JP2018162466A - 重合体及び化合物の製造方法 - Google Patents

重合体及び化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】LWR性能及びMEEF性能に優れる感放射線性樹脂組成物を提供する。【解決手段】本発明は、下記式(1)で表される化合物に由来する構造単位を有する重合体、及び感放射線性酸発生体を含有する感放射線性樹脂組成物である。下記式(1)中、R1は、重合性基を含む炭素数2〜20の1価の基である。R2は、置換又は非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。R1及びR2は、環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。Xは、C(R3)2又はNR3である。R3は、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基、置換若しくは非置換の炭素数1〜20のオキシ炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数2〜20のカルボニルオキシ炭化水素基である。R2及び1若しくは2のR3のうちの2つ以上は、環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。【選択図】なし

Description

本発明は、感放射線性樹脂組成物、レジストパターン形成方法、重合体及び化合物の製造方法に関する。
半導体デバイス、液晶デバイス等の各種電子デバイスの形成には、フォトリソグラフィーによるレジストパターン形成方法が用いられている。このレジストパターン形成方法には、基板上にレジストパターンを形成させる感放射線性樹脂組成物等が用いられる。上記感放射線性樹脂組成物は、ArFエキシマレーザー光等の遠紫外線、電子線などの放射線の照射により露光部に酸を生成させ、この酸の触媒作用により露光部と未露光部との現像液に対する溶解速度に差を生じさせ、基板上にレジストパターンを形成させる。
かかる感放射線性樹脂組成物には、解像性に優れる以外にも、線幅の均一性を示すLWR(Line Width Roughness)性能及びマスク忠実性を示すMEEF(Mask Error Enhancement Factor)性能が要求される。これらの要求に対しては、感放射線性樹脂組成物に含有される重合体の構造が種々検討され、重合体がブチロラクトン構造、ノルボルナンラクトン構造等のラクトン構造を有するものが知られている(特開平11−212265号公報、特開2003−5375号公報及び特開2008−83370号公報参照)。
しかし、レジストパターンが線幅45nm以下のレベルまで微細化している現在にあっては、上記性能の要求レベルはさらに高まり、上記従来の感放射線性樹脂組成物では、これらの要求を満足させることはできていない。
特開平11−212265号公報 特開2003−5375号公報 特開2008−83370号公報
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、LWR性能及びMEEF性能に優れる感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた発明は、下記式(1)で表される化合物(以下、「化合物(I)」ともいう)に由来する構造単位(以下、「構造単位(I)」ともいう)を有する重合体(以下、「[A]重合体」ともいう)、及び感放射線性酸発生体(以下、「[B]酸発生体」ともいう)を含有する感放射線性樹脂組成物である。
Figure 2018162466
(式(1)中、Rは、重合性基を含む炭素数2〜20の1価の基である。Rは、置換又は非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。R及びRは、互いに合わせられ、Rが結合する酸素原子及びRが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。Xは、C(R又はNRである。Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基、置換若しくは非置換の炭素数1〜20のオキシ炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数2〜20のカルボニルオキシ炭化水素基である。R及び1若しくは2のRのうちの2つ以上は、互いに合わせられ、これらが結合する炭素原子又は原子鎖と共に構成される環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。)
上記課題を解決するためになされた別の発明は、レジスト膜を形成する工程(以下、「レジスト膜形成工程」ともいう)、上記レジスト膜を露光する工程(以下、「露光工程」ともいう)、及び上記露光されたレジスト膜を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう)を備え、上記レジスト膜を当該感放射線性樹脂組成物により形成するレジストパターン形成方法である。
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、下記式(1’)で表される化合物に由来する構造単位を有する重合体である。
Figure 2018162466
(式(1’)中、Rは、重合性基を含む炭素数2〜20の1価の基である。Rは、置換又は非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。R及びRは、互いに合わせられ、Rが結合する酸素原子及びRが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。X’は、CR又はNである。Rは、置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は置換若しくは非置換の1価のオキシ炭化水素基である。Rは、置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基である。R、R及びRのうちの2つ以上は、互いに合わせられ、これらが結合する炭素原子又は原子鎖と共に構成される環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。)
上記課題を解決するためになされたさらに別の発明は、下記式(a)で表される化合物と、下記式(b)で表される酸ハロゲン化物とを塩基存在下で脱ハロゲン化水素縮合反応させる工程を備える下記式(1’−a)で表される化合物の製造方法である。
Figure 2018162466
(式(a)、(b)及び(1’−a)中、R1’は、重合性基を含む炭素数2〜19の1価の基である。Rは、置換又は非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。R及びRは、互いに合わせられ、Rが結合する酸素原子及びRが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。X’は、CR又はNである。Rは、置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基である。Rは、置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基である。R、R及びRのうちの2つ以上は、互いに合わせられ、これらが結合する炭素原子又は原子鎖と共に構成される環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。Zは、−CO−又は−SO−である。Yは、ハロゲン原子である。)
ここで、「炭化水素基」とは、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基が含まれる。この「炭化水素基」は、飽和炭化水素基でも不飽和炭化水素基でもよい。「鎖状炭化水素基」とは、環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された炭化水素基をいい、直鎖状炭化水素基及び分岐状炭化水素基の両方を含む。「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては脂環構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基をいい、単環の脂環式炭化水素基及び多環の脂環式炭化水素基の両方を含む。但し、脂環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を含んでいてもよい。「芳香族炭化水素基」とは、環構造として芳香環構造を含む炭化水素基をいう。但し、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環構造を含んでいてもよい。
また、「有機基」とは、少なくとも1個の炭素原子を含む基をいう。
本発明の感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法によれば、[A]重合体が特定構造に起因する剛直性を有することにより、優れたMEEF性能を発揮しつつ、LWRが小さいレジストパターンを形成することができる。本発明の重合体は、当該感放射線性樹脂組成物の重合体成分として好適に用いることができる。本発明の化合物の製造方法によれば、当該重合体を与える化合物を簡便かつ収率よく製造することができる。従って、これらは、今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイスの製造等に好適に用いることができる。
<感放射線性樹脂組成物>
当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体及び[B]酸発生体を含有する。当該感放射線性樹脂組成物は、好適成分として[C]酸拡散制御体、[D][A]重合体よりもフッ素原子含有率(質量%)が大きい重合体(以下、「[D]重合体」ともいう)及び[E]溶媒を含有していてもよく、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の任意成分を含有してもいてもよい。
以下、各成分について説明する。
<[A]重合体>
[A]重合体は、構造単位(I)を有する重合体である。[A]重合体が構造単位(I)を有することで、当該感放射線性樹脂組成物は、LWR性能及びMEEF性能に優れる。当該感放射線性樹脂組成物が上記構成を有することで上記効果を奏する理由については必ずしも明確ではないが、例えば、共役により剛直性を有する−O−C=Xの構造に起因して、[A]重合体の剛直性がより高くなっていること等が挙げられる。
[A]重合体は、上記構造単位(I)以外にも、酸解離性基を含む構造単位(II)、ラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む構造単位(III)及び極性基を含む構造単位(IV)を有していてもよく、上記構造単位(I)〜(IV)以外のその他の構造単位を有していてもよい。
以下、各構造単位について説明する。
[構造単位(I)]
構造単位(I)は、化合物(I)に由来する構造単位である。化合物(I)は、下記式(1)で表される。
Figure 2018162466
上記式(1)中、Rは、重合性基を含む炭素数2〜20の1価の基である。Rは、置換又は非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。R及びRは、互いに合わせられ、Rが結合する酸素原子及びRが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。Xは、C(R又はNRである。Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基、置換若しくは非置換の炭素数1〜20のオキシ炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数2〜20のカルボニルオキシ炭化水素基である。R及び1若しくは2のRのうちの2つ以上は、互いに合わせられ、これらが結合する炭素原子又は原子鎖と共に構成される環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。
構造単位(I)は、例えば、上記Rがメタアクリロイル基であり、化合物(I)における−C=X−が重合反応しない場合は、下記式(I)の構造となると考えられる。上記−C=X−は、−O−C=X−の構造により共役しているので、重合反応性が低くなっている。
Figure 2018162466
上記Rの基が有する重合性基としては、例えばビニル基、プロペニル基、ブタジエニル基等の炭素−炭素二重結合含有基、エチニル基、プロパギル基等の炭素−炭素三重結合含有基などが挙げられる。これらの中で、炭素−炭素二重結合含有基が好ましく、ビニル基及びプロペニル基がより好ましい。
上記Rで表される基としては、下記式(2−1)〜(2−4)で表される基等が挙げられる。
Figure 2018162466
上記式(2−1)〜(2−4)中、Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。*は、上記式(1)の酸素原子に結合する部位を示す。
上記式(2−1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
上記式(2−2)中、Rは、水素原子又はメチル基である。R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基若しくは炭素数1〜20の1価の有機基である。1又は複数のR及びR並びにRのうちの2つ以上は、互いに合わせられ、これらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。aは、1〜4の整数である。aが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のRは同一でも異なっていてもよい。
上記式(2−3)中、R10は、水素原子又はメチル基である。
上記式(2−4)中、R11は、水素原子又はメチル基である。
上記Lで表される炭素数1〜20の2価の有機基としては、例えば炭素数1〜20の2価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基、これらの炭化水素基の炭素−炭素間又は結合手側の末端に2価のヘテロ原子含有基を含む基(h)、上記炭化水素基及び基(h)が有する水素原子の一部又は全部を1価のヘテロ原子含有基で置換した基等が挙げられる。
上記炭素数1〜20の2価の鎖状炭化水素基としては、例えば
メタンジイル基、エタンジイル基、n−プロパンジイル基、i−プロパンジイル基、n−ブタンジイル基、i−ブタンジイル基、sec−ブタンジイル基、t−ブタンジイル基等のアルカンジイル基;
エテンジイル基、プロペンジイル基、ブテンジイル基等のアルケンジイル基;
エチンジイル基、プロピンジイル基、ブチンジイル基等のアルキンジイル基などが挙げられる。
上記炭素数3〜20の2価の脂環式炭化水素基としては、例えば
シクロプロパンジイル基、シクロブタンジイル基、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基等の単環のシクロアルカンジイル基;
シクロプロペンジイル基、シクロブテンジイル基、シクロペンテンジイル基、シクロヘキセンジイル基等の単環のシクロアルケンジイル基;
ノルボルナンジイル基、アダマンタンジイル基、トリシクロデカンジイル基、テトラシクロドデカンジイル基等の多環のシクロアルカンジイル基;
ノルボルネンジイル基、トリシクロデセンジイル基、テトラシクロドデセンジイル基等の多環のシクロアルケンジイル基などが挙げられる。
上記炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基としては、例えば
ベンゼンジイル基、トルエンジイル基、ナフタレンジイル基等のアレーンジイル基;
ベンゼンジイルメタンジイル基、ナフタレンジイルメタンジイル基等のアレーンジイルアルカンジイル基などが挙げられる。
上記2価のヘテロ原子含有基としては、例えば−O−、−CO−、−CO−O−、−S−、−CS−、−SO−、−NR’−で表される炭素数1〜10の2価の基、これらのうちの2つ以上を組み合わせた基等が挙げられる。R’は、水素原子又は1価の有機基である。
上記1価のヘテロ原子含有基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、アミノ基、スルファニル基(−SH)等が挙げられる。
上記Lとしては、[A]重合体の剛直性をより高める観点から、単結合及び炭素数4以下の有機基が好ましい。
上記Rとしては、化合物(I)の共重合性の観点から、水素原子及びメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記Rとしては、化合物(I)の共重合性の観点から、水素原子が好ましい。
上記R、R及びRで表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば上記Lの2価の有機基として例示したものに1個の水素原子を加えた基等が挙げられる。
上記R及びRとしては、上述の剛直性をより高める観点から、水素原子及び1価の有機基が好ましく、水素原子がより好ましい。
上記Rとしては、上述の剛直性をより高める観点から、水素原子及び1価の有機基が好ましく、アルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
上記1又は複数のR及びR並びにRのうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造としては、例えば
シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、ノルボルナン構造、アダマンタン構造等の脂環構造;
オキサシクロペンタン構造、アザシクロペンタン構造等の脂肪族複素環構造などが挙げられる。
上記aとしては、1及び2が好ましく、1がより好ましい。
上記R10としては、化合物(I)の共重合性の観点から、水素原子が好ましい。
上記R11は、としては、化合物(I)の共重合性の観点から水素原子が好ましい。
上記R及びRが互いに合わせられRが結合する酸素原子及びRが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造としては、例えば
オキサシクロペンタン構造、オキサシクロヘキサン構造等のオキサシクロアルカン構造;
ブチロラクトン構造、バレロラクトン構造、メバロニックラクトン構造、ノルボルナンラクトン構造等のラクトン構造などが挙げられる。
上記R及びRで表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基としては、例えば
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基などが挙げられる。
上記炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等の単環のシクロアルキル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の多環のシクロアルキル基;
シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基、テトラシクロドデセニル基等の多環のシクロアルケニル基などが挙げられる。
上記炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
上記Rで表される炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基としては、例えば
メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等のアルコキシ基;
エテニルオキシ基、プロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基等のアルケニルオキシ基;
エチニルオキシ基、プロピニルオキシ基、ブチニルオキシ基等のアルキニルオキシ基などのオキシ鎖状炭化水素基、
シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、アダマンチルオキシ基、トリシクロデシルオキシ基、テトラシクロドデシルオキシ基等のシクロアルキルオキシ基;
シクロブテニルオキシ基、シクロペンテニルオキシ基、シクロヘキセニルオキシ基、ノルボルネニルオキシ基、トリシクロデセニルオキシ基、テトラシクロドデセニル基等のシクロアルケニルオキシ基などのオキシ脂環式炭化水素基、
フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントリルオキシ基等のアリールオキシ基;
ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、フェニルプロポキシ基、ナフチルメトキシ基等のアラルキルオキシ基などのオキシ芳香族炭化水素基などが挙げられる。
上記Rで表される炭素数2〜20の1価のカルボニルオキシ炭化水素基としては、例えば
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、i−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;
エテニルオキシカルボニル基、プロペニルオキシカルボニル基、ブテニルオキシカルボニル基等のアルケニルオキシカルボニル基;
エチニルオキシカルボニル基、プロピニルオキシカルボニル基、ブチニルオキシカルボニル基等のアルキニルオキシカルボニル基などのカルボニルオキシ鎖状炭化水素基、
シクロプロピルオキシカルボニル基、シクロブチルオキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、シクロオクチルオキシカルボニル基、ノルボルニルオキシカルボニル基、アダマンチルオキシカルボニル基、トリシクロデシルオキシカルボニル基、テトラシクロドデシルオキシカルボニル基等のシクロアルキルオキシカルボニル基;
シクロブテニルオキシカルボニル基、シクロペンテニルオキシカルボニル基、シクロヘキセニルオキシカルボニル基、ノルボルネニルオキシカルボニル基、トリシクロデセニルオキシカルボニル基、テトラシクロドデセニルカルボニル基等のシクロアルケニルオキシカルボニル基などのカルボニルオキシ脂環式炭化水素基、
フェノキシカルボニル基、トリルオキシカルボニル基、キシリルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基、アントリルオキシカルボニル基等のアリールオキシカルボニル基;
ベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基、フェニルプロポキシカルボニル基、ナフチルメトキシカルボニル基等のアラルキルオキシカルボニル基などのカルボニルオキシ芳香族炭化水素基などが挙げられる。
上記R及びRの炭化水素基、上記Rのオキシ炭化水素基並びに上記Rのカルボニルオキシ炭化水素基が有する置換基としては、例えば
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アシル基、アシロキシ基等が挙げられる。
上記Rとしては、鎖状炭化水素基が好ましく、アルキル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。
上記Rとしては、オキシ炭化水素基が好ましく、オキシ鎖状炭化水素基がより好ましく、アルコキシ基がさらに好ましい。
上記R及びRが互いに合わせられRが結合する酸素原子及びRが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造としては、例えば
オキサシクロペンタン構造、オキサシクロヘキサン構造、オキサシクロヘプタン構造等のオキサシクロアルカン構造;
オキサシクロペンテン構造、オキサシクロヘキセン構造、オキサシクロヘプテン構造等のオキサシクロアルケン構造;
ブチロラクトン構造、バレロラクトン構造、メバロニックラクトン構造、ノルボルナンラクトン構造等のラクトン構造などが挙げられる。
これらの中で、ラクトン構造が好ましい。
上記R及びRが互いに合わせられこれらが結合する原子鎖と共に構成される環員数3〜20の環構造としては、例えば
オキソシクロペンテン構造、オキソシクロヘキセン構造、オキソシクロヘプテン構造等のオキソシクロアルケン構造;
ブチロラクトン構造、バレロラクトン構造、メバロニックラクトン構造、ノルボルナンラクトン構造等のラクトン構造;
などが挙げられる。
上記2のRが互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造としては、例えば
オキソシクロペンタン構造、オキソシクロヘキサン構造、オキソシクロヘプタン構造等のオキソシクロアルカン構造;
ブチロラクトン構造、バレロラクトン構造、メバロニックラクトン構造、ノルボルナンラクトン構造等のラクトン構造などが挙げられる。
これらの中で、ラクトン構造が好ましい。
上記環構造は、上記2のRが形成することが好ましい。
上記Xとしては、CRが好ましい。
化合物(I)としては下記式(1’)で表される化合物(以下、「化合物(I’)」ともいい、化合物(I’)に由来する構造単位を「構造単位(I’)」ともいう)が好ましい。当該感放射線性樹脂組成物は、化合物(I)として化合物(I’)を用いることで、−O−C=X’−C(=O)−の共役構造により[A]重合体の剛直性がより高くなるため、LWR性能及びMEEF性能をより向上させることができる。
Figure 2018162466
上記式(1’)中、X’は、CR又はNである。Rは、置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基である。R、R及びRは、上記式(1)と同義である。R、R及びRのうちの2つ以上は、互いに合わせられ、これらが結合する炭素原子又は原子鎖と共に構成される環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。
で表される置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基及び置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基としては、例えば、上記Rとして例示したものと同様の基等が挙げられる。
としては、オキシ炭化水素基が好ましく、オキシ鎖状炭化水素基がより好ましく、アルコキシ基がさらに好ましい。
上記R及びRが互いに合わせられこれらが結合する原子鎖と共に構成される環員数3〜20の環構造としては、例えば
シクロペンテン構造、シクロヘキセン構造、シクロヘプテン構造等のシクロアルケン構造などが挙げられる。
上記R及びRが互いに合わせられこれらが結合する原子鎖と共に構成される環員数3〜20の環構造としては、例えば
ブチロラクトン構造、バレロラクトン構造、メバロニックラクトン構造、ノルボルナンラクトン構造等のラクトン構造;
シクロペンタノン構造、シクロヘキサノン構造、シクロヘプタノン構造、シクロペンテノン構造、シクロヘキセノン構造等の環状ケトン構造などが挙げられる。
これらの中で、ラクトン構造が好ましい。
上記X’としては、CRが好ましい。
化合物(I)としては、例えば、下記式(i−1)〜(i−5)で表される化合物(以下、「化合物(I−1)〜(I−5)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2018162466
上記式(i−1)中、Rは、置換又は非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。Xは、C(R又はNRである。Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基、置換若しくは非置換の炭素数1〜20のオキシ炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数2〜20のカルボニルオキシ炭化水素基である。R及び1若しくは2のRのうちの2つ以上は、互いに合わせられ、これらが結合する炭素原子又は原子鎖と共に構成される環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。
Figure 2018162466
上記式(i−2)中、Rは、置換又は非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。Xは、C(R又はNRである。Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基、置換若しくは非置換の炭素数1〜20のオキシ炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数2〜20のカルボニルオキシ炭化水素基である。R及び1若しくは2のRのうちの2つ以上は、互いに合わせられ、これらが結合する炭素原子又は原子鎖と共に構成される環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。Rは、水素原子又はメチル基である。R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基若しくは炭素数1〜20の1価の有機基である。1又は複数のR及びR並びにRのうちの2つ以上は、互いに合わせられ、これらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。aは、1〜4の整数である。aが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のRは同一でも異なっていてもよい。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。
Figure 2018162466
上記式(i−3)中、Rは、置換又は非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。Xは、C(R又はNRである。Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基、置換若しくは非置換の炭素数1〜20のオキシ炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数2〜20のカルボニルオキシ炭化水素基である。R及び1若しくは2のRのうちの2つ以上は、互いに合わせられ、これらが結合する炭素原子又は原子鎖と共に構成される環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。R10は、水素原子又はメチル基である。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。
Figure 2018162466
上記式(i−4)中、Rは、置換又は非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。Xは、C(R又はNRである。Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基、置換若しくは非置換の炭素数1〜20のオキシ炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数2〜20のカルボニルオキシ炭化水素基である。R及び1若しくは2のRのうちの2つ以上は、互いに合わせられ、これらが結合する炭素原子又は原子鎖と共に構成される環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。R11は、水素原子又はメチル基である。Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。
Figure 2018162466
上記式(i−5)中、Xは、C(R又はNRである。Rは、それぞれ独立して、水素原子、置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基、置換若しくは非置換の炭素数1〜20のオキシ炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数2〜20のカルボニルオキシ炭化水素基である。XがC(Rの場合、2のRは、互いに合わせられ、これらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。R6’は、水素原子又はメチル基である。R7’及びR8’は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基若しくは炭素数1〜20の1価の有機基である。1又は複数のR7’及びR8’のうちの2つ以上は、互いに合わせられ、これらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。a’は、1〜4の整数である。a’が2以上の場合、複数のR7’は同一でも異なっていてもよく、複数のR8’は同一でも異なっていてもよい。
上記R6’としては、化合物(i−5)の共重合性の観点から、水素原子が好ましい。
上記R7’及びR8’で表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば上記Lで表される炭素数1〜20の2価の有機基として例示したものに1個の水素原子を加えた基等が挙げられる。
上記R7’及びR8’としては、上述の剛直性をより高める観点から、水素原子が好ましい。
上記1又は複数のR7’及びR8’のうちの2つ以上が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造としては、例えば上記式(i−2においてR、R及びRが構成してもよい環構造として例示した環構造と同様の環構造等が挙げられる。
上記aとしては、1及び2が好ましく、1がより好ましい。
上記化合物(I)としては、化合物(I−1)として下記式(i−1−1)〜(i−1−6)で表される化合物が好ましく、化合物(I−2)として下記式(i−2−1)〜(i−2−3)で表される化合物が好ましく、化合物(I−3)として下記式(i−3−1及び(i−3−2)で表される化合物が好ましく、化合物(I−4)として下記式(i−4−1)及び(i−4−2)で表される化合物が好ましく、化合物(I−5)として下記式(i−5−1)及び(i−5−2)で表される化合物が好ましい。
Figure 2018162466
上記式(i−1−1)〜(i−1−6)中、Rは、上記式(i−1)と同義である。
上記式(i−2−1)〜(i−2−3)中、Rは、上記式(i−2)と同義である。
上記式(i−3−1)及び(i−3−2)中、R10は、上記式(i−3)と同義である。
上記式(i−4−1)及び(i−4−2)中、R11は、上記式(i−4)と同義である。
上記式(i−5−1)及び(i−5−2)中、R6’は、上記式(i−5)と同義である。
上記化合物(I)は、例えば、化合物(I)が下記式(1’−a)で表される化合物(以下、化合物(I’−a)ともいう)の場合、下記スキームで示されるように、下記式(a)で表される化合物(以下、化合物(a)ともいう)と、下記式(b)で表される化合物(以下、化合物(b)ともいう)とを、炭酸カリウム、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等の塩基存在下、アセトニトリル等の溶媒中で、脱ハロゲン化水素縮合反応させることにより製造することができる。
Figure 2018162466
上記式(a)、(b)及び(1’−a)中、R1’は、重合性基を含む炭素数2〜19の1価の基である。Rは、置換又は非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。R及びRは、互いに合わせられ、Rが結合する酸素原子及びRが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。X’は、CR又はNである。Rは、置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基である。Rは、置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基である。R、R及びRのうちの2つ以上は、互いに合わせられ、これらが結合する炭素原子又は原子鎖と共に構成される環員数3〜20の環構造を形成していてもよい。Zは、−CO−又は−SO−である。Yは、ハロゲン原子である。
上記製造方法によれば、化合物(I)を簡便かつ収率よく製造することができる。
上記Yで表されるハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。これらの中で、化合物(I)の合成容易性の観点から塩素原子が好ましい。
上記製造方法によれば、上記化合物(I’−a)以外の化合物(I)についても、上記化合物(I’−a)と同様に合成することができる。
[A]重合体における構造単位(I)の含有割合の下限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、5モル%が好ましく、10モル%がより好ましく、15モル%がさらに好ましく、30モル%が特に好ましい。上記含有割合の上限としては、90モル%が好ましく、80モル%がより好ましく、70モル%がさらに好ましく、60モル%が特に好ましい。構造単位(I)の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能及びMEEF性能をより向上させることができる。
[構造単位(II)]
構造単位(II)は、酸解離性基を含む構造単位である(但し、構造単位(I)に該当するものを除く)。「酸解離性基」とは、カルボキシ基、フェノール性水酸基の水素原子を置換する基であって、酸の作用により解離する基をいう。[A]重合体が構造単位(II)を有することで、当該感放射線性樹脂組成物の感度をより高めることができ、結果として、LWR性能及びMEEF性能をより向上させることができる。
構造単位(II)としては、例えば下記式(3−1)で表される構造単位(以下、「構造単位(II−1)」ともいう)、下記式(3−2)で表される構造単位(以下、「構造単位(II−2)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2018162466
上記式(3−1)中、R12は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。R13は、炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。R14及びR15は、それぞれ独立して炭素数1〜20の1価の炭化水素基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される炭素数3〜20の脂環構造を表す。
上記式(3−2)中、R16は、水素原子又はメチル基である。Lは、単結合、−CCOO−又は−CONH−である。R17は、水素原子又は炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。R18及びR19は、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基である。
上記R12としては、構造単位(II)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子及びメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記R16としては、構造単位(II)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子が好ましい。
上記R13〜R15及びR17〜R19で表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば上記式(1)におけるR及びRの炭化水素基として例示したものと同様の基等が挙げられる。
上記式(3−1)におけるこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される炭素数3〜20の脂環構造としては、例えば
シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構造等の単環のシクロアルカン構造;
ノルボルナン構造、アダマンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等の多環のシクロアルカン構造などが挙げられる。
上記式R18及びR19で表される炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基としては、例えば上記式(1)におけるRのオキシ炭化水素基として例示したものと同様の基等が挙げられる。
構造単位(II−1)としては下記式(3−1−1)〜(3−1−5)で表される構造単位(以下、「構造単位(II−1−1)〜(II−1−5)」ともいう)が好ましい。
構造単位(II−2)としては、下記式(3−2−1)で表される構造単位(以下、「構造単位(II−2−1)」ともいう)が好ましい。
Figure 2018162466
上記式(3−1−1)〜(3−1−5)中、R12〜R15は、上記式(3−1)と同義である。R13’、R14’及びR15’は、それぞれ独立して、炭素数1〜10の1価の鎖状炭化水素基である。nは、それぞれ独立して、1〜4の整数である。
上記式(3−2−1)中、R16〜R19は、上記式(3−2)と同義である。
構造単位(II−1−1)〜(II−1−5)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2018162466
Figure 2018162466
上記式中、R12は、上記式(3−1)と同義である。
構造単位(II−1)としては、構造単位(II−1−2)が好ましく、1−アルキル−1−シクロペンチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位がより好ましく、1−メチル−1−シクロペンチル(メタ)アクリレートに由来する構造単位がさらに好ましい。
上記構造単位(II−2)としては例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2018162466
上記式中、R16は、上記式(3−2)と同義である。
構造単位(II−2)としては、p−(1−(シクロヘキシルエトキシ)エトキシ)スチレンに由来する構造単位が好ましい。
構造単位(II)の含有割合の下限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%が好ましく、20モル%がより好ましく、35モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、90モル%が好ましく、80モル%がより好ましく、70モル%がさらに好ましい。構造単位(II)の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の感度をさらに高めることができ、結果として、LWR性能及びMEEF性能をさらに向上させることができる。
[構造単位(III)]
構造単位(III)は、ラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む構造単位である(但し、構造単位(I)に該当するものを除く)。[A]重合体は、構造単位(III)をさらに有することで、現像液への溶解性を適度に調整することができる。また、当該感放射線性樹脂組成物から形成されるレジストパターンの基板への密着性を向上させることができる。ここで、ラクトン構造とは、−O−C(O)−で表される基を含む環(ラクトン環)を有する構造をいう。また、環状カーボネート構造とは、−O−C(O)−O−で表される基を含む環(環状カーボネート環)を有する構造をいう。スルトン構造とは、−O−S(O)−で表される基を含む環(スルトン環)を有する構造をいう。
構造単位(III)としては、例えば、下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2018162466
Figure 2018162466
Figure 2018162466
上記式中、R20は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
上記R20としては、構造単位(III)を与える単量体の共重合性の観点から、水素原子及びメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
構造単位(III)としては、これらの中で、ラクトン構造を含む構造単位が好ましく、ノルボルナンラクトン構造を含む構造単位がより好ましく、ノルボルナンラクトン−イル(メタ)アクリレートに由来する構造単位がさらに好ましい。
[A]重合体が構造単位(III)を有する場合、構造単位(III)の含有割合の下限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、5モル%が好ましく、10モル%がより好ましい。上記含有割合の上限としては、70モル%が好ましく、40モル%がより好ましい。構造単位(III)の含有割合を上記範囲とすることで、[A]重合体は、現像液への溶解性をより適度に調整することができる。また、当該感放射線性樹脂組成物から形成されるレジストパターンの基板への密着性をより向上させることができる。
[構造単位(IV)]
構造単位(IV)、極性基を含む構造単位(IV)を有する構造単位である。[A]重合体が構造単位(IV)をさらに有することで、[A]重合体と、[B]酸発生体等の他の成分との相溶性が向上するため、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能及びMEEF性能をより向上させることができる。上記極性基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、スルホンアミド基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。構造単位(IV)としては、例えば下記式で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2018162466
上記式中、R21は、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
[A]重合体が構造単位(IV)を有する場合、構造単位(IV)の含有割合の上限としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、30モル%が好ましく、10モル%がより好ましい。
[その他の構造単位]
[A]重合体は、構造単位(I)〜(IV)以外にも、その他の構造単位を有してもよい。[A]重合体がその他の構造単位を有する場合、上記その他の構造単位の含有割合の上限としては、20モル%が好ましく、10モル%がより好ましい。
[A]重合体の含有量の下限としては、当該放射線性樹脂組成物中の全固形分に対して、70質量%が好ましく、80質量%がより好ましく、85質量%がさらに好ましい。
<[A]重合体の合成方法>
[A]重合体は、例えば、各構造単位を与える単量体を、ラジカル重合開始剤等を用い、適当な溶媒中で重合することにより合成できる。
上記ラジカル重合開始剤としては、例えば
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系ラジカル開始剤;
ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系ラジカル開始剤などが挙げられる。
これらの中で、AIBN及びジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートが好ましく、AIBNがより好ましい。これらのラジカル開始剤は1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
上記重合に使用される溶媒としては、例えば
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;
クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;
アセトン、メチルエチルケトン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類;
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類;
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール等のアルコール類などが挙げられる。これらの重合に使用される溶媒は、1種単独で又は2種以上を併用してもよい。
上記重合における反応温度の下限としては、40℃が好ましく、50℃がより好ましい。上記反応温度の上限としては、150℃が好ましく、120℃がより好ましい。重合における反応時間の下限としては、1時間が好ましく、2時間がより好ましい。上記反応時間の上限としては、48時間が好ましく、24時間がより好ましい。
[A]重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)の下限としては、1,000が好ましく、2,000がより好ましく、3,000がさらに好ましく、4,000が特に好ましい。上記Mwの上限としては、50,000が好ましく、30,000がより好ましく、20,000がさらに好ましく、10,000が特に好ましい。[A]重合体のMwを上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の塗布性を向上させることができる。[A]重合体のMwが上記下限未満であると十分な耐熱性を有するレジストパターンが得られない場合がある。[A]重合体のMwが上記上限を超えると、レジスト膜の現像性が低下する場合がある。
[A]重合体のGPCによるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)に対するMwの比(Mw/Mn)の上限としては、通常、5であり、3が好ましく、2がさらに好ましく、1.5が特に好ましい。上記比の下限としては、通常、1である。
本明細書における重合体のMw及びMnは、以下の条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定される値である。
GPCカラム:東ソー社の「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本、「G4000HXL」1本
カラム温度:40℃
溶出溶媒:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
<[B]酸発生体>
[B]酸発生体は、露光により酸を発生する物質である。この発生した酸により[A]重合体等が有する酸解離性基が解離してカルボキシ基等が生じ、これらの重合体の現像液への溶解性が変化するため、当該感放射線性樹脂組成物から、レジストパターンを形成することができる。当該感放射線性樹脂組成物における[B]酸発生体の含有形態としては、後述するような低分子化合物の形態(以下、適宜「[B]酸発生剤」と称する)でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[B]酸発生剤としては、例えばオニウム塩化合物、N−スルホニルオキシイミド化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物等が挙げられる。
オニウム塩化合物としては、例えばスルホニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられる。
[B]酸発生剤の具体例としては、例えば特開2009−134088号公報の段落[0080]〜[0113]に記載されている化合物等が挙げられる。
[B]酸発生剤としては、下記式(4)で表される化合物が好ましい。[B]酸発生剤を下記式(4)で表される化合物とすることで、[A]重合体が有する極性構造との相互作用等により、露光により発生する酸のレジスト膜中の拡散長がより適度に短くなると考えられ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能及びMEEF性能をより向上させることができる。
Figure 2018162466
上記式(4)中、Ra1は、環員数6以上の脂環構造を含む1価の基又は環員数6以上の脂肪族複素環構造を含む1価の基である。Ra2は、炭素数1〜10のフッ素化アルカンジイル基である。Mは、1価の感放射線性オニウムカチオンである。
上記Ra1で表される環員数6以上の脂環構造を含む1価の基としては、例えば
シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロドデシル基等の単環のシクロアルキル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、ヒドロキシアダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の多環のシクロアルキル基;
シクロオクテニル基、シクロデセニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基等の多環のシクロアルケニル基等が挙げられる。
上記Ra1で表される環員数6以上の脂肪族複素環構造を含む1価の基としては、例えば
ノルボルナンラクトン−イル基、5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−イル基等のラクトン構造を含む基;
ノルボルナンスルトン−イル基等のスルトン構造を含む基;
オキサシクロヘプチル基、オキサノルボルニル基等の酸素原子含有複素環基;
アザシクロヘキシル基、アザシクロヘプチル基、ジアザビシクロオクタン−イル基等の窒素原子含有複素環基;
チアシクロヘプチル基、チアノルボルニル基等の硫黄原子含有複素環基などが挙げられる。
上記Ra1で表される基の環員数の下限としては、8が好ましく、9がより好ましく、10がさらに好ましい。上記環員数の上限としては、15が好ましく、14がより好ましく、13がさらに好ましい。上記環員数を上記範囲とすることで、上述の酸の拡散長をさらに適度に短くすることができる。
上記Ra1としては、これらの中で、環員数9以上の脂環構造を含む1価の基、環員数9以上の脂肪族複素環構造を含む1価の基が好ましく、アダマンチル基、ヒドロキシアダマンチル基、ノルボルナンラクトン−イル基及び5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−イル基がより好ましく、アダマンチル基がさらに好ましい。
上記Ra2で表される炭素数1〜10のフッ素化アルカンジイル基としては、例えばメタンジイル基、エタンジイル基、プロパンジイル基等の炭素数1〜10のアルカンジイル基が有する水素原子の1個以上をフッ素原子で置換した基等が挙げられる。
これらの中で、SO 基に隣接する炭素原子にフッ素原子が結合しているフッ素化アルカンジイル基が好ましく、SO 基に隣接する炭素原子に2個のフッ素原子が結合しているフッ素化アルカンジイル基がより好ましく、1,1−ジフルオロメタンジイル基、1,1−ジフルオロエタンジイル基、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−1,2−プロパンジイル基、1,1,2,2−テトラフルオロエタンジイル基、1,1,2,2−テトラフルオロブタンジイル基及び1,1,2,2−テトラフルオロヘキサンジイル基がさらに好ましい。
上記Mで表される1価の感放射線性オニウムカチオンは、放射線の照射により分解するカチオンである。露光部では、この感放射線性オニウムカチオンの分解により生成するプロトンと、スルホネートアニオンとからスルホン酸を生じる。上記Mで表される1価の感放射線性オニウムカチオンとしては、例えば硫黄原子、ヨウ素原子を含む感放射線性オニウムカチオンが挙げられる。硫黄原子を含むカチオンとしては、例えばスルホニウムカチオン、テトラヒドロチオフェニウムカチオン等が挙げられ、ヨウ素原子を含むカチオンとしては、例えばヨードニウムカチオン等が挙げられる。これらの中で、下記式(X−1)で表されるカチオン、下記式(X−2)で表されるカチオン及び下記式(X−3)で表されるカチオンが好ましい。
Figure 2018162466
上記式(X−1)中、Ra1、Ra2及びRa3は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、−OSO−R若しくは−SO−Rであるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられ構成される環構造を表す。R及びRは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数5〜25の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。k1、k2及びk3は、それぞれ独立して0〜5の整数である。Ra1〜Ra3並びにR及びRがそれぞれ複数の場合、複数のRa1〜Ra3並びにR及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記式(X−2)中、Rb1は、置換若しくは非置換の炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6〜8の芳香族炭化水素基である。k4は0〜7の整数である。Rb1が複数の場合、複数のRb1は同一でも異なっていてもよく、また、複数のRb1は、互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。
b2は、置換若しくは非置換の炭素数1〜7の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6若しくは7の芳香族炭化水素基である。k5は、0〜6の整数である。Rb2が複数の場合、複数のRb2は同一でも異なっていてもよく、また、複数のRb2は互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。tは、0〜3の整数である。
上記式(X−3)中、Rc1及びRc2は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、−OSO−R若しくは−SO−Rであるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられ構成される環構造を表す。R及びRは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数5〜25の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。k6及びk7は、それぞれ独立して0〜5の整数である。Rc1、Rc2、R及びRがそれぞれ複数の場合、複数のRc1、Rc2、R及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記Ra1〜Ra3、Rb1、Rb2、Rc1及びRc2で表される非置換の直鎖状のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等が挙げられる。
上記Ra1〜Ra3、Rb1、Rb2、Rc1及びRc2で表される非置換の分岐状のアルキル基としては、例えばi−プロピル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
上記Ra1〜Ra3、Rc1及びRc2で表される非置換の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
上記Rb1及びRb2で表される非置換の芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基、トリル基、ベンジル基等が挙げられる。
上記アルキル基及び芳香族炭化水素基が有する水素原子を置換していてもよい置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アシル基、アシロキシ基等が挙げられる。
これらの中で、ハロゲン原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
上記Ra1〜Ra3、Rb1、Rb2、Rc1及びRc2としては、非置換の直鎖状又は分岐状のアルキル基、フッ素化アルキル基、非置換の1価の芳香族炭化水素基、−OSO−R”及び−SO−R”が好ましく、フッ素化アルキル基及び非置換の1価の芳香族炭化水素基がより好ましく、フッ素化アルキル基がさらに好ましい。R”は、非置換の1価の脂環式炭化水素基又は非置換の1価の芳香族炭化水素基である。
上記式(X−1)におけるk1、k2及びk3としては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記式(X−2)におけるk4としては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、1がさらに好ましい。k5としては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記式(X−3)におけるk6及びk7としては、0〜2の整数が好ましく、0及び1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記Mとしては、上記式(X−1)で表されるカチオンが好ましく、トリフェニルスルホニウムカチオンがより好ましい。
上記式(4)で表される酸発生剤としては、例えば、下記式(4−1)〜(4−15)で表される化合物(以下、「化合物(4−1)〜(4−15)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2018162466
上記式(4−1)〜(4−15)中、Mは、上記式(4)と同義である。
[B]酸発生剤としては、これらの中でも、オニウム塩化合物が好ましく、スルホニウム塩がより好ましく、化合物(4−1)、化合物(4−2)、化合物(4−12)及び化合物(4−13)がさらに好ましい。
[B]酸発生体が[B]酸発生剤の場合、[B]酸発生体の含有量の下限としては、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましく、3質量部が特に好ましい。上記含有量の上限としては、30質量部が好ましく、20質量部がより好ましく、15質量部がさらに好ましく、10質量部が特に好ましい。[B]酸発生剤の含有量を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の感度をより向上させることができる。当該感放射線性樹脂組成物は、[B]酸発生体を1種又は2種以上を含有していてもよい。
<[C]酸拡散制御体>
当該感放射線性樹脂組成物は、必要に応じて、[C]酸拡散制御体を含有してもよい。[C]酸拡散制御体は、露光により[B]酸発生体から生じる酸のレジスト膜中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する効果を奏する。これにより、当該感放射線性樹脂組成物の解像性がより向上する。また、感放射線性樹脂組成物の貯蔵安定性がさらに向上し、露光から現像処理までの引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に優れた感放射線性樹脂組成物が得られる。[C]酸拡散制御体の当該感放射線性樹脂組成物における含有形態としては、遊離の化合物(以下、適宜「[C]酸拡散制御剤」という)の形態でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[C]酸拡散制御剤としては、例えば下記式(5)で表される化合物(以下、「含窒素化合物(I)」ともいう)、同一分子内に窒素原子を2個有する化合物(以下、「含窒素化合物(II)」ともいう)、窒素原子を3個有する化合物(以下、「含窒素化合物(III)」ともいう)、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等が挙げられる。
Figure 2018162466
上記式(5)中、R25、R26及びR27は、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよい直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基である。
含窒素化合物(I)としては、例えばn−ヘキシルアミン等のモノアルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類;トリエチルアミン、トリn−ペンチルアミン等のトリアルキルアミン類;アニリン等の芳香族アミン類などが挙げられる。これらの中で、トリアルキルアミン類が好ましく、トリn−ペンチルアミンがより好ましい。
含窒素化合物(II)としては、例えばエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられる。
含窒素化合物(III)としては、例えばポリエチレンイミン、ポリアリルアミン等のポリアミン化合物;ジメチルアミノエチルアクリルアミド等の重合体などが挙げられる。
アミド基含有化合物としては、例えばホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
ウレア化合物としては、例えば尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリブチルチオウレア等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、例えばピリジン、2−メチルピリジン等のピリジン類;N−プロピルモルホリン、N−(ウンデカン−1−イルカルボニルオキシエチル)モルホリン等のモルホリン類;ピラジン、ピラゾール等が挙げられる。これらの中でも、N−(ウンデカン−1−イルカルボニルオキシエチル)モルホリンが好ましい。
また上記含窒素有機化合物として、酸解離性基を有する化合物を用いることもできる。このような酸解離性基を有する含窒素有機化合物としては、例えばN−t−ブトキシカルボニルピペリジン、N−t−ブトキシカルボニルイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール、N−(t−ブトキシカルボニル)ジ−n−オクチルアミン、N−(t−ブトキシカルボニル)ジエタノールアミン、N−(t−ブトキシカルボニル)ジシクロヘキシルアミン、N−(t−ブトキシカルボニル)ジフェニルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−アミルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン等が挙げられる。これらの中でも、N−t−アミルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジンが好ましい。
また、[C]酸拡散制御剤として、露光により感光し弱酸を発生する光崩壊性塩基を用いることもできる。光崩壊性塩基としては、例えば露光により分解して酸拡散制御性を失うオニウム塩化合物等が挙げられる。オニウム塩化合物としては、例えば下記式(6−1)で表されるスルホニウム塩化合物、下記式(6−2)で表されるヨードニウム塩化合物等が挙げられる。
Figure 2018162466
上記式(6−1)及び式(6−2)中、R28〜R32は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基又はハロゲン原子である。E及びQは、それぞれ独立して、OH、Rβ−COO、Rβ−SO 又は下記式(6−3)で表されるアニオンである。Rβは、アルキル基、アリール基又はアラルキル基である。
Figure 2018162466
上記式(6−3)中、R33は、水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシ基である。uは、0〜2の整数である。
上記光崩壊性塩基としては、例えば下記式で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2018162466
上記光崩壊性塩基としては、これらの中で、スルホニウム塩が好ましく、トリアリールスルホニウム塩がより好ましく、トリフェニルスルホニウム塩がさらに好ましく、トリフェニルスルホニウム2,4,6−トリイソプロピルベンゼン−1−スルホネート及びトリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネートが特に好ましい。
[C]酸拡散制御体が[C]酸拡散制御剤である場合、[C]酸拡散制御体の含有量の下限としては、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、0.5質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、20質量部が好ましく、15質量部がより好ましく、10質量部がさらに好ましい。[C]酸拡散制御体の含有量を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の上述のリソグラフィー性能をより向上させることができる。当該感放射線性樹脂組成物は、[C]酸拡散制御体を1種又は2種以上含有していてもよい。
<[D]重合体>
[D]重合体は、[A]重合体よりもフッ素原子含有率(質量%)が大きい重合体である。当該感放射線性組成物が、[D]重合体を含有することで、レジスト膜を形成した際に、膜中の[D]重合体の撥油性的特徴により、その分布がレジスト膜表面近傍で偏在化する傾向があり、液浸露光時における酸発生剤や酸拡散制御剤等が液浸媒体に溶出することを抑制することができる。また、この[D]重合体の撥水性的特徴により、レジスト膜と液浸媒体との前進接触角が所望の範囲に制御でき、バブル欠陥の発生を抑制できる。さらに、レジスト膜と液浸媒体との後退接触角が高くなり、水滴が残らずに高速でのスキャン露光が可能となる。このように当該感放射線性樹脂組成物が[D]重合体を含有することにより、液浸露光法に好適なレジスト膜を形成することができる。
[D]重合体のフッ素原子含有率の下限としては、1質量%が好ましく、2質量%がより好ましく、4質量%がさらに好ましく、7質量%が特に好ましい。上記フッ素原子含有率の上限としては、60質量%が好ましく、50質量%がより好ましく、40質量%がさらに好ましく、30質量%が特に好ましい。[D]重合体のフッ素原子含有率を上記範囲とすることで、液浸露光法により好適なレジスト膜を形成することができる。なお重合体のフッ素原子含有率(質量%)は、13C−NMRスペクトル測定により重合体の構造を求め、その構造から算出することができる。
[D]重合体におけるフッ素原子の含有形態は特に限定されず、主鎖、側鎖及び末端のいずれに結合するものでもよいが、フッ素原子を含む構造単位(以下、「構造単位(VII)」ともいう)を有することが好ましい。[D]重合体は、構造単位(VII)以外にも、当該感放射線性樹脂組成物の現像欠陥抑制性向上の観点から、酸解離性基を含む構造単位を有することが好ましい。酸解離性基を含む構造単位としては、例えば、[A]重合体における構造単位(II)等が挙げられる。
[D]重合体は、アルカリ解離性基を有することが好ましい。[D]重合体がアルカリ解離性基を有すると、レジスト膜表面をアルカリ現像時に疎水性から親水性に効果的に変えることができ、当該感放射線性樹脂組成物の現像欠陥抑制性が向上する。「アルカリ解離性基」とは、カルボキシ基、ヒドロキシ基等が有する水素原子を置換する基であって、アルカリ水溶液(例えば、23℃の2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)中で解離する基をいう。
上記構造単位(VII)としては、下記式(7a)で表される構造単位(以下、「構造単位(VIIa)」ともいう)及び下記式(7b)で表される構造単位(以下、「構造単位(VIIb)」ともいう)が好ましい。[D]重合体は、構造単位(VIIa)及び構造単位(VIIb)をそれぞれ1種又は2種以上有していてもよい。
[構造単位(VIIa)]
構造単位(VIIa)は、下記式(7a)で表される構造単位である。[D]重合体は構造単位(VIIa)を有することでフッ素原子含有率を調整することができる。
Figure 2018162466
上記式(7a)中、Rは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。Gは、単結合、酸素原子、硫黄原子、−CO−O−、−SO−O−NH−、−CO−NH−又は−O−CO−NH−である。Rは、炭素数1〜6の1価のフッ素化鎖状炭化水素基又は炭素数4〜20の1価のフッ素化脂環式炭化水素基である。
上記Rとしては、構造単位(VIIa)を与える単量体の共重合性等の観点から、水素原子及びメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記Gとしては、−CO−O−、−SO−O−NH−、−CO−NH−及び−O−CO−NH−が好ましく、−CO−O−がより好ましい。
上記Rで表される炭素数1〜6の1価のフッ素化鎖状炭化水素基としては、例えば、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、パーフルオロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル基、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロピル基、パーフルオロn−プロピル基、パーフルオロi−プロピル基、パーフルオロn−ブチル基、パーフルオロi−ブチル基、パーフルオロt−ブチル基、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基等が挙げられる。
上記Rで表される炭素数4〜20の1価のフッ素化脂環式炭化水素基としては、例えばモノフルオロシクロペンチル基、ジフルオロシクロペンチル基、パーフルオロシクロペンチル基、モノフルオロシクロヘキシル基、ジフルオロシクロペンチル基、パーフルオロシクロヘキシルメチル基、フルオロノルボルニル基、フルオロアダマンチル基、フルオロボルニル基、フルオロイソボルニル基、フルオロトリシクロデシル基、フルオロテトラシクロデシル基等が挙げられる。
上記Rとしては、これらの中で、フッ素化鎖状炭化水素基が好ましく、2,2,2−トリフルオロエチル基及び1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル基がより好ましい。
[D]重合体が上記構造単位(VIIa)を有する場合、構造単位(VIIa)の含有割合の下限としては、[D]重合体を構成する全構造単位に対して3モル%が好ましく、5モル%がより好ましく、10モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、90モル%が好ましく、70モル%がより好ましく、50モル%がさらに好ましい。構造単位(VIIa)の含有割合を上記範囲とすることで、[D]重合体のフッ素原子含有率をより適度に調整することができる。
[構造単位(VIIb)]
構造単位(VIIb)は、下記式(7b)で表される構造単位である。[D]重合体は構造単位(VIIb)を有することで、フッ素原子含有率を調整すると共に、アルカリ現像前後における撥水性及び親水性をより適度に変化させることができる。
Figure 2018162466
上記式(7b)中、Rは、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。R30は、炭素数1〜20の(v+1)価の炭化水素基、又はこの炭化水素基のR31側の末端に酸素原子、硫黄原子、−NR’−、カルボニル基、−CO−O−若しくは−CO−NH−が結合された構造のものである。R’は、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。R31は、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。Wは、単結合又は炭素数1〜20の2価のフッ素化鎖状炭化水素基である。Aは、酸素原子、−NR”−、−CO−O−*又は−SO−O−*である。R”は、水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基である。*は、R32に結合する部位を示す。R32は、水素原子又は炭素数1〜30の1価の有機基である。vは、1〜3の整数である。但し、vが1の場合、R30は単結合であってもよい。vが2又は3の場合、複数のR31、W、A及びR32はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Wが単結合の場合、R32は、フッ素原子を含む基である。
上記Rとしては、構造単位(VIIb)を与える単量体の共重合性等の観点から、水素原子及びメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
上記R30で表される炭素数1〜20の(v+1)価の炭化水素基としては、例えば、上記式(1)におけるRとして例示した1価の炭化水素基からv個の水素原子を除いた基等が挙げられる。
上記vとしては、1及び2が好ましく、1がより好ましい。
上記R30としては、vが1の場合、単結合及び2価の炭化水素基が好ましく、単結合及びアルカンジイル基がより好ましく、単結合及び炭素数1〜4のアルカンジイル基がさらに好ましく、単結合、メタンジイル基及びプロパンジイル基が特に好ましい。
上記R31で表される炭素数1〜20の2価の有機基としては、例えば上記式(1−1)〜(2−4)におけるLとして例示した炭素数1〜20の1価の有機基から、1個の水素原子を除いた基等が挙げられる。
上記R31としては、単結合及びラクトン構造を有する基が好ましく、単結合及び多環のラクトン構造を有する基がより好ましく、単結合及びノルボルナンラクトン構造を有する基がより好ましい。
上記Wで表される炭素数1〜20の2価のフッ素化鎖状炭化水素基としては、例えば
フルオロメタンジイル基、ジフルオロメタンジイル基、フルオロエタンジイル基、ジフルオロエタンジイル基、テトラフルオロエタンジイル基、ヘキサフルオロプロパンジイル基、オクタフルオロブタンジイル基等のフッ素化アルカンジイル基;
フルオロエテンジイル基、ジフルオロエテンジイル基等のフッ素化アルケンジイル基などが挙げられる。
これらの中で、フッ素化アルカンジイル基が好ましく、ジフルオロメタンジイル基がより好ましい。
上記Aとしては、酸素原子、−CO−O−*、−SO−O−*が好ましく、−CO−O−*がより好ましい。
上記R32で表される炭素数1〜30の1価の有機基としては、例えばアルカリ解離性基、酸解離性基、炭素数1〜30の炭化水素基等が挙げられる。上記R32としては、これらの中で、アルカリ解離性基が好ましい。上記R32をアルカリ解離性基とすることで、アルカリ現像時に、レジスト膜表面を疎水性から親水性により効果的に変えることができ、当該感放射線性樹脂組成物の現像欠陥抑制性がよりに向上する。
上記R32がアルカリ解離性基である場合、上記R32としては、下記式(iii)〜(v)で表される基(以下、「基(iii)〜(v)」ともいう)が好ましい。
Figure 2018162466
上記式(iii)中、R3a及びR3bは、それぞれ独立して炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の脂環構造を表す。
Figure 2018162466
上記式(iv)中、R3c及びR3dは、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する窒素原子と共に構成される環員数3〜20の複素環構造を表す。
Figure 2018162466
上記式(v)中、R3eは、炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は炭素数1〜20の1価のフッ素化炭化水素基である。
上記R3a、R3b、R3c及びR3dで表される炭素数1〜20の1価の有機基及び上記R3eで表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、上記式(1)のRとして例示した1価の炭化水素基と同様の基等が挙げられる。
上記R3eで表される炭素数1〜20の1価のフッ素化炭化水素基としては、例えば上記炭素数1〜20の1価の炭化水素基として例示した基が有する水素原子の一部又は全部が、フッ素原子で置換された基等が挙げられる。
上記基(iii)としては下記式(iii−1)〜(iii−4)で表される基が、上記基(iv)としては下記式(iv−1)で表される基が、上記基(v)としては下記式(v−1)〜(v−5)で表される基が好ましい。
Figure 2018162466
これらの中で、上記式(v−3)で表される基、上記式(v−5)で表される基が好ましい。
また、R32が水素原子であると、[D]重合体のアルカリ現像液に対する溶解性が向上するため好ましい。この場合、Aが酸素原子かつWが1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−メタンジイル基であると、上記溶解性がさらに向上する。
[D]重合体が上記構造単位(VIIb)を有する場合、構造単位(VIIb)の含有割合の下限としては、[D]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%が好ましく、20モル%がより好ましく、40モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、90モル%が好ましく、85モル%がより好ましく、80モル%がさらに好ましい。構造単位(VIIb)の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物から形成されたレジスト膜表面のアルカリ現像前後の撥水性及び親水性をさらに適度に調整することができる。
上記構造単位(VII)の含有割合の下限としては、[D]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%が好ましく、20モル%がより好ましく、25モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、90モル%が好ましく、80モル%がより好ましく、75モル%がさらに好ましい。
[D]重合体における酸解離性基を含む構造単位の含有割合の下限としては、[D]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%が好ましく、20モル%がより好ましく、25モル%がさらに好ましい。上記含有割合の上限としては、90モル%が好ましく、80モル%がより好ましく、75モル%がさらに好ましい。[D]重合体における酸解離性基を含む構造単位の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の現像欠陥抑制性をさらに向上させることができる。
[D]重合体の含有量の下限としては、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部が好ましく、0.2質量部がより好ましく、0.5質量部がさらに好ましく、1質量部が特に好ましい。上記含有量の上限としては、30質量部が好ましく、20質量部がより好ましく、15質量部がさらに好ましく、10質量部が特に好ましい。
[D]重合体は、上述した[A]重合体と同様の方法で合成することができる。
[D]重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)の下限としては、1,000が好ましく、2,000がより好ましく、3,000がさらに好ましく、4,000が特に好ましい。上記Mwの上限としては、50,000が好ましく、30,000がより好ましく、20,000がさらに好ましく、10,000が特に好ましい。[D]重合体のMwを上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の現像欠陥抑制性を向上させることができる。
[D]重合体のGPCによるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)に対するMwの比(Mw/Mn)の上限としては、通常、5であり、3が好ましく、2.5がさらに好ましい。上記比の下限としては、通常、1である。
<[E]溶媒>
当該感放射線性樹脂組成物は、[E]溶媒を含有する。[E]溶媒は少なくとも[A]重合体、[B]酸発生体、[C]酸拡散制御体、[D]重合体、及び後述するその他の任意成分を溶解又は分散することができるものであれば特に限定されない。[E]溶媒としては、例えば、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒及び炭化水素系溶媒等が挙げられる。
アルコール系溶媒としては、例えば
4−メチル−2−ペンタノール、n−ヘキサノール等の炭素数1〜18の脂肪族モノアルコール系溶媒;
シクロヘキサノール等の炭素数3〜18の脂環式モノアルコール系溶媒;
1,2−プロピレングリコール等の炭素数3〜18の多価アルコール系溶媒;
プロピレングリコールモノエチルエーテル等の炭素数3〜19の多価アルコール部分エーテル系溶媒などが挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えば
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のジ脂肪族エーテル系溶媒;
アニソール、ジフェニルエーテル等の含芳香環エーテル系溶媒;
テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル系溶媒などが挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えば
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン、アセトフェノン等の鎖状ケトン系溶媒;
シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン系溶媒;
2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン等のジケトン系溶媒などが挙げられる。
アミド系溶媒としては、例えば
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド等の鎖状アミド系溶媒;
N−メチルピロリドン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン等の環状アミド系溶媒などが挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えば
酢酸n−ブチル、乳酸エチル等のモノカルボン酸エステル系溶媒;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒;
シュウ酸ジエチル等の多価カルボン酸ジエステル系溶媒;
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート系溶媒などが挙げられる。
これらの中で、エステル系溶媒及びケトン系溶媒が好ましく、多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒及び環状ケトン系溶媒がより好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びシクロヘキサノンがさらに好ましい。[E]溶媒は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
<その他の任意成分>
当該感放射線性樹脂組成物は、上記[A]〜[E]成分以外にも、その他の任意成分を含有していてもよい。上記その他の任意成分としては、例えば偏在化促進剤、界面活性剤、脂環式骨格含有化合物、増感剤等が挙げられる。これらのその他の任意成分は、それぞれ1種又は2種以上を併用してもよい。
[偏在化促進剤]
偏在化促進剤は、当該感放射線性樹脂組成物が[D]重合体等の撥水性重合体添加剤を含有する場合等に、この撥水性重合体添加剤を、より効率的にレジスト膜表面に偏析させる効果を有するものである。当該感放射線性樹脂組成物にこの偏在化促進剤を含有させることで、上記撥水性重合体添加剤の添加量を従来よりも少なくすることができる。従って、LWR性能、MEEF性能等を損なうことなく、レジスト膜から液浸液への成分の溶出をさらに抑制し、高速スキャンにより液浸露光をより高速に行うことが可能になり、結果としてウォーターマーク欠陥等の液浸由来欠陥を抑制するレジスト膜表面の疎水性を向上させることができる。このような偏在化促進剤として用いることができるものとしては、比誘電率が30〜200で、1気圧における沸点が100℃以上の低分子化合物を挙げることができる。このような化合物としては、具体的には、ラクトン化合物、カーボネート化合物、ニトリル化合物、多価アルコール等が挙げられる。
上記ラクトン化合物としては、例えばγ−ブチロラクトン、バレロラクトン、メバロニックラクトン、ノルボルナンラクトン等が挙げられる。
上記カーボネート化合物としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等が挙げられる。
上記ニトリル化合物としては、例えばスクシノニトリル等が挙げられる。
上記多価アルコールとしては、例えばグリセリン等が挙げられる。
偏在化促進剤の含有量の下限としては、当該感放射線性樹脂組成物における重合体の総量100質量部に対して、10質量部が好ましく、15質量部がより好ましく、20質量部がさらに好ましく、25質量部が特に好ましい。上記含有量の上限としては、500質量部が好ましく、300質量部がより好ましく、200質量部がさらに好ましく、150質量部が特に好ましい。
(界面活性剤)
界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する効果を奏する。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤;市販品としては、KP341(信越化学工業社)、ポリフローNo.75、同No.95(以上、共栄社化学社)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(以上、トーケムプロダクツ社)、メガファックF171、同F173(以上、DIC社)、フロラードFC430、同FC431(以上、住友スリーエム社)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子工業社)等が挙げられる。当該感放射線性樹脂組成物における界面活性剤の含有量の上限としては、[A]重合体100質量部に対して通常2質量部である。
(脂環式骨格含有化合物)
脂環式骨格含有化合物は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を改善する効果を奏する。
脂環式骨格含有化合物としては、例えば
1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル等のアダマンタン誘導体類;
デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル等のデオキシコール酸エステル類;
リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル等のリトコール酸エステル類;
3−〔2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル〕テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、2−ヒドロキシ−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン等が挙げられる。当該感放射線性樹脂組成物における脂環式骨格含有化合物の含有量の上限としては、[A]重合体100質量部に対して通常5質量部である。
(増感剤)
増感剤は、[B]酸発生剤等からの酸の生成量を増加する作用を示すものであり、当該感放射線性樹脂組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を奏する。
増感剤としては、例えばカルバゾール類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、フェノール類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等が挙げられる。これらの増感剤は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。当該感放射線性樹脂組成物における増感剤の含有量の上限としては、[A]重合体100質量部に対して通常2質量部である。
<感放射線性樹脂組成物の調製方法>
当該感放射線性樹脂組成物は、例えば[A]重合体、[B]酸発生体、必要に応じて含有される[C]酸拡散制御体、[D]重合体、[E]溶媒及びその他の任意成分を所定の割合で混合し、好ましくは孔径0.2μm程度のメンブレンフィルター等で濾過することにより調製することができる。当該感放射線性樹脂組成物の固形分濃度の下限としては、0.1質量%が好ましく、0.5質量%がより好ましく、1質量%がさらに好ましく、1.5質量%が特に好ましい。上記固形分濃度の上限としては、50質量%が好ましく、30質量%がより好ましく、20質量%がさらに好ましく、10質量%が特に好ましい。
<レジストパターン形成方法>
当該レジストパターン形成方法は、レジスト膜を形成する工程(以下「レジスト膜形成工程」ともいう)、上記レジスト膜を露光する工程(以下、「露光工程」ともいう)、及び上記露光されたレジスト膜を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう)を備える。上記レジスト膜を上述した当該感放射線性樹脂組成物により形成する。
当該レジストパターン形成方法によれば、上述の当該感放射線性樹脂組成物を用いているので、優れたMEEF性能を発揮しつつ、LWRの小さいレジストパターンを形成することができる。以下、レジストパターン形成方法の各工程について説明する。
[レジスト膜形成工程]
本工程では、当該感放射線性樹脂組成物によりレジスト膜を形成する。このレジスト膜を形成する基板としては、例えばシリコンウェハ、二酸化シリコン、アルミニウムで被覆されたウェハ等の従来公知のもの等が挙げられる。また、例えば特公平6−12452号公報や特開昭59−93448号公報等に開示されている有機系又は無機系の反射防止膜を基板上に形成してもよい。塗布方法としては、例えば回転塗布(スピンコーティング)、流延塗布、ロール塗布等が挙げられる。塗布した後に、必要に応じて、塗膜中の溶媒を揮発させるため、プレベーク(PB)を行ってもよい。PB温度の下限としては、60℃が好ましく、80℃がより好ましい。PB温度の上限としては、140℃が好ましく、120℃がより好ましい。PB時間の下限としては、5秒が好ましく、10秒がより好ましい。PB時間の上限としては、600秒が好ましく、300秒がより好ましい。形成されるレジスト膜の膜厚の下限としては、10nmが好ましく、20nmがより好ましく、50nmがさらに好ましい。上記膜厚の上限としては、1,000nmが好ましく、500nmがより好ましく、200nmがさらに好ましい。
[露光工程]
本工程では、レジスト膜形成工程で形成されたレジスト膜に、フォトマスクを介するなどして(場合によっては、水等の液浸媒体を介して)放射線を照射し、露光する。放射線としては、目的とするパターンの線幅に応じて、例えば可視光線、紫外線、遠紫外線、極端紫外線(EUV)、X線、γ線等の電磁波;電子線、α線等の荷電粒子線等が挙げられる。これらの中でも、遠紫外線、EUV及び電子線が好ましく、ArFエキシマレーザー光(波長193nm)、KrFエキシマレーザー光(波長248nm)、EUV及び電子線がより好ましく、ArFエキシマレーザー光、EUV及び電子線がさらに好ましい。
露光を液浸露光により行う場合、用いる液浸液としては、例えば水、フッ素系不活性液体等が挙げられる。液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつ膜上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光源がArFエキシマレーザー光(波長193nm)である場合、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。水を用いる場合、水の表面張力を減少させるとともに、界面活性力を増大させる添加剤をわずかな割合で添加しても良い。この添加剤は、ウェハ上のレジスト膜を溶解させず、かつレンズの下面の光学コートに対する影響が無視できるものが好ましい。使用する水としては蒸留水が好ましい。
上記露光の後、ポストエクスポージャーベーク(PEB)を行い、レジスト膜の露光された部分において、露光により[B]酸発生体から発生した酸による[A]重合体等が有する酸解離性基の解離を促進させることが好ましい。このPEBによって、露光部と未露光部とで現像液に対する溶解性により差が生じる。PEB温度の下限としては、50℃が好ましく、70℃がより好ましく、90℃がさらに好ましい。PEB温度の上限としては、180℃が好ましく、130℃がより好ましく、110℃がさらに好ましい。PEB時間の下限としては、5秒が好ましく、10秒がより好ましい。PEB時間の上限としては、600秒が好ましく、300秒がより好ましい。
[現像工程]
本工程では、上記露光工程で露光されたレジスト膜を現像する。これにより、所定のレジストパターンを形成することができる。現像後は、水又はアルコール等のリンス液で洗浄し、乾燥することが一般的である。現像工程における現像方法としては、アルカリ現像でも有機溶媒現像よい。
上記現像に用いる現像液としては、アルカリ現像の場合、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ水溶液等が挙げられる。これらの中でも、TMAH水溶液が好ましく、2.38質量%TMAH水溶液がより好ましい。
上記現像液としては、有機溶媒現像の場合、炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒等の有機溶媒、又は有機溶媒を含有する溶媒が挙げられる。上記有機溶媒としては、例えば当該感放射線性樹脂組成物の[E]溶媒として例示した溶媒の1種又は2種以上が挙げられる。これらの中でも、エステル系溶媒及びケトン系溶媒が好ましい。エステル系溶媒としては、酢酸エステル系溶媒が好ましく、酢酸n−ブチルがより好ましい。ケトン系溶媒としては、鎖状ケトンが好ましく、2−ヘプタノンがより好ましい。現像液中の有機溶媒の含有量の下限としては、80質量%が好ましく、90質量%がより好ましく、95質量%がさらに好ましく、99質量%が特に好ましい。現像液中の有機溶媒以外の成分としては、例えば水、シリコンオイル等が挙げられる。
現像方法としては、例えば現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液を塗出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
<重合体>
本発明の重合体は、上記構造単位(I’)を有する重合体である。
当該重合体は、これを含有する感放射線性樹脂組成物のLWR性能及びMEEF性能をより向上させることができる。従って、当該重合体は、当該感放射線性樹脂組成物の成分として好適に用いることができる。
<化合物の製造方法>
本発明の化合物の製造方法は、上記化合物(a)と、上記化合物(b)とを塩基存在下で脱ハロゲン化水素縮合反応させる工程を備える上記化合物(1’−a)の製造方法である。
当該化合物の製造方法によれば、化合物(I)を簡便かつ収率よく製造することができる。
当該重合体及び当該化合物の製造方法については、当該感放射線性樹脂組成物の[A]重合体の項で上述している。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。各種物性値の測定方法を以下に示す。
[Mw及びMn]
重合体のMw及びMnは、東ソー社のGPCカラム(「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本及び「G4000HXL」1本)を用い、流量:1.0ミリリットル/分、溶出溶媒:テトラヒドロフラン、カラム温度:40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
13C−NMR分析]
重合体の構造単位の含有割合を求めるための13C−NMR分析は、核磁気共鳴装置(日本電子社の「JNM−Delta400」)を用いて測定した。
<重合体の合成>
[A]重合体及び[D]重合体の合成に用いた単量体を以下に示す。
Figure 2018162466
[[A]重合体の合成]
[実施例1]
上記化合物(M−1)16.15g(50モル%)及び化合物(M−6)13.85g(50モル%)を2−ブタノン60gに溶解し、さらに、ラジカル重合開始剤としてのAIBN1.35g(化合物の合計に対して5モル%)を溶解させて単量体溶液を調製した。次に、30gの2−ブタノンを入れた100mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、攪拌しながら80℃に加熱し、上記調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合反応液を水冷して30℃以下に冷却した。600gのメタノール中に冷却した重合反応液を投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別した白色粉末を120gのメタノールで2回洗浄した後、ろ別し、50℃で17時間乾燥させて白色粉末状の重合体(A−1)を合成した(収率71%)。重合体(A−1)のMwは6,800、Mw/Mnは1.3であった。また、13C−NMR分析の結果、(M−1)及び(M−6)に由来する構造単位の含有割合はそれぞれ48.1モル%及び51.9モル%であった。
[実施例2〜6及び合成例1〜3]
表1に示す種類及び使用量の化合物を用いた以外は実施例1と同様に操作して、各重合体を合成した。合成した各重合体の収率(%)、Mw及びMw/Mn並びに各構造単位の含有割合(モル%)について表1に合わせて示す。
Figure 2018162466
[[D]重合体の合成]
[合成例4]
上記化合物(M−10)79.9g(70モル%)及び化合物(M−11)20.91g(30モル%)を、100gの2−ブタノンに溶解し、ラジカル重合開始剤としてのジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート4.77gを溶解させて単量体溶液を調製した。次に、100gの2−ブタノンを入れた1,000mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、攪拌しながら80℃に加熱し、上記調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合反応液を水冷して30℃以下に冷却した。この重合反応液を2L分液漏斗に移液した後、150gのn−ヘキサンでその重合反応液を均一に希釈し、600gのメタノールを投入して混合した。次いで、30gの蒸留水を投入し、さらに攪拌して30分静置した。その後、下層を回収し、重合体(D−1)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液とした(収率60%)。重合体(E−1)のMwは7,200、Mw/Mnは2.00であった。また、13C−NMR分析の結果、(M−10)及び(M−11)に由来する構造単位の含有割合は、それぞれ71.1モル%及び28.9モル%であった。
<感放射線性樹脂組成物の調製>
感放射線性樹脂組成物の調製に用いた各成分を下記に示す。
[[B]酸発生剤]
各構造式を下記に示す。
B−1:トリフェニルスルホニウム2−(アダマンタン−1−イルカルボニルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン−1−スルホネート
B−2:トリフェニルスルホニウムノルボルナンスルトン−2−イルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート
B−3:トリフェニルスルホニウム3−(ピペリジン−1−イルスルホニル)−1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1−スルホネート
B−4:トリフェニルスルホニウムアダマンタン−1−イルオキシカルボニルジフルオロメタンスルホネート
Figure 2018162466
[[C]酸拡散制御剤]
各構造式を下記に示す。
C−1:トリフェニルスルホニウム2,4,6−トリイソプロピルベンゼン−1−スルホネート
C−2:トリフェニルスルホニウム10−カンファースルホネート
C−3:N−(n−ウンデカン−1−イルカルボニルオキシエチル)モルホリン
C−4:トリn−ペンチルアミン
Figure 2018162466
[[E]溶媒]
E−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
E−2:シクロヘキサノン
[[F]偏在化促進剤]
F−1:γ−ブチロラクトン
[実施例7]
[A]重合体としての(A−1)100質量部、[B]酸発生剤としての(B−1)8.5質量部、[C]酸拡散制御剤としての(C−1)2.3質量部、[D]重合体としての(D−1)3質量部、[E]溶媒としての(E−1)2,427質量部及び(E−2)1,040質量部並びに[F]偏在化促進剤としての(F−1)100質量部を混合し、得られた混合液を孔径0.2μmのメンブレンフィルターで濾過することにより、感放射線性樹脂組成物(J−1)を調製した。
[実施例8〜13及び比較例1〜4]
表2に示す種類及び含有量の各成分を用いた以外は実施例7と同様に操作して各感放射線性樹脂組成物を調製した。
Figure 2018162466
<レジストパターンの形成>
[レジストパターンの形成(1)](ArF露光、アルカリ現像)
12インチのシリコンウエハ表面に、スピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT12」)を使用して、下層反射防止膜形成用組成物(ブルワーサイエンス社の「ARC66」)を塗布した後、205℃で60秒間加熱することにより膜厚105nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上に、上記スピンコーターを使用して上記調製した感放射線性樹脂組成物を塗布し、90℃で60秒間PBを行った。その後、23℃で30秒間冷却し、膜厚90nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜を、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(NIKON社の「NSR−S610C」)を用い、NA=1.3、ダイポール(シグマ0.977/0.782)の光学条件にて、40nmラインアンドスペース(1L1S)マスクパターンを介して露光した。露光後、100℃で60秒間PEBを行った。その後、アルカリ現像液としての2.38質量%TMAH水溶液を用いてアルカリ現像し、水で洗浄し、乾燥してポジ型のレジストパターンを形成した。このレジストパターン形成の際、ターゲット寸法が40nmの1対1ラインアンドスペースのマスクを介して形成した線幅が、線幅40nmの1対1ラインアンドスペースに形成される露光量を最適露光量(Eop)とした。
[レジストパターンの形成(2)](ArF露光、有機溶媒現像)
上記[レジストパターンの形成(1)]においてTMAH水溶液の代わりに酢酸n−ブチルを用いて有機溶媒現像し、かつ水での洗浄を行わなかった以外は、上記[レジストパターンの形成(1)]と同様に操作して、ネガ型のレジストパターンを形成した。
<評価>
上記形成したレジストパターンについて、下記方法により測定を行うことによって、感放射線性樹脂組成物のLWR性能及びMEEF性能を評価した。上記レジストパターンの測長には走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社の「S−9380」)を用いた。
[LWR性能]
上記Eopの露光量を照射して形成したレジストパターンを、上記走査型電子顕微鏡を用い、パターン上部から観察した。線幅を任意のポイントで計50点測定し、その測定値の分布から3シグマ値を求め、これをLWR性能(nm)とした。LWR性能は、その値が小さいほどラインのガタつきが小さく良いことを示す。LWR性能は、4nm以下の場合は良好と、4nmを超える場合は不良と判断できる。
[MEEF性能]
上記Eopの露光量を照射して解像されるレジストパターンにおいて、線幅が38nm、39nm、40nm、41nm、42nmとなるマスクパターンを用いてそれぞれ形成されたレジストパターンの線幅を縦軸に、マスクパターンのサイズを横軸にプロットしたときの直線の傾きを算出し、これをMEEF性能とした。MEEF性能は、その値が1に近いほどマスク再現性が良好であることを示す。MEEF性能は、3.2以下の場合は良好と、3.2を超える場合は不良と評価できる。
Figure 2018162466
表3の結果から分かるように、実施例の感放射線性樹脂組成物によれば、アルカリ現像及び有機溶媒現像のいずれにおいても、優れたMEEF性能を発揮して、LWRが小さいレジストパターンを形成することができる。
本発明の感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法によれば、[A]重合体が特定構造に起因する剛直性を有することにより、優れたMEEF性能を発揮しつつ、LWRが小さいレジストパターンを形成することができる。本発明の重合体は、当該感放射線性樹脂組成物の重合体成分として好適に用いることができる。本発明の化合物の製造方法によれば、当該重合体を与える化合物を簡便かつ収率よく製造することができる。従って、これらは、今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイスの製造等に好適に用いることができる。

Claims (9)

  1. 下記式(1’)で表される化合物に由来する構造単位を有する重合体。
    Figure 2018162466
    (式(1’)中、Rは、重合性基を含む炭素数2〜20の1価の基であり、Rは、置換又は非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基であるか、又はR及びRが、互いに合わせられ、Rが結合する酸素原子及びRが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を形成する。X’は、CR又はNである。Rは、置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は置換若しくは非置換の1価のオキシ炭化水素基であり、Rは、置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基であるか、又はR、R及びRのうちの2つ以上が、互いに合わせられ、これらが結合する炭素原子又は原子鎖と共に構成される環員数3〜20の環構造を形成する。)
  2. 上記Rの基が、下記式(2−1)〜(2−4)のいずれかで表される請求項1に記載の重合体。
    Figure 2018162466
    (式(2−1)〜(2−4)中、Lは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。*は、上記式(1’)の酸素原子に結合する部位を示す。
    式(2−1)中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
    式(2−2)中、Rは、水素原子又はメチル基である。R、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又は1又は複数のR及びR並びにRのうちの2つ以上が、互いに合わせられ、これらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を形成する。aは、1〜4の整数である。aが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよく、複数のRは同一でも異なっていてもよい。
    式(2−3)中、R10は、水素原子又はメチル基である。
    式(2−4)中、R11は、水素原子又はメチル基である。)
  3. 上記式(2−1)〜(2−4)におけるLが単結合である請求項2に記載の重合体。
  4. 上記化合物が下記式(i−5)で表される請求項1に記載の重合体。
    Figure 2018162466
    (式(i−5)中、Xは、X’−CO−Rである。X’及びRは、上記式(1’)と同義である。R6’は、水素原子又はメチル基である。R7’及びR8’は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基若しくは炭素数1〜20の1価の有機基であるか、又は1又は複数のR7’及びR8’のうちの2つ以上が、互いに合わせられ、これらが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を形成する。a’は、1〜4の整数である。a’が2以上の場合、複数のR7’は同一でも異なっていてもよく、複数のR8’は同一でも異なっていてもよい。)
  5. 上記式(1’)におけるX’がCRである請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の重合体。
  6. 上記Rがアルキル基であり、かつRがアルコキシ基である請求項5に記載の重合体。
  7. 上記RとRとが環構造を形成する請求項5に記載の重合体。
  8. 上記環構造が、ラクトン構造又は環状ケトン構造である請求項7に記載の重合体。
  9. 下記式(a)で表される化合物と、下記式(b)で表される酸ハロゲン化物とを塩基存在下で脱ハロゲン化水素縮合反応させる工程
    を備える下記式(1’−a)で表される化合物の製造方法。
    Figure 2018162466
    (式(a)、(b)及び(1’−a)中、R1’は、重合性基を含む炭素数2〜19の1価の基であり、Rは、置換又は非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基であるか、又はR1’及びRが、互いに合わせられ、R1’がZを介して結合する酸素原子及びRが結合する炭素原子と共に構成される環員数3〜20の環構造を形成する。X’は、CR又はNである。Rは、置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基であり、Rは、置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価の炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基であるか、又はR、R及びRのうちの2つ以上が、互いに合わせられ、これらが結合する炭素原子又は原子鎖と共に構成される環員数3〜20の環構造を形成する。Zは、−CO−又は−SO−である。Yは、ハロゲン原子である。)
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