JP2006201071A - 光ファイバ式荷重センサおよびそれを用いた侵入者検知システム - Google Patents

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弘子 樋熊
Takeshi Ozaki
毅志 尾崎
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Abstract

【課題】 周囲温度の影響が小さく、温度変化や微小な荷重変化を検知せず、侵入者など検知対象による荷重変化だけを検知できる光ファイバ式荷重センサを得るものである。
【解決手段】 構造体5との間に隙間を設けて設置され、荷重により上記隙間が狭くなる方向にたわむ長尺状の第1の弾性体1と、この第1の弾性体1よりも断面積および幅が小さく、隙間の第1の弾性体1あるいは構造体5のいずれかに一方の端部が固定され、他方の端部と構造体あるいは第1の弾性体との間に空隙を有し、第1の弾性体1よりもたわみ易い第2の弾性体2と、この第2の弾性体に取り付けられた光ファイバブラッググレーティング3と、この光ファイバブラッググレーティングに連結した光検出器とを備えたものである。
【選択図】 図1

Description

この発明は、光ファイバブラッググレーティングを利用した荷重センサと、それを用いた侵入者検知システムとに関するものである。
一般に、外力による材料や構造物の変形を測定する方法のひとつして、光ファイバブラッググレーティングを用いる方法が知られている。光ファイバブラッググレーティングとは、屈折率が周期的に変化した回折格子縞をもつ光ファイバのことであり、この光ファイバに入射した光のうち、回折格子縞の間隔に対応した特定の波長の光だけを反射する性質をもっている。光ファイバブラッググレーティングを用いた荷重センサでは、光ファイバブラッググレーティングが測定対象物に接着あるいは埋め込むなどして一体化されており、測定対象物の変形に応じて光ファイバブラッググレーティングも変形して回折格子縞の間隔が変化する。この回折格子縞の間隔の変化を、光ファイバブラッググレーティングに光を入射したときの反射光の波長変化として検知することで測定対象物の変形を検出している。
従来の、光ファイバブラッググレーティングを用いた荷重センサにおいては、外力によって容易にかつ再現性よく伸縮、湾曲あるいは振動するような板バネを測定対象物に取り付け、この板バネの長手方向に沿って光ファイバブラッググレーティングを固定して板バネの変形量を検出していた(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−222507号公報(第2頁、図1)
しかし、光ファイバブラッググレーティングの回折格子縞の間隔は、光ファイバブラッググレーティングの変形だけでなく温度でも変化する。従来の光ファイバブラッググレーティングを用いた荷重センサにおいては、光ファイバブラッググレーティングの温度変化による反射光の波長変化を補正する機能を有しないため、この荷重センサを屋外のフェンスなどに設置して侵入者検知に用いる場合、温度変化による反射光の波長変化も荷重が加わったものとして検知してしまう問題があった。とくに金属製の板バネは熱膨張が大きいため、測定対象物の変形以上に変形して光ファイバブラッググレーティングの波長変化を増大させるという問題もあった。また、フェンスが風で揺れたりものが当たったりした場合の微小な荷重による波長変化も検知してしまうという問題もあった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、微小な荷重変化を検知せず、周囲温度の影響よりも侵入者など検知対象による荷重変化を大きく拡大して検知できる荷重センサを得るものである。
この発明に係る光ファイバ式荷重センサにおいては、構造体との間に隙間を設けて設置され、荷重を受けて上記構造体側へたわむ長尺状の第1の弾性体と、この第1の弾性体よりも断面積および幅が小さく、隙間で第1の弾性体あるいは構造体のいずれか一方に固定され、他方の構造体あるいは第1の弾性体との間に空隙を有するように配置され、第1の弾性体よりもたわみ易い第2の弾性体と、この第2の弾性体のたわむ部分に回折格子縞が配置されるように固定された光ファイバブラッググレーティングと、この光ファイバブラッググレーティングに連結した光検出器とを備えたものである。
この発明は、光ファイバブラッググレーティング(以下、FBGと記載)が取り付けられた第2の弾性体の断面積および幅が第1の弾性体よりも小さいので、第1の弾性体の変形量より第2の弾性体の変形量を拡大することができとともに、熱膨張係数が第2の弾性体の方が第1の弾性体よりも小さいので、荷重変化の検知における周囲温度の影響を相対的に小さくすることできる。さらに、測定対象物である第1の弾性体が温度変化や微小な荷重変化によって変形しても、第2の弾性体と空隙を介して対向している構造体あるいは第1の弾性体とが接触するまでは第2の弾性体の変形は起こらないので、温度変化や微小な荷重変化を検知せずに大きな荷重変化だけを検知することができる。
実施の形態1.
図1は、この発明を実施するための実施の形態1における光ファイバ式荷重センサを示す模式図である。光ファイバ式荷重センサを、フェンスなどに取り付けて侵入者の検知に用いることを想定した場合、荷重が加わる第1の弾性体としては、数百kgの荷重に対して破壊されないことが必要であり、鉄製のものなどが使用される。図1において、第1の弾性体1は、長さ2000mm、幅76mm、肉厚5mm、質量約14kgの断面がコ字型で長尺状の鉄製のチャネル鋼であり、コ字型の内側底面のほぼ中央に第2の弾性体2が取り付けられている。第2の弾性体2は、約45度の傾斜面をもつ断面V型の薄板状のもので、傾斜面が第1の弾性体1の長辺方向に対してほぼ垂直になる方向に取り付けられており、この傾斜面にFBG3が固定されている。
図2は、第2の弾性体2の拡大図である。第2の弾性体2は、厚さ1.5mmの熱可塑性のカーボンファイバーレインフォースドプラスチック(以下、CFRPと記載)を幅10mmの短冊状に切断した2つの板を約45度傾斜するように接着して過熱成形したもので、傾斜面の長さは46mmである。CFRPの熱膨張係数は、第1の弾性体1の素材である鉄の熱膨張係数よりも小さい。FBG3は、第2の弾性体2の傾斜面の内側面(傾斜面の面積が小さい面)に傾斜面の中心線に対して約30度傾けた方向に固定されている。FBG3の回折格子縞4は、第2の弾性体2に斜めに固定された部分に形成されている。
図3は、本実施の形態における、光ファイバ式荷重センサを構造体5に取り付けたときの側面図である。構造体5は、第1の弾性体1に荷重が加わっても変形しない材料で作製されているか、あるいは荷重が加わらない構成にすることで、第1の弾性体1に荷重が加わっても変形しないように構成されている。第1の弾性体1の両端部のコ字型内側と構造体5との間に支持体6を挟んで隙間を設け、第2の弾性体2の傾斜面の端部と構造体5との間に0.3mmの空隙が残るように配置している。FBG3には、光を入射させて回折格子縞4から反射される光の波長変化を検知する光検出器(図示せず)が連結されている。図4は、光ファイバ式荷重センサを図3の右側から見た側面図である。図4において、図3に示す右側に配置された支持体6を除いて示している。FBG3は、第2の弾性体2の傾斜面の内側面に斜めに固定されており、第2の弾性体2は、支持体6により構造体5との間に空隙が残るように配置されている。
次に、本実施の形態における動作について説明する。図3において、矢印Aの方向から第1の弾性体1の中央部に荷重が加わると、第1の弾性体1の中央部は構造体5の方向にたわむ。このとき、荷重が小さいと第1の弾性体1の中央部がたわんでも、第2の弾性体2は構造体5に近づくが、空隙があるために構造体5との接触には至らない。大きな荷重が加わると、第2の弾性体2は構造体5と接触し、第2の弾性体2は変形する。第2の弾性体2に固定されたFBG3も同時に変形するので、回折格子縞4の間隔も変化する。その結果、回折格子縞4で反射される光の波長が変化したことを光検出器で検出して、第1の弾性体1に荷重が加わったことを検知することができる。このとき、第2の弾性体2の傾斜面が屈曲するようにたわむので、第1の弾性体の変形量よりも第2の弾性体の変形量が大きくなる。
さらに、具体的な変形量について説明する。第1の弾性体1に矢印Aの方向から5kgの荷重を加えると、第1の弾性体1は約0.3mmたわむ。このときに第2の弾性体2と構造体5との間に0.3mmの空隙があったので、この荷重では第2の弾性体2の端部が構造体5に接触するが、第2の弾性体2の変形は起こらない。つまり、荷重5kgまでは第2の弾性体2は変形しないので、光ファイバ式荷重センサは、荷重が加わったことを検知しない。次に、第1の弾性体1に10kgの荷重を加えると、第1の弾性体1は、0.7mmたわみ、コ字型の内側底面では27μεの変形を生じた。この変形量は第1の弾性体1の温度変化に換算すると2.7℃に相当する。このとき、第2の弾性体2は構造体5に接触して変形し、傾斜面の内側面は300μεの変形が生じた。この変形量は第1の弾性体1の温度変化に換算すると30℃に相当する。ここで、[με]とは変形量を表す単位であり、長さ1mのものが10−6m伸びた場合が1μεである。
さらに、第1の弾性体1に20kgの荷重を加えると、第1の弾性体1は、1.3mmたわみ、コ字型の内側底面では53μεの変形を生じた。この変形量は温度変化に換算すると5.3℃に相当する。このとき、第2の弾性体2の傾斜面は710μεの変形が生じ、この変形量は温度変化に換算すると71℃に相当する。
このような荷重を加える動作を行ったときの環境の温度変化は約5℃と推定される。また、第2の弾性体2の傾斜部内側面には、FBG3が固定されているので、傾斜面の変形量に応じて回折格子縞の間隔も変化しており、光検出器で反射される光の波長変化を検出して、第1の弾性体1に加わった荷重を検知することができる。
本実施の形態においては、FBGを固定した第2の弾性体の熱膨張係数が、荷重の加わる第1の弾性体の熱膨張係数より小さいので、環境の温度変化によるFBGの変形量を小さくなり、環境の温度変化の影響をより小さくすることができる。また、第2の弾性体と構造体との間に空隙を設けているので、温度変化や微小な荷重変化は検知せず、大きな荷重変化だけを検知することができる。さらには、第2の弾性体の厚みおよび幅を第1の弾性体より小さくしているので、第1の弾性体の変形量よりも第2の弾性体の変形量が大きくすることができ、その結果、荷重による変形量を、環境の温度変化による変形量よりも大きくすることができるので、環境の温度変化の影響を相対的に小さくすることができる。上述のように、第1の弾性体に10kgの荷重を加えたときに、第1の弾性体の変形量は2.7℃の温度変化に相当するのに対して、第2の弾性体の変形量は30℃の温度変化に相当する。環境の温度変化が約5℃であったと推定されるとき、第1の弾性体の変形量を測定していたのでは、その変形の要因が環境の温度変化であるのか、荷重であるのか判別できないが、第2の弾性体の変形量を測定することで、環境の温度変化以上の変形量となるので、変形要因が荷重であると判定することができる。
なお、本実施の形態においては、第1の弾性体として鉄製のチャネル鋼を用いたが、他の材料や形状、例えば、アルミニウム製で形状がレール状のものなどでもよい。第1の弾性体としては、侵入者などの荷重で破壊されずにたわむものであればよい。また、第2の弾性体として、CFRPを用いたが、これに制限されるものではなく、第1の弾性体よりも熱膨張係数が小さく、厚みや幅が小さいものであればよい。厚みや幅を小さくすることにより、同じ荷重を受けたときに、第2の弾性体の方が第1の弾性体よりも変形量が大きくなり、温度変化の影響を小さくすることができる。さらには、第2の弾性体の弾性率は、第1の弾性体の弾性率よりも小さい方が第2の弾性体の変形量が大きくなり、温度変化の影響をさらに小さくすることができる。
また、本実施の形態においては、FBGを第2の弾性体の傾斜面の内側面に傾斜面の中心線に対して約30度傾けた方向に固定しているが、この理由は、第2の弾性体の変形が最も大きい中心線部分よりもFBGの変形量を小さくするためであり、必ずしも約30度傾けて固定する必要はない。変形量が小さいと温度変化の影響が大きくなるが、変形量が大きすぎるとFBGの破断の恐れがあるため、FBGの取り付け位置や角度を適宜選択することで、測定荷重の範囲とFBGの変形量とを調整することができる。
また、本実施の形態においては、第2の弾性体を第1の弾性体の最もたわみが大きい中央部に取り付けたが、中央部からずらしてたわみの少ない位置に取り付けてもよい。このように構成することにより、FBGを傾けて取り付けたことと同様に、測定荷重の範囲とFBGの変形量とを調整することもできる。
さらに、本実施の形態では、第2の弾性体を第1の弾性体に取り付けたが、構造体に取り付けてもよい。この場合、第2の弾性体と第1の弾性体との間に空隙を設ける必要がある。
また、本実施の形態においては、第2の弾性体としては、第1の弾性体への取り付け面が広くなるように約45度の傾斜部をもつ断面V型の形状のものを用いたが、図5に示すように、薄板状の薄い第2の弾性体2を三角柱状の固定用治具7とともに第1の弾性体に固定してもよい。この場合、回折格子縞4は、第2の弾性体2の変形しやすい部分に取り付けることが好ましい。
実施の形態2.
図6は、実施の形態2における、光ファイバ式荷重センサの模式図である。図6において、本実施の形態では、実施の形態1と同様な構成に追加して、第1の弾性体1と構造体5との隙間に、一部の隙間の間隔が狭くなるようにストッパー8を設けたものである。ストッパー8は、構造体5に固定されている。
このように構成することにより、第1の弾性体1に過大な荷重が加わって中央部が大きくたわんでも、第1の弾性体1はストッパー8より下へは変形することがない。つまり、測定荷重範囲を超えた過大な荷重が加わっても、第1の弾性体の変形量に制限があるので、第2の弾性体も必要以上に変形することがなく、第2の弾性体の破断やFBGの破断などを防ぐことができる。
なお、本実施の形態においては、ストッパーを構造体に固定した例を示したが、第1の弾性体に固定してもよい。
実施の形態3.
図7は、実施の形態3における、光ファイバ式荷重センサの模式図である。図7において、第1の弾性体1は、長さ2000mm、幅50mm、肉厚5mm、質量約12kgで断面形状がL字型の鉄製の山形鋼であり、一方の内側底面のほぼ中央に第2の弾性体2が取り付けられている。第2の弾性体2にはFBG3が固定されている。第2の弾性体2およびFBG3の構成は、実施の形態1と同様のものである。構造体5は、断面がL字型であり、水平方向の面の上面と、第1の弾性体1の両端部の内側との間に支持体6を挟んで隙間を設け、第2の弾性体2の傾斜部と構造体5の水平方向の面の上面との間に0.3mmの空隙が残るように配置している。図8は、光ファイバ式荷重センサを図7の右側から見た側面図であり、図7に示す右側に配置された支持体6を除いて示している。
このように構成することにより、光ファイバ式荷重センサを構造体の下部に取り付けることができる。
なお、本実施の形態においては、第1の弾性体として、断面形状がL字型の鉄製の山形鋼を用いた例を示したが、第1の弾性体の断面形状はこれに限定されるものではなく、断面形状がH型、円型などでもよい。また、パイプ状であってもよく、荷重が加わることでたわむような長尺状であればよい。
実施の形態4.
図9は、実施の形態4における、光ファイバ式荷重センサの模式図である。第1の弾性体1、第2の弾性体2およびFBG3は実施の形態1と同様なものを用いているが、第2の弾性体2の取り付け方向が実施の形態1に対して、約90度回転した方向になっている。つまり、第2の弾性体2の傾斜面が第1の弾性体1の長辺方向に対してほぼ平行になる方向に取り付けられている。図10は、図9に示した光ファイバ式荷重センサを、図3に示す実施の形態1と同様に構造体5に配置したときの左側から見た側面図であり、左側に配置される支持体を除いて示している。
実施の形態1においては、FBGが第2の弾性体に固定されている部分の近傍で、FBGの方向を約90度変えるために小さい曲率半径で曲げる必要があるが、本実施の形態では、FBGの導入方向と第2の弾性体に固定される方向とがほぼ同じであるため小さい曲率半径で曲げる必要がなく、FBGの破断などの不具合発生がさらに少なくなるとともに、FBGの取り付けが簡単になる。
実施の形態5.
図11は、実施の形態5における、光ファイバ式荷重センサの側面図である。本実施の形態においては、実施の形態1と同様な第1の弾性体1において、コ字型の内側底面のほぼ中央に下向きに突起9を設け、この突起9の直下に空隙を設けて第2の弾性体2を配置したものである。第2の弾性体2は、構造体5との間にスペーサ10を配置して、第2の弾性体2の中央部と構造体5との間に空間があるように配置している。図12は、本実施の形態における、第2の弾性体の模式図である。第2の弾性体2の両端にスペーサ10を取り付け、このスペーサ10で構造体(図示せず)に固定している。FBG3は、第2の弾性体2の裏面(構造体に対向した面)に、回折格子縞4が第2の弾性体2のほぼ中央に位置するように固定している。
本実施の形態における動作について説明する。図11に示す矢印Aの方向から第1の弾性体1に荷重が加わると、第1の弾性体1がたわんで、中央部の突起9が下方に移動する。このとき、突起9と第2の弾性体2との間に空隙があるので、温度変化や微小な荷重では突起9は第2の弾性体2に接触しない。ある程度の大きさの荷重が加わったときに、突起9は第2の弾性体2に接触して、第2の弾性体2の変形が始まる。第2の弾性体2は、第1の弾性体に比べて、厚さおよび幅が小さいので、第1の弾性体1より変形量が大きくなり、第2の弾性体2の裏面に固定したFBG3が変形して、反射光の波長が変化することにより、荷重を検知することができる。
このように構成した光ファイバ式荷重センサでは、第2の弾性体を両端で固定しているので、第2の弾性体の形状が安定し、信頼性も高くなる。また、メンテナンス時における第2の弾性体の交換と位置再現性が高くなり、利便性が向上する。
なお、本実施の形態においては、第1の弾性体に突起を設け、第2の弾性体を構造体に固定したが、突起と第2の弾性体との固定を逆にしてもよい。
実施の形態6.
図13は、実施の形態6における、侵入者検知システムの模式図である。本実施の形態においては、構造体としてのフェンス11の上端部に、実施の形態1に示した光ファイバ式荷重センサを複数設置したものである。第1の弾性体1は支持体(図示せず)を介してフェンス11に固定されており、それぞれの光ファイバ式荷重センサは、第1の弾性体1のコ字型内面に第2の弾性体(図示せず)が実施の形態1と同様に取り付けられている。複数の光ファイバ式荷重センサのFBG3は直列に連結されており、それぞれの光ファイバ式荷重センサにおけるFBGの回折格子縞の間隔は、反射される特定波長が1nmずつ異なるように設定されている。通常、FBG3に連結され、FBGから反射される光の波長を検知する光検出器では、Cバンドと呼ばれる波長1527〜1567nmの光を放射する光源が用いられており、測定荷重範囲で最大波長シフトを1nm以下に設定すると、最大40個の光ファイバ式荷重センサを連結することができる。
このように構成された侵入者検知システムにおいては、侵入者12がフェンスを乗り越えるときにフェンスの上端部に設置された光ファイバ式荷重センサの第1の弾性体1に体重をかけることにより、光ファイバ式荷重センサで荷重が加わったことを検知できるので、直ちに警報を鳴らすなどの処置ができる。また、それぞれの光ファイバ式荷重センサから反射される光の波長が異なることから、波長変化がどの光ファイバ式荷重センサで発生したかわかるので、侵入者11の侵入位置を特定することもできる。さらには、実施の形態1において説明したように、第2の弾性体と構造体(フェンス)との間に0.3mmの空隙を設けているので、5kg以下の荷重には光ファイバ式荷重センサは動作しないため、フェンスが風で揺れたりものが当たったりした場合の微小な荷重は検知せず、侵入者などの異常のみを検知することができる。
なお、本実施の形態においては、FBGを直列に連結した例を示したが、FBGを並列に連結しても同様な効果がある。
この発明の実施の形態1による光ファイバ式荷重センサの模式図である。 この発明の実施の形態1による第2の弾性体の拡大図である。 この発明の実施の形態1による光ファイバ式荷重センサの側面図である。 この発明の実施の形態1による光ファイバ式荷重センサの側面図である。 この発明の実施の形態1による第2の弾性体の拡大図である。 この発明の実施の形態2による光ファイバ式荷重センサの模式図である。 この発明の実施の形態3による光ファイバ式荷重センサの模式図である。 この発明の実施の形態3による光ファイバ式荷重センサの側面図である。 この発明の実施の形態4による光ファイバ式荷重センサの模式図である。 この発明の実施の形態4による光ファイバ式荷重センサの側面図である。 この発明の実施の形態5による光ファイバ式荷重センサの側面図である。 この発明の実施の形態5による第2の弾性体の模式図である。 この発明の実施の形態6による侵入者検知システムの模式図である。
符号の説明
1 第1の弾性体、 2 第2の弾性体、 3 FBG
4 回折格子縞、 5 構造体、 6 支持体
7 固定用治具、 8 ストッパー、 9 突起
10 スペーサ、 11 フェンス、 12 侵入者

Claims (6)

  1. 構造体との間に隙間を設けて設置され、荷重を受けて上記構造体側へたわむ長尺状の第1の弾性体と、
    この第1の弾性体の長手方向に垂直な面の断面積および幅よりも小さく、上記隙間で上記第1の弾性体あるいは上記構造体のいずれか一方に固定され、他方の上記構造体あるいは上記第1の弾性体との間に空隙を有するように配置され、上記第1の弾性体よりもたわみ易い第2の弾性体と、
    この第2の弾性体のたわむ部分に回折格子縞が配置されるように固定された光ファイバブラッググレーティングと、
    この光ファイバブラッググレーティングに連結した光検出器と
    を備えたことを特徴とする光ファイバ式荷重センサ。
  2. 第2の弾性体は、第1の弾性体より熱膨張係数が小さいことを特徴とする請求項1記載の光ファイバ式荷重センサ。
  3. 第2の弾性体は、薄板状であり、一方の端部が構造体あるいは第1の弾性体のいずれかに固定されていることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ式荷重センサ。
  4. 第2の弾性体は、両端部にスペーサを備え、このスペーサで構造体あるいは第1の弾性体のいずれかに固定されていることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ式荷重センサ。
  5. 第2の弾性体は、第1の弾性体よりも、弾性率が小さいことを特徴とする請求項1記載の光ファイバ式荷重センサ。
  6. 請求項1記載の光ファイバ式荷重センサを複数配置し、上記光ファイバ式荷重センサの光ファイバブラッググレーティングを直列または並列に連結したことを特徴とする侵入者検知システム。
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