JP2006196034A - 磁気ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】イメージング層の解像度の限界を超える狭いパターンを形成する必要がある場合に、狭いパターンのリフトオフレジストを適用し、リフトオフ方法によって,GMR膜端部の角度を45度以上に急峻にして、GMR素子を作成する薄膜磁気ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】リフトオフレジストパターンとして下層からPMGI層10、有機膜層11、イメージング層12の3層の有機膜からなるレジストパターンを用い、イメージング層12をマスクにして有機膜層11とPMGI層10をエッチングして、ひさし状に形成された有機膜層11とイメージング層12が形成されているリフトオフレジストパターンをマスクとして用いて、GMR層のエッチングし、次いでリフトオフ方法を用いて磁区制御膜4と電極膜5をGMR層の両端に形成する事を特徴とする、薄膜磁気ヘッドの製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は薄膜磁気ヘッドの製造方法に関し、特に高密度記録再生用の磁気抵抗効果型ヘッドの製造方法に関する。
高密度磁気記録ヘッドの再生ヘッドとして用いられている磁気抵抗効果ヘッド(MR)ヘッド、あるいは、巨大磁気抵抗効果ヘッド(GMRヘッド)については、高記録密度を実現するためにトラックの幅をいっそう狭くすることが必要となってきている。
特許文献1には、2層レジストを用いたリフトオフプロセスが開示されている。上層部にフォトレジスト、下層部にポリジメチルグルタルイミド(PMGI)を用いた2層膜に、紫外線及び遠紫外線の照射と2回の現像の組合わせで、アンダーカットをもつマスク材を形成し、膜の形成方法としてスパッタ法を用いたリフトオフ法が開示されている。特許文献2には、3層構造の有機膜を用いて作ったリフトオフパターンが開示されている。レジストパターンとして、最上層にはドライエッチングに対する耐性の高いレジストを設け、それをマスクにしてドライエッチング法により、その下層の有機膜2層には、おのおのアンダーカットを設け、リフトオフレジスト形状として、金属配線をリフトオフ法で形成する方法が開示されている。
特許文献3には、下層パターンと、中間層パターンと、上層パターンとを含むレジストパターンを用いた薄膜磁気ヘッドのフレームめっき方法が開示されている。
特開平6−267843号公報 特開2002−64054号公報 特開2003−131386号公報
発明者らの検討の結果、以下の問題が判明した。特許文献1に記載の技術では、リフトオフレジストパターン幅は、イメージング層のレジストパターンの幅によって決まってしまうという問題がある。例えば、i線ステッパ露光装置を用いた場合には、その解像度から通常は最小300nm、KrFエキシマレーザ露光装置の場合には最小200nm、そして、可変成形型の電子ビーム装置を使用した場合には最小100nm程度を形成できるのが一般的である。しかし、このままでは、この解像度を超えた狭いトラック幅を形成することは出来ない。
そこで、たとえば、レジストパターンを形成した後に、ドライエッチング法などの工程を適用して、レジストパターンの表面をエッチングすることにより、レジストパターンの断面の幅を狭くする方法も考えられる。この方法を用いれば、解像度以下のリフトオフパターンを形成可能となり、したがって、解像度を超えた狭いトラック幅を形成することも可能となる。しかし、リフトオフパターンはひさし形状になっているため、ドライエッチング法でレジストパターンの表面をエッチングすることによってパターン寸法を狭くすると、同時に、ひさしの飛び出している部分も同時にエッチングされてしまい、ひさし形状の先端が丸まってしまうという問題があることがわかった。すなわち、ひさしの先端が丸まってしまうと、下層のPMGI層の下部からひさしまでの距離が、ドライエッチング前に比べてドライエッチング後の方が大きくなる。このために、磁区制御膜、および電極膜が積層された後に、リフトオフによって不必要な部分の磁区制御膜、および電極膜を除去しようとする際に、ひさしの部分が丸まってしまっているため、スパッタリング法などで形成した磁区制御膜と電極膜がリフトオフレジスト表面とGMRセンサのエッチングした部分との間でつながってしまい、リフトオフ工程で十分リフトオフできず、その部分にフェンスが残ってしまうという問題を生じることがわかった。
そこで、本発明は、レジストパターンをマスクとして、リフトオフ方式を用いて、磁気抵抗効果素子、例えば、巨大磁気抵抗効果素子、すなわちGMRセンサを作成する方法を適用する際に、従来よりも狭トラックの巨大磁気抵抗効果ヘッド、すなわちGMRヘッドを実現するための薄膜磁気ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。特に、露光装置によって形成されたイメージング層の幅をドライエッチング工程でそれよりも細くすることによって、かつ、ひさし部分の形状がシャープに形成できるリフトオフパターンを形成する方法を用いることにより、イメージング層の幅よりも狭いトラック幅のGMRセンサを形成することのできる薄膜磁気ヘッドの形成方法を提供することにある。 また、2層のレジストパターンのみを用いた場合に比べそのリフトオフレジストパターンの下端部をシャープに形成することによって、GMRセンサの端部断面傾斜角度を45度以上に急峻に形成することを可能とする薄膜磁気ヘッドの製造方法を提供することにある。
尚、特許文献2の方法では、レジストパターンを解像度よりも細くすることはできず、また、2層目のレジストパターンは最上層のレジストパターンより狭くなるため、本公知例で示されているように、半導体基板、誘電体基板、焦電体基板などの基板上に金属配線を形成する場合には適用可能であるが、薄膜磁気ヘッドのように狭いパターンを形成する場合には適さない。さらに、最上層のレジスト層がドライエッチング耐性の大きい性質を持つので、イメージング層のパターン幅はそれ以上狭くすることができず、たとえば、イメージング層の解像度の限界を超えるような細いパターンを形成することはできない。
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。磁気ヘッドを製造するに際して、シールド層に第1絶縁膜を介して、抵抗効果膜を形成する第1工程と、磁気抵抗効果膜の上に、第1と第2と第3レジスト膜を形成する第2工程と、第1と第2と第3レジスト膜をパターニングする第3工程と、パターニングされた第1と第2と第3レジスト膜を用いて、磁気抵抗効果膜をエッチングする第4工程と、第4工程後、磁区制御膜と電極膜とを形成する第5工程と、第5工程後、第1と第2と第3レジスト膜を除去する第6工程と、第6工程後、第2絶縁膜を堆積する工程とを有することを特徴とする。
その際に、第1と第2と第3レジスト膜のパターニングする際に、まず、最上層の第3レジスト膜をパターニング、それをマスクにして下層の第1と第2レジスト膜をエッチングし、その後最下層の第1レジスト膜をさらにエッチングすることによって、第1レジスト膜の面積を第2レジスト膜の面積を小さくする。
本発明によれば、リフトオフ法が用いられる狭い再生トラック幅の磁気ヘッドを実現することができる。イメージング層の形成された幅よりも狭いリフトオフレジストを形成することができ、これによって、イメージング層より狭いトラック幅のGMRセンサを形成することができる薄膜磁気ヘッドの製造方法を提供できるという効果がある。特に、200nm以下の再生トラック幅の磁気ヘッドを実現することが可能となる。
また、本発明によれば、GMRヘッドのGMRセンサ端部の角度を45度以上に急峻にすることのできる薄膜磁気ヘッドの製造方法を提供することができるという効果がある。
さらに、本発明によれば、GMRセンサのトラック幅方向だけでなく、ストライプハイト側に適用することによって、GMRセンサの奥行き方向後端部の角度を45度以上に急峻にすることができるという効果がある。
また、TMRヘッドあるいはCPPGMRヘッドに関しても、センサ膜のトラック幅方向、あるいは、奥行き方向の端部の形状を45度以上に急峻にすることが可能となるという効果がある。
磁気ディスク装置に用いられる薄膜磁気ヘッドの一例を図11に示す。磁気ヘッドは記録ヘッドと再生ヘッドが組み合わされたものとなっている。再生ヘッドとして用いられている磁気抵抗効果型ヘッドは磁気抵抗効果膜103とその磁気抵抗効果膜に電流を流すために形成されるリード電極および磁区制御膜によって構成されている。磁気抵抗効果型ヘッドには、センサに使用される膜として、磁気抵抗効果膜(MR膜)あるいは、巨大磁気抵抗効果膜(GMR膜)が一般的に用いられている。再生ヘッドの磁気抵抗効果膜は、浮上面側にトラック幅(TW)に対応する幅に磁気抵抗効果センサ膜が形成されている。浮上面側から見たそのセンサの両端には、センサの磁化状態を制御する磁区制御膜104と、センサに電流を供給する電極膜105が積層されている構造である。また、センサ膜は浮上面から奥行き方向に形成されており、その磁気抵抗効果膜の奥行き寸法を磁気抵抗効果センサのストライプハイト(SH)と言う。磁気抵抗効果センサ膜は、基板100上の下部シールド層101の上に下部絶縁膜102を介して形成されている。センサの上には上部絶縁膜が形成され、その上には上部シールド膜107が形成され、センサは下部及び上部シールドの間に配置された構成となっている。以上の部分が再生へッド部分に当たる。
この再生ヘッド部分の上には、記録ヘッド部分が形成されている。記録ヘッドには、下部磁気コア201と上部磁気コア203そしてコイル202などが形成されて構成されている。尚、図11では再生ヘッドの上部シールドと記録ヘッドの下部磁気コアが分離されているが、兼用することも可能である。
以下本発明に関して、その一実施例を図面を用いて説明する。
図1は、3層レジストを用いて、磁気抵抗効果膜3であるGMRセンサ膜をイオンミーリングし、磁区制御膜4、電極膜5をスパッタした図で、リフトオフによりレジスト層を除去する前の磁気ヘッドの製造工程上の浮上面からみた断面図である。下部シールド1の上に下部ギャップ2が配置され、その上にイオンミーリングされたGMRセンサ3が形成されている。GMRセンサ3は、シード層、反強磁性層、固定層、非磁性層、自由層が積層された構成をとる。たとえば、反強磁性層はPntMn膜、固定層はRuを介して反強磁性結合させた2層のCoFe膜、非磁性層はCu膜、自由層はNiFe,CoFeを含有した膜で構成されている。3層のレジスト膜は、最上層のレジスト膜12をイメージング層とし、中間層のレジスト膜11を光の反射防止効果のある有機膜、最下層のレジスト10をPMGI膜としている。GMRセンサに接するレジスト膜10はリフトオフしやすいように、その上に形成されたレジスト膜11の素子の膜厚方向から見た面積よりその面積が小さくなっている。すなわち、図中に示すように浮上面位置におけるレジスト膜10の幅も上層のレジスト膜11の幅よりも小さくなっている。磁気ヘッドの再生ヘッド部分はこの後、レジスト剥離溶液を用いて超音波を印加しながらリフトオフすることにより3層レジスト膜及びその上に形成された不要な磁区制御膜・電極膜が除去され、その後絶縁膜である上部ギャップ膜、上部シールド膜を順次形成することにより完成する。以下、詳細に各工程について説明する。
図2は、基板(図示していない)上に、下部シールド膜1を形成し、その上に、下部絶縁膜2を形成した後、GMRセンサ膜を全面に形成したところの断面図を示している。この断面図は、GMRヘッドが完成したときの浮上面にあたる場所の断面を示している。従って、GMRセンサ膜は、この断面部分では下部シールド及び下部絶縁膜の上全面に形成されているが、この工程の前に、この部分以外の部分がエッチング除去されていても良い。すなわち、例えば、GMRストライプハイトの形成を、本工程の前に実施しておいても、本発明に関しては何ら障害とはならない。
図3は、本発明のリフトオフレジストパターンを形成する工程のうち、最下層のPMGI膜を形成する工程を示している。PMGIはポリメチルグルタルイミドと呼ばれる有機物であり、遠紫外光に感光性があり、また、一般的なポジ型フォトレジストの現像液のようなアルカリ水溶液でエッチングできるという性質がある。
続いて、図4は、本発明で特徴の有る有機膜11をPMGI膜10の上に形成する工程を示している。この有機膜は、塗布する際には、下層のPMGI層と相互に有機膜同士が混合してしまう、いわゆるミキシングを起こさないこと、また、この上に形成するレジスト膜とも、ミキシングを起こさないことが必要である。この場合は、例えば、フォトレジストプロセスでよく使われる、BARC(Bottom Anti-Reflect Coating)材、すなわち、有機物の光反射防止膜が適用可能であることを確認している。
図5は、有機膜11の上に、イメージング層となるレジスト膜12を形成する工程を示している。レジスト膜としては、光感光性を持つフォトレジスト膜や、電子ビームに感光性を持つ電子ビームレジスト膜など、イメージング層として使うことができれば、どのようなレジスト膜を用いることもできる。たとえば、波長436nmのg線、波長365nmのi線の水銀ランプ光、波長248nmのKrFエキシマレーザ光、波長193nmのArFエキシマレーザ光により感光する性質を持つものが挙げられる。ここでは、電子ビームレジストを一例として説明する。
図6は、電子ビームレジスト膜の上に、電子ビームを照射し、その後、現像液中で現像した後の、レジストパターンを形成した時の断面形状を示したものである。このレジスト膜12は、有機膜11の上に形成されることになる。このとき、有機膜11は、前述しているように、レジスト膜12をパターニングする際に、現像液でエッチングされない性質が必要である。この性質があることで、有機膜上にレジストパターンを形成することができる。また、最下部に形成されているPMGI膜10は、現像液に対してエッチングされる性質があるが、この場合にもそのPMGIの表面を有機膜11が覆っているため、レジスト膜12の現像の際にはPMGI膜が現像される事はない。
図7は、このレジストパターンをマスクにして、下層の有機膜11をエッチングし、次いで、この有機膜11をマスクにしてPMGI膜10をエッチングする工程を示している。このときのエッチング方法はRIE(Reactive Ion Etching)法等のドライエッチング法を用いて、エッチングする工程を示したものである。ここで適用するドライエッチング法とは、例えば、酸素ガスを用いたドライエッチング法を適用することができる。このとき、酸素ガスだけではなく、他のガス、例えば、アルゴンガスを添加することができる。あるいは、酸素ガス以外のガス、二酸化炭素ガスや窒素ガスなど、有機膜をエッチングできるガスであればどのようなガスを用いても良い。また、ドライエッチング方法としては、異方性エッチングができるエッチング方法のほうが望ましい。
マスク材となるイメージング層も有機膜なので、このとき、イメージング層のレジスト膜は膜厚方向だけで無く、同時に幅方向もエッチングされる。従って、この幅方向にエッチングされることで、イメージング層であるレジストパターンの解像度限界の最小パターン幅に対して、それ以下の寸法のパターンを形成することができる。例えば、図6で示されたイメージング層の幅を100nmに形成し、図7のドライエッチング工程で幅方向片側25nmエッチングすれば、最終的に幅50nmのレジストパターンを形成することが出来る。イメージング層を形成する他の方法として、例えばKrFエキシマレーザレーザ光を用いた場合、イメージング層の幅として200nmを形成し。図7のドライエッチング工程で幅方向片側25nmエッチングすれば、最終的に幅150nmのレジストパターンを形成することが可能となる。
図8は、このようにして形成したレジストパターンについて、レジストの現像液で処理することによって最下層のPMGI層をエッチングすることによって、アンダーカット形状のリフトオフレジストパターンを形成する工程を示している。リフトオフの工程には、アンダーカットの有るレジストパターンが必須である。PMGI層はイメージング層のレジストパターンを現像するアルカリ性の現像液でエッチングすることが可能である。そこで、この現像液で図7で形成した3層連続のパターンを処理することによって、PMGI層をパターンの端部よりエッチングし、アンダーカットを形成する。この現像液の処理では、イメージング層のレジストパターンはほとんどエッチングされない。また、レジスト層5とPMGI層3の中間に形成されている有機膜11は、イメージング層のパターンを形成する現像液ではエッチングされない性質がある。従って、PMGI層のみがエッチングされて、アンダーカット形状のリフトオフレジストパターンを形成することが出来る。アンダーカットにより、有機膜11の浮上面に対して垂直な面における面積より、PMGI膜の浮上面に対して垂直な面における面積が小さくなる。すなわち、浮上面の幅方向だけでなく、素子の高さ方向の幅もアンダーカットされ、リフトオフが容易となる。
例えば50nmの幅のパターンにアンダーカットを形成する場合、約15nm程度のアンダーカットを作る必要がある。現像液は、通常TMAH、水酸化テトラメチルアンモニウムの2.38%水溶液を用いているが、この現像液をそのまま使用していくと、アンダーカット量を15nm程度に制御するためにはPMGI層のエッチング速度が速すぎることが分かった。これを解決するために、PMGI層をアンダーカットさせるための現像液は、イメージング層を現像するものに比較して薄い濃度のものに変更して適用することが望ましいことが分かった。例えば、TMAH 1%の濃度の水溶液を用いることが適当であることを見出したが、それ以下の濃度の現像液を適用することも可能である。
次にこのリフトオフレジストパターンを用いて、GMRセンサ膜のエッチングと磁区制御膜と電極膜を形成する。
図9は、レジストパターンをマスクにして、GMR膜をエッチングした形状を示す。GMR膜は、この図では、膜の中間厚さまでエッチングして、下部ギャップ膜上に、GMR膜を構成する膜の一部を残してエッチングを終了した形状を示しているが、GMR膜を全部エッチングしても良い。
次いで、磁区制御膜と電極膜を連続して、スパッタリングあるいはイオンビームでデポジション法などの方法で形成する。このときの断面図を図1に示す。すると、GMR膜のエッチングされた部分に磁区制御膜及び電極膜が積層形成されるとともに、リフトオフレジストパターン上にも同じように積層形成される。ここで、リフトオフレジストの最下層であるPMGI層のアンダーカット部分が形成されているため、この部分で磁区制御膜と電極膜の積層膜は、切り離された構造とすることが出来る。
そこで、この様に形成されたパターンを用いて、リフトオフ装置内で、リフトオフレジストパターン上に形成された不要な部分の磁区制御膜と電極膜を、リフトオフレジストパターンを除去すると同時に、除去する。このように不要な部分をリフトオフすることによって、図10に示すように、狭いトラック幅(TW)のGMRセンサのトラック部分を形成することができる。
従来の2層リフトオフレジストパターンを使用している場合には、そのアンダーカットの幅は、イオンミリングの際の再付着層がアンダーカット部分に入り込んで付着してしまうことや、その後に形成される堆積膜の一部がアンダーカット部分の内部に入り込んでしまうことにより、不要な部分にフェンス状態の膜が残ってしまうが、本発明により、アンダーカット量の精密な制御が行える。特に、200nm以下の再生トラック幅で有効となり、イメージング層の解像度のより小さな再生トラック幅の磁気ヘッドを実現することが可能となる。また、イメージングレジストパターンの下端部が丸まりを抑制することで、丸まりによるGMRセンサ膜の過度のエッチングを防止することにより、本発明ではGMRセンサ膜の端部の形状を45度以上に急峻に形成することが可能となる。以上のように、本発明をGMRセンサのトラック幅方向に適用することによって、狭トラックでGMRセンサの端部の角度を45度以上に急峻化する薄膜磁気ヘッドの製造方法を提供することが可能である。また、狭トラック幅の寸法としては、イメージング層の解像度の限界を超えた狭い幅のトラックを形成することを可能とすることができる。
本発明に関して、他の実施例について説明する。
GMRセンサの奥行き方向の端部、すなわち、ストライプハイト方向の端部に関しても、リフトオフレジストを用いて形成されているが、本発明を適用することによって、端部の急峻なGMRセンサを形成可能である。レジストのエッチングプロセスは、浮上面における幅方向だけでなく、素子の高さ方向にも行われることから、実施例1のプロセスと同時に実現することが可能となる。
以下、図面を用いて説明する。
図16には、基板上に形成されたGMR膜を形成したところの断面図を示す。このGMR膜上に、PMGI層、有機膜層、イメージング層の3層のレジスト膜を図17に示されるように形成する。次に、図18に示されるように、最上層のイメージング層について、露光、現像によって、ストライプハイトに対応するパターンを形成する。ストライプパターンの幅は、一般的に1μmから5μm程度を用いるため、この図では、ストライプハイトゼロの位置だけを示している。続いて、このイメージング層をマスクにして、図19に示すように、その下の有機膜層及びPMGI層を、ドライエッチング法を用いてエッチングする。リフトオフパターンは、ひさし状の断面形状が必要である。そこで、図20に示すように、希釈した現像液、例えば1%TMAH水溶液などの溶液を基板上に塗布して、PMGI層の端部をエッチングして、ひさし形状のリフトオフレジストパターンを作成する。このときの現像液の濃度は、TMAHが0.2%〜1.5%程度の薄い現像液が望ましい。このリフトオフレジストパターンをマスクにして、図21に示すようにGMRセンサをイオンミリング法でエッチングする。ストライプ高さ方向の場合には、そのエッチングされた端部は絶縁膜で保護する場合がある。すなわち、全面に絶縁膜8を例えばスパッタリング法、あるいは、イオンビームでポジション法などの真空蒸着法で形成する。この場合の断面図を図22に示す。次いで、不要な部分の絶縁膜をリフトオフレジストパターンを剥離すると同時にリフトオフ剥離をする。これによって、図23に示されるように、GMRセンサのストライプハイト(SH)方向のパターンを形成することができる。
この実施例の場合に関しても、ストライプハイトの端部は、リフトオフレジストのひさし部分がシャープに形成されているため、これをマスクにしてイオンビームエッチングするために、断面の角度を45度以上に急峻に形成できるという効果がある。
本発明に関して、さらに他の実施例を示す。
図20には、TMRあるいはCPPGMRセンサに代表される、磁気抵抗効果膜の膜厚方向に電流を流す構造の再生ヘッドについてトラック幅方向から見た断面形状の例を示す。全体の構成としては、下部シールドと上部シールドの間に電流を流す構造として記載した。下部シールド1上に磁気抵抗効果膜のTMR膜あるいはCPPGMR膜3を形成して、その後、本発明の3層構造のリフトオフレジストパターン(10,11,12)を形成した後、TMR膜あるいはCPPGMR膜3の不要な部分をエッチング除去している。そして、絶縁膜8と磁区制御膜5を形成した時の断面形状を形成しているものである。PMGI膜10、光の反射防止効果の有る有機膜11、イメージング層のレジスト膜12からなる3層構造のリフトオフレジストパターンは実施例1で説明した方法と同じ方法で形成される。すなわち、下部シールド膜1に磁気抵抗効果膜3を堆積させた後、第1レジスト膜10、第2レジスト膜11、第3レジスト膜12を順次積層させる。第1と第2と第3レジスト膜のパターニングする際に、まず、最上層の第3レジスト膜12をパターニング、それをマスクにして下層の第1と第2レジスト膜10,11をドライエッチング法でエッチングし、その後最下層の第1レジスト膜10をさらに現像液でエッチングすることによって、第1レジスト膜の面積を第2レジスト膜の面積を小さくする。その際の現像液は、イメージング層を現像する現像液よりも濃度を薄くすることによって、エッチング速度を落とす。3層レジスト膜をパターニングした後、それをマスクとして用いて、磁気抵抗効果膜をイオンミーリング法でエッチングすることにより側面の断面形状をテーパ状とする。
TMR膜は、シード層、反強磁性層、固定層、絶縁膜からなる障壁層、自由層により構成されている。反強磁性層、固定層、自由層は、実施例1で挙げた層を用いることができる。CPPGMR膜は、実施例1のCIPGMRセンサと同様の構成をとる。すなわち、シード層、反強磁性層、固定層、非磁性層、自由層が積層された構成をとる。
次いで、図21に示すように、不要な部分の絶縁膜8と磁区制御膜5をリフトオフ除去した後、TMR膜あるいはCPPGMR膜3の上部に、電極を兼ねた上部シールド膜9を形成することによって、下部シールドと上部シールドにはさまれたTMR膜あるいはCPPGMR膜3の膜が形成されることになり、再生ヘッドを形成することができるものである。上部と下部シールドはパーマロイ等の磁性材料によって形成される。本実施例では、シールドと電極とを兼用した構成となっているが、兼用せずに、下部シールド1と磁気抵抗効果膜3との間に下部電極、上部シールド9と磁気抵抗効果膜3との間に上部電極をそれぞれ設ける構成をとることも可能である。また、シールドと磁気抵抗効果膜との間に導電性の非磁性膜を形成することも可能である。
本実施例では、再生ヘッドのトラック幅(TW)方向の断面図について説明したが、もちろん、同様な製造方法で、磁気抵抗効果素子の高さ方向であるストライプハイト(SH)方向に関しても、同様の製造方法が適用できることは明らかである。
本発明は、ハードディスク装置用薄膜磁気ヘッドの製造に使用されることはもちろんであるが、細いパターンについてリフトオフ法を組み合わせて作成する製造方法一般にも適用可能である。また、薄膜磁気ヘッドの、磁気抵抗効果型ヘッド、巨大磁気抵抗効果型ヘッドのみならず、膜厚方向に電流を流す方式の磁気抵抗効果型ヘッド、例えば、TMRヘッド、CPPGMR型ヘッドの製造法として使用可能である。さらに、イメージング層を形成する露光設備の解像度の限界を超えた細いパターンを形成することのできる製造方法である。
実施例1の薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明する断面図である。 実施例1の薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明する断面図である。 実施例1の薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明する断面図である。 実施例1の薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明する断面図である。 実施例1の薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明する断面図である。 実施例1の薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明する断面図である。 実施例1の薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明する断面図である。 実施例1の薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明する断面図である。 実施例1の薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明する断面図である。 実施例1の薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明する断面図である。 本発明の薄膜磁気ヘッドを説明する斜視図である。 実施例2の薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明する断面図である。 実施例2の薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明する断面図である。 実施例2の薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明する断面図である。 実施例2の薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明する断面図である。 実施例2の薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明する断面図である。 実施例2の薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明する断面図である。 実施例2の薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明する断面図である。 実施例2の薄膜磁気ヘッドの断面図である。 実施例3の薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明する断面図である。 実施例3の薄膜磁気ヘッドの製造方法を説明する断面図である。
符号の説明
1・・・下部シールド膜、2・・・下部ギャップ膜、3・・・磁気抵抗効果膜、4・・・磁区制御膜、5・・・電極膜、8・・・ 絶縁膜、9・・・上部シールド膜、10・・・PMGI膜、11・・・有機膜、 12・・・レジスト膜、100・・・基板、101・・・下部シールド膜、102・・・下部ギャップ膜、103・・・磁気抵抗効果膜、104・・・磁区制御膜、105・・・電極膜、110・・・PMGI膜、111・・・有機膜、112・・・レジスト膜、TW・・・トラック幅、SH・・・ストライプハイト

Claims (20)

  1. シールド膜上に第1絶縁膜を介して、磁気抵抗効果膜を形成する第1工程と、
    前記磁気抵抗効果膜の上に、第1と第2と第3レジスト膜を形成する第2工程と、
    前記第1と第2と第3レジスト膜をパターニングする第3工程と、
    前記パターニングされた前記第1と第2と第3レジスト膜を用いて、前記磁気抵抗効果膜をエッチングする第4工程と、
    前記第4工程後、磁区制御膜と電極膜とを形成する第5工程と、
    前記第5工程後、前記第1と第2と第3レジスト膜を除去する第6工程と、
    前記第6工程後、第2絶縁膜を堆積する工程とを有する磁気ヘッドの製造方法。
  2. 請求項1に記載の磁気ヘッドの製造方法において、
    前記第1レジスト膜は前記磁気抵抗効果膜と前記第2レジスト膜との間に配置され、
    前記第2レジスト膜は前記第1と第3レジスト膜との間に配置され、
    前記第3レジスト膜は前記第2レジスト膜上に配置され、
    前記第3工程は、前記第3レジスト膜をパターニングする第7工程と、
    前記パターニングされた前記第3レジスト膜をマスクにして前記第2と第1レジスト膜をエッチングする8工程と、
    前記第8工程後、前記第1レジスト膜をさらにエッチングする第9工程とを有する磁気ヘッドの製造方法。
  3. 請求項2に記載の磁気ヘッドの製造方法において、
    前記第9工程において、前記第1レジスト膜は前記第2レジスト膜よりも面積が小さくなるようにエッチングされる磁気ヘッドの製造方法。
  4. 請求項2に記載の磁気ヘッドの製造方法において、
    前記第1レジスト膜はPMGI膜であり、
    前記第2レジスト膜は前記第1と第3レジスト膜をミキシングさせない材料が用いられる磁気ヘッドの製造方法。
  5. 請求項3に記載の磁気ヘッドの製造方法において、
    前記第1レジスト膜はPMGI膜であり、
    前記第2レジスト膜は有機膜である磁気ヘッドの製造方法。
  6. 請求項3に記載の磁気ヘッドの製造方法において、
    前記第2レジスト膜は光の反射防止効果のある有機膜である磁気ヘッドの製造方法。
  7. 請求項3に記載の磁気ヘッドの製造方法において、
    前記第9工程において、アルカリ性水溶液のレジスト現像液が用いられる磁気ヘッドの製造方法。
  8. 請求項3に記載の磁気ヘッドの製造方法において、
    前記第4工程において、イオンミーリング法が用いられ、
    前記第6工程において、リフトオフ法が用いられ、
    前記第7工程において、ドライエッチング法が用いられる磁気ヘッドの製造方法。
  9. 請求項3に記載の磁気ヘッドの製造方法において、
    前記第9工程においてエッチングするために用いられる現像液は、前記第7工程において第3レジスト膜を現像するために用いられる現像液より薄い濃度である磁気ヘッドの製造方法。
  10. 請求項9に記載の磁気ヘッドの製造方法において、
    前記現像液は、水酸化テトラメチルアンモニウムの水溶液である磁気ヘッドの製造方法。
  11. 請求項2に記載の磁気ヘッドの製造方法において、
    前記第8工程において、前記第3レジストがエッチングされる磁気ヘッドの製造方法。
  12. 請求項11に記載の磁気ヘッドの製造方法において、
    前記磁気ヘッドの再生トラック幅は200nmより小さい磁気ヘッドの製造方法。
  13. 請求項2に記載の磁気ヘッドの製造方法において、
    前記第3レジスト膜として、電子ビーム描画レジスト、あるいは、g線、i線、波長248nmのKrFエキシマレーザ光、波長193nmのArFエキシマレーザ光により感光する性質を持つものを用いる磁気ヘッドの製造方法。
  14. 下部シールド膜上に、磁気抵抗効果膜を形成する第1工程と、
    前記磁気抵抗効果膜の上に、第1と第2と第3レジスト膜を形成する第2工程と、
    前記第1と第2と第3レジスト膜をパターニングする第3工程と、
    前記パターニングされた前記第1と第2と第3レジスト膜を用いて、前記磁気抵抗効果膜をエッチングする第4工程と、
    前記第4工程後、絶縁膜と磁区制御膜とを形成する第5工程と、
    前記第5工程後、前記第1と第2と第3レジスト膜をリフトオフ法により除去する第6工程と、
    前記第6工程後、上部シールド膜を形成する工程とを有する磁気ヘッドの製造方法。
  15. 請求項14に記載の磁気ヘッドの製造方法において、
    前記第1レジスト膜は前記磁気抵抗効果膜と前記第2レジスト膜との間に配置され、
    前記第2レジスト膜は前記第1と第3レジスト膜との間に配置され、
    前記第3レジスト膜は前記第2レジスト膜の上に配置され、
    前記第3工程は、前記第3レジスト膜をパターニングする第7工程と、
    前記パターニングされた前記第3レジスト膜をマスクにして前記第2と第1レジスト膜をエッチングする第8工程と、
    前記第8工程後、前記第1レジスト膜をさらにエッチングする第9工程とを有する磁気ヘッドの製造方法。
  16. 請求項15に記載の磁気ヘッドの製造方法において、
    前記第9工程において、前記第1レジスト膜は前記第2レジスト膜よりも面積が小さくなるようにエッチングされる磁気ヘッドの製造方法。
  17. 請求項16に記載の磁気ヘッドの製造方法において、
    前記第1レジスト膜はPMGI膜であり、
    前記第2レジスト膜は前記第1と第3レジスト膜をミキシングさせない有機膜が用いられ、
    前記第9工程において、アルカリ性水溶液のレジスト現像液が用いられる磁気ヘッドの製造方法。
  18. 請求項17に記載の磁気ヘッドの製造方法において、
    前記磁気抵抗効果膜はGMR膜、あるいはTMR膜である磁気ヘッドの製造方法。
  19. 請求項17に記載の磁気ヘッドの製造方法において、
    前記第9工程においてエッチングするために用いられる現像液は、前記第7工程において用いられる現像液より薄い濃度である磁気ヘッドの製造方法。
  20. 請求項16に記載の磁気ヘッドの製造方法において、
    前記第8工程において、前記第3レジストがエッチングされる磁気ヘッドの製造方法。
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