JP2006205693A - プラテン及びインクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】インク吸収部材に付着したインクによって記録用紙や使用者の手を汚すことがなく、インク吸収部材の寸法管理が容易で、設計の自由度が高く、画像記録装置の小型化に寄与するプラテン及びこのプラテンを搭載したインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】プラテン26は、プラテン本体26aと、プラテン本体26a上に載置されるインク吸収部材53と、インク吸収部材53の上方を覆うプラテンカバー46とからなる。インク吸収部材53の上面がプラテンカバー46によって覆われているので、記録用紙の裏面や使用者の手がインク吸収部材に接触して汚れることがない。また、プラテンカバー46でインク吸収部材53の上方を覆うことで、インク吸収部材53の形状を規制することが可能である。
【選択図】 図7

Description

本発明は、被記録媒体(例えば、記録用紙)の全面に余白無く画像を記録する、いわゆる縁無し画像記録が可能なインクジェット記録装置に用いられるプラテン及びそのプラテンを搭載したインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録装置においては、主走査方向に往復移動可能なキャリッジに搭載した記録ヘッドにおけるインク吐出面が、被記録媒体としての記録用紙の記録面に対向して設けられており、更に記録用紙を下から支持することによりインク吐出面と記録用紙の記録面との距離を規定するプラテンが設けられている。そして、このプラテンによって記録用紙を支持した状態でインク吐出面よりインクを吐出することで画像の記録が行われている。
従来、この種のインクジェット記録装置においては、記録用紙の記録面より大きい領域にインクを吐出することで記録用紙全面に余白無く画像を記録する、いわゆる縁無し画像記録が可能なものが実現されている。このようなインクジェット記録装置として、例えば特許文献1に記載されているインクジェット記録装置がある。縁無し画像記録を実現するため、このインクジェット記録装置に搭載されているプラテンにはインク打ち捨て用の溝穴が設けられているとともに、その溝穴に弾性吸収体からなるインク吸収部材が収納されている。そして、記録用紙の端部に余白無く記録するために打ち捨てられたインクはこのプラテンに設けられている溝穴内に収納されたインク吸収部材に吸収されるのである。したがって、打ち捨てられたインクが記録用紙に再付着したり、次の記録用紙に付着したりすることがないため、記録用紙の汚損を防止することができる。
一方、特許文献2に記載に記載されているように、記録ヘッドの記録可能領域に対向するプラテン上の部位にインク吸収部材を配置せずに縁無し画像記録を可能としたインクジェット記録装置が提案されている。このインクジェット記録装置は、記録ヘッドの記録可能領域と対向する部位に斜面が形成されているプラテンと、この斜面の下方に配置された廃インク吸収体とを備えている。そして、斜面には複数のリブがそれぞれ記録用紙の搬送方向に延びるように形成され、かつ記録用紙搬送方向と交差する方向に所定の間隔で配置されており、各リブの一部が欠損している。この欠損部おいて、縁無し画像記録時に打ち捨てられるインクが吐出され、打ち捨てられたインクは斜面を流通して廃インク吸収体に吸収される。
特開2002−86821号公報 特開2004−9407号公報
一般にインクジェット記録装置では、記録用紙が装置内で紙ジャム(紙詰まり)を生じた場合やインクカートリッジを交換する場合に、使用者が装置のカバーを開けて装置内に手を入れて作業することになる。
しかしながら、特許文献1に記載のプラテンでは、プラテンの上面に設けられている溝穴内にインク吸収部材が収納されているため、使用者が装置のカバーを開けた際、このインク吸収部材が剥き出しの状態になり、経時的に汚損したインク吸収部材に作業中の使用者の手が直接触れてしまって、使用者の手がインクで汚れてしまうおそれがある。
また、インク吸収部材を配置する際、このインク吸収部材の上面が搬送される記録用紙の裏面に接触しないようにするために、プラテン面に形成されたリブの上端より上に突出しないように配置する必要がある。そのためには、インク吸収部材の寸法及び形状を厳密に管理したうえでプラテン上に配置する必要があるが、インク吸収部材に用いられる弾性吸収体のような形状の安定しない素材は寸法及び形状の管理に手間がかかり、更にインク吸収部材をプラテンに組み込む作業等にも手間がかかる。
また、インク吸収部材に毛羽立ちが生じると、プラテンの溝穴からインクで汚れた繊維等が突出し、これが記録用紙の裏面(記録面でない面)に接触することで記録用紙の裏面が汚れてしまうおそれがある。
一方、インク吸収部材は経時的にインクによって汚損されるものであるため、使用者が装置のカバーを開けると、プラテンの溝穴内に収納されている汚れた状態のインク吸収部材が使用者に直接見えてしまうことになる。インクで汚れた部位が目立つということは装置内に手を入れて作業をしなければならない使用者にとって気持が良いものではない。したがって、このような不快感を使用者に与えないために、インク吸収部材の汚れを目立たせないようにすることが必要であり、そのための対策として、インク吸収部材に黒色や濃い灰色等の部材を用いなければならない。このため、インク吸収部材の素材の選定等に規制がかかり、設計の自由度が低下するという問題もある。
一方、特許文献2に記載のプラテンでは廃インク吸収体がプラテンの下方に設けられている。そのため、記録用紙の裏面に廃インク吸収体が回収したインクが付着して汚れてしまうおそれがない。また、使用者が装置のカバーを開けて装置内にて手を入れて作業をしても、使用者の手が廃インク吸収体に直接触れてしまうおそれもないし、また汚れた廃インク吸収体が使用者に直接見えてしまうこともない。
しかし、特許文献2に記載のプラテンでは、廃インク吸収体がプラテン外に配置されているため、廃インク吸収体を収納するケースを別途設ける必要があるため、部品点数が多くなりコストを削減することができないという問題がある。更に、インク吸収部材がプラテンの下方に配置されていることで、このインク吸収部材を含むプラテン周囲の機構の高さを低くすることが困難であり、そのため画像記録装置全体の小型化を図る際の支障になるという問題もある。
本発明は上記問題を解決するためになされており、下記のような特徴を有するプラテン及びそのプラテンを用いたインクジェット記録装置を提供することを目的としている。
即ち、使用者が装置のカバーを開けて装置内に手を入れて作業をする際に、インク吸収部材に手が触れてインクで手が汚れることがない。記録用紙にインク吸収部材が接触してインクで記録用紙の裏面が汚れることがない。インク吸収部材の寸法精度を高くする必要がない。インク吸収部材のケースをプラテン以外に別途設ける必要がない。インク吸収部材の材質及び形状等の設計の自由度が向上する。画像記録装置全体の小型化を図ることが可能である。
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載のプラテンは、インクジェット記録装置本体内で所定方向に沿って搬送される被記録媒体上にインク滴による縁無し画像記録が可能な記録ヘッドの下方にて被記録媒体の下面を支持するプラテンであって、縁無し画像記録時に記録ヘッドから吐出されたインク滴のうち被記録媒体に着弾しなかった余剰インクを吸収するインク吸収部材と、このインク吸収部材が載置されるプラテン本体と、このプラテン本体上に配置され、インク吸収部材を上方から覆うプラテンカバーとを備えることを特徴とする。更に、プラテン本体は、縁無し画像記録時における記録ヘッドの記録可能領域に対向する位置に設けられ、余剰インクを受けるインク受け部と、このインク受け部で受けた余剰インクをインク吸収部材へと誘導するインク誘導部とを備えることを特徴とする。
なお、プラテン本体及びプラテンカバーの素材としては、硬質の合成樹脂等が用いられ、それぞれ一体成型された部材で構成されることが好ましい。また、インク吸収部材には、発泡ポリウレタン等の多孔質材用や紙や布等の繊維質材料のような吸収性が良好な素材が用いられることが好ましい。また、ここでいうインク誘導部とは、例えば、プラテン本体上にインク受け部からインク吸収部材へ連通する溝を形成し、この溝における傾斜や毛細管現象を利用してインクを誘導するものや、斜面を形成して斜面の下方に配置されたインク吸収部材へインクを誘導するもの等の何れであってもよい。
このように構成されたプラテンによれば、縁無し画像記録時に打ち捨てられた余剰インクを回収するためのインク吸収部材がプラテンカバーによって覆われているので、使用者がインクジェット記録装置のカバーを開け、装置の中に手を入れてインクカートリッジの交換や紙詰まりの除去といった作業をする際に、使用者の手が余剰インクで汚れたインク吸収部材に触れることがなく、使用者の手が汚れない。また、インク吸収部材が使用者から直接見えないため、吸収したインクの跡が目立たないような材質のインク吸収部材を用いる必要がない。したがって、素材の色に関係なくインク吸収能力の高い素材を用いることができるので性能が向上する。また、インク吸収部材の上面がプラテンカバーによって覆われているので、被記録媒体(記録用紙)の裏面がインク吸収部材に接触して汚れることがない。
更に、プラテンカバーによってインク吸収部材の高さが規定されるので、インク吸収部材の大きさや形状にばらつきがあっても、記録用紙の裏面がインク吸収部材に接触することがない。したがって、インク吸収部材の寸法及び形状を厳密に管理する必要がなく、インク吸収部材の組み込みにも手間がかからない。また、インク吸収部材がプラテン上に配置されることでインク吸収部材を配置するためのケースを別途設ける必要がないため、部品点数の削減及び画像記録装置全体の小型化にも寄与する。
また、請求項2に記載のプラテンのように、インク誘導部がプラテンカバーの下方を通ってインク吸収部材の配置箇所へ連通していることで、プラテンカバーの下方を通るインク誘導部に使用者の手や記録用紙の裏面が触れることがなく、これらを汚してしまうおそれがない。
一方、インクジェット記録装置において高画質の記録を実現するためには、記録ヘッドのインク吐出面と記録用紙の記録面との間隙(紙面間ギャップともいう。)を適切な大きさに保つことが肝要である。
そこで、請求項3に記載のプラテンのように、プラテンカバー上面に、記録ヘッドのインク吐出面と被記録媒体との間隙を適切な大きさに保つように被記録媒体の下面を支持するための、被記録媒体の搬送方向と直交する方向に一定の高さで連続して形成された支持部が設けられているとよい。
なお、ここでいう一定の高さで連続して形成された支持部とは、例えば、平面で記録用紙を支える構成や、突出した筋道状の突条部の頂上で記録用紙を支える構成等の何れでもよい。
このように構成されたプラテンによれば、記録用紙をプラテン本体のみで支持するだけでなく、プラテンカバーによっても支持することができるので、紙面間ギャップをより安定して保つことができ、画質の向上を図ることが可能である。また、高画質な記録を行うために高密度でインクを吐出する場合のように、インクの湿気や重さ等によって記録用紙がたわみやすい状況であっても、面や突条部のような一定の高さで連続して形成された支持部によって記録用紙を支持するので、紙面間ギャップをより安定的に保つことができる。
ところで、特許文献1に記載のプラテンでは、打ち捨てられたインクを吸収するためにインク吸収部材を記録ヘッドの記録可能領域の直下に配置する必要があった。しかしながら、本発明の構成によれば、縁無し画像記録時に吐出された余剰インクを受けるインク受け部と、このインク受け部が受けた余剰インクをインク吸収部材へと誘導するインク誘導部とを有することで、インク吸収部材を記録ヘッドの記録可能領域の直下に配置する必要がない。即ち、請求項4に記載のプラテンのように、インク吸収部材がプラテン本体上の記録ヘッドの記録可能領域と対向する位置以外に配置されていても、記録ヘッドから打ち捨てられた余剰インクを回収することが可能である。したがって、本発明のプラテンにおいては、インク吸収部材の配置場所が記録可能領域の直下に限定されないので、設計上の都合に応じてインク吸収部材の配置場所を決めることができる。したがって、プラテンの大きさや形状に対する設計の自由度が向上するので、画像記録装置全体の小型化に寄与することができる。
請求項5に記載のインクジェット記録装置は、請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載のプラテンを搭載したことを特徴とする。このようなインクジェット記録装置によって、前述した請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の発明と同様の効果を奏するインクジェット記録装置を実現することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
[インクジェット記録装置1の全体構成]
図1は本発明の実施形態のインクジェット記録装置1の斜視図である。
インクジェット記録装置1は、プリンタ機能、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能等を備えた、いわゆる多機能装置(MFD:Multi Function Device)であり、被記録媒体として、紙又はプラスチックフィルム等のシート状の用紙Pが用いられる。
インクジェット記録装置1は、合成樹脂製のハウジング2の底部に、その前側に形成された開口部2aから差し込み可能な給紙カセット3を備える。また、給紙カセット3の上方には、記録済みの用紙Pが矢印A方向へ排出される排紙部10が設けられており、排紙部10から連通する排紙口は、ハウジング2の前面の開口部2aの上部に共通に設けられている。
給紙カセット3は、例えばA4サイズ、レターサイズ、リーガルサイズ、はがきサイズ等にカットされた用紙Pを複数枚収納可能に構成されている。各用紙Pは、その長辺が用紙搬送方向(副走査方向又はX軸方向)と平行になるように配置される。また、給紙カセット3の前端には、リーガルサイズ等の長い用紙Pの後端部を支持する補助支持部材3aがX軸方向に延出可能に装着されている。給紙カセット3内に納まるA4サイズ等の用紙Pを用いる場合には、給紙カセット3の前部に対して補助支持部材3aを給紙の妨げとならないように収納することができる。
一方、ハウジング2の上部には、コピー機能やファクシミリ機能における原稿読取の際に使用される画像読取装置12が配置されている。この画像読取装置12は図示しない枢軸部を介してハウジング2の一側端に対して上下開閉回動可能に構成されている。更に、画像読取装置12の上部には、画像読取装置12の上面を覆う原稿カバー体13が、画像読取装置12の後端に設けられた図示しない枢軸を中心に上下回動可能に装着されている。
画像読取りの際は、原稿カバー体13を上側に開けて載置用ガラス板上に原稿が載置された状態で、載置用ガラス板の下方にてY軸方向(主走査方向)に往復移動可能に設けられている原稿読取り用の密着型イメージセンサ(CIS:Contact Image Sensor)を原稿紙面に対して走査することによって原稿紙面の画像を読取る。
画像読取装置12の上面の原稿カバー体13の前方に各種操作ボタンや液晶表示部等を備えた操作パネル部14が設けられている。また、ハウジング2の前面の操作パネル部14の下方には、外部メモリを挿入するための外部メモリ挿入部11が備えられている。なお、ここでいう外部メモリとは、例えば、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア(登録商標)、メモリスティック(登録商標)、SDカード(登録商標)、xD(登録商標)等である。
図2は、画像読取装置12の下方に位置するハウジング2内部の構成を示す斜視図である。
図2に示すように、ハウジング2内部には、プリンタ機能実現するためのインクジェット式の記録ヘッド4(図4、図5参照)を搭載し、Y軸方向(主走査方向)へ往復移動可能なキャリッジ5及びその他の機構からなる記録部7が設けられている。なお、この記録部7についての詳細な説明は後述する。
また、ハウジング2内部の前部には、ハウジング2の上方に向かって開放されたインク貯蔵部15が設けられている。このインク貯蔵部15は、フルカラー記録のための4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)のインクを各々収容したインクカートリッジ19が、X軸線方向に沿って一列に収納されている。また、インクカートリッジ19は、インク貯蔵部15に対して上方から着脱可能に構成されており、インクの補充を行う場合は、このインクカートリッジ19ごと交換する。インクカートリッジ19を交換する際には、前述の画像読取装置12を上方へと開放し、開放されたハウジング2内部に手を入れて作業を行う。
各インクカートリッジ19に収容されているインクは、各インクカートリッジ19と記録ヘッド4とを結ぶ4本のインク供給管20を介して記録ヘッド4へ供給されるように構成されている。なお、4色よりも多数のインク色(6色又は8色等)を使用する場合には、そのインク色の数に対応した数のインクカートリッジをインク貯蔵部15に収納可能に構成し、インク供給管20をインクカートリッジの数に合わせて増やせばよい。各インク供給管20の一端部はキャリッジ5の基部の連結片における結合部5aにそれぞれ連結されている。
インク供給管20の他端部は、インク貯蔵部15の一端部15aの部分にて束ねられており、下カバー体29の上面にてY軸方向に沿って延設されている。また、インク供給管20は、下カバー体29の上面及び下カバー体29に設けられた縦仕切り板32と固定体33とによってキャリッジ5の往復移動に対して従動可能に支持されている。
そして、キャリッジ5に搭載された記録ヘッド4のノズルから選択的にインク滴を吐出させる指令信号を制御部(図示なし)から伝送するための帯状のフレキシブルフラットケーブル36が、結合部5aにてキャリッジ5へ連結されており、キャリッジ5の往復移動に対して従動可能に配置されている。
図3は、記録部7の平面図である。
記録部7は、金属板等からなるメインフレーム21を構成する左右一対の側板21aにて支持され、Y軸方向(主走査方向)に延びる横長の板状のガイド部材22,23と、これら両ガイド部材22,23に跨って搭載され主走査方向に往復移動可能に構成されたキャリッジ5と、このキャリッジ5に搭載されるインクジェット式の記録ヘッド4(図4,5参照)と、キャリッジ5を往復移動させるための動力を伝達するためのタイミングベルト24と、そのタイミングベルト24介してキャリッジ5を駆動するキャジッジモータ25(図2参照)と、搬送される用紙Pを記録ヘッドの下方にて支持する概略扁平板状のプラテン26と、Y軸方向(主走査方向)に沿って延びるように配置されてキャリッジ5のY軸方向(主走査方向)位置を検知するためのエンコーダストリップ及びその他の機構等を備える。
キャリッジ5は、CPU等からなる制御部(図示なし)により制御されることによりY方向(主走査方向)に往復移動することで記録ヘッド4を走査する。記録ヘッド4は、この走査時にインクを吐出することで記録ヘッド4の下方で停止配置されている用紙Pに画像を記録する。この際、用紙Pは搬送路を構成するプラテン26によって支持されている。即ち、記録ヘッド4はプラテン26の真上に位置し、記録ヘッド4による用紙Pへの画像記録はプラテン26の上方で行われる。
プラテン26の左側端部の用紙Pの搬送領域外に相当する位置には、記録ヘッド4が行うフラッシング動作の際に吐出されるインクを受ける廃インク受け34が形成されている。また、プラテン26の右側方のキャリッジ5の待機位置に相当する位置にはメンテナンスユニット35が、ガイド部材22,23によって支持されて搭載されている。記録ヘッド4は、廃インク受け34上方にて記録動作中に定期的にノズルの目詰まり防止のためのインク吐出(フラッシング)を行い、廃インク受け34はこの吐出された廃インクを受ける。一方、メンテナンスユニット35部分では、記録ヘッド4のノズル面のクリーニングを行ったり、各色のインクを選択的に吸引したり、記録ヘッド4上の図示しないバッファタンク内の気泡を除去するための回復処理等を行う。
なお、記録ヘッド4のノズル面(下面)には、複数のノズルからなるノズル列がX軸方向に沿って延び、インク色毎に設けられたノズル列がY軸方向に適宜間隔で形成されている。実施形態では、4色のインク色にそれぞれ対応するノズル列が4列あり、各ノズル列におけるノズルの配置間隔は、実施形態では75dpiである。
図4は、図3のX−X線矢視側断面図(即ち、記録部7の断面図)であり、図5は、図4の要所部分の拡大断面図である。
図4に示すように、給紙カセット3の後側には、用紙分離用の傾斜分離板である土手部8が配置されている。また、給紙カセット3の上方には、給紙を行うための給紙ローラ6を下端部に備えたアーム6aが設けられている。このアーム6aは、その上端部を軸に上下方向に回動可能に装着されている。
上記の構成において、制御部(図示なし)が画像記録の指令を受けると、図示しない駆動モータの作動により給紙ローラ6が回転駆動し、給紙カセット3に堆積された用紙Pのうちの最上位置のものを含む複数枚の用紙Pが給紙カセット3の後方(図4において右方向)へ給送される。そして、給紙ローラ6によって給送された複数の用紙Pは用紙分離用の土手部8の傾斜面によって1枚に分離される。分離された用紙Pは上横向きの給送路であるUターンパス9を介して給紙カセット3の上方に設けられた記録部7に給送される。
一方、図5に示すように、記録部7にはプラテン26の用紙搬送方向上流側にレジストローラ対27が配置されており、その更に上流側には、用紙Pの先端を検出するためのレバー55が設けられている。土手部8によって分離された用紙PがUターンパス9を介してレジストローラ対27の箇所に給送される途中に、当該用紙Pの先端がレバー55を押し退けることで、図示しないセンサで用紙Pの先端が検出され、このセンサから先端の検出信号が制御部へ送信される。制御部は、この検出信号を受信することによって用紙Pの先端を検出した所定時間経過後に記録ヘッド4のノズルからインクを吐出させるためのインク吐出指令を送信するように構成されている。
レジストローラ対27へ搬送された用紙Pは、下方からプラテン26に支持されながらこのレジストローラ対27によって記録ヘッド4の下方へ送られる。そして、制御部からの吐出指令に基づき記録ヘッド4からインクが吐出されることで用紙Pに対して記録が行われる。プラテン26の用紙搬送方向(矢印A方向)下流側には用紙Pの上面に接する拍車ローラ28a,56と下面に接する排紙ローラ28bとが配置されており、記録済みの用紙Pは拍車ローラ28aと排紙ローラ28b,56とによって排紙部10へ搬送される。
なお、本実施形態のインクジェット記録装置1は、各図に示す矢印A方向に搬送される用紙Pの先端縁から後端縁まで余白なく画像記録(縁無し画像記録)が可能なモードを備えている。本実施形態のインクジェット記録装置1は、ユーザーによる選択指令により、この縁無し画像記録モードと縁有り画像記録モードを選択的に実行可能に構成されている。この縁無し画像記録は、用紙Pの記録面よりも大きい範囲にインクを吐出することによって縁無し画像記録を実現するものであり、用紙Pの記録面に付着しなかったインクは余剰インクとして廃棄(回収)される。
[プラテン26の構成]
次に、本実施形態のプラテン26の構成について詳述する。
図7のプラテン26の斜視図に示すように、プラテン26は、平面視略矩形の箱型の合成樹脂成型品であるプラテン本体26aと、プラテン本体26a上面の用紙搬送方向(矢印A方向)下流側をY軸方向に沿って覆うように取り付けられた平面視略矩形の平板状の合成樹脂成型品であるプラテンカバー46と、プラテン本体26aの上面に載置され、かつプラテン本体26aの上面がプラテンカバー46によって覆われることで形成されるプラテン本体26a上の内部空間に収納されるインク吸収部材53(図9(b)参照)とで構成されている。
図8は、プラテン26からプラテンカバー46及びインク吸収部材53を除いた状態のプラテン本体26aを示す図であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のB面矢視側断面図である。
プラテン本体26aは、用紙搬送方向(矢印A方向)上流側に配置されて用紙Pの裏面と対向する平板状の棚板部40を有する。このY軸方向に長い棚板部40の用紙搬送方向上流側には、上向き開放された断面コ字状の凹板部42部が連接して設けられている。
また、棚板部40の用紙搬送方向下流側端部には、当該棚板部40より相対的に低い位置にインク受け部43が連接して設けられている。このインク受け部43は、縁無し画像記録時に記録ヘッド4から吐出される余剰インクを受けるためのものであり、縁無し画像記録領域G2(図6に示し、記録ヘッド4における縁無し画像記録時のインク吐出領域をいう)のX軸方向幅に相当する大きさの幅を有し、用紙搬送方向下流側に向かって下向き傾斜している。
そして、インク受け部43の用紙搬送方向下流側には、縁無し画像記録時に吐出される余剰インクを吸収するためのインク吸収部材53が載置される凹板状の載置部45が、インク受け部43よりも相対的に低い位置に設けられている。なお、インク受け部43と載置部45とは、インク受け部43の用紙搬送方向下流側端部から続いて下向きに形成された壁面部44を介して連接している。
また、棚板部40、凹板部42、インク受け部43、壁面部44及び載置部45のY軸方向(主走査方向)の両側端において一体に形成される側枠48が設けられている。そして、左側の側枠48の側方には、前述の廃インク受け34が一体的に形成されている。
そして、棚板部40及び凹板部42上には、X軸方向に沿って長く、Y軸方向に適宜間隔にて形成されている複数本の上流側リブ41が設けられている。この上流側リブ41は、プラテン26上を搬送される用紙Pを下方から支持するものであり、凹板部42の用紙搬送方向上流側端部から棚板部40とインク受け部43との連接部(即ち、棚板部40の下流側端部)まで延設されている。
一方、インク受け部43には、用紙Pの前端部及び後端部をそれぞれ支持するための複数種類のリブである第1リブ49と、第2リブ50とが用紙搬送方向(X軸方向)に沿って延びるように設けられている。
第1リブ49は、インク受け部43の上面の各上流側リブ41の用紙搬送方向の延長線上に突出形成され、かつ用紙搬送方向下流側に向かって上方へ傾斜形成されている。また、第1リブ49は、棚板部40とインク受け部43との連接部分(即ち、インク受け部43の用紙搬送方向上流側端部)から始まり、インク受け部43の用紙搬送方向下流側端部で最上部を形成し、そこから壁面部44に沿って下方へと伸び、壁面部44の下端まで形成されている。
第2リブ50は、Y軸方向において並行して設けられている第1リブ49同士の中間に位置するように設けられ、第2リブ50の上端面はインク受け部43の上面にて水平となるよう突出形成されている。また、第2リブ50の上端面の高さ位置は、第1リブ49よりも低く形成されている。また、第2リブ50は第1リブと同じく、棚板部40とインク受け部43との連接部分(即ち、インク受け部43の用紙搬送方向上流側端部)から始まり、インク受け部43の用紙搬送方向下流側端部で最上部を形成し、そこから壁面部44に沿って下方へと延び、壁面部44の下端まで形成されている。
そして、インク受け部43と載置部45の上面及び壁面部44には、用紙搬送方向に沿って延びる底面に丸め形状を有する断面V字状の上向き開放状のV溝51がY軸方向(主走査方向)全域にわたって多数並行して形成されている。このV溝51は、特許請求の範囲のインク誘導部に相当し、縁無し画像記録時に吐出されインク受け部43で受けた余剰インクをインク吸収部材53に吸収させるべく載置部45へ流通させるためのインク流通路である。V溝51は、インク受け部43の棚板部40との連接部分(即ち、インク受け部43の用紙搬送方向上流端部)から始まり、壁面部44を通って、載置部45の用紙搬送方向下流側端部付近まで連通している。
載置部45上面の用紙搬送方向上流側には、インク吸収部材53を位置決め支持するための平板状の位置決め突起54がY軸方向に適宜間隔で突出形成されている。インク吸収部材53は、載置部45上のこの位置決め突起54より下流側のほぼ全面に載置され、位置決め突起54及び載置部45の用紙搬送方向下流側端部の壁面によって、ずれないように支持される。なお、このインク吸収部材53の配置状況の詳細については後述する。
図9は、プラテンカバー46を示す図であり、(a)はプラテンカバー46の斜視図、(b)は(a)のC面矢視側断面図である。なお、(b)では説明の便宜上、プラテンカバー46をプラテン本体26aに装着した状態のプラテン本体26a及びインク吸収部材53の断面を二点鎖線で示している。
プラテンカバー46は、上述のようにプラテン本体26a上面の用紙搬送方向(矢印A方向)下流側をY軸方向に沿って覆うように取り付けられた平面視略矩形の平板状の合成樹脂成型品であり、プラテン本体26aの載置部45に載置されるインク吸収部材53の上方を覆うように取り付けられる。図9に示すように、プラテンカバー46は、側壁部46aと、突条支持部46bと、面状支持部46cと、爪部47とを有する。
側壁部46aは、プラテンカバー46の矢印A方向に示す用紙搬送方向上流側端部にほぼ垂直に形成された壁面である。
突条支持部46bは、側壁部46aの上端で用紙搬送方向下流側に向かって上向き傾斜面とそれに続く下向き傾斜面とからなる側面視三角形の突条がY軸方向(主走査方向)に沿って連続して形成されたものであり、プラテン26上を搬送される用紙Pを下方から支持するためのものである。
面状支持部46cは、突条支持部46bから用紙搬送方向下流側に向かって上方へなだらかに傾斜している平面と略水平な平面とからなり、インク吸収部材53を上方から覆い、更にプラテン26上を搬送される用紙Pを下方から支持する。
爪部47は、面状支持部46cのY軸方向(主走査方向)両端から側方へ延出するように形成された舌片状の小片であり、この爪部47がプラテン本体26aの側枠48と係合することでプラテンカバー46がプラテン本体26aに支持されてプラテン本体26aに装着される。このとき、プラテンカバー46の下面と載置部45の上面との間にインク吸収部材53を収納するための空間が形成される。また、載置部45上面に形成されているV溝51は、用紙搬送方向上流側から側壁部46aの下端部の下方を通って用紙搬送方向下流側にあるインク吸収部材53へと連通している。
このように構成されるプラテンカバー46は、インク吸収部材53を覆うカバーとして機能を有するだけでなく、突条支持部46b及び面状支持部46cによって、プラテン26上を搬送される用紙Pを下方から支持する機能を併せ持っている。
ここで、記録部7におけるプラテン26周辺の拡大断面図である図6を参照して、画像記録時におけるプラテン26及びその周辺の機構の機能について詳しく説明する。
縁有り画像記録領域G1は、記録ヘッド4のX軸方向に並ぶ全てのノズル(本実施形態では75個)がインクを吐出する際の記録可能範囲である。この縁有り画像記録領域G1は、上流側リブ41の用紙搬送方向中途部から、プラテンカバー46の側壁部46aまでの範囲に設定されている。
縁無し画像記録領域G2は、記録ヘッド4の用紙搬送方向下流端のノズルを1番目のノズルとして用紙搬送方向上流へ向かって7番目から28番目までのノズルがインクを吐出する際の記録可能範囲である。この縁無し画像記録領域G2は、インク受け部43の用紙搬送方向上流側端部からこのインク受け部43上に形成されている第1リブ49の最上点49aまでの範囲に設定されている。
そして、縁有り画像記録領域G1の用紙搬送方向下流側端部と縁無し画像記録領域G2の用紙搬送方向下流側端部と間には、1番目から6番目までのノズルがインクを吐出する際の記録可能範囲に相当する余裕領域G3が設定されている。
縁有り画像記録モードでは、矢印A方向に断続的に搬送される用紙Pに対して縁有り画像記録領域G1に対応する75個のノズルからインクを吐出させて、所定の画像記録を実行する。縁有り画像記録モードでは、用紙Pの上下左右端縁から所定寸法(例えば3mm〜5mm)程度の範囲に対してはインクが吐出されず、余白部分となる。
したがって、縁有り画像記録モードにおけるインクの吐出は、次のようなタイミングで開始される。即ち、用紙Pがプラテン26上を矢印A方向へ搬送される途中において、当該用紙Pの先端縁が、縁有り画像記録領域G1の用紙搬送方向下流側へ余白部分の寸法に相当する距離だけ突出する位置まで到達した時点で、インクの吐出が開始される。このとき、用紙Pの先端部近傍が第1リブ49における最上点49aによって支持されている。
そして、用紙Pの画像記録が完了した部位は順次用紙搬送方向下流へと送られていくが、このとき、プラテンカバー46上面に形成された突条支持部46b及び面状支持部46cが、インクが載って重くなった用紙Pを下方から支持することによって、用紙Pの上面とノズル面とのギャップを適切な大きさ保持することができる。このギャップは実施形態では1.76mm程度であり、このギャップが大き過ぎると、ノズルから吐出されたインク滴が空気中に霧散してしまい良好な画質が得られない。反対にギャップが小さ過ぎると、ノズル面に用紙Pの上面が摺接してしまい記録不良となる。
インクの吐出の終了については、用紙Pの後端縁が、縁有り画像記録領域G1の用紙搬送方向上流側に余白部分の寸法に相当する距離だけ残された位置でインク吐出が終了して記録が終了する。
そして、記録が完了した用紙Pはプラテンカバー46における突条支持部46b及び面状支持部46cに支持されながら用紙搬送方向下流側の拍車ローラ28aと排紙ローラ28bとの間に送られ、排紙部10へと排紙される。なお、画像記録が行われた後の用紙Pが用紙搬送方向下流側に搬送される際にこの用紙Pの先端が浮き上がると、下流側の排紙ローラ28b、拍車ローラ28aの箇所に届く前に紙ジャムが発生しやすいので、拍車ローラ56によって用紙Pの先端側の浮き上がりを防止している。
一方、縁無し画像記録モードでは、縁無し画像記録領域G2に対応する22個(7番目〜28番目)のノズルからインクを吐出させて、用紙Pの端縁部に対して余白無く画像の記録を行う。
したがって、縁無し画像記録モードにおけるインクの吐出は、次のようなタイミングで開始される。即ち、用紙Pが用紙搬送方向上流側から給送されてプラテン26上を上流側リブ41に支持されつつ矢印A方向へ搬送される途中において、当該用紙Pの先端縁が縁無し画像記録領域G2に進入した時点で、記録ヘッド4の縁無し画像記録領域G2に対応するノズルからインク吐出が開始される。ここでは、縁無し画像記録領域G2内において、用紙Pの記録面の範囲外にもインクを吐出することで、用紙Pの端縁部に対して余白無く記録を行う縁無し画像記録を実現している。即ち、用紙Pの先端縁よりも用紙搬送方向下流側に位置するノズルからもインク吐出されるので、当該用紙Pの先端縁に降りかからない余剰インクは、インク受け部43上面に形成された第1リブ49、第2リブ50及びV溝51に付着する。ここで、第1リブ49、第2リブ50及の上端面の高さが、上流側リブ41の上端面の高さより低く形成されており(図8(b)参照)、用紙Pが上流側リブ41に支持されていることで用紙Pの先端部の裏面は前記領域内リブの上端面には接触しない。よって、第1リブ49、第2リブ50に付着した余剰インクが用紙Pの裏面に付着することがない。
そして、用紙Pへの画像記録が進行し、当該用紙Pの後部がプラテンカバー46の突条支持部46bにて支持されつつ、当該用紙Pの後端縁が縁無し画像記録領域G2に進入し、かつこの後端縁が第1リブ49の最上点49aで支持されている状態で、当該後端縁に対する縁無し画像記録が実行される。この場合も、縁無し画像記録領域G2内において、用紙Pの記録面の範囲外にもインクを吐出することで、用紙Pの端縁部に対して余白無く記録を行うので、用紙Pの後端縁よりも用紙搬送方向上流側に位置するノズルからもインク吐出される。当該用紙Pの後端縁に降りかからない余剰インクは、インク受け部43上面に形成された第1リブ49、第2リブ50及びV溝51に付着する。
なお、インク受け部43に落ちた余剰インクは、V溝51の斜面を伝ってこのV溝51の底部に集まり、インク受け部43の傾斜やV溝の壁面による毛細管現象の作用によってV溝51に沿って用紙搬送方向下流方向へと流通し、載置部45へ到達する。そして、載置部45に載置されているインク吸収部材53に吸収されることによって回収される。
図10は、プラテン本体26aの載置部45におけるインク吸収部材53の配置状況を示す図であり、(a)は一部拡大平面図、(b)は(a)のD方向矢視断面図、(c)は(a)のE方向矢視断面図である。
インク吸収部材53は、例えば発泡ポリウレタン等の多孔質素材や紙、布等の繊維質素材のような吸収性に富む素材からなる平板状の部材である。インク吸収部材53は、プラテン本体の載置部45のY軸方向(主走査方向)の幅とほぼ同じ幅を有しており、図10(a)に示すように載置部45に載置される。このとき、インク吸収部材53は載置部45の用紙搬送方向(矢印A方向)上流側の端部よりやや下流よりに設けられた位置決め突起54及び載置部45の用紙搬送方向下流側端部の壁面によってX軸方向にずれないように支持される。また、このインク吸収部材53の高さ寸法はプラテンカバー46の下面に接触しない程度に設定されている。なお、図10(a)においては、載置部45の上面に形成されているV溝51の様子を示すために、インク吸収部材53の一部(図面右側端部付近)を破断して示しているが、実際には載置部45の右側端部までインク吸収部材53が存在している。
載置部45上面に形成されているV溝51は、インク吸収部材53の下面に沿ってインク吸収部材53の用紙搬送方向下流側端部にまで連通している。換言すれば、インク吸収部材53は、並行するV溝51群の上部に載っている状態になっている(図10(b),(c)参照)。
インク受け部43に落ちた余剰インクは、V溝51の斜面を伝ってこのV溝51の底部に集まり、インク受け部43の傾斜やV溝の壁面による毛細管現象の作用によってV溝51に沿って用紙搬送方向下流方向へと流通し、載置部45へ到達する。ここで、V溝51がインク吸収部材53の下面に沿ってのインク吸収部材53の用紙搬送方向下流側端部にまで連通しているため、余剰インクはV溝51を流通してインク吸収部材53の下方全域にわたって到達可能である。そして、余剰インクはインク吸収部材53の下面から吸収されることによって回収される。
[効果]
本実施形態のインクジェット記録装置1によれば、以下のような効果を奏する。
(1)縁無し画像記録時に打ち捨てられた余剰インクを回収するためのインク吸収部材53がプラテンカバー46によって覆われているので、使用者がインクジェット記録装置1の画像読取装置12を開放し、装置の中に手を入れてインクカートリッジ19の交換や紙詰まりの除去といった作業をする際に、使用者の手が余剰インクで汚れたインク吸収部材53に触れることがなく、使用者の手が汚れない。また、インク吸収部材53が使用者から直接見えないため、インク吸収部材53の素材に吸収したインクの跡が目立たないような素材を用いる必要がない。したがって、素材の色に関係なくインク吸収能力の高い素材を用いることができるので性能が向上する。また、インク吸収部材53の上面がプラテンカバー46によって覆われているので、用紙Pの裏面がインク吸収部材53に接触して汚れることがない。
(2)プラテンカバー46によってインク吸収部材53の高さが規定されるので、インク吸収部材53の大きさや形状にばらつきがあっても、用紙Pの裏面がインク吸収部材53に接触することがない。したがって、インク吸収部材53の寸法及び形状を厳密に管理する必要がなく、インク吸収部材53の組み込みにも手間がかからない。また、インク吸収部材53を大きくすることが容易になり、より多くのインクを吸収することができるので、インク吸収部材53の交換間隔が長くなり、メンテナンスが容易である。また、インク吸収部材53がプラテン上に配置されることでインク吸収部材を配置するためのケースを別途設ける必要がないため、部品点数の削減及び画像記録装置全体の小型化にも寄与する。
(3)プラテンカバー46に形成された突条支持部46b及び面状支持部46cによって画像が記録された用紙Pを支持することにより、紙面間ギャップをより安定して保つことができ、画質の向上を図ることが可能である。また、高画質な記録を行うために高密度でインクを吐出する場合のように、インクの湿気や重さ等によって用紙Pがたわみやすい状況であっても、面及び突条部のような一定の高さで連続して形成された支持部によって用紙Pを支持するので、紙面間ギャップをより安定的に保つことができる。
(4)プラテン本体26aにインク吸収部材53を載置するための載置部45が一体に形成され、かつ記録ヘッド4の記録可能領域以外に配置されていることで、薄型の形状を有するプラテン26を実現している。これにより装置内のスペースが節約され、インクジェット記録装置1の薄型化に貢献することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、画像記録装置内でのスペースや他の機構との位置関係等の設計上の都合に応じて、プラテン本体26aの載置部45を記録ヘッド4の記録可能範囲の用紙搬送方向上流側や記録可能範囲の下方や側方等の様々な位置に形成してもよい。
実施形態のインクジェット記録装置の斜視図である。 実施形態のインクジェット記録装置内部の記録部周辺の構成を示す斜視図である。 記録部の平面図である。 記録部の断面図である。 記録部の一部拡大断面図である。 記録部のプラテン周辺の拡大断面図である。 実施形態のプラテンの斜視図である。 プラテン本体の斜視図及び断面図である。 プラテンカバーの斜視図及び断面図である。 プラテン上のインク吸収部材の配置状況を示す図であり、(a)は一部拡大平面図、(b)は(a)のD方向矢視断面図、(c)は(a)のE方向矢視断面図である。
符号の説明
1…インクジェット記録装置、2…ハウジング、2a…開口部、3…給紙カセット、3a…補助支持部材、4…記録ヘッド、5…キャリッジ、5a…結合部、6…給紙ローラ、6a…アーム、7…記録部、8…土手部、9…Uターンパス、10…排紙部、11…外部メモリ挿入部、12…画像読取装置、13…原稿カバー体、14…操作パネル部、15…インク貯蔵部、15a…一端部、19…インクカートリッジ、20…インク供給管、21…メインフレーム、21a…側板、22,23…ガイド部材、24…タイミングベルト、25…キャリッジモータ、26…プラテン、26a…プラテン本体、27…レジストローラ対、28a,56…拍車ローラ、28b…排紙ローラ、29…カバー体、32…縦仕切り板、33…固定体、34…廃インク受け、35…メンテナンスユニット、36…フレキシブルフラットケーブル、40…棚板部、41…上流側リブ、42…凹板部、43…インク受け部、44…壁面部、45…載置部、46…プラテンカバー、46a…側壁部、46b…突条支持部、46c…面状支持部、47…爪部、48…側枠、49…第1リブ、50…第2リブ、51…V溝、53…インク吸収部材、54…位置決め突起、55…レバー、G1…縁有り画像記録領域、G2…縁無し画像記録領域、G3…余裕領域、P…用紙

Claims (5)

  1. インクジェット記録装置本体内で所定方向に沿って搬送される被記録媒体上にインク滴による縁無し画像記録が可能な記録ヘッドの下方にて前記被記録媒体の下面を支持するプラテンであって、
    縁無し画像記録時に前記記録ヘッドから吐出されたインク滴のうち前記被記録媒体に着弾しなかった余剰インクを吸収するインク吸収部材と、
    当該インク吸収部材が載置されるプラテン本体と、
    当該プラテン本体上に配置され、前記インク吸収部材を上方から覆うプラテンカバーとを備え、
    前記プラテン本体は、
    縁無し画像記録時における前記記録ヘッドの記録可能領域に対向する位置に設けられ、前記余剰インクを受けるインク受け部と、
    当該インク受け部で受けた前記余剰インクを前記インク吸収部材へと誘導するインク誘導部とを備えること
    を特徴とするプラテン。
  2. 請求項1に記載のプラテンにおいて、
    前記インク誘導部は、前記プラテンカバーの下方を通って前記インク吸収部材の配置箇所へ連通していること
    を特徴とするプラテン。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のプラテンにおいて、
    前記プラテンカバー上面に、前記記録ヘッドのインク吐出面と前記被記録媒体の記録面との間隙を適切な大きさに保つように前記被記録媒体の下面を支持するための、前記被記録媒体の搬送方向と直交する方向に一定の高さで連続して形成された支持部が設けられていること
    を特徴とするプラテン。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載のプラテンにおいて、
    前記インク吸収部材は、前記プラテン本体上の前記記録ヘッドの記録可能領域と対向する位置以外に配置されていること
    を特徴とするプラテン。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載のプラテンを搭載したこと
    を特徴とするインクジェット記録装置。
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