本発明は、前記の点に鑑みなされたもので、遊技球払出条件が成立していないときに、払出装置から払い出された遊技球を遊技機前面側へ誘導して払い出す払出状態から、遊技機裏面側へ誘導して遊技球を外部へ球抜きする球抜状態へ切り換えた際に、エラー等の不具合が発生するのを防止することができる弾球遊技機の提供を目的とする。
請求項1の発明は、遊技球払出条件が成立したときに遊技球の払い出しが可能な払出装置と、前記払出装置から払い出された遊技球を検出可能な払出遊技球検出手段と、前記払出装置から払い出された遊技球を前記払出遊技球検知手段により検出して前記払出装置による遊技球の払出を監視する払出制御手段と、前記払出装置から払い出された遊技球を前記払出装置の下方で遊技機の前面側へ誘導する払出樋或いは前記遊技機の外部へ抜き出すために前記遊技機の裏面側へ誘導する球抜樋の何れか一方へ遊技球の流路を切り換える流路切換手段と、前記遊技球払出条件の成立有無にかかわらず前記払出装置を強制的に作動させて前記払出装置から遊技球を払い出させることが可能な払出装置強制作動手段と、前記流路切換手段が前記払出装置からの遊技球の流路を前記払出樋へ誘導する払出状態から前記球抜樋へ誘導する球抜状態に切り換えたことを起因に、前記払出遊技球検出手段による遊技球の検出を無効あるいは不可能にする払出遊技球非検出手段と、を備えたことを特徴とする弾球遊技機に係る。
請求項2の発明は、請求項1において、前記流路切換手段が前記払出装置からの遊技球の流路を前記払出状態から前記球抜状態に切り換えるのに連動して、前記払出遊技球検出手段が遊技球を検出可能な第1の位置から検出不可能な第2の位置に変位することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2において、前記払出遊技球検出手段が、遊技球を検出する検出センサと前記検出センサを保持する保持部材とよりなり、前記保持部材が前記払出樋の上方に軸支されて前記検出センサと共に揺動可能とされ、前記揺動によって前記払出遊技球検出手段が前記第1の位置と第2の位置を変位することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項2または3において、前記流路切換手段が、前記払出装置から払い出された遊技球を前記払出樋へ誘導する払出状態と前記球抜樋へ誘導する球抜状態に遊技球の流路を切り換える流路切換え部材を備えることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項4において、前記払出状態から前記球抜状態へ前記流路切換え部材を切換える際に、前記流路切換え部材の一部が前記払出遊技球検出手段の保持部材に当接することにより、前記払出遊技球検出手段を前記第1の位置から前記第2の位置に変位させることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1から5の何れか一項において、前記流路切換手段により前記球抜状態とされたことを検出する球抜状態検出手段を備えることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項6において、前記流路切換え部材がケース体内に設けられ、前記ケース体に開口部が設けられると共に、前記流路切換え部材には前記流路切換手段が前記球抜状態に切り換えた際に前記開口部から前記ケース体の外部に出現する突部が設けられ、前記球抜状態検出手段が、前記開口部から前記ケース体の外部に出現した前記流路切換手段の突部を検出することを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項6または7において、前記払出遊技球非検出手段が、前記球抜状態検出手段による球抜き状態の検出を起因に前記払出遊技球検出手段による遊技球の検出情報を無効にすることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、遊技球払出条件の成立有無にかかわらず払出装置を強制的に作動させて払出装置から遊技球を払い出させることが可能な払出装置強制作動手段と、流路切換手段が払出装置からの遊技球を払出樋へ誘導する払出状態から球抜樋へ誘導する球抜状態に切り換えたことを起因に、払出遊技球検出手段による遊技球の検出を無効あるいは不可能にする払出遊技球非検出手段とを備える構成としたことにより、遊技球払出条件が成立していない場合に、払出装置から遊技球を払い出して遊技機外部へ抜き出す際に、払出装置から払い出された遊技球が払出遊技球検出手段により検出されることがないため、遊技球払出条件が成立していないのに遊技球が払い出されていると判断してエラー等になるなどの不具合発生を防止することが可能となる。
請求項2の発明によれば、流路切換手段が払出装置からの遊技球の流路を払出状態から球抜状態に切り換えるのに連動して、払出遊技球検出手段が遊技球を検出可能な第1の位置から検出不可能な第2の位置に変位する構成としたことにより、球抜状態への切換え時に確実に払出遊技球検出手段の検出を無効にすることが可能となる。
請求項3の発明によれば、払出遊技球検出手段が、遊技球を検出する検出センサと検出センサを保持する保持部材とよりなり、保持部材が払出樋の上方に軸支されて検出センサと共に揺動可能とされ、前記揺動によって払出遊技球検出手段が前記第1の位置と第2の位置を変位する構成としたことにより、流路切換手段が払出状態から球抜状態に切り換えるのに連動して払出遊技球検出手段を遊技球の検出可能な第1の位置と検出不可能な第2の位置に容易に変位させることが可能となる。
請求項4の発明によれば、流路切換手段が、払出装置から払い出された遊技球を払出樋へ誘導する払出状態と球抜樋へ誘導する球抜状態に遊技球の流路を切り換える流路切換え部材を備える構成としたことにより、流路切換部材を動かして流路を切換えることが可能となる。
請求項5の発明によれば、払出状態から球抜状態へ流路切換え部材を切換える際に、流路切換え部材の一部が払出遊技球検出手段の保持部材に当接することにより、払出遊技球検出手段を前記第1の位置から前記第2の位置に変位させる構成としたことによって、流路切換部材の一部が払出検出手段へ直接的に当接して払出遊技球検出手段の位置が変位するため、確実に払出遊技球検出手段の検出を不可能にすることが可能になる。
請求項6の発明によれば、流路切換手段により球抜状態とされたことを検出する球抜状態検出手段を備える構成としたことにより、遊技機が球抜き状態であることを認識して処理を行うことが可能となる。
請求項7の発明によれば、流路切換え部材がケース体内に設けられ、前記ケース体に開口部が設けられると共に、流路切換え部材には流路切換手段が球抜状態に切り換えた際に前記開口部からケース体の外部に出現する突部が設けられ、球抜状態検出手段が、前記開口部からケース体の外部に出現した前記流路切換手段の突部を検出する構成としたことにより、流路切換部材を球抜状態に切り換えたことを確実に検出することが可能となる。
請求項8の発明によれば、払出遊技球非検出手段が、球抜状態検出手段による球抜き状態の検出を起因に払出遊技球検出手段による遊技球の検出情報を無効にする構成としたことにより、遊技球払出条件が成立していない場合に、払出装置から遊技球を払い出して遊技機外部へ抜き出す際に、払出装置から払い出された遊技球が払出遊技球検出手段により検出されることがないため、遊技球払出条件が成立していないのに遊技球が払い出されていると判断されてエラー等になるなどの不具合発生を防止することが可能となる。
以下添付の図面に基づき本発明の好適な実施形態を説明する。図1は本発明の一実施例に係る弾球遊技機について釘を省略して示す正面図、図2は同弾球遊技機の裏面図、図3は同弾球遊技機の制御装置等の接続を簡略に示すブロック図である。
図1に示す本実施例の弾球遊技機1は、遊技媒体として遊技球を用いるパチンコ遊技機であり、遊技盤3の縁に遊技球の外側ガイドレール4及び内側ガイドレール5が略円形に立設され、前記内側ガイドレール5によって囲まれた遊技領域6を有する。前記遊技領域6には。その中心線上に上部から下部に向かって順に表示装置9、始動入賞口10、特別電動役物である大入賞口15、アウト口17が配設され、また上方両側にはランプ風車18a,18b、その下方に普通図柄変動開始用左ゲート19及び普通図柄変動開始用右ゲート21、その下方に左袖入賞口23と右袖入賞口25、さらには前記大入賞口15の両側に左落とし入賞口27と右落とし入賞口29が配設されている。なお、前記表示装置9は、文字又は図柄の少なくとも何れかを表示可能なものであって、液晶,ドットマトリックス若しくはLED表示装置等の表示装置からなり、この実施例では、液晶表示器(TFT−LCDモジュール)で構成され、左下に普通図柄表示部45が組み込まれ、その他の大部分が特別図柄表示部42となっている。符号22a,22bは風車、F1は外枠、F2は外枠F1に取り付けられた前枠、Gは前枠F2に開閉可能にヒンジで取り付けられたガラス枠である。
また、前記遊技機1の前面側には、枠飾り右ランプ35a、枠飾り上ランプ35b及び枠飾り左ランプ35cからなるランプ装置、払い出された遊技球を受けるための上側球受け皿36、該上側球受け皿36の飽和時に遊技球を受けるための下側球受け皿37、効果音等を発するスピーカ38、遊技者の発射操作に応じて遊技球を遊技領域6に向けて弾発発射する発射装置53が設けられている。符号54は発射装置53の操作レバーである。さらに、この例の弾球遊技機1は、プリペイドカードユニット55が接続されている。
遊技を制御するための複数の制御基板や装置等は、遊技機1の裏側の機構板に設けられている。前記遊技機1の裏側に設けられる制御基板や装置について、図2及び図3を用いて簡略に説明する。なお、図2の符号122は機構板である。図には、前記制御基板及び装置の主なものとして、主制御基板100、表示制御基板105、中継基板108、ランプ制御基板110、音声制御基板115、払出制御基板120、エラー解除スイッチ124、払出装置125、球無しスイッチ基板185、受電基板187、電源基板188、カードインターフェイス接続部189、発射制御基板190、枠用外部端子基板191、盤用外部端子基板192等が示されている。なお、各基板には電気回路が形成され、また各基板は基板ケースに収容されている。
前記主制御基板100は、遊技の当否判定や副制御基板に対する制御等、遊技の主な制御を行う。前記主制御基板100は、CPU,RAM,ROM,複数のカウンタを備えたコンピュータと、該コンピュータとランプ制御基板110、払出制御基板120等を結ぶ入出力回路と、前記コンピュータと前記大入賞口15に接続される中継基板等を結ぶ入出力回路等で構成される。前記CPUは、制御部,演算部,各種カウンタ,各種レジスタ,各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、遊技における大当たりの発生や小当たりの発生のための乱数等も生成している。また、前記RAMは、各種検出信号用の記憶領域、CPUで生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPUの作業領域を備える。さらに、前記ROMには、遊技上の制御プログラムや制御データ等が書き込まれている他、遊技における大当たり及び小当たりの判定値等が書き込まれている。
それに対して、副制御基板としての表示制御基板105は前記表示装置9の制御を行い、またランプ制御基板110は、前記ランプ装置35等を制御し、前記音声制御基板115は前記スピーカ38からの音声を制御し、前記払出制御基板120は、払出装置125による遊技球の払出を制御し、前記払出装置125から払い出された遊技球を後述の払出遊技球検出手段により検出して遊技球の払出を監視する。なお、前記払出制御基板は、本発明の払出制御手段に相当する。前記表示制御基板105、ランプ制御基板110、音声制御基板115及び払出制御基板120等は、CPU、ROM、RAMを備える。また、前記発射制御基板190は、前記発射装置53に遊技者の手が接触しているか否かをタッチセンサにより検出して前記発射装置53を制御する。一方、前記エラー解除スイッチ124は、前記払出装置125の払出に関しエラーが発生してエラー報知がなされた場合に、エラーを解除してエラー報知を停止するスイッチである。本実施例おいてエラー報知は、前記ランプ装置35の点滅によって行われる。
また、前記機構板122の上部には、遊技機設置島から流れてくる遊技球を受け取って一旦溜めるためのタンク98と、前記タンク98から前記払出装置125へ遊技球を流下あるいは停留可能とするタンクレール99が設けられている。前記払出装置125及びその周囲の構造については、後に詳述する。
前記弾球遊技機1では、前記遊技領域6へ向けて前記発射装置53により遊技球が発射されて、前記種々の入賞口に入賞すると、すなわち本発明における遊技球払出条件が成立すると、入賞口に応じた所定数の遊技球が賞球として、前記払出装置125により払い出され、後述の払出樋(図4の符号159)を通って弾球遊技機前面側の上側球受け皿36に払い出される。また、前記普通図柄変動開始用ゲート19を遊技球が通過すると、小当たり判定・普通図柄決定用乱数値が取得され、その取得乱数値に基づいて普通図柄の当たり(小当たり)判定が行われ、前記普通図柄表示部45で普通図柄が変動を開始し、所定時間変動後に停止する。その際、前記普通図柄の当たり判定結果が小当たりの場合には、小当たり普通図柄、この例では奇数で停止し、前記始動入賞口10の2つの可動片10a,10bが背面の始動入賞口用ソレノイドによって略垂直で入賞し難い狭小開放状態(通常状態)から略V字形(逆ハの字形)の入賞(入球)し易い拡開開放状態に変化し、遊技球が入賞し易くなる。そして、前記始動入賞口10に遊技球が入賞(入球)すると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。なお、本実施例では、大入賞口15への入賞(入球)は主賞球として15個の遊技球が払い出されるのに対して、その他の入賞については副賞球として4個払い出されるように設定されている。
また、前記始動入賞口10に遊技球が入賞すると、大当たり当否判定用乱数値及び大当たり確定特別図柄の組合せ決定用乱数値が取得され、前記取得された大当たり当否判定用乱数値に基づいて大当たりの当否判定が行われ、前記特別図柄表示部42で特別図柄が変動を開始し、所定時間変動後に停止する。
前記大当たりの当否判定結果が大当たりの場合には、前記特別図柄表示装置9に大当たり確定特別図柄組合せ、この例では『1,1,1』(いわゆる‘1’のぞろ目)や『2,2,2』(いわゆる‘2’のぞろ目)等、同一数字の組合せ)で停止表示され、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)に移行する。前記特別遊技状態になると、前記大入賞口15の開閉板16が開いて遊技領域6の表面を落下してくる遊技球を受け止め易くして、大入賞口15へ入賞可能にし、該大入賞口15への入賞があると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。前記開閉板16は、所定時間(例えば29.5秒)経過後、或いは入賞球数が所定個数(例えば15個)となった時点で閉じるようにされている。また、前記大入賞口15の開放中又は大入賞口15が閉じてから約2秒以内に、大入賞口内の特定領域入賞口15aへの入賞球が検出されると、前記大当たりを再度繰り返す継続権利が発生し、所定最高回数(例えば最高16回)、前記開閉板16の開放を繰り返すようになっている。
また、前記弾球遊技機1においては、図4の機構板裏面図に示すように、前記払出装置125から払い出された遊技球を検出可能な払出遊技球検出手段としての払出検出器140と、前記払出装置125から払い出された遊技球を、前記払出装置125の下方で遊技機の前面側へ誘導する払出樋159あるいは遊技機の外部へ抜き出すために遊技機の裏面側へ誘導する球抜樋160の何れか一方へ遊技球の流路を切り換える流路切換手段と、前記遊技球払出条件の成立有無にかかわらず、前記払出装置125を強制的に作動させて前記払出装置125から遊技球を払い出させることが可能な払出装置強制作動手段と、前記流路切換手段が前記払出装置からの遊技球の流路を前記払出樋へ誘導する払出状態から前記球抜樋へ誘導する球抜状態に切り換えたことを起因に、前記払出遊技球検出手段による遊技球の検出を無効あるいは不可能にする払出遊技球非検出手段と、を備えている。以下、それらについて、機構板122の裏側の装置等を一部切り欠いて示す図4や払出及び球抜き時の作動を示す図5等を用いて説明する。
前記払出装置125は、前記タンクレール99からの遊技球を、前記払出制御手段の制御によりあるいは払出装置強制手段の作動によって、払出あるいは払出停止を行うものである。本実施例では、前記払出装置125は、タンクレール99から払出球準備樋131を経て流下してくる遊技球を1球ずつ受け止めて一方向への回転により1球ずつ下方へ払い出すことが可能なスプロケット状の回転体126と、前記回転体126との係合により該回転体126の回転を阻止、すなわち遊技球の払出を阻止し、また係合解除により該回転体126の回転を可能、すなわち払出を可能とする爪状のストッパー部材128と、前記ストッパー部材128を作動させて前記回転体126に対する係合及び係合解除を行う払出ソレノイド129で構成される。なお、それらの部材についてはケース体130に収容されている。本実施例のケース体130は、図5ないし図6に示すように、正面視縦長な長方形の透明な箱状からなり、内部における上部の一部には前記払出準備樋131が形成されている。
前記回転体126は、前記払出準備樋131からの遊技球を1球ずつ間に挟むことが可能な爪127を放射状に有するものであって、前記払出準備樋131の中心線から前記回転体126の回転中心をずらして配置されることにより、前記爪127で受けた遊技球の自重により前記回転体126が回転して遊技球を下方へ払い出し可能に設けられている。また、前記ストッパー部材128は、先端が前記回転体126の爪127と解除可能に係合する形状とされたもので、前記払出ソレノイド129の作動部材129aと連動し、前記払出ソレノイド129の作動により揺動して、前記回転体126の爪127に対する係合や係合解除が可能にされている。本実施例では、前記払出ソレノイド128は作動部材129aが上下方向となるように設けられ、図5の(5−A)のように、前記作動部材129aが上方へ後退することにより、前記ストッパー部材128と前記回転体126の係合が解除されて、回転体126の回転が可能になり、それまで、前記払出球準備樋131からの遊技球が爪127間に保持されていたのを払出可能とし、一方、図5の(5−B)のように、前記作動部材129aが下方へ前進することにより、前記ストッパー部材128と前記回転体126が係合して回転体126の回転を阻止し、前記払出球準備樋131からの遊技球を回転体126の爪127間に保持し、遊技球の払出を停止する。なお、前記払出ソレノイド128の作動部材129aは、常時下方へコイルスプリングにより付勢され、払出ソレノイド128の作動ONによって上方へ後退し、作動OFFによってコイルスプリングの力で下方へ前進するように構成されている。
前記払出検出器140は、本実施例では図6にも示すように、保持部材141と遊技球を検出する検出センサ145とよりなり、前記回転体126で払い出された直後の遊技球を前記検出センサ145が検出可能な位置、本実施例では払出樋159上方に設けられる。前記検出センサ145はフォトセンサ、接触式センサ、磁力センサ等、遊技球を検出可能なものとされ、実施形態により適宜選択される。
前記保持部材141は、前記ケース体130の一側の側部を挟持面142で挟むことが可能な略コの字形状からなり、上部には吊り下げ片143が設けられ、前記挟持面142の内側には前記検出センサ145が設けられている。前記保持部材141は、払出樋159の上方側となる前記ケース体130の一側面の外側に形成された払出検出器保持片133に前記吊り下げ片143が軸支されて、前記ケース体130の側部に揺動可能に軸支される。前記ケース体130の側部に軸支により吊り下げられた払出検出器140は、図5のように前記ケース体130の側部に対して接近あるいは離間するように揺動可能とされ、前記揺動により前記保持部材141の挟持面142が、前記ケース体130の前後面に重なったり(図5の(5−A)及び(5−B))、ケース体130の外へほとんどはみ出したりするようになっている(図5の(5−C)。また、前記ケース体130の前後面には、前記保持部材141の挟持面142が重なる位置、すなわち、前記払出装置125から払い出された直後の遊技球が通過する位置の前後面には、図6に示すように検出センサ用窓132が形成され、前記保持部材141の挟持面142が前記ケース体130の前後面に重なった際(図5の(5−A)及び(5−B))に、前記保持部材141の挟持面142内側に設けられている検出センサ145が、前記検出センサ用窓132の位置と一致して、前記払出装置125から払い出された遊技球を検出可能な第1の位置となり、一方、前記払出検出器140がケース体130の側部外方へ揺動した際(図5の(5−C))には、前記検出センサ145が前記検出センサ用窓132の位置から外れて前記払出装置125から払い出された遊技球を検出不可能な第2の位置になる。なお、本実施例では前記払出検出器140が自重による揺動で前記ケース体130に接近して前記検出センサ145による遊技球の検出可能な第1の位置となるように、前記保持部材141の下部には重り141aが埋設され、後述するように、払出状態から球抜き状態への切り換え時に、流路切換え部材の一部が保持部材141に当接して保持部材141を押すことにより、前記前記払出検出器140がケース体130の外方へ揺動して、前記検出センサ145による遊技球の検出不可能な第2の位置となるように構成されている。また、図18に示すように、ケース体の130の検出センサ用窓132Aを切り欠き状にして、検出センサ145が揺動する際に、前記検出センサ145が検出センサ用窓132Aの切り欠き状部分を揺動してケース体130の表面で遮られないようにしてもよい。
また前記ケース体130は、前記払出準備樋131の真下におけるケース体130の下端付近に払出樋159が形成され、さらに前記払出樋159の隣に球抜き樋160が形成されている。前記払出樋159と球抜き樋160は、固定壁158で仕切られている。前記払出樋159は、遊技機の前面側の上側球受け皿36と接続され、一方球抜き樋160は、遊技機裏面側の球抜球出口と接続されている。
前記検出センサ用窓132の位置から前記払出樋159及び前記球抜き樋160の間は、前記払出装置125から払い出された遊技球の流路に流路切換部材161が設けられ、前記流路切換部材161によって前記遊技球の流路が前記払出樋159あるいは前記球抜樋160へ切り換え可能にされている。前記流路切換部材161による流路の切り換えは、流路切換手段に相当する。本実施例における流路切換部材161は、図7にも示すように、上下に細長い略板状体からなり、遊技機の前後に相当する流路切換部材161の前後面の下部に揺動軸162が形成されていると共に上部にピン状の当接用突部163が形成され、さらに流路切換部材161の下部には遊技機の左右一方向へ突出した腕部164が形成され、前記腕部164には遊技機の裏面側へ突出した連動部165がピン状に突出形成されている。前記流路切換部材161は、前記ケース体13の検出センサ用窓132の位置と前記払出樋159及び前記球抜き樋160間のケース体130内に、図5の(5−A)及び(5−B)のように垂直状態となって払出樋159へ遊技球を誘導する払出状態と、図5の(5−C)のように流路切換部材161の上部が前記払出検出センサ用窓132の位置の真下に位置する傾斜状態となって球抜樋160へ遊技球を誘導する球抜状態の間を揺動可能に前記揺動軸162で軸着される。また、前記当接用突部163は、前記ケース体130の前後面に弧状に形成されている当接用突部スライド用長孔135に挿入されて前記ケース体130の外面に突出し、前記流路切換部材161が揺動する際に、前記当接用突部スライド用長孔135に沿ってスライド可能にされている。前記当接用突部スライド用長孔135から突出している前記当接用突部163は、前記払出状態(図5の(5−A)及び(5−B))から前記球抜状態(図5の(5−C))へ前記流路切換部材161が揺動する際に、前記当接用突部スライド用長孔135に沿ったスライドし、その時、前記払出検出器140の保持部材141における挟持面142のケース体中央側端部142aの下部側と当接することにより、前記検出器140を外方へ揺動させ、前記払出装置125から払い出された遊技球を検出不可能な第2の状態にする。本実施例では、前記流路切換部材161により前記検出器140を揺動させて第2の位置にする構成が、払出遊技球非検出手段となっている。
また、前記流路切換え部材161の連動部165については、前記払出ソレノイドの作動部材129aの下方に上下動可能に設けられた払出装置強制作動部材166の下部に設けられた係合凹部169と係合し、前記払出装置強制作動部材166を上下移動させる際に、前記払出装置強制作動部材166の係合凹部169と共に上下動し、それによって前記流路切換部材161が前記揺動軸162を軸として揺動し、前記垂直の払出状態(図5の(5−A)及び(5−B))と傾斜した球抜き状態(図5の(5−A)及び(5−B))に変位させるようになっている。さらに、前記流路切換部材161が垂直の払出状態(図5の(5−A)及び(5−B))から傾斜した球抜き状態(図5の(5−A)及び(5−B))に変位する際には、前記流路切換部材161の当接用突部163が前記払出検出器140の保持部材141における挟持面142のケース体中央側端部141aの下部側と当接することにより、前記検出器140をケース体130の外方へ揺動させ、前記払出装置125から払い出された遊技球を検出不可能な第2の状態にする。
前記払出装置強制作動部材166は、上下に長い略棒状体からなって、上方へ移動させた際に払出装置強制作動部材166の上端が前記払出ソレノイド129の作動部材129aの下端と接触して作動部材129aを上方へ後退させ、それによって前記ストッパー部材128を揺動させて前記回転体126と前記ストッパー部材128との係合を解除し、それにより前記回転体126を回転可能にして遊技球を払出装置125から払出可能にする。なお、前記払出装置強制作動部材166には前記ケース体130の外部に突出した操作用つまみ部167が形成されており、前記操作用つまみ部167を上方へ動かすことによって前記払出装置強制作動部材166を上方へ移動させることができ、それにより、前記回転体126と前記ストッパー部材128との係合を解除して遊技球を払出装置125から払出できるようにすると共に、前記流路切換部材161を第1の位置から第2の位置に変位させて前記払出状態(図5の(5−A)及び(5−B))から前記球抜き状態(図5の(5−C)に強制的に切り換えることができ、さらにそれと同時に前記流路切換部材161の当接用突部163が前記払出検出器140と当接することにより、前記検出器140をケース体130の外方へ揺動させて前記払出装置125から払い出された遊技球を検出不可能な第2の状態にすることができる。
また、前記操作用つまみ部167を下方へ動かせば、前記払出装置強制作動部材166が下方へ移動して前記回転体126と前記ストッパー部材128が係合し、前記払出装置125からの強制的な払出を停止させると共に、前記流路切換部材161を第2の位置から第1の位置に変位させて前記球抜き状態(図5の(5−C))から払出状態(図5の(5−A)及び(5−B))に−C)に切り換えることができ、さらにそれと同時に前記流路切換部材161の当接用突部163が前記払出検出器140と当接して押すことを解除して、前記検出器140を前記払出装置125から払い出された遊技球を検出可能な第1の状態に戻すことができる。前記払出装置強制作動部材166は、払出装置強制作動手段に相当する。
また、前記揺動可能な払出検出器140に代えて、図8乃至図10に示すように、前記払出樋159の上方位置におけるケース体130の一側側面に払出検出器140Aを固定し、前記固定式払出検出器140Aの下方におけるケース体130の側面に開口部136を設けると共に、前記開口部136を覆うように球抜状態検出手段としての球抜状態検出器137を設け、さらに前記流路切換部材161には前記球抜状態時の揺動傾斜によって前記開口部136からケース体130の外部に突出し、一方前記払出状態時の略垂直状態時には前記ケース体130内に位置する突部168を設け、前記球抜き状態時に前記開口部136から突出する突部168を球抜状態検出器137で検出して球抜き状態となったことを検出するようにし、前記球抜き状態の検出によって前記払出検出器140Aの検出センサ145による前記払出装置125から払い出された遊技球の検出を無効にすることにより、払出遊技球非検出手段を構成してもよい。前記球抜状態検出器137には、フォトセンサなどの検出センサを備えている。なお、この場合、図5乃至図7の例における前記流路切換部材の当接用突部163及びケース体の当接用突部スライド用長孔135は不要とされる。また、球抜き状態となったことを、ランプやスピーカによって報知してもよい。
さらに図11のように、図5乃至図7の例と図8乃至図10の例を組み合わせてもよい。すなわち、前記ケース体130の一側側面には前記揺動可能な払出検出器140の下方に開口部136を設けると共に、前記開口部136を覆うように球抜状態検出手段としての球抜き検出器137を設け、さらに前記流路切換部材161には前記球抜状態時の揺動傾斜によって前記開口部136からケース体130の外部に突出し、一方前記払出状態時の略垂直状態時には前記ケース体130内に位置する突部168を設け、前記球抜き状態時に前記開口部136から突出する突部168を球抜き検出器137で検出して球抜き状態となったことを検出するようにし、球抜き状態となったことをランプやスピーカによって報知してもよい。
次に、図11で示される実施例に基づいて、前記払出制御基板(払出制御手段)120によって割り込み時間(例えば4ms)毎に実行される払出制御処理について説明する。図12のフローに示すように、前記払出制御処理Hでは、出力処理(S10)、コマンド解析処理(S20)、払出装置制御処理(S30)、払出センサ検出処理(S40)、払出関連以上監視処理(S50)、エラー解除処理(S60)が順に行われ、また割り込み処理としてコマンド受信処理(S70)が行われる。
出力処理(S10)では、バッファ内に出力データが存在すれば、そのデータにしたがって、前記払出装置125の駆動信号を送信したり、エラー報知や、球抜き状態などに関わる情報を前記表示制御基板105やランプ制御基板110、あるいは前記音声制御基板115に出力したりする。
コマンド解析処理(S20)では、図13のフローに示すように、前記割り込み処理で行われるコマンド受信処理(S70)によって、前記主制御基板100から払出信号を受信したか否かが最初に確認される(S21)。前記払出信号は、前記遊技領域6の入賞装置に遊技球が入球(入賞)することによって遊技球払出条件が成立したときに、前記主制御基板100から払出制御基板120に対して送信される。払出信号を受信していないときは、その時点でこのコマンド受信処理(S20)が終了し、それに対して払出信号を受信している場合には、受信した払出信号が4個用コマンドか15個用コマンドか確認される(S22)。4個用コマンドは、前記大入賞口15以外の入賞に対する副賞球として4個の遊技球を前記払出装置125の払出ソレノイド129の作動により払い出す信号であり、一方15個用コマンドは前記大入賞口15への入賞に対する主賞球として15個の遊技球を前記払出装置125の払出ソレノイド129の作動により払い出す信号である。前記受信した払出信号が4個用コマンドの場合には、払出球数に+4加算し(S23)、前記払出装置125へ4信号(副賞球出力信号)の出力準備をする(S24)。それに対して、受信した払出信号が4個用コマンドではなく、15個用コマンドの場合には、払出球数に+15加算し(S25)、前記払出装置125へ15信号(主賞球出力信号)の出力準備をする(S26)。
払出装置制御処理(S30)では、図14のフローに示すように、まず球抜き動作中か否か確認する(S31)。この確認は、図11において、前記球抜き検出器137により前記突部168を検出している場合に球抜き動作中と判断し、受信していない場合には球抜き動作中ではないと判断する。球抜き動作中でなければ、未払いの払出球が有るか確認し(S32)、未払いの払出球が無ければ、この払出装置制御処理(S30)が終了し、一方、未払いの払出球が有る場合には、前記払出ソレノイド129をONにして払出装置125を駆動させ、残りの遊技球を払い出す。それに対し、球抜き動作中であれば、前記払出装置125を自動で作動させる場合(図5乃至図11とは異なり、球抜き動作中の検出により前記払出ソレノイド129を自動的に作動させる場合)には、Aのように前記払出ソレノイド129をONにして払出装置125を駆動させ(S33)、前記回転体126を回転可能にする。一方、前記払出装置125を自動で作動させない場合(図5乃至図11のように手動で払出ソレノイド129を動かす場合)には、Bのようにこのまま払出装置制御処理(S30)が終了する。
払出センサ検出処理(S40)では、図15のフローに示すように、球抜き動作中か否か確認し(S41)、球抜き動作中であれば、この払出センサ検出処理(S40)を終了する。一方、球抜き動作中でなければ、払出センサ(前記払出検出器140の検出センサ145)により遊技球の通過が検出されたか確認し、通過があれば遊技球の通過数を前記払出球数から減算し(S43)、この払出センサ検出処理(S40)を終了する。なお、前記S42で払出センサ(前記払出検出器140の検出センサ145)により遊技球の通過が検出されていないと判断された場合には、その時点でこの払出センサ検出処理(S40)を終了する。
払出関連監視処理(S50)では、図16のフローに示すように、まず、払出個数が0未満か、すなわち、前記払出信号により設定された払出球数よりも多くの遊技球が払い出されているか否か判断する(S51)。前記払出信号により設定された払出球数よりも多くの遊技球が払い出されている場合には、ランプ等で報知するための過払出信号(エラー信号)を出力する準備をし(S52)、一方、前記払出信号により設定された払出球数よりも多くの遊技球が払い出されていない場合には、前記過払出信号(エラー信号)出力準備(S52)をジャンプする。次に、前記タンクレール99の下部に設けられた前記球無しスイッチ基板で球無しが検出されて球無し信号を受信しているか否か確認し(S53)、球無し信号が有れば、球無しであることをランプ等で放置するための球無し信号出力準備をし(S54)、球無し信号が無ければ、前記球無し信号出力準備(S54)をジャンプする。次に、球抜き検出信号が有るか(現在球抜き状態であるか)否かを確認(S55)し、球抜き信号が有る(現在球抜き状態である)場合には、ランプやスピーカ等で球抜き状態を報知するために球抜き検出信号出力の準備をし(S56)、球抜き検出信号がない場合にはこの払出関連監視処理(S50)を終了する。
エラー解除処理(S60)では、図17のフローに示すように、エラー報知中か否か、すなわち、前記払出関連監視処理(50)で払出個数の異常が検出されているか(過払出し信号出力準備がされたか)否かを判断する(S61)。エラー報知中の場合、前記エラー解除スイッチ124がONか否かを判断し(S62)、エラー解除スイッチがONの場合にはエラー解除動作を行う(S63)。具体的には、払出球数を0にクリアすることになる。一方、エラー報知中ではなかったり、エラー解除スイッチがONではないと判断されたりした場合には、その時点でこのエラー解除処理(S60)は終了する。
このように、本実施例の弾球遊技機は、遊技球の払出が過剰になった場合、エラー解除スイッチが操作されるまで、ランプ、音声、表示等によって遊技者もしくは遊技店側に異常発生を報知するように構成されている。
なお、上記実施例は図11のものに従って払出制御処理を説明したが、例えば、図8乃至図10で示される実施例においても同様のフローで払出制御を行うことが可能である。また、図5乃至図7及び図18で示される構成であった場合、払出制御処理における図14、図15、図16のフローで球抜き動作中か否かを確認するが、この確認を、前記揺動可能な払出検出器140が前記検出不可能な第2の位置になっていることを検出する構成とすることにより、あるいは前記払出装置強制作動部材166が上方へ移動していることを検出する構成とし、その検出信号を受信している場合には球抜き動作中と判断し、受信していない場合には球抜き動作中ではないと判断するとしてもよい。さらにまた、球抜き動作中か否かを確認する処理を無くしてもよい。その場合には、図16における球抜き検出信号出力準備の処理(S56)も無くすものとする。
本発明は上記の構成としたことにより、払出装置から払い出される遊技球を遊技機外部へ抜き出す際に、前記払出装置から払い出された遊技球が、払出遊技球検出手段によって検出されないため、払出条件が成立していない(払出信号が無い)にもかかわらず、遊技球が払い出されていると判断されてエラー等を生じる不具合の発生を防止することが可能になる。
なお、払出個数の異常検出方法は上記の方法に限定されるものではなく、例えば、設定された払出球数が0の時にセンサが遊技球の払出を検出したことを監視するもの等、適宜変更することが可能である。また、エラー解除の方法も、上記の方法に限定されず、例えば、エラー解除スイッチがRAMクリアスイッチを兼ねていて、エラー解除スイッチONが直接RAMクリアとなるものであってもよい。
また、本発明は、前記の実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。例えば、本実施例では、払出装置にソレノイドとスプロケット状の回転体を用いたが、モーター等により駆動するスクリュー式のものであってもよい。さらに、払出装置強制手段は、本実施例では払出装置強制作動部材を手動によるスライド操作で作動させているが、払出装置強制作動部材を上方へ移動させて球抜き状態とした際に、払出装置強制作動部材が解除可能にケース体と係合して球抜き状態で固定されるようにしたり、手動による払出装置強制作動部材に代えて電気的なスイッチで前記払出ソレノイドをONにして作動させたりしてもよい。