JP4032124B2 - 光ファイバセンサ装置 - Google Patents
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Description
本発明では、光源からは単一波長の光が歪センサ部に照射される。この歪センサ部で反射された反射された光は、受光部で受光される。ファブリペロ干渉を利用した前記歪センサ部の反射率は、光源から照射された光の波長に対する周期的な振動関数の波形として表すことができる。
なお、反射光の強度変化量と監視対象の歪量との関係を予め求めておくことで、前記反射光の強度量から監視対象の具体的な歪量を求めることができる。このようにすることで、例えば、監視対象の歪が予め設定された許容範囲を越えたときに、アラームで報知するように構成することも可能である。
この構成によれば、光ファイバの軸線方向の歪だけでなく、多方向の歪を一つの歪センサ部で検出することが可能になる。
この構成によれば、監視対象の温度変化の有無はもちろん、前記温度変化検出部材の線膨張係数と温度センサ部によって検出された歪量とから、監視対象の具体的な温度変化量も求めることができ、例えば、監視対象の温度が予め設定された許容範囲を越えたときに、アラームで報知するように構成することも可能である。
図1は、光ファイバセンサ装置の一実施形態にかかり、その構成を説明する概略図である。
この実施形態の光ファイバセンサ装置1は、図1に示すように、監視対象2に設けられ、光ファイバ11に離間して直列に配置された複数の歪センサ部12と、光ファイバ11の一端に方向性結合器13を介して接続され、光ファイバ11のコアを通して歪センサ部12に一定波長のレーザ光を照射する光源としてのレーザダイオードLDと、光ファイバ11の一端に方向性結合器13を介して接続され、歪センサ部12からの反射光を受光する受光部としての光検出器PDと、この光検出器PDによって検出された反射光をデジタル信号に変換するA/D変換器14と、このA/D変換器14によってデジタル変換された反射光に関するデータを処理する信号処理部としてのCPU15と、このCPU15による処理結果を表示するディスプレイやプリンタ等の表示器16とを有している。
歪センサ部12は、光ファイバ11の軸線Cに対して直交するように対向配置された各一つ一対の反射板12a,12aを有していて、ファブリペロ干渉を利用した構成となっている。そして、レーザダイオードLDからのレーザ光の一部が、この反射板12aによって反射され、反射光となって光検出器PDに入力される。
ファブリペロ共振器型の歪センサ部における波長対反射率関係グラフは、FBGと異なり、図示するような一定周期の波形となる。通常状態がグラフIである場合に、監視対象2に歪が生じると、これにともない歪センサ部12が伸張又は収縮し、グラフIは図3の左方又は右方に移動する。例えば、監視対象2が、光ファイバ1の軸線Cと同方向に膨張すると、これにともない歪センサ部12が伸長して、波長の長い方、つまり右方に移動する(この場合を図3中グラフIIとして示す)わけである。また、監視対象2が、光ファイバ1の軸線Cと同方向に圧縮されると、歪センサ部12が縮小して、グラフIは波長の短い方向、つまり左に移動することになる。
例えば、取付部材21,21間のもともとの距離をLとしたときに、監視対象に生じた歪により前記距離LがΔLだけ伸縮した場合(図示の例では伸張した場合)、前記距離Lの変化から求められる歪率(ΔL/L)と、反射率の変化量から求められる反射光強度の変化量(dB)との間には、一定の関係が成立する。
図4は、歪センサ部12の歪率と反射光強度の変化量との関係を示すグラフである。このグラフに示されるように、反射光強度の変化量(図3における反射率の変化量(ii)−(i)に基づく)を求めることで、歪センサ部12が検出した監視対象2の具体的な歪量を求めることができる。
図5は、反射光強度と、レーザダイオードLDが波長λのレーザ光を照射してから光検出器PDが反射光を受光するまでの時間との関係を示すグラフである。
図示するように、光検出器PDの反射光の受光時間は、レーザダイオードLDから歪センサ部12までの距離に比例し、歪センサ部12の配置順にしたがってグラフ上に反射光強度の強い部分(X1,X2,X3・・・)が山となって現れることになる。図3に示すような場合では、歪が生じた歪センサ部12の部分は反射光強度が高くなるため、この歪センサ部12の位置を特定することができるわけである。
上記の第一の実施形態では、光ファイバ1の軸線Cと同方向に監視対象2に歪が生じることを前提としている。この第二の実施形態では、単一の歪検出器12で、光ファイバ1の軸線Cと同方向の歪だけでなく、軸線Cと交差する方向の歪も検出することができるようにしている。
図6は、本発明の第二の実施形態にかかり、歪センサ部12に、光ファイバ11の軸線Cに対して交差する方向の歪を検出するための歪方向変換部材を設けた状態を説明する図である。
図6(a)に示す例では、中央部が凸状に張り出す歪方向変換部材31の前記両端を、取付部材21,21に連結して設けている。
また、図6(b)に示す歪方向変換部材32は、線膨張係数の大きい材料で形成された筒状の歪方向変換部材32の両端を、取付部材21,21に連結して設けている。
なお、この交差方向の歪εの具体的な歪量は、軸線C方向の歪ε0に基づいて得られた歪量に、歪方向変換部材31,32による歪の変換率(ε0/ε)を乗ずることで求めることができる。
本発明においては、歪センサ部12と同様の構成を有するファブリペロ干渉型の温度センサ部12′を利用することで、監視対象2の温度変化の有無及び具体的な温度変化量を求めることができる。
図7は、温度センサ部の構成を説明する図である。
温度センサ部12′は、第一及び第二の実施形態に示した歪センサ部12と同様に、光ファイバ11のコアに一対の反射板12a′,12a′からなる歪検出手段が設けられている。温度センサ部12′における反射板12a′,12a′の反射率は、歪センサ部12の反射板12a,12aの反射率と同じであってもよいし異なるものであってもよい。
図9は、この実施形態における歪と温度変化の検出結果を示す図であるが、歪センサ部12と温度センサ部12′との配置順(光源であるレーザダイオードLDからの距離)に応じて、歪率及び温度変化の変化グラフが得られる。図示するように、時間軸をZ軸とする三次元的なグラフとすることで、各歪センサ部12及び温度センサ部12′における時間ごとの歪変化及び温度変化を一目で知ることができる。
例えば、上記の実施形態では、複数の歪センサ部12,12・・・及び/又は複数の温度センサ部12′,12′・・・において、反射板12a,12a・・・,12a′,12a′・・・は、同一性質のもの、すなわち、同一波長スペクトラムを反射させる性質のものであるとして説明したが、これら反射板12a,12a・・・,12a′,12a′・・・の性質は異なるものとしてもよい。
11 光ファイバ
11a コア
12 歪センサ部
12′ 温度センサ部
12a,12a′ 反射板
13 方向性結合器
2 監視対象
21 取付部材
31,32 歪方向変換部材
33 温度変化検出部材
Claims (3)
- 監視対象の歪を、光ファイバによって検出する光ファイバセンサ装置において、
前記光ファイバのコア内に形成され、前記光ファイバの軸線方向に、前記監視対象の複数の歪測定部位に合わせて配置された複数の共振器型の歪センサ部と、
この歪センサ部を前記監視対象の歪測定部位に取り付ける取付部材と、
この歪センサ部に向けて単一波長の光を照射する光源と、
前記歪センサ部によって反射された光を受光する受光部と、
この受光部によって受光された反射光の強度変化と歪率との関係から、予め得られた両者の関係に基づいて前記監視対象の歪率を求めるとともに、前記反射光の強度変化と受光時間間隔との関係から、前記複数の歪測定部位のうち歪の生じた前記歪測定部位を求める信号処理部とを有し、
前記歪センサ部は、前記コア内に形成した一枚又は数枚の屈折率変化部よりなるフレネル反射板を前記光ファイバの軸線に対して直交するように対向配置してなること、
を特徴とする光ファイバセンサ装置。 - 前記光ファイバの軸線に対して交差する方向の前記監視対象の歪を前記光ファイバの軸線方向の歪に変換する歪方向変換部を、前記歪センサ部に設けたことを特徴とする請求項1に記載の光ファイバセンサ装置。
- 監視対象の温度変化を、光ファイバの歪として検出する光ファイバセンサ装置において、
前記光ファイバのコア内に形成された歪検出手段及び前記監視対象の温度変化によって伸縮する温度変化検出部材を有し、前記監視対象の複数の歪測定部位に合わせて配置された複数の共振器型の温度センサ部と、
この温度センサ部に向けて単一波長の光を照射する光源と、前記歪検出手段によって反射された光を受光する受光部と、
この受光部によって受光された反射光の強度変化と歪率との関係から、予め得られた両者の関係に基づいて前記監視対象の歪率を求めるとともに、前記反射光の強度変化と受光時間間隔との関係から、前記複数の歪測定部位のうち歪の生じた前記歪測定部位を求める信号処理部とを有し、
前記歪検出手段は、前記コア内に形成した一枚又は数枚の屈折率変化部よりなるフレネル反射板を前記光ファイバの軸線に対して直交するように対向配置してなること、
を特徴とする光ファイバセンサ装置。
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