JP2006195283A - 赤外線レーザー対応ポジ型平版印刷版原版 - Google Patents

赤外線レーザー対応ポジ型平版印刷版原版 Download PDF

Info

Publication number
JP2006195283A
JP2006195283A JP2005008164A JP2005008164A JP2006195283A JP 2006195283 A JP2006195283 A JP 2006195283A JP 2005008164 A JP2005008164 A JP 2005008164A JP 2005008164 A JP2005008164 A JP 2005008164A JP 2006195283 A JP2006195283 A JP 2006195283A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
group
alkali
lithographic printing
recording layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005008164A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4369375B2 (ja
Inventor
Kotaro Watanabe
孝太郎 渡邉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2005008164A priority Critical patent/JP4369375B2/ja
Publication of JP2006195283A publication Critical patent/JP2006195283A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4369375B2 publication Critical patent/JP4369375B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C1/00Forme preparation
    • B41C1/10Forme preparation for lithographic printing; Master sheets for transferring a lithographic image to the forme
    • B41C1/1008Forme preparation for lithographic printing; Master sheets for transferring a lithographic image to the forme by removal or destruction of lithographic material on the lithographic support, e.g. by laser or spark ablation; by the use of materials rendered soluble or insoluble by heat exposure, e.g. by heat produced from a light to heat transforming system; by on-the-press exposure or on-the-press development, e.g. by the fountain of photolithographic materials
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C2210/00Preparation or type or constituents of the imaging layers, in relation to lithographic printing forme preparation
    • B41C2210/02Positive working, i.e. the exposed (imaged) areas are removed
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C2210/00Preparation or type or constituents of the imaging layers, in relation to lithographic printing forme preparation
    • B41C2210/22Preparation or type or constituents of the imaging layers, in relation to lithographic printing forme preparation characterised by organic non-macromolecular additives, e.g. dyes, UV-absorbers, plasticisers

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)

Abstract

【課題】 溶解ディスクリが大きく現像ラチチュードに優れると共に、耐キズ性にも優れた赤外線レーザ対応ポジ型平版印刷版原版を提供すること。
【解決手段】 本発明の赤外線レーザ対応ポジ型平版印刷版原版は、親水性表面を有する支持体上に、(A)水不溶且つアルカリ可溶性樹脂、(B)赤外線吸収剤、及び(C)下記一般式(1)で表されるスルホニウム塩を含有し、赤外線レーザの露光によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が増大する記録層を有することを特徴とする。
【化1】
Figure 2006195283

[一般式(1)中、R1及びR2は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、又はアリール基を表し、Arは、酸又は熱の作用により分解することでヒドロキンル基及び/又はカルボキシル基へ変換する基を、少なくとも1つ置換基として有する芳香族炭化水素基を表す。X-は強酸残基を示す。なお、R1とR2とが互いに結合して環状構造を形成してもよい。]
【選択図】なし

Description

本発明は赤外線レーザー対応ポジ型平版印刷版原版に関し、特に、コンピュータ等のデジタル信号に基づいて赤外線レーザを走査することにより直接製版できる、いわゆるダイレクト製版可能な平版印刷版原版に関する。
近年におけるレーザの発展は目ざましく、特に近赤外から赤外に発光領域を持つ固体レーザ・半導体レーザは高出力かつ小型の物が容易に入手できるようになっている。コンピュータ等のディジタルデータから直接製版する際の露光光源として、これらのレーザは非常に有用である。
このような赤外線レーザ対応ポジ平版印刷版原版における記録層は、アルカリ水溶液可溶性のバインダー樹脂と、該バインダー樹脂との相互作用によりバインダー樹脂の溶解性を実質的に低下させる溶解阻止剤と、光を吸収し熱を発生する赤外線吸収染料等の光熱変換剤と、を含有することが好ましい。これらの光熱変換剤の中でも、特に、シアニン染料は、上記溶解阻止剤としての機能をも有することから、赤外線レーザ対応の記録層の光熱変換剤として好適に用いられる。
しかしながら、このような赤外線レーザ対応の記録層では、様々な使用条件における未露光部(画像部)の現像液に対する耐溶解性と、露光部(非画像部)の溶解性との間の差(ディスクリミネーション;以下、溶解ディスクリと称する。)が未だ十分とは言えず、使用条件の変動による現像過剰や現像不良が起きやすいという問題があった。
上記の問題に対して、アルカリ水溶液可溶性のバインダー樹脂の大部分がノボラック樹脂で形成されている感光性組成物(例えば、特許文献1参照。)を用いることで、溶解ディスクリを向上させる技術が知られている。このノボラック樹脂は、フェノール性水酸基同士の水素結合、或いは、感光性組成物内に含有されている他添加剤(例えば、溶解阻止剤)との相互作用等により、未露光郡では現像液に対する溶解性が抑制され、露光部では熱により溶解性が増大することで、溶解ディスクリが拡大することとなる。
また、溶解阻止剤として、非常に高い溶解抑制能を有するスルホニウム塩、ヨードニウム塩などのオニウム塩系化合物を用いることにより、画像部の耐アルカリ現像性が向上して、結果的に、溶解ディスクリ(画像コントラスト)を拡大させる方法も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
これらの方法により、溶解ディスクリの拡大に関して一定の成果は得られたものの、実用上、溶解ディスクリの拡大については未だ改良の余地があり、現像安定性(現像ラチチュード)に関する一層の改良が望まれている。
一方、上記の方法を適用したポジ型の記録層においては、取扱い時に記録層表面に触れる等によりわずかに表面状態が変動した場合に、未露光部(画像部)における溶解抑制能が低下してしまい、高pHのアルカリ水溶液による現像時にその画像部が溶解してキズ跡状となり、耐刷の劣化や着肉性不良を引き起こすという問題があった。
この問題に対し、耐キズ性の向上を目的として、記録層中に低分子量のワックスを添加する方法(例えば、特許文献3参照)や、記録層上に保護層を設ける方法が提案されている。しかし、これらの方法では、記録層の感度が低下したり、また、ワックスや保護層が現像時に溶けのこり、印刷時に汚れが発生する原因となるという問題を有していた。
欧州特許出願公開第823327A2号明細書 日本国特許2577718号明細書 特開2000−35666号公報
本発明は、前記従来における技術的問題点を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の目的は、溶解ディスクリが大きく現像ラチチュードに優れると共に、耐キズ性にも優れた赤外線レーザ対応ポジ型平版印刷版原版を提供することにある。
本発明者らは鋭意研究の結果、記録層中に、保護基で保護された酸基を有するスルホニウム塩を添加することにより、上記目的が達成されること見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の赤外線レーザ対応ポジ型平版印刷版原版は、親水性表面を有する支持休上に、(A)水不溶且つアルカリ可溶性樹脂、(B)赤外線吸収剤、及び(C)下記一般式(1)で表されるスルホニウム塩を含有し、赤外線レーザの露光によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が増大する記録層を有することを特徴とする。
Figure 2006195283
[一般式(1)中、R1及びR2は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、又はアリール基を表し、Arは、酸又は熱の作用により分解することでヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基へ変換する基を、少なくとも1つ置換基として有する芳香族炭化水素基を表す。X-は強酸残基を示す。なお、R1とR2とが互いに結合して環状構造を形成してもよい。]
本発明における記録層は、単層でもよく、また、それぞれの構成成分が異なる複数の層からなる重層構造であってもよい。重層構造の記録層の場合には、最上層に上記スルホニウム塩が添加される態様が添加効果発現の観点から好ましい。
本発明の作用は明確ではないが、以下のように推測される。
本発明における記録層に含有されるスルホニウム塩は、その構造内に、酸又は熱の作用により分解することでヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基へ変換する基(以下、適宜、保護酸基と称する。)を有する。つまり、この基は、酸基が分解性の保護基によりキャップ(保護)されている状態を意味する。このような保護酸基を有するスルホニウム塩を含有する記録層において、未露光部(画像部)は、オニウム塩化合物の優れた溶解抑制能により膜強度が向上し、且つ、酸基が保護されていることにより耐アルカリ溶解性に優れるものと思われる。このため、本発明の平版印刷版原版は、取り扱い時などに記録層の表面状態が変動してしまっても、その変動領域においてもアルカリ現像液による溶解が効果的に抑制されるため、画像欠陥を引き起こすようなキズ跡が形成され難くなると推測される。
一方、露光部(非画像部)は、露光による熱エネルギー及び/又はスルホニウム塩の分解により発生する酸により保護基が分解してヒドロキシル基やカルボキシル基となり、これらの酸基が本来有する優れた溶解性が発現するため、アルカリ現像液に対する高い現像性が確保できるものと思われる。このように、本発明の平版印刷版原版では、未露光部の優れた膜強度と露光部の優れた現像性とが両立し、その結果、溶解ディスクリが拡大するものと推測される。
本発明によれば、溶解ディスクリが大きく現像ラチチュードに優れると共に、耐キズ性にも優れた赤外線レーザー対応ポジ型平版印刷版原版を提供することができる。
以下、本発明の赤外線レーザー対応ポジ型平版印刷版原版(以下、単に「平版印刷版原版」と称する場合がある。)について詳細に説明する。
本発明の平版印刷版原版は、親水性表面を有する支持体上に、(A)水不溶且つアルカリ可溶性樹脂、(B)赤外線吸収剤、及び(C)下記一般式(1)で表されるスルホニウム塩(以下、適宜、特定スルホニウム塩を称する。)を含有し、赤外線レーザの露光によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が増大する記録層を有することを特徴とする。
本発明における記録層は、その層構成に特に制限はなく、単層構造であっても、それぞれの構成成分が異なる複数の層からなる重層構造であってもよい。記録層が重層構造の場合には、上記特定高分子化合物は、いずれの層に含まれていてもよいが、特に、最上層に特定スルホニウム塩が添加される態様が添加効果発現の観点から好ましい。
まず、本発明の平版印刷版原版における記録層を構成する各成分について説明する。
〔(C)特定スルホニウム塩〕
本発明における記録層を構成する特定スルホニウム塩は、下記一般式(1)で表される構造を有する。
Figure 2006195283
上記一般式(1)において、R1及びR2は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、又はアリール基を表し、中でも、特に、R1及びR2のいずれもがアリール基であることが好ましい。
前記R1及びR2で表されるアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基が挙げられ、中でも、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基が好ましい。これらのアルキル基は更に置換基を有してしてもよい。
前記R1及びR2で表されるシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、アダマンチル基、ノルボニル基、ボロニル基等が挙げられ、中でも、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましい。これらのシクロアルキル基は更に置換基を有してしてもよい。
前記R1及びR2で表されるアラルキル基としては、好ましくは炭素数7〜12のアラルキル基であり、例えば、ベンジル基、フェネチル基、クミル基等が挙げられ、中でも、フェネチル基が好ましい。これらのアラルキル基は更に置換基を有してしてもよい。
前記R1及びR2で表されるアリール基としては、好ましくは炭素数6〜18のアリール基であり、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられ、中でも、フェニル基、ナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。これらのアリール基は更に置換基を有してしてもよい。
なお、R1とR2とが互いに結合して、S+と共に環状構造を形成してもよい。この場合、R1とR2とが結合して形成する基としては、例えば、炭素数4〜10のアルキレン基、好ましくは、ブチレン基、ペンチレン基、へキシレン基、特に好ましくはブチレン基、ペンチレン基を挙げることができる。
また、R1とR2とが互いに結合してS+と共に形成した環状構造の中に、ヘテロ原子を含んでいてもよい。
また、上記一般式(1)におけるArは、酸又は熱の作用により分解することでヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基へ変換する基を、少なくとも1つ置換基として有する芳香族炭化水素基を表す。
まず、酸又は熱の作用により分解することでヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基へ変換する基について説明する。この基は、ヒドロキンル基及び/又はカルボキシル基の酸基が分解性の保護基によりキャップ(保護)されている構造を有し、その保護基が分解することで、酸基が表れる特性を有する。以下、このような基を保護酸基と称して説明する。
本発明における保護酸基は、−O−R、又は、−COO−R’の構造を有する。ここで、R及びR’は保護基である。この保護基としては、有機合成の分野で慣用であるヒドロキシル基の保護基及びカルボキシル基の保護基を用いることができる。具体的には、“Protective Groups In Organic Synthesis(Second Edition)”,Theodora W.Greene,Peter G.M.Wuts著、John Wiley & Sons inc.出版、1991のp143〜p276に記載の保護基が用いられる。
より具体的には、上記の保護基R及びR’は、下記の末端基から構成されるか、又は、下記の連結基と末端基とを組み合わせて構成される。なお、保護基R及びR’が、連結基と末端基とを組み合わせて構成される場合、その組み合わせは任意であり、また、連結基や末端基を複数組み合わせてもよい。
保護基を構成する連結基としては、直鎖、分岐或いは環状のアルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、ヘテロアリーレン基、又はアラルキレン基、−O−、−S−、−C(=O)−、−N(R4)−、−SO−、−SO2−、−CO2−、−N(R4)SO2−、−P<、−P(=O)<、−P(=S)<が挙げられる。ここでR4は、水素原子又はアルキル基(アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基が挙げられる。)である。
また、保護基を構成する末端基としては、直鎖、分岐或いは環状のアルキル基、アルケニル基、アリール基、複素環基、縮合環基、アラルキル基、アミノ基、又はトリアルキルシリル基が挙げられる。
なお、これらの連結基及び末端基は、構造によっては更に置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ホルミル基、アミノ基、ニトロ基、ハロゲン化アルキル基等が挙げられる。
上記の直鎖、分岐或いは環状のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、1,4−ブチレン基、1,4−シクロヘキシレン基等の炭素数1〜10個のものを挙げることができる。
上記のアリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基等を挙げることができる。
上記のアラルキレン基としては、トルイレン基、キシリレン基、フェネチレン基等を挙げることができる。
上記のヘテロアリーレン基としては、下記式(A1)〜(A4)で示される構造において2価の基になったものが挙げられる。
Figure 2006195283
上記式(A1)〜(A3)中、Xは、酸素原子、イオウ原子、又は−NH−を表し、Y1〜Y6は、各々独立に、−CH=若しくは−N=を表し、式(A3)において、Y1〜Y6のうち少なくとも一つは−N=を表す。
上記式(A4)中、Y7〜Y14は、各々独立に、−CH=若しくは−N=を表し、Y7〜Y14のうち少なくとも一つは−N=を表す。
これらの保護基は、酸又は熱の作用により分解する。保護基の分解の態様について、以下に示す。
一般に、光照射により酸を発生する化合物(PAG:Photo Acid Generator)と酸分解基で保護した化合物とを組合せた化学増幅系のレジストは、酸による分解反応が熱的に増幅されることで高感度化が期待できる。本発明における特定スルホニウム塩では、光照射により酸を発生する化合物がアニオン部であり、酸分解基で保護した化合物がカチオン部に相当する。このことから、この特定スルホニウム塩を含有する記録層が赤外線レーザーにより露光されると、露光による熱エネルギーによりアニオン部から酸が発生し、その酸により酸分解基(保護基)が分解して、脱保護され、カルボキシル基やヒドロキシル基が発現する。すなわち、本発明においては、保護基の分解機構は酸による加水分解となる。なお、熱による保護基の分解は、酸による分解のしやすさに比例するため、その分解機構は酸による分解機構と同じであると考えられる。
また、上記の保護酸基を置換基として有する芳香族炭化水素基は、好ましくは炭素数6〜18のアリール基であり、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等を挙げることができ、フェニル基、ナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。
また、保護酸基は、上記芳香族炭化水素基の芳香族環上に少なくとも1つ置換していればよく、また、1つの芳香族環上に複数の保護酸基が置換していてもよい。
また、上記一般式(1)におけるX-は強酸残基を表す。この強酸残基としては、例えば、ハロゲンイオン(フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン)や、スルホン酸化合物、カルボン酸化合物、無機酸化合物等に由来する残基が挙げられる。このような化合物は、pKa<5であることが好ましい。
上記X-で表される強酸残基において、無機酸化合物の残基としては、ハロゲン化物アニオン、HS04 -、及びハロゲン含有錯アニオン、例えば、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフェート、ヘキサフルオロアーセネート、及びヘキサフルオロアンチモネートである。これらの中でも、好ましくは、フッ素原子を含む無機酸化合物に由来する強酸残基が挙げられる。フッ素原子を含む無機酸化合物の具体例としては、例えば、テトラフルオロホウ酸、テトラフルオロアルミン酸、テトラフルオロ鉄酸、テトラフルオロガリウム酸、ヘキサフルオロリン酸、ヘキサフルオロヒ素酸、ヘキサフルオロアンチモン酸、ヘキサフルオロケイ素酸、ヘキサフルオロニッケル酸、ヘキサフルオロチタン酸、ヘキサフルオロジルコン酸等が挙げられ、中でも、ヘキサンルオロリン酸、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロアンチモン酸等が好ましい。
上記X-で表される強酸残基の由来となるスルホン酸化合物の具体例としては、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、ヘプタンスルホン酸、オクタンスルホン酸、ノナンスルホン酸、デカンスルホン酸、ウンデカンスルホン酸、ドデカンスルホン酸、トリデカンスルホン酸、テトラデカンスルホン酸、ペンタデカンスルホン酸、ヘキサデカンスルホン酸、ヘプタデカンスルホン酸、オクタデカンスルホン酸、ノナデカンスルホン酸、イコサンスルホン酸、ヘンイコサンスルホン酸、ドコサンスルホン酸、トリコサンスルホン酸、テトラコンサンスルホン酸等のアルキルスルホン酸;
例えば、フルオロメタンスルホン酸、ジフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、クロロメタンスルホン酸、ジクロロメタンスルホン酸、トリクロロメタンスルホン酸、ブロモメタンスルホン酸、ジブロモメタンスルホン酸、トリブロモメタンスルホン酸、ヨードメタンスルホン酸、ジヨードメタンスルホン酸、トリヨードメタンスルホン酸、フルオロエタンスルホン酸、ジフルオロエタンスルホン酸、トリフルオロエタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、クロロエタンスルホン酸、ジクロロエタンスルホン酸、トリクロロエタンスルホン酸、ペンタクロロエタンスルホン酸、トリブロモエタンスルホン酸、ペンタブロモエタンスルホン酸、トリヨードエタンスルホン酸、ペンタヨードエタンスルホン酸、フルオロプロパンスルホン酸、トリフルオロプロパンスルホン酸、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸、クロロプロパンスルホン酸、トリクロロプロパンスルホン酸、ヘプタクロロプロパンスルホン酸、ブロモプロパンスルホン酸、トリブロモプロパンスルホン酸、ヘプタブロモプロパンスルホン酸、トリヨードプロパンスルホン酸、ヘプタヨードプロパンスルホン酸、トリフルオロブタンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、トリクロロブタンスルホン酸、ノナクロロブタンスルホン酸、トリブロモブタンスルホン酸、ノナブロモブタンスルホン酸、トリヨードブタンスルホン酸、ノナヨードブタンスルホン酸、
トリフルオロペンタンスルホン酸、パーフルオロペンタンスルホン酸、トリクロロペンタンスルホン酸、パークロロペンタンスルホン酸、トリブロモペンタンスルホン酸、パーブロモペンタンスルホン酸、トリヨードペンタンスルホン酸、パーヨードペンタンスルホン酸、トリフルオロヘキサンスルホン酸、パーフルオロヘキサンスルホン酸、トリクロロヘキサンスルホン酸、パークロロヘキサンスルホン酸、パーブロモヘキサンスルホン酸、パーヨードヘキサンスルホン酸、トリフルオロヘプタンスルホン酸、パーフルオロヘプタンスルホン酸、トリクロロヘプタンスルホン酸、パークロロヘプタンスルホン酸、パーブロモヘプタンスルホン酸、パーヨードヘプタンスルホン酸、トリフルオロオクタンスルホン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸、トリクロロオクタンスルホン酸、パークロロオクタンスルホン酸、パーブロモオクタンスルホン酸、パーヨードオクタンスルホン酸、トリフルオロノナンスルホン酸、パーフルオロノナンスルホン酸、トリクロロノナンスルホン酸、パークロロノナンスルホン酸、パーブロモノテンスルホン酸、パーヨードノナンスルホン酸、トリフルオロデカンスルホン酸、パーフルオロデカンスルホン酸、トリクロロデカンスルホン酸、パークロロデカンスルホン酸、パーブロモデカンスルホン酸、パーヨードデカンスルホン酸、トリフルオロウンデカンスルホン酸、パーフルオロウンデカンスルホン酸、トリクロロウンデカンスルホン酸、パークロロウンデカンスルホン酸、パーブロモウンデカンスルホン酸、バーヨードウンデカンスルホン酸、トリフルオロドデカンスルホン酸、パーフルオロドデカンスルホン酸、トリクロロドデカンスルホン酸、パークロロドデカンスルホン酸、パーブロモドデカンスルホン酸、パーヨードドデカンスルホン酸、トリフルオロトリデカンスルホン酸、パーフルオロトリデカンスルホン酸、トリクロロトリデカンスルホン酸、パークロロトリデカンスルホン酸、パーブロモトリデカンスルホン酸、パーヨードトリデカンスルホン酸、
トリフルオロテトラデカンスルホン酸、パーフルオロテトラデカンスルホン酸、トリクロロテトラデカンスルホン酸、パークロロテトラデカンスルホン酸、パーブロモテトラデカンスルホン酸、パーヨードテトラデカンスルホン酸、トリフルオロペンタデカンスルホン酸、パーフルオロペンタデカンスルホン酸、トリクロロペンタデカンスルホン酸、パークロロペンタデカンスルホン酸、パーブロモペンタデカンスルホン酸、パーヨードペンタデカンスルホン酸、パーフルオロヘキサデカンスルホン酸、パークロロヘキサデカンスルホン酸、パーブロモヘキサデカンスルホン酸、パーヨードヘキサデカンスルホン酸、パーフルオロヘプタデカンスルホン酸、パークロロヘプタデカンスルホン酸、パーブロモへプタデカンスルホン酸、パーヨードヘプタデカンスルホン酸、パーフルオロオクタデカンスルホン酸、バークロロオクタデカンスルホン酸、パープロモオクタデカンスルホン酸、パーヨードオクタデカンスルホン酸、パーフルオロノナデカンスルホン酸、パークロロノナデカンスルホン酸、パーブロモノナデカンスルホン酸、パーヨードノナデカンスルホン酸、パーフルオロイコサンスルホン酸、パークロロイコサンスルホン酸、パーブロモイコサンスルホン酸、パーヨードイコサンスルホン酸、パーフルオロヘンイコサンスルホン酸、パークロロヘンイコサンスルホン酸、パーブロモヘンイコサンスルホン酸、パーヨードヘンイコサンスルホン酸、パーフルオロドコサンスルホン酸、パークロロドコサンスルホン酸、パーブロモドコサンスルホン酸、バーヨードドコサンスルホン酸、パーフルオロトリコサンスルホン酸、パークロロトリコサンスルホン酸、パーブロモトリコサンスルホン酸、パーヨードトリコサンスルホン酸、パーフルオロテトラコンサンスルホン酸、パークロロテトラコンサンスルホン酸、パーブロモテトラコンサンスルホン酸、パーヨードテトラコンサンスルホン酸等のハロアルキルスルホン酸;
例えば、シクロペンタンスルホン酸、シクロヘキサンスルホン酸等のシクロアルキルスルホン酸;
例えば、2−フルオロシクロペンタンスルホン酸、2−クロロシクロペンタンスルホン酸、2−ブロモシクロペンタンスルホン酸、2−ヨードシクロペンタンスルホン酸、3−フルオロシクロペンタンスルホン酸、8−クロロシクロペンタンスルホン酸、3−ブロモシクロペンタンスルホン酸、3−ヨードシクロペンタンスルホン酸、3,4−ジフルオロシクロペンタンスルホン酸、3,4−ジクロロシクロペンタンスルホン酸、3,4−ジブロモシクロペンタンスルホン酸、3,4−ジヨードシクロペンタンスルホン酸、4−フルオロシクロヘキサンスルホン酸、4−クロロシクロヘキサンスルホン酸、4−ブロモシクロヘキサンスルホン酸、4−ヨードシクロヘキサンスルホン酸、2,4−ジフルオロシクロヘキサンスルホン酸、2,4−ジクロロシクロヘキサンスルホン酸、2,4−ジブロモシクロヘキサンスルホン酸、2,4−ジヨードシクロヘキサンスルホン酸、2,4,6−トリフルオロシクロヘキサンスルホン酸、2,4,6−トリクロロシクロヘキサンスルホン酸、2,4,6−トリブロモシクロヘキサンスルホン酸、2,4,6−トリヨードシクロヘキサンスルホン酸、テトラフルオロシクロヘキサンスルホン酸、テトラクロロシクロヘキサンスルホン酸、テトラブロモシクロヘキサンスルホン酸、テトラヨードシクロヘキサンスルホン酸等のハロゲン化シクロアルキルスルホン酸;
例えば、ベンゼンスルホン酸、ナンタレンスルホン酸、アントラセンスルホン酸、フェナントレンスルホン酸、ピレンスルホン酸等の芳香族スルホン酸;
例えば、2−フルオロベンゼンスルホン酸、3−フルオロベンゼンスルホン酸、4−フルオロベンゼンスルホン酸、2−クロロベンゼンスルホン酸、3−クロロベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ブロモベンゼンスルホン酸、3−プロモベンゼンスルホン酸、4−ブロモベンゼンスルホン酸、2−ヨードベンゼンスルホン酸、4−ヨードベンゼンスルホン酸、2,4−ジフルオロベンゼンスルホン酸、2,6−ジフルオロベンゼンスルホン酸、2,4−ジクロロベンゼンスルホン酸、2,6−ジクロロベンゼンスルホン酸、2,4−ジブロモベンゼンスルホン酸、2,6−ジブロモベンゼンスルホン酸、2,4−ジヨードベンゼンスルホン酸、2,6−ジヨードベンゼンスルホン酸、2,4,6−トリフルオロベンゼンスルホン酸、3,4,5−トリフルオロベンゼンスルホン酸、2,4,6−トリクロロベンゼンスルホン酸、3,4,5−トリクロロベンゼンスルホン酸、2,4,6−トリブロモベンゼンスルホン酸、3,4,5−トリブロモベンゼンスルホン酸、2,4,6−トリヨードベンゼンスルホン酸、3,4,5−トリヨードベンゼンスルホン酸、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸、ペンタクロロベンゼンスルホン酸、ペンタブロモベンゼンスルホン酸、ペンタヨードベンゼンスルホン酸、フルオロナフタレンスルホン酸、クロロナフタレンスルホン酸、ブロモナフタレンスルホン酸、ヨードナフタレンスルホン酸、フルオロアントラセンスルホン酸、クロロアントラセンスルホン酸、ブロモアントラセンスルホン酸、ヨードアントンセンスルホン酸等のハロゲン化芳香接スルホン酸;
例えば、p−トルエンスルホン酸、4−イソプロピルベンゼンスルホン酸、3,5−ビス(トリメチル)ベンゼンスルホン酸、3,5−ビス(イソプロピル)ベンゼンスルホン酸、2,4,6−トリス(トリメチル)ベンゼンスルホン酸、2,4,6−トリス(イソプロピル)ベンゼンスルホン酸等のアルキル芳香族スルホン酸;
例えば、2−トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸、2−トリクロロメチルベンゼンスルホン酸、2−トリブロモメチルベンゼンスルホン酸、2−トリヨードメチルベンゼンスルホン酸、3−トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸、3−トリクロロメチルベンゼンスルホン酸、3−トリブロモメチルベンゼンスルホン酸、3−トリヨードメチルベンゼンスルホン酸、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホン酸、4−トリクロロメチルベンゼンスルホン酸、4−トリブロモメチルベンゼンスルホン酸、4−トリヨードメチルベンゼンスルホン酸、2,6−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホン酸、2,6−ビス(トリクロロメチル)ベンゼンスルホン酸、2,6−ビス(トリブロモメチル)ベンゼンスルホン酸、2,6−ビス(トリヨードメチル)ベンゼンスルホン酸、3,5−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼンスルホン酸、3,5−ビス(トリクロロメチル)ベンゼンスルホン酸、3,5−ビス(トリブロモメチル)ベンゼンスルホン酸、3,5−ビス(トリヨードメチル)ベンゼンスルホン酸等のハロゲン化アルキル芳香族スルホン酸;
例えば、ベンジルスルホン酸、フェネチルスルホン酸、フェニルプロピルスルホン酸、フェニルブチルスルホン酸、フェニルペンチルスルホン酸、フェニルヘキシルスルホン酸、フェニルヘプチルスルホン酸、フェニルオクチルスルホン酸、フェニルノニルスルホン酸等の芳香脂肪族スルホン酸;
例えば、4−フルオロフェニルメチルスルホン酸、4−クロロフェニルメチルスルホン酸、4−ブロモフェニルメチルスルホン酸、4−ヨードフェニルメチルスルホン酸、テトラフルオロフェニルメチルスルホン酸、チトラクロロフェニルメチルスルホン酸、テトラブロモフェニルメチルスルホン酸、テトラヨードフェニルメチルスルホン酸、4−フルオロフェニルエチルスルホン酸、4−クロロフェニルエチルスルホン酸、4−ブロモフェニルエチルスルホン酸、4−ヨードフェニルエチルスルホン酸.4−フルオロフェニルプロピルスルホン酸、4−クロロフェニルプロピルスルホン酸、4−ブロモフェニルプロピルスルホン酸、4−ヨードフェニルプロピルスルホン酸、4−フルオロフェニルブチルスルホン酸、4−クロロフェニルブチルスルホン酸、4−ブロモフェニルブチルスルホン酸、4−ヨードフェニルブチルスルホン酸等のハロゲン化芳香脂肪族スルホン酸;
例えば、カンファースルホン酸、アダマンタンカルボン酸等の脂環式スルホン酸;等が挙げられる。
中でも、入手性、製造適性の面から、トリフルオロメタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸が特に好ましい。
上記X-で表される強酸残基の由来となるカルボン酸化合物の具体例としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバル酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ラウリル酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、イコサン酸、ヘンイコサン酸、ドコサン酸、トリコサン酸等の脂肪族不飽和カルボン酸;
例えば、フルオロ酢酸、クロロ酢酸、ブロモ酢酸、ヨード酢酸、ジフルオロ酢酸、ジクロロ酢酸、ジブロモ酢酸、ジヨード酢酸、トリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリブロモ酢酸、トリヨード酢酸、2−フルオロプ口ピオン酸、2−クロロプロピオン酸、2−ブロモプロピオン酸、2−ヨードプロピオン酸、トリフルオロプロピオン酸、トリクロロプロピオン酸、ペンタフルオロプロピォン酸、ペンタクロロプロピオン酸、ペンタブロモプ口ピオン酸、ペンタヨードプロピオン酸、2,2−ビス(トリフルオロメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(トリクロロメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(トリブロモメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(トリヨードメチル)プロピオン酸、トリフルオロ酪酸、トリクロロ酪酸、ペンタフルオロ酪酸、ヘプタクロロ酪酸、ヘプタフルオロ酪酸、へプタブロモ酪酸、ヘプタヨード酪酸、ヘプタフルオロイソ酪酸、ヘプタクロロイソ酪酸、ヘプタブロモイソ酪酸、ヘプタヨードイソ酪酸、トリフルオロ吉草酸、5H−パーフルオロ吉草酸、5H−パークロロ吉草酸、5H−パープロモ吉草酸、5H−パーヨード吉草酸、ノナフルオロ吉草酸、ノナクロロ吉草酸、ノナブロモ吉草酸、ノナヨード吉草酸、トリフルオロヘキサン酸、トリクロロヘキサン酸、パーフルオロヘキサン酸、パークロロヘキサン酸、パーブロモヘキサン酸、パーヨードヘキサン酸、7−クロロドデカフルオロヘプタン酸、7−クロロドデカクロロヘプタン酸、7−クロロドデカブロモヘプタン酸、7−クロロドデカヨードヘプタン酸、トリフルオロヘプタン酸、トリクロロヘプタン酸、7H−パーフルオロヘプタン酸、7H−パークロロヘプタン酸、7H−パーブロモヘプタン酸、7H−パーヨードヘプタン酸、
トリフルオロオクタン酸、トリクロロオクタン酸、ペンタデカフルオロオクタン酸、ペンタデカクロロオクタン酸、ペンタデカブロモオクタン酸、ペンタデ力ヨードオクタン酸、トリフルオロノナン酸、トリクロロノナン酸、9H−ヘキサデカフルオロノナン酸、9H−ヘキサデカクロロノナン酸、9H−ヘキサデカブロモノナン酸、9H−ヘキサデカヨードノナン酸、パーフルオロノナン酸、パークロロノナン酸、パーブロモノナン酸、パーヨードノナン酸、トリフルオロデカン酸、トリクロロデカン酸、ノナデカフルオロデカン酸、ノナデカクロロデカン酸、ノナデカブロモデカン酸、ノナデカヨードデカン酸、トリフルオロウンデカン酸、トリクロロウンデカン酸、パーフルオロウンデカン酸、パークロロウンデカン酸、パーブロモウンデカン酸、パーヨードウンデカン酸、トリフルオロドデカン酸、トリクロロドデカン酸、パーフルオロドデカン酸、パークロロドデカン酸、パーブロモドデカン酸、パーヨードドデカン酸、トリフルオロトリデカン酸、トリクロロトリデカン酸、パーフルオロトリデカン酸、パークロロトリデカン酸、パーブロモトリデカン酸、パーヨードトリデカン酸、トリフルオロテトラデカン酸、トリクロロテトラデカン酸、パーフルオロテトラデカン酸、パークロロテトラデカン酸、パーブロモテトラデカン酸、パーヨードテトラデカン酸、トリフルオロペンタデカン酸、トリクロロペンタデカン酸、パーフルオロペンタデカン酸、パークロロペンタデカン酸、パーブロモペンタデカン酸、パーヨードペンタデカン酸、パーフルオロヘキサデカン酸、パークロロヘキサデカン酸、パーブロモヘキサデカン酸、パーヨードヘキサデカン酸、パーフルオロヘブタデカン酸、パークロロヘプタデカン酸、パーブロモヘプタデカン酸、パーヨードヘプタデカン酸、パーフルオロオクタデカン酸、パークロロオクタデカン酸、パーブロモオクタデカン酸、パーヨードオクタデカン酸、パーフルオロノナデカン酸、パークロロノナデカン酸、パーブロモノナデカン酸、パーヨードノナデカン酸、パーフルオロイコサン酸、パークロロイコサン酸、パーブロモイコサン酸、バーヨードイコサン酸、パーフルオロヘンイコサン酸、パークロロヘンイコサン酸、パーブロモヘンイコサン酸、パーヨードヘンイコサン酸、パーフルオロドコサン酸、パークロロドコサン酸、パーブロモドコサン酸、パーヨードドコサン酸、パーフルオロトリコサン酸、パークロロトリコサン酸、パーブロモトリコサン酸、パーヨードトリコサン酸等のハロゲン化飽和脂肪酸カルボン酸;
例えば、グリコール酸、乳酸、グリセリン酸、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸等のヒドロキシ脂肪族カルボン酸;
例えば、3−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)プロピオン酸、3−ヒドロキシ−2−(トリクロロメチル)プロピオン酸、3−ヒドロキシ−2−(トリブロモメチル)プロピオン酸、3−ヒドロキシ−2−(トリヨードメチル)プロピオン酸、2−ヒドロキシ−2−(トリフルオロメチル)酪酸、2−ヒドロキシ−2−(トリクロロメチル)酪酸、2−ヒドロキシ−2−(トリブロモメチル)酪酸、2−ヒドロキシ−2−(トリヨードメチル)酪酸等のハロゲン化とドロキン脂肪族カルボン酸;
例えば、シクロヘキサンカルボン酸、樟脳酸、アダマンタン酸等の脂環式カルボン酸;
例えば、4−フルオロシクロヘキサンカルボン酸、4−クロロシクロヘキサンカルボン酸、4−ブロモシクロヘキサンカルボン酸、4−ヨードシクロヘキサンカルボン酸、ペンタフルオロシクロヘキサンカルボン酸、ペンタクロロシクロヘキサンカルボン酸、ペンタブロモシクロヘキサンカルボン酸、ペンタヨードシクロヘキサンカルボン酸、4−(トリフルオロメチル)シクロヘキサンカルボン酸、4−(トリクロロメチル)シクロヘキサンカルボン酸、4−(トリブロモメチル)シクロヘキサンカルボン酸、4−(トリヨードメチル)シクロヘキサンカルボン酸等のハロゲン化脂環式カルボン酸;
例えば、安息香酸、ナフトエ酸、アントラセンカルボン酸、ピレンカルボン酸、ピリレンカルボン酸、ペンタフェンカルボン酸等の芳香族カルボン酸;
例えば、フルオロ安息香酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸、ヨード安息香酸、ジフルオロ安息香酸、ジクロロ安息香酸、ジブロモ安息香酸、ジヨード安息香酸、トリフルオロ安息香酸、トリクロロ安息香酸、トリブロモ安息香酸、トリヨード安息香酸、テトラフルオロ安息香酸、テトラクロロ安息香酸、テトラブロモ安息香酸、テトラヨード安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、ペンタクロロ安息香酸、ペンタブロモ安息香酸、ペンタヨード安息香酸、フルオロナフトエ酸、クロロナフトエ酸、ブロモナフトエ酸、ヨードナフトエ酸、パーフルオロナフトエ酸、パークロロナフトエ酸、パーブロモナフトエ酸、パーヨードナフトエ酸、フルオロアントラセンカルボン酸、クロロアントラセンカルボン酸、ブロモアントンセンカルボン酸、ヨードアントラセンカルボン酸、パーフルオロアントラセンカルボン酸、パークロロアントラセンカルボン酸、パーブロモアントラセンカルボン酸、パーヨードアントラセンカルボン酸等のハロゲン化芳香族カルボン酸、ベンゾイル蟻酸;
例えば、トルイル酸、2,4,6−トリ(イソプロピル)安息香酸等のアルキル芳香族カルボン酸;
例えば、2−トリフルオロメチル安息香酸、2−トリクロロメチル安息香酸、2−トリブロモメチル安息香酸、2−トリヨードメチル安息香酸、3−トリフルオロメチル安息香酸、3−トリクロロメチル安息香酸、3−トリブロモメチル安息香酸、3−トリヨードメチル安息香酸、4−トリフルオロメチル安息香酸、4−トリクロロメチル安息香酸、4−トリブロモメチル安息香酸、4−トリヨードメチル安息香酸、2−フルオロ−4−(トリフルオロメチル)安息香酸、2−クロロ−4−(トリクロロメチル)安息香酸、2−ブロモ−4−(トリブロモメチル)安息香酸、2,3,4−トリフルオロ−6−(トリフルオロメチル)安息香酸、2,3,4−トリクロロ−6−(トリクロロメチル)安息香酸、2,3,4−トリブロモ−6−(トリブロモメチル)安息香酸、2,3,4−トリヨード−6−(トリヨードメチル)安息香酸、2−ヨード−4−(トリヨードメチル)安息香酸、2,4−ビス(トリフルオロメチル)安息香酸、2,4−ビス(トリクロロメチル)安息香酸、2,4−ビス(トリブロモメチル)安息香酸、2,4−ビス(トリヨードメチル)安息香酸、2,6−ビス(トリフルオロメチル)安息香酸、2,6−ビス(トリクロロメチル)安息香酸、2,6−ビス(トリブロモメチル)安息香酸、2,6−ビス(トリヨードメチル)安息香酸、3,5−ビス(トリフルオロメチル)安息香酸、3,5−ビス(トリクロロメチル)安息香酸、3,5−ビス(トリブロモメチル)安息香酸、3,5−ビス(トリヨードメチル)安息香酸、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)安息香酸、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)安息香酸、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)安息香酸、2,4,6−トリス(トリヨードメチル)安息香酸、2−クロロ−6−フルオロ−3−メチル安息香酸、トリフルオロメチルナフトエ酸、トリクロロメチルナフトエ酸、トリブロモメチルナフトエ酸、トリヨードメチルナフトエ酸、
ビス(トリフルオロメチル)ナフトエ酸、ビス(トリクロロメチル)ナフトエ酸、ビス(トリブロモメチル)ナフトエ酸、ビス(トリヨードメチル)ナフトエ酸、トリス(トリフルオロメチル)ナフトエ酸、トリス(トリクロロメチル)ナフトエ酸、トリス(トリブロモメチル)ナフトエ酸、トリス(トリヨードメチル)ナフトエ酸、トリフルオロメチルアントラセンカルボン酸、トリクロロメチルアントラセンカルボン酸、トリブロモメチルアントラセンカルボン酸、トリヨードメチルアントラセンカルボン酸等のハロアルキル芳香族カルボン酸;
例えば、アニス酸、ベルトラム酸、o−ベルトラム酸等のアルコキシ芳香族カルボン酸;
例えば、4−トリフルオロメトキシ安息香酸、4−トリクロロメトキシ安息香酸、4−トリブロモメトキシ安息香酸、4−トリヨードメトキシ安息香酸、4−ペンタフルオロエトキシ安息香酸、4−ペンタクロロエトキン安息香酸、4−ペンタブロモエトキシ安息香酸、4−ペンタヨードエトキシ安息香酸、3,4−ビス(トリフルオロメトキシ)安息香酸、3,4−ビス(トリクロロメトキシ)安息香酸、3,4−ビス(トリブロモメトキシ)安息香酸、3,4−ビス(トリヨードメトキシ)安息香酸、2,5−ビス(2,2,2−トリフルオロエトキシ)安息香酸、2,5−ビス(2,2,2−トリクロロエトキシ)安息香酸、2,5−ビス(2,2,2−トリブロモエトキシ)安息香酸、2,5−ビス(2,2,2−トリヨードエトキシ)安息香酸等のハロアルコキシ芳香族カルボン酸;
例えば、サリチル酸、o−ピロカテク酸、α−レゾルシル酸、ゲンテジン酸、α−レゾルシル酸、プロトカテク酸、α−レゾルシル酸、没食子酸等のヒドロキシ芳香族カルボン酸;
例えば、バニリン酸、イソバニリン酸等のヒドロキシアルコキシ芳香族カルボン酸;
例えば、トリニトロ安息香酸等のニトロ芳香族カルボン酸;
例えば、アントラニル酸等のアミノ芳香族カルボン酸;
例えば、α−トルイル酸、ヒドロ桂皮酸、ヒドロアトロパ酸、3−フェニルプロピオン酸、4−フェニル酪酸、5−フェニルペンタン酸、6−フェニルヘキサン酸、7−フェニルヘプタン酸、6−(2−ナフチル)ヘキサン酸等の芳香脂肪族カルボン酸;
例えば、ホモゲンチジン酸等のヒドロキシ芳香脂肪族カルボン酸;
例えば、マンデル酸、ベンジル酸、アトロラクチン酸、トロパ酸、アトログリセリン酸等の芳香族ヒドロキシアルキルカルボン酸;
例えば、2−ホルミル酢酸、アセト酢酸、3−ベンゾイルプロピオン酸等、4−ホルミル酪酸、3−オキソ吉草酸、5−オキソ吉草酸、3,5−ジオキソ吉草酸、6−ホルミルヘキサンカルボン酸、2−オキソ−1−シクロヘキサンカルボン酸、4−(2−オキソブチル)安息香酸、p−(3−ホルミルプロピル)安息香酸、4−ホルミルフェニル酢酸、β−オキソシクロヘキサンプロピオン酸、ピルビン酸等のオキソカルボン酸が挙げられる。
中でも、ベンゾイル蟻酸、酢酸、安息香酸が特に好ましい。
上記のような特定スルホニウム塩の具体例を、カチオン部とアニオン部とに分けて以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、下記に示すカチオン部とアニオン部は、任意に組み合わせて特定スルホニウム塩を形成することができる。
Figure 2006195283
Figure 2006195283
Figure 2006195283
Figure 2006195283
Figure 2006195283
Figure 2006195283
Figure 2006195283
Figure 2006195283
Figure 2006195283
Figure 2006195283
Figure 2006195283
Figure 2006195283
(本発明における特定スルホニウム塩の合成)
本発明に用いられる特定スルホニウム塩は以下の方法により合成することができる。
まず、酸基を含有するスルホニウム塩構造を有する化合物は、一般的にはスルフィド化合物と芳香族化合物とのフリーデル・クラフト反応、グリニア反応、により合成できる。合成方法は、例えば、J.Amer.Chem.Soc.第112巻(16)、1990年;pp6004−6015、J.Org.Chem.1988年;pp5571−5573、WO02/081439A1パンフレット、或いは欧州特許(EP)第1113005号明細書等に記載されている。その後、酸基を含有するスルホニウム塩をProtective Groups In Organic Synthesis(Second Edition)”,Theodora W.Greene,Peter G.M.Wuts著、John Wiley & Sons inc.出版、1991に記載の方法にて保護することにより合成することができる。
本発明における記録層において、このような特定スルホニウム塩の含有量は、感度及び非画像部の汚れ性の観点から、記録層全固形分中、0.1〜50質量%であることが好ましく、0.5〜50質量%であることがより好ましく、1〜40質量%であることが特に好ましい。
なお、特定スルホニウム塩は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明における記録層には、上記の特定スルホニウム塩以外の一般的なオニウム塩を溶解抑制剤として併用することができる。このような一般的なオニウム塩については下記のその他の成分において説明する。
上記の特定スルホニウム塩と一般的なオニウム塩とを併用する場合、一般的なオニウム塩は、特定スルホニウム塩に対し、0〜30質量%の範囲で併用することができ、好ましくは0.5〜15質量%の範囲である。
〔(A)水不溶且つアルカリ可溶性樹脂〕
本発明における記録層を構成する(A)水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂(以下、適宜、アルカリ可溶性樹脂と称する。)としては、高分子中の主鎖及び/又は側鎖に酸性基を含有する単独重合体、これらの共重合体、又はこれらの混合物を包含する。
中でも、下記(1)〜(6)に挙げる酸性基を高分子の主鎖及び/又は側鎖中に有するものが、アルカリ性現像液に対する溶解性の点、溶解抑制能発現の点で好ましい。
(1)フェノール基(−Ar−OH)
(2)スルホンアミド基(−SO2NH−R)
(3)置換スルホンアミド系酸基(以下、「活性イミド基」という。)
〔−SO2NHCOR、−SO2NHSO2R、−CONHSO2R〕
(4)力ルボン酸基(−CO2H)
(5)スルホン酸基(−SO3H)
(6)リン酸基(−OPO32
上記(1)〜(6)中、Arは置換基を有していてもよい2価のアリール連結基を表し、Rは、水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。
上記(1)〜(6)より選ばれる酸性基を有するアルカリ可溶性樹脂の中でも、(1)フェノール基、(2)スルホンアミド基及び(3)活性イミド基を有するアルカリ可溶性樹脂が好ましく、特に、(1)フェノール基又は(2)スルホンアミド基を有するアルカリ可溶性樹脂が、アルカリ性現像液に対する溶解性、現像ラチチュード、膜強度を十分に確保する点から最も好ましい。
上記(1)〜(6)より選ばれる酸性基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、以下のものを挙げることができる。
(1)フェノール基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、フェノールとホルムアルデヒドとの縮重合体、m−クレゾールとホルムアルデヒドとの縮重合体、p−クレゾールとホルムアルデヒドとの縮重合体、m−/p−混合クレゾールとホルムアルデヒドとの縮重合体、フェノールとクレゾール(m−、p−、又はm−/p−混合のいずれでもよい)とホルムアルデヒドとの縮重合体等のノボラック樹脂、及びピロガロールとアセトンとの縮重合体を挙げることができる。更に、フェノール基を側鎖に有する化合物を共重合させた共重合体を挙げることもできる。
フェノール基を有する化合物としては、フェノール基を有するアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、又はヒドロキシスチレン等が挙げられる。
(2)スルホンアミド基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、スルホンアミド基を有する化合物に由来する最小構成単位を主要構成成分として構成される重合体を挙げることができる。上記のような化合物としては、窒素原子に少なくとも一つの水素原子が結合したスルホンアミド基と、重合可能な不飽和基と、を分子内にそれぞれ1以上有する化合物が挙げられる。中でも、アクリロイル基、アリル基、又はビニロキシ基と、置換或いはモノ置換アミノスルホニル基又は置換スルホニルイミノ基と、を分子内に有する低分子化合物が好ましく、例えば、下記一般式(i)〜一般式(v)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2006195283
〔式中、X1、X2は、それぞれ独立に、−O−又はNR7を表す。Rl、R4は、それぞれ独立に水素原子又は−CH3を表す。R2、R5、R9、R12、及び、R16は、それぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基又はアラルキレン基を表す。R3、R7、及び、R13は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表す。また、R6、R17は、それぞれ独立に置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基を表す。R8、R10、R14は、それぞれ独立に水素原子又は−CH3を表す。R11、R15は、それぞれ独立に単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1〜12のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基又はアラルキレン基を表す。Yl、Y2は、それぞれ独立に単結合又はCOを表す。〕
一般式(i)〜一般式(v)で表される化合物のうち、本発明のポジ型平版印刷版原版では、特に、m−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)アクリルアミド等を好適に使用することができる。
(3)活性イミド基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、活性イミド基を有する化合物に由来する最小構成単位を主要構成成分として構成される重合体を挙げることができる。上記のような化合物としては、下記構造式で表される活性イミド基と、重合可能な不飽和基と、を分子内にそれぞれ1以上有する化合物を挙げることができる。
Figure 2006195283
具体的には、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド等を好適に使用することができる。
(4)力ルボン酸基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、カルボン酸基と、重合可能な不飽和基と、を分子内にそれぞれ1以上有する化合物に由来する最小構成単位を主要構成成分とする重合体を挙げることができる。
(5)スルホン酸基を有するアルカリ可溶性高分子としては、例えば、スルホン酸基と、重合可能な不飽和基と、を分子内にそれぞれ1以上有する化合物に由来する最小構成単位を主要構成単位とする重合体を挙げることができる。
(6)リン酸基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、リン酸基と、重合可能な不飽和基と、を分子内にそれぞれ1以上有する化合物に由来する最小構成単位を主要構成成分とする重合体を挙げることができる。
(A)アルカリ可溶性樹脂を構成する、前記(1)〜(6)より選ばれる酸性基を有する最小構成単位は、特に1種類のみである必要はなく、同一の酸性基を有する最小構成単位を2種以上、又は異なる酸性基を有する最小構成単位を2種以上共重合させたものを用いることもできる。
前記共重合体は、共重合させる(1)〜(6)より選ばれる酸性基を有する化合物が共重合体中に10モル%以上含まれているものが好ましく、20モル%以上含まれているものがより好ましい。10モル%未満であると、現像ラチチュードを十分に向上させることができない傾向がある。
本発明において、アルカリ可溶性樹脂が共重合体である場合、共重合体を構成する化合物として、前記(1)〜(6)の酸性基を含まない他の化合物を用いることもできる。(1)〜(6)の酸性基を含まない他の化合物の例としては、下記(m1)〜(m12)に挙げる化合物を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
(m1)2−ヒドロキシエチルアクリレート又は2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、及びメタクリル酸エステル類。
(m2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸へキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、等のアルキルアクリレート。
(m3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸へキシル、メタクリル酸シクロへキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルメタクリレート、等のアルキルメタクリレート。
(m4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロへキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド等のアクリルアミド若しくはメタクリルアミド。
(m5)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類。
(m6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
(m7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン類。
(m8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(m9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(m10)N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(m11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
(m12)アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸。
本発明において、アルカリ可溶性樹脂としては、赤外線レーザー等による露光での画像形成性に優れる点で、フェノール性水酸基を有することが好ましく、例えば、フェノールホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−,p−,又はm−/p−混合のいずれでもよい)混合ホルムアルデヒド樹脂等のノボラック樹脂やピロガロールアセトン樹脂が好ましく挙げられる。
また、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、更に、米国特許第4,123,279号明細書に記載されているように、t−ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂、オクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂のような、炭素数3〜8のアルキル基を置換基として有するフェノールとホルムアルデヒドとの縮重合体が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂は、その重量平均分子量が500以上であることが画像形成性の点で好ましく、1,000〜700,000であることがより好ましい。また、その数平均分子量が500以上であることが好ましく、750〜650,000であることがより好ましい。分散度(重量平均分子量/数平均分子量)は、1.1〜10であることが好ましい。
また、これらのアルカリ可溶性樹脂は単独で用いるのみならず、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。組み合わせる場合には、米国特許第4,123,279号明細書に記載されているような、t−ブチルフェノールとホルムアルデヒドとの縮重合体や、オクチルフェノールとホルムアルデヒドとの縮重合体のような、炭素数3〜8のアルキル基を置換基として有するフェノールとホルムアルデヒドとの縮重合体、特開2000−241972号公報に記載の芳香環上に電子吸引性基を有するフェノール構造を有するアルカリ可溶性樹脂などを併用してもよい。
本発明における記録層において、アルカリ可溶性樹脂の含有量は、感度、画像形成性、及び被膜の耐久性の観点から、記録層全固形分中、30〜98質量%が好ましく、40〜95質量%がより好ましい。
〔(B)赤外線吸収剤〕
本発明における記録層を構成する(B)赤外線吸収剤としては、記録に使用する赤外線レーザを吸収し、熱を発生する物質であれば特に制限はなく用いることができるが、入手容易な高出力レーザーへの適合性の観点から、波長760nmから1200nmに吸収極大を有する赤外線吸収染料又は顔料が好ましく挙げられる。
染料としては、市販の染料及び例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アブ染料、ピラブロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクアリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体、オキソノール染料、ジイモニウム染料、アミニウム染料、クロコニウム染料等の染料が挙げられる。
好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭59−202829号、特開昭60−78787号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に記載されているスクアリリウム色素、英国特許434,875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。
また、米国特許第5,156,938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号に開示されているピリリウム化合物も好ましく用いられる。
また、染料として好ましい別の例として米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、フタロシアニン染料、オキソノール染料、スクアリリウム色素、ピリリウム塩、チオピリリウム染料、ニッケルチオレート錯体が挙げられる。更に、下記一般式(a)〜一般式(e)で示される染料が光熱変換効率に優れるため好ましく、特に下記一般式(a)で示されるシアニン色素は、本発明における記録層中で使用した場合に、アルカリ可溶性樹脂との高い相互作用を与え、且つ、安定性、経済性に優れるため最も好ましい。
Figure 2006195283
一般式(a)中、X1は、水素原子、ハロゲン原子、−NPh2、−X2−L1又は以下に示す基を表す。ここで、X2は酸素原子又は、硫黄原子を示し、L1は、炭素原子数1〜12の炭化水素基、ヘテロ原子を有する芳香族環、ヘテロ原子を含む炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。なお、ここでヘテロ原子とは、N、S、O、ハロゲン原子、Seを示す。
Figure 2006195283
前記式中、Xa-は、後述するZa-と同様に定義され、Raは、水素原子、アルキル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表す。R1及びR2は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。記録層塗布液の保存安定性から、R1及びR2は、炭素原子数2個以上の炭化水素基であることが好ましく、更に、R1とR2とは互いに結合し、5員環又は6員環を形成していることが特に好ましい。
Ar1、Ar2は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示す。好ましい芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環及びナフタレン環が挙げられる。また、好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素原子数12個以下のアルコキシ基が挙げられる。Y1、Y2は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、硫黄原子又は炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を示す。R3、R4は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基が挙げられる。R5、R6、R7及びR8は、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子又は炭素原子数12個以下の炭化水素基を示す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。また、Za-は、対アニオンを示す。ただし、一般式(a)で示されるシアニン色素が、その構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合には、Za-は必要ない。好ましいZa-は、記録層塗布液の保存安定性から、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及びスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、及びアリールスルホン酸イオンである。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(a)で示されるシアニン色素の具体例としては、以下に例示するものの他、特開2001−133969明細書の段落番号[0017]〜[0019]、特開2002−40638明細書の段落番号[0012]〜[0038]、特開2002−23360明細書の段落番号[0012]〜[0023]に記載されたものを挙げることができる。
Figure 2006195283
Figure 2006195283
Figure 2006195283
Figure 2006195283
前記一般式(b)中、Lは共役炭素原子数7以上のメチン鎖を表し、該メチン鎖は置換基を有していてもよく、置換基が互いに結合して環構造を形成していてもよい。Zb+は対カチオンを示す。好ましい対カチオンとしては、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウム、ピリジニウム、アルカリ金属カチオン(Na+、K+、Li+)などが挙げられる。R9〜R14及びR15〜R20は互いに独立に水素原子又はハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、カルボニル基、チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、オキシ基、又はアミノ基から選択される置換基、或いは、これらを2つ若しくは3つ組合せた置換基を表し、互いに結合して環構造を形成していてもよい。ここで、前記一般式(b)中、Lが共役炭素原子数7のメチン鎖を表すもの、及び、R9〜R14及びR15〜R20がすべて水素原子を表すものが入手の容易性と効果の観点から好ましい。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(b)で示される染料の具体例としては、以下に例示するものを挙げることができる。
Figure 2006195283
Figure 2006195283
前記一般式(c)中、Y3及びY4は、それぞれ、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、又はテルル原子を表す。Mは、共役炭素数5以上のメチン鎖を表す。R21〜R24及びR25〜R28は、それぞれ同じであっても異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、カルボニル基、チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、オキシ基、又はアミノ基を表す。また、式中Za-は対アニオンを表し、前記一般式(a)におけるZa-と同義である。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(c)で示される染料の具体例としては、以下に例示するものを挙げることができる。
Figure 2006195283
Figure 2006195283
前記一般式(d)中、R29ないしR31は、各々独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を示す。R33及びR34は、各々独立に、アルキル基、置換オキシ基、又はハロゲン原子を示す。n及びmは各々独立に0ないし4の整数を示す。R29とR30、又はR31とR32はそれぞれ結合して環を形成してもよく、またR29及び/又はR30はR33と、またR31及び/又はR32はR34と結合して環を形成してもよく、更に、R33或いはR34が複数存在する場合に、R33同士或いはR34同士は互いに結合して環を形成してもよい。X2及びX3は各々独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基であり、X2及びX3の少なくとも一方は水素原子又はアルキル基を示す。Qは置換基を有していてもよいトリメチン基又はペンタメチン基であり、2価の有機基と共に環構造を形成してもよい。Zc-は対アニオンを示し、前記一般式(a)におけるZa-と同義である。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(d)で示される染料の具体例としては、以下に例示するものを挙げることができる。
Figure 2006195283
Figure 2006195283
前記一般式(e)中、R35〜R50は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、水酸基、カルボニル基、チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、オキシ基、アミノ基、オニウム塩構造を示し、構造によっては更に置換基を有してもよい。Mは2つの水素原子若しくは金属原子、ハロメタル基、オキシメタル基を示すが、そこに含まれる金属原子としては、周期律表のIA、IIA、IIIB、IVB族原子、第一、第二、第三周期の遷移金属、ランタノイド元素が挙げられ、中でも、銅、マグネシウム、鉄、亜鉛、コバルト、アルミニウム、チタン、バナジウムが好ましい。
本発明において、好適に用いることのできる一般式(e)で示される染料の具体例としては、以下に例示するものを挙げることができる。
Figure 2006195283
前記顔料としては、市販の顔料又はカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)及び「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
前記顔料の種類としては、例えば、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラックを用いることができる。
これらの顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート)を顔料表面に結合させる方法等が挙げられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
顔料の粒径は、塗布液中の分散物の安定性や記録層の均一性の観点から、0.01μm〜10μmの範囲にあることが好ましく、0.05μm〜1μmの範囲にあることが更に好ましく、特に0.1μm〜1μmの範囲にあることが好ましい。
顔料を分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
赤外線吸収剤は、記録層と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよい。別の層とする場合、記録層に隣接する層へ添加するのが望ましい。
更に、赤外線吸収剤が溶解抑制能を有する化合物である場合には、前記(A)アルカリ可溶性樹脂と同一の層に添加することで、該赤外線吸収剤が光熱変換機能のみならず、現像抑制剤としても機能するため好ましい。
本発明の記録層において、赤外線吸収剤の含有量は、感度や記録層の耐久性(膜性)等の観点から、記録層全固形分中、0.01〜50質量%添加することが好ましく、0.1〜10質量%添加することが更に好ましい。染料の場合、特に好ましくは0.5〜10質量%、顔料の場合特に好ましくは0.1〜10質量%の割合で添加することができる。
〔その他の成分〕
本発明における記録層を形成するにあたっては、上記の成分の他、本発明の効果を損なわない限りにおいて、更に必要に応じて、種々の添加剤を添加することができる。
[溶解抑制剤]
本発明における記録層には、上記特定スルホニウム塩に加え、インヒビション(溶解抑制能)を高める目的で、溶解抑制剤を含有させることが好ましい。溶解抑制剤としては、例えば、オニウム塩、o−キノンジアジド化合物、芳香族スルホン化合物、芳香族スルホン酸エステル化合物等の、熱分解性であり、分解しない状態では、アルカリ可溶性樹脂の溶解性を実質的に低下させる物質を併用することは、画像部の現像液への溶解阻止性の向上を図る点で好ましい。
本発明において用いられるオニウム塩としては、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等の従来公知なものをが挙げられ、特に好適なものとしては、例えば、下記に示すものが挙げられる。
S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Balet al,Polymer,21,423(1980)、特開平5−158230号公報に記載のジアゾニウム塩;
米国特許第4,069,055号、同4,069,056号、特開平3−140140号の明細書に記載のアンモニウム塩、D.C.Necker et al,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号に記載のホスホニウム塩、
J.V.Crivello et al,Macromorecules,10(6),1307(1977)、Chem.&Eng.News,Nov.28,p31(1988)、欧州特許第104,143号、米国特許第5,041,358号、同第4,491,628号、特開平2−150848号、特開平2−296514号に記載のヨードニウム塩、
J.V.Crivello et al,Polymer J.17,73(1985)、J.V.Crivelloet al.J.Org.Chem.,48,3055(1978)、W.R.Watt et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,22,1789(1984)、J.V.Crivello et al,Polymer Bull.,14,279(1985)、J.V.Crivello et al,Macromorecules,14(5),1141(1981)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Scl.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許第370,693号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同3,902,114号、同4,491,628号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号に記載のスルホニウム塩、
J.V,Crivello et al,MacromoreCules,lo(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノンニウム塩、
C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩等が挙げられる。
このようなオニウム塩の中でも、ジアゾニウム塩が特に好ましい。また、特に好適なジアゾニウム塩としては、特開平5−158230号公報記載のものが挙げられる。
オニウム塩の対イオンとしては、四フッ化ホウ酸、六フッ化リン酸、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸、5−ニトロ−o−トルエンスルホン酸、5−スルホサリチル酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸、2−ニトロベンゼンスルホン酸、3−クロロベンゼンスルホン酸、3−ブロモベンゼンスルホン酸、2−フルオロカプリルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、1−ナフトール−5−スルホン酸、2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイル−ベンゼンスルホン酸、及びパラトルエンスルホン酸等を挙げることができる。これらの中でも特に、六フッ化リン酸、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸や2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸のごときアルキル芳香族スルホン酸が好適である。
これらのオニウム塩の添加量は、記録層全固形分に対し、好ましくは0.1〜40質量%、より好ましくは0.1〜30質量%、更に好ましくは0.1〜25質量%の範囲である。
これらのオニウム塩は単一で使用できるが、数種の混合物として使用してもよい。
好適なキノンジアジド類としては、o−キノンジアジド化合物を挙げることができる。本発明に用いられるo−キノンジアジド化合物は、少なくとも1個のo−キノンジアジド基を有する化合物で、熱分解によりアルカリ可溶性を増すものであり、種々の構造の化合物を用いることができる。つまり、o−キノンジアジドは熱分解により現像抑制剤としてのインヒビションを失うことと、o−キノンジアジド自身がアルカリ可溶性の物質に変化することの両方の効果により上層の溶解性を助ける。
そのようなo−キノンジアジド化合物としては、例えば、J.コーサー著「ライト−センシティブ・システムズ」(John Wiley&Sons.Inc.)第339〜352頁に記載の化合物が使用できるが、特に種々の芳香族ポリヒドロキン化合物或いは芳香族アミノ化合物と反応させたo−キノンジアジドのスルホン酸エステル又はスルホン酸アミドが好適である。また、特公昭43−28403号公報に記載されているようなベンゾキノン(1,2)−ジアジドスルホン酸クロライド又はナフトキノン−(1、2)−ジアジド−5−スルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステル、米国特許第3,046,120号及び同第3,188,210号に記載されているベンゾキノン−(1,2−ジアジドスルホン酸クロライド又はナフトキノン−(1,2)−ジアジド−5スルホン酸クロライドとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステルも好適に使用される。
更に、ナフトキノン−(1,2)−ジアジド−4−スルホン酸クロライドとフェノールホルムアルデヒド樹脂或いはクレゾールーホルムアルデヒド樹脂とのエステル、ナフトキノン−(1,2)−ジアジド−4−スルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステルも同様に好適に使用される。その他の有用なo−キノンジアジド化合物としては、数多くの特許に報告され知られている。例えば特開昭47−5303号、特開昭48−63802号、特開昭48−63803号、特開昭48−96575号、特開昭49−38701号、特開昭48−13354号、特公昭41−11222号、特公昭45−9610号、特公昭49−17481号、米国特許第2,797,213号、同第3,454,400号、同第3,544,323号、同第3,573,917号、同第3,674,495号、同第3,785,825号、英国特許第1,227,602号、同第1,251,345号、同第1,267,005号、同第1,329,888号、同第1,330,932号、ドイツ特許第854,890号などの各明細書中に記載されているものを挙げることができる。
o−キノンジアジド化合物の添加量は、好ましくは記録層全固形分に対し、0.1〜8質量%、より好ましくは0.2〜5質量%の範囲である。これらの化合物は単一で使用できるが、数種の混合物として使用してもよい。
また、特開平11−288089号記載の少なくとも一部がエステル化されたアルカリ可溶性樹脂を含んでも良い。
[現像促進剤]
本発明における記録層には、感度を向上させる目的で、酸無水物類、フェノール類、有機酸類を添加してもよい。
酸無水物類としては環状酸無水物が好ましく、具体的に環状酸無水物としては、米国特許第4,115,128号明細書に記載されている無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドオキシ−△4−テトラヒドロ無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロル無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水コハク酸、無水ピロメリット酸などが使用できる。非環状の酸無水物としては無水酢酸などが挙げられる。
フェノール類としては、ビスフェノールA、2,2’−ビスヒドロキシスルホン、p−ニトロフェノール、p−エトキシフェノール、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンザフェノン、4−ヒドロキンベンゾフェノン、4,4’,4”−トリヒドロキシトリフェニルメタン、4,4’,3”,4”−テトラヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニルメタン、4,4’−スルホニルジフェノールなどが挙げられる。
有機酸類としては、特開昭60−88942号、特開平2−96755号公報などに記載されている、スルホン酸類、スルフィン酸類、アルキル硫酸類、ホスホン酸類、リン酸エステル類及びカルボン酸類などがあり、具体的には、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルフィン酸、エチル硫酸、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、リン酸フェニル、リン酸ジフェニル、安息香酸、イソフタル酸、アジピン酸、p−トルイル酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エルカ酸、ラウリン酸、n−ウンデカン酸、アスコルビン酸などが挙げられる。
上記の酸無水物、フェノール類及び有機酸類の記録層全固形分に占める割合は、0.05〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜15質量%、特に好ましくは0.1〜10質量%である。
[界面活性剤]
本発明における記録層には、塗布性を良化するため、また、現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特開昭62−251740号公報や特開平3−208514号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号公報、特開平4−13149号公報に記載されているような両性界面活性剤、EP950517公報に記載されているようなシロキサン系化合物、特開昭62−170950号公報、特開平11−288093号公報、特願2001−247351に記載されているようなフッ素含有のモノマー共重合体を添加することができる。
非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキンエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。
両性活性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインやN−テトラデシル−N,N−へタイン型(例えば、商品名「アモーゲンK」:第一工業製薬(株)製)等が挙げられる。
シロキサン系化合物としては、ジメチルシロキサンとポリアルキレンオキシドのブロック共重合体が好ましく、具体例として、(株)チッソ社製、DBE−224、DBE−621、DBE−712、DBP−732、DBP−534、独Tego社製、Tego Glide100等のポリアルキレンオキシド変性シリコーンを挙げることが出来る。
上記非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤の記録層全固形分に占める割合は、0.01〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5.0質量%、更に好ましくは0.5〜2.0質量%である。
[焼出し剤/着色剤]
本発明における記録層には、露光による加熱後直ちに可視像を得るための焼き出し剤や、画像着色剤としての染料や顔料を加えることができる。
焼出し剤としては、露光による加熱によって酸を放出する化合物(光酸放出剤)と塩を形成し得る有機染料の組合せを代表として挙げることができる。具体的には、特開昭50−36209号、同53−8128号の各公報に記載されているo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドと塩形成性有機染料の組合せや、特開昭53−36223号、同54−74728号、同60−3626号、同61−143748号、同61−151644号及び同63−58440号の各公報に記載されているトリハロメチル化合物と塩形成性有機染料の組合せを挙げることができる。かかるトリハロメチル化合物としては、オキサゾール系化合物とトリアジン系化合物とがあり、どちらも経時安定性に優れ、明瞭な焼き出し画像を与える。
画像着色剤としては、前述の塩形成性有機染料以外に他の染料を用いることができる。塩形成性有機染料を含めて、好適な染料として油溶性染料と塩基性染料を挙げることができる。具体的にはオイルイエロー♯101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレットラクトン、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)などを挙げることができる。また、特開昭62−293247号公報に記載されている染料は特に好ましい。
これらの染料は、記録層全固形分に対し、0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜3質量%の割合で添加することができる。
[可塑剤]
本発明における記録層には、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤を添加しても良い。例えば、ブチルフタリル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸又はメタクリル酸のオリゴマー及びポリマー等が用いられる。
これらの可塑剤は、記録層全固形分に対し、0.5〜10質量%、好ましくは1.0〜5質量%の割合で添加することができる。
[WAX剤]
本発明における記録層には、キズに対する抵抗性を付与する目的で、表面の静摩擦係数を低下させる化合物を添加することもできる。具体的には、米国特許第6,117,913号明細書、或いは本願出願人が先に提案した特願2001−261627号、特願2002−032904号、特願2002−165584号の各明細書に記載されているような、長鎖アルキルカルボン酸のエステルを有する化合物などを挙げることができる。
これらのWAX剤の添加量としては、記録層全固形分中に占める割合が、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。
〔記録層の形成〕
本発明の平版印刷版原版における記録層は、上記の各成分を溶媒に溶かして塗布液を調製し、その塗布液を適当な支持体上に塗布して形成すればよい。また、目的に応じて、バックコート層、下塗り層、有機中間層なども同様にして形成することができる。
ここで使用する溶媒としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン等を挙げることができるがこれに限定されるものではない。これらの溶媒は単独或いは混合して使用される。
ここで、塗布液中の上記成分(添加剤を含む全国形分)の濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
また、塗布、乾燥後に得られる支持体上の塗布量(固形分)は、感度及び皮膜特性の観点から、一般的に、0.5〜5.0g/m2が好ましい。
本発明の平版印刷版原版における記録層は、単層でもよく、また、それぞれの構成成分が異なる複数の層からなる重層構造であってもよい。なお、重層構造の記録層の場合、最上層に特定スルホニウム塩が添加される態様が添加効果発現の観点から好ましい。
〔支持体〕
本発明に使用される支持体は親水性表面を有することを必須とする。本発明に好適な支持体としては、必要な強度と耐久性を備えた寸度的に安定な板状物であれば特に制限はなく、この板状物に親水化処理を施したものが用いられる。
支持体に好適な板状物としては、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記のごとき金属がラミネート、若しくは蒸着された紙、若しくはプラスチックフィルム等が挙げられる。
中でも、本発明においては、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板が好ましく、その中でも寸度安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板は特に好ましい。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、更にアルミニウムがラミネート若しくは蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は高々10質量%以下である。
本発明において特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。
このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本発明で用いられるアルミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。
このようなアルミニウム板には、下記に示すような、粗面化処理、陽極酸化処理などの表面処理(親水化処理を含む)を行うことが好ましい。
アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための、例えば、界面活性剤、有機溶剤又はアルカリ性水溶液などによる脱脂処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラン研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸又は硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することができる。
以上のように粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じてアルカリエッチング処理及び中和処理された後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸或いはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
陽極酸化の処理条件は用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが一般的には電解質の濃度が1〜80質量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜の量は1.0g/m2ょり少ないと耐刷性が不十分であったり、平版印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。
陽極酸化処理を施された後、アルミニウム表面は必要により親水化処理が施される。
本発明に使用される親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、第3,280,734号及び第3,902,734号に開示されているようなアルカリ金属シリケート(例えばケイ酸ナトリウム水溶液)法がある。この方法においては、支持体がケイ酸ナトリウム水溶液で浸漬処理されるか又は電解処理される。 他に、特公昭36−22063号公報に開示されているフッ化ジルコン酸カリウム及び米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号、同第4,689,272号に開示されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法などが用いられる。
〔バックコート層〕
本発明の平版印刷版原版の支持体裏面には、必要に応じてバックコート層が設けられる。かかるバックコート層としては、特開平5−45885号公報記載の有機高分子化合物及び特開平6−35174号公報記載の有機又は無機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好ましく用いられる。これらの被覆層のうち、Si(OCH34、Si(OC254、Si(OC374、Si(OC494などのケイ素のアルコキシ化合物が安価で入手し易く、それから得られる金属酸化物の被覆層が耐現像液に優れており特に好ましい。
〔下塗り層〕
本発明の平版印刷版原版は、必要に応じて支持体と記録層との間に下塗り層を設けることができる。
下塗り層成分としては種々の有機化合物が用いられ、例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸及びエチレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸及びグリセロリン酸などの有機リン酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸及びグリセロホスフィン酸などの有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニンなどのアミノ酸類、及びトリエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロキシ基を有するアミンの塩酸塩等から選ばれるが、2種以上混合して用いてもよい。
また、下塗り層には、オニウム基を有する化合物を含有することも好ましい。オニウム基を有する化合物は、特開2000−10292公報、同2000−108538公報等に詳述されている。その他、ポリ(p−ビニル安息香酸)などで代表される構造単位を分子中に有する高分子化合物群の中から選ばれる化合物を用いることもできる。これらの高分子化合物として、より具体的には、p−ビニル安息香酸とビニルベンジルトリエチルアンモニウム塩との共重合体、p−ビニル安息香酸とビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリドとの共重合体などが挙げられる。
この有機下塗り層は次のような方法で設けることができる。即ち、水又はメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤若しくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液をアルミニウム板上に塗布、乾燥して設ける方法と、水又はメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤若しくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液に、アルミニウム板を浸漬して上記化合物を吸着させ、その後水などによって洗浄、乾燥して有機下塗り層を設ける方法である。前者の方法では、上記の有機化合物の0.005〜10質量%の濃度の溶液を種々の方法で塗布できる。また後者の方法では、溶液の濃度は0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜5質量%であり、浸漬温度は20〜90℃、好ましくは25〜50℃であり、浸漬時間は0.1秒〜20分、好ましくは2秒〜1分である。これに用いる溶液は、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質や、塩酸、リン酸などの酸性物質によりpH1〜12の範囲に調整することもできる。また、平版印刷版原版の調子再現性改良のために黄色染料を添加することもできる。
有機下塗り層の被覆量は、耐刷性能の観点から、2〜200mg/m2が適当であり、好ましくは5〜100mg/m2である。
〔樹脂中間層〕
本発明の平版印刷版原版においては、必要に応じて支持体と記録層との間に有機中間層を設けることができる。
この有機中間層を設けることで、露光によりアルカリ現像液への溶解性が向上する赤外線感応層である記録層が、露光面或いはその近傍に設けらることで赤外線レーザに対する感度の良好さを確保すると共に、支持体と該赤外線感応層との間に存在する高分子からなる有機中間層が断熱層として機能し、赤外線レーザの露光により発生した熱が支持体に拡散せず、効率良く画像形成反応に使用されることからのさらなる高感度化も図れるという利点を有する。また、未露光部においては、アルカリ現像液に対して非浸透性の記録層自体が有機中間層の保護層として機能するために、現像安定性が良好になると共にディスクリミネーションに優れた画像が形成され、且つ、経時的な安定性も確保されるものと考えられ、露光部においては、溶解抑制能が解除された記録層の成分が速やかに現像液に溶解、分散し、更には、支持体に隣接して存在する有機中間層がアルカリ可溶性高分子からなるものであるため、現像液に対する溶解性が良好で、例えば、活性の低下した現像液などを用いた場合でも、残膜などが発生することなく速やかに溶解し、優れた現像性を有する。即ち、画像部の強度及び耐現像性、非画像部における易現像性の双方に寄与することから、この有機中間層は有用であると考えられる。
この有機中間層は、水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂(以下、適宜、アルカリ可溶性樹脂と称する。)を含有することが好ましい。このようなアルカリ可溶性樹脂としては、有機中間層自体が、特に非画像部領域において、高いアルカリ可溶性を発現することを要するため、この特性を損なわない樹脂を選択する必要がある。この観点から、前記記録層を構成する(A)水不溶且つアルカリ可溶性樹脂が好ましく挙げられる。これらの中でも、感度、画像形成性の観点からは、相互作用を形成し難く、アルカリ現像液に対する溶解性に優れた樹脂を選択することが好ましく、例えば、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、アセタール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン樹脂等を好ましく挙げることができる。
また、有機中間層に用いるアルカリ可溶性樹脂としては、記録層を塗布する際にその塗布溶媒により溶解され難い樹脂を選択することが重要となる。このような樹脂を選択することで、2つの層の界面における所望されない相溶が抑制されると共に、耐薬品性の一層の向上も期待できる。このような観点から上記の中でも、アクリル樹脂が特に好ましい。
以下、有機中間層に好適に用いられる好ましいアルカリ可溶性樹脂である水不溶性且つアルカリ可溶性のアクリル樹脂(以下、適宜、単にアクリル樹脂と称する)について説明する。ここで用いられるアクリル樹脂は、水に不溶であり、且つ、アルカリ水溶液に可溶であれば特に制限はない。このようなアクリル樹脂は、記録層において好ましく用いられるフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂との相溶性が低いため、このような重層構造を形成するのに特に適しており、また、樹脂自体のアルカリ可溶性にも優れる。
アクリル樹脂としては、スルホンアミド基(−SO2NH−R、ここで、Rは、水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。)、活性イミド基〔−SO2NHCOR、−SO2NHSO2R、−CONHSO2R、ここで、Rは、水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。〕、カルボン酸基(−CO2H)、スルホン酸基(−SO3H)、リン酸基(−OPO32)などのアルカリ可溶性基を有し、且つ、アルカリ可溶性樹脂の共重合性分として好適な、脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、及びメタクリル酸エステル類、アルキルアクリレート類、アルキルメタクリレート類、アクリルアミド若しくはメタクリルアミド、アルキルマレイミド、アリールマレイミドなどの不活性イミド類、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル類などを構成成分として含む樹脂が挙げられる。また、特開平2−866号に記載のスルホンアミド基を有するアクリル系樹脂なども本発明に好適に適用し得る。
アクリル樹脂の重量平均分子量は2,000以上、数平均分子量が500以上のものが好ましい。更に好ましくは、重量平均分子量が5,000〜300,000で、数平均分子量が800〜250,000であり、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.1〜10のものである。
本発明における有機中間層成分中のアルカリ可溶性樹脂の含有量は、全固形分中、約40〜95重量%、好ましくは約50〜90重量%である。
このような有機中間層には、前記アルカリ可溶性樹脂に加えて、記録層に用いられる光熱変換剤や種々の添加剤を併用することができる。
また、本発明における樹脂中間層の乾燥後の塗布量は、耐刷性、画像再現性、及び感度の観点から、0.1〜5.0g/m2の範囲にあることが好ましく、0.2〜2.0g/m2の範囲にあることがより好ましく、0.5〜1.5g/m2の範囲にあることが更に好ましい。
〔平版印刷版原版の製版〕
本発明の平版印刷版原版における製版工程(像露光、現像処理、印刷工程)について説
明する。
(露光)
像露光に用いられる光線の光源としては、近赤外から赤外領域に発光波長を持つ光源が好ましく、固体レーザ、半導体レーザが特に好ましい。
(現像)
本発明の平版印刷版原版を現像する際に用いられる現像液及び補充液としては、従来より知られているアルカリ水溶液が使用できる。
例えば、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、第3リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、第2リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウム及び同リチウムなどの無機アルカリ塩が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エテレシジアミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤も用いられる。これらのアルカリ剤は単独若しくは2種以上を組み合わせて用いられる。
これらのアルカリ剤の中で特に好ましい現像液は、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム等のケイ酸塩水溶液である。その理由はケイ酸塩の成分である酸化珪素SiO2とアルカリ金属酸化物M2Oの比率と濃度によって現像性の調節が可能となるためであり、例えば、特開昭54−62004号公報、特公昭57−7427号に記載されているようなアルカリ金属ケイ酸塩が有効に用いられる。
更に自動現像機を用いて現像する場合には、現像液よりもアルカリ強度の高い水溶液(補充液)を現像液に加えることによって、長時間現像タンク中の現像液を交換することなく、多量のPS版を処理できることが知られている。本発明においてもこの補充方式が好ましく適用される。現像液及び補充液には現像性の促進や抑制、現像カスの分散及び印刷版画像部の親インキ性を高める目的で必要に応じて種々の界面活性剤や有機溶剤を添加できる。
好ましい界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系及び両性界面活性剤が挙げられる。更に現像液及び補充液には必要に応じて、ハイドロキノン、レゾルシン、亜硫酸、亜硫酸水素酸などの無機酸のナトリウム塩、カリウム塩等の還元剤、更に有機カルボン酸、消泡剤、硬水軟化剤を加えることもできる。
上記現像液及び補充液を用いて現像処理された平版印刷版原版は、水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体を含む不感脂化液で後処理される。本発明の平版印刷版原版として使用する場合の後処理としては、これらの処理を種々組み合わせて用いることができる。
近年、製版・印刷業界では製版作業の合理化及び標準化のため、印刷版用の自動現像機が広く用いられている。この自動現像機は、一般に現像部と後処理部からなり、印刷版を搬送する装置と各処理液槽及びスプレー装置からなり、露光済みの印刷版を水平に搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレーノズルから吹き付けて現像処理するものである。また、最近は処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイドロールなどによって印刷版を浸漬搬送させて処理する方法も知られている。このような自動処理においては、各処理液に処理量や稼働時間等に応じて補充液を補充しながら処理することができる。また、実質的に未使用の処理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。
本発明の平版印刷版原版においては、画像露光し、現像し、水洗及び/又はリンス及び/又はガム引きして得られた平版印刷版に不必要な画像部(例えば原画フィルムのフィルムエッジ跡など)がある場合には、その不必要な画像部の消去が行なわれる。このような消去は、例えば、特公平2−13298号公報に記載されているような消去液を不必要画像部に塗布し、そのまま所定の時間放置したのちに水洗することにより行なう方法が好ましいが、特開平59−174842号公報に記載されているようなオプティカルファイバーで導かれた活性光線を不必要画像部に照射したのち現像する方法も利用できる。
(加熱処理(バーニング処理))
以上のようにして得られた平版印刷版は、所望により不感脂化ガムを塗布した後、印刷工程に供することができるが、より一層の高耐刷力平版印刷版としたい場合には、所望によりバーニング処理が施される。特に、本発明においては、(A)アルカリ可溶性樹脂として、フェノール性水酸基を有する樹脂を用いる場合には、このフェノール性水酸基が熱架橋性を有するため、汎用のバーニング処理を行なうことで、耐刷性が著しく向上する。
なお、バーニング処理前には、特公昭61−2518号、同55−28062号、特開昭62−31859号、同61−159655号の各公報に記載されているような整面液で処理することが好ましい。その方法としては、該整面液を浸み込ませたスポンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗布するか、整面液を満たしたバット中に印刷版を浸漬して塗布する方法や、自動コーターによる塗布などが適用される。また、塗布した後でスキージ、或いは、スキージローラーで、その塗布量を均一にすることは、より好ましい結果を与える。
整面液の塗布量は一般に0.03〜0.8g/m2(乾燥質量)が適当である。その後、整面液が塗布された平版印刷版は必要により乾燥させてもよい。
続いて、本発明の平版印刷版に加熱処理を施す。加熱処理の方法としては、版面に熱が加わることにより、本発明の効果の一つであるバーニング耐刷性の向上効果を発現しうるものであれば特に制限はないが、例えば、バーニングプロセッサーにより加熱する方法などが挙げられる。
本発明においては、上記加熱方法の中でも、バーニングプロセッサー(例えば富士写真フイルム(株)より販売されているバーニングプロセッサー:「BP−1300」)などで高温に加熱する方法が好ましい。この場合の加熱温度及び加熱時間は、記録層を構成する成分の種類にもよるが、150〜300℃の範囲で0.5〜20分の範囲が好ましく、180〜270℃の範囲で1〜10分の範囲がより好ましい。
バーニング処理された平版印刷版は、必要に応じて適宜、水洗、ガム引きなどの従来より行なわれている処理を施こすことができるが水溶性高分子化合物等を含有する整面液が使用された場合にはガム引きなどのいわゆる不感脂化処理を省略することができる。
このような処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限られるものではない。
(支持体の作製)
厚さ0.3mmのJIS−A−1050アルミニウム板を用いて、下記に示す工程を組み合わせて処理することで支持体A、B、C、Dを作製した。
(a)機械的粗面化処理
比重1.12の研磨斉J(ケイ砂)と水との懸濁液を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的な粗面化を行った。研磨剤の平均粒径は8μm、最大粒径は50μmであった。ナイロンブランの材質は6・10ナイロン、毛長50mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはゆφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブランは3本使用した。ブラン下部の2本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
(b)アルカリエッチング処理
上記で得られたアルミニウム板に温度70℃のNaOH水溶液(濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%)をスプレーしてエッチング処理を行い、アルミニウム板を6g/m2溶解した。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(c)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。前記デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的な粗面化を行う工程の廃液を用いた。
(d)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/リットル水溶液(アルミニウムイオンを5g/リットル)、温度50℃であった。交流電源波形は電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、DUTY比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助陽極にはフェライトを用いた。使用した電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。
電流密度は、電流のピーク値で30A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で220C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。
その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(e)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%でスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.20g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的な粗面化を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(f)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度15質量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、井水を用いてスプレーで水洗した。前記デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的な粗面化を行う工程の廃液を用いた。
(g)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸7.5g/リットル水溶液(アルミニウムイオンを5g/リットル含む。)、温度35℃であった。交流電源波形は矩形波であり、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で25A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で50C/dm2であった。
その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(h)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%でスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.10g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的な粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(i)デスマット処理
温度60℃の硫酸濃度25質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
(j)陽極酸化処理
電解液としては、硫酸を用いた。電解液は、いずれも硫酸濃度170g/リットル(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)、温度は43℃であった。その後、井水を用いてスプレーによる水洗を行った。
電流密度はともに約30A/dm2であった。最終的な酸化皮膜量は2.7g/m2であった。
<支持体A>
上記(a)〜(j)の各工程を順に行い(e)工程におけるエッチング量は3.4g/m2となるようにして支持体を作製した。
<支持体B>
上記工程のうち(g)(h)(i)の工程を省略した以外は各工程を順に行い支持体を作製した。
<支持体C>
上記工程のうち(a)及び(g)(h)(i)の工程を省略した以外は各工程を順に行い支持体を作製した。
<支持体D>
上記工程のうち(a)及び(d)(e)(f)の工程を省略した以外は各工程を順に行い、(g)工程における電気量の総和が450C/dm2となるようにして支持体を作製した。
上記によって得られた支持体A、B、C、Dは続けて下記の親水化処理(アルカリ金属ケイ酸塩処理)、及び下塗り処理を行った。
(k)アルカリ金属ケイ酸塩処理
陽極酸化処理により得られたアルミニウム支持体を温度30℃の3号ケイ酸ソーダの1質量%水溶液の処理層中へ、10秒間、浸漬することでアルカリ金属ケイ酸塩処理(シリケート処理)を行った。その後、井水を用いたスプレーによる水洗を行った。その際のシリケート付着量は3.6mg/m2であった。
(下塗り処理)
上記のようにして得られたアルカリ金属ケイ酸塩処理後のアルミニウム支持体上に、下記組成の下塗り液を塗布し、80℃で15秒間乾燥した。乾燥後の被覆量は16mg/m2であった。
<下塗り液組成>
・下記高分子化合物 0.3g
・メタノール 100g
・水 1.0g
Figure 2006195283
〔実施例1〜7、比較例1〜2〕
得られた支持体Aに、下記組成の下層用塗布液を、ワイヤーバーで塗布したのち、150℃の乾燥オーブンで60秒間乾燥して塗布量を0.95g/m2とした。
得られた下層上に、下記組成の上層用途布液をワイヤーバーで塗布した。塗布後、乾燥オーブンで、130℃で90秒間の乾燥を行い、総塗布量を1.25g/m2として実施例1〜7及び比較例1、2のポジ型平版印刷版原版を作製した。
<下層用塗布液>
・共重合体1(下記により合成したもの) 1.833g
・シアニン染料A(下記構造) 0.098g
・2−メルカプト−5−メチルチオ−
1,3,4−チアジアジール 0.030g
.シス−△4−テトラヒドロフタル酸無水物 0.100g
・4,4’−スルホニルジフェノール 0.090g
・p−トルエンスルホン酸 0.008g
・エチルバイオレットの対アニオンを
6−ヒドロキシナフタレンスルホン酸に変えたもの 0.100g
・3−メトキシ−4−ジアゾジフェニルアミン
ヘキサフルオロホスフェニート 0.030g
・フッ素系界面活性剤 0.035g
(メガファックF−780、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 26.6g
・1−メトキシ−2−プロパノール 13.6g
・γ−ブチロラクトン 13.8g
Figure 2006195283
<共重合体1の合成>
攪拌機、冷却管及び滴下ロートを備えた500ml三ツ口フラスコに、メタクリル酸31.0g(0.36モル)、クロロギサンエチル39.1g(0.36モル)及びアセトニトリル200mlを入れ、氷水浴で冷却しながら混合物を攪拌した。この混合物に、トリエチルアミン36.4g(0.36モル)を約1時間かけて滴下ロートにより滴下した。滴下終了後、氷水浴をとり去り、室温下で30分間混合物を攪拌した。
この反応混合物に、p−アミノベンゼシスルホンアミド51.7g(0.30モル)を加え、油浴にて70℃に温めながら混合物を1時間攪拌した。反応終了後、この混合物を水1リットルにこの水を攪拌しながら投入し、30分間得られた混合物を攪拌した。この混合物をろ過して析出物を取り出し、これを水500mlでスラリーにした後、このスラリーをろ過し、得られた固体を乾燥することによりN−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミドの白色固体が得られた(収量46.9g)。
次に、攪拌機、冷却管及び滴下ロートを備えた20ml三ツ口フラスコに、N−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド4.61g(0.0192モル)、メタクリル酸エチル2.58g(0.0258モル)、アクリロニトリル0.80g(0.015モル)及びN,N−ジメチルアセトアミド20gを入れ、湯水浴により65℃に加熱しながら混合物を攪拌した。この混合物に、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品名:「V−65」、和光純薬(株)製)0.15gを加え、65℃に保ちながら窒素気流下2時間混合物を攪拌した。この反応混合物に更にN−(p−アミノスルホニルフェニル)メタクリルアミド4.61g、メタクリル酸メチル2.58g、アクリロニトリル0.80g、N,N−ジメチルアセトアミド20g及び「V−65」0.15gの混合物を2時間かけて滴下ロートにより滴下した。滴下終了後更に65℃で2時間得られた混合物を攪拌した。反応終了後メタノール40gを混合物に加え、冷却し、得られた混合物を水2リットルにこの水を攪拌しながら投入し、30分混合物を攪拌した後、析出物をろ過により取り出し、乾燥することにより15gの白色固体を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによりこの特定の共重合体1の重量平均分子量(ポリスチレン標準)を測定したところ54,000であった。
<上層用塗布液>
・メタクリル酸エチルと2−メタクリロイロキシエチルコハク酸と
の共重合体 0.040g
(モル比75:25、重量平均分子量70,000)
・フェノールクレゾール−ホルムアルデヒドノボラック 0.400g
(フェノール:m−クレゾール:p−クレゾール=50:10:40(モル比)、
重量平均分子量:5,000)
・特定スルホニウム塩又は比較スルホニウム塩 0.3g
・シアニン染料A(前記構造) 0.015g
・エチルバイオレットの対アニオンを
6−ヒドロキンナフタレンスルホン酸に変えたもの 0.012g
・フッ素系界面活性剤 0.022g
(メガファックF−780、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 13.1g
・1−メトキシ−2−プロパノール 6.79g
なお、下記表1に記載の特定スルホニウム塩の構造を示すカチオン部及びアニオン部の番号は、前記具体例のカチオン部及びアニオン部に付された番号を表す。また、比較例に用いた比較スルホニウム塩1及び2の構造は以下に示す通りである。
Figure 2006195283
[平版印刷版原版の評価]
平版印刷版原版の評価は、現像ラチチュード、耐キズ性の各項目について行った。評価方法の詳細は下記の通りである。
1.現像ラチチュード
上記のようにして得られた平版印刷版原版を、温度25℃相対湿度50%の条件下で5日間保存した後に、Creo社製Trendsetter3244VXにてビーム強度12.0W、ドラム回転速度50rpmでテストパターンを画像状に描き込みを行った。
その後、下記A組成及びB組成のアルカリ現像液における水の質量比率を変更することにより、希釈率を変えて電導度を変化させたものを仕込んだ富士写真フイルム(株)製PSプロセッサー900Hを用い、液温を30℃に保ち、現像時間40秒で現像した。この時、画像部が溶出されず、かつ、現像不良の感光層残膜に起因する汚れや着色がなく良好に現像が行えた現像液の電導度の一番高いものと、一番低い物の差を現像ラチチュードとして評価した。
<アルカリ現像液A組成>
・SiO2・K2O(K2O/SiO2=1/1(モル比)) 4.0質量%
・クエン酸 0.5質量%
・ポリエチレングリコールラウリルエーテル 0.5質量%
(重量平均分子量1,000)
・水 95.0質量%
<アルカリ現像液B組成>
・Dソルビット 2.5質量%
・水酸化ナトリウム 0.85質量%
・ポリエチレングリコールラウリルエーテル 0.5質量%
(重量平均分子量1,000)
・水 96.15質量%
2.対キズ性の評価
上記のようにして得られた平版印刷版原版を、HEIDON社製引っかき試験機で、サファイヤ針(先端径1.0mm)に荷重をかけて表面を引っ掻いた。その後、Creo社製Trendsetter3244にてビーム強度9.0W、ドラム回転速度150rpmで画像様に露光した。そして、富士写真フイルム(株)製現像液DT−2(1:8で希釈したもの)及び富士写真フイルム(株)製フィエッシャーFG−1(1:1で希釈したもの)を仕込んだ富士写真フイルム(株)製PSプロセッサーLP940Hを用い、液温を30℃に保ち、現像時間12sで現像した。この時の現像液の電導度は43mS/cmであった。
現像後の平版印刷版を目視し、キズがついていない最大荷重量(g)を耐キズ性の値とした。数値が大きいほど耐キズ性に優れていると評価する。結果を下記表に示す。
<実施例1〜7、比較例1〜2の平版印刷版原版の評価>
実施例1〜7及び比較例1〜2の各平版印刷版原版について、現像ラチチュード、耐キズ性について、上記の方法により評価した。現像液は現像液Bを用いた。その結果を下記表1に示す。
Figure 2006195283
表1に示されるように、実施例1〜7の平版印刷版原版は、現像ラチチュードの向上及び耐キズ性の改良を実現していることが分かる。
一方、本発明の範囲外の比較スルホニウム塩1及び2を用いた比較例1〜2は、実施例1〜7に比べて、現像ラチチュード、耐キズ性のいずれもが劣ることが分かる。特に、ヒドロキシル基が保護されてない状態で芳香族炭化水素に結合している比較スルホニウム塩1を用いた比較例1では、実施例1〜7に比べて、現像ラチチュード、耐キズ性のいずれもが大きく劣ることが分かる。
(実施例8〜14、比較例3〜4)
得られた支持体Cに、下記組成の下層用塗布液を、ワイヤーバーで塗布した後、120℃の乾燥オーブンで90秒間乾燥して塗布量を0.60g/m2とした。
得られた下層上に、下記組成の上層用塗布液をワイヤーバーで塗布した。塗布後、乾燥オーブンで、120℃で90秒間の乾燥を行い、総塗布量を1.35g/m2として実施例8〜14及び比較例3〜4のポジ型平版印刷版原版を作製した。
<下層用途布液>
・前記共重合体1 2.200g
・シアニン染料A(前記構造) 0.098g
・2−メルカプト−5−メチルチオ
−1,3,4−チアジアゾール 0.030g
.シス−△4−テトラヒドロフタル酸無水物 0.100g
・4,4’−スルホニルジフェノール 0.090g
・p−トルエンスルホン酸 0.008g
・エチルバイオレットの対アニオンを
6−ヒドロキンナフタレンスルホン酸に変えたもの 0.100g
・3−メトキシ−4−ジアゾジフェニルアミン
ヘキサフルオロホスフェート 0.030g
・フッ素系界面活性剤 0.035g
(メガファックF−780、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 26.6g
・1−メトキシ−2−プロパノール 13.6g
・ジメチルスルホキシド 13.8g
<上層用塗布液>
・メタクリル酸エチルと2−メタクリロイロキシエチルコハク酸と
の共重合体 0.040g
(モル比70:30、重量平均分子量88,000)
・フェノールクレゾール−ホルムアルデヒドノボラック 0.250g
(フェノール:m−クレゾール:p−クレゾール=60:5:35(モル比)、
重量平均分子量:5,500)
・特定スルホニウム塩又は比較スルホニウム塩 0.04g
・シアニン染料A(前記構造) 0.015g
・フッ素系界面活性剤 0.022g
(メガファックF−780、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 13.1g
・1−メトキシ−2−プロパノール 6.79g
<実施例8〜14及び比較例3〜4の評価>
得られた実施例8〜14及び比較例3〜4の各平版印刷版原版について、実施例1と同様の方法で評価を行った。現像液は現像液Bを用いた。その結果を下記表2に示す。
なお、下記表2に記載の特定スルホニウム塩の構造を示すカチオン部及びアニオン部の番号は、前記具体例のカチオン部及びアニオン部に付された番号を表す。
Figure 2006195283
表2に示されるように、実施例8〜14の平版印刷版原版は、比較例3〜4と比較するに、現像ラチチュードの向上及び耐キズ性の改良を実現していることが分かる。
(実施例15〜21、比較例5〜6)
得られた支持体Dに、下記組成の下層用塗布液を、ワイヤーバーで塗布したのち、150℃の乾燥オーブンで60秒間乾燥して塗布量を0.81g/m2とした。
得られた下層上に、下記組成の上層用塗布液をワイヤーバーで塗布した。塗布後、乾燥オーブンで、120℃で90秒間の乾燥を行い、総塗布量を1.1g/m2として実施例15〜21及び比較例5〜6のポジ型平版印刷版原版を作製した。
<下層用塗布液>
・前記共重合体1 2.133g
・シアニン染料A(前記構造) 0.098g
.シス−△4−テトラヒドロフタル酸無水物 0.110g
・4,4’−スルホニルジフェノール 0.090g
・p−トルエンスルホン酸 0.008g
・エチルバイオレットの対アニオンを
6−ヒドロキシナフタレンスルホン酸に変えたもの 0.100g
・3−メトキシ−4−ジアゾジフェニルアミン
ヘキサフルオロホスフェート 0.030g
・フッ素系界面活性剤 0.035g
(メガファックF−780、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 26.6g
・1−メトキシ−2−プロパノール 13.6g
・γ−ブチロラクトン 13.8g
<上層用塗布液>
・メタクリル酸エチルと2−メタクリロイロキシエチルコハク酸と
の共重合体 0.035g
(モル比65:35、重量平均分子量78,000)
・クレゾール−ホルムアルデヒドノボラソク 0.300g
(m−クレゾール:p−クレゾール=60:40、重量平均分子量:4,100)
・特定スルホニウム塩又は比較スルホニウム塩 0.020g
・シアニン染料A(前記構造) 0.015g
・フッ素系界面活性剤 0.022g
(メガファックF−780、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 13.1g
・1−メトキシ−2−プロパノール 6.79g
<実施例15〜21及び比較例5〜6の評価>
得られた平版印刷版原版を前記の方法で評価を行った。現像液は現像液Aを用いた。その下記結果を表3に示す。
下記表3に記載の特定スルホニウム塩の構造を示すカチオン部及びアニオン部の番号は、前記具体例のカチオン部及びアニオン部に付された番号を表す。
Figure 2006195283
表3に示されるように、実施例15〜21の平版印刷版原版は、比較例5〜6と比較するに、現像ラチチュードの向上及び耐キズ性の改良を実現していることが分かる。
(実施例22〜28、比較例7〜8)
得られた支持体Dに以下の記録層塗布液を塗布し、120℃で90秒間乾燥して、単層構造の記録層を形成し、実施例22〜28及び比較例7〜8の平版印刷版原版を得た。乾燥後の塗布量は1.60g/m2であった。
<記録層塗布液>
・フェノールクレゾール−ホルムアルデヒドノボラック 1.0g
(フェノール:m−クレゾール:p−クレゾール=50:20:30(モル比)、
重量平均分子量:4,500)
・特定スルホ二ウム塩又は比較スルホニウム塩 0.08g
・シアニン染料A(前記構造) 0.05g
・ビクトリアピュアブルーBOHの対アニオンを
1−ナフタレンスルホン酸アニオンにした染料 0.01g
・フッ素系界面活性剤 0.05g
(メガファックF−177、大日本インキ化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン 9.0g
・1−メトキシ−2−プロパノール 9.0g
<実施例18〜24及び比較例7〜8の評価>
得られた実施例18〜24及び比較例7〜8の各平版印刷版原版に対して、実施例1と同様の方法で評価を行った。現像液は現像液Aを用いた。その結果を表4に示す。
下記表4に記載の特定スルホニウム塩の構造を示すカチオン部及びアニオン部の番号は、前記具体例のカチオン部及びアニオン部に付された番号を表す。
Figure 2006195283
表4に示されるように、実施例22〜28の平版印刷版原版は、比較例7〜8と比較するに、現像ラチチュードの向上及び耐キズ性の改良を実現していることが分かる。
また、実施例1〜21と実施例22〜28との対比において、本発明の平版印刷版原版は、記録層が単層の場合も重層の場合と同様に優れた効果を発現することが確認された。

Claims (1)

  1. 親水性表面を有する支持体上に、(A)水不溶且つアルカリ可溶性樹脂、(B)赤外線吸収剤、及び(C)下記一般式(1)で表されるスルホニウム塩を含有し、赤外線レーザーの露光によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が増大する記録層を有することを特徴とする赤外線レーザー対応ポジ型平版印刷版原版。
    Figure 2006195283
    [一般式(1)中、R1及びR2は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、又はアリール基を表し、Arは、酸又は熱の作用により分解することでヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基へ変換する基を、少なくとも1つ置換基として有する芳香族炭化水素基を表す。X-は強酸残基を示す。なお、R1とR2とが互いに結合して環状構造を形成してもよい。]
JP2005008164A 2005-01-14 2005-01-14 赤外線レーザー対応ポジ型平版印刷版原版 Expired - Fee Related JP4369375B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005008164A JP4369375B2 (ja) 2005-01-14 2005-01-14 赤外線レーザー対応ポジ型平版印刷版原版

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005008164A JP4369375B2 (ja) 2005-01-14 2005-01-14 赤外線レーザー対応ポジ型平版印刷版原版

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006195283A true JP2006195283A (ja) 2006-07-27
JP4369375B2 JP4369375B2 (ja) 2009-11-18

Family

ID=36801401

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005008164A Expired - Fee Related JP4369375B2 (ja) 2005-01-14 2005-01-14 赤外線レーザー対応ポジ型平版印刷版原版

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4369375B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007178858A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Fujifilm Corp 感光性組成物及び該感光性組成物を用いたパターン形成方法
JP2008107377A (ja) * 2006-10-23 2008-05-08 Fujifilm Corp 感光性組成物、該感光性組成物に用いられる化合物及び該感光性組成物を用いたパターン形成方法
WO2008105230A1 (ja) * 2007-02-26 2008-09-04 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. 平版印刷版材料
JP2010139662A (ja) * 2008-12-10 2010-06-24 Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd レジスト組成物、レジストパターン形成方法、新規な化合物および酸発生剤
JP2011081044A (ja) * 2009-10-02 2011-04-21 Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd レジスト組成物、レジストパターン形成方法、新規な化合物及び酸発生剤
JP2014067029A (ja) * 2012-09-15 2014-04-17 Rohm & Haas Electronic Materials Llc 酸発生剤化合物およびそれを含むフォトレジスト
JP2016180881A (ja) * 2015-03-24 2016-10-13 東京応化工業株式会社 レジスト組成物、レジストパターン形成方法、光反応性クエンチャー及び化合物
JP2017067966A (ja) * 2015-09-29 2017-04-06 Jsr株式会社 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、酸拡散制御剤及び化合物
US10120278B2 (en) * 2016-04-28 2018-11-06 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Carboxylic acid onium salt, chemically amplified resist composition, and pattern forming process
US20220127225A1 (en) * 2020-10-22 2022-04-28 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Onium salt, chemically amplified resist composition and patterning process
WO2023162836A1 (ja) * 2022-02-28 2023-08-31 富士フイルム株式会社 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、感活性光線性又は感放射線性膜、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法、及び化合物

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10248020B2 (en) 2012-12-28 2019-04-02 Rohm And Haas Electronic Materials Llc Acid generators and photoresists comprising same

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11228146A (ja) * 1998-02-06 1999-08-24 Nikon Corp 合成石英ガラスの製造方法及び製造装置
JP2000206680A (ja) * 1999-01-14 2000-07-28 Mitsubishi Chemicals Corp 感光性組成物、感光性平版印刷版及び感光性平版印刷版の製版方法
JP2002278050A (ja) * 2001-03-19 2002-09-27 Fuji Photo Film Co Ltd ポジ型画像形成材料
JP2003057823A (ja) * 2001-08-14 2003-02-28 Fuji Photo Film Co Ltd 感光性組成物
JP2004109320A (ja) * 2002-09-17 2004-04-08 Fuji Photo Film Co Ltd 画像形成材料
JP2006058835A (ja) * 2004-08-23 2006-03-02 Miwon Commercial Co Ltd 平版印刷版用ポジ型感光性組成物およびそのための現像液組成物

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11228146A (ja) * 1998-02-06 1999-08-24 Nikon Corp 合成石英ガラスの製造方法及び製造装置
JP2000206680A (ja) * 1999-01-14 2000-07-28 Mitsubishi Chemicals Corp 感光性組成物、感光性平版印刷版及び感光性平版印刷版の製版方法
JP2002278050A (ja) * 2001-03-19 2002-09-27 Fuji Photo Film Co Ltd ポジ型画像形成材料
JP2003057823A (ja) * 2001-08-14 2003-02-28 Fuji Photo Film Co Ltd 感光性組成物
JP2004109320A (ja) * 2002-09-17 2004-04-08 Fuji Photo Film Co Ltd 画像形成材料
JP2006058835A (ja) * 2004-08-23 2006-03-02 Miwon Commercial Co Ltd 平版印刷版用ポジ型感光性組成物およびそのための現像液組成物

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007178858A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Fujifilm Corp 感光性組成物及び該感光性組成物を用いたパターン形成方法
JP2008107377A (ja) * 2006-10-23 2008-05-08 Fujifilm Corp 感光性組成物、該感光性組成物に用いられる化合物及び該感光性組成物を用いたパターン形成方法
WO2008105230A1 (ja) * 2007-02-26 2008-09-04 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. 平版印刷版材料
JP2010139662A (ja) * 2008-12-10 2010-06-24 Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd レジスト組成物、レジストパターン形成方法、新規な化合物および酸発生剤
JP2011081044A (ja) * 2009-10-02 2011-04-21 Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd レジスト組成物、レジストパターン形成方法、新規な化合物及び酸発生剤
JP2014067029A (ja) * 2012-09-15 2014-04-17 Rohm & Haas Electronic Materials Llc 酸発生剤化合物およびそれを含むフォトレジスト
JP2016014883A (ja) * 2012-09-15 2016-01-28 ローム アンド ハース エレクトロニック マテリアルズ エルエルシーRohm and Haas Electronic Materials LLC 酸発生剤化合物およびそれを含むフォトレジスト
JP2016180881A (ja) * 2015-03-24 2016-10-13 東京応化工業株式会社 レジスト組成物、レジストパターン形成方法、光反応性クエンチャー及び化合物
JP2017067966A (ja) * 2015-09-29 2017-04-06 Jsr株式会社 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、酸拡散制御剤及び化合物
US10120278B2 (en) * 2016-04-28 2018-11-06 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Carboxylic acid onium salt, chemically amplified resist composition, and pattern forming process
US20220127225A1 (en) * 2020-10-22 2022-04-28 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Onium salt, chemically amplified resist composition and patterning process
JP2022068394A (ja) * 2020-10-22 2022-05-10 信越化学工業株式会社 オニウム塩、化学増幅レジスト組成物及びパターン形成方法
WO2023162836A1 (ja) * 2022-02-28 2023-08-31 富士フイルム株式会社 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、感活性光線性又は感放射線性膜、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法、及び化合物

Also Published As

Publication number Publication date
JP4369375B2 (ja) 2009-11-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4369375B2 (ja) 赤外線レーザー対応ポジ型平版印刷版原版
JP4498177B2 (ja) ポジ型感光性組成物及びそれを用いた画像記録材料
JP3842471B2 (ja) 赤外線レーザ用ポジ型感光性組成物
JP2006258979A (ja) ポジ型平版印刷版原版
JP4657783B2 (ja) 画像形成材料及び平版印刷版原版
JP4343800B2 (ja) ポジ型感光性組成物
JP5512730B2 (ja) 平版印刷版の作製方法
JP4474296B2 (ja) 平版印刷版原版
JP4420844B2 (ja) ポジ型画像形成材料
JP4401103B2 (ja) 画像記録材料
JP4202907B2 (ja) 画像記録材料
JP4082972B2 (ja) 画像形成材料
JP4064833B2 (ja) ポジ型画像形成材料
JP4043898B2 (ja) 赤外線レーザ用ポジ型平版印刷版原版
JP4054264B2 (ja) ポジ型画像形成材料
JP4295648B2 (ja) 画像形成材料
JP4167148B2 (ja) 画像記録材料
JP2004061947A (ja) 平版印刷版原版
JP2004287338A (ja) 画像形成材料
JP4116855B2 (ja) ヒートモード対応ポジ型平版印刷版原版
JP2004126048A (ja) 画像形成材料
JP2005181734A (ja) 画像記録材料
JP2005049756A (ja) 画像記録材料
JP2005004053A (ja) 感光性組成物
JP2006267745A (ja) 画像形成材料

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070220

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20070220

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090408

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090414

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090612

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090818

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090827

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120904

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130904

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees