인쇄물 및 인쇄 방법 |
-
2005
- 2005-01-26 JP JP2005017888A patent/JP2006206667A/ja active Pending
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US10105364B2 (en) | 2014-02-25 | 2018-10-23 | T&K Toka Co., Ltd. | Ink composition, printed matter and printing method |
JP2016053143A (ja) * | 2014-09-04 | 2016-04-14 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 平版印刷インキ組成物 |
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