JP2006204968A - 霧化装置 - Google Patents

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Shigeru Sasabe
笹部  茂
Kimiyasu Honda
公康 本田
Junichi Nawama
潤一 縄間
Yasusuke Horiki
泰佑 堀木
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【課題】数10〜数100nmオーダーの微細粒径で且つ数10g/h以上の加湿や野菜への水分補給に必要な霧化量を発生することができる霧化装置を提供すること。
【解決手段】1次ミスト発生部12と、接地された筒形状電極14と、筒形状電極14の内側中心に設けられた棒状電極15とから構成されたコロナ放電部13と、コロナ放電部13の出口にはオゾン分解触媒フィルタ17を設け、筒形状電極14内面に撥水膜16の処理を施したことにより、数百nmオーダーの粒径の微細ミストを数10g/h〜数100g/hの霧化量で効率的に且つ安全に発生することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、加湿器、冷蔵庫、食器洗い乾燥機等の家電製品に備えられる霧化装置に関するものである。
従来、霧化装置については超音波方式、静電霧化方式によるものがある。超音波方式による霧化は、発生するミスト粒径は数μm程度である。これに対して、静電霧化方式のミストは数十nmのオーダーのミストに微細化して霧化することができる。空気清浄機に用いられている静電霧化方式については以下の技術がある(例えば、特許文献1参照)。
図2および図3は、上記特許文献1に記載された従来の霧化装置を示すものである。図に示すように、霧化装置は霧化させることになる水を収容した水溜め部6を下部に備えたもので、円筒状で且つ周囲に通風孔11が開口する筺体部10と、該筺体部10の上部に配された対向電極3と、筺体部10の下部に嵌めこまれて水に対する電圧印加を担う印加電極2と、この印加電極2によって保持されている複数本の棒状吸水体4とで構成されている。
上記の構成において、印加電極2に高電圧を印加したとき、水溜め部6に貯留した水は棒状吸水体4に毛細管現象で吸い上げられ、その先端部に達した水はレイリー分裂を起こして数十nmオーダーの粒径のミストとなって霧化する。
特開2004−358363号公報
しかしながら、前記従来の構成では、棒状吸水体4に毛細管現象で吸い上げられ先端部に達した水が帯電して分裂し霧化するため、数十nmオーダーの粒径の微細ミストが発生するものの、霧化量は0.5〜1.0g/hと小さい。このため、部屋の加湿を行ったり、冷蔵庫に保存される野菜に対して水分供給をするといった用途には適用するのが困難であるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、数10〜数100nmオーダーの微細粒径で且つ数10g/h以上の加湿や野菜への水分補給に必要な霧化量を発生することができる霧化装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の霧化装置は、1次ミスト発生部とコロナ放電部とから構成されたものである。
これによって、超音波方式や圧力スプレーノズル等の1次ミスト発生部で霧化された粒径2〜10μmのミストは、コロナ放電部で帯電し帯電量がミストの表面張力を超えると分裂し微細化し数10〜数100nmオーダーの微細粒径のミストが発生する。このとき、霧化量は、1次ミスト発生部として超音波方式や圧力スプレーノズルを用いると数10〜数100g/hを実現することができる。
また、放電により種々の活性酸素種が発生するため、冷蔵庫の野菜室に適用した場合は、微細ミストが野菜表面の気孔から内部に浸透し、組織内部の侵入菌や有害物質を活性酸素種で分解することができる。
本発明の霧化装置は、数10〜数100nmオーダーの微細粒径で且つ数10g/h以上の加湿や野菜への水分補給に必要な霧化量を発生することができる。
第1の発明は、1次ミスト発生部とコロナ放電部とから構成されたことにより、1次ミスト発生部で霧化された粒径2〜10μmのミストは、コロナ放電部で帯電し帯電量がミストの表面張力を超えると分裂し微細化し数10〜数100nmオーダーの微細粒径のミストが発生する。このとき、霧化量は、1次ミスト発生部として超音波方式や圧力スプレーノズルを用いると数10〜数100g/hを実現することができる。
また、放電により種々の活性酸素種が発生するため、冷蔵庫の野菜室に適用した場合は、微細ミストが野菜表面の気孔から内部に浸透し、組織内部の侵入菌や有害物質を活性酸素種で分解することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明のコロナ放電部を、接地された筒形状電極と、前記筒形状電極の内側中心に設けられた棒状電極とから構成することにより、ミストが外部へ拡散することなく放電部を通過し、ミストが放電部に暴露される時間を長く取れるため、効率よくミストを微細化することができる。
第3の発明は、特に、第2の発明の筒形状電極と棒状電極間の距離を2〜30mm、放電部の距離となる筒形状電極と棒状電極の長さを20〜150mmとすることにより、低電圧下でミストに帯電することができ、さらに効率良くミストを微細化することができる。
第4の発明は、特に、第2又は第3の発明の棒状電極にマイナスの高電圧を印加することにより、さらに低電圧で安定して放電することができ、効率的にミストに帯電させて微細化することができる。
第5の発明は、特に、第2又は第3の発明の棒状電極にプラスの高電圧を印加することにより、オゾン発生量を低減してミストに帯電させて微細化することができるので、さらに安全性を向上することができる。
第6の発明は、特に、第2又は第3の発明の棒状電極に交流の高電圧を印加することにより、ミストにプラスの電荷とマイナスの電荷を帯電させることができ、電気的引力により帯電したミストが筒状電極内壁へ向かって移動することを防止することができるので、筒形状電極内壁へのミスト付着量を低減し、放電による霧化量の低下を軽減することができる。
第7の発明は、特に、第2〜6のいずれか1つの発明の棒状電極の表面を凹凸のある粗面形状にしたことにより、放電時に電界集中が起こるのを防ぎ、棒状電極全体から放電を起こし易くなるため、放電部に流れるミスト全体に効率良く帯電し微細化することができる。
第8の発明は、特に、第1〜7のいずれか1つの発明のコロナ放電部の出口部に無機酸化物を担持したオゾン分解触媒フィルタを設けたことにより、放電により発生したオゾンが無機酸化物により分解されオゾン濃度を低減し、さらに安全性を向上することができる。
第9の発明は、特に、第2〜8のいずれか1つの発明の筒形状電極の内面に撥水膜処理をしたことにより、帯電したミストが筒形状電極内面に付着することを低減し、放電による霧化量の低下をさらに軽減することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における霧化装置の断面図を示すものである。図1において、霧化装置1の下部には、1次ミスト発生部12である超音波霧化部が設けられている。この内部には超音波素子(図示せず)が備えられており、ある一定の水位を保った水が貯留されている。そして、1次ミスト発生部12の上部は開口しており、その開口部にコロナ放電部13が設けられている。
コロナ放電部13は、接地された筒形状電極14と、その内側中心部に設けられた高電圧電源(図示せず)と接続された棒状電極15とから構成されている。筒形状電極14と棒状電極15は長さ50mmで、電極間距離は5mmに設置されている。また、筒形状電極14の内側はフッ素系の撥水膜16の処理が施されている。棒状電極15はタングステン等の金属から成り、その表面は凹凸の粗面形状である。そして、コロナ放電部13の出口には、無機酸化物を担持したオゾン分解触媒フィルタ17が設けられている。
以上のように構成された霧化装置について、以下その動作、作用を説明する。1次ミスト発生部12の超音波振動子に電圧が印加されると一定の周波数で振動し、この振動エネルギーによって貯留された水面から水柱が立ち、水柱が分裂してミストを発生する。このときのミスト粒径は2〜5μmとなっている。そして、このミストは1次ミスト発生部12の上部に備えられたコロナ放電部13に流入する。
コロナ放電部13において、棒状電極15に−5kVの高電圧が印加されると流入したミストは帯電し、この帯電量がミストの表面張力を超えると分裂し数10nm〜数100nmの粒径に微細化する。このとき、1次ミスト発生部12から発生するミストの霧化量は数10g/h〜数100g/hであるため、コロナ放電部での微細化後の霧化量もほぼ同等の霧化量となる。
コロナ放電部13は、筒形状電極14と棒状電極15とから構成されている為、1次ミスト発生部12で発生したミストは外部へ拡散することなく放電部を通過し、ミストが放電部に暴露される時間を長く取れるため、効率良くミストを微細化することができる。また、棒状電極15にマイナスの高電圧を印加することにより、安定して放電することができより効率的にミストに帯電することができる。
さらに、棒状電極15の表面を凹凸のある粗面形状にしたことにより、放電時に電界集中が起こるのを防ぎ、棒状電極全体から放電を起こし易くなるため、放電部に流れるミスト全体に効率良く帯電することができる。
また、コロナ放電部13の出口には、無機酸化物を担持したオゾン分解触媒フィルタ17が設けられているので、放電により発生したオゾンが無機酸化物により分解されオゾン濃度を低減し、さらに安全性を向上することができる。
また、筒形状電極14の内面にフッ素系の撥水膜16の処理をしたことにより、帯電したミストが筒形状電極内面に付着することを低減し、放電による霧化量の低下をさらに軽減することができる。
こうして、本実施の形態では、数百nmオーダーの粒径の微細ミストを数10g/h〜数100g/hの霧化量で発生することができる。したがって、本実施の形態の霧化装置を冷蔵庫の野菜室に用いた場合、コロナ放電部13では放電により活性酸素種が発生しており、放出した微細ミストに付着した形で、野菜が貯蔵される保存室へ拡散する。そして、貯蔵した野菜の表面に付着する。微細ミストはサブミクロンの粒径であるため、野菜表面の気孔から内部に浸透し保湿性を高めると共に、組織内部の侵入菌や有害物質を活性酸素種で分解することができる。
以上のように、本実施の形態においては、1次ミスト発生部と、接地された筒形状電極と、筒形状電極の内側中心に設けられた棒状電極とから構成されたコロナ放電部と、コロナ放電部の出口にはオゾン分解触媒フィルタを設け、筒形状電極内面に撥水膜処理を施したことにより、数百nmオーダーの粒径の微細ミストを数10g/h〜数100g/hの霧化量で効率的に且つ安全に発生することができる。
尚、本実施の形態において、電圧の極性はマイナスの高電圧としたが、プラスの高電圧とすることで印加電圧は高くなるが、オゾン濃度を低減することができる。また、交流電圧とすることで、ミストには両極性の電荷が帯電するため、帯電ミストが筒形状電極14内面への移動を軽減し、さらに霧化量の減少を防止することができる。
以上のように、本発明にかかる霧化装置は、サブミクロンオーダーの粒径で数10g/h〜数100g/hの霧化量で効率的に且つ安全に発生することができるので、冷蔵庫、洗濯機、食器洗い乾燥機、エアコン等の用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1における霧化装置の側面図 従来の霧化装置の横断面図 同霧化装置の上面図
符号の説明
12 1次ミスト発生部
13 コロナ放電部
14 筒形状電極
15 棒状電極
16 撥水膜
17 オゾン分解触媒フィルタ

Claims (9)

  1. 1次ミスト発生部とコロナ放電部とから構成されたことを特徴とした霧化装置。
  2. コロナ放電部は、接地された筒形状電極と、前記筒形状電極の内側中心に設けられた棒状電極とから構成されたことを特徴とした請求項1記載の霧化装置。
  3. 筒形状電極と棒状電極間の距離は2〜30mm、放電部の長さとなる筒形状電極と棒状電極の長さは20〜150mmであることを特徴とした請求項2記載の霧化装置。
  4. 棒状電極はマイナスの高電圧を印加することを特徴とした請求項2あるいは3に記載の霧化装置。
  5. 棒状電極はプラスの高電圧を印加することを特徴とした請求項2又は3記載の霧化装置。
  6. 棒状電極は交流の高電圧を印加することを特徴とした請求項2又は3記載の霧化装置。
  7. 棒状電極の表面は凹凸のある粗面であることを特徴とした請求項2〜6のいずれか1項に記載の霧化装置。
  8. コロナ放電部の出口部に無機酸化物を担持したオゾン分解触媒フィルタを設けたことを特徴とした請求項1〜7のいずれか1項に記載の霧化装置。
  9. 筒形状電極の内面を撥水膜処理したことを特徴とした請求項2〜8のいずれか1項に記載の霧化装置。
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