JP2006199902A - 平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物、平坦化層、平坦化層の製造方法及び固体撮像素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体及び溶剤を含有することを特徴とする平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物;それを硬化させてなる平坦化層;位置選択的に平坦化層を製造する方法及びその平坦化層を含む固体撮像素子。
【選択図】 図3
Description
さらに、本発明者らは、上記エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体の放射線硬化性を利用して、位置選択的に平坦化層を形成することができることを見出し、本発明を完成させた。
[1]エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体及び溶剤を含有することを特徴とする平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物。
[2]上記[1]に記載の平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物を硬化させてなる平坦化層。
[3]上記[1]に記載の平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物をスピンコート法により塗布して該組成物の塗布膜を形成した後に、放射線を照射して該塗布膜を硬化せしめる工程を有する平坦化層の製造方法。
[4]パターンマスクを介して前記放射線を照射して前記塗布膜を硬化せしめた後、現像処理することによって、パターン化された平坦化層を形成する上記[3]に記載の平坦化層の製造方法。
[5]少なくとも基材層、上記2に記載の平坦化層、マイクロレンズを含む固体撮像素子。
図1に示すように、一般に、固体撮像素子1は、CCD基板2上に設けられたフォトダイオード3、ハレーション防止層4、カラーレジスト層5、平坦化層6及びマイクロレンズ7を有している。
ここで、本発明でいう、「平坦化層」とは、図1に示すようなマイクロレンズ7とカラーレジスト層5の間に設けられるもの(6a;カラーフィルタ平坦化層ともいう。)のみでなく、図2(a)に示すようなマイクロレンズ7を覆う形態のもの(6b;マイクロレンズ間の受光部平坦化層ともいう)、図2(b)に示すようなハレーション防止層4とカ
ラーレジスト層との間に設けられるもの(6c;受光部平坦化層ともいう)をも含む概念である。
さらに、本発明の組成物によれば、放射線硬化性であることを利用して、マイクロレンズ間の受光部平坦化層(6b)の変形として、パターニング露光等の手段により、図3(a)及び(b)に示すような、マイクロレンズ7の周囲のみに平坦化層(6b−2)を設けることもできる。
なお、本発明において、マイクロレンズとは、マイクロレンズアレイ(マイクロレンズを複数形成した基板)を含む意味で使用している。
本発明の平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物(以下、本発明の組成物ということがある)は、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体及び溶剤を含有する。
1.エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体
本発明で用いるエチレン性不飽和基含有含フッ素重合体は、(1)1個のイソシアネート基と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基とを含有する化合物と、(2)水酸基含有含フッ素重合体とを反応させて得られる。この際、イソシアネート基/水酸基のモル比が1.1〜1.9の割合で反応させることが好ましい。
1個のイソシアネート基と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基とを含有する化合物としては、分子内に、1個のイソシアネート基と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を含有している化合物であれば特に制限されるものではない。
尚、イソシアネート基を2個以上含有すると、水酸基含有含フッ素重合体と反応させる際にゲル化を起こす可能性がある。
また、上記エチレン性不飽和基として、後述する放射線硬化性樹脂組成物をより容易に硬化させることができることから、(メタ)アクリロイル基を有する化合物がより好ましい。
このような化合物としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネートの一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
この場合、ジイソシアネートの例としては、2,4−トリレンジイソシアネ−ト、2,6−トリレンジイソシアネ−ト、1,3−キシリレンジイソシアネ−ト、1,4−キシリレンジイソシアネ−ト、1,5−ナフタレンジイソシアネ−ト、m−フェニレンジイソシアネ
ート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、3,3’−ジメチルフェニレンジイソシアネ−ト、4,4’−ビフェニレンジイソシアネ−ト、1,6−ヘキ
サンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネア−ト)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ−ト、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシ
アネ−ト、4−ジフェニルプロパンジイソシアネ−ト、リジンジイソシアネ−ト、水添ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネ−ト、2,5(又は6)−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
これらの中では、2,4−トリレンジイソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネア−ト)、
1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンが特に好ましい。
これらの中では、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
なお、水酸基含有多官能(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、大阪有機化学(株)製 商品名 HEA、日本化薬(株)製 商品名 KAYARAD DPHA、PET−30、東亞合成(株)製 商品名 アロニックス M−215、M−233、M−305、M−400等として入手することができる。
エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体を構成する水酸基含有含フッ素重合体は、水酸基を含有する単量体由来の構造単位を10モル%〜50モル%含有してなる。主鎖中にポリシロキサンセグメントを有することが好ましい。水酸基含有含フッ素重合体は、好ましくは、フッ素含量が30質量%以上であり、ポリスチレン換算による数平均分子量が5000以上である。ポリシロキサンセグメントを有する場合、水酸基含有含フッ素重合体は、下記一般式(1)で表されるポリシロキサンセグメントを主鎖に有するオレフィン系重合体である。水酸基含有含フッ素重合体における当該ポリシロキサンセグメントの割合は、0.1〜10モル%が好ましい。
ロフランを用いたときの値である。
(1)フロロオレフィン/アルキルビニルエーテル/水酸基含有ビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位/ノニオン性反応性乳化剤、(2)フロロオレフィン/パーフロロ(アルキルビニルエーテル)/アルキルビニルエーテル/水酸基含有ビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位/ノニオン性反応性乳化剤、(3)フロロオレフィン/パーフロロ(アルコキシアルキル)ビニルエーテル/アルキルビニルエーテル/水酸基含有ビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位/ノニオン性反応性乳化剤、(4)フロロオレフィン/(パーフロロアルキル)ビニルエーテル/アルキルビニルエーテル/水酸基含有ビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位/ノニオン性反応性乳化剤、(5)フロロオレフィン/(パーフロロアルコキシアルキル)ビニルエーテル/アルキルビニルエーテル/水酸基含有ビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位/ノニオン性反応性乳化剤。
バリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;(3)メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(n−プロポキシ)エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;(4)(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有単量体化合物等であって、水酸基を含有しないものを挙げることができる。
本発明の組成物は、溶剤を必須の成分として含有するものであるが、当該放射線硬化性樹脂組成物の溶剤は、通常、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体の製造に用いた溶剤、あるいはエチレン性不飽和基含有含フッ素重合体と硬化性化合物との反応に用いた溶剤による溶液として得られ、従ってそのままで溶剤を含有するものである。
また、放射線硬化性樹脂組成物の塗布性等を改善すること、その他の目的で、別途溶剤を添加し、配合することができる。本発明の組成物に含有される好ましい溶剤としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類を挙げることができる。さらに、本発明の組成物の溶液には、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体を溶解し得ない溶剤、例えば、水、アルコール類、エーテル類等の貧溶剤を、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体が析出しない範囲で併用することができる。これにより、当該エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体の溶液が、良好な保存性と好ましい塗布性を有するものとなる場合がある。このような貧溶剤としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール等を挙げることができる。
本発明の組成物は、実際上、硬化性を有することが必要であり、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体それ自体が十分な硬化性を有しない場合には、硬化性化合物を配合することにより、必要な硬化性を付与することができ、また硬化特性を改善することができる。そして、硬化性化合物が用いられる場合に、当該硬化性化合物とエチレン性不飽和基含有含フッ素重合体との混合物を放射線硬化性樹脂組成物として用いること、又はエチレン性不飽和基含有含フッ素重合体と硬化性化合物との全部を反応させた反応生成物もしくはそれらの一部のみを反応させた状態のものを放射線硬化性樹脂組成物として用いることができる。
また、活性エネルギー線の照射により活性種を発生する化合物を添加することが好ましい。
本発明の組成物に用いる硬化性化合物としては、(i)少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する多官能(メタ)アクリレート化合物、及び/又は、(ii)少なくとも1個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する含フッ素(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する多官能(メタ)アクリレート化合物は、放射線硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物及びそれを用いた反射防止膜の耐擦傷性を高めるために用いられる。
少なくとも1個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する含フッ素(メタ)アクリレート化合物は、放射線硬化性樹脂組成物の屈折率を低下させるために用いられる。
活性エネルギー線の照射又は熱により活性種を発生する化合物は、形成される硬化膜の硬度及び耐久性の改善を目的として添加される。特に、放射線硬化性樹脂組成物の硬化後の透明性を低下させず、かつその溶液に均一に溶解するものを選択して用いるのが好ましい。
なお、活性エネルギー線とは、活性種を発生する化合物を分解して活性種を発生させることのできるエネルギー線と定義される。このような活性エネルギー線としては、可視光
、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等の光エネルギー線が挙げられる。ただし、一定のエネルギーレベルを有し、硬化速度が速く、しかも照射装置が比較的安価で、小型な観点から、紫外線を使用することが好ましい。
また、このような理由から、光重合開始剤の添加量を、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体100重量部に対し、0.05〜15重量部とすることがより好ましく、0.1〜15重量部とすることがさらに好ましい。
本発明の放射線硬化性樹脂組成物には、硬化膜の耐擦傷性の改善等を目的として、有機又は無機の微粒子を含有させることができる。微粒子の材質は、硬化膜の物性を損なわない限り特に限定されるものではないが、屈折率と硬さ等を考慮すると、シリカを主成分とする粒子(以下、「シリカ粒子」という。)が好ましい。また、シリカ粒子は、重合性不飽和基を有する化合物(Ab)と結合していることが、硬化膜の耐擦傷性改善のために、さらに好ましい。以下、重合性不飽和基を有する化合物(Ab)と結合していないシリカ粒子を(Aa)、結合したシリカ粒子を、「反応性シリカ粒子」(A)という。ここで、
結合とは、共有結合に限らず、物理吸着等の非共有結合をも包含する概念である。
本発明に用いられる有機化合物(Ab)は、重合性不飽和基を有する化合物であり、さらに、下記式(5)に示す基を含む有機化合物であることが好ましい。また、[−O−C(=O)−NH−]基を含み、さらに、[−O−C(=S)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基の少なくとも1を含むものであることが好ましい。また、この有機化合物(Ab)は、分子内にシラノール基を有する化合物又は加水分解によってシラノール基を生成する化合物であることが好ましい。
有機化合物(Ab)に含まれる重合性不飽和基としては特に制限はないが、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、プロペニル基、ブタジエニル基、スチリル基、エチニル基、シンナモイル基、マレエート基、アクリルアミド基を好適例として挙げることができる。
この重合性不飽和基は、活性ラジカル種により付加重合をする構成単位である。
有機化合物に含まれる前記式(5)に示す基[−U−C(=V)−NH−]は、具体的には、[−O−C(=O)−NH−]、[−O−C(=S)−NH−]、[−S−C(=O)−NH−]、[−NH−C(=O)−NH−]、[−NH−C(=S)−NH−]、及び[−S−C(=S)−NH−]の6種である。これらの基は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、熱安定性の観点から、[−O−C(=O)−NH−]基と、[−O−C(=S)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基の少なくとも1つとを併用することが好ましい。
前記式(5)に示す基[−U−C(=V)−NH−]は、分子間において水素結合による適度の凝集力を発生させ、硬化物にした場合、優れた機械的強度、基材や高屈折率層等の隣接層との密着性及び耐熱性等の特性を付与せしめるものと考えられる。
有機化合物(Ab)は、分子内にシラノール基を有する化合物又は加水分解によってシラノール基を生成する化合物であることが好ましい。このようなシラノール基を生成する化合物としては、ケイ素原子にアルコキシ基、アリールオキシ基、アセトキシ基、アミノ基、ハロゲン原子等が結合した化合物を挙げることができるが、ケイ素原子にアルコキシ基又はアリールオキシ基が結合した化合物、即ち、アルコキシシリル基含有化合物又はアリールオキシシリル基含有化合物が好ましい。
シラノール基又はシラノール基を生成する化合物のシラノール基生成部位は、縮合反応又は加水分解に続いて生じる縮合反応によって、酸化物粒子(Aa)と結合する構成単位である。
有機化合物(Ab)の好ましい具体例としては、例えば、下記式(6)に示す化合物を挙げることができる。
R8は、炭素数1〜12の脂肪族又は芳香族構造を有する2価の有機基であり、鎖状、分岐状又は環状の構造を含んでいてもよい。具体例として、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキサメチレン、シクロヘキシレン、フェニレン、キシリレン、ドデカメチレン等を挙げることができる。
R9は、2価の有機基であり、通常、分子量14から1万、好ましくは、分子量76から500の2価の有機基の中から選ばれる。具体例として、ヘキサメチレン、オクタメチ
レン、ドデカメチレン等の鎖状ポリアルキレン基;シクロヘキシレン、ノルボルニレン等の脂環式又は多環式の2価の有機基;フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ポリフェニレン等の2価の芳香族基;及びこれらのアルキル基置換体、アリール基置換体を挙げることができる。また、これら2価の有機基は炭素及び水素原子以外の元素を含む原子団を含んでいてもよく、ポリエーテル結合、ポリエステル結合、ポリアミド結合、ポリカーボネート結合を含むこともできる。
R10は、(k+1)価の有機基であり、好ましくは、鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基の中から選ばれる。
Zは、活性ラジカル種の存在下、分子間架橋反応をする重合性不飽和基を分子中に有する1価の有機基を示す。また、kは、好ましくは、1〜20の整数であり、さらに好ましくは、1〜10の整数、特に好ましくは、1〜5の整数である。
シラノール基又は加水分解によってシラノール基を生成する基を有する有機化合物(Ab)をシリカ粒子(Aa)と混合し、加水分解させ、両者を結合させる。得られる反応性シリカ粒子(A)中の有機重合体成分すなわち加水分解性シランの加水分解物及び縮合物の割合は、通常、乾燥粉体を空気中で完全に燃焼させた場合の質量減少%の恒量値として、例えば空気中で室温から通常800℃までの熱質量分析により求めることができる。
本発明の放射線硬化性樹脂組成物には、当該放射線硬化性樹脂組成物の塗布性及び硬化後の薄膜の物性の改善や、塗膜に対する感光性の付与等を目的として、例えば、水酸基を有する種々のポリマーやモノマー、顔料又は染料等の着色剤、老化防止剤や紫外線吸収剤等の安定化剤、界面活性剤、重合禁止剤、溶剤等の各種の添加剤を含有させることができる。
本発明の組成物に配合することができる水酸基を有するポリマーとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有共重合性単量体を共重合して得られるポリマー、ノボラック樹脂又はレゾール樹脂として公知のフェノール骨格を有する樹脂等を挙げることができる。
本発明の組成物に配合することができる着色剤としては、例えば、(1)アルミナ白、クレー、炭酸バリウム、硫酸バリウム等の体質顔料;(2)亜鉛華、鉛白、黄鉛、鉛丹、群青、紺青、酸化チタン、クロム酸亜鉛、ベンガラ、カーボンブラック等の無機顔料;(3)ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッド6B、パーマネントレッドR、ベンジジンイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の有機顔料;(4)マゼンタ、ローダミン等の塩基性染料;(5)ダイレクトスカーレット、ダイレクトオレンジ等の直接染料;(6)ローセリン、メタニルイエロー等の酸性染料;その他を挙げることができる。
本発明の組成物に配合することができる老化防止剤、紫外線吸収剤としては、公知のものを使用することができる。
老化防止剤の具体例としては、例えば、ジ−tert−ブチルフェノール、ピロガロール、ベンゾキノン、ヒドロキノン、メチレンブルー、tert−ブチルカテコール、モノベンジルエーテル、メチルヒドロキノン、アミルキノン、アミロキシヒドロキノン、n−ブチルフェノール、フェノール、ヒドロキノンモノプロピルエーテル、4,4′−[1−〔4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル〕エチリデン]ジフェノール、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン、ジフェニルアミン類、フェニレンジアミン類、フェノチアジン、メルカプトベンズイミダゾール等を挙げることができる。
本発明の組成物には、当該放射線硬化性樹脂組成物の塗布性を改善する目的で界面活性剤を配合することができる。この界面活性剤としては、公知のものを使用することができ、具体的には、例えば、各種アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤を利用することができるが、特に、硬化膜が優れた強度を有し、しかも良好な光学特性を有するものとするために、カチオン系界面活性剤を用いることが好ましい。さらには、第4級アンモニウム塩であることが好ましく、その中でも第4級ポリエーテルアンモニウム塩を用いると、埃拭き取り性がさらに改善される点で特に好ましい。第4級ポリエーテルアンモニウム塩であるカチオン系界面活性剤としては、旭電化工業社製アデカコールCC−15、CC−36、CC−42等が挙げられる。界面活性剤の使用割合は、本発明の組成物100質量部に対して、好ましくは5質量部以下である。
本発明の組成物に配合することができる熱重合禁止剤としては、例えば、ピロガロール、ベンゾキノン、ヒドロキノン、メチレンブルー、tert−ブチルカテコール、モノベンジルエーテル、メチルヒドロキノン、アミルキノン、アミロキシヒドロキノン、n−ブチルフェノール、フェノール、ヒドロキノンモノプロピルエーテル、4,4′−[1−〔4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル〕エチリデン]ジフェノール、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン等を挙げることができる。この熱重合禁止剤は、本発明の組成物100質量部に対して、好ましくは5質量部以下で用いられる。
しい。この理由は、露光量が0.01J/cm2未満となると、硬化不良が生じる場合が
あるためであり、一方、露光量が10J/cm2を超えると、硬化時間が過度に長くなる
場合があるためである。また、このような理由により、露光量を0.1〜5J/cm2の
範囲内の値とするのがより好ましく、0.3〜3J/cm2の範囲内の値とするのがより
好ましい。
また、このような理由から、50〜180℃の範囲内の温度で、2〜120分間加熱するのがより好ましく、80〜150℃の範囲内の温度で、5〜60分間加熱するのがさらに好ましい。
本発明の平坦化層は、上記第1の実施形態の平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物を硬化させてなり、屈折率1.3〜1.5を有することが好ましい。
ズの周囲のみに位置選択的に平坦化膜を形成することもできる。
本発明の平坦化層は、上記本発明の組成物をコーティングした後、これを硬化させて形成される。このようなコーティング方法としては、ディッピング法、スプレー法、ダイコート法、スリットコート法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、又はインクジェット法等の方法を用いることができるが、スピンコート法が均一な硬化膜が得られ易い点で優れている。
現像液としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類を挙げることができる。
現像処理の条件は、シャワー現像方法、ディップ現像方法、ステップパドル現像方法、振動現像方法等の処理方法を用いることが好ましい。
本発明の固体撮像素子は、基材層、前記本発明の平坦化層及びマイクロレンズを含む。
前述したように、本発明の平坦化層は、(1)マイクロレンズとカラーレジスト層の間に
設けられるもの(カラーフィルタ平坦化層)のみでなく、(2)マイクロレンズを覆う形態
のもの(マイクロレンズ間の受光部平坦化層;図2(a)及び図3の形態のものを含む)、(3)ハレーション防止層とカラーレジスト層との間に設けられるもの(受光部平坦化層
)の全てを含む。
を設けることにより、集光率の向上という効果が得られる。
上記(2)の位置に平坦化層を設けることにより、フレアを防止することができる。
上記(3)の位置に平坦化層を設けることにより、集光率の向上という効果が得られる。
上記(2)の位置に平坦化層を設けるに当たり、図3に示すようなパターン化された平坦
化膜とすることにより、マイクロレンズ間に平坦化層が設けられていない部分ができ、この部分に配線取り出し場所を設けることができる。
本発明の固体撮像素子におけるマイクロレンズを形成する方法について述べる。マイクロレンズ作製用のアルカリ可溶性樹脂を含む放射線性樹脂組成物は、下地基板表面に塗布し、プレベークにより溶媒を除去することによって塗膜とすることができる。塗布方法として、例えばスプレー法、ロールコート法、回転塗布法等の各種の方法を採用することができる。また、プレベークの条件は、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、通常70〜90℃で1〜15分間程度の条件が最適である。次にプレベークされた塗膜に所定パターンマスクを介して紫外線等の放射線を照射し、さらにアルカリ現像液により現像し、不要な部分を除去して所定パターンを形成する。現像方法は液盛り法、ディッピング法、シャワー法等のいずれでもよく、現像時間は通常30〜180秒間である。
尚、高屈折率材料や低屈折率材料の硬化程度は、例えば、硬化性化合物としてメラミン化合物を用いた場合は、メラミン化合物のメチロール基又はアルコキシ化メチル基の量を赤外分光分析したり、又は、ゲル化率を、ソックスレー抽出器を用いて測定することにより、定量的に確認することができる。
水酸基含有含フッ素重合体1の合成
内容積2.0Lの電磁攪拌機付きステンレス製オートクレーブを窒素ガスで十分置換した後、酢酸エチル400g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(FPVE)53.2g、エチルビニルエーテル(EVE)36.1g、ヒドロキシエチルビニルエーテル(HEVE)44.0g、過酸化ラウロイル1.00g、上記一般式(2)で表されるアゾ基含有ポリジメチルシロキサン(VPS1001(商品名)、和光純薬工業(株)製)6.0g及びノニオン性反応性乳化剤(NE−30(商品名)、旭電化工業(株)製)20.0gを仕込み、ドライアイス−メタノールで−50℃まで冷却した後、再度窒素ガスで系内の酸素を除去した。
その後、70℃で20時間攪拌下に反応を継続し、圧力が1.7×105Paに低下した
時点でオートクレーブを水冷し、反応を停止させた。
室温に達した後、未反応モノマーを放出してオートクレーブを開放し、固形分濃度26.4%のポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液をメタノールに投入しポリマーを析出させた後、メタノールにて洗浄し、50℃にて真空乾燥を行い220gの水酸基含有含フッ素重合体を得た。これを水酸基含有含フッ素重合体1とする。使用した単量体と溶剤を表1に示す。
単量体 構造単位
ヘキサフルオロプロピレン (a)
パーフルオロ(プロピルビニルエーテル) (a)
エチルビニルエーテル (b)
ヒドロキシエチルビニルエーテル (c)
NE−30 (f)
ポリジメチルシロキサン骨格 (d)
水酸基含有含フッ素重合体2の合成
エチルビニルエーテル及びヒドロキシエチルビニルエーテルの使用量を表1のように変えた以外は、製造例1と同様にして水酸基含有含フッ素重合体を合成した。これを水酸基含有含フッ素重合体2とする。各単量体成分の割合を表2に示す。
水酸基含有含フッ素重合体3の合成
ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、エチルビニルエーテル及びヒドロキシエチルビニルエーテルの使用量を表1のように変えた以外は、製造例1と同様にして水酸基含有含フッ素重合体を合成した。これを水酸基含有含フッ素重合体3とする。各単量体成分の割合を表2に示す。
水酸基含有含フッ素重合体4の合成
VPS1001を用いなかった以外は、製造例3と同様にして水酸基含有含フッ素重合体を合成した。これを水酸基含有含フッ素重合体4とする。各単量体成分の割合を表2に示す。
水酸基含有含フッ素重合体5の合成
NE−30を用いなかった以外は、製造例3と同様にして水酸基含有含フッ素重合体を合成した。これを水酸基含有含フッ素重合体5とする。各単量体成分の割合を表2に示す。
エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体(A−1)の合成
電磁攪拌機、ガラス製冷却管及び温度計を備えた容量1リットルのセパラブルフラスコに、製造例1で得られた水酸基含有含フッ素重合体1を50.0g、重合禁止剤として2
,6−ジ−t−ブチルメチルフェノール0.01g及びMIBK370gを仕込み、20℃で水酸基含有含フッ素重合体1がMIBKに溶解して、溶液が透明、均一になるまで攪拌を行った。
エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体(A−2〜A−5)の合成
下記表3に示すように、水酸基含有含フッ素重合体の種類、並びに2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、MIBK及びイソシアネート基/水酸基のモル比を変えた以外は、製造例6と同様にしてエチレン性不飽和基含有含フッ素重合体(A−2〜A−5)のMIBK溶液を得た。
重合性不飽和基を含む有機化合物(Ab)の製造
乾燥空気中、メルカプトプロピルトリメトキシシラン221部、ジブチル錫ジラウレ−ト1部からなる溶液に対し、イソホロンジソシアネート222部を攪拌しながら50℃で1時間かけて滴下後、70℃で3時間加熱攪拌した。これに新中村化学製NKエステルA−TMM−3LM−N(ペンタエリスリトールトリアクリレート60質量%とペンタエリスリトールテトラアクリレート40質量%とからなる。このうち、反応に関与するのは、水酸基を有するペンタエリスリトールトリアクリレートのみである。)549部を30℃で1時間かけて滴下後、60℃で10時間加熱攪拌することで重合性不飽和基を含む有機化合物(Ab)を得た。生成物中の残存イソシアネ−ト量をFT−IRで分析したところ0.1%以下であり、反応がほぼ定量的に終了したことを示した。生成物の赤外吸収スペ
クトルは原料中のメルカプト基に特徴的な2550カイザ−の吸収ピ−ク及び原料イソシアネ−ト化合物に特徴的な2260カイザ−の吸収ピ−クが消失し、新たにウレタン結合及びS(C=O)NH−基に特徴的な1660カイザ−のピ−ク及びアクリロキシ基に特徴的な1720カイザ−のピ−クが観察され、重合性不飽和基としてのアクリロキシ基と−S(C=O)NH−、ウレタン結合を共に有するアクリロキシ基修飾アルコキシシランが生成していることを示した。
反応性シリカ粒子の製造
製造例11で製造した重合性不飽和基を含む有機化合物(Ab)2.32部、シリカ粒子分散液(Aa)(日産化学工業株式会社製MEK−ST、シリカ濃度32%)89.90部、イオン交換水0.12部、及びp−ヒドロキシフェニルモノメチルエーテル0.01部の混合液を、60℃、4時間攪拌後、オルト蟻酸メチルエステル1.36部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱攪拌することで反応性粒子(分散液(A−1))を得た。この分散液(A−1)をアルミ皿に2g秤量後、175℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、30.7%であった。また、分散液(A−1)を磁性るつぼに2g秤量後、80℃のホットプレート上で30分予備乾燥し、750℃のマッフル炉中で1時間焼成した後の無機残渣より、固形分中の無機含量を求めたところ、90%であった。
放射線硬化性樹脂組成物(B−1)の製造
下記表4に示すように、製造例6で合成したエチレン性不飽和基含有含フッ素重合体(A−1)73g、少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する多官能(メタ)アクリレート化合物(以下「多官能(メタ)アクリレート化合物」という。)としてジペンタエリスリトールペンタアクリレート25g、光重合開始剤として2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)2g、MIBK400gを、攪拌機をつけたガラス製セパラブルフラスコに仕込み、23℃にて1時間攪拌し均一な放射線硬化性樹脂組成物(B−1)を得た。
放射線硬化性樹脂組成物(B−2)〜(B−5)の製造
下記表4に示すように、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体(A−1)の代わりにエチレン性不飽和基含有含フッ素重合体(A−2)〜(A−5)を用いた以外は実施例1と同様にして放射線硬化性樹脂組成物(B−2)〜(B−5)を得た。
放射線硬化性樹脂組成物(B−6)の製造
下記表4に示すように、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体(A−1)及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートの配合割合を68質量%及び13質量%とし、さらに製造例11で製造した反応性シリカ粒子17質量%を添加した以外は実施例1と同様にして放射線硬化性樹脂組成物(B−6)を得た。
実施例1〜6で得られた放射線硬化性樹脂組成物を用いて形成した塗膜を、120℃で60分間加熱して硬化膜を形成し、これについて、以下に示す各種物性を測定した。結果を下記表4に示す。
実施例1〜6で得られた放射線硬化性樹脂組成物を石英基板に、スピンコーターにより、加熱後の厚さが約0.1μmとなるように塗布後、120℃で60分間加熱し硬化膜を形成した。得られた硬化膜について、エリプソメーターを用いて23℃での波長589nmにおける屈折率(nD 23)を測定した。
実施例1〜6で得られた放射線硬化性樹脂組成物を石英基板に、回転数1500rpm、回転時間30秒の条件でスピンコートし、120℃で60分間加熱し硬化膜を形成した。得られた硬化膜を目視にて評価し、硬化膜表面にムラがあるものを×、均一なものを○とした。
実施例1〜6で得られた放射線硬化性樹脂組成物を石英基板に、回転数1500rpm、回転時間30秒の条件でスピンコートし、120℃で60分間加熱し硬化膜を形成した。得られた硬化膜を2.4%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に23℃にて30分間浸漬した。水でリンスし乾燥した後の硬化膜の外観を目視にて観察し、初期と比較して変化があったものを×、変化がなかったものを○とした。
実施例1〜6で得られた放射線硬化性樹脂組成物を石英基板に、回転数1500rpm、回転時間30秒の条件でスピンコートし、120℃で60分間加熱し硬化膜を形成した。得られた硬化膜をアセトンに23℃にて30分間浸漬した。水でリンスし乾燥した後の硬化膜の外観を目視にて観察し、初期と比較して変化があったものを×、変化がなかったものを○とした。
本発明の平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる平坦化層は、低屈折率で、透明性に優れている。
本発明の平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物は、マスク露光等の手段により、位置選択的に平坦化層を形成することができるため、配線の取り出し場所の形成が容易となる。
本発明の平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物で形成された平坦化層を有する固体撮像素子は、固体撮像素子等のマイクロレンズで問題となるフレアが有効に防止され、集光率が向上する。
本発明の平坦化層は、固体撮像素子、CCD、CMOSその他レンズ形状の物品に適用できる。
2 CCD基板
3 フォトダイオード
4 ハレーション防止層
5 カラーレジスト層
6a、6b、6b−2、6c 平坦化層
7 マイクロレンズ
Claims (5)
- エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体及び溶剤を含有することを特徴とする平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物。
- 請求項1に記載の平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物を硬化させてなる平坦化層。
- 請求項1に記載の平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物をスピンコート法により塗布して該組成物の塗布膜を形成した後に、放射線を照射して該塗布膜を硬化せしめる工程を有する平坦化層の製造方法。
- パターンマスクを介して前記放射線を照射して前記塗布膜を硬化せしめた後、現像処理することによって、パターン化された平坦化層を形成する請求項3に記載の平坦化層の製造方法。
- 少なくとも基材層、請求項2に記載の平坦化層、マイクロレンズを含む固体撮像素子。
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