JP2017067966A - 感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、酸拡散制御剤及び化合物 - Google Patents

感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、酸拡散制御剤及び化合物 Download PDF

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Abstract

【課題】LWR性能、解像性、断面形状の矩形性、焦点深度、欠陥抑制性及び保存安定性に優れる感放射線性樹脂組成物の提供を目的とする。【解決手段】本発明は、酸解離性基を含む第1構造単位を有する重合体、感放射線性酸発生体、及び窒素原子及び−COO−を含むアニオンと感放射線性カチオンとを有する酸拡散制御剤を含有し、上記アニオンにおける上記−COO−が炭素原子に結合しており、この炭素原子がさらに二重結合で他の原子と結合している感放射線性樹脂組成物である。上記酸拡散制御剤のアニオンにおいて、上記−COO−と結合している炭素原子が、芳香環又はカルボニル基を構成していることが好ましい。上記酸拡散制御剤は下記式(1)で表されることが好ましい。下記式(1)中、R1及びR2は、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。L1は、炭素数1〜40の2価の有機基である。【選択図】なし

Description

本発明は、感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、酸拡散制御剤及び化合物に関する。
リソグラフィーによる微細加工に用いられる感放射線性樹脂組成物は、KrFエキシマレーザー光(波長248nm)、ArFエキシマレーザー光(波長193nm)及び極紫外線(EUV:Extreme Ultraviolet、波長13.5nm)等の遠紫外線、電子線等の荷電粒子線などの照射により露光部に酸を発生させ、この酸を触媒とする化学反応により、露光部と未露光部との現像液に対する溶解速度に差を生じさせ、基板上にレジストパターンを形成する。
現在では、より波長の短いレーザー光や電子線の使用及び液浸露光装置等により、レジストパターンの加工技術の微細化が図られている。かかる感放射線性樹脂組成物には、形成されるレジストパターンの解像性及び断面形状の矩形性に優れるだけでなく、LWR(Line Width Roughness)性能、焦点深度(Depth of Focus)及び欠陥抑制性にも優れ、高精度なパターンを高い歩留まりで得られることが要求される。また、感放射線性樹脂組成物には保存安定性に優れることも要求される。これらの要求に対して、感放射線性樹脂組成物に用いられる酸発生体、酸拡散制御体及びその他の成分についてその種類や分子構造等が詳細に検討されている。かかる酸拡散制御体としては、オニウムカチオンと、カルボン酸アニオンやスルホン酸アニオンとを含むオニウム塩化合物が知られている(特開平11−125907号公報、特開2002−122994号公報及び特開2010−061043号公報参照)。
しかし、レジストパターンの微細化が線幅45nm以下のレベルまで進展している現在にあっては、上記性能の要求レベルはさらに高まり、上記従来の感放射線性樹脂組成物では、これらの要求を満足させることはできていない。
特開平11−125907号公報 特開2002−122994号公報 特開2010−061043号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、LWR性能、解像性、断面形状の矩形性、焦点深度、欠陥抑制性及び保存安定性に優れる感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた発明は、酸解離性基を含む第1構造単位(以下、「構造単位(I)」ともいう)を有する重合体(以下、「[A]重合体」ともいう)、感放射線性酸発生体(以下、「[B]酸発生体」ともいう)、及び窒素原子及び−COOを含むアニオンと感放射線性カチオンとを有する酸拡散制御剤(以下、「[C]酸拡散制御剤」ともいう)を含有し、上記アニオンにおける上記−COOが炭素原子に結合しており、この炭素原子がさらに二重結合で他の原子と結合している感放射線性樹脂組成物である。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、レジスト膜を形成する工程、上記レジスト膜を露光する工程、及び上記露光されたレジスト膜を現像する工程を備え、上記レジスト膜を当該感放射線性樹脂組成物により形成するレジストパターン形成方法である。
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、窒素原子及び−COOを含むアニオンと感放射線性カチオンとを有し、上記アニオンにおける上記−COOが炭素原子に結合しており、この炭素原子がさらに二重結合で他の原子と結合している酸拡散制御剤である。。
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、窒素原子及び−COOを含むアニオンと感放射線性カチオンとを有し、上記アニオンにおける上記−COOが炭素原子に結合しており、この炭素原子がさらに二重結合で他の原子と結合している化合物である。
ここで、「二重結合」は、結合次数が2の結合だけでなく、ブタジエンにおける二重結合、芳香環中の二重結合のように、他の二重結合と共役して共役二重結合を構成している二重結合も含む。「芳香環」は、芳香族炭素環及び芳香族複素環の両方を含む。「酸解離性基」とは、カルボキシ基、ヒドロキシ基等の水素原子を置換する基であって、酸の作用により解離する基をいう。また、「環員数」とは、脂環構造、芳香環構造、脂肪族複素環構造又は芳香族複素環構造における環を構成する原子の数をいう。
本発明の感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法によれば、優れた保存安定性及び焦点深度を発揮しつつ、LWRが小さく、解像度が高く、断面形状の矩形性に優れ、欠陥が少ないレジストパターンを形成することができる。本発明の酸拡散制御剤は、当該感放射線性樹脂組成物の酸拡散制御剤成分として好適に用いることができる。本発明の化合物は、当該酸拡散制御剤として好適に用いることができる。従って、これらは、さらなる微細化が進行すると予想される半導体デバイス製造等におけるパターン形成に好適に用いることができる。
<感放射線性樹脂組成物>
当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体、[B]酸発生体及び[C]酸拡散制御剤を含有する。当該感放射線性樹脂組成物は、好適成分として、[A]重合体よりもフッ素原子の質量含有率が大きい重合体(以下、「[D]重合体」ともいう)及び/又は[E]溶媒を含有していてもよい。さらに、当該感放射線性樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の任意成分を含有していてもよい。当該感放射線性樹脂組成物は、上記構成を有することで、LWR性能、解像性、断面形状の矩形性、焦点深度、欠陥抑制性(以下、これらの性能をまとめて「LWR性能等」ともいう)及び保存安定性に優れる。以下、各成分について説明する。
<[A]重合体>
[A]重合体は、構造単位(I)を有する重合体である。当該感放射線性樹脂組成物によれば、放射線の照射により[B]酸発生体等から生じる酸により露光部の[A]重合体の酸解離性基が解離して、露光部と未露光部とで現像液に対する溶解性に差異が生じ、その結果、レジストパターンを形成することができる。[A]重合体は、通常、当該感放射線性樹脂組成物におけるベース重合体となる。「ベース重合体」とは、レジストパターンを構成する重合体のうちの最も含有率が大きい重合体であって、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上を占める重合体をいう。
[A]重合体は、構造単位(I)以外にも、ラクトン構造、環状カーボネート構造、スルトン構造若しくはこれらの組み合わせを含む構造単位(以下、「構造単位(II)」ともいう)、フェノール性水酸基を含む構造単位(以下、「構造単位(III)」ともいう)、及び/又はアルコール性水酸基を含む構造単位(以下、「構造単位(IV)」ともいう)を有することが好ましく、構造単位(I)〜(IV)以外のその他の構造単位を有していてもよい。[A]重合体はこれらの構造単位を1種又は2種以上有していてもよい。以下、各構造単位について説明する。
[構造単位(I)]
構造単位(I)は、酸解離性基を含む構造単位である。構造単位(I)としては、例えば下記式(a−1)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−1)」ともいう)、下記式(a−2)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−2)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2017067966
上記式(a−1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Yは、下記式(Y−1)で表される1価の酸解離性基である。
上記式(a−2)中、Rは、水素原子又はメチル基である。Yは、下記式(Y−2)で表される1価の酸解離性基である。
Figure 2017067966
上記式(Y−1)中、Re1は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。Re2及びRe3は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の炭化水素基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造を表す。
Figure 2017067966
上記式(Y−2)中、Re4、Re5及びRe6は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数1〜20のオキシ鎖状炭化水素基又は炭素数3〜20のオキシ脂環式炭化水素基である。但し、Re4、Re5及びRe6が同時に水素原子である場合はない。
「炭化水素基」には、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基が含まれる。この「炭化水素基」は、飽和炭化水素基でも不飽和炭化水素基でもよい。「鎖状炭化水素基」とは、環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された炭化水素基をいい、直鎖状炭化水素基及び分岐状炭化水素基の両方を含む。「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては脂環構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基をいい、単環の脂環式炭化水素基及び多環の脂環式炭化水素基の両方を含む。但し、脂環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を含んでいてもよい。「芳香族炭化水素基」とは、環構造として芳香環構造を含む炭化水素基をいう。但し、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環構造を含んでいてもよい。
としては、構造単位(I−1)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子及びメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
e1、Re2及びRe3で表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
e1、Re2及びRe3で表される炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基としては、例えば
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基等が挙げられる。これらの中で、アルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基及びi−プロピル基がさらに好ましく、エチル基が特に好ましい。
e1、Re2及びRe3で表される炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば
シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環のシクロアルキル基;
シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基等の多環のシクロアルキル基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基等の多環のシクロアルケニル基等が挙げられる。これらの中で単環のシクロアルキル基及び多環のシクロアルキル基が好ましく、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基及びアダマンチル基がより好ましい。
e1、Re2及びRe3で表される炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば
フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントリル基、メチルアントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、アントリルメチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
e1、Re2及びRe3の基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される炭素数3〜20の脂環構造としては、例えば
シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構造等の単環のシクロアルカン構造;
ノルボルナン構造、アダマンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等の多環のシクロアルカン構造等が挙げられる。これらの中で、炭素数5〜8の単環のシクロアルカン構造及び炭素数7〜12の多環のシクロアルカン構造が好ましく、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、シクロオクタン構造、ノルボルナン構造及びアダマンタン構造がより好ましく、シクロペンタン構造及びアダマンタン構造がさらに好ましい。
e2及びRe3としては、炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基及び炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基が好ましい。
としては、構造単位(I−2)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子が好ましい。
e4、Re5及びRe6で表される炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基としては、例えば上記Re1、Re2及びRe3として例示したものと同様の基等が挙げられる。これらの中で、アルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基及びn−プロピル基がさらに好ましく、メチル基が特に好ましい。
e4、Re5及びRe6で表される炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば上記Re1、Re2及びRe3として例示したものと同様の基等が挙げられる。これらの中で、単環のシクロアルキル基及び多環のシクロアルキル基が好ましく、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基及びアダマンチル基がより好ましい。
e4、Re5及びRe6で表される炭素数1〜20の1価のオキシ鎖状炭化水素基としては、例えば
メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基等のアルコキシ基;
エテニルオキシ基、プロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基、ペンテニルオキシ基等のアルケニルオキシ基;
エチニルオキシ基、プロピニルオキシ基、ブチニルオキシ基、ペンチニルオキシ基等のアルキニルオキシ基等が挙げられる。これらの中で、アルコキシ基が好ましく、炭素数1〜4のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基及びn−プロポキシ基がさらに好ましい。
e4、Re5及びRe6で表される炭素数3〜20の1価のオキシ脂環式炭化水素基としては、例えば
シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロオクチルオキシ基等の単環のシクロアルキルオキシ基;
ノルボルニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、トリシクロデシルオキシ基、テトラシクロドデシルオキシ基等の多環のシクロアルキルオキシ基;
シクロプロペニルオキシ基、シクロブテニルオキシ基、シクロペンテニルオキシ基、シクロヘキセニルオキシ基等の単環のシクロアルケニルオキシ基;
ノルボルネニルオキシ基、トリシクロデセニルオキシ基等の多環のシクロアルケニルオキシ基等が挙げられる。これらの中で、単環のシクロアルキルオキシ基及び多環のシクロアルキルオキシ基が好ましく、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ノルボルニルオキシ基及びアダマンチルオキシ基がより好ましい。
上記式(Y−2)で表される基としては、Re4、Re5及びRe6が1価の鎖状炭化水素基である基、Re4及びRe5が1価の鎖状炭化水素基かつRe6が1価のオキシ鎖状炭化水素基である基、並びにRe4が1価の鎖状炭化水素基かつRe5及びRe6が1価のオキシ鎖状炭化水素基である基が好ましく、Re4、Re5及びRe6がアルキル基である基、Re4及びRe5がアルキル基かつRe6がアルコキシ基である基、並びにRe4がアルキル基かつRe5及びRe6がアルコキシ基である基がより好ましく、Re4、Re5及びRe6がアルキル基である基がさらに好ましく、t−ブチル基、t−ペンチル基、t−ヘキシル基及びt−ヘプチル基が特に好ましい。
上記構造単位(I)としては、例えば
構造単位(I−1)として、下記式(a−1−1)〜(a−1−6)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−1−1)〜(I−1−6)」ともいう)等;
構造単位(I−2)として、下記式(a−2−1)〜(a−2−3)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−2−1)〜(I−2−3)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2017067966
上記式(a−1−1)〜(a−1−6)中、Rは、上記式(a−1)と同義である。Re1〜Re3は、上記式(Y−1)と同義である。Re1’〜Re3’は、炭素数1〜10の1価の鎖状炭化水素基である。i及びjは、それぞれ独立して、1〜4の整数である。
上記式(a−2−1)〜(a−2−3)中、Rは、上記式(a−2)と同義である。
構造単位(I)としては、構造単位(I−1−1)〜(I−1−5)及び構造単位(I−2−3)が好ましい。
構造単位(I−1)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2017067966
Figure 2017067966
上記式中、Rは、上記式(a−1)と同義である。
構造単位(I)としては、1−アルキル−単環シクロアルカン−1−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、2−アルキル−多環シクロアルカン−2−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び2−(シクロアルカン−イル)プロパン−2−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位に由来する構造単位が好ましく、1−エチル−シクロペンチル−1−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、2−メチル−アダマンチル−2−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、2−エチル−アダマンチル−2−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、2−(アダマンタン−イル)−プロパン−2−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、2−シクロヘキシル−プロパン−2−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及び2−エチル−2−テトラシクロドデカン−2−イル(メタ)アクリレートがより好ましい。
構造単位(I)の含有割合の下限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%が好ましく、20モル%がより好ましく、30モル%がさらに好ましく、35モル%が特に好ましい。上記含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、75モル%がより好ましく、70モル%がさらに好ましく、60モル%が特に好ましい。構造単位(I)の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をさらに向上させることができる。
[構造単位(II)]
構造単位(II)は、ラクトン構造、環状カーボネート構造、スルトン構造又はこれらの組み合わせを含む構造単位である。[A]重合体は、構造単位(I)に加え、構造単位(II)をさらに有することで現像液への溶解性をより調整することができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をより向上させることができる。また、当該感放射線性樹脂組成物から形成されるレジストパターンと基板との密着性を向上させることができる。
構造単位(II)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2017067966
Figure 2017067966
Figure 2017067966
Figure 2017067966
上記式中、RL1は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
構造単位(II)としては、ラクトン構造を有する構造単位が好ましく、ラクトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位がより好ましく、ノルボルナンラクトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、5−シアノ−ノルボルナンラクトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位、オキシノルボルナンラクトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位及びγ−ブチロラクトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位がさらに好ましい。
[A]重合体が構造単位(II)を有する場合、構造単位(II)の含有割合の下限としては、[A]重合体における全構造単位に対して、10モル%が好ましく、20モル%がより好ましく、30モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、80モル%が好ましく、70モル%がより好ましく、60モル%がさらに好ましい。構造単位(II)の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をさらに向上させることができる。また、得られるレジストパターンと基板との密着性をさらに向上させることができる。
[構造単位(III)]
構造単位(III)は、フェノール性水酸基を含む構造単位である。レジストパターン形成方法における露光工程で照射する放射線として、KrFエキシマレーザー光、EUV、電子線等を用いる場合には、[A]重合体が構造単位(III)を有することで、感度をより高めることができる。
構造単位(III)としては、例えば下記式(a−3)で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2017067966
上記式(a−3)中、Rは、水素原子又はメチル基である。Rは、炭素数1〜20の1価の有機基である。pは、0〜3の整数である。pが2又は3の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。qは、1〜3の整数である。但し、p+qは、5以下である。
「有機基」とは、少なくとも1個の炭素原子を含む基をいう。
上記Rとしては、構造単位(III)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子が好ましい。
上記Rで表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基、これらの基が有する水素原子の一部又は全部を置換基で置換した基、これらの基の炭素−炭素間に、−CO−、−CS−、−O−、−S−若しくは−NR”−又はこれらのうちの2種以上を組み合わせた基を含む基等が挙げられる。R”は、水素原子又は1価の有機基である。これらの中で、1価の鎖状炭化水素基が好ましく、アルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
上記pとしては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記qとしては、1及び2が好ましく、1がより好ましい。
構造単位(III)としては、例えば下記式(a−3−1)〜(a−3−4)で表される構造単位(以下、「構造単位(III−1)〜(III−4)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2017067966
上記式(a−3−1)〜(a−3−4)中、Rは、上記式(a−3)と同義である。
構造単位(III)としては、構造単位(III−1)及び構造単位(III−2)が好ましく、構造単位(III−1)がより好ましい。
[A]重合体が構造単位(III)を有する場合、構造単位(III)の含有割合の下限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%が好ましく、30モル%がより好ましく、50モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、90モル%が好ましく、80モル%がより好ましく、75モル%がさらに好ましい。構造単位(III)の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物は感度をさらに向上させることができる。
なお、構造単位(III)は、ヒドロキシスチレンの−OH基の水素原子をアセチル基等で置換した単量体を重合した後、得られた重合体を、アミン等の塩基存在下で加水分解反応を行うこと等により形成することができる。
[構造単位(IV)]
構造単位(IV)は、アルコール性水酸基を含む構造単位である。[A]重合体は、構造単位(IV)を有することで、現像液への溶解性をより適度に調製することができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をより向上させることができる。また、レジストパターンの基板への密着性をより高めることができる。
構造単位(IV)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2017067966
上記式中、RL2は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
構造単位(IV)としては、ヒドロキシアダマンチル基を含む構造単位が好ましく、3−ヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位がより好ましい。
[A]重合体が構造単位(IV)を有する場合、構造単位(IV)の含有割合の下限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、3モル%が好ましく、5モル%がより好ましく、10モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、35モル%が好ましく、30モル%がより好ましく、25モル%がさらに好ましい。構造単位(IV)の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をさらに向上することができる。また、レジストパターンの基板への密着性をさらに高めることができる。
[その他の構造単位]
[A]重合体は、上記構造単位(I)〜(IV)以外にもその他の構造単位を有してもよい。上記その他の構造単位としては、例えばケトン性カルボニル基、シアノ基、カルボキシ基、ニトロ基、アミノ基又はこれらの組み合わせを含む構造単位、非解離性の1価の脂環式炭化水素基を含む(メタ)アクリル酸エステルに由来する構造単位等が挙げられる。その他の構造単位の含有割合の上限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、20モル%が好ましく、10モル%がより好ましい。
[A]重合体の含有量の下限としては、当該感放射線性樹脂組成物の全固形分に対して、70質量%が好ましく、80質量%がより好ましく、85質量%がさらに好ましい。「全固形分」とは、当該感放射線性樹脂組成物中の[E]溶媒以外の成分の総和をいう。当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体を1種又は2種以上含有していてもよい。
<[A]重合体の合成方法>
[A]重合体は、例えば各構造単位を与える単量体を、ラジカル重合開始剤等を用い、適当な溶媒中で重合することにより合成できる。
上記ラジカル重合開始剤としては、例えば
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系ラジカル開始剤;
ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系ラジカル開始剤などが挙げられる。これらの中で、AIBN及びジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートが好ましく、AIBNがより好ましい。これらのラジカル重合開始剤は1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
重合に使用される溶媒としては、例えば
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン;
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素;
クロロブタン、ブロモヘキサン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル;
アセトン、メチルエチルケトン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン;
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル;
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール等のアルコールなどが挙げられる。これらの重合に使用される溶媒は、1種単独で又は2種以上を併用してもよい。
重合における反応温度の下限としては、40℃が好ましく、50℃がより好ましい。上記反応温度の上限としては、150℃が好ましく、120℃がより好ましい。重合における反応時間の下限としては、1時間が好ましく、2時間がより好ましい。上記反応時間の上限としては、48時間が好ましく、24時間がより好ましい。
[A]重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)の下限としては、1,000が好ましく、2,000がより好ましく、2,500がさらに好ましく、3,000が特に好ましい。上記Mwの上限としては、50,000が好ましく、30,000がより好ましく、20,000がさらに好ましく、15,000が特に好ましい。[A]重合体のMwを上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の塗布性及び現像欠陥抑制性が向上する。
[A]重合体のGPCによるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)に対するMwの比(Mw/Mn)の下限としては、通常1であり、1.1が好ましい。上記比の上限としては、5が好ましく、3がより好ましく、2がさらに好ましい。
本明細書における重合体のMw及びMnは、以下の条件によるGPCを用いて測定される値である。
GPCカラム:例えば東ソー社の「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本及び「G4000HXL」1本
カラム温度:40℃
溶出溶媒:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
<[B]酸発生体>
[B]酸発生体は、露光により酸を発生する物質である。この発生した酸により[A]重合体等が有する酸解離性基が解離してカルボキシ基、ヒドロキシ基等が生じ、[A]重合体の現像液への溶解性が変化するため、当該感放射線性樹脂組成物からレジストパターンを形成することができる。当該感放射線性樹脂組成物における[B]酸発生体の含有形態としては、低分子化合物の形態(以下、適宜「[B]酸発生剤」ともいう)でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[B]酸発生剤としては、例えばオニウム塩化合物、N−スルホニルオキシイミド化合物、スルホンイミド化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物等が挙げられる。
オニウム塩化合物としては、例えばスルホニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられる。
[B]酸発生剤の具体例としては、例えば特開2009−134088号公報の段落[0080]〜[0113]に記載されている化合物等が挙げられる。
[B]酸発生体から発生する酸としては、例えばスルホン酸、イミド酸、アミド酸、メチド酸、ホスフィン酸、カルボン酸等が挙げられる。これらの中で、スルホン酸、イミド酸、アミド酸及びメチド酸が好ましい。
[B]酸発生剤としては、例えば下記式(2)で表される化合物(以下、「[B1]酸発生剤」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2017067966
上記式(2)中、Aは、1価のスルホン酸アニオン、1価のイミド酸アニオン、1価のアミド酸アニオン又は1価のメチド酸アニオンである。Zは、1価の感放射線性オニウムカチオンである。
[B1]酸発生剤は、上記式(2)におけるAがスルホン酸アニオンの場合(以下、「[B1a]」酸発生剤)ともいう)、スルホン酸が発生する。Aがイミド酸アニオンの場合(以下、「[B1b]酸発生剤」ともいう)、イミド酸が発生する。Aがアミド酸アニオンの場合(以下、「[B1c]酸発生剤」ともいう)、アミド酸が発生する。Aがメチド酸アニオンの場合(以下、「[B1d]酸発生剤」ともいう)、メチド酸が発生する。
[B1a]酸発生剤としては、例えば下記式(2−1)で表される化合物(以下、「化合物(2−1)」ともいう)等が挙げられる。[B1]酸発生剤が下記構造を有することで、[A]重合体の構造単位(I)との相互作用等により、露光により発生する酸のレジスト膜中の拡散長がより適度に短くなると考えられ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をより向上させることができる。
Figure 2017067966
上記式(2−1)中、Rp1は、環員数6以上の環構造を含む1価の基である。Rp2は、2価の連結基である。Rp3及びRp4は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は炭素数1〜20の1価のフッ素化炭化水素基である。Rp5及びRp6は、それぞれ独立して、フッ素原子又は炭素数1〜20の1価のフッ素化炭化水素基である。np1は、0〜10の整数である。np2は、0〜10の整数である。np3は、0〜10の整数である。np1が2以上の場合、複数のRp2は同一でも異なっていてもよい。np2が2以上の場合、複数のRp3は同一でも異なっていてもよく、複数のRp4は同一でも異なっていてもよい。np3が2以上の場合、複数のRp5は同一でも異なっていてもよく、複数のRp6は同一でも異なっていてもよい。Zは、上記式(2)と同義である。
p1で表される環員数6以上の環構造を含む1価の基としては、例えば環員数6以上の脂環構造を含む1価の基、環員数6以上の脂肪族複素環構造を含む1価の基、環員数6以上の芳香環構造を含む1価の基、環員数6以上の芳香族複素環構造を含む1価の基等が挙げられる。
環員数6以上の脂環構造としては、例えば
シクロヘキサン構造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構造、シクロノナン構造、シクロデカン構造、シクロドデカン構造等の単環のシクロアルカン構造;
シクロヘキセン構造、シクロヘプテン構造、シクロオクテン構造、シクロデセン構造等の単環のシクロアルケン構造;
ノルボルナン構造、アダマンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等の多環のシクロアルカン構造;
ノルボルネン構造、トリシクロデセン構造等の多環のシクロアルケン構造などが挙げられる。
環員数6以上の脂肪族複素環構造としては、例えば
ヘキサノラクトン構造、ノルボルナンラクトン構造等のラクトン構造;
ヘキサノスルトン構造、ノルボルナンスルトン構造等のスルトン構造;
オキサシクロヘプタン構造、オキサノルボルナン構造等の酸素原子含有複素環構造;
アザシクロヘキサン構造、ジアザビシクロオクタン構造等の窒素原子含有複素環構造;
チアシクロヘキサン構造、チアノルボルナン構造のイオウ原子含有複素環構造などが挙げられる。
環員数6以上の芳香環構造としては、例えば
ベンゼン構造、ナフタレン構造、フェナントレン構造、アントラセン構造等が挙げられる。
環員数6以上の芳香族複素環構造としては、例えば
フラン構造、ピラン構造、ベンゾピラン構造等の酸素原子含有複素環構造;
ピリジン構造、ピリミジン構造、インドール構造等の窒素原子含有複素環構造などが挙げられる。
p1の環構造の環員数の下限としては、7が好ましく、8がより好ましく、9がさらに好ましく、10が特に好ましい。上記環員数の上限としては、15が好ましく、14がより好ましく、13がさらに好ましく、12が特に好ましい。上記環員数を上記範囲とすることで、上述の酸の拡散長をさらに適度に短くすることができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をより向上させることができる。
p1の環構造が有する水素原子の一部又は全部は、置換基で置換されていてもよい。上記置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アシル基、アシロキシ基等が挙げられる。これらの中でヒドロキシ基が好ましい。
p1としては、環員数6以上の脂環構造を含む1価の基及び環員数6以上の脂肪族複素環構造を含む1価の基が好ましく、環員数9以上の脂環構造を含む1価の基及び環員数9以上の脂肪族複素環構造を含む1価の基がより好ましく、アダマンチル基、ヒドロキシアダマンチル基、ノルボルナンラクトン−イル基、ノルボルナンスルトン−イル基及び5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−イル基がさらに好ましく、アダマンチル基が特に好ましい。
p2で表される2価の連結基としては、例えばカルボニル基、エーテル基、カルボニルオキシ基、スルフィド基、チオカルボニル基、スルホニル基、2価の炭化水素基等が挙げられる。これらの中で、カルボニルオキシ基、スルホニル基、アルカンジイル基及びシクロアルカンジイル基が好ましく、カルボニルオキシ基及びシクロアルカンジイル基がより好ましく、カルボニルオキシ基及びノルボルナンジイル基がさらに好ましく、カルボニルオキシ基が特に好ましい。
p3及びRp4で表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20のアルキル基等が挙げられる。Rp3及びRp4で表される炭素数1〜20の1価のフッ素化炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20のフッ素化アルキル基等が挙げられる。Rp3及びRp4としては、水素原子、フッ素原子及びフッ素化アルキル基が好ましく、フッ素原子及びパーフルオロアルキル基がより好ましく、フッ素原子及びトリフルオロメチル基がさらに好ましい。
p5及びRp6で表される炭素数1〜20の1価のフッ素化炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20のフッ素化アルキル基等が挙げられる。Rp5及びRp6としては、フッ素原子及びフッ素化アルキル基が好ましく、フッ素原子及びパーフルオロアルキル基がより好ましく、フッ素原子及びトリフルオロメチル基がさらに好ましく、フッ素原子が特に好ましい。
p1としては、0〜5の整数が好ましく、0〜3の整数がより好ましく、0〜2の整数がさらに好ましく、0及び1が特に好ましい。
p2としては、0〜5の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましく、0及び1がさらに好ましく、0が特に好ましい。
p3の下限としては、1が好ましく、2がより好ましい。np3を1以上とすることで、化合物(4)から生じる酸の強さを高めることができ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等をより向上させることができる。np3の上限としては、4が好ましく、3がより好ましく、2がさらに好ましい。
p1+np2+np3の下限としては、2が好ましく、3がより好ましく、4がさらに好ましい。np1+np2+np3の上限としては、30が好ましく、20がより好ましく、10がさらに好ましい。
で表される1価の感放射線性オニウムカチオンとしては、例えば下記式(Z−1)〜(Z−3)で表されるカチオン(以下、「カチオン(Z−1)〜(Z−3)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2017067966
上記式(Z−1)中、Ra1、Ra2及びRa3は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、−OSO−R若しくは−SO−Rであるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられ構成される環構造を表す。R及びRは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数5〜25の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。k1、k2及びk3は、それぞれ独立して0〜5の整数である。Ra1〜Ra3並びにR及びRがそれぞれ複数の場合、複数のRa1〜Ra3並びにR及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記式(Z−2)中、Ra4は、置換若しくは非置換の炭素数1〜8のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6〜8の芳香族炭化水素基である。k4は、0〜7の整数である。Ra4が複数の場合、複数のRa4は同一でも異なっていてもよく、また、複数のRa4は、互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。Ra5は、置換若しくは非置換の炭素数1〜7のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6若しくは7の芳香族炭化水素基である。k5は、0〜6の整数である。Ra5が複数の場合、複数のRa5は同一でも異なっていてもよく、また、複数のRa5は互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。rは、0〜3の整数である。Ra6は、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。tは、0〜2の整数である。
上記式(Z−3)中、Ra7及びRa8は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、−OSO−R若しくは−SO−Rであるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられ構成される環構造を表す。R及びRは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数5〜25の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。k6及びk7は、それぞれ独立して0〜5の整数である。Ra7、Ra8、R及びRがそれぞれ複数の場合、複数のRa7、Ra8、R及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
a1〜Ra3、Ra4、Ra5、Ra7及びRa8で表されるアルキル基としては、例えば
メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等の直鎖状アルキル基;
i−プロピル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等の分岐状アルキル基などが挙げられる。
a1〜Ra3、Ra4及びRa5で表される芳香族炭化水素基としては、例えば
フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
a4及びRa5で表される芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、トリル基、ベンジル基等が挙げられる。
a6で表される2価の有機基としては、例えば上記式(a−3)のRの1価の有機基から1個の水素原子を除いた基等が挙げられる。
アルキル基及び芳香族炭化水素基が有する水素原子を置換する置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アシル基、アシロキシ基等が挙げられる。これらの中で、ハロゲン原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
a1〜Ra3、Ra4、Ra5、Ra7及びRa8としては、非置換のアルキル基、フッ素化アルキル基、非置換の1価の芳香族炭化水素基、−OSO−R”及び−SO−R”が好ましく、フッ素化アルキル基及び非置換の1価の芳香族炭化水素基がより好ましく、フッ素化アルキル基がさらに好ましい。R”は、非置換の1価の脂環式炭化水素基又は非置換の1価の芳香族炭化水素基である。
式(Z−1)におけるk1、k2及びk3としては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、0がさらに好ましい。式(Z−2)におけるk4としては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、1がさらに好ましい。k5としては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、0がさらに好ましい。rとしては、2及び3が好ましく、2がより好ましい。tとしては、0及び1が好ましく、0がより好ましい。式(Z−3)におけるk6及びk7としては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、0がさらに好ましい。
としては、これらの中で、カチオン(Z−1)及びカチオン(Z−2)が好ましく、トリフェニルスルホニウムカチオンがより好ましい。
[B1a]酸発生剤としては、例えば下記式(2−1−1)〜(2−1−15)で表される化合物(以下、「化合物(2−1−1)〜(2−1−15)」ともいう)等が挙げられる。[B1b]酸発生剤としては、例えば下記式(2−2−1)〜(2−2−3)で表される化合物(以下、「化合物(2−2−1)〜(2−2−3)」ともいう)等が挙げられる。[B1c]酸発生剤としては、例えば下記式(2−3−1)、式(2−3−2)で表される化合物(以下、「化合物(2−3−1)、(2−3−2)」ともいう)等が挙げられる。[B1d]酸発生剤としては、例えば下記式(2−4−1)、式(2−4−2)で表される化合物(以下、「化合物(2−4−1)、(2−4−2)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2017067966
Figure 2017067966
上記式(2−1−1)〜(2−1−15)、(2−2−1)〜(2−2−3)、(2−3−1)、(2−3−2)、(2−4−1)及び(2−4−2)中、Zは、1価の感放射線性オニウムカチオンである。
[B1]酸発生剤としては、[B1a]酸発生剤、[B1b]酸発生剤及び[B1d]酸発生剤が好ましく、化合物(2−1−1)〜(2−1−4)及び(2−1−14)、化合物(2−2−1)並びに化合物(2−4−2)がより好ましい。
[B1]酸発生剤としては、オニウム塩化合物が好ましく、スルホニウム塩化合物がより好ましく、トリフェニルスルホニウム塩化合物がさらに好ましい。
また、[B]酸発生体としては、下記式(2−1’)で表される構造単位を有する重合体等の酸発生体の構造が重合体の一部として組み込まれた重合体も好ましい。
Figure 2017067966
上記式(2−1’)中、Rp7は、水素原子又はメチル基である。Lは、単結合又は、−COO−又は2価のカルボニルオキシ炭化水素基である。Rp8は、炭素数1〜10のフッ素化アルカンジイル基である。Zは、上記式(2)と同義である。
p7としては、上記式(2−1’)で表される構造単位を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子及びメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
としては、2価のカルボニルオキシ炭化水素基が好ましく、カルボニルオキシアルカンジイル基及びカルボニルアルカンジイルアレーンジイル基がより好ましい。
p8としては、炭素数1〜4のフッ素化アルカンジイル基が好ましく、炭素数1〜4のパーフルオロアルカンジイル基がより好ましく、ヘキサフルオロプロパンジイル基がさらに好ましい。
[B]酸発生体が[B]酸発生剤の場合、[B]酸発生剤の含有量の下限としては、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましく、5質量部が特に好ましく、10質量部がさらに特に好ましく、15質量部が最も好ましい。上記含有量の上限としては、50質量部が好ましく、40質量部がより好ましく、30質量部がさらに好ましく、25質量部が特に好ましい。
また、[B]酸発生剤の含有量の下限としては、固形分換算、すなわち当該感放射線性樹脂組成物の全固形分に対して、0.1質量%が好ましく、0.5質量%がより好ましく、1質量%がさらに好ましく、5質量%が特に好ましく、10質量%がさらに特に好ましく、15質量%が最も好ましい。上記含有量の上限としては、50質量%が好ましく、40質量%がより好ましく、30質量%がさらに好ましく、25質量%が特に好ましい。
[B]酸発生剤の含有量を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の感度及び現像性が向上し、その結果、LWR性能等を向上させることができる。特に、露光光が電子線又はEUVの場合、当該感放射線性樹脂組成物の感度をより高める観点から、[B]酸発生剤の含有量の下限としては、[A]重合体100質量部に対して10質量部が好ましく、15質量部がより好ましく、18質量部がさらに好ましい。また、[B]酸発生剤の含有量の下限としては、当該感放射線性樹脂組成物の全固形分に対して10質量%が好ましく、15質量部がより好ましく、18質量部がさらに好ましい。当該感放射線性樹脂組成物は[B]酸発生体を1種又は2種以上を含有していてもよい。
<[C]酸拡散制御剤>
[C]酸拡散制御剤は、窒素原子及び−COOを含むアニオンと感放射線性カチオンとを有し、上記アニオンにおける上記−COOが炭素原子に結合しており、この炭素原子がさらに二重結合で他の原子と結合している。
当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体及び[B]酸発生体に加えて、[C]酸拡散制御剤を含有することで、LWR性能、解像性、断面形状の矩形性、焦点深度、欠陥抑制性及び保存安定性に優れる。当該感放射線性樹脂組成物が上記構成を有することで、上記効果を奏する理由については必ずしも明確ではないが、例えば以下のように推察することができる。すなわち、[C]酸拡散制御剤は、アニオン中に窒素原子を有し、かつ−COOに結合する炭素原子がさらに他の原子と二重結合で結合していることで、−COOの電荷が分散し、塩基性が適度に低下している。また、[C]酸拡散制御剤は、このような−COOと同じ分子中に窒素原子を有する特定構造を有することで、従来の酸拡散制御剤を含有する感放射線性樹脂組成物に比べて、使用量を低減することができる。その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能、解像性、断面形状の矩形性及び焦点深度が向上し、また、保存安定性も向上すると考えられる。
−COOに結合する炭素原子が二重結合で結合する他の原子としては、例えば炭素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子等が挙げられる。これらの中で、−COOの電荷がより分散し、[C]酸拡散制御剤の塩基性がより適度に低下する観点から、炭素原子、酸素原子及び硫黄原子が好ましく、炭素原子及び酸素原子がより好ましい。
−COOに結合する炭素原子と他の原子との間の二重結合としては、エチレン性C=C二重結合、芳香環内C=C二重結合、C=O二重結合、C=S二重結合、C=N二重結合、C=P二重結合等が挙げられる。すなわち、−COOに結合する炭素原子が他の原子と構成している構造としては、例えばエテンジイル基、芳香環、カルボニル基、チオカルボニル基、イミノ基、ホスファアルケンジイル基等が挙げられる。これらの中で、−COO−の電荷がさらに分散して[C]酸拡散制御剤の塩基性がさらに適度に低下することで、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等及び保存安定性がより向上する観点から、芳香環及びカルボニル基が好ましい。
芳香環としては、例えば
ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等の芳香族炭素環;
ピリジン環、ピロール環、キノリン環、インドール環、フラン環、ピラン環、チオフェン環等の芳香族複素環などが挙げられる。これらの中で、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環及びキノリン環が好ましく、ベンゼン環及びピリジン環がより好ましい。
[C]酸拡散制御剤としては、例えば下記式(1)で表される化合物(以下、「酸拡散制御剤(C1)」ともいう)等が挙げられる。Lは、−COOに結合する炭素原子を有し、この炭素原子は二重結合で他の原子と結合している。当該感放射線性樹脂組成物は、[C]酸拡散制御剤として酸拡散制御剤(C1)を含有することで、LWR性能等及び保存安定性がより向上する。
Figure 2017067966
上記式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。Lは、炭素数1〜40の2価の有機基である。R、R及びLのうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する窒素原子と共に環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。Xは、1価の感放射線性オニウムカチオンである。
及びRで表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば上記式(a−3)のRで表される炭素数1〜20の1価の有機基として例示した基と同様の基等が挙げられる。
及びRとしては、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルオキシカルボニルアルキル基、シクロアルキルオキシカルボニルアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ヒドロキシシクロアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、シクロアルキルアミノカルボニル基、アルキルアミノチオカルボニル基、シクロアルキルアミノチオカルボニル基、アルキルスルホニル基及びシクロアルキルスルホニル基が好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、t−ブチル基、アダマンチル基、1−メチルシクロペンタン−1−イルオキシカルボニルメチル基、ヒドロキシエチル基、フェニル基、キシリル基、ベンジル基、アセチル基、t−ブトキシカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノチオカルボニル基、メチルスルホニル基及びシクロペンチルスルホニル基が好ましい。
で表される炭素数1〜40の2価の有機基としては、例えば上記式(a−3)のRの1価の有機基から1個の水素原子を除いた基等が挙げられる。これらの中で、置換及び非置換の2価の炭化水素基並びに置換及び非置換の2価のカルボニルオキシ炭化水素基が好ましい。
、R及びLのうちの2つ以上が結合して形成される環構造としては、例えば
アザシクロアルカン構造、アザシクロアルケン構造等の窒素原子含有脂肪族複素環構造;
ピリジン構造、キノリン構造、チアゾール構造、イミダゾール構造等の窒素原子含有芳香族複素環構造などが挙げられる。
で表される1価の感放射線性オニウムカチオンとしては、例えば上記[B]酸発生体のZで表される1価の感放射線性オニウムカチオンとして例示したものと同様のカチオン等が挙げられる。これらの中で、カチオン(Z−1)〜(Z−3)が好ましく、トリフェニルスルホニウムカチオン、トリルジフェニルスルホニウムカチオン、フェニルスルファニルフェニルジフェニルスルホニウムカチオン、シクロヘキシルスルホニルフェニルジフェニルスルホニウムカチオン、t−ブチルフェニルテトラヒドロチオフェニウムカチオン、4−n−ブトキシナフタレン−1−イルテトラヒドロチオフェニウムカチオン、4−(2−シクロプロピルプロパン−2−イルオキシカルボニルメトキシ)ナフタレン−1−イルテトラヒドロチオフェニウムカチオン、2−シクロヘキシルフェニルカルボニルプロパン−2−イルテトラヒドロチオフェニウムカチオン、ジフェニルヨードニウムカチオン及びジ(t−ブチルフェニル)ヨードニウムカチオンが好ましい。
酸拡散制御剤(C1)としては、例えば下記式(1−1)、(1−2)若しくは(1−3)で表される化合物(以下、「酸拡散制御剤(C1−1)、(C1−2)及び(C1−3)」ともいう)、これらの化合物の組み合わせ等が挙げられる。
Figure 2017067966
上記式(1−1)中、R、R及びXは、上記式(1)と同義である。Lは、単結合又は炭素数1〜10の2価の有機基である。Rは、炭素数1〜6の1価の炭化水素基、ヒドロキシ基、スルファニル基又はアミノ基である。nは、0〜4の整数である。nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。R、R、L及び1若しくは複数のRのうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する原子又は原子鎖と共に環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。
Figure 2017067966
上記式(1−2)中、R、R及びXは、上記式(1)と同義である。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。R、R及びLのうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する窒素原子と共に環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。
Figure 2017067966
上記式(1−3)中、Xは、上記式(1)と同義である。Rは、炭素数1〜8の1価の炭化水素基、ヒドロキシ基、スルファニル基又はアミノ基である。mは、0〜4の整数である。mが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のRのうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する炭素鎖と共に環員数4〜20の環構造を形成していてもよい。
上記式(1−1)のLで表される炭素数1〜10の2価の有機基としては、例えばLの2価の有機基として例示したもののうち炭素数1〜10の基等が挙げられる。Lとしては、単結合、アルカンジイル基及びカルボニルフッ素化アルカンジイル基が好ましく、単結合、メタンジイル基及びカルボニルジフルオロメチル基がより好ましく、単結合がさらに好ましい。
で表される炭素数1〜6の1価の炭化水素基としては、例えば上記式(Y−1)のRe1、Re2及びRe3の炭化水素基として例示したもののうち炭素数1〜6の基等が挙げられる。Rとしては、ヒドロキシ基及びアルキル基が好ましく、ヒドロキシ基がより好ましい。
、R、L及び1若しくは複数のRのうちの2つ以上が形成する環員数3〜20の環構造としては、例えば
シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造等の脂環構造;
ベンゼン構造、ナフタレン構造等の芳香族炭素環構造;
アザシクロペンタン構造、アザシクロヘキサン構造等のアザシクロアルカン構造、ジアザシクロヘキサン構造等のジアザシクロアルカン構造、オキサシクロペンタン構造、オキサシクロヘキサン構造等のオキサシクロアルカン構造、チアシクロペンタン構造、チアシクロヘキサン構造等のチアシクロアルカン構造などの脂肪族複素環構造;
ピリジン構造、ピロール構造、キノリン構造、チアゾール構造、イミダゾール構造等の芳香族複素環構造などが挙げられる。これらの中で、芳香族炭素環構造、脂肪族複素環構造及び芳香族複素環構造が好ましく、ベンゼン構造、アザシクロアルカン構造、ジアザシクロアルカン構造、チアゾール構造及びイミダゾール構造がより好ましい。
nとしては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましい。
上記式(1−2)のLで表される炭素数1〜20の2価の有機基としては、例えば上記Lの2価の有機基として例示したものと同様の基等が挙げられる。R、R及びLのうちの2つ以上が形成する環員数3〜20の環構造としては、例えば上記R、R、L及び1若しくは複数のRのうちの2つ以上が形成する環構造として例示したものと同様の環構造等が挙げられる。これらの中で、芳香族複素環構造及び脂肪族複素環構造が好ましく、ピリジン構造、キノリン構造及びアザシクロアルカン構造がより好ましい。
上記式(1−3)のRで表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば上記式(Y−1)のRe1、Re2及びRe3の炭化水素基として例示したものと同様の基等が挙げられる。Rとしては、ヒドロキシ基及びアルキル基が好ましく、ヒドロキシ基がより好ましい。
複数のRのうちの2つ以上が形成する環員数4〜20の環構造としては、例えば例えば上記R、R、L及び1若しくは複数のRのうちの2つ以上が形成する環構造として例示したもののうち環員数が4〜20の環構造等が挙げられる。これらの中で、芳香族炭素環構造が好ましく、ベンゼン構造がより好ましい。
mとしては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましい。
酸拡散制御剤(C1−1)を構成するアニオンとしては、例えば下記式で表されるアニオン等が挙げられる。
Figure 2017067966
酸拡散制御剤(C1−2)を構成するアニオンとしては、例えば下記式で表されるアニオン等が挙げられる。
Figure 2017067966
酸拡散制御剤(C1−3)を構成するアニオンとしては、例えば下記式で表されるアニオン等が挙げられる。
Figure 2017067966
[C]酸拡散制御剤の含有量の下限としては、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましく、2質量部が特に好ましい。上記含有量の上限としては、30質量部が好ましく、20質量部がより好ましく、10質量部がさらに好ましく、5質量部が特に好ましい。[C]酸拡散制御剤の含有量を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能等及び保存安定性をさらに向上させることができる。当該感放射線性樹脂組成物は[C]酸拡散制御剤を1種又は2種以上含有していてもよい。
<[D]重合体>
[D]重合体は、[A]重合体よりもフッ素原子の質量含有率が大きい重合体である。[D]重合体は、[A]重合体よりもフッ素原子の質量含有率が大きいため、その撥油性的特徴により、レジスト膜を形成した際にその分布がレジスト膜表層に偏在化する傾向がある。その結果、当該感放射線性樹脂組成物によれば、液浸露光時における酸発生体、酸拡散制御体等が液浸媒体に溶出することを抑制することができる。また、当該感放射線性樹脂組成物によれば、この[D]重合体の撥水性的特徴により、レジスト膜と液浸媒体との前進接触角を所望の範囲に制御でき、バブル欠陥の発生を抑制できる。さらに、当該感放射線性樹脂組成物によれば、レジスト膜と液浸媒体との後退接触角が大きくなり、水滴が残らずに高速でのスキャン露光が可能となる。当該感放射線性樹脂組成物は、このように[D]重合体を含有することにより、液浸露光法に好適なレジスト膜を形成することができる。
[D]重合体のフッ素原子の質量含有率の下限としては、1質量%が好ましく、2質量%がより好ましく、4質量%がさらに好ましく、7質量%が特に好ましい。上記質量含有率の上限としては、60質量%が好ましく、50質量%がより好ましく、40質量%がさらに好ましく、30質量%が特に好ましい。フッ素原子の質量含有率を上記範囲とすることで、[D]重合体のレジスト膜における偏在化をより適度に調整することができる。なお、重合体のフッ素原子の質量含有率は、13C−NMRスペクトル測定により重合体の構造を求め、その構造から算出することができる。
[D]重合体におけるフッ素原子の含有形態は特に限定されず、主鎖、側鎖及び末端のいずれに結合するものでもよいが、フッ素原子を含む構造単位(以下、「構造単位(F)」ともいう)を有することが好ましい。[D]重合体は、構造単位(F)以外にも、当該感放射線性樹脂組成物の現像欠陥抑制性向上の観点から、酸解離性基を含む構造単位を有することが好ましい。酸解離性基を含む構造単位としては、例えば、[A]重合体における構造単位(I)等が挙げられる。
また、[D]重合体は、アルカリ解離性基を有することが好ましい。[D]重合体がアルカリ解離性基を有すると、アルカリ現像時にレジスト膜表面を疎水性から親水性に効果的に変えることができ、当該感放射線性樹脂組成物の現像欠陥抑制性がより向上する。「アルカリ解離性基」とは、カルボキシ基、ヒドロキシ基等の水素原子を置換する基であって、アルカリ水溶液(例えば、23℃の2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)中で解離する基をいう。
構造単位(F)としては、下記式(f−1)で表される構造単位(以下、「構造単位(F−1)」ともいう)及び下記式(f−2)で表される構造単位(以下、「構造単位(F−2)」ともいう)が好ましい。構造単位(F)は、構造単位(F−1)及び構造単位(F−2)をそれぞれ1種又は2種以上有していてもよい。
[構造単位(F−1)]
構造単位(F−1)は、下記式(f−1)で表される構造単位である。[D]重合体は構造単位(F−1)を有することでフッ素原子の質量含有率を調整することができる。
Figure 2017067966
上記式(f−1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Gは、単結合、酸素原子、硫黄原子、−COO−、−SOONH−、−CONH−又は−OCONH−である。Rは、炭素数1〜6の1価のフッ素化鎖状炭化水素基又は炭素数4〜20の1価のフッ素化脂環式炭化水素基である。
としては、構造単位(F−1)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子及びメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
Gとしては、−COO−、−SOONH−、−CONH−及び−OCONH−が好ましく、−COO−がより好ましい。
で表される炭素数1〜6の1価のフッ素化鎖状炭化水素基としては、例えばトリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、パーフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、パーフルオロn−プロピル基、パーフルオロi−プロピル基、パーフルオロn−ブチル基、パーフルオロi−ブチル基、パーフルオロt−ブチル基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基等が挙げられる。
上記Rで表される炭素数4〜20の1価のフッ素化脂環式炭化水素基としては、例えばモノフルオロシクロペンチル基、ジフルオロシクロペンチル基、パーフルオロシクロペンチル基、モノフルオロシクロヘキシル基、ジフルオロシクロペンチル基、パーフルオロシクロヘキシルメチル基、フルオロノルボルニル基、フルオロアダマンチル基、フルオロボルニル基、フルオロイソボルニル基、フルオロトリシクロデシル基、フルオロテトラシクロデシル基等が挙げられる。
としては、フッ素化鎖状炭化水素基が好ましく、2,2,2−トリフルオロエチル基及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル基がより好ましく、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル基がさらに好ましい。
[D]重合体が構造単位(F−1)を有する場合、構造単位(F−1)の含有割合の下限としては、[D]重合体を構成する全構造単位に対して、3モル%が好ましく、5モル%がより好ましい。上記含有割合の上限としては、90モル%が好ましく、70モル%がより好ましく、50モル%がさらに好ましい。構造単位(F−1)の含有割合を上記範囲とすることで、[D]重合体のフッ素原子の質量含有率をさらに適度に調整することができる。
[構造単位(F−2)]
構造単位(F−2)は、下記式(f−2)で表される構造単位である。[D]重合体は構造単位(F−2)を有することで、フッ素原子の質量含有率を調整すると共に、アルカリ現像前後において、レジスト膜表面を撥水性から親水性へ変化させることができる。
Figure 2017067966
上記式(f−2)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Rは、炭素数1〜20の(s+1)価の炭化水素基、又はこの炭化水素基のR側の末端に酸素原子、硫黄原子、−NR’−、カルボニル基、−COO−若しくは−CONH−が結合された構造である。R’は、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。Rは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。Wは、単結合又は炭素数1〜20の2価のフッ素化鎖状炭化水素基である。Aは、酸素原子、−NR”−、−COO−*又は−SOO−*である。R”は、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。*は、Rに結合する部位を示す。Rは、水素原子又は炭素数1〜30の1価の有機基である。sは、1〜3の整数である。但し、sが1の場合、Rは単結合であってもよい。sが2又は3の場合、複数のR、W、A及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Wが単結合の場合、Rは、フッ素原子を含む基である。
としては、構造単位(F−2)を与える単量体の共重合性等の観点から、水素原子及びメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
で表される炭素数1〜20の(s+1)価の炭化水素基としては、例えば上記式(Y−1)のRe1として例示した1価の炭化水素基からs個の水素原子を除いた基等が挙げられる。
sとしては、1及び2が好ましく、1がより好ましい。
としては、sが1の場合、単結合及び2価の炭化水素基が好ましく、単結合及びアルカンジイル基がより好ましく、単結合及び炭素数1〜4のアルカンジイル基がさらに好ましく、単結合、メタンジイル基及びプロパンジイル基が特に好ましい。
で表される炭素数1〜20の2価の有機基としては、例えば上記式(a−3)のRとして例示した炭素数1〜20の1価の有機基から1個の水素原子を除いた基等が挙げられる。
としては、単結合及びラクトン構造を有する基が好ましく、単結合及び多環のラクトン構造を有する基がより好ましく、単結合及びノルボルナンラクトン構造を有する基がより好ましい。
で表される炭素数1〜20の2価のフッ素化鎖状炭化水素基としては、例えば
フルオロメタンジイル基、ジフルオロメタンジイル基、フルオロエタンジイル基、ジフルオロエタンジイル基、テトラフルオロエタンジイル基、ヘキサフルオロプロパンジイル基、オクタフルオロブタンジイル基等のフッ素化アルカンジイル基;
フルオロエテンジイル基、ジフルオロエテンジイル基等のフッ素化アルケンジイル基などが挙げられる。これらの中で、フッ素化アルカンジイル基が好ましく、ジフルオロメタンジイル基がより好ましい。
としては、酸素原子、−COO−*、−SOO−*が好ましく、−COO−*がより好ましい。
で表される炭素数1〜30の1価の有機基としては、例えばアルカリ解離性基、酸解離性基、炭素数1〜30の炭化水素基等が挙げられる。Rとしては、これらの中で、アルカリ解離性基が好ましい。Rをアルカリ解離性基とすることで、アルカリ現像時に、レジスト膜表面を疎水性から親水性により効果的に変えることができ、当該感放射線性樹脂組成物の現像欠陥抑制性がさらに向上する。
がアルカリ解離性基である場合、Rとしては、下記式(iii)〜(v)で表される基(以下、「基(iii)〜(v)」ともいう)が好ましい。
Figure 2017067966
上記式(iii)中、R5a及びR5bは、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造を表す。
Figure 2017067966
上記式(iv)中、R5c及びR5dは、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する窒素原子と共に構成される環員数3〜20の複素環構造を表す。
Figure 2017067966
上記式(v)中、R5eは、炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は炭素数1〜20の1価のフッ素化炭化水素基である。
炭素数1〜20の1価の有機基及び上記炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、上記式(Y−1)のRe1として例示したものと同様の基等が挙げられる。
炭素数1〜20の1価のフッ素化炭化水素基としては、例えば上記炭素数1〜20の1価の炭化水素基として例示した基が有する水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基等が挙げられる。
基(iii)としては下記式(iii−1)〜(iii−4)で表される基(以下、「基(iii−1)〜(iii−4)」ともいう)が、基(iv)としては下記式(iv−1)で表される基(以下、「基(iv−1)」ともいう)が、基(v)としては下記式(v−1)〜(v−5)で表される基(以下、「基(v−1)〜(v−5)」ともいう)が好ましい。
Figure 2017067966
これらの中で、基(v−3)及び基(v−5)が好ましい。
また、Rが水素原子であると、[D]重合体のアルカリ現像液に対する親和性が向上するため好ましい。この場合、Aが酸素原子かつWが1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−メタンジイル基であると、上記親和性がさらに向上する。
[D]重合体が構造単位(F−2)を有する場合、構造単位(F−2)の含有割合の下限としては、[D]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%が好ましく、20モル%がより好ましく、40モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、90モル%が好ましく、85モル%がより好ましく、80モル%がさらに好ましい。構造単位(F−2)の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物から形成されたレジスト膜表面をアルカリ現像前後で撥水性から親水性へより適切に変えることができる。
構造単位(F)の含有割合の下限としては、[D]重合体を構成する全構造単位に対して、20モル%が好ましく、30モル%がより好ましく、40モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、90モル%が好ましく、85モル%がより好ましく、80モル%がさらに好ましい。
[D]重合体における酸解離性基を含む構造単位の下限としては、[D]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%が好ましく、15モル%がより好ましく、20モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、60モル%が好ましく、50モル%がより好ましく、40モル%がさらに好ましい。酸解離性基を含む構造単位の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の現像欠陥抑制性をさらに向上させることができる。
当該感放射線性樹脂組成物が[D]重合体を含有する場合、[D]重合体の含有量の下限としては、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、0.2質量部がより好ましく、0.5質量部がさらに好ましく、1質量部が特に好ましい。上記含有量の上限としては、30質量部が好ましく、20質量部がより好ましく、15質量部がさらに好ましく、10質量部が特に好ましい。当該感放射線性樹脂組成物は[D]重合体を1種又は2種以上含有していてもよい。
[D]重合体は、上述した[A]重合体と同様の方法で合成することができる。
[D]重合体のGPCによるMwの下限としては、1,000が好ましく、2,000がより好ましく、2,500がさらに好ましく、3,000が特に好ましい。上記Mwの上限としては、50,000が好ましく、30,000がより好ましく、20,000がさらに好ましく、15,000が特に好ましい。[D]重合体のMwを上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の塗布性及び現像欠陥抑制性が向上する。
[D]重合体のGPCによるMnに対するMwの比(Mw/Mn)の下限としては、通常1であり、1.2が好ましい。上記比の上限としては、5が好ましく、3がより好ましく、2がさらに好ましい。
<[E]溶媒>
当該感放射線性樹脂組成物は、通常[E]溶媒を含有する。[E]溶媒は、少なくとも[A]重合体、[B]酸発生体、[C]酸拡散制御剤、必要に応じて含有される[D]重合体等を溶解又は分散可能な溶媒であれば特に限定されない。
[E]溶媒としては、例えばアルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒等が挙げられる。
アルコール系溶媒としては、例えば
4−メチル−2−ペンタノール、n−ヘキサノール等の炭素数1〜18の脂肪族モノアルコール系溶媒;
シクロヘキサノール等の炭素数3〜18の脂環式モノアルコール系溶媒;
1,2−プロピレングリコール等の炭素数2〜18の多価アルコール系溶媒;
プロピレングリコールモノメチルエーテル等の炭素数3〜19の多価アルコール部分エーテル系溶媒などが挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えば
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジペンチルエーテル、ジイソアミルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプチルエーテル等のジアルキルエーテル系溶媒;
テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル系溶媒;
ジフェニルエーテル、アニソール等の芳香環含有エーテル系溶媒などが挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えば
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、2−ヘプタノン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン等の鎖状ケトン系溶媒:
シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン系溶媒:
2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン等が挙げられる。
アミド系溶媒としては、例えば
N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドン等の環状アミド系溶媒;
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド等の鎖状アミド系溶媒などが挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えば
酢酸n−ブチル、乳酸エチル等のモノカルボン酸エステル系溶媒;
プロピレングリコールアセテート等の多価アルコールカルボキシレート系溶媒;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒;
シュウ酸ジエチル等の多価カルボン酸ジエステル系溶媒;
γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン等のラクトン系溶媒;
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒などが挙げられる。
炭化水素系溶媒としては、例えば
n−ペンタン、n−ヘキサン等の炭素数5〜12の脂肪族炭化水素系溶媒;
トルエン、キシレン等の炭素数6〜16の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。
[E]溶媒としては、エステル系溶媒及びケトン系溶媒が好ましく、多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒及び環状ケトン系溶媒がより好ましく、多価アルコール部分アルキルエーテルアセテート及びシクロアルカノンがさらに好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びシクロヘキサノンが特に好ましい。当該感放射線性樹脂組成物は、[E]溶媒を1種又は2種以上含有していてもよい。
<[G]他の酸拡散制御体>
[G]他の酸拡散制御体は、[C]酸拡散制御剤以外の酸拡散制御体である。[G]他の酸拡散制御体は、露光により[B]酸発生体から生じる酸のレジスト膜中における拡散現象を制御する。その結果、未露光部における好ましくない化学反応を抑制する効果を奏する。また、当該感放射線性樹脂組成物の貯蔵安定性がさらに向上する。さらに、当該感放射線性樹脂組成物の解像度がさらに向上すると共に、露光から現像処理までの引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に優れた感放射線性樹脂組成物が得られる。[G]他の酸拡散制御体の当該感放射線性樹脂組成物における含有形態としては、低分子化合物の形態(以下、適宜「[G]他の酸拡散制御剤」と称する)でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。[G]他の酸拡散制御体は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[G]他の酸拡散制御剤としては、例えば下記式(3)で表される化合物(以下、「含窒素化合物(I)」ともいう)、同一分子内に窒素原子を2個有する化合物(以下、「含窒素化合物(II)」ともいう)、窒素原子を3個有する化合物(以下、「含窒素化合物(III)」ともいう)、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等が挙げられる。
Figure 2017067966
上記式(3)中、R、R10及びR11は、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のシクロアルキル基、置換若しくは非置換のアリール基又は置換若しくは非置換のアラルキル基である。
含窒素化合物(I)としては、例えばn−ヘキシルアミン等のモノアルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類;トリエチルアミン、トリn−ペンチルアミン等のトリアルキルアミン類;アニリン等の芳香族アミン類等が挙げられる。
含窒素化合物(II)としては、例えばエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられる。
含窒素化合物(III)としては、例えばポリエチレンイミン、ポリアリルアミン等のポリアミン化合物;ジメチルアミノエチルアクリルアミド等の重合体などが挙げられる。
アミド基含有化合物としては、例えばホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
ウレア化合物としては、例えば尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリブチルチオウレア等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、例えばピリジン、2−メチルピリジン等のピリジン類;N−プロピルモルホリン、N−(ウンデカン−1−イルカルボニルオキシエチル)モルホリン等のモルホリン類;ピラジン、ピラゾール等が挙げられる。
また、含窒素化合物として、酸解離性基を有する化合物を用いることもできる。このような酸解離性基を有する含窒素化合物としては、例えばN−t−ブトキシカルボニルピペリジン、N−t−ブトキシカルボニルイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール、N−(t−ブトキシカルボニル)ジ−n−オクチルアミン、N−(t−ブトキシカルボニル)ジエタノールアミン、N−(t−ブトキシカルボニル)ジシクロヘキシルアミン、N−(t−ブトキシカルボニル)ジフェニルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−アミルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン等が挙げられる。
これらの中で、含窒素複素環化合物が好ましく、モルホリン類がより好ましく、N−(ウンデカン−1−イルカルボニルオキシエチル)モルホリンがさらに好ましい。
また、[G]他の酸拡散制御体として、露光により感光し弱酸を発生する光崩壊性塩基を用いることもできる。光崩壊性塩基としては、例えば露光により分解して酸拡散制御性を失うオニウム塩化合物等が挙げられる(但し、[C]酸拡散制御剤に該当するものを除く)。
オニウム塩化合物としては、例えばトリフェニルスルホニウムサリチレート、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムサリチレート、トリフェニルスルホニウムアセチルアセテート、トリフェニルスルホニウム2,4,6−トリi−プロピルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート、トリフェニルスルホニウム1−シクロヘキシルブタン−1,3−ジオン−2−エート等が挙げられる。これらの中で、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムサリチレート、トリフェニルスルホニウムアセチルアセテート、トリフェニルスルホニウム2,4,6−トリi−プロピルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート及びトリフェニルスルホニウム1−シクロヘキシルブタン−1,3−ジオン−2−エートが好ましく、4−シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムサリチレート及びトリフェニルスルホニウム1−シクロヘキシルブタン−1,3−ジオン−2−エートがより好ましい。
当該感放射線性樹脂組成物が[G]他の酸拡散制御剤を含有する場合、[G]他の酸拡散制御剤の含有量の下限としては、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、0.3質量部がより好ましく、0.5質量部がさらに好ましく、1質量部が特に好ましい。上記含有量の上限としては、20質量部が好ましく、15質量部がより好ましく、10質量部がさらに好ましく、5質量部が特に好ましい。
また、[G]他の酸拡散制御剤の含有量の下限としては、[C]酸拡散制御剤100質量部に対して、10質量部が好ましく、20質量部がより好ましく、25質量部がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、95質量部が好ましく、90質量部がより好ましく、85質量部がさらに好ましい。
<その他の任意成分>
当該感放射線性樹脂組成物は、上記[A]〜[G]成分以外のその他の任意成分を含有していてもよい。その他の任意成分としては、例えば界面活性剤、脂環式骨格含有化合物、増感剤等が挙げられる。これらのその他の任意成分は、それぞれ1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[界面活性剤]
界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する効果を奏する。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤;市販品としては、信越化学工業社の「KP341」、共栄社化学社の「ポリフローNo.75」、「同No.95」、トーケムプロダクツ社の「エフトップEF301」、「同EF303」、「同EF352」、DIC社の「メガファックF171」、「同F173、住友スリーエム社の「フロラードFC430」、「同FC431」、旭硝子工業社の「アサヒガードAG710」、「サーフロンS−382」、「同SC−101」、「同SC−102」、「同SC−103」、「同SC−104」、「同SC−105」、「同SC−106」等が挙げられる。界面活性剤の含有量の上限としては、[A]重合体100質量部に対して、2質量部が好ましく、1質量部がより好ましい。
[脂環式骨格含有化合物]
脂環式骨格含有化合物は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を改善する効果を奏する。
[増感剤]
増感剤は、[B]酸発生体等からの酸の生成量を増加する作用を示すものであり、当該感放射線性樹脂組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を奏する。
増感剤としては、例えばカルバゾール類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、フェノール類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等が挙げられる。これらの増感剤は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。増感剤の含有量の上限としては、[A]重合体100質量部に対して、2質量部が好ましく、1質量部がより好ましい。
<感放射線性樹脂組成物の調製方法>
当該感放射線性樹脂組成物は、例えば[A]重合体、[B]酸発生体、[C]酸拡散制御剤、必要に応じて含有される[D]重合体、[E]溶媒及びその他の任意成分を所定の割合で混合し、好ましくは、得られた混合液を、例えば孔径0.2μm程度のフィルター等でろ過することで調製することができる。当該感放射線性樹脂組成物の固形分濃度の下限としては、0.1質量%が好ましく、0.5質量部がより好ましく、1質量%がさらに好ましい。上記固形分濃度の上限としては、50質量%が好ましく、30質量%がより好ましく、20質量%がさらに好ましい。
当該感放射線性樹脂組成物は、アルカリ現像液を用いるポジ型パターン形成用にも、有機溶媒を含有する現像液を用いるネガ型パターン形成用にも用いることができる。これらのうち、有機溶媒を含有する現像液を用いるネガ型パターン形成に用いる場合、当該感放射線性樹脂組成物は、より高い解像性を発揮することができる。
<レジストパターン形成方法>
当該レジストパターン形成方法は、レジスト膜を形成する工程(以下、「レジスト膜形成工程」ともいう)、上記レジスト膜を露光する工程(以下、「露光工程」ともいう)、及び上記露光されたレジスト膜を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう)を備える。当該レジストパターン形成方法は、上記レジスト膜を当該感放射線性樹脂組成物により形成する。
当該レジストパターン形成方法によれば、上述した当該感放射線性樹脂組成物を用いているので、優れた焦点深度及びMEEF性能を発揮しつつ、LWR性能、CDU性能、解像性及び断面形状の矩形性に優れるレジストパターンを形成することができる。以下、各工程について説明する。
[レジスト膜形成工程]
本工程では、当該感放射線性樹脂組成物によりレジスト膜を形成する。上記レジスト膜を形成する基板としては、例えばシリコンウェハ、アルミニウムで被覆したウェハ等が挙げられる。この基板上に当該感放射線性樹脂組成物を塗布することによりレジスト膜が形成される。当該感放射線性樹脂組成物の塗布方法としては、特に限定されないが、例えばスピンコート法等の公知の方法等が挙げられる。当該感放射線性樹脂組成物を塗布する際には、形成されるレジスト膜が所望の厚みとなるように、塗布する当該感放射線性樹脂組成物の量を調整する。なお当該感放射線性樹脂組成物を基板上に塗布した後、溶媒を揮発させるためにソフトベーク(以下、「SB」ともいう)を行ってもよい。SBの温度の下限としては、30℃が好ましく、50℃がより好ましい。上記温度の上限としては、200℃が好ましく、150℃がより好ましい。SBの時間の下限としては、10秒が好ましく、30秒がより好ましい。上記時間の上限としては、600秒が好ましく、300秒がより好ましい。レジスト膜の平均厚みの下限としては、10nmが好ましく、20nmがより好ましい。上記平均厚みの上限としては、1,000nmが好ましく、200nmがより好ましい。
[露光工程]
本工程では、上記レジスト膜形成工程で形成されたレジスト膜を露光する。この露光は、場合によっては、水等の液浸露光液を介し、所定のパターンを有するマスクを介して放射線を照射することにより行う。
液浸露光液としては、通常、空気より屈折率の大きい液体を使用する。具体的には、例えば純水、長鎖又は環状の脂肪族化合物等が挙げられる。この液浸露光液を介した状態、すなわち、レンズとレジスト膜との間に液浸露光液を満たした状態で、露光装置から放射線を照射し、所定のパターンを有するマスクを介してレジスト膜を露光する。
上記放射線としては、使用される感放射線性酸発生体の種類に応じて、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等から適宜選定されて使用されるが、この中でも、ArFエキシマレーザー光(波長193nm)、KrFエキシマレーザー光(波長248nm)等の遠紫外線が好ましく、ArFエキシマレーザー光(波長193nm)がより好ましい。なお、露光量等の露光条件は、液浸露光用レジスト組成物の配合組成、添加剤の種類等に応じて適宜選定することができる。
露光後のレジスト膜に対し、加熱処理(以下、「ポストエクスポージャーベーク(PEB)」ともいう)を行うことが好ましい。このPEBにより、[A]重合体等の酸解離性基の解離反応を円滑に進行させることができる。PEBの加熱条件は、感放射線性樹脂組成物の配合組成によって適宜調整されるが、PEBの温度の下限としては、30℃が好ましく、50℃がより好ましく、60℃がさらに好ましい。上記温度の上限としては、200℃が好ましく、150℃がより好ましく、120℃がさらに好ましい。PEBの時間の下限としては、10秒が好ましく、30秒がより好ましい。上記時間の上限としては、600秒が好ましく、300秒がより好ましい。
また、感放射線性樹脂組成物の潜在能力を最大限に引き出すため、例えば特公平6−12452号公報、特開昭59−93448号公報等に開示されているように、使用される基板上に有機系又は無機系の反射防止膜を形成しておくこともできる。また、環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するため、例えば特開平5−188598号公報等に開示されているように、レジスト膜上に保護膜を設けることもできる。
[現像工程]
本工程では、上記露光工程で露光されたレジスト膜を現像する。この現像に用いる現像液としては、例えばアルカリ水溶液(アルカリ現像液)、有機溶媒を含有する液(有機溶媒現像液)等が挙げられる。これにより、所定のレジストパターンが形成される。
アルカリ現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ水溶液等が挙げられる。これらの中で、TMAH水溶液が好ましく、2.38質量%TMAH水溶液がより好ましい。
有機溶媒現像液としては、例えば炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒等の有機溶媒、又は有機溶媒を含有する液が挙げられる。有機溶媒としては、例えば上述の感放射線性樹脂組成物の[E]溶媒として例示した溶媒の1種又は2種以上等が挙げられる。これらの中でも、エステル系溶媒及びケトン系溶媒が好ましい。エステル系溶媒としては、酢酸エステル系溶媒が好ましく、酢酸n−ブチルがより好ましい。ケトン系溶媒としては、鎖状ケトンが好ましく、2−ヘプタノンがより好ましい。有機溶媒現像液中の有機溶媒の含有量の下限としては、80質量%が好ましく、90質量%がより好ましく、95質量%がさらに好ましく、99質量%が特に好ましい。有機溶媒現像液中の有機溶媒以外の成分としては、例えば水、シリコンオイル等が挙げられる。
これらの現像液は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、現像後は、水等で洗浄し、乾燥することが一般的である。
<酸拡散制御剤>
当該酸拡散制御剤は、窒素原子及び−COOを含むアニオンと感放射線性カチオンとを有し、上記アニオンにおける上記−COOが炭素原子に結合しており、この炭素原子がさらに二重結合で他の原子と結合している酸拡散制御剤である。当該酸拡散制御剤は、上述の性質を有するので、当該感放射線性樹脂組成物の酸拡散制御剤成分として好適に用いることができ、この感放射線性樹脂組成物のLWR性能、解像性、断面形状の矩形性、欠陥抑制性、焦点深度及び保存安定性を向上させることができる。
<化合物>
当該化合物は、窒素原子及び−COOを含むアニオンと感放射線性カチオンとを有し、上記アニオンにおける上記−COOが炭素原子に結合しており、この炭素原子がさらに二重結合で他の原子と結合している化合物である。当該化合物は、上述の当該酸拡散制御剤として好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。各種物性値の測定方法を以下に示す。
[Mw、Mn及びMw/Mn]
重合体のMw及びMnは、東ソー社のGPCカラム(「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本及び「G4000HXL」1本)を使用し、以下の条件によるGPCにより測定した。また、Mw/Mnは、Mw及びMnの測定結果より算出した。
溶出溶媒:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
カラム温度:40℃
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
13C−NMR分析]
重合体の各構造単位含有割合を求めるための13C−NMR分析は、核磁気共鳴装置(日本電子社の「JNM−ECX400」)を使用し、測定溶媒として重クロロホルムを使用して測定した。
<重合体の合成>
[A]重合体及び[D]重合体の合成に用いた単量体を以下に示す。
Figure 2017067966
[[A]重合体の合成]
[合成例1]
化合物(M−1)9.38g(50モル%)及び化合物(M−8)10.62g(50モル%)を2−ブタノン40gに溶解させ、さらにラジカル重合開始剤としてのアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.785g(単量体の総量に対して5モル%)を溶解させ、単量体溶液を調製した。次に、2−ブタノン20gを入れた200mL三口フラスコを窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃に加熱し、調製した単量体溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに3時間、80℃で加熱することにより重合反応を行った。重合反応終了後、重合反応液を室温に冷却し、メタノール300g中に投入して析出した固体を濾別した。濾別した固体をメタノール60mLで2回洗浄し、濾別した後、減圧下、50℃で15時間乾燥させ、重合体(A−1)を合成した(収量15.8g、収率78.9%)。重合体(A−1)のMwは6,100であり、Mw/Mnは1.41であった。13C−NMR分析の結果、(M−1)及び(M−8)に由来する構造単位の含有割合は、それぞれ49.8モル%及び50.2モル%であった。
[合成例2〜7]
下記表1に示す種類及び使用量の単量体を用いた以外は、合成例1と同様の操作を行うことによって、重合体(A−2)〜(A−7)を合成した。合成した各重合体の収率(%)、Mw、Mw/Mn及び各構造単位の含有割合(モル%)について下記表1に合わせて示す。
[合成例8]重合体(A−8)の合成
化合物(M−15)45.24g(50モル%)、化合物(M−1)54.76g(50モル%)、ラジカル重合開始剤としてのAIBN4.58g(単量体の総量に対して5モル%)、及びt−ドデシルメルカプタン1、14gをプロピレングリコールモノメチルエーテル100gに溶解させた後、窒素雰囲気下、反応温度を70℃に保持して、16時間重合反応を行った。重合反応終了後、重合反応液を1,000gのn−ヘキサン中に滴下して凝固精製した後、得られた固体に、再度プロピレングリコールモノメチルエーテル150gを加え、さらにメタノール150g、トリエチルアミン34g及び水6gを加えて、沸点にて還流させながら、8時間加水分解反応を行った。反応終了後、溶媒及びトリエチルアミンを減圧留去し、得られた固体をアセトン150gに溶解させた後、2,000gの水中に滴下して凝固させ、生成した固体をろ過し、50℃で17時間乾燥させて白色粉末状の重合体(A−8)を得た(収量63.8g、収率72.3%)。重合体(A−8)のMwは6,400であり、Mw/Mnは1.72であった。13C−NMR分析の結果、p−ヒドロキシスチレン単位及び(M−1)に由来する構造単位の含有割合は、それぞれ51.2モル%及び48.8モル%であった。
Figure 2017067966
[[D]重合体の合成]
[合成例9]
化合物(M−16)21.5g(70モル%)及び化合物(M−17)8,5g(30モル%)を2−ブタノン20gに溶解させ、さらにラジカル重合開始剤としてのAIBN1.38g(単量体の総量に対して5モル%)を溶解させ、単量体溶液を調製した。次に、2−ブタノン10gを入れた100mL三口フラスコを窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃に加熱し、調製した単量体溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに3時間、80℃で加熱することにより重合反応を行った。重合反応終了後、重合反応液を室温に冷却した。重合反応液を分液漏斗に移液した後、45gのn−ヘキサンで上記重合反応液を均一に希釈し、180gのメタノールを投入して混合した。次いで9gの蒸留水を投入し、さらに攪拌して30分静置した。次いで、下層を回収し、溶媒をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに置換することで、重合体(D−1)を含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た(収率60.0%)。重合体(D−1)のMwは7,200であり、Mw/Mnは2.00であった。13C−NMR分析の結果、(M−16)及び(M−17)に由来する構造単位の含有割合は、それぞれ71.1モル%及び28.9モル%であった。
<感放射線性樹脂組成物の調製>
感放射線性樹脂組成物の調製に用いた[B]酸発生剤、[C]酸拡散制御剤、及び[E]溶媒を以下に示す。
[[B]酸発生剤]
下記式(B−1)〜(B−7)で表される化合物。
Figure 2017067966
[[C]酸拡散制御剤]
実施例:下記式(C−1)〜(C−16)で表される化合物。
比較例:下記式(CC−1)〜(CC−6)で表される化合物。
Figure 2017067966
Figure 2017067966
Figure 2017067966
[[E]溶媒]
E−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
E−2:シクロヘキサノン
E−3:γ−ブチロラクトン
[ArF露光用感放射線性樹脂組成物の調製]
[実施例1]
[A]重合体としての(A−1)100質量部、[B]酸発生剤としての(B−1)7.9質量部、[C]酸拡散制御剤としての(C−1)1.6質量部、[D]重合体としての(D−1)3.0質量部、並びに[E]溶媒としての(E−1)2,240質量部、(E−2)960質量部及び(E−3)30質量部を混合し、得られた混合溶液を孔径0.20μmのフィルターでろ過することによりの感放射線性樹脂組成物(J−1)を調製した。
[実施例2〜30及び比較例1〜8]
下記表2及び表3に示す種類及び含有量の各成分を用いた以外は、実施例1と同様に操作して、感放射線性樹脂組成物(J−2)〜(J−30)及び(CJ−1)〜(CJ−8)を調製した。
Figure 2017067966
Figure 2017067966
<レジストパターンの形成(1)>
12インチのシリコンウエハ表面に、スピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT12」)を使用して、下層反射防止膜形成用組成物(ブルワーサイエンス社の「ARC66」)を塗布した後、205℃で60秒間加熱することにより平均厚み105nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上に、上記スピンコーターを使用して上記調製した各感放射線性樹脂組成物を塗布し、90℃で60秒間PBを行った。その後、23℃で30秒間冷却し、平均厚み90nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜を、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(NIKON社の「NSR−S610C」)を用い、NA=1.3、ダイポール(シグマ0.977/0.782)の光学条件にて、40nmラインアンドスペース(1L1S)マスクパターンを介して露光した。露光後、90℃で60秒間PEBを行った。その後、アルカリ現像液としての2.38質量%TMAH水溶液を用いてアルカリ現像し、水で洗浄し、乾燥してポジ型のレジストパターンを形成した。このレジストパターン形成の際、ターゲット寸法が40nmの1対1ラインアンドスペースのマスクを介して形成したパターンが、線幅40nmの1対1ラインアンドスペースに形成される場合の露光量を最適露光量とした。
<レジストパターンの形成(2)>
上記TMAH水溶液の代わりに酢酸n−ブチルを用いて有機溶媒現像し、かつ水での洗浄を行わなかった以外は、上記レジストパターンの形成(1)と同様に操作して、ネガ型のレジストパターンを形成した。
<評価>
上記形成した各レジストパターンについて、下記方法に従って測定することにより、感放射線性樹脂組成物のLWR性能、解像性、断面形状の矩形性、焦点深度及び欠陥抑制性を評価した。また、下記方法により、感放射線性樹脂組成物の保存安定性を評価した。なお、レジストパターンの測長には走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社の「CG−4100」)を用いた。評価結果を下記表4及び表5に示す。
[LWR性能]
上記走査型電子顕微鏡を用いてレジストパターンを上部から観察した。線幅を任意のポイントで計50点測定し、その測定値の分布から3シグマ値を求め、これをLWR性能(nm)とした。LWR性能は、値が小さいほど良いことを示す。LWR性能は、4.9nm以下の場合は良好と、4.9nmを超える場合は不良と評価できる。
[解像性]
上記最適露光量において、ラインアンドスペース(1L/1S)を形成するマスクパターンのサイズを変えた場合に解像される最小のレジストパターンの寸法を測定し、この測定値を解像性(nm)とした。解像性は、値が小さいほど良いことを示す。解像性は、36nm以下の場合は良好と、36nmを超える場合は不良と評価できる。
[断面形状の矩形性]
上記最適露光量において解像されるレジストパターンの断面形状を観察し、レジストパターンの中間での線幅Lb及び膜の上部での線幅Laを測定し、La/Lbを算出し、断面形状の矩形性の指標とした。断面形状の矩形性は、0.95≦(La/Lb)≦1.05である場合は良好と、(La/Lb)<0.95又は1.05<(La/Lb)である場合は不良と評価できる。
[焦点深度]
上記最適露光量において解像されるレジストパターンにおいて、深さ方向にフォーカスを変化させた際の寸法を観測し、ブリッジや残渣が無いままパターン寸法が基準の90%〜110%に入る深さ方向の余裕度を測定し、この測定結果を焦点深度とした。焦点深度は、50nmを超える場合は良好と、50nm以下の場合は不良と評価できる。
[欠陥抑制性]
上記最適露光量において解像されるレジストパターンにおいて、欠陥数を、欠陥検査装置(KLA−Tencor社の「KLA2810」)を用いて測定した。欠陥抑制性は、単位面積当たりの欠陥の数が少ないほど良好である。欠陥抑制性は、0.1個/cm以下の場合は良好と、0.1個/cmを超える場合は不良と評価できる。
[保存安定性]
上記調製直後の感放射線性樹脂組成物、及び調製後3か月間25℃で保管した後の感放射線性樹脂組成物について、40nmの1対1ラインアンドスペースのマスクを介して形成したパターンが線幅40nmの1対1ラインアンドスペースに形成される場合の露光量(最適露光量)をそれぞれ測定し、Ea、Ebとし、(Ea−Eb)×100/Eaを算出して、保存安定性の指標とした。保存安定性は、−1.00≦[(Ea−Eb)×100/Ea]≦1.00である場合は良好と、[(Ea−Eb)×100/Ea]<−1.00又は1.00<[(Ea−Eb)×100/Ea]の場合は不良と評価できる。
Figure 2017067966
Figure 2017067966
[電子線露光用感放射線性樹脂組成物の調製]
[実施例31]
[A]重合体としての(A−8)100質量部、[B]酸発生剤としての(B−3)20質量部、[C]酸拡散制御剤としての(C−1)3.2質量部、並びに[E]溶媒としての(E−1)4,280質量部及び(E−2)1,830質量部を混合し、孔径0.2μmのメンブランフィルターでろ過することによりの感放射線性樹脂組成物(J−31)を調製した。
[実施例32〜34並びに比較例9及び10]
下記表6に示す種類及び含有量の各成分を用いた以外は、実施例31と同様に操作して、感放射線性樹脂組成物(J−31)〜(J−34)並びに(CJ−9)及び(CJ−10)を調製した。
Figure 2017067966
<レジストパターンの形成(3)>
8インチのシリコンウエハ表面に、スピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT8」)を使用して、表7に記載の各感放射線性樹脂組成物を塗布し、90℃で60秒間PBを行った。その後、23℃で30秒間冷却し、平均厚み50nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜に、簡易型の電子線描画装置(日立製作所社の「HL800D」、出力:50KeV、電流密度:5.0A/cm)を用いて電子線を照射した。照射後、120℃で60秒間PEBを行った。その後、アルカリ現像液としての2.38質量%TMAH水溶液を用いて23℃で30秒間現像し、水で洗浄し、乾燥してポジ型のレジストパターンを形成した。
<レジストパターンの形成(4)>
上記TMAH水溶液の代わりに酢酸n−ブチルを用いて有機溶媒現像し、かつ水での洗浄を行わなかった以外は、上記レジストパターンの形成(3)と同様に操作して、ネガ型のレジストパターンを形成した。
<評価>
上記電子線露光により形成したレジストパターンについて、上記ArF露光の場合と同様の手法で、LWR性能、解像性、断面形状の矩形性、焦点深度及び保存安定性の評価を実施した。評価結果を下記表7に示す。なお、電子線露光の場合、LWR性能は5.2nm以下の場合は良好と、5.2nmを超える場合は不良と評価できる。
Figure 2017067966
表4、表5及び表7の結果から明らかなように、実施例の感放射線性樹脂組成物はArF露光及び電子線露光の場合、かつアルカリ現像及び有機溶媒現像の場合とも、LWR性能、解像性、断面形状の矩形性、焦点深度及び保存安定性に優れている。比較例では、これらの各特性が実施例に比べて劣っていた。一般的に、電子線露光によれば、EUV露光の場合と同様の傾向を示すことが知られており、従って、実施例の感放射線性樹脂組成物によれば、EUV露光の場合においても、LWR性能等に優れると推測される。
本発明の感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法によれば、優れた保存安定性及び焦点深度を発揮しつつ、LWRが小さく、解像度が高く、断面形状の矩形性に優れ、欠陥が少ないレジストパターンを形成することができる。本発明の酸拡散制御剤は、当該感放射線性樹脂組成物の酸拡散制御剤成分として好適に用いることができる。本発明の化合物は、当該酸拡散制御剤として好適に用いることができる。従って、これらは、さらなる微細化が進行すると予想される半導体デバイス製造等におけるパターン形成に好適に用いることができる。

Claims (10)

  1. 酸解離性基を含む第1構造単位を有する重合体、
    感放射線性酸発生体、及び
    窒素原子及び−COOを含むアニオンと感放射線性カチオンとを有する酸拡散制御剤
    を含有し、
    上記アニオンにおける上記−COOが炭素原子に結合しており、この炭素原子がさらに二重結合で他の原子と結合している感放射線性樹脂組成物。
  2. 上記酸拡散制御剤のアニオンにおいて、上記−COOと結合している炭素原子が、芳香環又はカルボニル基を構成している請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
  3. 上記酸拡散制御剤が下記式(1)で表される請求項1又は請求項2に記載の感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2017067966
    (式(1)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。Lは、炭素数1〜40の2価の有機基である。R、R及びLのうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する窒素原子と共に環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。Xは、1価の感放射線性オニウムカチオンである。)
  4. 上記式(1)で表される酸拡散制御剤が、下記式(1−1)、(1−2)若しくは(1−3)で表される化合物又はこれらの組み合わせである請求項3に記載の感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2017067966
    (式(1−1)中、R、R及びXは、上記式(1)と同義である。Lは、単結合又は炭素数1〜10の2価の有機基である。Rは、炭素数1〜6の1価の炭化水素基、ヒドロキシ基、スルファニル基又はアミノ基である。nは、0〜4の整数である。nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。R、R、L及び1若しくは複数のRのうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する原子又は原子鎖と共に環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。)
    Figure 2017067966
    (式(1−2)中、R、R及びXは、上記式(1)と同義である。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。R、R及びLのうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する窒素原子と共に環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。)
    Figure 2017067966
    (式(1−3)中、Xは、上記式(1)と同義である。Rは、炭素数1〜8の1価の炭化水素基、ヒドロキシ基、スルファニル基又はアミノ基である。mは、0〜4の整数である。mが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のRのうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する炭素鎖と共に環員数4〜20の環構造を形成していてもよい。)
  5. 上記感放射線性酸発生体が、下記式(2−1)で表される請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2017067966
    (式(2−1)中、Rp1は、環員数6以上の環構造を含む1価の基である。Rp2は、2価の連結基である。Rp3及びRp4は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は炭素数1〜20の1価のフッ素化炭化水素基である。Rp5及びRp6は、それぞれ独立して、フッ素原子又は炭素数1〜20の1価のフッ素化炭化水素基である。np1は、0〜10の整数である。np2は、0〜10の整数である。np3は、1〜10の整数である。np1が2以上の場合、複数のRp2は同一でも異なっていてもよい。np2が2以上の場合、複数のRp3は同一でも異なっていてもよく、複数のRp4は同一でも異なっていてもよい。np3が2以上の場合、複数のRp5は同一でも異なっていてもよく、複数のRp6は同一でも異なっていてもよい。Zは、1価の感放射線性オニウムカチオンである。)
  6. 上記第1構造単位が、下記式(a−1)で表される請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2017067966
    (式(a−1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Yは、下記式(Y−1)で表される1価の酸解離性基である。)
    Figure 2017067966
    (式(Y−1)中、Re1は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。Re2及びRe3は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の炭化水素基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造を表す。)
  7. 上記重合体が、ラクトン構造、環状カーボネート構造、スルトン構造又はこれらの組み合わせを含む第2構造単位をさらに有する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  8. レジスト膜を形成する工程、
    上記レジスト膜を露光する工程、及び
    上記露光されたレジスト膜を現像する工程
    を備え、
    上記レジスト膜を請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物により形成するレジストパターン形成方法。
  9. 窒素原子及び−COOを含むアニオンと感放射線性カチオンとを有し、上記アニオンにおける上記−COOが炭素原子に結合しており、この炭素原子がさらに二重結合で他の原子と結合している酸拡散制御剤。
  10. 窒素原子及び−COOを含むアニオンと感放射線性カチオンとを有し、上記アニオンにおける上記−COOが炭素原子に結合しており、この炭素原子がさらに二重結合で他の原子と結合している化合物。

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