JP2006205505A - インクジェット記録用媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】写真用高級印画紙風な質感・触感を有し、奥行き感・シャープネス・光沢感・平面性に優れた画像を形成可能なインクジェット記録用媒体を提供する。
【解決手段】原紙の両面がポリオレフィン樹脂で被覆された支持体と、前記支持体上に形成され、無機微粒子および水溶性樹脂を含有したインク受容層と、を有するインクジェット記録用媒体であって、前記原紙の坪量が190g/m2以上250g/m2未満、前記支持体の両面における前記ポリオレフィン樹脂の被覆量の和が70g/m2以上100g/m2未満であることを特徴とするインクジェット記録用媒体。
【選択図】 なし
【解決手段】原紙の両面がポリオレフィン樹脂で被覆された支持体と、前記支持体上に形成され、無機微粒子および水溶性樹脂を含有したインク受容層と、を有するインクジェット記録用媒体であって、前記原紙の坪量が190g/m2以上250g/m2未満、前記支持体の両面における前記ポリオレフィン樹脂の被覆量の和が70g/m2以上100g/m2未満であることを特徴とするインクジェット記録用媒体。
【選択図】 なし
Description
本発明は、写真用材料として特に好適なインクジェット記録用媒体に関する。
近年、情報技術産業の急速な発展に伴い、種々の情報処理システムが開発され、その情報処理システムに適した記録方法および記録装置も開発され、各々実用化されている。
これらの記録方法の中でも、インクジェット記録方法は、多種の被記録材料に記録可能なこと、ハード(装置)が比較的安価でコンパクトであること、静粛性に優れること等の利点から、オフィスは勿論、いわゆるホームユースにおいても広く用いられてきている。
これらの記録方法の中でも、インクジェット記録方法は、多種の被記録材料に記録可能なこと、ハード(装置)が比較的安価でコンパクトであること、静粛性に優れること等の利点から、オフィスは勿論、いわゆるホームユースにおいても広く用いられてきている。
近年のインクジェットプリンターの高解像度化に伴い、いわゆる写真ライクな高画質記録物を得ることも可能になってきており、このようなハード(装置)の進歩に伴って、インクジェット記録用の記録シートも各種開発されてきている。
インクジェット記録用の記録シートに要求される特性としては、一般的に、(1)速乾性があること(インクの吸収速度が大きいこと)、(2)インクドットの径が適正で均一であること(ニジミのないこと)、(3)粒状性が良好であること、(4)ドットの真円性が高いこと、(5)色濃度が高いこと、(6)彩度が高いこと(くすみのないこと)、(7)印画部の耐水性や耐光性、耐オゾン性が良好なこと、(8)記録シートの白色度が高いこと、(9)記録シートの保存性が良好なこと(長期保存でも黄変着色を起こさないこと、長期保存で画像がにじまないこと)、(10)変形しにくく寸法安定性が良好であること(カールが十分小さいこと)、(11)ハード走行性が良好であること等が挙げられる。
更に、いわゆる写真ライクな高画質記録物を得る目的で用いられるフォト光沢紙の用途においては、前記諸特性に加えて、光沢性、表面平滑性、銀塩写真に類似した印画紙状の風合い等も要求される。
インクジェット記録用の記録シートに要求される特性としては、一般的に、(1)速乾性があること(インクの吸収速度が大きいこと)、(2)インクドットの径が適正で均一であること(ニジミのないこと)、(3)粒状性が良好であること、(4)ドットの真円性が高いこと、(5)色濃度が高いこと、(6)彩度が高いこと(くすみのないこと)、(7)印画部の耐水性や耐光性、耐オゾン性が良好なこと、(8)記録シートの白色度が高いこと、(9)記録シートの保存性が良好なこと(長期保存でも黄変着色を起こさないこと、長期保存で画像がにじまないこと)、(10)変形しにくく寸法安定性が良好であること(カールが十分小さいこと)、(11)ハード走行性が良好であること等が挙げられる。
更に、いわゆる写真ライクな高画質記録物を得る目的で用いられるフォト光沢紙の用途においては、前記諸特性に加えて、光沢性、表面平滑性、銀塩写真に類似した印画紙状の風合い等も要求される。
インクジェット記録用媒体としては、例えば、プリンター走行性を改良するために、記録用紙全体の厚みや通紙方向の剛度等を規定したインクジェット記録用紙や、原紙の厚みや原紙の表裏に形成されるポリエチレン膜の厚みの比率を規定したり、インク受容層の破断伸びやMD剛度を規定し、巻き取り保管時の耐傷性や裁断時の粉落ちを改良したインクジェット記録用紙等が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
また、表面平滑性および光沢性の改良のために、原紙のコブサイズ、表面粗さ、水浸SRa変化、ベック平滑度等を規定した記録材料や吸水性の板紙に直接インクジェット受理層を設けた紙コート型のインクジェット記録用紙が提案されている(例えば、特許文献4および5参照。)。
しかし、これらのインクジェット記録用媒体は、いずれも写真用高級印画紙としては、画像の質感や触感が不十分であり、更に、画像の奥行き感や、画質のシャープネス、光沢感および平面性についても満足のいくものではなかった。
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の課題を解決することを目的とする。即ち、本発明は、写真用高級印画紙ライクな質感および触感を有し、奥行き感やシャープネス、光沢感および平面性に優れた画像を形成可能なインクジェット記録用媒体を提供することを目的とする。
前記課題を下記の手段によって解決される。
<1> 原紙の両面がポリオレフィン樹脂で被覆された支持体と、前記支持体上に形成され、無機微粒子および水溶性樹脂を含有したインク受容層と、を有するインクジェット記録用媒体であって、前記原紙の坪量が190g/m2以上250g/m2未満、前記支持体の両面における前記ポリオレフィン樹脂の被覆量の和が70g/m2以上100g/m2未満であることを特徴とするインクジェット記録用媒体である。
<1> 原紙の両面がポリオレフィン樹脂で被覆された支持体と、前記支持体上に形成され、無機微粒子および水溶性樹脂を含有したインク受容層と、を有するインクジェット記録用媒体であって、前記原紙の坪量が190g/m2以上250g/m2未満、前記支持体の両面における前記ポリオレフィン樹脂の被覆量の和が70g/m2以上100g/m2未満であることを特徴とするインクジェット記録用媒体である。
<2> 前記インク受容層が、カチオン性ポリマー、架橋剤および水溶性多価金属塩化合物を含有することを特徴とする上記<1>に記載のインクジェット記録用媒体である。
<3> 前記支持体のJIS P8125(2000)に基づくテーパー剛度のタテ/ヨコ比が1.5以上2.0未満であり、前記支持体の坪量が250g/m2以上350g/m2未満であり、且つ、JIS Z8741(1997)に基づく75°光沢度が75%以上90%未満であることを特徴とする上記<1>または<2>のインクジェット記録用媒体である。
<4> 前記原紙の密度が0.98以上1.2未満、且つ、内部結合力が1.2kg・cm以上1.7kg・cm未満であることを特徴とする上記<1>〜<3>のインクジェット記録用媒体である。
<5> 前記無機微粒子の一次平均粒子径が3nm〜100nmのシリカ微粒子であることを特徴とする上記<1>〜<4>のインクジェット記録用媒体である。
<6> 前記水溶性樹脂が、少なくともポリビニルアルコールを含むことを特徴とする上記<1>〜<5>のインクジェット記録用媒体である。
<7> 前記カチオン性ポリマーの重量平均分子量が、2000〜500000であることを特徴とする上記<2>〜<6>のインクジェット記録用媒体である。
<8> 前記架橋剤が、ホウ酸またはその塩であることを特徴とする上記<2>〜<7>のインクジェット記録用媒体である。
<9> 前記水溶性多価金属塩化合物が、ジルコニウム化合物またはアルミニウム化合物であることを特徴とする上記<2>〜<8>のインクジェット記録用媒体である。
本発明によれば、写真用高級印画紙ライクな質感および触感を有し、奥行き感やシャープネス、光沢感および平面性に優れた画像を形成可能なインクジェット記録用媒体を提供することができる。
《インクジェット記録用媒体》
本発明のインクジェット記録用媒体は、原紙の両面がポリオレフィン樹脂で被覆された支持体と、前記支持体上に形成され、無機微粒子および水溶性樹脂を含有したインク受容層と、を有するインクジェット記録用媒体であって、前記原紙の坪量が190g/m2以上250g/m2未満、前記支持体の両面における前記ポリオレフィン樹脂の被覆量の和が70g/m2以上100g/m2未満であることを特徴とする。尚、本発明におけるインク受容層は、更に、カチオン性ポリマー、架橋剤および水溶性多価金属塩化合物を含有することが好ましい。
本発明のインクジェット記録用媒体は、原紙の両面がポリオレフィン樹脂で被覆された支持体と、前記支持体上に形成され、無機微粒子および水溶性樹脂を含有したインク受容層と、を有するインクジェット記録用媒体であって、前記原紙の坪量が190g/m2以上250g/m2未満、前記支持体の両面における前記ポリオレフィン樹脂の被覆量の和が70g/m2以上100g/m2未満であることを特徴とする。尚、本発明におけるインク受容層は、更に、カチオン性ポリマー、架橋剤および水溶性多価金属塩化合物を含有することが好ましい。
(支持体)
本発明における支持体は、原紙の両面にポリオレフィン樹脂を被覆してなる。
本発明における支持体は、原紙の両面にポリオレフィン樹脂を被覆してなる。
−原紙−
本発明における原紙は、坪量が190g/m2以上250g/m2未満である。前記原紙の坪量が190g/m2未満であると手で持った時の質感や触感が不十分で高級感にかけてしまい、250g/m2以上であるとインクジェットプリンターでの走行性が劣ることとなる。前記坪量としては、190g/m2以上240g/m2未満が好ましく、190g/m2以上230g/m2未満が更に好ましい。
本発明における原紙は、坪量が190g/m2以上250g/m2未満である。前記原紙の坪量が190g/m2未満であると手で持った時の質感や触感が不十分で高級感にかけてしまい、250g/m2以上であるとインクジェットプリンターでの走行性が劣ることとなる。前記坪量としては、190g/m2以上240g/m2未満が好ましく、190g/m2以上230g/m2未満が更に好ましい。
また、前記原紙の密度は、平面性の観点から0.98以上1.2未満が好ましく、0.98以上1.18未満が更に好ましく、0.99以上1.15未満が特に好ましい。また、前記原料の内部結合力としては、平面性と層間剥離性とのトレードオフの観点から1.2kg・cm以上1.7kg・cm未満であることが好ましく、1.2kg・cm以上1.65kg・cm未満が更に好ましく、1.2kg・cm以上1.6kg・cm未満が特に好ましい。
前記原紙としては、インクジェット記録媒体用支持体に使用される公知の材料であれば特に制限なく、目的に応じて各種の材料から適宜選定することができる。前記原紙としては、例えば、針葉樹、広葉樹等の天然パルプ、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂製の合成パルプ、或いは天然パルプと合成パルプとの混合物等が挙げられる。
前記原紙の原料として使用可能なパルプとしては、原紙の表面平滑性、剛性および寸法安定性(カール性)をバランス良く、十分なレベルに向上させる観点から、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)が好ましいが、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)や広葉樹サルファイトパルプ(LBSP)等を使用することもできる。
また、本発明における支持体は、剛性および寸法安定性(カール性)の向上を図る点で、JIS P8125(2000)に基づくテーパー剛度のタテ/ヨコ比が1.5以上2.0未満の範囲にあることが好ましく、1.6以上1.9未満であることが更に好ましい。この際、本発明における支持体の坪量としては、250g/m2以上350g/m2が好ましく、250g/m2以上320g/m2未満が更に好ましい。同様に、前記支持体のJIS Z8741(1997)に基づく75°光沢度は75%以上90%未満が好ましく、70%以上90%未満が更に好ましい。
−ポリオレフィン樹脂−
本発明における支持体は上述の原紙の両面にポリオレフィンを被覆した樹脂被膜紙である。本発明における原紙の両面を被覆するポリオレフィン樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマー;または、エチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体が挙げられ、これらの密度や溶融粘度指数(メルトインデックス)を参照して、単独でまたはこれらを混合して使用することができる。
本発明における支持体は上述の原紙の両面にポリオレフィンを被覆した樹脂被膜紙である。本発明における原紙の両面を被覆するポリオレフィン樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテンなどのオレフィンのホモポリマー;または、エチレン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上からなる共重合体が挙げられ、これらの密度や溶融粘度指数(メルトインデックス)を参照して、単独でまたはこれらを混合して使用することができる。
また、前記ポリオレフィン樹脂中には、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料;ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪酸金属塩;「イルガノックス1010」、「イルガノックス1076」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)などの酸化防止剤;コバルトブルー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
本発明における支持体は、両面における前記ポリオレフィン樹脂の被覆量の和が70g/m2以上100g/m2未満である。前記ポリオレフィン樹脂の被覆量の和が70g/m2未満であると、平面性、光沢感およびシャープネスが劣ることとなり、100g/m2以上であると支持体の生産性が劣り、コスト高となる。前記被覆量の和としては、70g/m2以上95g/m2未満が好ましく、70g/m2以上90g/m2未満が更に好ましい。
本発明における支持体において、インク受容層を形成する側(以下、「受容層側」という場合がある。)に被覆されるポリオレフィン樹脂の膜厚は、クッション性やインク受容層の光沢性および平滑性の向上を図る観点から、20μm〜70μmであることが好ましく、30μm〜60mが更に好ましい。
また、本発明における支持体のインク受容層を形成する側との反対側(以下、「裏面側」という場合がある。)に被覆されるポリオレフィン樹脂の膜厚としては、受容層側に形成されるポリオレフィン樹脂とのバランスで適宜決定されるが、カール防止の観点から、例えば、受容層側のポリオレフィン樹脂の膜厚(A)と裏面側のポリオレフィン樹脂の膜厚(B)との膜厚比率(A/B)で決定することができる。前記膜厚比率(A/B)としては、0.5〜3が好ましく、0.9〜2が更に好ましい。
また、本発明における支持体のインク受容層を形成する側との反対側(以下、「裏面側」という場合がある。)に被覆されるポリオレフィン樹脂の膜厚としては、受容層側に形成されるポリオレフィン樹脂とのバランスで適宜決定されるが、カール防止の観点から、例えば、受容層側のポリオレフィン樹脂の膜厚(A)と裏面側のポリオレフィン樹脂の膜厚(B)との膜厚比率(A/B)で決定することができる。前記膜厚比率(A/B)としては、0.5〜3が好ましく、0.9〜2が更に好ましい。
本発明における原紙にポリオレフィン樹脂を被覆する主な方法としては、例えば、走行する原紙上にポリオレフィン樹脂を加熱溶融した状態で流延する、いわゆる押出コーティング法を用いることができる。また、本発明においては、ポリオレフィン樹脂を原紙に被覆する前に、原紙表面にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことが好ましい。
本発明における支持体の受容層側および裏面側に被覆されるポリオレフィン樹脂は、例えば、原紙の片面にポリオレフィン樹脂を押出機で加熱溶融し、これを原紙とクーリングロールとの間でフィルム状に押出および圧着し、更に冷却することで原紙に被覆することができる。この際、樹脂層側のポリオレフィン樹脂の表面形状や裏面側のポリオレフィン樹脂の表面形状をクーリングロールの種類によって所望の形状とすることができる。例えば、樹脂層側の表面は、クーリングロール表面の形状によって鏡面、微粗面、または絹目状やマット状等のパターンに加工することができ、裏面側の表面も、微粗面、または絹目状やマット状等のパターンに加工することができる。
前記原紙の表面や裏面にポリオレフィン樹脂を被覆する方法は、加熱溶融樹脂を押し出して被覆する方法以外に、例えば、電子線硬化樹脂を塗設後、電子線を照射する方法や、ポリオレフィン樹脂エマルジョンの塗液を塗設後乾燥、表面平滑化処理を施す方法等を用いることができる。また、いずれも凹凸を有する熱ロール等での型付けを行うことで本発明に適応可能な支持体を得ることが出来る。
上述の原紙の厚さと密度はJIS P8118(1998)で規定された方法で得られる値である。また、前記原紙の坪量は、JIS P8124(1998)に従って測定される値であり、内部結合力は、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法NO.18−2(2000)に従って測定された値を示す。
また、支持体の坪量は、JIS P8124(1998)に従って測定される値であり、両面における前記ポリオレフィン樹脂の被覆量の和は、下記のようにして求めた値を示す。
また、支持体の坪量は、JIS P8124(1998)に従って測定される値であり、両面における前記ポリオレフィン樹脂の被覆量の和は、下記のようにして求めた値を示す。
−ポリオレフィン樹脂被覆量の測定方法−
被覆直後においては、支持体を約60℃に熱したエタノール中に約10分間支持体を浸し、両面の樹脂膜を剥がして測定することができる。
また、被覆後一定時間経過したものについては、支持体の断面を電子顕微鏡写真で観察し、表裏の樹脂層の各々の被覆厚さを求め、これに表裏各々の樹脂混合物の比重をかけて求めることができる。
被覆直後においては、支持体を約60℃に熱したエタノール中に約10分間支持体を浸し、両面の樹脂膜を剥がして測定することができる。
また、被覆後一定時間経過したものについては、支持体の断面を電子顕微鏡写真で観察し、表裏の樹脂層の各々の被覆厚さを求め、これに表裏各々の樹脂混合物の比重をかけて求めることができる。
本発明における支持体の受容層側にはインク受容層との間に、下塗り層を設けることもできる。前記下塗り層は、皮膜形成可能な水溶性ポリマーやポリマーラテックス等を用いて形成することができる。前記ポリマーとしては、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、水溶性セルロース等の水溶性ポリマーが好ましく、ゼラチンが特に好ましい。前記下塗り層中における水溶性ポリマーの含有量は、10〜500mg/m2が好ましく、20〜300mg/m2が更に好ましい。前記下塗り層には、界面活性剤や硬膜剤を含有するのが好ましい。また、前記下塗り層を形成する場合には、前記支持体の受容層側の表面にコロナ放電を施すことが好ましい。
また、本発明における支持体には、筆記性、帯電防止性、カール防止性を向上させる観点から、本発明の効果を損なわない範囲で各種のバック層を形成することもできる。前記バック層には、親水性バインダー、ラテックス、有機顔料、無機顔料、無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、硬化剤、界面活性剤などを適宜組み合わせて含有することが好ましい。
(インク受容層)
本発明におけるインク受容層は、無機微粒子と水溶性樹脂とを含有する層であり、更に、カチオン性ポリマー、架橋剤および水溶性多価金属塩化合物を含有することが好ましい。
本発明におけるインク受容層は、無機微粒子と水溶性樹脂とを含有する層であり、更に、カチオン性ポリマー、架橋剤および水溶性多価金属塩化合物を含有することが好ましい。
−無機微粒子−
本発明におけるインク受容層は、一般に無機微粒子として無機顔料微粒子を含有することが好ましい。
前記無機顔料微粒子としては、例えば、シリカ微粒子、コロイダルシリカ、二酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、ゼオライト、カオリナイト、ハロイサイト、雲母、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ベーマイト、擬ベーマイト等を挙げることができ、中でも、シリカ微粒子が特に好ましい。
本発明におけるインク受容層は、一般に無機微粒子として無機顔料微粒子を含有することが好ましい。
前記無機顔料微粒子としては、例えば、シリカ微粒子、コロイダルシリカ、二酸化チタン、硫酸バリウム、珪酸カルシウム、ゼオライト、カオリナイト、ハロイサイト、雲母、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ベーマイト、擬ベーマイト等を挙げることができ、中でも、シリカ微粒子が特に好ましい。
前記シリカ微粒子は、比表面積が特に大きいので、インクの吸収性および保持の効率が高く、また屈折率が低いので、適切な微小粒子径まで分散を行なえばインク受容層に透明性を付与でき、高い色濃度と良好な発色性が得られるという利点がある。このように受容層が透明であるということは、OHP等透明性が必要とされる用途のみならず、フォト光沢紙等の記録用シートに適用する場合でも、高い色濃度と良好な発色性および光沢度を得る観点より重要である。
無機微粒子の平均一次粒子径としては、3nm〜100nmが好ましく、3nm〜20nmが更に好ましく、3nm〜15nmが特に好ましく、特に3nm〜10nmが最も好ましい。該平均一次粒子径が3〜100nmの範囲内であると、インク吸収特性を効果的に向上させることができ、また同時にインク受容層表面の光沢性をも高めることができる。
特にシリカ微粒子は、その表面にシラノール基を有し、該シラノール基の水素結合により粒子同士が付着し易いため、また該シラノール基と水溶性樹脂を介した粒子同士の付着効果のため、前記のように平均一次粒子径が20nm以下の場合にはインク受容層の空隙率が大きく、透明性の高い構造を形成することができ、インク吸収特性を効果的に向上させることができる。
一般にシリカ微粒子は、通常その製造法により湿式法粒子と乾式法(気相法)粒子とに大別される。前記湿式法では、ケイ酸塩の酸分解により活性シリカを生成し、これを適度に重合させ凝集沈降させて含水シリカを得る方法が主流である。一方、気相法は、ハロゲン化珪素の高温気相加水分解による方法(火炎加水分解法)、ケイ砂とコークスとを電気炉中でアークによって加熱還元気化し、これを空気で酸化する方法(アーク法)によって無水シリカを得る方法が主流であり、前記「気相法シリカ」とは、当該気相法によって得られた無水シリカ微粒子を指す。
気相法シリカは、前記含水シリカと表面のシラノール基の密度、空孔の有無等に相違があり、異なった性質を示すが、空隙率が高い三次元構造を形成するのに適している。この理由は明らかではないが、含水シリカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の密度が5〜8個/nm2と多く、シリカ微粒子が密に凝集(アグリゲート)し易く、一方、気相法シリカの場合には、微粒子表面におけるシラノール基の密度が2〜3個/nm2と少ないことから疎な軟凝集(フロキュレート)となり、その結果、空隙率が高い構造になるものと推定される。
本発明においては、前記乾式法で得られる気相法シリカ微粒子(無水シリカ)が好ましく、更に微粒子表面におけるシラノール基の密度が2〜3個/nm2であるシリカ微粒子が好ましい。
本発明においては、前記乾式法で得られる気相法シリカ微粒子(無水シリカ)が好ましく、更に微粒子表面におけるシラノール基の密度が2〜3個/nm2であるシリカ微粒子が好ましい。
−水溶性樹脂−
本発明におけるインク受容層は、水溶性樹脂を含有する。前記水溶性樹脂としては、例えば、親水性構造単位としてヒドロキシル基を有する樹脂が好ましく、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、セルロース系樹脂〔メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等〕、キチン類、キトサン類、デンプン;親水性のエーテル結合を有する樹脂である、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル(PVE);親水性構のアミド基またはアミド結合を有する樹脂であるポリアクリルアミド(PAAM)、ポリビニルピロリドン(PVP)等が挙げられる。また、解離性基としてカルボキシル基を有する、ポリアクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩、ゼラチン類等を挙げることもできる。
前記の中でも、特にポリビニルアルコール(PVA)類が好ましい。
本発明におけるインク受容層は、水溶性樹脂を含有する。前記水溶性樹脂としては、例えば、親水性構造単位としてヒドロキシル基を有する樹脂が好ましく、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)、カチオン変性ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、セルロース系樹脂〔メチルセルロース(MC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等〕、キチン類、キトサン類、デンプン;親水性のエーテル結合を有する樹脂である、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリプロピレンオキサイド(PPO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルエーテル(PVE);親水性構のアミド基またはアミド結合を有する樹脂であるポリアクリルアミド(PAAM)、ポリビニルピロリドン(PVP)等が挙げられる。また、解離性基としてカルボキシル基を有する、ポリアクリル酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩、ゼラチン類等を挙げることもできる。
前記の中でも、特にポリビニルアルコール(PVA)類が好ましい。
前記水溶性樹脂の含有量としては、該含有量の過少による、膜強度の低下や乾燥時のひび割れを防止し、且つ、該含有量の過多によって、該空隙が樹脂によって塞がれ易くなり、空隙率が減少することでインク吸収性が低下するのを防止する観点から、インク受容層の全固形分質量に対して、9〜40質量%が好ましく、12〜33質量%がより好ましい。
尚、インク受容層を主に構成する前記無機微粒子と水溶性樹脂とは、それぞれ単一素材であってもよいし、複数素材の混合系であってもよい。
尚、インク受容層を主に構成する前記無機微粒子と水溶性樹脂とは、それぞれ単一素材であってもよいし、複数素材の混合系であってもよい。
前記ポリビニルアルコール(PVA)は、ひび割れ防止の観点から、数平均重合度が1800以上が好ましく、2000以上がより好ましい。また、シリカ微粒子と組合わせる場合には、透明性の観点から水溶性樹脂の種類が重要となる。特に無水シリカを用いる場合、水溶性樹脂としてPVAを用いるのが好ましく、中でも鹸化度70〜99%のPVA樹脂がより好ましい。
前記ポリビニルアルコールとしては、ポリビニルアルコール(PVA)に加え、カチオン変性PVA、アニオン変性PVA、シラノール変性PVAおよびその他ポリビニルアルコールの誘導体も含まれる。ポリビニルアルコールは1種単独でもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記PVAは、その構造単位に水酸基を有するが、この水酸基とシリカ微粒子表面のシラノール基とが水素結合を形成して、シリカ微粒子の二次粒子を鎖単位とする三次元網目構造を形成し易くする。このような三次元網目構造の形成によって、空隙率の高い多孔質構造のインク受容層を形成し得ると考えられる。
インクジェット記録用媒体において、上述のようにして得られた多孔質のインク受容層は、毛細管現象によって急速にインクを吸収し、インク滲みのない真円性の良好なドットを形成することができる。
インクジェット記録用媒体において、上述のようにして得られた多孔質のインク受容層は、毛細管現象によって急速にインクを吸収し、インク滲みのない真円性の良好なドットを形成することができる。
――無機微粒子と水溶性樹脂との含有比――
無機微粒子(好ましくはシリカ微粒子;x)と水溶性樹脂(y)との含有比〔PB比(x/y)、水溶性樹脂1質量部に対する無機顔料微粒子の質量〕は、インク受容層の膜構造にも大きな影響を与える。即ち、PB比が大きくなると、空隙率や細孔容積、表面積(単位質量当り)が大きくなる。具体的には、前記PB比(x/y)としては、該PB比が大き過ぎることに起因する、膜強度の低下や乾燥時のひび割れを防止し、且つ該PB比が小さ過ぎることによって、該空隙が樹脂によって塞がれ易くなり、空隙率が減少することでインク吸収性が低下するのを防止する観点から、1.5/1〜10/1が好ましい。
無機微粒子(好ましくはシリカ微粒子;x)と水溶性樹脂(y)との含有比〔PB比(x/y)、水溶性樹脂1質量部に対する無機顔料微粒子の質量〕は、インク受容層の膜構造にも大きな影響を与える。即ち、PB比が大きくなると、空隙率や細孔容積、表面積(単位質量当り)が大きくなる。具体的には、前記PB比(x/y)としては、該PB比が大き過ぎることに起因する、膜強度の低下や乾燥時のひび割れを防止し、且つ該PB比が小さ過ぎることによって、該空隙が樹脂によって塞がれ易くなり、空隙率が減少することでインク吸収性が低下するのを防止する観点から、1.5/1〜10/1が好ましい。
インクジェットプリンターの搬送系を通過する場合、記録用シートに応力が加わることがあるので、インク受容層は充分な膜強度を有していることが必要である。更にシート状に裁断加工する場合、インク受容層の割れおよび剥がれ等を防止する上でも、インク受容層には充分な膜強度が必要である。このような観点より、前記PB比(x/y)としては5/1以下が好ましく、インクジェットプリンターで高速インク吸収性をも確保する観点からは、2/1以上であることが好ましい。
例えば、平均一次粒子径が20nm以下の無水シリカ微粒子と水溶性樹脂とをPB比(x/y)が2/1〜5/1で水溶液中に完全に分散した塗布液を支持体上に塗布し、該塗布層を乾燥した場合、シリカ微粒子の二次粒子を鎖単位とする三次元網目構造が形成され、平均細孔径が30nm以下、空隙率が50%〜80%、細孔比容積0.5ml/g以上、比表面積が100m2/g以上の、透光性の多孔質膜を容易に形成することができる。
−架橋剤−
本発明におけるインク受容層は、更に前記水溶性樹脂を架橋し得る架橋剤を含むことが好ましく、該架橋剤による水溶性樹脂の架橋反応によって硬化された多孔質層であることが好ましい。
本発明におけるインク受容層は、更に前記水溶性樹脂を架橋し得る架橋剤を含むことが好ましく、該架橋剤による水溶性樹脂の架橋反応によって硬化された多孔質層であることが好ましい。
前記架橋剤としては、インク受容層に含まれる水溶性樹脂との関係で好適なものを適宜選択すればよいが、中でも、架橋反応が迅速である点でホウ素化合物が好ましく、例えば、硼砂、硼酸、硼酸塩(例えば、オルト硼酸塩、InBO3、ScBO3、YBO3、LaBO3、Mg3(BO3)2、Co3(BO3)2、二硼酸塩(例えば、Mg2B2O5、Co2B2O5)、メタ硼酸塩(例えば、LiBO2、Ca(BO2)2、NaBO2、KBO2)、四硼酸塩(例えば、Na2B4O7・10H2O)、五硼酸塩(例えば、KB5O8・4H2O、Ca2B6O11・7H2O、CsB5O5)等を挙げることができる。中でも、速やかに架橋反応を起こすことができる点で、硼砂、硼酸、硼酸塩が好ましく、特に硼酸またはその塩が更に好ましい。
本発明においては、前記架橋剤は、前記水溶性樹脂1.0質量部に対して、0.05〜0.50質量部含有されることが好ましく、0.08〜0.30質量部含有されることがより好ましい。架橋剤の含有量が前記範囲であると、水溶性樹脂を効果的に架橋してひび割れ等を防止することができる。
前記水溶性樹脂としてゼラチンを用いる場合などには、ホウ素化合物以外の下記化合物も架橋剤として用いることができる。
前記ホウ素化合物以外の架橋剤としては、例えば、ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタールアルデヒド等のアルデヒド系化合物;ジアセチル、シクロペンタンジオン等のケトン系化合物;ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−S−トリアジン・ナトリウム塩等の活性ハロゲン化合物;ジビニルスルホン酸、1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノール、N,N’−エチレンビス(ビニルスルホニルアセタミド)、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−S−トリアジン等の活性ビニル化合物;ジメチロ−ル尿素、メチロールジメチルヒダントイン等のN−メチロール化合物;メラミン樹脂(例えば、メチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン);エポキシ樹脂;
前記ホウ素化合物以外の架橋剤としては、例えば、ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタールアルデヒド等のアルデヒド系化合物;ジアセチル、シクロペンタンジオン等のケトン系化合物;ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジクロロ−6−S−トリアジン・ナトリウム塩等の活性ハロゲン化合物;ジビニルスルホン酸、1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノール、N,N’−エチレンビス(ビニルスルホニルアセタミド)、1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−S−トリアジン等の活性ビニル化合物;ジメチロ−ル尿素、メチロールジメチルヒダントイン等のN−メチロール化合物;メラミン樹脂(例えば、メチロールメラミン、アルキル化メチロールメラミン);エポキシ樹脂;
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等のイソシアネート系化合物;米国特許明細書第3017280号、同第2983611号に記載のアジリジン系化合物;米国特許明細書第3100704号に記載のカルボキシイミド系化合物;グリセロールトリグリシジルエーテル等のエポキシ系化合物;1,6−ヘキサメチレン−N,N’−ビスエチレン尿素等のエチレンイミノ系化合物;ムコクロル酸、ムコフェノキシクロル酸等のハロゲン化カルボキシアルデヒド系化合物;2,3−ジヒドロキシジオキサン等のジオキサン系化合物;乳酸チタン、硫酸アルミ、クロム明ばん、カリ明ばん、酢酸ジルコニル、酢酸クロム等の金属含有化合物、テトラエチレンペンタミン等のポリアミン化合物、アジピン酸ジヒドラジド等のヒドラジド化合物、オキサゾリン基を2個以上含有する低分子またはポリマー等である。前記の架橋剤は、1種単独でも、2種以上を組合わせて用いてもよい。
本発明において、前記架橋剤は、インク受容層を形成する際に、インク受容層用塗布液中および/またはインク受容層の隣接層を形成するための塗布液中に添加してもよく、或いは予め架橋剤を含む塗布液を塗布した支持体上に、前記インク受容層用塗布液を塗布する、または架橋剤非含有のインク受容層用塗布液を塗布し乾燥後に架橋剤溶液をオーバーコートする等によってインク受容層に架橋剤を供給することができる。好ましくは、製造効率の観点から、インク受容層用塗布液またはこの隣接層形成用の塗布液中に架橋剤を添加し、インク受容層の形成と同時に架橋剤を供給するのが好ましい。特に、画像の印画濃度および光沢感の向上の観点より、インク受容層用塗布液に含有するのが好ましい。また、インク受容層用塗布液中の架橋剤の濃度としては、0.05〜10質量%が好ましく、0.1〜7質量%がより好ましい。
例えば、以下の様にして本発明におけるインク受容層に架橋剤を好適に付与することができる。ここでは、ホウ素化合物を例に説明する。即ち、インク受容層がインク受容層用塗布液(第1塗液)を塗布した塗布層を架橋硬化させた層である場合、該架橋硬化は、(1)前記塗布液を塗布して塗布層を形成すると同時、(2)前記塗布液を塗布して形成される塗布層の乾燥塗中であって該塗布層が減率乾燥速度を示す前、の何れかの時に、pHが7.1以上の塩基性溶液(第2塗液)を前記塗布層に付与することにより行われる。架橋剤であるホウ素化合物は、前記の第1塗液または第2塗液の何れかに含有させればよく、第1塗液および第2塗液の両方に含有させてもよい。
−カチオン性ポリマー−
本発明においては、形成画像の耐水性および耐経時にじみの向上を図るために、インク受容層にカチオン性ポリマーを含有させることが好ましい。
本発明においては、形成画像の耐水性および耐経時にじみの向上を図るために、インク受容層にカチオン性ポリマーを含有させることが好ましい。
前記カチオン性ポリマーとしては、カチオン性基として、第1級〜第3級アミノ基、または第4級アンモニウム塩基を有するカチオン性ポリマーが好適に用いられる。また、前記カチオン性ポリマーと、カチオン性の非ポリマー媒染剤を併用してもよい。
前記カチオン性ポリマーとしては、第1級〜第3級アミノ基およびその塩、または第4級アンモニウム塩基を有する単量体(以下、「媒染モノマー」と言う。)の単独重合体や、前記媒染モノマーと他のモノマー(以下、「非媒染ポリマー」という。)との共重合体若しくは縮重合体として得られるものが好ましい。また、これらのカチオン性ポリマーは、水溶性ポリマーまたは水分散性のラテックス粒子のいずれの形態でも使用できる。
前記カチオン性ポリマーとしては、第1級〜第3級アミノ基およびその塩、または第4級アンモニウム塩基を有する単量体(以下、「媒染モノマー」と言う。)の単独重合体や、前記媒染モノマーと他のモノマー(以下、「非媒染ポリマー」という。)との共重合体若しくは縮重合体として得られるものが好ましい。また、これらのカチオン性ポリマーは、水溶性ポリマーまたは水分散性のラテックス粒子のいずれの形態でも使用できる。
前記媒染剤モノマーとしては、例えば、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチル−m−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n−プロピル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−n−オクチル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−(4−メチル)ベンジル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−フェニル−N−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライド;
トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、N,N,N−トリエチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N,N−トリエチル−N−2−(3−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−2−(4−ビニルフェニル)エチルアンモニウムアセテート;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのメチルクロライド、エチルクロライド、メチルブロマイド、エチルブロマイド、メチルアイオダイド若しくはエチルアイオダイドによる4級化物、またはそれらのアニオンを置換したスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、酢酸塩若しくはアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。
具体的な化合物としては、例えば、モノメチルジアリルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2−(アクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド;
N,N−ジメチル−N−エチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムブロマイド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムブロマイド、トリメチル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムスルホネート、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムアセテート等を挙げることができる。
その他、共重合可能なモノマーとして、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール等も挙げられる。
その他、共重合可能なモノマーとして、N−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾール等も挙げられる。
また、アリルアミンやジアリルアミン、その誘導体、塩なども利用できる。このような化合物の例としてはアリルアミン、アリルアミン塩酸塩、アリルアミン酢酸塩、アリルアミン硫酸塩、ジアリルアミン、ジアリルアミン塩酸塩、ジアリルアミン酢酸塩、ジアリルアミン硫酸塩、ジアリルメチルアミンおよびこの塩(該塩としては、例えば、塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩など)、ジアリルエチルアミンおよびこの塩(該塩としては、例えば、塩酸塩、酢酸塩、硫酸塩など)、ジアリルジメチルアンモニウム塩(該塩の対アニオンとしてはクロライド、酢酸イオン硫酸イオンなど)等が挙げられる。尚、これらのアリルアミンおよびジアリルアミン誘導体はアミンの形態では重合性が劣るので塩の形で重合し、必要に応じて脱塩することが一般的な製法である。
また、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミドなどの重合単位を用い、重合後に加水分解によってビニルアミン単位とすること、およびこれを塩にしたものも利用できる。
また、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルホルムアミドなどの重合単位を用い、重合後に加水分解によってビニルアミン単位とすること、およびこれを塩にしたものも利用できる。
前記非媒染モノマーとは、第1級〜第3級アミノ基およびその塩、または第4級アンモニウム塩基等の塩基性或いはカチオン性部分を含まず、インクジェット用インク中の染料と相互作用を示さない、若しくは相互作用が実質的に小さい単量体をいう。
前記非媒染モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;(メタ)アクリル酸ベンジル等のアラルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリル等のアリルエステル類;塩化ビニリデン、塩化ビニル等のハロゲン含有単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル;エチレン、プロピレン等のオレフィン類、等が挙げられる。
前記非媒染モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル;(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;(メタ)アクリル酸ベンジル等のアラルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等のビニルエステル類;酢酸アリル等のアリルエステル類;塩化ビニリデン、塩化ビニル等のハロゲン含有単量体;(メタ)アクリロニトリル等のシアン化ビニル;エチレン、プロピレン等のオレフィン類、等が挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アルキル部位の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、具体的には例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの中でも、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、ヒドロキシエチルメタアクリレートが好ましい。前記非媒染剤モノマーも、1種単独でまたは2種以上を組合せて使用できる。
更に、カチオン性ポリマーとしては、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ポリメタクリロイルオキシエチル−β−ヒドロキシエチルジメチルアンモニウムクロライド、ポリエチレニミン、ポリアリルアミンおよびその変性体、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリアミド−ポリアミン樹脂、カチオン化でんぷん、ジシアンジアミドホルマリン縮合物、ジメチル−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム塩重合物、ポリアミジン、ポリビニルアミン、または特開平10−264511、特開2000−43409、特開2000−343811、特開2002−120452に記載のアクリルシリコンラテックスのカチオン性アクリルエマルジョン(ダイセル化学工業(株)製の商品名「アクアブリッドシリーズ ASi−781、ASi−784、ASi−578、ASi−903」)、等も好ましいものとして挙げることができる。
前記カチオン性ポリマーの分子量としては、重量平均分子量で2000〜500000が好ましく、5000〜300000であることが更に好ましい。分子量がこの範囲にあると、耐水性および耐経時にじみ性を一層向上させることができる。
−多価金属塩化合物−
本発明に用いることのできる水溶性多価金属塩化合物としては、例えば、カルシウム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜鉛、ジルコニウム、クロム、マグネシウム、タングステン、モリブデンから選ばれる金属の水溶性塩が挙げられる。
具体的には、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)ニ水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム八水和物、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられる。
本発明に用いることのできる水溶性多価金属塩化合物としては、例えば、カルシウム、バリウム、マンガン、銅、コバルト、ニッケル、アルミニウム、鉄、亜鉛、ジルコニウム、クロム、マグネシウム、タングステン、モリブデンから選ばれる金属の水溶性塩が挙げられる。
具体的には、酢酸カルシウム、塩化カルシウム、ギ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸バリウム、硫酸バリウム、リン酸バリウム、塩化マンガン、酢酸マンガン、ギ酸マンガンニ水和物、硫酸マンガンアンモニウム六水和物、塩化第二銅、塩化アンモニウム銅(II)ニ水和物、硫酸銅、塩化コバルト、チオシアン酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸ニッケル六水和物、塩化ニッケル六水和物、酢酸ニッケル四水和物、硫酸ニッケルアンモニウム六水和物、アミド硫酸ニッケル四水和物、硫酸アルミニウム、亜硫酸アルミニウム、チオ硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム九水和物、塩化アルミニウム六水和物、臭化第一鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、臭化亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛六水和物、硫酸亜鉛、酢酸ジルコニウム、塩化ジルコニウム、塩化酸化ジルコニウム八水和物、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、酢酸クロム、硫酸クロム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム六水和物、クエン酸マグネシウム九水和物、りんタングステン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムタングステン、12タングストりん酸n水和物、12タングストけい酸26水和物、塩化モリブデン、12モリブドりん酸n水和物等が挙げられる。
前記水溶性多価金属塩化合物としては、特に、水溶性のアルミニウム化合物、ジルコニウム化合物およびチタン化合物より選択される少なくとも1種であることが好ましく、ジルコニウム化合物またはアルミニウム化合物であることが更に好ましい。
前記アルミニウム化合物としては、例えば無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。さらに、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物がある。特に、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましい。
前記アルミニウム化合物としては、例えば無機塩としては塩化アルミニウムまたはその水和物、硫酸アルミニウムまたはその水和物、アンモニウムミョウバン等が知られている。さらに、無機系の含アルミニウムカチオンポリマーである塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物がある。特に、塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物が好ましい。
前記塩基性ポリ水酸化アルミニウム化合物とは、主成分が下記の式(1)、(2)または(3)で示され、例えば〔Al6(OH)15〕3+、〔Al8(OH)20〕4+、〔Al13(OH)34〕5+、〔Al21(OH)60〕3+、等のような塩基性で高分子の多核縮合イオンを安定に含んでいる水溶性のポリ水酸化アルミニウムである。
式(1):〔Al2(OH)nCl6-n〕m
式(2):〔Al(OH)3〕nAlCl3
式(3):Aln(OH)mCl(3n-m)(0<m<3n)
式(2):〔Al(OH)3〕nAlCl3
式(3):Aln(OH)mCl(3n-m)(0<m<3n)
これらのものは多木化学(株)よりポリ塩化アルミニウム(PAC)の名で水処理剤として、浅田化学(株)よりポリ水酸化アルミニウム(Paho)の名で、また、(株)理研グリーンよりピュラケムWTの名で、また、大明化学工業(株)よりポリ塩化アルミニウム(アルフィン)の名で、更に他のメーカーからも同様の目的を持って上市されており、各種グレードの物が容易に入手できる。本発明ではこれらの市販品をそのままでも使用できるが、pHが不適当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調節して用いることも可能である。
本発明に用いられる前記ジルコニウム化合物としては、特に限定されず種々の化合物が使用できるが、例えば、酢酸ジルコニル、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、ヒドロキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、炭酸ジルコニウム・アンモニウム、炭酸ジルコニウム・カリウム、硫酸ジルコニウム、フッ化ジルコニウム化合物等が挙げられる。 特に酢酸ジルコニルが好ましい。
前記チタン化合物としては、特に限定されず種々の化合物が使用できるが、例えば、塩化チタン、硫酸チタンが挙げられる。
これらの化合物は、pHが不適当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調節して用いることも可能である。本発明に於いて、水溶性とは常温常圧下で水に1質量%以上溶解することを目安とする。
前記チタン化合物としては、特に限定されず種々の化合物が使用できるが、例えば、塩化チタン、硫酸チタンが挙げられる。
これらの化合物は、pHが不適当に低い物もあり、その場合は適宜pHを調節して用いることも可能である。本発明に於いて、水溶性とは常温常圧下で水に1質量%以上溶解することを目安とする。
本発明において、前記水溶性多価金属塩化合物のインク受容層中の含有量は、前記無機微粒子に対して0.1〜10質量%が好ましく、更に好ましくは1〜5質量%である。
前記水溶性多価金属塩化合物は、単独でも用いることができるが、2種以上を併用することが好ましい。
上述のカチオン性ポリマーおよび水溶性多価金属塩化合物を、インク受容層の上層部に存在させると、アニオン性染料を色材として有するインクジェット用の液状インクとの間で相互作用が働き、該色材を安定化させて耐水性や耐経時にじみを更に改善することができる。
−他の成分−
本発明におけるインク受容層は、必要に応じて下記成分を含有させて構成される。
即ち、インク色材の劣化を抑制する目的で、各種の紫外線吸収剤、酸化防止剤、一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤を含んでいてもよい。
前記紫外線吸収剤としては、桂皮酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾリルフェノール誘導体等が挙げられる。例えば、α−シアノ−フェニル桂皮酸ブチル、o−ベンゾトリアゾールフェノール、o−ベンゾトリアゾール−p−クロロフェノール、o−ベンゾトリアゾール−2,4−ジ−t−ブチルフェノール、o−ベンゾトリアゾール−2,4−ジ−t−オクチルフェノール等が挙げられる。ヒンダートフェノール化合物も紫外線吸収剤として使用でき、具体的には少なくとも2位または6位の内、1ヵ所以上が分岐アルキル基で置換されたフェノール誘導体が好ましい。
本発明におけるインク受容層は、必要に応じて下記成分を含有させて構成される。
即ち、インク色材の劣化を抑制する目的で、各種の紫外線吸収剤、酸化防止剤、一重項酸素クエンチャー等の褪色防止剤を含んでいてもよい。
前記紫外線吸収剤としては、桂皮酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンゾトリアゾリルフェノール誘導体等が挙げられる。例えば、α−シアノ−フェニル桂皮酸ブチル、o−ベンゾトリアゾールフェノール、o−ベンゾトリアゾール−p−クロロフェノール、o−ベンゾトリアゾール−2,4−ジ−t−ブチルフェノール、o−ベンゾトリアゾール−2,4−ジ−t−オクチルフェノール等が挙げられる。ヒンダートフェノール化合物も紫外線吸収剤として使用でき、具体的には少なくとも2位または6位の内、1ヵ所以上が分岐アルキル基で置換されたフェノール誘導体が好ましい。
また、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オキザリックアシッドアニリド系紫外線吸収剤等も使用できる。例えば、特開昭47−10537号公報、同58−111942号公報、同58−212844号公報、同59−19945号公報、同59−46646号公報、同59−109055号公報、同63−53544号公報、特公昭36−10466号公報、同42−26187号公報、同48−30492号公報、同48−31255号公報、同48−41572号公報、同48−54965号公報、同50−10726号公報、米国特許第2,719,086号明細書、同3,707,375号明細書、同3,754,919号明細書、同4,220,711号明細書等に記載されている。
蛍光増白剤も紫外線吸収剤として使用でき、例えば、クマリン系蛍光増白剤等が挙げられる。具体的には、特公昭45−4699号公報、同54−5324号公報等に記載されている。
前記酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許第223739号公報、同309401号公報、同309402号公報、同310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同60−107384号公報、同60−107383号公報、同60−125470号公報、同60−125471号公報、同60−125472号公報、同60−287485号公報、同60−287486号公報、同60−287487号公報、同60−287488号公報、同61−160287号公報、同61−185483号公報、同61−211079号公報、同62−146678号公報、同62−146680号公報、同62−146679号公報、同62−282885号公報、同62−262047号公報、同63−051174号公報、同63−89877号公報、同63−88380号公報、同66−88381号公報、同63−113536号公報;
同63−163351号公報、同63−203372号公報、同63−224989号公報、同63−251282号公報、同63−267594号公報、同63−182484号公報、特開平1−239282号公報、特開平2−262654号公報、同2−71262号公報、同3−121449号公報、同4−291685号公報、同4−291684号公報、同5−61166号公報、同5−119449号公報、同5−188687号公報、同5−188686号公報、同5−110490号公報、同5−1108437号公報、同5−170361号公報、特公昭48−43295号公報、同48−33212号公報、米国特許第4814262号、同第4980275号公報等に記載のものが挙げられる。
具体的には、6−エトキシ−1−フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、6−エトキシ−1−フェニル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、6−エトキシ−1−オクチル−2,2,4−トリメチル−1,2,3,4,−テトラヒドロキノリン、シクロヘキサン酸ニッケル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、2−メチル−4−メトキシ−ジフェニルアミン、1−メチル−2−フェニルインドール等が挙げられる。
これら褪色性防止剤は、単独でも2種以上を併用してもよい。褪色性防止剤は、水溶性化、分散、エマルション化してもよく、マイクロカプセル中に含ませることもできる。褪色性防止剤の添加量としては、インク受容層塗布液の0.01〜10質量%が好ましい。
本発明において、インク受容層はカール防止用に高沸点有機溶剤を含有するのが好ましい。前記高沸点有機溶剤としては、水溶性のものが好ましく、該水溶性の高沸点有機溶剤としては、例えば、エチレングリコール、ポロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGMBE)、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、グリセリンモノメチルエーテル、1,2,3−ブタントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、トリエタノールアミン、ポリエチレングリコール(重量平均分子量が400以下)等のアルコール類が挙げられる。好ましくは、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEGMBE)である。
前記高沸点有機溶剤のインク受容層用塗布液中における含有量としては、0.05〜1質量%が好ましく、特に好ましくは0.1〜0.6質量%である。
また、無機微粒子の分散性を高める目的で、各種無機塩類、pH調整剤として酸やアルカリ等を含んでいてもよい。
更に、表面の摩擦帯電や剥離帯電を抑制する目的で、電子導電性を持つ金属酸化物微粒子を、表面の摩擦特性を低減する目的で各種のマット剤を含んでいてもよい。
また、無機微粒子の分散性を高める目的で、各種無機塩類、pH調整剤として酸やアルカリ等を含んでいてもよい。
更に、表面の摩擦帯電や剥離帯電を抑制する目的で、電子導電性を持つ金属酸化物微粒子を、表面の摩擦特性を低減する目的で各種のマット剤を含んでいてもよい。
(インクジェット記録用媒体の作製)
本発明のインクジェット記録用媒体のインク受容層は、例えば、本発明における支持体上に少なくとも無機微粒子と水溶性樹脂とを含有する塗布液(第1塗液)を塗布して塗布層を形成し、更に前記塗布液(第1塗液)および/または下記塩基性溶液(第2塗液)に架橋剤を添加し、且つ(1)前記塗布液(第1塗液)を塗布して塗布層を形成すると同時、または(2)前記塗布液(第1塗液)を塗布して形成される塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥速度を示す前、の何れかの時に、pHが7.1以上の塩基性溶液(第2塗液)を前記塗布層に付与し、前記塗布層を架橋硬化させる方法(これを「Wet on Wet法」と称する。)により形成されるのが好ましい。
本発明のインクジェット記録用媒体のインク受容層は、例えば、本発明における支持体上に少なくとも無機微粒子と水溶性樹脂とを含有する塗布液(第1塗液)を塗布して塗布層を形成し、更に前記塗布液(第1塗液)および/または下記塩基性溶液(第2塗液)に架橋剤を添加し、且つ(1)前記塗布液(第1塗液)を塗布して塗布層を形成すると同時、または(2)前記塗布液(第1塗液)を塗布して形成される塗布層の乾燥途中であって該塗布層が減率乾燥速度を示す前、の何れかの時に、pHが7.1以上の塩基性溶液(第2塗液)を前記塗布層に付与し、前記塗布層を架橋硬化させる方法(これを「Wet on Wet法」と称する。)により形成されるのが好ましい。
前述の水溶性樹脂を架橋し得る架橋剤は、前記の第1塗液或いは第2塗液の少なくとも一方または両方に含有せしめるのが好ましい。このように第1塗液に対して、前記(1)同時、または(2)乾燥途中、の何れかに塩基性溶液(第2塗液)を付与して架橋硬化させたインク受容層は、インク吸収性や膜のひび割れ防止等の利点を有する他に、ハジキ故障等の外観を向上させる上で特に好ましい。
また、本発明におけるインク受容層中における前記カチオン性ポリマーや水溶性多価金属塩化合物が存在する部分の厚みは、インク受容層の全厚みに対して10〜60%であるように存在させるのが好ましい態様である。例えば、(1)微粒子と水溶性樹脂および架橋剤とを含有する塗布層を形成し、媒染剤含有溶液をその上に塗布する方法、(2)微粒子および水溶性樹脂を含む塗布液と媒染剤含有溶液とを重層塗布する方法、等の任意の方法で形成できる。また、媒染剤含有溶液中に無機微粒子、水溶性樹脂、架橋剤等が含有されていてもよい。前記の様に構成すると、媒染剤がインク受容層の所要の部分に多く存在するので、インクジェットのインク色材が十分に媒染され、色濃度や経時にじみ、印画部光沢、印字後の文字や画像の耐水性、耐オゾン性が更に向上するので好ましい。媒染剤の一部は最初に支持体に設ける層に含有させてもよく、その場合は、後から付与する媒染剤は同じものでも異なっていてもよい。
本発明において、第1塗液である無機顔料微粒子と水溶性樹脂およびホウ素化合物(架橋剤)を含んでなる塗布液は、例えば、以下の様にして調製できる。
即ち、平均一次粒子径20nm以下のシリカ微粒子を水中に添加して(例えば、10〜20質量%)、高速回転湿式コロイドミル(例えば、エム・テクニック(株)製の「クレアミックス」)を用いて、例えば、回転数10000rpm(好ましくは5000〜20000rpm)の高速回転の条件で20分間(好ましくは、10〜30分間)かけて分散させた後、ホウ素化合物(例えば、シリカの0.5〜20質量%)を加え、前記と同じ条件で分散を行ない、ポリビニルアルコール水溶液(例えば、シリカの1/3程度の質量のPVAとなる様に)を加え、更に前記と同じ回転条件で分散を行なうことにより調製することができる。得られた塗布液は均一ゾルであり、これを下記の塗布方法で支持体上に塗布し形成することにより、三次元網目構造を有する多孔質構造のインク受容層を得ることができる。
前記第1塗液には、必要に応じて、更にpH調整剤、分散剤、界面活性剤、消泡剤、帯電防止剤等を添加することができる。
即ち、平均一次粒子径20nm以下のシリカ微粒子を水中に添加して(例えば、10〜20質量%)、高速回転湿式コロイドミル(例えば、エム・テクニック(株)製の「クレアミックス」)を用いて、例えば、回転数10000rpm(好ましくは5000〜20000rpm)の高速回転の条件で20分間(好ましくは、10〜30分間)かけて分散させた後、ホウ素化合物(例えば、シリカの0.5〜20質量%)を加え、前記と同じ条件で分散を行ない、ポリビニルアルコール水溶液(例えば、シリカの1/3程度の質量のPVAとなる様に)を加え、更に前記と同じ回転条件で分散を行なうことにより調製することができる。得られた塗布液は均一ゾルであり、これを下記の塗布方法で支持体上に塗布し形成することにより、三次元網目構造を有する多孔質構造のインク受容層を得ることができる。
前記第1塗液には、必要に応じて、更にpH調整剤、分散剤、界面活性剤、消泡剤、帯電防止剤等を添加することができる。
前記分散に用いる分散機械としては、高速回転分散機、媒体撹拌型分散機(ボールミル、サンドミルなど)、超音波分散機、コロイドミル分散機、高圧分散機等従来公知の各種の分散機を使用することができるが、発生するダマ状微粒子の分散を効率的に行なう為には、媒体撹拌型分散機やコロイドミル分散機または高圧分散機が好ましい。
また、各塗布液の調製に用いる溶媒としては、水や有機溶媒、またはこれらの混合溶媒を用いることができる。この塗布液に用いることができる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、メトキシプロパノール等のアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、酢酸エチル、トルエン等が挙げられる。
また、界面活性剤を含む第2塗液(塩基性溶液)は、例えば、以下の様にして調製できる。即ち、イオン交換水に媒染剤(例えば、0.1〜5.0質量%)と界面活性剤類(例えば、総量として0.01〜1.0質量%)と必要に応じて架橋剤(0〜5.0質量%)とを加え充分に攪拌する。第2塗液のpHとしては8.0以上が好ましく、pH調整はアンモニア水、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、アミノ基含有化合物(エチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ポリアリルアミン等)等を用いてpH8.0以上に適宜に行なうことができる。
第1塗液(インク受容層用塗布液)の塗布は、例えば、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレッドコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等の公知の塗布方法によって行うことができる。
第1塗液(インク受容層用塗布液)の塗布と同時または塗布した後に、該塗布層に第2塗液(塩基性溶液)が付与されるが、該第2塗液は、塗布後の塗布層が減率乾燥を示すようになる前に付与してもよい。即ち、インク受容層用塗布液の塗布後、この塗布層が恒率乾燥を示す間に塩基性溶液を導入することで好適に製造される。この第2塗液には、媒染剤を含有させてもよい。
ここで、前記「塗布層が減率乾燥を示すようになる前」とは、通常、インク受容層用塗布液の塗布直後から数分間の過程を指し、この間においては、塗布された塗布層中の溶剤(分散媒体)の含有量が時間に比例して減少する「恒率乾燥」の現象を示す。この「恒率乾燥」を示す時間については、例えば、「化学工学便覧」(頁707〜712、丸善(株)発行、昭和55年10月25日)に記載されている。
前記の通り、第1塗液の塗布後、該塗布層が減率乾燥を示す様になるまで乾燥されるが、この乾燥は一般に温度50〜180℃で0.5〜10分間(好ましくは、0.5〜5分間)行われる。この乾燥時間としては、当然塗布量により異なるが、通常は前記範囲が適当である。
減率乾燥速度を示すようになる前に第2塗液を付与する方法としては、(1)第2塗液を塗布層上に更に塗布する方法、(2)スプレー等の方法により噴霧する方法、(3)第2塗液中に該塗布層が形成された支持体を浸漬する方法、等が挙げられる。
前記方法(1)において、第2塗液を塗布する塗布方法としては、例えば、カーテンフローコーター、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレッドコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等の公知の塗布方法を利用することができる。しかし、エクストリュージョンダイコーター、カーテンフローコーター、バーコーター等のように、既に形成されている第1塗布層にコーターが直接接触しない方法を利用することが好ましい。
第2塗液の塗布量としては、5〜50g/m2が一般的であり、10〜30g/m2が好ましい。
第2塗液の付与後は、一般に温度40〜180℃で0.5〜30分間加熱され、乾燥および硬化が行なわれる。中でも、温度40〜150℃で1〜20分間加熱することが好ましい。例えば、第1塗液中に含有する架橋剤を硼砂や硼酸とする場合には、温度60〜100℃での加熱を5〜20分間行なうことが好ましい。
また、前記塩基性溶液(第2塗液)を、インク受容層塗布液(第1塗液)を塗布すると同時に付与する場合、第1塗液および第2塗液を、第1塗液が支持体と接触する様にして支持体上に同時塗布(重層塗布)し、その後乾燥硬化させることによりインク受容層を形成することができる。
前記同時塗布(重層塗布)は、例えば、エクストルージョンダイコーター、カーテンフローコーターを用いた塗布方法により行なうことができる。同時塗布の後、形成された塗布層は乾燥されるが、この場合の乾燥は、一般に塗布層を温度40〜150℃で0.5〜10分間加熱することにより行なわれ、好ましくは、温度40〜100℃で0.5〜5分間加熱することにより行なわれる。
前記同時塗布(重層塗布)を、例えば、エクストルージョンダイコーターにより行った場合、同時に吐出される2種の塗布液は、エクストルージョンダイコーターの吐出口附近で、即ち、支持体上に移る前に重層形成され、その状態で支持体上に重層塗布される。塗布前に重層された2層の塗布液は、支持体に移る際、既に2液の界面で架橋反応を生じ易いことから、エクストルージョンダイコーターの吐出口付近では、吐出される2液が混合して増粘し易くなり、塗布操作に支障を来す場合がある。従って、前記の様に同時塗布する際は、第1塗液および第2塗液の塗布と共に、バリアー層液(中間層液)を前記2液間に介在させて同時3重層塗布することが好ましい。
前記バリアー層液は、特に制限なく選択できる。例えば、水溶性樹脂を微量含む水溶液や、水等を挙げることができる。前記水溶性樹脂は、増粘剤等の目的で、塗布性を考慮して使用されるもので、例えば、セルロース系樹脂(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロ−ス、メチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルメチルセルロ−ス等)、ポリビニルピロリドン、ゼラチン等のポリマーが挙げられる。ここで、該バリアー層液には、前記媒染剤を含有させることもできる。
支持体上にインク受容層を形成した後、該インク受容層は、例えば、スーパーカレンダ、グロスカレンダ等を用い、加熱加圧下にロールニップ間を通してカレンダー処理を施すことにより、表面平滑性や光沢度、透明性および塗膜強度を向上させることが可能である。しかしながら、該カレンダー処理は、空隙率を低下させる要因となることがあるため(即ち、インク吸収性が低下することがあるため)、空隙率の低下が少ない条件を設定して行なう必要がある。
前記カレンダー処理を行なう場合のロール温度としては、30〜150℃が好ましく、40〜100℃がより好ましい。また、カレンダー処理時のロール間の線圧としては、50〜400kg/cmが好ましく、100〜200kg/cmがより好ましい。
本発明のインク受容層の層厚としては、インクジェット記録の場合では、液滴を全て吸収するだけの吸収容量を持つ必要があるため、層中の空隙率との関連で決定する必要がある。例えば、インク量が8nL/mm2で、空隙率が60%の場合であれば、層厚が約15μm以上の膜が必要となる。この点を考慮すると、インクジェット記録の場合には、インク受容層の層厚としては、10〜50μmが好ましい。
また、インク受容層の細孔径は、メジアン径で0.005〜0.030μmが好ましく、0.01〜0.025μmがより好ましい。空隙率および細孔メジアン径は、(株)島津製作所製の水銀ポロシメーター「ボアサイザー9320−PC2」を用いて測定することができる。
また、インク受容層は、透明性に優れていることが好ましいが、その目安としては、インク受容層を透明フイルム支持体上に形成したときのヘイズ値が、30%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましい。該ヘイズ値は、スガ試験機(株)製のヘイズメーター「HGM−2DP」を用いて測定することができる。
以下に本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例において、「%」および「部」は質量基準である。
[実施例1]
(支持体の作製)
メイプルからなるLBKPとアカシアからなるLBKPとをディスクリファイナーを用いて、カナディアンフリーネスで330mlに調整した各々の紙料を質量比で70:30の配合率になるように混合した。パルプの重量平均繊維長は、0.56mmであった。このパルプスラリーに対し、カチオン性澱粉(日本NSC(株)製;CATO 304L)を1.3%、アニオン性ポリアクリルアミド(星光化学(株)製;ポリアクロンST−13)0.15%、アルキルケテンダイマー(荒川化学(株)製;サイズパインK)を0.29%、エポキシ化ベヘン酸アミドを0.8%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(荒川化学(株)製;アラフィックス100)を0.32質量%加えた後、消泡剤を0.12質量%加えた。
前記のようにして調製したパルプスラリーを長網抄紙機を用いて抄紙し、ドライヤー、サイズプレス、マシンカレンダーを通し、坪量200g/m2、厚み187μm、密度1.06の原紙を製造した。
原紙の内部結合力は1.45kg・cmであつた。
(支持体の作製)
メイプルからなるLBKPとアカシアからなるLBKPとをディスクリファイナーを用いて、カナディアンフリーネスで330mlに調整した各々の紙料を質量比で70:30の配合率になるように混合した。パルプの重量平均繊維長は、0.56mmであった。このパルプスラリーに対し、カチオン性澱粉(日本NSC(株)製;CATO 304L)を1.3%、アニオン性ポリアクリルアミド(星光化学(株)製;ポリアクロンST−13)0.15%、アルキルケテンダイマー(荒川化学(株)製;サイズパインK)を0.29%、エポキシ化ベヘン酸アミドを0.8%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン(荒川化学(株)製;アラフィックス100)を0.32質量%加えた後、消泡剤を0.12質量%加えた。
前記のようにして調製したパルプスラリーを長網抄紙機を用いて抄紙し、ドライヤー、サイズプレス、マシンカレンダーを通し、坪量200g/m2、厚み187μm、密度1.06の原紙を製造した。
原紙の内部結合力は1.45kg・cmであつた。
前記サイズプレスに用いられるサイプレス液の組成は以下の通りである。
〔サイプレス液の組成〕
・ポリビニルアルコール((株)クラレ製:KL−118) 2部
・塩化ナトリウム 1部
〔サイプレス液の組成〕
・ポリビニルアルコール((株)クラレ製:KL−118) 2部
・塩化ナトリウム 1部
前記サイズプレス液の濃度を5%に調整し、この液を、前記原紙の両面に乾燥塗工量で1.25g/m2塗布した。
次いで、得られた原紙のウラ面にコロナ放電処理を施し、密度0.96g/cm2のポリエチレンを37g/m2になるようにコーティングし、マット面からなる熱可塑性樹脂層を形成した。続いて、原紙のオモテ面にコロナ放電処理を施し、アナターゼ型酸化チタン20%、群青を0.3%、および蛍光増白剤「Whiteflour PSN conc」((株)日本化学工業製)を0.08%含有する密度0.93g/cm2の低密度ポリエチレンを、40g/m2になるように原紙のオモテ面にコーティングし、微粒面からなる熱可塑性樹脂層を形成し、支持体を得た。
得られた支持体の坪量は277g/m2であり、テーバー剛度のタテ/ヨコ比は1.86であり、オモテ面の75°光沢度は82.5%であった。
次いで、得られた原紙のウラ面にコロナ放電処理を施し、密度0.96g/cm2のポリエチレンを37g/m2になるようにコーティングし、マット面からなる熱可塑性樹脂層を形成した。続いて、原紙のオモテ面にコロナ放電処理を施し、アナターゼ型酸化チタン20%、群青を0.3%、および蛍光増白剤「Whiteflour PSN conc」((株)日本化学工業製)を0.08%含有する密度0.93g/cm2の低密度ポリエチレンを、40g/m2になるように原紙のオモテ面にコーティングし、微粒面からなる熱可塑性樹脂層を形成し、支持体を得た。
得られた支持体の坪量は277g/m2であり、テーバー剛度のタテ/ヨコ比は1.86であり、オモテ面の75°光沢度は82.5%であった。
(インク受容層用塗布液Aの調製)
下記組成の(1)気相法シリカ微粒子と、(2)イオン交換水と、(3)分散剤(シャロールDC−902P)と、(4)酢酸ジルコニル(ZA−30)とを混合し、超音波分散機「UH600S」((株)エスエムテイ製)を用い周波数20KHzにてメジアン径0.109μmに分散させた。その後、分散液を45℃に加熱し、20時間保持した。さらに、これに下記(5)ほう酸と、(6)ポリビニルアルコール溶解液と、(7)カチオン化ポリウレタン樹脂と、(8)ポリオキシエチレンラウリルエーテルと、(9)エタノールと、を30℃で加え、インク受容層塗布液Aを調製した。
下記組成の(1)気相法シリカ微粒子と、(2)イオン交換水と、(3)分散剤(シャロールDC−902P)と、(4)酢酸ジルコニル(ZA−30)とを混合し、超音波分散機「UH600S」((株)エスエムテイ製)を用い周波数20KHzにてメジアン径0.109μmに分散させた。その後、分散液を45℃に加熱し、20時間保持した。さらに、これに下記(5)ほう酸と、(6)ポリビニルアルコール溶解液と、(7)カチオン化ポリウレタン樹脂と、(8)ポリオキシエチレンラウリルエーテルと、(9)エタノールと、を30℃で加え、インク受容層塗布液Aを調製した。
〔インク受容層用塗布液Aの組成〕
(1)気相法シリカ微粒子 10.0部
(AEROSIL 300SF75;日本アエロジル(株)製、平均1次粒径約7nm)
(2)イオン交換水 64.8部
(3)「シャロールDC−902P」(51.5%水溶液) 0.87部
(分散剤;第一工業製薬(株)製、分子量約1万)
(4)「ZA−30」 0.54部
(酢酸ジルコニル;第一稀元素化学工業(株)製)
(5)ほう酸(架橋剤) 0.37部
(6)ポリビニルアルコール溶解液 29.4部
〔ポリビニルアルコール溶解液の組成〕
・PVA235((株)クラレ製) …2.03部
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル …0.03部
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル…0.68部
(ブチセノール20P;協和発酵(株)製)
・イオン交換水 …27.2部
(7)カチオン化ポリウレタン樹脂 1.24部
(「スーパーフレックス650」、第一工業製薬(株)製)
(8)ポリオキシエチレンラウリルエーテル 0.49部
(「エマルゲン109P」(10%水溶液;花王(株)製)
(9)エタノール 2.49部
(1)気相法シリカ微粒子 10.0部
(AEROSIL 300SF75;日本アエロジル(株)製、平均1次粒径約7nm)
(2)イオン交換水 64.8部
(3)「シャロールDC−902P」(51.5%水溶液) 0.87部
(分散剤;第一工業製薬(株)製、分子量約1万)
(4)「ZA−30」 0.54部
(酢酸ジルコニル;第一稀元素化学工業(株)製)
(5)ほう酸(架橋剤) 0.37部
(6)ポリビニルアルコール溶解液 29.4部
〔ポリビニルアルコール溶解液の組成〕
・PVA235((株)クラレ製) …2.03部
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル …0.03部
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル…0.68部
(ブチセノール20P;協和発酵(株)製)
・イオン交換水 …27.2部
(7)カチオン化ポリウレタン樹脂 1.24部
(「スーパーフレックス650」、第一工業製薬(株)製)
(8)ポリオキシエチレンラウリルエーテル 0.49部
(「エマルゲン109P」(10%水溶液;花王(株)製)
(9)エタノール 2.49部
(インクジェット記録用シートの作製)
前記支持体のオモテ面にコロナ放電処理を行った後、173ml/m2の塗布量になるように流したインク受容層用塗布液Aに、5倍希釈のポリ塩化アルミ水溶液(アルファイン83;大明化学工業(株)製)を10.8ml/m2の速度でインライン塗布した。塗布後、熱風乾燥機にて80℃で塗布層の固形分濃度が20%になるまで乾燥させた。この塗布層は、この間は恒率乾燥速度を示した。そして、減率乾燥を示す前に、下記組成の塩基性溶液Bに、3秒浸漬して塗布層上に塩基性溶液を13g/m2を付着させ、更に80℃下で、10分間乾燥させた(硬化工程)。これにより、乾燥膜厚32μmのインク受容層を形成し、実施例1のインクジェット記録用シートを得た。
前記支持体のオモテ面にコロナ放電処理を行った後、173ml/m2の塗布量になるように流したインク受容層用塗布液Aに、5倍希釈のポリ塩化アルミ水溶液(アルファイン83;大明化学工業(株)製)を10.8ml/m2の速度でインライン塗布した。塗布後、熱風乾燥機にて80℃で塗布層の固形分濃度が20%になるまで乾燥させた。この塗布層は、この間は恒率乾燥速度を示した。そして、減率乾燥を示す前に、下記組成の塩基性溶液Bに、3秒浸漬して塗布層上に塩基性溶液を13g/m2を付着させ、更に80℃下で、10分間乾燥させた(硬化工程)。これにより、乾燥膜厚32μmのインク受容層を形成し、実施例1のインクジェット記録用シートを得た。
〔塩基性溶液Bの組成〕
(1)ほう酸 0.65部
(2)炭酸ジルコニウムアンモニウム 2.5部
(ジルコゾールAC−7(28%水溶液);第一稀元素化学工業(株)製)
(3)炭酸アンモニウム(関東化学(株)製) 3.5部
(4)イオン交換水 63.3部
(5)ポリオキシエチレンラウリルエーテル 30.0部
(「エマルゲン109P」(2%水溶液;花王(株)製)
(1)ほう酸 0.65部
(2)炭酸ジルコニウムアンモニウム 2.5部
(ジルコゾールAC−7(28%水溶液);第一稀元素化学工業(株)製)
(3)炭酸アンモニウム(関東化学(株)製) 3.5部
(4)イオン交換水 63.3部
(5)ポリオキシエチレンラウリルエーテル 30.0部
(「エマルゲン109P」(2%水溶液;花王(株)製)
[比較例1]
(支持体の作製)
実施例1と同様にして、坪量が200g/m2、厚み187μm、密度1.06、内部結合力1.45kg・cmの原紙を製造し、得られた原紙のウラ面にコロナ放電処理して、密度0.96g/cm2のポリエチレンを23.5g/m2になるようにコーティングし、マット面からなる熱可塑性樹脂層を形成した。
続いてオモテ面にコロナ放電処理し、アナターゼ型酸化チタン20%、群青を0.3%、蛍光増白剤「Whiteflour PSN conc」((株)日本化学工業製)を0.08%含有するように調整した、密度0.93g/cm2の低密度ポリエチレンを24.5g/m2になるようにコーティングし、微粒面からなる熱可塑性樹脂層を形成し、支持体を作製した。
得られた支持体の坪量は248g/m2、テーバー剛度の縦/横比は1.86であり、オモテ面の75度光沢度は79.6%、であった。
(支持体の作製)
実施例1と同様にして、坪量が200g/m2、厚み187μm、密度1.06、内部結合力1.45kg・cmの原紙を製造し、得られた原紙のウラ面にコロナ放電処理して、密度0.96g/cm2のポリエチレンを23.5g/m2になるようにコーティングし、マット面からなる熱可塑性樹脂層を形成した。
続いてオモテ面にコロナ放電処理し、アナターゼ型酸化チタン20%、群青を0.3%、蛍光増白剤「Whiteflour PSN conc」((株)日本化学工業製)を0.08%含有するように調整した、密度0.93g/cm2の低密度ポリエチレンを24.5g/m2になるようにコーティングし、微粒面からなる熱可塑性樹脂層を形成し、支持体を作製した。
得られた支持体の坪量は248g/m2、テーバー剛度の縦/横比は1.86であり、オモテ面の75度光沢度は79.6%、であった。
(インクジェット記録用シートの作製)
実施例1と同様にして、前記から得られた支持体上にインク受容層を形成し、比較例1のインクジェット記録用シートを作製した。
実施例1と同様にして、前記から得られた支持体上にインク受容層を形成し、比較例1のインクジェット記録用シートを作製した。
[比較例2]
(支持体の作製)
実施例1において、坪量180g/m2、厚み170μm、密度1.06、内部結合力1.45kg・cmの原紙を製造し、支持体を得た。
得られた支持体の坪量は257g/m2、テーバー剛度の縦/横比は1.86であり、オモテ面の75度光沢度は81.8%、であった。
(支持体の作製)
実施例1において、坪量180g/m2、厚み170μm、密度1.06、内部結合力1.45kg・cmの原紙を製造し、支持体を得た。
得られた支持体の坪量は257g/m2、テーバー剛度の縦/横比は1.86であり、オモテ面の75度光沢度は81.8%、であった。
(インクジェット記録用シートの作製)
実施例1と同様にして、前記から得られた支持体上にインク受容層を形成し、比較例2のインクジェット記録用シートを作製した。
実施例1と同様にして、前記から得られた支持体上にインク受容層を形成し、比較例2のインクジェット記録用シートを作製した。
[比較例3]
(支持体の作製)
実施例1におけるパルプの種類を、アスペンからなるLBKPとアカシアからなるLBKPとをディスクソファイナーに変更し、カナディアンフターネスで330mlに調整した各々の紙料を質量比で70:30の配合率になるように混合した以外は実施例1と同様に、薬品を添加した。この際、パルプの重量平均繊維長は、0.67mmであった。
次いで、前記のようにして調整したパルプスラリーを、長網抄紙機を用いて抄紙し、ドライヤー、サイズプレス、マシンカレンダーを通し、坪量160g/m2、厚み155μm、密度1.03の原紙を製造した。原紙の内部結合力は1.13kg・cmであった。サイズプレスは実施例1と同様に行った。
得られた原紙のウラ面にコロナ放電処理を施し、密度0.96g/cm2のポリエチレンを23.5g/m2になるようにコーティングし、マット面からなる熱可塑性樹脂層を形成した。続いてオモテ面にコロナ放電処理を施し、アナターゼ型酸化チタン20%、群青を0.3%、蛍光増白剤「Whiteflour PSN conc」((株)日本化学工業製)を0.08%含有する密度0.93g/cm2の低密度ポリエチレンを24.5g/m2になるようにコーティングし、微粒面からなる熱可塑性樹脂層を形成した。
得られた支持体の坪量は208g/m2であり、テーバー剛度のタテ/ヨコ比は2.12であり、オモテ面の75°光沢度は80.5%であった。
(支持体の作製)
実施例1におけるパルプの種類を、アスペンからなるLBKPとアカシアからなるLBKPとをディスクソファイナーに変更し、カナディアンフターネスで330mlに調整した各々の紙料を質量比で70:30の配合率になるように混合した以外は実施例1と同様に、薬品を添加した。この際、パルプの重量平均繊維長は、0.67mmであった。
次いで、前記のようにして調整したパルプスラリーを、長網抄紙機を用いて抄紙し、ドライヤー、サイズプレス、マシンカレンダーを通し、坪量160g/m2、厚み155μm、密度1.03の原紙を製造した。原紙の内部結合力は1.13kg・cmであった。サイズプレスは実施例1と同様に行った。
得られた原紙のウラ面にコロナ放電処理を施し、密度0.96g/cm2のポリエチレンを23.5g/m2になるようにコーティングし、マット面からなる熱可塑性樹脂層を形成した。続いてオモテ面にコロナ放電処理を施し、アナターゼ型酸化チタン20%、群青を0.3%、蛍光増白剤「Whiteflour PSN conc」((株)日本化学工業製)を0.08%含有する密度0.93g/cm2の低密度ポリエチレンを24.5g/m2になるようにコーティングし、微粒面からなる熱可塑性樹脂層を形成した。
得られた支持体の坪量は208g/m2であり、テーバー剛度のタテ/ヨコ比は2.12であり、オモテ面の75°光沢度は80.5%であった。
(インクジェット記録用シートの作製)
実施例1と同様にして、前記から得られた支持体上にインク受容層を形成し、比較例3のインクジェット記録用シートを作製した。
実施例1と同様にして、前記から得られた支持体上にインク受容層を形成し、比較例3のインクジェット記録用シートを作製した。
〔評価試験〕
得られたインクジェット記録用シートについて下記の各評価を行った。結果を下記表1に示す。
得られたインクジェット記録用シートについて下記の各評価を行った。結果を下記表1に示す。
(1)表面粗さ
ケーエルエー・テンコール(株)製「TENCOR P−11」機を用いて、インク受容および支持体表面を、JIS−B0601(2001)に規定される中心線平均粗さ(Ra)を、測定長さを2.5mmおよびカットオフ値を0.8mmとして測定した。
ケーエルエー・テンコール(株)製「TENCOR P−11」機を用いて、インク受容および支持体表面を、JIS−B0601(2001)に規定される中心線平均粗さ(Ra)を、測定長さを2.5mmおよびカットオフ値を0.8mmとして測定した。
(2)シャープネス
各インクジェット記録用シートに正弦波チャートをプリントし、マイクロデンシトメーター(「TMD2200」、サカタインクスエジニアリング(株)製)で濃度測定して、変調伝達関数(MTF)を求め、5サイクル/mmのところで各値を比較した。値が1に近いほど優れている。
各インクジェット記録用シートに正弦波チャートをプリントし、マイクロデンシトメーター(「TMD2200」、サカタインクスエジニアリング(株)製)で濃度測定して、変調伝達関数(MTF)を求め、5サイクル/mmのところで各値を比較した。値が1に近いほど優れている。
(3)人物像の印画画質
実施例および比較例のインクジェット用記録シートについて、インクジェットプリンター(G−800;セイコーエプソン製)を用いて、人物写真画像を印画し、画質を下記の観点より基準に従って目視評価した。
(i)毛髪の鮮明さ、(ii)奥行き感
〔基準〕
◎:画質が非常に良好であった。
○:画質が良好であった。
△:画質がやや劣っていた。
×:画質が劣っていた。
実施例および比較例のインクジェット用記録シートについて、インクジェットプリンター(G−800;セイコーエプソン製)を用いて、人物写真画像を印画し、画質を下記の観点より基準に従って目視評価した。
(i)毛髪の鮮明さ、(ii)奥行き感
〔基準〕
◎:画質が非常に良好であった。
○:画質が良好であった。
△:画質がやや劣っていた。
×:画質が劣っていた。
(4)質感、触感
実施例および比較例のインクジェット用記録シートについて、2Lサイズのプリントを手で持ったときの、感触を下記の基準に従って官能評価した。
〔基準〕
◎:感触が非常に良好であった。
○:感触が良好であった。
△:感触がやや劣っていた。
×:感触が劣っていた。
実施例および比較例のインクジェット用記録シートについて、2Lサイズのプリントを手で持ったときの、感触を下記の基準に従って官能評価した。
〔基準〕
◎:感触が非常に良好であった。
○:感触が良好であった。
△:感触がやや劣っていた。
×:感触が劣っていた。
(5)光沢感(写像性)
JIS H8686−2に規定される写像性試験方法に基づき、写像性測定器ICM−1(スガ試験機(株)製)を用いて、下記測定条件および解析条件に基づき、写像性を測定した。測定サンプルは、インクジェットプリンタ(PM−G800、セイコーエプソン(株)製)を用いて、各インクジェット記録用シート上にK(黒)のベタ画像を印字して使用した。
<測定および解析条件>
・測定方法:反射
・測定角度:60°
・光学くし:2.0mm
JIS H8686−2に規定される写像性試験方法に基づき、写像性測定器ICM−1(スガ試験機(株)製)を用いて、下記測定条件および解析条件に基づき、写像性を測定した。測定サンプルは、インクジェットプリンタ(PM−G800、セイコーエプソン(株)製)を用いて、各インクジェット記録用シート上にK(黒)のベタ画像を印字して使用した。
<測定および解析条件>
・測定方法:反射
・測定角度:60°
・光学くし:2.0mm
表1からわかるように、本発明のインクジェット記録用シートは、表面粗さ(Ra)も小さく平面性に優れており、更に、写真用高級印画紙ライクな質感および触感を有し、画質の奥行き感およびシャープネスも良好であった。
Claims (9)
- 原紙の両面がポリオレフィン樹脂で被覆された支持体と、前記支持体上に形成され、無機微粒子および水溶性樹脂を含有したインク受容層と、を有するインクジェット記録用媒体であって、前記原紙の坪量が190g/m2以上250g/m2未満、前記支持体の両面における前記ポリオレフィン樹脂の被覆量の和が70g/m2以上100g/m2未満であることを特徴とするインクジェット記録用媒体。
- 前記インク受容層が、カチオン性ポリマー、架橋剤および水溶性多価金属塩化合物を含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用媒体。
- 前記支持体のJIS P8125(2000)に基づくテーパー剛度のタテ/ヨコ比が1.5以上2.0未満であり、前記支持体の坪量が250g/m2以上350g/m2未満であり、且つ、JIS Z8741(1997)に基づく75°光沢度が75%以上90%未満であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録用媒体。
- 前記原紙の密度が0.98以上1.2未満、且つ、内部結合力が1.2kg・cm以上1.7kg・cm未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録用媒体。
- 前記無機微粒子の一次平均粒子径が3nm〜100nmのシリカ微粒子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のインクジェット記録用媒体。
- 前記水溶性樹脂が、少なくともポリビニルアルコールを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のインクジェット記録用媒体。
- 前記カチオン性ポリマーの重量平均分子量が、2000〜500000であることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載のインクジェット記録用媒体。
- 前記架橋剤が、ホウ酸またはその塩であることを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載のインクジェット記録用媒体。
- 前記水溶性多価金属塩化合物が、ジルコニウム化合物またはアルミニウム化合物であることを特徴とする請求項2〜8のいずれか1項に記載のインクジェット記録用媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005019697A JP2006205505A (ja) | 2005-01-27 | 2005-01-27 | インクジェット記録用媒体 |
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JP2005019697A JP2006205505A (ja) | 2005-01-27 | 2005-01-27 | インクジェット記録用媒体 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2006205505A true JP2006205505A (ja) | 2006-08-10 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN115279846A (zh) * | 2020-03-12 | 2022-11-01 | 克里奥瓦克公司 | 印刷组合物及其方法 |
-
2005
- 2005-01-27 JP JP2005019697A patent/JP2006205505A/ja active Pending
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