JP2006199902A - 平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物、平坦化層、平坦化層の製造方法及び固体撮像素子 - Google Patents

平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物、平坦化層、平坦化層の製造方法及び固体撮像素子 Download PDF

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【課題】 固体撮像素子の平坦化層用の低屈折率硬化物を与え、かつスピンコート法による塗布性に優れた放射線硬化性樹脂組成物、及びこれを用いた、位置選択的に平坦化層が形成された、フレアの防止された固体撮像素子を提供する。
【解決手段】 エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体及び溶剤を含有することを特徴とする平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物;それを硬化させてなる平坦化層;位置選択的に平坦化層を製造する方法及びその平坦化層を含む固体撮像素子。
【選択図】 図3

Description

本発明は、平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物及びそれを硬化させてなる平坦化層及び前記平坦化層を含む固体撮像素子に関する。より詳細には、低屈折率で、スピンコート法による塗布性に優れる平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物及びそれを用いたフレア防止性に優れる平坦化層に関する。
ファクシミリ、電子複写機、固体撮像素子等のオンチップカラーフィルターの結像光学系あるいは光ファイバーコネクタの光学系材料として、3〜100μm程度のレンズ径を有するマイクロレンズ、又はそれらのマイクロレンズを規則的に配列したマイクロレンズアレイが使用されている。
マイクロレンズは、外部からの光を、固体撮像素子等の感光部に集光する機能を有するレンズであるが、近年の素子の高集積化により、素子のサイズが小さくなっており、1つの素子に入射する光量は減少する傾向にある。そのため、素子に入射する光を損失なく感光部に集光させること(集光率の向上)が課題となっている。
さらに、従来の低屈折率層形成用のフッ素材料では、塗布したときのハジキ、ムラ等により膜厚ムラが生じ、均一な画像が得られないという問題があった。また、固体撮像素子等のマイクロレンズでは、カメラレンズから入射する光の強度が大きいと、カメラレンズ、リッドガラスを透過した光の一部が、カラーフィルタ表面で反射し、その光がリッドガラスで再度反射して固体撮像素子に入り、映像に映る、フレアという現象が生じることが問題となっている。
上記問題に対して、固体撮像素子に平坦化層を設けることにより上記課題を解決しようとする技術が知られている(特許文献1〜3)。固体撮像素子に用いられる平坦化層としては、集光用のマイクロレンズ間の受光部平坦化層(特許文献1)、光電変換を行う受光部の表面を平坦化する受光部平坦化層(特許文献3)、受光部平坦化層上に形成されるカラーフィルタ上に形成されるカラーフィルタ平坦化層(特許文献2)等が挙げられる。
しかし、平坦化層は液状硬化性樹脂組成物をスピンコート方等により塗布した後これを硬化せしめて製造されるものであるところ、従来の平坦化層に用いられた材料では、屈折率が十分に低くないため、フレアを効果的に防止することが困難であり、集光率を十分に向上させることができないという問題があった。また、液状組成物を塗布した際のハジキや塗布ムラを生じやすく、このため平坦化層の膜厚を均一にすることが困難であり、その結果、均一な光透過性を付与する上で問題があった。
特開平06−232379号公報 特開平06−204441号公報 特開2001−308300号公報
本発明は上述の問題に鑑みなされたものであり、固体撮像素子の平坦化層用の低屈折率硬化物を与え、かつスピンコート法による塗布性に優れた放射線硬化性樹脂組成物、及びこれを用いた、フレアの防止された固体撮像素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意検討した結果、エチレン性不飽和基を含有する含フッ素重合体を用いることで低屈折率の膜が得られ、溶剤種を適宜選択することで塗布性が向上することを見出した。
さらに、本発明者らは、上記エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体の放射線硬化性を利用して、位置選択的に平坦化層を形成することができることを見出し、本発明を完成させた。
本発明によれば、以下に示す平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物、それを硬化させてなる平坦化層、平坦化層の製造方法及びその平坦化層を含む固体撮像素子が提供される。
[1]エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体及び溶剤を含有することを特徴とする平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物。
[2]上記[1]に記載の平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物を硬化させてなる平坦化層。
[3]上記[1]に記載の平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物をスピンコート法により塗布して該組成物の塗布膜を形成した後に、放射線を照射して該塗布膜を硬化せしめる工程を有する平坦化層の製造方法。
[4]パターンマスクを介して前記放射線を照射して前記塗布膜を硬化せしめた後、現像処理することによって、パターン化された平坦化層を形成する上記[3]に記載の平坦化層の製造方法。
[5]少なくとも基材層、上記2に記載の平坦化層、マイクロレンズを含む固体撮像素子。
本発明の平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物は、低屈折率で、スピンコート法による塗布性に優れている。本発明の平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物は、塗布したときのハジキ、塗布ムラが生じないため、塗布均一性が良く、従って、本発明の平坦化層用放射線硬化物は均一な画像を与えることができる。また、均一に塗布することができるため、本発明の平坦化層用放射線硬化物を含む固体撮像素子等の歩留まりの向上が図れる。
上記本発明の平坦化層を含む、本発明の固体撮像素子は、固体撮像素子等のマイクロレンズで問題となるフレアが効果的に防止されている他、従来よりも屈折率の低い平坦化層が得られるため集光率が向上している。
さらに、本発明の平坦化層用放射線硬化性組成物は、放射線照射によって硬化しうるため、マスク露光等の手段によりパターン化された平坦化層を作製することができ、例えば、各マイクロレンズの周囲(マイクロレンズ間)に平坦化層が形成されていない部分を設けることができる。このように平坦化層が形成されていない部分を形成できることによって、目的とする箇所だけに平坦化層を形成できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
図1に示すように、一般に、固体撮像素子1は、CCD基板2上に設けられたフォトダイオード3、ハレーション防止層4、カラーレジスト層5、平坦化層6及びマイクロレンズ7を有している。
ここで、本発明でいう、「平坦化層」とは、図1に示すようなマイクロレンズ7とカラーレジスト層5の間に設けられるもの(6a;カラーフィルタ平坦化層ともいう。)のみでなく、図2(a)に示すようなマイクロレンズ7を覆う形態のもの(6b;マイクロレンズ間の受光部平坦化層ともいう)、図2(b)に示すようなハレーション防止層4とカ
ラーレジスト層との間に設けられるもの(6c;受光部平坦化層ともいう)をも含む概念である。
さらに、本発明の組成物によれば、放射線硬化性であることを利用して、マイクロレンズ間の受光部平坦化層(6b)の変形として、パターニング露光等の手段により、図3(a)及び(b)に示すような、マイクロレンズ7の周囲のみに平坦化層(6b−2)を設けることもできる。
なお、本発明において、マイクロレンズとは、マイクロレンズアレイ(マイクロレンズを複数形成した基板)を含む意味で使用している。
I.平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物
本発明の平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物(以下、本発明の組成物ということがある)は、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体及び溶剤を含有する。
1.エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体
本発明で用いるエチレン性不飽和基含有含フッ素重合体は、(1)1個のイソシアネート基と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基とを含有する化合物と、(2)水酸基含有含フッ素重合体とを反応させて得られる。この際、イソシアネート基/水酸基のモル比が1.1〜1.9の割合で反応させることが好ましい。
(1)1個のイソシアネート基と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基とを含有する化合物
1個のイソシアネート基と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基とを含有する化合物としては、分子内に、1個のイソシアネート基と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を含有している化合物であれば特に制限されるものではない。
尚、イソシアネート基を2個以上含有すると、水酸基含有含フッ素重合体と反応させる際にゲル化を起こす可能性がある。
また、上記エチレン性不飽和基として、後述する放射線硬化性樹脂組成物をより容易に硬化させることができることから、(メタ)アクリロイル基を有する化合物がより好ましい。
このような化合物としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネートの一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
尚、このような化合物は、ジイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて合成することもできる。
この場合、ジイソシアネートの例としては、2,4−トリレンジイソシアネ−ト、2,6−トリレンジイソシアネ−ト、1,3−キシリレンジイソシアネ−ト、1,4−キシリレンジイソシアネ−ト、1,5−ナフタレンジイソシアネ−ト、m−フェニレンジイソシアネ
ート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、3,3’−ジメチルフェニレンジイソシアネ−ト、4,4’−ビフェニレンジイソシアネ−ト、1,6−ヘキ
サンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネア−ト)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネ−ト、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシ
アネ−ト、4−ジフェニルプロパンジイソシアネ−ト、リジンジイソシアネ−ト、水添ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネ−ト、2,5(又は6)−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
これらの中では、2,4−トリレンジイソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネア−ト)、
1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンが特に好ましい。
また、水酸基含有(メタ)アクリレートの例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート、イソシアヌル酸EO変性ジ(メタ)アクリレート等一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
これらの中では、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
なお、水酸基含有多官能(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、大阪有機化学(株)製 商品名 HEA、日本化薬(株)製 商品名 KAYARAD DPHA、PET−30、東亞合成(株)製 商品名 アロニックス M−215、M−233、M−305、M−400等として入手することができる。
ジイソシアネート及び水酸基含有多官能(メタ)アクリレートから合成する場合には、ジイソシアネート1モルに対し、水酸基含有多官能(メタ)アクリレートの添加量を1〜1.2モルとするのが好ましい。
このような化合物の合成方法としては、ジイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを一括で仕込んで反応させる方法、水酸基含有(メタ)アクリレート中にジイソシアネートを滴下して反応させる方法等を挙げることができる。
(2)水酸基含有含フッ素重合体
エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体を構成する水酸基含有含フッ素重合体は、水酸基を含有する単量体由来の構造単位を10モル%〜50モル%含有してなる。主鎖中にポリシロキサンセグメントを有することが好ましい。水酸基含有含フッ素重合体は、好ましくは、フッ素含量が30質量%以上であり、ポリスチレン換算による数平均分子量が5000以上である。ポリシロキサンセグメントを有する場合、水酸基含有含フッ素重合体は、下記一般式(1)で表されるポリシロキサンセグメントを主鎖に有するオレフィン系重合体である。水酸基含有含フッ素重合体における当該ポリシロキサンセグメントの割合は、0.1〜10モル%が好ましい。
Figure 2006199902
式中、R及びRは、同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基又はアリール基を示す。
また、水酸基含有含フッ素重合体は、好ましくはフッ素含量が30質量%以上、より好ましくは40〜60質量%のものであり、さらにゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって得られるポリスチレン換算による数平均分子量が、好ましくは5000以上、より好ましくは10000〜500000のものである。ここに、フッ素含量は、アリザリンコンプレクソン法により測定された値、数平均分子量は、展開溶剤としてテトラヒド
ロフランを用いたときの値である。
本発明で用いる水酸基含有含フッ素重合体は、(a)フッ素含有オレフィン化合物(以下「(a)成分」という。)、(b)この(a)成分と共重合可能な水酸基を含有する単量体化合物(以下「(b)成分」という。」)並びに、必要に応じて、(c)アゾ基含有ポリシロキサン化合物(以下「(c)成分」という。)、(d)反応性乳化剤(以下「(d)成分」という。)、及び/又は(e)前記(a)成分と共重合可能な(b)成分以外の単量体化合物を反応させることにより得ることができる。
(a)成分であるフッ素含有オレフィン化合物としては、少なくとも1個の重合性の不飽和二重結合と、少なくとも1個のフッ素原子を有する化合物を挙げることができ、その具体例としては、例えば、(1)テトラフロロエチレン、ヘキサフロロプロピレン、3,3,3−トリフロロプロピレン等のフロロオレフィン類;(2)アルキルパーフロロビニルエーテル類もしくはアルコキシアルキルパーフロロビニルエーテル類;(3)パーフロロ(メチルビニルエーテル)、パーフロロ(エチルビニルエーテル)、パーフロロ(プロピルビニルエーテル)、パーフロロ(ブチルビニルエーテル)、パーフロロ(イソブチルビニルエーテル)等のパーフロロ(アルキルビニルエーテル)類;(4)パーフロロ(プロポキシプロピルビニルエーテル)等のパーフロロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)類;その他を挙げることができる。これらの化合物は、単独で、又は2種以上を併用することができる。以上のうち、特にヘキサフロロプロピレン、パーフロロアルキルパーフロロビニルエーテル又はパーフロロアルコキシアルキルパーフロロビニルエーテルが好ましく、さらにはこれらを組み合わせて使用することが好ましい。
(b)成分である水酸基を含有する単量体化合物としては、例えば、(1)2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル等の水酸基含有ビニルエーテル類;(2)2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル等の水酸基含有アリルエーテル類;(3)アリルアルコール;(4)ヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステル;その他を挙げることができる。これらの化合物は、単独で、又は2種以上を併用することができる。
(c)成分のアゾ基含有ポリシロキサン化合物としては、−N=N−で示される熱解裂容易なアゾ基を含有すると共に、前記一般式(1)で表されるポリシロキサンセグメントを有する化合物であり、例えば、特開平6−93100号公報に記載された方法により製造することのできるものである。(c)成分の具体例としては、下記一般式(2)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2006199902
式中、y=10〜500、z=1〜50である。
上記の(a)成分、(b)成分及び(c)成分の好ましい組み合わせは、例えば、(1)フロロオレフィン/水酸基含有アルキルビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位、(2)フロロオレフィン/パーフロロ(アルキルビニルエーテル)/水酸基含有アルキルビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位、(3)フロロオレフィン/パーフロロ(アルコキシアルキル)ビニルエーテル/水酸基含有アルキルビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位、(4)フロロオレフィン/(パーフロロアルキル)ビニルエーテル/水酸基含有アルキルビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位、(5)フロロオレフィン/(パーフロロアルコキシアルキル)ビニルエーテル/水酸基含有アルキルビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位である。
本発明で用いる水酸基含有含フッ素重合体において、(a)成分に由来する構造単位は、好ましくは20〜70モル%、さらに好ましくは25〜65モル%、特に好ましくは30〜60モル%である。(a)成分に由来する構造単位の割合が20モル%未満では、得られる水酸基含有含フッ素重合体中のフッ素含量が過少となりやすく、得られる放射線硬化性樹脂組成物の硬化物は、屈折率が十分に低いものとなりにくい。一方、(a)成分に由来する構造単位の割合が70モル%を超えると、得られる水酸基含有含フッ素重合体の有機溶剤への溶解性が著しく低下するとともに、得られる放射線硬化性樹脂組成物は、透明性及び基材への密着性が小さいものとなる。
水酸基含有含フッ素重合体において、(b)成分に由来する構造単位は、10〜50モル%である。好ましくは13モル%以上であり、さらに好ましくは20モル%を超え、21モル%以上であり、また、好ましくは45モル%以下であり、さらに好ましくは35モル%以下である。このような(b)成分を所定量含有する水酸基含有含フッ素重合体を用いて放射線硬化性樹脂組成物を構成することにより、その硬化物において、良好な耐擦傷性と埃拭き取り性を実現することができる。他方、(b)成分に由来する構造単位の割合が10モル%未満では、水酸基含有含フッ素重合体は、有機溶剤への溶解性が劣ったものとなり、50モル%を超えると、放射線硬化性樹脂組成物による硬化物は、透明性及び低反射率の光学特性が悪化したものとなる。
(c)成分のアゾ基含有ポリシロキサン化合物は、それ自体が熱ラジカル発生剤であり、水酸基含有含フッ素重合体を得るための重合反応において重合開始剤としての作用を有するが、他のラジカル開始剤を併用することもできる。水酸基含有含フッ素重合体における(c)成分に由来する構造単位の割合は、一般式(1)で表されるポリシロキサンセグメントが、好ましくは0.1〜20モル%、さらに好ましくは0.1〜15モル%、特に好ましくは0.1〜10モル%となる割合である。一般式(1)で表されるポリシロキサンセグメントの割合が20モル%を超える場合には、得られる水酸基含有含フッ素重合体は、透明性に劣ったものとなり、また塗布剤として用いる場合には、塗布時にハジキ等が発生し易くなる。
本発明においては、上記(a)〜(c)成分以外に、さらに(d)成分として、反応性乳化剤を単量体成分として用いることが好ましい。この(d)成分を用いることにより、水酸基含有含フッ素重合体を塗布剤として使用する場合に、良好な塗布性及びレベリング性を得ることができる。この反応性乳化剤としては、特に、ノニオン性反応性乳化剤を用いることが好ましい。ノニオン性反応性乳化剤の具体例としては、例えば、下記一般式(3)又は一般式(4)で示される化合物を挙げることができる。
Figure 2006199902
式中、nは1〜20、m及びsは繰り返し単位を示し、m=0〜4、s=3〜50である。
Figure 2006199902

式中、m及びsは、一般式(3)と同様である。Rは、直鎖状でも分岐状でもよいアルキル基であり、好ましくは炭素数1〜40のアルキル基である。
水酸基含有含フッ素重合体において、(d)成分由来の構成単位の割合は、好ましくは0〜10モル%であり、さらに好ましくは0.1〜5モル%である。この割合が10モル%を超えると、得られる放射線硬化性樹脂組成物が粘着性を帯びたものとなるために取り扱いが困難となり、塗布剤として使用する場合に耐湿性が低下する。
(d)成分を含有する場合の好ましい組み合わせは次のとおりである。
(1)フロロオレフィン/アルキルビニルエーテル/水酸基含有ビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位/ノニオン性反応性乳化剤、(2)フロロオレフィン/パーフロロ(アルキルビニルエーテル)/アルキルビニルエーテル/水酸基含有ビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位/ノニオン性反応性乳化剤、(3)フロロオレフィン/パーフロロ(アルコキシアルキル)ビニルエーテル/アルキルビニルエーテル/水酸基含有ビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位/ノニオン性反応性乳化剤、(4)フロロオレフィン/(パーフロロアルキル)ビニルエーテル/アルキルビニルエーテル/水酸基含有ビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位/ノニオン性反応性乳化剤、(5)フロロオレフィン/(パーフロロアルコキシアルキル)ビニルエーテル/アルキルビニルエーテル/水酸基含有ビニルエーテル/ポリジメチルシロキサン単位/ノニオン性反応性乳化剤。
本発明で用いる水酸基含有含フッ素重合体を製造するための重合様式としては、ラジカル重合開始剤を用いる、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法又は溶液重合法のいずれをも用いることができ、重合操作としても、回分式、半連続式又は連続式の操作等から適宜のものを選択することができる。
(e)成分の、(a)成分と共重合可能な(b)成分以外の単量体化合物としては、(1)メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテルもしくはシクロアルキルビニルエーテル類;(2)酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピ
バリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;(3)メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(n−プロポキシ)エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;(4)(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有単量体化合物等であって、水酸基を含有しないものを挙げることができる。
水酸基含有含フッ素重合体において、(e)成分由来の構成単位の割合は、好ましくは0〜70モル%であり、さらに好ましくは5〜35モル%である。この割合が70モル%を超えると、得られる放射線硬化性樹脂組成物が粘着性を帯びたものとなるために取り扱いが困難となり、塗布剤として使用する場合に耐湿性が低下する。
(c)成分と併用することができるラジカル重合開始剤としては、例えば、(1)アセチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類;(2)メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類;(3)過酸化水素、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド類;(4)ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類;(5)tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレート等のパーオキシエステル類;(6)アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル等のアゾ系化合物類;(7)過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩類;その他を挙げることができる。
上記のラジカル重合開始剤以外の具体例としては、例えば、パーフロロエチルアイオダイド、パーフロロプロピルアイオダイド、パーフロロブチルアイオダイド、(パーフロロブチル)エチルアイオダイド、パーフロロヘキシルアイオダイド、2−(パーフロロヘキシル)エチルアイオダイド、パーフロロヘプチルアイオダイド、パーフロロオクチルアイオダイド、2−(パーフロロオクチル)エチルアイオダイド、パーフロロデシルアイオダイド、2−(パーフロロデシル)エチルアイオダイド、ヘプタフロロ−2−ヨードプロパン、パーフロロ−3−メチルブチルアイオダイド、パーフロロ−5−メチルヘキシルアイオダイド、2−(パーフロロ−5−メチルヘキシル)エチルアイオダイド、パーフロロ−7−メチルオクチルアイオダイド、2−(パーフロロ−7−メチルオクチル)エチルアイオダイド、パーフロロ−9−メチルデシルアイオダイド、2−(パーフロロ−9−メチルデシル)エチルアイオダイド、2,2,3,3−テトラフロロプロピルアイオダイド、1H,1H,5H−オクタフロロペンチルアイオダイド、1H,1H,7H−ドデカフロロヘプチルアイオダイド、テトラフロロ−1,2−ジヨードエタン、オクタフロロ−1,4−ジヨードブタン、ドデカフロロ−1,6−ジヨードヘキサン等のヨウ素含有フッ素化合物を挙げることができる。ヨウ素含有フッ素化合物は、単独で、又は上記の有機過酸化物、アゾ系化合物あるいは過硫酸塩と併用することができる。
水酸基含有含フッ素重合体を得るための重合反応は、溶剤を用いた溶剤系で行うことが好ましい。ここに、好ましい有機溶剤としては、例えば、(1)酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸イソブチル、酢酸セロソルブ等のエステル類;(2)アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;(3)テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類;(4)N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;(5)トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;その他を挙げることができる。さらに必要に応じて、アルコール類、脂肪族炭化水素類等を混合使用することもできる。
上記のようにして得られる水酸基含有含フッ素重合体は、その重合反応で得られた反応溶液をそのまま放射線硬化性樹脂組成物として使用することが可能な場合もあるが、重合反応溶液に対して適宜の後処理を行うことも自由である。この後処理としては、例えば、重合反応溶液を、アルコール等よりなる当該水酸基含有含フッ素重合体の不溶化溶剤に滴加して当該水酸基含有含フッ素重合体を凝固させる精製方法に代表される一般的な再沈殿処理を行うことができ、次いで、得られる固形の共重合体を溶剤に溶解させることにより、水酸基含有含フッ素重合体の溶液を調製することができる。また、重合反応溶液から残留モノマーを除去したものを、そのまま水酸基含有含フッ素重合体の溶液として使用することもできる。
2.溶剤
本発明の組成物は、溶剤を必須の成分として含有するものであるが、当該放射線硬化性樹脂組成物の溶剤は、通常、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体の製造に用いた溶剤、あるいはエチレン性不飽和基含有含フッ素重合体と硬化性化合物との反応に用いた溶剤による溶液として得られ、従ってそのままで溶剤を含有するものである。
また、放射線硬化性樹脂組成物の塗布性等を改善すること、その他の目的で、別途溶剤を添加し、配合することができる。本発明の組成物に含有される好ましい溶剤としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類を挙げることができる。さらに、本発明の組成物の溶液には、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体を溶解し得ない溶剤、例えば、水、アルコール類、エーテル類等の貧溶剤を、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体が析出しない範囲で併用することができる。これにより、当該エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体の溶液が、良好な保存性と好ましい塗布性を有するものとなる場合がある。このような貧溶剤としては、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール等を挙げることができる。
なお、平坦化層を形成する場合には、固形分濃度の高い上記本発明の組成物を用いることが好ましい。この場合の好ましい固形分濃度としては、通常10〜40質量%、好ましくは5〜30質量%、特に好ましくは10〜20質量%の範囲である。
3.任意添加成分
本発明の組成物は、実際上、硬化性を有することが必要であり、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体それ自体が十分な硬化性を有しない場合には、硬化性化合物を配合することにより、必要な硬化性を付与することができ、また硬化特性を改善することができる。そして、硬化性化合物が用いられる場合に、当該硬化性化合物とエチレン性不飽和基含有含フッ素重合体との混合物を放射線硬化性樹脂組成物として用いること、又はエチレン性不飽和基含有含フッ素重合体と硬化性化合物との全部を反応させた反応生成物もしくはそれらの一部のみを反応させた状態のものを放射線硬化性樹脂組成物として用いることができる。
また、活性エネルギー線の照射により活性種を発生する化合物を添加することが好ましい。
(1)硬化性化合物
本発明の組成物に用いる硬化性化合物としては、(i)少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する多官能(メタ)アクリレート化合物、及び/又は、(ii)少なくとも1個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する含フッ素(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
(i)少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する多官能(メタ)アクリレート化合物
少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する多官能(メタ)アクリレート化合物は、放射線硬化性樹脂組成物を硬化して得られる硬化物及びそれを用いた反射防止膜の耐擦傷性を高めるために用いられる。
この化合物については、分子内に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物であれば特に制限されるものではない。このような例としては、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、「U−15HA」(商品名、新中村化学社製)等の一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。
なお、これらのうち、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートおよびカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
(ii)少なくとも1個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する含フッ素(メタ)アクリレート化合物
少なくとも1個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する含フッ素(メタ)アクリレート化合物は、放射線硬化性樹脂組成物の屈折率を低下させるために用いられる。
この化合物については、少なくとも1個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する含フッ素(メタ)アクリレート化合物であれば特に制限されるものではない。このような例として、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体100質量部に対する硬化性化合物の使用量は、好ましくは70質量部以下であり、さらに好ましくは3〜50質量部、特に好ましくは10〜40質量部である。硬化性化合物の使用量が過少であると、得られる放射線硬化性樹脂組成物により形成される薄膜の耐久性が不十分となる場合があり、70質量部を超えると、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体との反応においてゲル化を回避することが困難であり、しかも硬化膜が低屈折率のものとならず、硬化物が脆いものとなる場合がある。
(2)活性エネルギー線の照射又は熱により活性種を発生する化合物(光重合開始剤)
活性エネルギー線の照射又は熱により活性種を発生する化合物は、形成される硬化膜の硬度及び耐久性の改善を目的として添加される。特に、放射線硬化性樹脂組成物の硬化後の透明性を低下させず、かつその溶液に均一に溶解するものを選択して用いるのが好ましい。
活性エネルギー線の照射により活性種を発生する化合物(以下「光重合開始剤」という。)としては、活性種として、ラジカルを発生する光ラジカル発生剤等が挙げられる。
なお、活性エネルギー線とは、活性種を発生する化合物を分解して活性種を発生させることのできるエネルギー線と定義される。このような活性エネルギー線としては、可視光
、紫外線、赤外線、X線、α線、β線、γ線等の光エネルギー線が挙げられる。ただし、一定のエネルギーレベルを有し、硬化速度が速く、しかも照射装置が比較的安価で、小型な観点から、紫外線を使用することが好ましい。
光ラジカル発生剤の具体例としては、例えばアセトフェノン、アセトフェノンベンジルケタール、アントラキノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、カルバゾール、キサントン、4−クロロベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、1,1−ジメトキシデオキシベンゾイン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、チオキサントン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、トリフェニルアミン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、フルオレノン、フルオレン、ベンズアルデヒド、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、3−メチルアセトフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン(BTTB)、2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(モルフォリニル)フェニル〕−2−フェニルメチル)−1−ブタノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、ベンジル、またはBTTBとキサンテン、チオキサンテン、クマリン、ケトクマリン、その他の色素増感剤との組み合わせ等を挙げることができる。
これらの光重合開始剤のうち、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(モルフォリニル)フェニル〕−2−フェニルメチル)−1−ブタノン等が好ましく、さらに好ましくは、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−1−〔4−(モルフォリニル)フェニル〕−2−フェニルメチル)−1−ブタノン等を挙げることができる。
光重合開始剤の添加量は特に制限されるものではないが、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体を100重量部に対し、0.01〜20重量部とするのが好ましい。この理由は、添加量が0.01重量部未満となると、硬化反応が不十分となり耐擦傷性、アルカリ水溶液浸漬後の耐擦傷性が低下する場合があるためである。一方、光重合開始剤の添加量が20重量部を超えると、硬化物の屈折率が増加し反射防止効果が低下する場合があるためである。
また、このような理由から、光重合開始剤の添加量を、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体100重量部に対し、0.05〜15重量部とすることがより好ましく、0.1〜15重量部とすることがさらに好ましい。
(3)シリカ粒子
本発明の放射線硬化性樹脂組成物には、硬化膜の耐擦傷性の改善等を目的として、有機又は無機の微粒子を含有させることができる。微粒子の材質は、硬化膜の物性を損なわない限り特に限定されるものではないが、屈折率と硬さ等を考慮すると、シリカを主成分とする粒子(以下、「シリカ粒子」という。)が好ましい。また、シリカ粒子は、重合性不飽和基を有する化合物(Ab)と結合していることが、硬化膜の耐擦傷性改善のために、さらに好ましい。以下、重合性不飽和基を有する化合物(Ab)と結合していないシリカ粒子を(Aa)、結合したシリカ粒子を、「反応性シリカ粒子」(A)という。ここで、
結合とは、共有結合に限らず、物理吸着等の非共有結合をも包含する概念である。
シリカ粒子(Aa)の数平均粒子径は、電子顕微鏡法による測定で、0.001μm〜2μmが好ましく、0.001μm〜0.2μmがさらに好ましく、0.001μm〜0.1μmが特に好ましい。数平均粒子径が2μmを越えると、硬化物としたときの透明性が低下したり、被膜としたときの表面状態が悪化する傾向がある。また、粒子の分散性を改良するために各種の界面活性剤やアミン類を添加してもよい。
シリカ粒子の市販品としては、例えば、コロイダルシリカとして、日産化学工業(株)製 商品名:メタノールシリカゾル、IPA−ST、MEK−ST、NBA−ST、XBA−ST、DMAC−ST、ST−UP、ST−OUP、ST−20、ST−40、ST−C、ST−N、ST−O、ST−50、ST−OL等を挙げることができる。また粉体シリカとしては、日本アエロジル(株)製 商品名:アエロジル130、アエロジル300、アエロジル380、アエロジルTT600、アエロジルOX50、旭硝子(株)製 商品名:シルデックスH31、H32、H51、H52、H121、H122、日本シリカ工業(株)製 商品名:E220A、E220、富士シリシア(株)製 商品名:SYLYSIA470、日本板硝子(株)製 商品名:SGフレーク等を挙げることができる。
シリカ粒子(Aa)の形状は球状、中空状、多孔質状、棒状、板状、繊維状、数珠状又は不定形状であり、好ましくは、球状である。シリカ粒子(Aa)の比表面積(窒素を用いたBET比表面積測定法による)は、好ましくは、10〜1000m/gであり、さらに好ましくは、100〜500m/gである。これらシリカ粒子(Aa)の使用形態は、乾燥状態の粉末、又は水もしくは有機溶剤で分散した状態で用いることができる。例えば、分散液として当業界に知られている微粒子状のシリカ粒子の分散液を直接用いることができる。特に、硬化物に優れた透明性を要求する用途においてはシリカ粒子の分散液の利用が好ましい。
(2)有機化合物(Ab)
本発明に用いられる有機化合物(Ab)は、重合性不飽和基を有する化合物であり、さらに、下記式(5)に示す基を含む有機化合物であることが好ましい。また、[−O−C(=O)−NH−]基を含み、さらに、[−O−C(=S)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基の少なくとも1を含むものであることが好ましい。また、この有機化合物(Ab)は、分子内にシラノール基を有する化合物又は加水分解によってシラノール基を生成する化合物であることが好ましい。
Figure 2006199902
[式(5)中、Uは、NH、O(酸素原子)又はS(イオウ原子)を示し、Vは、O又はSを示す。]
(i)重合性不飽和基
有機化合物(Ab)に含まれる重合性不飽和基としては特に制限はないが、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、プロペニル基、ブタジエニル基、スチリル基、エチニル基、シンナモイル基、マレエート基、アクリルアミド基を好適例として挙げることができる。
この重合性不飽和基は、活性ラジカル種により付加重合をする構成単位である。
(ii)前記式(5)に示す基
有機化合物に含まれる前記式(5)に示す基[−U−C(=V)−NH−]は、具体的には、[−O−C(=O)−NH−]、[−O−C(=S)−NH−]、[−S−C(=O)−NH−]、[−NH−C(=O)−NH−]、[−NH−C(=S)−NH−]、及び[−S−C(=S)−NH−]の6種である。これらの基は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。中でも、熱安定性の観点から、[−O−C(=O)−NH−]基と、[−O−C(=S)−NH−]基及び[−S−C(=O)−NH−]基の少なくとも1つとを併用することが好ましい。
前記式(5)に示す基[−U−C(=V)−NH−]は、分子間において水素結合による適度の凝集力を発生させ、硬化物にした場合、優れた機械的強度、基材や高屈折率層等の隣接層との密着性及び耐熱性等の特性を付与せしめるものと考えられる。
(iii)シラノール基又は加水分解によってシラノール基を生成する基
有機化合物(Ab)は、分子内にシラノール基を有する化合物又は加水分解によってシラノール基を生成する化合物であることが好ましい。このようなシラノール基を生成する化合物としては、ケイ素原子にアルコキシ基、アリールオキシ基、アセトキシ基、アミノ基、ハロゲン原子等が結合した化合物を挙げることができるが、ケイ素原子にアルコキシ基又はアリールオキシ基が結合した化合物、即ち、アルコキシシリル基含有化合物又はアリールオキシシリル基含有化合物が好ましい。
シラノール基又はシラノール基を生成する化合物のシラノール基生成部位は、縮合反応又は加水分解に続いて生じる縮合反応によって、酸化物粒子(Aa)と結合する構成単位である。
(iv)好ましい態様
有機化合物(Ab)の好ましい具体例としては、例えば、下記式(6)に示す化合物を挙げることができる。
Figure 2006199902
式(6)中、R、Rは、同一でも異なっていてもよく、水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基若しくはアリール基であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル、フェニル、キシリル基等を挙げることができる。ここで、jは、1〜3の整数である。
[(RO) 3−jSi−]で示される基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリフェノキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基等を挙げることができる。このような基のうち、トリメトキシシリル基又はトリエトキシシリル基等が好ましい。
は、炭素数1〜12の脂肪族又は芳香族構造を有する2価の有機基であり、鎖状、分岐状又は環状の構造を含んでいてもよい。具体例として、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキサメチレン、シクロヘキシレン、フェニレン、キシリレン、ドデカメチレン等を挙げることができる。
は、2価の有機基であり、通常、分子量14から1万、好ましくは、分子量76から500の2価の有機基の中から選ばれる。具体例として、ヘキサメチレン、オクタメチ
レン、ドデカメチレン等の鎖状ポリアルキレン基;シクロヘキシレン、ノルボルニレン等の脂環式又は多環式の2価の有機基;フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ポリフェニレン等の2価の芳香族基;及びこれらのアルキル基置換体、アリール基置換体を挙げることができる。また、これら2価の有機基は炭素及び水素原子以外の元素を含む原子団を含んでいてもよく、ポリエーテル結合、ポリエステル結合、ポリアミド結合、ポリカーボネート結合を含むこともできる。
10は、(k+1)価の有機基であり、好ましくは、鎖状、分岐状又は環状の飽和炭化水素基、不飽和炭化水素基の中から選ばれる。
Zは、活性ラジカル種の存在下、分子間架橋反応をする重合性不飽和基を分子中に有する1価の有機基を示す。また、kは、好ましくは、1〜20の整数であり、さらに好ましくは、1〜10の整数、特に好ましくは、1〜5の整数である。
式(6)で示される化合物の具体例として、下記式(7)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2006199902
[式(7)中、「Acryl」は、アクリロイル基を示す。「Me」は、メチル基を示す。]
本発明で用いられる有機化合物(Ab)の合成は、例えば、特開平9−100111号公報に記載された方法を用いることができる。好ましくは、メルカプトプロピルトリメトキシシランとイソホロンジイソシアネートをジブチルスズジラウレート存在下で混合し、60〜70℃で数時間程度反応させた後に、ペンタエリスリトールトリアクリレートを添加して、さらに60〜70℃で数時間程度反応させることにより製造される。
(3)反応性シリカ粒子(A)
シラノール基又は加水分解によってシラノール基を生成する基を有する有機化合物(Ab)をシリカ粒子(Aa)と混合し、加水分解させ、両者を結合させる。得られる反応性シリカ粒子(A)中の有機重合体成分すなわち加水分解性シランの加水分解物及び縮合物の割合は、通常、乾燥粉体を空気中で完全に燃焼させた場合の質量減少%の恒量値として、例えば空気中で室温から通常800℃までの熱質量分析により求めることができる。
酸化物粒子(Aa)への有機化合物(Ab)の結合量は、反応性シリカ粒子(A)(シリカ粒子(Aa)及び有機化合物(Ab)の合計)を100質量%として、好ましくは、0.01質量%以上であり、さらに好ましくは、0.1質量%以上、特に好ましくは、1質量%以上である。シリカ粒子(Aa)に結合した有機化合物(Ab)の結合量が0.01質量%未満であると、組成物中における反応性シリカ粒子(A)の分散性が十分でなく、得られる硬化物の透明性、耐擦傷性が十分でなくなる場合がある。また、反応性シリカ粒子(A)製造時の原料中のシリカ粒子(Aa)の配合割合は、好ましくは、5〜99質量%であり、さらに好ましくは、10〜98質量%である。反応性シリカ粒子(A)を構成する酸化物粒子(Aa)の含有量は、反応性シリカ粒子(A)の65〜95質量%であることが好ましい。
反応性シリカ粒子(A)の硬化性組成物中における配合(含有)量は、有機溶剤を除く組成物全量を100質量%として、5〜70質量%が好ましく、30〜60質量%がさらに好ましく、40〜60質量%が特に好ましい。5質量%未満であると、硬化膜の硬度が不十分であり、70質量%を超えると、成膜性が不十分となることがある。尚、反応性シリカ粒子(A)の量は、固形分を意味し、反応性シリカ粒子(A)が分散液の形態で用いられるときは、その配合量には分散媒の量を含まない。
(4)添加剤
本発明の放射線硬化性樹脂組成物には、当該放射線硬化性樹脂組成物の塗布性及び硬化後の薄膜の物性の改善や、塗膜に対する感光性の付与等を目的として、例えば、水酸基を有する種々のポリマーやモノマー、顔料又は染料等の着色剤、老化防止剤や紫外線吸収剤等の安定化剤、界面活性剤、重合禁止剤、溶剤等の各種の添加剤を含有させることができる。
(i) 水酸基を有するポリマー
本発明の組成物に配合することができる水酸基を有するポリマーとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有共重合性単量体を共重合して得られるポリマー、ノボラック樹脂又はレゾール樹脂として公知のフェノール骨格を有する樹脂等を挙げることができる。
(ii) 顔料又は染料等の着色剤
本発明の組成物に配合することができる着色剤としては、例えば、(1)アルミナ白、クレー、炭酸バリウム、硫酸バリウム等の体質顔料;(2)亜鉛華、鉛白、黄鉛、鉛丹、群青、紺青、酸化チタン、クロム酸亜鉛、ベンガラ、カーボンブラック等の無機顔料;(3)ブリリアントカーミン6B、パーマネントレッド6B、パーマネントレッドR、ベンジジンイエロー、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の有機顔料;(4)マゼンタ、ローダミン等の塩基性染料;(5)ダイレクトスカーレット、ダイレクトオレンジ等の直接染料;(6)ローセリン、メタニルイエロー等の酸性染料;その他を挙げることができる。
(iii) 老化防止剤、紫外線吸収剤等の安定化剤
本発明の組成物に配合することができる老化防止剤、紫外線吸収剤としては、公知のものを使用することができる。
老化防止剤の具体例としては、例えば、ジ−tert−ブチルフェノール、ピロガロール、ベンゾキノン、ヒドロキノン、メチレンブルー、tert−ブチルカテコール、モノベンジルエーテル、メチルヒドロキノン、アミルキノン、アミロキシヒドロキノン、n−ブチルフェノール、フェノール、ヒドロキノンモノプロピルエーテル、4,4′−[1−〔4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル〕エチリデン]ジフェノール、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン、ジフェニルアミン類、フェニレンジアミン類、フェノチアジン、メルカプトベンズイミダゾール等を挙げることができる。
また、紫外線吸収剤の具体例としては、例えば、フェニルサリシレートに代表されるサリチル酸系紫外線吸収剤、ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤等の各種プラスチックの添加剤として使用される紫外線吸収剤を利用することができる。
(v) 界面活性剤
本発明の組成物には、当該放射線硬化性樹脂組成物の塗布性を改善する目的で界面活性剤を配合することができる。この界面活性剤としては、公知のものを使用することができ、具体的には、例えば、各種アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤を利用することができるが、特に、硬化膜が優れた強度を有し、しかも良好な光学特性を有するものとするために、カチオン系界面活性剤を用いることが好ましい。さらには、第4級アンモニウム塩であることが好ましく、その中でも第4級ポリエーテルアンモニウム塩を用いると、埃拭き取り性がさらに改善される点で特に好ましい。第4級ポリエーテルアンモニウム塩であるカチオン系界面活性剤としては、旭電化工業社製アデカコールCC−15、CC−36、CC−42等が挙げられる。界面活性剤の使用割合は、本発明の組成物100質量部に対して、好ましくは5質量部以下である。
(vi) 重合禁止剤
本発明の組成物に配合することができる熱重合禁止剤としては、例えば、ピロガロール、ベンゾキノン、ヒドロキノン、メチレンブルー、tert−ブチルカテコール、モノベンジルエーテル、メチルヒドロキノン、アミルキノン、アミロキシヒドロキノン、n−ブチルフェノール、フェノール、ヒドロキノンモノプロピルエーテル、4,4′−[1−〔4−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)フェニル〕エチリデン]ジフェノール、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン等を挙げることができる。この熱重合禁止剤は、本発明の組成物100質量部に対して、好ましくは5質量部以下で用いられる。
本発明の組成物は、上記エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体に、上記硬化性化合物、上記光重合開始剤、その他必要に応じて上記添加剤をそれぞれ添加して、室温または加熱条件下で混合することにより調製することができる。具体的には、ミキサ、ニーダー、ボールミル、三本ロール等の混合機を用いて、調製することができる。ただし、加熱条件下で混合する場合には、熱重合開始剤の分解開始温度以下で行うことが好ましい。
本発明の組成物の硬化条件についても特に制限されるものではないが、例えば活性エネルギー線を用いた場合、露光量を0.01〜10J/cm2の範囲内の値とするのが好ま
しい。この理由は、露光量が0.01J/cm2未満となると、硬化不良が生じる場合が
あるためであり、一方、露光量が10J/cm2を超えると、硬化時間が過度に長くなる
場合があるためである。また、このような理由により、露光量を0.1〜5J/cm2
範囲内の値とするのがより好ましく、0.3〜3J/cm2の範囲内の値とするのがより
好ましい。
また、本発明の組成物を、さらに加熱して硬化させる場合には、30〜200℃の範囲内の温度で、1〜180分間加熱するのが好ましい。このように加熱することにより、マイクロレンズ等を損傷することなく、より効率的に平坦化層を形成することができる。
また、このような理由から、50〜180℃の範囲内の温度で、2〜120分間加熱するのがより好ましく、80〜150℃の範囲内の温度で、5〜60分間加熱するのがさらに好ましい。
II.平坦化層
本発明の平坦化層は、上記第1の実施形態の平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物を硬化させてなり、屈折率1.3〜1.5を有することが好ましい。
本発明の平坦化層、特に、上記本発明の組成物で、図2(a)に示すようにマイクロレンズ7上に低屈折率の平坦化層6bを設けることにより、固体撮像素子等のマイクロレンズで問題となるフレアを効果的に防止することができる。そして、本発明の組成物は放射線硬化性であるため、マスク露光等の手段により、図3に示すような個々のマイクロレン
ズの周囲のみに位置選択的に平坦化膜を形成することもできる。
本発明の平坦化層は、屈折率が1.3〜1.5であることが好ましい。屈折率が前記範囲であれば、フレアが有効に防止され、集光率が向上する。
III.平坦化層の製造方法
本発明の平坦化層は、上記本発明の組成物をコーティングした後、これを硬化させて形成される。このようなコーティング方法としては、ディッピング法、スプレー法、ダイコート法、スリットコート法、バーコート法、ロールコート法、スピンコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、又はインクジェット法等の方法を用いることができるが、スピンコート法が均一な硬化膜が得られ易い点で優れている。
本発明の平坦化層は、上記本発明の組成物をスピンコート法により塗布して該組成物の塗布膜を形成した後に、放射線を照射して該塗布膜を硬化せしめることによって製造することができる。放射線を照射する際に、所定のパターンマスクを介して放射線を照射して該塗布膜の放射線が当たった部分のみを硬化せしめた後、現像液によって、放射線が当たらなかった部分の塗布膜を溶解して除去することによって、図3に示すような所望のパターンを有する平坦化層を形成することができる。
現像液としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類を挙げることができる。
現像処理の条件は、シャワー現像方法、ディップ現像方法、ステップパドル現像方法、振動現像方法等の処理方法を用いることが好ましい。
上記本発明の組成物は塗布均一性が良いため、ハジキ、塗布ムラ等が無く、特にスピンコート法による塗布性に優れている。
IV.固体撮像素子
本発明の固体撮像素子は、基材層、前記本発明の平坦化層及びマイクロレンズを含む。
前述したように、本発明の平坦化層は、(1)マイクロレンズとカラーレジスト層の間に
設けられるもの(カラーフィルタ平坦化層)のみでなく、(2)マイクロレンズを覆う形態
のもの(マイクロレンズ間の受光部平坦化層;図2(a)及び図3の形態のものを含む)、(3)ハレーション防止層とカラーレジスト層との間に設けられるもの(受光部平坦化層
)の全てを含む。
上記(1)の位置に平坦化層を設けることは従来から知られており、この位置に平坦化層
を設けることにより、集光率の向上という効果が得られる。
上記(2)の位置に平坦化層を設けることにより、フレアを防止することができる。
上記(3)の位置に平坦化層を設けることにより、集光率の向上という効果が得られる。
上記(2)の位置に平坦化層を設けるに当たり、図3に示すようなパターン化された平坦
化膜とすることにより、マイクロレンズ間に平坦化層が設けられていない部分ができ、この部分に配線取り出し場所を設けることができる。
本発明の固体撮像素子を構成するマイクロレンズとしては、ファクシミリ、電子複写機、固体撮像素子等オンチップカラーフィルターの結像光学系あるいは光ファイバーコネクタの光学系等に、一般的に使用されているものであれば、問題なく使用できる。マイクロレンズの製造法としては、例えば、イオン交換法による分布屈折率型平板マイクロレンズを作る方法、感光性ガラスによる凸型マイクロレンズを作る方法、半導体集積回路用ポジ型フォトレジスト等を用いてメルトフロー法による作製法やメルトフローさせた感光性樹脂をマスクにしてドライエッチングにより下地にレンズ形状を転写させる方法等がある。
本発明の固体撮像素子を製造する方法について説明する。
本発明の固体撮像素子におけるマイクロレンズを形成する方法について述べる。マイクロレンズ作製用のアルカリ可溶性樹脂を含む放射線性樹脂組成物は、下地基板表面に塗布し、プレベークにより溶媒を除去することによって塗膜とすることができる。塗布方法として、例えばスプレー法、ロールコート法、回転塗布法等の各種の方法を採用することができる。また、プレベークの条件は、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、通常70〜90℃で1〜15分間程度の条件が最適である。次にプレベークされた塗膜に所定パターンマスクを介して紫外線等の放射線を照射し、さらにアルカリ現像液により現像し、不要な部分を除去して所定パターンを形成する。現像方法は液盛り法、ディッピング法、シャワー法等のいずれでもよく、現像時間は通常30〜180秒間である。
上記現像液としては、アルカリ水溶液、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア等の無機アルカリ類;エチルアミン、n−プロピルアミン等の1級アミン類;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン等の2級アミン類;トリメチルアミン、メチルジエチルアミン、ジメチルエチルアミン、トリエチルアミン等の3級アミン類;ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の3級アミン類;ピロール、ピペリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルピロリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等の環状3級アミン類;ピリジン、コリジン、ルチジン、キノリン等の芳香族3級アミン類;テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩の水溶液を使用することができる。また上記アルカリ水溶液に、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶媒および/または界面活性剤を適当量添加した水溶液を現像液として使用することもできる。
現像後、流水洗浄を30〜90秒間行い、不要な部分を除去し、さらに圧縮空気や圧縮窒素で風乾させることによって、パターンが形成される。形成されたパターンに紫外線等の放射線を照射し、その後このパターンを、ホットプレート、オーブン等の加熱装置により、所定温度、例えば150〜250℃で、所定時間、例えばホットプレート上なら5〜30分間、オーブン中では30〜90分間加熱処理をすることにより、目的とするマイクロレンズであるパターン状塗膜を得ることができる。
高屈折率材料や低屈折率材料から、それぞれ高屈折率膜や低屈折率膜を形成する場合、マイクロレンズに対してコーテイングすることが好ましい。このようなコーテイング方法としては、ディッピング法、スプレー法、スピンコート法又はインクジェット法等の方法を用いることができる。このなかで、スピンコート法やディッピング法が均一な硬化膜が得られやすい点で優れている。
また、高屈折率材料や低屈折率材料を硬化する手段も特に制限されないが、例えば、加熱することが好ましい。その場合、30〜200℃で、1〜180分間加熱するのが好ましい。このように加熱することにより、マイクロレンズや形成される反射防止膜を損傷することなく、より効率的に反射防止性に優れた反射防止用積層体を得ることができる。好ましくは、50〜180℃で、2〜120分間、より好ましくは、80〜150℃で、5〜60分間加熱する。
尚、高屈折率材料や低屈折率材料の硬化程度は、例えば、硬化性化合物としてメラミン化合物を用いた場合は、メラミン化合物のメチロール基又はアルコキシ化メチル基の量を赤外分光分析したり、又は、ゲル化率を、ソックスレー抽出器を用いて測定することにより、定量的に確認することができる。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例の記載に限定されるものではない。
(製造例1)
水酸基含有含フッ素重合体1の合成
内容積2.0Lの電磁攪拌機付きステンレス製オートクレーブを窒素ガスで十分置換した後、酢酸エチル400g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(FPVE)53.2g、エチルビニルエーテル(EVE)36.1g、ヒドロキシエチルビニルエーテル(HEVE)44.0g、過酸化ラウロイル1.00g、上記一般式(2)で表されるアゾ基含有ポリジメチルシロキサン(VPS1001(商品名)、和光純薬工業(株)製)6.0g及びノニオン性反応性乳化剤(NE−30(商品名)、旭電化工業(株)製)20.0gを仕込み、ドライアイス−メタノールで−50℃まで冷却した後、再度窒素ガスで系内の酸素を除去した。
次いでヘキサフルオロプロピレン(HFP)120.0gを仕込み、昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が60℃に達した時点での圧力は5.3×105Paを示した。
その後、70℃で20時間攪拌下に反応を継続し、圧力が1.7×105Paに低下した
時点でオートクレーブを水冷し、反応を停止させた。
室温に達した後、未反応モノマーを放出してオートクレーブを開放し、固形分濃度26.4%のポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液をメタノールに投入しポリマーを析出させた後、メタノールにて洗浄し、50℃にて真空乾燥を行い220gの水酸基含有含フッ素重合体を得た。これを水酸基含有含フッ素重合体1とする。使用した単量体と溶剤を表1に示す。
得られた水酸基含有含フッ素重合体1に付き、GPCによるポリスチレン換算数平均分子量及びアリザリンコンプレクソン法によるフッ素含量をそれぞれ測定した。また、H−NMR、13C−NMRの両NMR分析結果、元素分析結果及びフッ素含量から、水酸基含有含フッ素重合体1を構成する各単量体成分の割合を決定した。結果を表2に示す。
尚、VPS1001は、数平均分子量が7〜9万、ポリシロキサン部分の分子量が約10,000の、上記一般式(2)で表されるアゾ基含有ポリジメチルシロキサンである。NE−30は、上記一般式(3)において、nが9、mが1、sが30であるノニオン性反応性乳化剤である。
さらに、表2において、単量体と構造単位との対応関係は以下の通りである。
単量体 構造単位
ヘキサフルオロプロピレン (a)
パーフルオロ(プロピルビニルエーテル) (a)
エチルビニルエーテル (b)
ヒドロキシエチルビニルエーテル (c)
NE−30 (f)
ポリジメチルシロキサン骨格 (d)
(製造例2)
水酸基含有含フッ素重合体2の合成
エチルビニルエーテル及びヒドロキシエチルビニルエーテルの使用量を表1のように変えた以外は、製造例1と同様にして水酸基含有含フッ素重合体を合成した。これを水酸基含有含フッ素重合体2とする。各単量体成分の割合を表2に示す。
(製造例3)
水酸基含有含フッ素重合体3の合成
ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、エチルビニルエーテル及びヒドロキシエチルビニルエーテルの使用量を表1のように変えた以外は、製造例1と同様にして水酸基含有含フッ素重合体を合成した。これを水酸基含有含フッ素重合体3とする。各単量体成分の割合を表2に示す。
(製造例4)
水酸基含有含フッ素重合体4の合成
VPS1001を用いなかった以外は、製造例3と同様にして水酸基含有含フッ素重合体を合成した。これを水酸基含有含フッ素重合体4とする。各単量体成分の割合を表2に示す。
(製造例5)
水酸基含有含フッ素重合体5の合成
NE−30を用いなかった以外は、製造例3と同様にして水酸基含有含フッ素重合体を合成した。これを水酸基含有含フッ素重合体5とする。各単量体成分の割合を表2に示す。
Figure 2006199902
Figure 2006199902
(製造例6)
エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体(A−1)の合成
電磁攪拌機、ガラス製冷却管及び温度計を備えた容量1リットルのセパラブルフラスコに、製造例1で得られた水酸基含有含フッ素重合体1を50.0g、重合禁止剤として2
,6−ジ−t−ブチルメチルフェノール0.01g及びMIBK370gを仕込み、20℃で水酸基含有含フッ素重合体1がMIBKに溶解して、溶液が透明、均一になるまで攪拌を行った。
次いで、この系に、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを15.1gを添加し、溶液が均一になるまで攪拌した後、ジブチルチンジラウレート0.1gを添加して反応を開始し、系の温度を55〜65℃に保持し5時間攪拌を継続することにより、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体(A−1)のMIBK溶液を得た。この溶液をアルミ皿に2g秤量後、150℃のホットプレート上で5分間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、15.2%であった。使用した化合物、溶剤及び固形分含量を下記表3に示す。
(製造例7〜10)
エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体(A−2〜A−5)の合成
下記表3に示すように、水酸基含有含フッ素重合体の種類、並びに2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、MIBK及びイソシアネート基/水酸基のモル比を変えた以外は、製造例6と同様にしてエチレン性不飽和基含有含フッ素重合体(A−2〜A−5)のMIBK溶液を得た。
Figure 2006199902
(製造例11)
重合性不飽和基を含む有機化合物(Ab)の製造
乾燥空気中、メルカプトプロピルトリメトキシシラン221部、ジブチル錫ジラウレ−ト1部からなる溶液に対し、イソホロンジソシアネート222部を攪拌しながら50℃で1時間かけて滴下後、70℃で3時間加熱攪拌した。これに新中村化学製NKエステルA−TMM−3LM−N(ペンタエリスリトールトリアクリレート60質量%とペンタエリスリトールテトラアクリレート40質量%とからなる。このうち、反応に関与するのは、水酸基を有するペンタエリスリトールトリアクリレートのみである。)549部を30℃で1時間かけて滴下後、60℃で10時間加熱攪拌することで重合性不飽和基を含む有機化合物(Ab)を得た。生成物中の残存イソシアネ−ト量をFT−IRで分析したところ0.1%以下であり、反応がほぼ定量的に終了したことを示した。生成物の赤外吸収スペ
クトルは原料中のメルカプト基に特徴的な2550カイザ−の吸収ピ−ク及び原料イソシアネ−ト化合物に特徴的な2260カイザ−の吸収ピ−クが消失し、新たにウレタン結合及びS(C=O)NH−基に特徴的な1660カイザ−のピ−ク及びアクリロキシ基に特徴的な1720カイザ−のピ−クが観察され、重合性不飽和基としてのアクリロキシ基と−S(C=O)NH−、ウレタン結合を共に有するアクリロキシ基修飾アルコキシシランが生成していることを示した。
(製造例12)
反応性シリカ粒子の製造
製造例11で製造した重合性不飽和基を含む有機化合物(Ab)2.32部、シリカ粒子分散液(Aa)(日産化学工業株式会社製MEK−ST、シリカ濃度32%)89.90部、イオン交換水0.12部、及びp−ヒドロキシフェニルモノメチルエーテル0.01部の混合液を、60℃、4時間攪拌後、オルト蟻酸メチルエステル1.36部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱攪拌することで反応性粒子(分散液(A−1))を得た。この分散液(A−1)をアルミ皿に2g秤量後、175℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、30.7%であった。また、分散液(A−1)を磁性るつぼに2g秤量後、80℃のホットプレート上で30分予備乾燥し、750℃のマッフル炉中で1時間焼成した後の無機残渣より、固形分中の無機含量を求めたところ、90%であった。
(実施例1)
放射線硬化性樹脂組成物(B−1)の製造
下記表4に示すように、製造例6で合成したエチレン性不飽和基含有含フッ素重合体(A−1)73g、少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する多官能(メタ)アクリレート化合物(以下「多官能(メタ)アクリレート化合物」という。)としてジペンタエリスリトールペンタアクリレート25g、光重合開始剤として2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン(イルガキュア907、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製)2g、MIBK400gを、攪拌機をつけたガラス製セパラブルフラスコに仕込み、23℃にて1時間攪拌し均一な放射線硬化性樹脂組成物(B−1)を得た。
(実施例2〜5)
放射線硬化性樹脂組成物(B−2)〜(B−5)の製造
下記表4に示すように、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体(A−1)の代わりにエチレン性不飽和基含有含フッ素重合体(A−2)〜(A−5)を用いた以外は実施例1と同様にして放射線硬化性樹脂組成物(B−2)〜(B−5)を得た。
(実施例6)
放射線硬化性樹脂組成物(B−6)の製造
下記表4に示すように、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体(A−1)及びジペンタエリスリトールペンタアクリレートの配合割合を68質量%及び13質量%とし、さらに製造例11で製造した反応性シリカ粒子17質量%を添加した以外は実施例1と同様にして放射線硬化性樹脂組成物(B−6)を得た。
<硬化物の評価>
実施例1〜6で得られた放射線硬化性樹脂組成物を用いて形成した塗膜を、120℃で60分間加熱して硬化膜を形成し、これについて、以下に示す各種物性を測定した。結果を下記表4に示す。
(1)屈折率
実施例1〜6で得られた放射線硬化性樹脂組成物を石英基板に、スピンコーターにより、加熱後の厚さが約0.1μmとなるように塗布後、120℃で60分間加熱し硬化膜を形成した。得られた硬化膜について、エリプソメーターを用いて23℃での波長589nmにおける屈折率(n 23)を測定した。
(2)塗布性
実施例1〜6で得られた放射線硬化性樹脂組成物を石英基板に、回転数1500rpm、回転時間30秒の条件でスピンコートし、120℃で60分間加熱し硬化膜を形成した。得られた硬化膜を目視にて評価し、硬化膜表面にムラがあるものを×、均一なものを○とした。
(3)耐アルカリ性
実施例1〜6で得られた放射線硬化性樹脂組成物を石英基板に、回転数1500rpm、回転時間30秒の条件でスピンコートし、120℃で60分間加熱し硬化膜を形成した。得られた硬化膜を2.4%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に23℃にて30分間浸漬した。水でリンスし乾燥した後の硬化膜の外観を目視にて観察し、初期と比較して変化があったものを×、変化がなかったものを○とした。
(4)耐有機溶剤性
実施例1〜6で得られた放射線硬化性樹脂組成物を石英基板に、回転数1500rpm、回転時間30秒の条件でスピンコートし、120℃で60分間加熱し硬化膜を形成した。得られた硬化膜をアセトンに23℃にて30分間浸漬した。水でリンスし乾燥した後の硬化膜の外観を目視にて観察し、初期と比較して変化があったものを×、変化がなかったものを○とした。
Figure 2006199902
表4の結果から、本発明の放射線硬化性樹脂組成物によれば、塗布性、耐アルカリ性及び耐有機溶剤性に優れ、かつ現像性にも優れた、低屈折率の硬化物が得られることがわかる。
本発明の平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物は、低屈折率でハジキ、塗布むらが無く、特にスピンコート法による塗布性に優れているため、均一な平坦化層を形成することができる。
本発明の平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物を硬化させて得られる平坦化層は、低屈折率で、透明性に優れている。
本発明の平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物は、マスク露光等の手段により、位置選択的に平坦化層を形成することができるため、配線の取り出し場所の形成が容易となる。
本発明の平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物で形成された平坦化層を有する固体撮像素子は、固体撮像素子等のマイクロレンズで問題となるフレアが有効に防止され、集光率が向上する。
本発明の平坦化層は、固体撮像素子、CCD、CMOSその他レンズ形状の物品に適用できる。
本発明の一実施形態である固体撮像素子の断面図である。 本発明の他の実施形態である固体撮像素子の断面図である。 本発明の他の実施形態である、マイクロレンズ上に位置選択的に平坦化層を形成した固体撮像素子のマイクロレンズ部分の断面図(a)及び平面図(b)である。
符号の説明
1 固体撮像素子
2 CCD基板
3 フォトダイオード
4 ハレーション防止層
5 カラーレジスト層
6a、6b、6b−2、6c 平坦化層
7 マイクロレンズ

Claims (5)

  1. エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体及び溶剤を含有することを特徴とする平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物を硬化させてなる平坦化層。
  3. 請求項1に記載の平坦化層用放射線硬化性樹脂組成物をスピンコート法により塗布して該組成物の塗布膜を形成した後に、放射線を照射して該塗布膜を硬化せしめる工程を有する平坦化層の製造方法。
  4. パターンマスクを介して前記放射線を照射して前記塗布膜を硬化せしめた後、現像処理することによって、パターン化された平坦化層を形成する請求項3に記載の平坦化層の製造方法。
  5. 少なくとも基材層、請求項2に記載の平坦化層、マイクロレンズを含む固体撮像素子。
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