JP2004142147A - 記録装置 - Google Patents

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Takeshi Mikoshiba
御子柴 剛
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Abstract

【課題】カッタのような機構を必要とすることなく、比較的安価に余白なし印字が可能な記録装置を提供する。
【解決手段】インクジェット方式により記録を行うインクジェット記録ヘッドと、このインクジェット記録ヘッドの回復処理を行う回復機構と、このインクジェット記録ヘッドに記録用インクを送り込むためのポンプ機構と、記録用インクを貯蔵しているカートリッジと、記録を行うための記録紙を搬送する搬送機構とを備え、搬送機構の下に、液体が移送可能な液体移送部材を備え、その一端には移送された液体を保持吸収するための液体保持吸収部材を持ち、液体移送部材は、液体保持吸収部材に向かうに従い位置が低くなるように傾斜を持たせる。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は記録ヘッドを有するインクジェット記録装置に関するものであり、特にラインヘッドを用いて画像を全面印刷する技術に関するものである.
【0002】
【従来の技術】
図9は、インクジェット方式のラインヘッドを用いた記録装置を示す正面図である.
インクジェット記録方式による記録ヘッド910K〜910Yはヘッドホルダ902に装着される。
【0003】
記録時には不図示のフィーダから記録媒体が1枚毎に給紙され搬送部に給送される。
そして、記録ヘッド910K〜910Yの下を搬送ベルト912で搬送される記録媒体900が通過しカラー記録される。
記録終了すると排紙ローラ911から排紙される。
(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−334103(第2−5頁、図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例では、用紙の余白無し(全面)印刷をしようとすると、搬送ベルト上や、装置の内部に僅かながら冗長部分のインク滴が着弾する為、記録後にインクの拭き取り操作が必要であった。
【0006】
又複数の記録媒体に連続的な余白無し(全面)印刷すると記録媒体の汚れが発生していた。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明では、インクジェット方式により記録を行うインクジェット記録ヘッドと、このインクジェット記録ヘッドの回復処理を行う回復機構と、このインクジェット記録ヘッドに記録用インクを送り込むためのポンプ機構と、記録用インクを貯蔵しているカートリッジと、記録を行うための記録紙を搬送する搬送機構とを備え、前記搬送機構の下に、液体が移送可能な液体移送部材を備え、その一端には移送された液体を保持吸収するための液体保持吸収部材を持ち、前記液体移送部材は、前記液体保持吸収部材に向かうに従い位置が低くなるように傾斜を持ち、
前記液体移送部材は、前記インクジェット記録ヘッドの、搬送方向とは直角を有する方向の印字可能長さよりも長く、
前記液体保持吸収部材は、交換可能であり、
前記液体移送部材は、前記インクジェット記録ヘッドが搬送方向に配置される長さよりも長く、
前記インクジェット記録ヘッドは、上下にだけ移動し、
前記液体移送部材は一方向に溝を形成し、その溝断面は、深さ100〜200ミクロン、幅10〜50ミクロンの凹と幅10〜50ミクロンの凸を交互に連続する形状であり、
前記液体移送部材は、前記液体保持吸収部材に向かう方向とは直角を成す方向に凹凸溝を形成し、
前記液体移送部材は、凹凸面が親水化処理され、
前記搬送機構は、ヘッドとヘッドの間に印字媒体を搬送させるローラー対を持つことによって、前記目的を達成しようとしたものである。
【0008】
【作用】
以上のような本発明によれば、用紙に余白無し(全面)印刷する場合も、用紙を外れた冗長部に吐出したインクを効率的に移送、回収することによって、装置内や、用紙の汚れを抑制できる。
【0009】
【発明の実施形態】
以下に、本発明の実施形態を、図に基づいて詳細に説明する。
【0010】
【実施例】
図1に本発明を最もよく表す正面図、図2にその右側面図を示す。
最初に装置構成を説明する。
【0011】
実施例のインクジェット記録装置の記録ヘッド101K〜101Yはヘッドホルダ102に装着される。
【0012】
ここで、
K :ブラック
C :シアン
LC:淡シアン
M :マジェンタ
LM:淡マジェンタ
Y :イエロー
の各インク色を示す。
【0013】
ヘッドホルダ102の両サイドには、ラック109が設けられており、ヘッドU/Dモータ108の回転により、ピニオンギア107を介してヘッドホルダ102とヘッド101K〜101Yは上下方向に移動可能である。
【0014】
ギア107は図示していないプーリとタイミングベルトによって、連結されている。
【0015】
ヘッド101K〜101Yのポジションは、図1に示すような待機位置であるキャップポジション、図4に示す印字ポジション、そして図示しないワイプポジションと退避ポジションの4ポジションを持ち、上側から、退避ポジション、ワイプポジション、キャップポジション、印字ポジションの順となっている。
【0016】
ヘッド101K〜101Yは、図7に示すようなインクを吐出する多数のノズル701を有する。
【0017】
各ノズル間のピッチは例えば42.5ミクロン(600dot/inch)で一直線上に例えば2432個有する。
【0018】
するとこの場合、記録ヘッドは約104mm(約4inch)の記録幅の連続記録が可能である。
【0019】
ヘッド101K〜101Yの下には、キャッピングユニット106が配置され、図示していないキャッピングモータにより左右に移動可能である。
【0020】
キャッピングユニット106は、図1に示すキャップポジション、図4に示す印字ポジション、そして図示していないワイプポジションの3ポジションを持つ。キャッピングユニット106は、ヘッド101K〜101Yのそれぞれに対応した、キャップ103、ワイパブレード104、インク溜まり105によって構成されている。
【0021】
キャッピングユニット106の下には、搬送ユニット117が配置され、用紙搬送路PAは、矢印Cの方向に記録媒体(用紙)を搬送する。
【0022】
搬送ユニット117は、用紙の上流側から、ピンチローラ110、TOFセンサ116、5組の中間ローラ112、排紙ローラ111、用紙搬送路PA下側のプラテン118等から構成される。
【0023】
プラテン118は、図8に示すように開口部801を備え、その幅は記録ヘッド101K〜101Yの記録幅より大きい値で例えば約130mm、用紙搬送方向の長さは例えば10mm程度に設計する。
【0024】
さらに用紙先端部と衝突しないよう、端部と開口部に曲げを施している。
【0025】
搬送ユニット117の下側に、液体移送シート113と吸収体114が配置されている。
【0026】
液体移送シート113は、記録ヘッドブラック101K〜イエロー101Y迄の距離より大きく、幅は記録ヘッドの記録幅よりも広い。
【0027】
又、液体移送シート113は図2に示すように傾斜を持ち、その傾斜角度は5度以上ある。
【0028】
さらに、傾斜部の下部(図1では手前側)には吸収体114が接合されている。
【0029】
吸収体114は、図示しないカバーを開ける事により交換可能である。
【0030】
上記、実施例では、本体の前側に吸収体114を配置しているが、これらは、右側でも、左側でも、さらには、背面でも可能なことは言うまでも無い。
【0031】
図3に液体移送シート113の断面図(図2のDーD)を示す。
【0032】
深さ約100ミクロンで幅約50ミクロンの凹凸が連続的に繰り返される形状となっており、シート厚は約200ミクロンである。
【0033】
溝の方向は、図1に示す奥から手前に形成される。
【0034】
表面の凹凸面は、親水化処理されている。
【0035】
親水化処理は、例えば、アセチノールを1%に希釈し凹凸表面に塗布させた後、乾燥するものである。
【0036】
次に、記録時の動作を説明する。
【0037】
待機時は、図1の(キャッピング)状態になっており、印字の命令が出されると、ヘッドホルダ2とヘッド1K〜1YはヘッドU/Dモータ108の駆動により先ず上方の退避ポジションまで移動する。
【0038】
次に、回復ユニット106が図示していないキャッピングモータにより左、印字ポジションへ移動する。
【0039】
その後、ヘッドホルダ2とヘッド101K〜101Yは下方、印字ポジションまで移動する。その状態を図4に示す。
【0040】
続いて用紙の搬送が開始される。
【0041】
用紙は図示しないフィーダから1枚づつ供給され、用紙の先端がTOFセンサ116で検知されると、検知位置を基準にしてヘッド101K〜101Yの印字切り出し位置を決定する。
【0042】
次に、余白のない(全面)印刷の方法について図5を用いて説明する。
【0043】
例えばフィーダから1枚毎に給紙される葉書き501の先端をTOF(Top OfForm)センサ116が検知した後、記録ヘッド(ブラック)101Kの記録開始位置を決定するが、葉書き先端が記録ヘッド101Kのノズル位置に到達以前から記録開始し、且つ葉書き後端が記録ヘッド101Kのノズル位置を通過直後迄、画像の記録を継続する。
【0044】
又、幅方向も葉書き19の幅100mm以上の領域に画像の記録することによって余白のない(全面)印刷が為される。
【0045】
葉書きの表面を外れた(上下左右冗長部の)インクは、プラテン118の開口部801を通過し、液体移送シート113上に着弾する。
【0046】
着弾したインクは凹凸溝の毛管作用により溝の長手方向、さらに、傾斜により吸収体114側に導かれる。
【0047】
導かれたインクは、吸収体114に吸収される。
【0048】
もしも吸収体(満タン)センサ616が吸収体114の満タンを検知すると、オペレーションパネル603上に交換メッセージ(警報)を出力する。
【0049】
本発明を実施した記録装置とPCを接続した構成図を図6−1に示す。
【0050】
記録装置600の正面には操作(オペレーション)パネル603が装着されており、給紙部604には記録媒体である例えば、葉書き、名刺、封筒等が積載される。
【0051】
ホストコンピュータ(ホストPC)601と記録装置600はプリンタケーブル602で接続され、ホストPC101上のアプリケーションソフトを実行することで、記録情報を制御コマンドに変換し、記録装置600に出力する。
【0052】
本発明を実施した上記記録装置600の電気的なブロック図を図6−2に示す。
【0053】
ホストPC601は、記録に使用する記録データを記録装置600のインタフェースコントローラ611に転送し、記録開始を指示する。
【0054】
CPU(中央演算処理装置:Central Processing Unit)610は記録データの受信、記録動作、そして記録媒体(用紙)のハンドリング等記録装置600全般の制御を掌る演算処理装置である。
【0055】
CPU610はホストPC601から受信したコマンドを解析後、記録データの各色成分のイメージデータをイメージメモリ613にビットマップ展開して描画する。
【0056】
イメージメモリ613は本実施例の場合、
K :ブラック
C :シアン
LC:淡シアン
M :マジェンタ
LM:淡マジェンタ
Y :イエロー
6色分の独立したビットマップメモリで構成される。
【0057】
全面印刷する場合各メモリに展開される画像サイズは例えば葉書きの上下左右共に例えば2mm程度広い(冗長部を含む)画像データをホストPC601から転送する。
【0058】
記録前の動作処理としてCPU610は入出力ポート(I/O)617、駆動部618を介してキャッピングモータ620と記録ヘッドU/Dモータ108を駆動し、記録ヘッド101K〜101Yのキャッピングを解除し、図4に示した記録位置に移動させる。
【0059】
さらに、駆動部618を介して葉書き等の記録媒体(用紙)を1枚毎に分離、給紙する給紙モータ622、及び給紙された記録媒体を定速度で搬送する搬送モータ121等を駆動し用紙を記録位置に搬送する。
【0060】
定速度で搬送される用紙の記録タイミングを決定するためのTOF(先端)検知センサ116でラベル先端位置を検出する。
【0061】
その後用紙搬送に同期して、CPU610はイメージメモリ613から対応する色のイメージデータを順次読み出し、記録ヘッド制御回路623を介して、記録ヘッド101K、101C、101LC、101M、101LM、及び101Yにデータ転送し、各々の記録ヘッドが持つ多数のノズルから記録データに基づき、選択的にインクを吐出させ、カラー記録する。
【0062】
CPU610の動作はプログラムROM612に記憶された処理プログラムに基づき、実行される。
【0063】
プログラムROM612には後述する制御フローに対応する処理プログラム及びテーブルなどが記憶されている。
【0064】
又作業用のメモリとしてワークRAM614を使用する。
【0065】
EEPROM615は不揮発性のメモリで記録ヘッド相互の微小記録位置調整値等、装置固有のパラメータを記憶する。
【0066】
本発明に関わる全面印刷時、記録媒体上下左右の外側冗長部に吐出された各色のインク滴は搬送ユニット117下部の液体移送シート113に受容後、吸収体114に移送されるが、吸収体内部に備えた吸収体センサ616によりインク:フルを検知した場合CPU610は入出力ポート617を介してセンサ出力を読み取り、オペレーションパネル603上の表示器に吸収体114の交換要求を出力する。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、カッタのような機構を必要とすることなく、比較的安価に余白なし印字が可能な記録装置を構成できる。
【0068】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を示す正面図である。
【図2】本発明を示す右側面図である。
【図3】本発明示す図2の断面DーDを示す図である。
【図4】本発明を示す印字状態の正面図である。
【図5】本発明の余白なし印字を説明する詳細図である。
【図6】本発明の制御ブロック図である。
【図7】本発明のインクジェット記録ヘッドのノズル表面詳細図である。
【図8】本発明のプラテン詳細図である。
【図9】従来の記録装置を示す正面図である。
【符号の説明】
101K  記録ヘッド(ブラック)
101C  記録ヘッド(シアン)
101LC 記録ヘッド(淡シアン)
101M  記録ヘッド(マジェンタ)
101LM 記録ヘッド(淡マジェンタ)
101Y  記録ヘッド(イエロー)
102  ヘッドホルダ
103  キャップ
104  ワイパブレード
105  インク溜まり
106  キャッピングユニット
110  ピンチローラ
111  排紙ローラ
112  中間ローラ
113  液体移送シート
114  吸収体
116  TOFセンサ
118  プラテン
600  記録装置
601  ホストコンピュータ(ホストPC)
602  プリンタ(インタフェース)ケーブル
603  オペレーションパネル
604  給紙部
610  CPU(中央演算処理装置)
611  インタフェースコントローラ
612  ROM
613  イメージメモリ
616  吸収体(満タン)センサ
701  (インク吐出)ノズル
801  開口部

Claims (19)

  1. 複数のノズルからインクを吐出して画像を記録する記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送手段とを持つ記録装置において、
    前記搬送手段下部に液体移送部材と吸収体とを備えたことを特徴とする記録装置。
  2. 前記複数のノズルから吐出されるインクの吐出方向はほぼ鉛直方向であることを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記搬送手段は複数のローラからなることを特徴とする請求項1及び2に記載の記録装置。
  4. 前記複数のローラと前記記録ヘッドとは記録媒体の搬送方向において重ならないように配置されることを特徴とする請求項3に記載の記録装置。
  5. 前記記録ヘッドを複数有することを特徴とする請求項1から4に記載の記録装置。
  6. 前記液体移送部材の一端に前記吸収体を接合したことを特徴とする、請求項1に記載の記録装置。
  7. 前記液体移送部材は前記吸収体に向かうに従って低くなるような傾斜を有することを特徴とする、請求項6に記載の記録装置。
  8. 前記吸収体は、交換可能であることを特徴とする、請求項6及び7に記載の記録装置。
  9. 前記液体移送部材は溝が形成されたシートであることを特徴とする請求項1及び8に記載の記録装置。
  10. 前記液体移送部材は一方向に溝を形成し、その溝断面は、深さ100〜200ミクロン、幅10〜50ミクロンの凹と幅10〜50ミクロンの凸を交互に連続する形状であることを特徴とする、請求項6から9に記載の記録装置。
  11. 前記液体移送部材は、前記吸収体に向かう方向とは異なる方向に凹凸溝を形成することを特徴とする、請求項6から10に記載の記録装置。
  12. 前記液体移送部材は、凹凸面が親水化処理されていることを特徴とする請求項6から11に記載の記録装置。
  13. 前記吸収体近傍に吸収したインクの満タンを検知するセンサを有することを特徴とする請求項6から12に記載の記録装置。
  14. 前記センサの満タン検知により警報を出力することを特徴とする請求項6から13に記載の記録装置。
  15. 複数のノズルからインクを吐出して画像を記録する記録ヘッドと、記録媒体を搬送する搬送手段と搬送される前記記録媒体を支持するプラテンを持つ記録装置において、
    前記プラテンは前記記録ヘッドの記録領域より広い開口部をもち、更に前記開口部の下部に液体移送部材と吸収体とを備えたことを特徴とする記録装置。
  16. 前記搬送手段は複数のローラからなることを特徴とする請求項15に記載の記録装置。
  17. 前記記録ヘッドの記録領域は前記プラテンの開口部以内に配置されることを特徴とする請求項15及び16に記載の記録装置。
  18. 前記複数のローラと前記プラテンの開口部とは記録媒体の搬送方向において重ならないように配置されることを特徴とする請求項15から17に記載の記録装置。
  19. 前記プラテンの開口部の淵は下方向の曲げ形状を有することを特徴とする請求項15から18に記載の記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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