JP2015184458A - 感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法 - Google Patents

感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】LWR性能及び欠陥抑制性に優れる感放射線性樹脂組成物の提供を目的とする。【解決手段】本発明は、N−置換マレイミド及びフマル酸ジエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来しかつ酸解離性基を含む第1構造単位と、酸解離性基を含まない第2構造単位とを有する重合体、及び感放射線性酸発生体を含有する感放射線性樹脂組成物である。上記重合体は交互共重合体であることが好ましい。上記第2構造単位は、置換又は非置換のノルボルネン及び置換又は非置換のテトラシクロドデセンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来することが好ましい。上記重合体は芳香環を実質的に含まないことが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法に関する。
化学増幅型感放射線性樹脂組成物は、基板上にレジストパターンを形成するために使用される。具体的には、まず、基板上に感放射線性樹脂組成物を塗布してレジスト膜を形成する。次に、ArFエキシマレーザー光、KrFエキシマレーザー光等の露光光を上記レジスト膜に照射する。これにより、露光部において酸発生体から酸が生成し、この酸を触媒とする反応により、レジスト膜の露光部と未露光部とで、現像液に対する溶解速度に差異が生じる。その結果、この露光されたレジスト膜を現像することでレジストパターンを形成することができる。
かかる感放射線性樹脂組成物には、加工技術の微細化に伴って、感度、解像性等のリソグラフィー性能に優れることが要求される。この要求に対し、感放射線性樹脂組成物中の重合体の構造について検討がなされ、この重合体が有する酸解離性基、極性基等について種々の構造のものが知られている(特開2011−43794号公報、特開2000−26446号公報、特開2000−159758号公報、特開平10−207069号公報及び特開平10−274852号公報参照)。
ところで、レジストパターンの微細化が線幅40nm以下のレベルまで進展している現在にあっては、感放射線性樹脂組成物には、解像性に優れると共に、線幅のガタつきの小ささを示すLWR(Line Width Roughness)性能、及び欠陥抑制性にも優れ、より高精度のレジストパターンを形成できることが求められている。しかし、上記従来の感放射線性樹脂組成物では、これらの性能を満足させることはできていない。
特開2011−43794号公報 特開2000−26446号公報 特開2000−159758号公報 特開平10−207069号公報 特開平10−274852号公報
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、LWR性能及び欠陥抑制性に優れる感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
上記課題を解決するためになされた発明は、
N−置換マレイミド及びフマル酸ジエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来しかつ酸解離性基を含む第1構造単位(以下、「構造単位(I)」ともいう)と、酸解離性基を含まない第2構造単位(以下、「構造単位(II)」ともいう)とを有する重合体(以下、「[A]重合体」ともいう)、及び感放射線性酸発生体(以下「[B]酸発生体」ともいう)を含有する感放射線性樹脂組成物である。
上記課題を解決するためになされた別の発明は、
レジスト膜を形成する工程(以下、「レジスト膜形成工程」ともいう)、上記レジスト膜を露光する工程(以下、「露光工程」ともいう)、及び上記露光されたレジスト膜を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう)を備え、上記レジスト膜を当該感放射線性樹脂組成物により形成するレジストパターン形成方法である。
ここで、「炭化水素基」には、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基が含まれる。この「炭化水素基」は、飽和炭化水素基でも不飽和炭化水素基でもよい。「鎖状炭化水素基」とは、環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された炭化水素基をいい、直鎖状炭化水素基及び分岐状炭化水素基の両方を含む。「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては脂環構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基をいい、単環の脂環式炭化水素基及び多環の脂環式炭化水素基の両方を含む。但し、脂環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を含んでいてもよい。「芳香族炭化水素基」とは、環構造として芳香環構造を含む炭化水素基をいう。但し、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環構造を含んでいてもよい。
「有機基」とは、少なくとも1個の炭素原子を含む基をいう。
本発明の感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法によれば、LWRが小さく、欠陥の少ないレジストパターンを形成することができる。従って、これらは今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイス製造用に好適に用いることができる。
<感放射線性樹脂組成物>
当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体及び[B]酸発生体を含有する。当該感放射線性樹脂組成物は、好適成分として、[C]酸拡散制御体、[D][A]重合体よりもフッ素原子含有率が大きい重合体(以下、「[D]重合体」ともいう)及び[E]溶媒を含有していてもよく、本発明の効果を損なわない範囲において、その他の任意成分を含有していてもよい。以下、各成分について説明する。
<[A]重合体>
[A]重合体は、構造単位(I)と構造単位(II)とを有する重合体である。当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体が上記特定の構造単位を有することで、LWR性能及び欠陥抑制性に優れる。当該感放射線性樹脂組成物が上記構成を有することで上記効果を奏する理由については必ずしも明確ではないが、例えば以下のように推察することができる。すなわち、[A]重合体は、極性がより高い構造単位(I)を有すると共に、この構造単位(I)の方にのみ酸解離性基が結合することで、酸解離性基の酸解離容易性がより高くなっていると考えられる。その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能及び欠陥抑制性が向上する。
[A]重合体は交互共重合体、すなわち、[A]重合体の重合体鎖において、構造単位(I)と構造単位(II)とが交互に配列していることが好ましい。「交互共重合体」とは、2種類の単量体が交互に配列してなる重合体をいう。[A]重合体が交互共重合体となっていると、通常の共重合体のように重合体鎖中における構造単位の偏在がなく、各重合体鎖がより均質になっているため、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能及び欠陥抑制性がより向上する。
[A]重合体が交互共重合体である場合、[A]重合体中の各構造単位(I)に対して、その両隣が共に構造単位(II)である確率としては、98%以上が好ましく、99%以上がより好ましく、99.5%以上がさらに好ましく、99.9%以上が特に好ましい。
構造単位(I)と構造単位(II)とが交互に配列していることは、例えば、重合体をマトリックス支援レーザー脱離イオン質量分析(MALDI−TOF−MS)で解析することにより確認することができる。
交互共重合体である[A]重合体を重合反応によって得るには、例えば、構造単位(I)を与える単量体M及び構造単位(II)を与える単量体Mとして、Alfrey−Priceの式におけるQ値及びe値(MについてQ及びe、MについてQ及びe)を、自己連鎖定数r(=(Q/Q)exp[−e(e−e)])及びr(=(Q/Q)exp[−e(e−e)])が共に0に近くなるもの、具体的には0.02以下、より好ましくは0.01以下になるものを組み合わせて用い、これらをラジカル重合することにより合成することができる。
構造単位(I)を与える単量体Mは、そのQが比較的大きく、かつeが絶対値が大きい負の値であるが、構造単位(II)を与える単量体Mとして、そのQ及びeを上述のr及びrの範囲になるように選択することにより、交互共重合体を得ることができる。
[A]重合体は、上記構造単位(I)及び構造単位(II)以外の他の構造単位を有していてもよい。上記他の構造単位としては、例えば、ラクトン構造、環状カーボネート構造及びスルトン構造からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む構造単位、極性基を含む構造単位等が挙げられる。上記極性基としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホンアミド基、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
しかし、[A]重合体は、実質的に構造単位(I)及び構造単位(II)のみを有することが好ましい。[A]重合体が実質的に構造単位(I)及び構造単位(II)のみを有することで[A]重合体の均質性がより高まり、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能及び現像欠陥抑制性がより向上する。
[A]重合体が実質的に構造単位(I)及び構造単位(II)のみを有するとは、上記他の構造単位の含有割合が、[A]重合体を構成する全構造単位に対して好ましくは3モル%以下、より好ましくは1モル%以下、さらに好ましくは0モル%であることをいう。
また、[A]重合体は、芳香環を実質的に含まないことが好ましい。当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体が芳香環を実質的に含まないと、上述の欠陥抑制性がより高くなる傾向にある。また、当該感放射線性樹脂組成物は、[A]重合体が芳香環を実質的に含まないことで、193nm付近の放射線の吸収が低減されるため、ArF露光用として好適に用いることができる。ここで、「芳香環を実質的に含まない」とは、芳香環を含む構造単位の含有割合が、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、好ましくは3モル%以下であり、より好ましくは1モル%以下であり、さらに好ましくは0.1モル%以下であり、特に好ましくは0モル%であることをいう。この芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等の芳香族炭素環;フラン環、ピロール環、ピリジン環、チオフェン環等の芳香族複素環などが挙げられる。
[A]重合体は、上記各構造単位を1種又は2種以上を有していてもよい。
以下、各構造単位について説明する。
[構造単位(I)]
構造単位(I)は、N−置換マレイミド及びフマル酸ジエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来しかつ酸解離性基を含む構造単位である。
「酸解離性基」とは、カルボキシ基、スルホ基、ヒドロキシ基等の水素原子を置換する基であって、酸の作用により解離する基をいう。
上記構造単位(I)としては、N−置換マレイミド又はフマル酸ジエステルに由来し、かつ酸解離性基を含む構造単位である限り特に限定されないが、例えば、下記式(1−1)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−1)」ともいう)、下記式(1−2)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−2)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2015184458
上記式(1−1)中、R1Aは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。Aは、−COO−*、−SOO−*又は−Ar−O−*である。Arは、炭素数6〜20のアレーンジイル基である。R2Aは、炭素数1〜20の1価の酸解離性基である。*は、R2Aに結合する部位を示す。
上記式(1−2)中、R1B及びR1Cは、それぞれ独立して、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。A及びAは、それぞれ独立して、単結合、−COO−*、−SOO−*又は−Ar−O−*である。Arは、炭素数6〜20のアレーンジイル基である。R2B及びR2Cは、炭素数1〜20の1価の有機基である。但し、R2B及びR2Cのうちの少なくともいずれかは、酸解離性基である。*は、R2B又はR2Cに結合する部位を示す。
上記R1A、R1B及びR1Cで表される炭素数1〜20の2価の有機基としては、例えば、炭素数1〜20の2価の炭化水素基、この炭化水素基の炭素−炭素間又は結合手側の末端に2価のヘテロ原子含有基を含む基(a)、上記炭化水素基及び基(a)が有する水素原子の一部又は全部を1価のヘテロ原子含有基で置換した基等が挙げられる。
上記炭素数1〜20の2価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜20の2価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の2価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記炭素数1〜20の2価の鎖状炭化水素基としては、例えば、
メタンジイル基、エタンジイル基、プロパンジイル基、ブタンジイル基等のアルカンジイル基;
エテンジイル基、プロペンジイル基、ブテンジイル基等のアルケンジイル基;
エチンジイル基、プロピンジイル基、ブチンジイル基等のアルキンジイル基などが挙げられる。
上記炭素数3〜20の2価の脂環式炭化水素基としては、例えば、
シクロプロパンジイル基、シクロブタンジイル基、シクロペンタンジイル基、シクロヘキサンジイル基、ノルボルナンジイル基、アダマンタンジイル基等のシクロアルカンジイル基;
シクロペンテンジイル基、シクロヘキセンジイル基、ノルボルネンジイル基等のシクロアルケンジイル基などが挙げられる。
上記炭素数6〜20の2価の芳香族炭化水素基としては、例えば、
ベンゼンジイル基、トルエンジイル基、キシレンジイル基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基などのアレーンジイル基;
ベンゼンジイルメタンジイル基、ナフタレンジイルメタンジイル基等のアレーンジイルアルカンジイル基などが挙げられる。
上記2価のヘテロ原子含有基としては、例えば、−O−、−CO−、−S−、−CS−、−NR’−、これらのうちの2つ以上を組み合わせた基等が挙げられる。R’は、水素原子又は1価の炭化水素基である。これらの中で、−COO−が好ましい。
上記1価のヘテロ原子含有基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、アミノ基、スルファニル基(−SH)等が挙げられる。これらの中で、フッ素原子が好ましい。
1Aとしては、これらの中で、単結合、2価の炭化水素基が好ましく、2価の鎖状炭化水素基、2価の脂環式炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基がより好ましく、アルカンジイル基、シクロアルカンジイル基、アレーンジイル基がさらに好ましく、メタンジイル基、エタンジイル基が特に好ましく、メタンジイル基がさらに特に好ましい。
1B及びR1Cとしては、単結合が好ましい。
上記A、A及びAの−Ar−O−におけるArで表される炭素数6〜20のアレーンジイル基としては、例えば、ベンゼンジイル基、トルエンジイル基、キシレンジイル基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基等が挙げられる。
上記Aとしては、−COO−*、−SOO−*が好ましく、−COO−*がより好ましい。
及びAとしては、単結合が好ましい。
上記R2B及びR2Cで表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば、上記R1A、R1B及びR1Cで表される2価の有機基に、1個の水素原子を加えた基等が挙げられる。
上記R2A、R2B及びR2Cで表される1価の酸解離性基としては、例えば、下記式(A)で表される基が挙げられる。
Figure 2015184458
上記式(A)中、R3Aは、水素原子又は炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。R3B及びR3Cは、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の炭化水素基若しくは炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基であるか、又はこれらの基が互いに合わせられこれらが結合する炭素原子と共に構成される炭素数3〜20の脂環構造を表す。*は、上記式(1−1)のA又は上記式(1−2)のA若しくはAに結合する部位を示す。
上記R3A、R3B及びR3Cで表される炭素数1〜20の1価の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記炭素数1〜20の1価の鎖状炭化水素基としては、例えば、
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基などが挙げられる。
上記炭素数3〜20の1価の脂環式炭化水素基としては、例えば、
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等のシクロアルキル基;
シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、ノルボルネニル基等のシクロアルケニル基などが挙げられる。
上記炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
上記R3B及びR3Cで表される炭素数1〜20の1価のオキシ炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜20の1価のオキシ鎖状炭化水素基、炭素数3〜20の1価のオキシ脂環式炭化水素基、炭素数6〜20の1価の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
上記炭素数1〜20の1価のオキシ鎖状炭化水素基としては、例えば、
メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基;
エテニルオキシ基、プロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基等のアルケニルオキシ基;
エチニルオキシ基、プロピニルオキシ基、ブチニルオキシ基等のアルキニルオキシ基などが挙げられる。
上記炭素数3〜20の1価のオキシ脂環式炭化水素基としては、例えば、
シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、アダマンチルオキシ基等のシクロアルキルオキシ基;
シクロペンテニルオキシ基、シクロヘキセニルオキシ基、ノルボルネニルオキシ基等のシクロアルケニルオキシ基などが挙げられる。
上記炭素数6〜20の1価のオキシ芳香族炭化水素基としては、例えば、
フェノキシ基、トリルオキシ基、キシリルオキシ基、ナフトキシ基、アントリルオキシ基等のアリールオキシ基;
ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、ナフチルメトキシ基等のアラルキルオキシ基などが挙げられる。
上記基(I)としては、例えば、下記式(A1)〜(A7)で表される基(以下、「基(A1)〜(A7)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2015184458
上記式(A1)〜(A6)中、R3aは、水素原子又は炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。但し、上記式(1−1)のA並びに上記式(1−2)のA及びAが−COO−*又は−Ar−O−*の場合、R3aは、炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。R3b及びR3cは、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。i及びjは、それぞれ独立して、1〜4の整数である。
上記式(A7)中、R3a’は、水素原子又は炭素数1〜20の1価の炭化水素基である。kは、0〜3の整数である。
*は、上記式(1−1)のA又は上記式(1−2)のA若しくはAに結合する部位を示す。
上記i及びjとしては、1、2又は4が好ましく、1又は2がより好ましく、1がさらに好ましい。
これらの中で、基(A1)、基(A2)、基(A3)が好ましく、t−ブチル基、1−メチル−1−シクロペンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基がより好ましい。
上記構造単位(I−1)としては、例えば、下記式(1−1−1)〜(1−1−10)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−1−1)〜(I−1−10)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2015184458
これらの中で、構造単位(I−1−1)、構造単位(I−1−2)、構造単位(I−1−3)が好ましい。
上記構造単位(I−2)としては、例えば、下記式(1−2−1)〜(1−2−10)で表される構造単位(以下、「構造単位(I−2−1)〜(I−2−10)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2015184458
これらの中で、構造単位(I−1−1)が好ましい。
構造単位(I)の含有割合としては、構造単位(I)と構造単位(II)との合計に対して、45モル%〜55モル%が好ましく、47モル%〜53モル%がより好ましく、49モル%〜51モル%がさらに好ましい。
また、構造単位(I)の含有割合としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、45モル%〜55モル%が好ましく、47モル%〜53モル%がより好ましく、49モル%〜51モル%がさらに好ましい。
構造単位(I)の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能及び欠陥抑制性をより向上させることができる。
構造単位(I)を与える単量体(以下、「単量体(I)」ともいう)としては、例えば、構造単位(I−1)を与える単量体(以下、「単量体(I−1)」ともいう)として、酸解離性基を含むN−置換マレイミドが挙げられ、構造単位(I−2)を与える単量体(以下、「単量体(I−2)」ともいう)として、酸解離性基を含むフマル酸ジエステル等が挙げられる。
上記酸解離性基を含むN−置換マレイミドとしては、例えば、下記式(m1−1)で表される化合物等が挙げられる。上記酸解離性基を含むフマル酸ジエステルとしては、例えば、下記式(m1−2)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2015184458
上記式(m1−1)中、R1Aは、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。Aは、−COO−*、−SOO−*又は−Ar−O−*である。Arは、炭素数6〜20のアレーンジイル基である。R2Aは、炭素数1〜20の1価の酸解離性基である。*は、R2Aに結合する部位を示す。
上記式(m1−2)中、R1B及びR1Cは、それぞれ独立して、単結合又は炭素数1〜20の2価の有機基である。A及びAは、それぞれ独立して、単結合、−COO−*、−SOO−*又は−Ar−O−*である。Arは、炭素数6〜20のアレーンジイル基である。R2B及びR2Cは、炭素数1〜20の1価の有機基である。但し、R2B及びR2Cのうちの少なくともいずれかは、酸解離性基である。*は、R2B又はR2Cに結合する部位を示す。
上記単量体(I)としては、単量体(I−1)として、N−(t−アルキルオキシカルボニルアルキル)マレイミド、N−(1−アルキル−1−単環シクロアルキルオキシカルボニルアルキル)マレイミド、N−(2−アルキル−2−多環シクロアルキルオキシカルボニルアルキル)マレイミドが好ましく、N−(t−ブチルオキシカルボニルメチル)マレイミド、N−(1−メチル−1−シクロペンチルオキシカルボニルメチル)マレイミド、N−(2−エチル−2−アダマンチルオキシカルボニルメチル)マレイミドがより好ましい。また、単量体(I−2)として、ジ(t−アルキル)フマル酸、ジ(1−アルキル−1−単環シクロアルキル)フマル酸、ジ(2−アルキル−2−多環シクロアルキル)フマル酸が好ましく、ジ(t−ブチル)フマル酸、ジ(1−メチル−1−シクロペンチル)フマル酸、ジ(1−エチル−1−アダマンチル)フマル酸がより好ましい。
[構造単位(II)]
構造単位(II)は、酸解離性基を含まない構造単位である。
構造単位(II)としては、酸解離性基を含まない限り特に限定されないが、例えば、置換又は非置換のノルボルネンに由来する構造単位(以下、「構造単位(II−1)」及び置換又は非置換のテトラシクロドデセンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する構造単位(以下、「構造単位(II−2)」ともいう)等が挙げられる。
構造単位(II−1)及び構造単位(II−2)を与える単量体と、上述の構造単位(I)を与える単量体(I)とのラジカル共重合によれば、交互共重合体を得易い。
上記構造単位(II−1)としては、例えば、下記式(2−1)で表される構造単位が挙げられる。また、構造単位(II−2)としては、例えば、下記式(2−2)で表される構造単位等が挙げられる。
Figure 2015184458
上記式(2−1)中、Rは、炭素数1〜20の1価の有機基である。nは、0〜10の整数である。
上記式(2−2)中、Rは、炭素数1〜20の1価の有機基である。mは、0〜16の整数である。
上記R及びRで表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば、上記式(1−1)におけるR1Aで表される2価の有機基に1個の水素原子を加えた基等が挙げられる。
及びRとしては、1価の炭化水素基、1価のオキシ炭化水素基、1価のカルボニルオキシ炭化水素基が好ましく、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基がより好ましく、メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基がさらに好ましい。
n及びmとしては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
構造単位(II−1)としては、ノルボルナン−2,3−ジイル基が好ましい。
構造単位(II−2)としてはテトラシクロドデカン−2,3−ジイル基が好ましい。
構造単位(II)の含有割合としては、構造単位(I)と構造単位(II)との合計に対して、45モル%〜55モル%が好ましく、47モル%〜53モル%がより好ましく、49モル%〜51モル%がさらに好ましい。
また、構造単位(II)の含有割合としては、[A]重合体を構成する全構造単位に対して、45モル%〜55モル%が好ましく、47モル%〜53モル%がより好ましく、49モル%〜51モル%がさらに好ましい。
構造単位(II)の含有割合を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能及び欠陥抑制性をより向上させることができる。
構造単位(II)を与える単量体(以下、「単量体(II)」ともいう)としては、特に限定されない。
上記構造単位(II−1)を与える単量体(以下、「単量体(II−1)」ともいう)としては、例えば、下記式(m2−1)で表される化合物等が挙げられる。上記構造単位(II−2)を与える単量体(以下、「単量体(II−2)」ともいう)としては、例えば、下記式(m2−2)で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2015184458
上記式(m2−1)中、Rは、炭素数1〜20の1価の有機基である。nは、0〜10の整数である。
上記式(m2−2)中、Rは、炭素数1〜20の1価の有機基である。mは、0〜16の整数である。
上記単量体(II−1)として2−ノルボルネン、5−アルキル−2−ノルボルネン、5−アルコキシ−2−ノルボルネン、5−アルコキシカルボニル−2−ノルボルネンが好ましく、2−ノルボルネンがより好ましい。
上記単量体(II−2)として2−テトラシクロドデセン、7−アルキル−2−テトラシクロドデセン、7−アルコキシ−2−テトラシクロドデセン、7−アルコキシカルボニル−2−テトラシクロドデセンが好ましく、2−テトラシクロドデセンがより好ましい。
[A]重合体は、構造単位(II)を与える単量体として、ノルボルネン、トリシクロデセン等の環内二重結合を有する単量体を用いると、耐熱性の高いものとすることができる。そのような[A]重合体を含有する感放射線性樹脂組成物は、高温における形状安定性等が要求される用途に好適に用いることができ、例えば、300℃を超える温度でアニーリングを行う自己組織化リソグラフィーにおけるガイドパターンの形成用としても、好適に用いることができる。
<[A]重合体の合成方法>
[A]重合体は、例えば、上記単量体(I)と単量体(II)とを、ラジカル重合開始剤等を用い、適当な溶媒中で重合することにより合成できる。
上記ラジカル重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−シクロプロピルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系ラジカル開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系ラジカル開始剤等が挙げられる。これらの中で、AIBN、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートが好ましく、AIBNがより好ましい。これらのラジカル開始剤は1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
上記重合に使用される溶媒としては、例えば
n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等のアルカン類;
シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素類;
クロロブタン類、ブロモヘキサン類、ジクロロエタン類、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;
酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、プロピオン酸メチル等の飽和カルボン酸エステル類;
アセトン、メチルエチルケトン、4−メチル−2−ペンタノン、2−ヘプタノン等のケトン類;
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン類、ジエトキシエタン類等のエーテル類;
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、4−メチル−2−ペンタノール等のアルコール類等が挙げられる。これらの重合に使用される溶媒は、1種単独で又は2種以上を併用してもよい。
上記重合における反応温度としては、通常40℃〜150℃、50℃〜120℃が好ましい。反応時間としては、通常1時間〜48時間、1時間〜24時間が好ましい。
[A]重合体のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、1,000以上50,000以下が好ましく、1,500以上30,000以下がより好ましく、2,000以上20,000以下がさらに好ましく、2,500以上10,000以下が特に好ましい。[A]重合体のMwを上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の塗布性が向上し、また現像欠陥抑制性がより向上する。[A]重合体のMwが上記下限未満だと、十分な耐熱性を有するレジスト膜が得られない場合がある。[A]重合体のMwが上記上限を超えると、レジスト膜の現像性が低下する場合がある。
[A]重合体のGPCによるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)に対するMwの比(Mw/Mn)は、通常、1以上5以下であり、1以上3以下が好ましく、1以上2以下がさらに好ましい。
本明細書における重合体のMw及びMnは、以下の条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定される値である。
カラム:東ソー社の「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本及び「G4000HXL」1本
カラム温度:40℃
溶出溶媒:テトラヒドロフラン(和光純薬工業社)
流速:1.0mL/分
試料濃度:1.0質量%
試料注入量:100μL
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
<[B]酸発生体>
[B]酸発生体は、露光により酸を発生する物質である。この発生した酸により[A]重合体の構造単位(I)が有する酸解離性基等が解離してカルボキシ基等が生じ、[A]重合体の現像液への溶解性が変化するため、当該感放射線性樹脂組成物から、レジストパターンを形成することができる、当該感放射線性樹脂組成物における[B]酸発生体の含有形態としては、後述するような低分子化合物の形態(以下適宜「[B]酸発生剤」ともいう)でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[B]酸発生剤としては、例えば、オニウム塩化合物、N−スルホニルオキシイミド化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物等が挙げられる。
オニウム塩化合物としては、例えば、スルホニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩、ヨードニウム塩、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、ピリジニウム塩等が挙げられる。
[B]酸発生剤の具体例としては、例えば、特開2009−134088号公報の段落[0080]〜[0113]に記載されている化合物等が挙げられる。
[B]酸発生剤としては、下記式(3)で表される化合物が好ましい。[B]酸発生剤が下記構造を有することで、[A]重合体等が有する極性構造との相互作用等により、露光により発生する酸のレジスト膜中の拡散長がより適度に短くなると考えられ、その結果、当該感放射線性樹脂組成物のLWR性能及び現像欠陥抑制性をより向上させることができる。
Figure 2015184458
上記式(3)中、Rは、環員数6以上の脂環構造を含む1価の基又は環員数6以上の脂肪族複素環構造を含む1価の基である。Rは、炭素数1〜10のフッ素化アルカンジイル基である。Gは、1価の感放射線性オニウムカチオンである。
における「環員数」とは、脂環構造及び脂肪族複素環構造の環を構成する原子数をいい、多環の脂環構造及び多環の脂肪族複素環構造の場合は、この多環を構成する原子数をいう。
上記Rで表される環員数6以上の脂環構造を含む1価の基としては、例えば、
シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロドデシル基等の単環のシクロアルキル基;
シクロオクテニル基、シクロデセニル基等の単環のシクロアルケニル基;
ノルボルニル基、アダマンチル基、トリシクロデシル基、テトラシクロドデシル基等の多環のシクロアルキル基;
ノルボルネニル基、トリシクロデセニル基等の多環のシクロアルケニル基等が挙げられる。
上記Rで表される環員数6以上の脂肪族複素環構造を含む1価の基としては、例えば、
ノルボルナンラクトン−イル基等のラクトン構造を含む基;
ノルボルナンスルトン−イル基等のスルトン構造を含む基;
オキサシクロヘプチル基、オキサノルボルニル基等の酸素原子含有複素環基;
アザシクロヘキシル基、アザシクロヘプチル基、ジアザビシクロオクタン−イル基等の窒素原子含有複素環基;
チアシクロヘプチル基、チアノルボルニル基等のイオウ原子含有複素環基等が挙げられる。
で表される基の環員数しては、上述の酸の拡散長がさらに適度になる観点から、8以上が好ましく、9〜15がより好ましく、10〜13がさらに好ましい。
としては、これらの中で、環員数9以上の脂環構造を含む1価の基、環員数9以上の脂肪族複素環構造を含む1価の基が好ましく、アダマンチル基、ヒドロキシアダマンチル基、ノルボルナンラクトン−イル基、5−オキソ−4−オキサトリシクロ[4.3.1.13,8]ウンデカン−イル基がより好ましく、アダマンチル基がさらに好ましい。
上記Rで表される炭素数1〜10のフッ素化アルカンジイル基としては、例えば、メタンジイル基、エタンジイル基、プロパンジイル基等の炭素数1〜10のアルカンジイル基が有する水素原子の1個以上をフッ素原子で置換した基等が挙げられる。
これらの中で、SO 基に隣接する炭素原子にフッ素原子が結合しているフッ素化アルカンジイル基が好ましく、SO 基に隣接する炭素原子に2個のフッ素原子が結合しているフッ素化アルカンジイル基がより好ましく、1,1−ジフルオロメタンジイル基、1,1−ジフルオロエタンジイル基、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−1,2−プロパンジイル基、1,1,2,2−テトラフルオロエタンジイル基、1,1,2,2−テトラフルオロブタンジイル基、1,1,2,2−テトラフルオロヘキサンジイル基がさらに好ましい。
上記Gで表される1価の放射線分解性オニウムカチオンは、露光光の照射により分解するカチオンである。露光部では、この放射線分解性オニウムカチオンの分解により生成するプロトンと、スルホネートアニオンとからスルホン酸を生じる。上記Xで表される1価の放射線分解性オニウムカチオンとしては、例えば、S、I、O、N、P、Cl、Br、F、As、Se、Sn、Sb、Te、Bi等の元素を含む放射線分解性オニウムカチオンが挙げられる。元素としてS(イオウ)を含むカチオンとしては、例えば、スルホニウムカチオン、テトラヒドロチオフェニウムカチオン等が挙げられ、元素としてI(ヨウ素)を含むカチオンとしては、ヨードニウムカチオン等が挙げられる。これらの中で、下記式(G−1)で表されるスルホニウムカチオン、下記式(G−2)で表されるテトラヒドロチオフェニウムカチオン、下記式(G−3)で表されるヨードニウムカチオンが好ましい。
Figure 2015184458
上記式(G−1)中、Ra1、Ra2及びRa3は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、−OSO−R若しくは−SO−Rであるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられ構成される環構造を表す。R及びRは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数5〜25の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。k1、k2及びk3は、それぞれ独立して0〜5の整数である。Ra1〜Ra3並びにR及びRがそれぞれ複数の場合、複数のRa1〜Ra3並びにR及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記式(G−2)中、Rb1は、置換若しくは非置換の炭素数1〜8の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6〜8の芳香族炭化水素基である。k4は0〜7の整数である。Rb1が複数の場合、複数のRb1は同一でも異なっていてもよく、また、複数のRb1は、互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。Rb2は、置換若しくは非置換の炭素数1〜7の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は置換若しくは非置換の炭素数6若しくは7の芳香族炭化水素基である。k5は、0〜6の整数である。Rb2が複数の場合、複数のRb2は同一でも異なっていてもよく、また、複数のRb2は互いに合わせられ構成される環構造を表してもよい。tは、0〜3の整数である。
上記式(G−3)中、Rc1及びRc2は、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、−OSO−R若しくは−SO−Rであるか、又はこれらの基のうちの2つ以上が互いに合わせられ構成される環構造を表す。R及びRは、それぞれ独立して、置換若しくは非置換の炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、置換若しくは非置換の炭素数5〜25の脂環式炭化水素基又は置換若しくは非置換の炭素数6〜12の芳香族炭化水素基である。k6及びk7は、それぞれ独立して0〜5の整数である。Rc1、Rc2、R及びRがそれぞれ複数の場合、複数のRc1、Rc2、R及びRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
上記Ra1〜Ra3、Rb1、Rb2、Rc1及びRc2で表される非置換の直鎖状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等が挙げられる。
上記Ra1〜Ra3、Rb1、Rb2、Rc1及びRc2で表される非置換の分岐状のアルキル基としては、例えば、i−プロピル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
上記Ra1〜Ra3、Rc1及びRc2で表される非置換の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
上記Rb1及びRb2で表される非置換の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、トリル基、ベンジル基等が挙げられる。
上記アルキル基及び芳香族炭化水素基が有する水素原子を置換していてもよい置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、アシル基、アシロキシ基等が挙げられる。
これらの中で、ハロゲン原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
上記Ra1〜Ra3、Rb1、Rb2、Rc1及びRc2としては、非置換の直鎖状又は分岐状のアルキル基、フッ素化アルキル基、非置換の1価の芳香族炭化水素基、−OSO−R”、−SO−R”が好ましく、フッ素化アルキル基、非置換の1価の芳香族炭化水素基がより好ましく、フッ素化アルキル基がさらに好ましい。R”は、非置換の1価の脂環式炭化水素基又は非置換の1価の芳香族炭化水素基である。
上記式(G−1)におけるk1、k2及びk3としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記式(G−2)におけるk4としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、1がさらに好ましい。k5としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記式(G−3)におけるk6及びk7としては、0〜2の整数が好ましく、0又は1がより好ましく、0がさらに好ましい。
上記式(3)で表される酸発生剤としては、例えば、下記式(3−1)〜(3−13)で表される化合物(以下、「化合物(3−1)〜(3−13)」ともいう)等が挙げられる。
Figure 2015184458
上記式(3−1)〜(3−13)中、Gは、上記式(3)と同義である。
[B]酸発生剤としては、これらの中で、アダマンタン構造を含むアニオンを有する化合物が好ましく、化合物(3−1)がより好ましく、Gがスルホニウムカチオンである化合物(3−1)がさらに好ましく、Gがトリフェニルスルホニウムカチオンである化合物(3−1)が特に好ましい。
[B]酸発生体の含有量としては、[B]酸発生体が[B]酸発生剤の場合、当該感放射線性樹脂組成物の感度及び現像性を確保する観点から、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部以上30質量部以下が好ましく、0.5質量部以上20質量部以下がより好ましく、1質量部以上15質量部以下がさらに好ましく、3質量部以上10質量部が特に好ましい。[B]酸発生剤の含有量を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の感度及び現像性がより向上し、その結果、LWR性能及び現像欠陥抑制性をより向上させることができる。[B]酸発生体は、1種又は2種以上を用いることができる。
<[C]酸拡散制御体>
当該感放射線性樹脂組成物は、必要に応じて、[C]酸拡散制御体を含有してもよい。
[C]酸拡散制御体は、露光により[B]酸発生体から生じる酸のレジスト膜中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を抑制する効果を奏し、得られる感放射線性樹脂組成物の貯蔵安定性がさらに向上し、またレジストとしての解像度がさらに向上すると共に、露光から現像処理までの引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に優れた感放射線性樹脂組成物が得られる。[C]酸拡散制御体の当該感放射線性樹脂組成物における含有形態としては、遊離の化合物(以下、適宜「[C]酸拡散制御剤」という)の形態でも、重合体の一部として組み込まれた形態でも、これらの両方の形態でもよい。
[C]酸拡散制御剤としては、例えば、下記式(4a)で表される化合物(以下、「含窒素化合物(I)」ともいう)、同一分子内に窒素原子を2個有する化合物(以下、「含窒素化合物(II)」ともいう)、窒素原子を3個有する化合物(以下、「含窒素化合物(III)」ともいう)、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等が挙げられる。
Figure 2015184458
上記式(4a)中、R、R及びR10は、それぞれ独立して、水素原子、置換されていてもよい直鎖状、分岐状若しくは環状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基である。
含窒素化合物(I)としては、例えば、n−ヘキシルアミン等のモノアルキルアミン類;ジ−n−ブチルアミン等のジアルキルアミン類;トリエチルアミン、トリn−ペンチルアミン等のトリアルキルアミン類;アニリン等の芳香族アミン類等が挙げられる。
含窒素化合物(II)としては、例えば、エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン等が挙げられる。
含窒素化合物(III)としては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリアリルアミン等のポリアミン化合物;ジメチルアミノエチルアクリルアミド等の重合体等が挙げられる。
アミド基含有化合物としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
ウレア化合物としては、例えば、尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリブチルチオウレア等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、例えば、ピリジン、2−メチルピリジン等のピリジン類;N−プロピルモルホリン、N−(ウンデカン−1−イルカルボニルオキシエチル)モルホリン等のモルホリン類;ピラジン、ピラゾール等が挙げられる。
また上記含窒素有機化合物として、酸解離性基を有する化合物を用いることもできる。このような酸解離性基を有する含窒素有機化合物としては、例えば、N−t−ブトキシカルボニルピペリジン、N−t−ブトキシカルボニルイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール、N−(t−ブトキシカルボニル)ジ−n−オクチルアミン、N−(t−ブトキシカルボニル)ジエタノールアミン、N−(t−ブトキシカルボニル)ジシクロヘキシルアミン、N−(t−ブトキシカルボニル)ジフェニルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−アミルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン等が挙げられる。
また、[C]酸拡散制御剤として、露光により感光し弱酸を発生する光崩壊性塩基を用いることもできる。光崩壊性塩基としては、例えば、露光により分解して酸拡散制御性を失うオニウム塩化合物等が挙げられる。オニウム塩化合物としては、例えば、下記式(4b−1)で表されるスルホニウム塩化合物、下記式(4b−2)で表されるヨードニウム塩化合物等が挙げられる。
Figure 2015184458
上記式(4b−1)及び式(4b−2)中、R11〜R12は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基又はハロゲン原子である。E及びQは、それぞれ独立して、OH、Rβ−COO、Rβ−SO 又は下記式(4b−3)で表されるアニオンである。但し、Rβは、アルキル基、アリール基又はアラルキル基である。
Figure 2015184458
上記式(4b−3)中、R16は、水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルキル基、又は炭素数1〜12の直鎖状若しくは分岐状のアルコキシル基である。uは、0〜2の整数である。
上記光崩壊性塩基としては、例えば、下記式で表される化合物等が挙げられる。
Figure 2015184458
上記光崩壊性塩基としては、これらの中で、サリチレートアニオンを有する化合物、10−カンファースルホネートアニオンを有する化合物が好ましく、これらのトリアリールスルホニウムカチオンを有するものがより好ましく、これらのトリフェニルスルホニウムカチオンを有するものがさらに好ましい。
[C]酸拡散制御体の含有量としては、[C]酸拡散制御体が[C]酸拡散制御剤である場合、[A]重合体100質量部に対して、0質量部〜20質量部が好ましく、0.1質量部〜15質量部がより好ましく、0.5質量部〜10質量部がさらに好ましく、1質量部〜7質量部が特に好ましい。[C]酸拡散制御剤の含有量を上記範囲とすることで、当該感放射線性樹脂組成物の解像性、保存安定性等を向上させることができる。[C]酸拡散制御剤の含有量が上記上限を超えると、当該感放射線性樹脂組成物の感度が低下する場合がある。
<[D]重合体>
[D]重合体は、[A]重合体よりもフッ素原子含有率が大きい重合体である。当該感放射線性樹脂組成物が[D]重合体を含有すると、レジスト膜を形成した際に、レジスト膜中のフッ素原子含有重合体の撥油性的特徴により、その分布がレジスト膜表面近傍に偏在化する傾向があり、液浸露光等の際における酸発生体、酸拡散制御体等が液浸媒体に溶出することを抑制することができる。また、このフッ素原子含有重合体の撥水性的特徴により、レジスト膜と液浸媒体との前進接触角を所望の範囲に制御でき、バブル欠陥の発生を抑制することができる。さらに、レジスト膜と液浸媒体との後退接触角が高くなり、水滴が残らずに高速でのスキャン露光が可能となる。このように、当該感放射線性樹脂組成物は、[D]重合体をさらに含有することで、液浸露光法に好適なレジスト膜を形成することができる。
上記[D]重合体としては、フッ素原子を有する重合体である限り特に限定されないが、フッ素原子を含む構造単位を有することが好ましい。上記フッ素原子を含む構造単位としては、例えば、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル(メタ)アクリレート、1,1−ジフルオロ−1−エトキシカルボニルブタン−2−イル(メタ)アクリレート等のフッ素原子を含む(メタ)アクリレート等に由来する構造単位等が挙げられる。上記フッ素原子を含む構造単位としては、例えば、アルカリ解離性基を含むものであってもよい。「アルカリ解離性基」とは、カルボキシ基、ヒドロキシ基等の水素原子を置換する基であって、アルカリ(例えば、23℃の2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)の作用により解離する基をいう。
上記フッ素原子を含む構造単位の含有割合としては、[D]重合体を構成する全構造単位に対して、10モル%〜80モル%が好ましく、15モル%〜60モル%がより好ましく、20モル%〜40モル%がさらに好ましい。上記含有割合を上記範囲とすることで、[D]重合体の上述のレジスト膜表面近傍への偏在化をより促進することができる。
上記[D]重合体は、酸解離性基を含む構造単位をさらに有することが好ましい。[D]重合体が酸解離性基を含む構造単位をさらに有することで、現像後の[D]重合体の溶け残りをより抑制することができる。上記酸解離性基を含む構造単位としては、例えば、上記[A]重合体における構造単位(II)等が挙げられる。
上記酸解離性基を含む構造単位の含有割合としては、[D]重合体を構成する全構造単位に対して、0モル%〜90モル%が好ましく、20モル%〜85モル%がより好ましく、40モル%〜80モル%がさらに好ましい。
上記[D]重合体の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して、0.1質量部〜20質量部が好ましく、0.5質量部〜15質量部がより好ましく、1質量部〜10質量部がさらに好ましい。
<[E]溶媒>
当該感放射線性樹脂組成物は、通常、[E]溶媒を含有する。[E]溶媒は、少なくとも[A]重合体、[B]酸発生体及び所望により含有される[C]酸拡散制御体等を溶解又は分散可能な溶媒であれば特に限定されない。
[E]溶媒としては、例えば、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒等が挙げられる。
アルコール系溶媒としては、例えば、
4−メチル−2−ペンタノール、n−ヘキサノール等の炭素数1〜18の脂肪族モノアルコール系溶媒;
シクロヘキサノール等の炭素数3〜18の脂環式モノアルコール系溶媒;
1,2−プロピレングリコール等の炭素数2〜18の多価アルコール系溶媒;
プロピレングリコールモノメチルエーテル等の炭素数3〜19の多価アルコール部分エーテル系溶媒などが挙げられる。
エーテル系溶媒としては、例えば、
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のジアルキルエーテル系溶媒;
テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル系溶媒;
ジフェニルエーテル、アニソール(メチルフェニルエーテル)等の芳香環含有エーテル系溶媒等が挙げられる。
ケトン系溶媒としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、2−ヘプタノン(メチル−n−ペンチルケトン)、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン等の鎖状ケトン系溶媒:
シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン系溶媒:
2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン等が挙げられる。
アミド系溶媒としては、例えばN,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドン等の環状アミド系溶媒;
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド等の鎖状アミド系溶媒等が挙げられる。
エステル系溶媒としては、例えば、
酢酸n−ブチル等の酢酸エステルなどのモノカルボン酸エステル系溶媒;
酢酸プロピレングリコール等の多価アルコールカルボキシレート系溶媒;
酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコール部分アルキルエーテルアセテートなどの多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒;
シュウ酸ジエチル等の多価カルボン酸ジエステル系溶媒;
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート系溶媒などが挙げられる。
炭化水素系溶媒としては、例えば
n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、iso−ヘキサン、n−ヘプタン、iso−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、iso−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、iso−プロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、iso−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−iso−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒等が挙げられる。
これらの中で、エステル系溶媒、ケトン系溶媒が好ましく、多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒、環状ケトン系溶媒がより好ましく、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノンがさらに好ましい。当該感放射線性樹脂組成物は、[E]溶媒を1種又は2種以上含有していてもよい。
<その他の任意成分>
当該感放射線性樹脂組成物は、上記[A]〜[E]成分以外にも、その他の任意成分として、例えば、偏在化促進剤、界面活性剤、脂環式骨格含有化合物、増感剤等を含有していてもよい。当該感放射線性樹脂組成物は、その他の任意成分をそれぞれ、1種又は2種以上含有していてもよい。
[偏在化促進剤]
偏在化促進剤は、当該感放射線性樹脂組成物が[D]重合体を含有する場合等に、[D]重合体を、より効率的にレジスト膜表面に偏析させる効果を有するものである。当該感放射線性樹脂組成物にこの偏在化促進剤を含有させることで、[D]重合体の添加量を従来よりも少なくすることができる。従って、解像性、LWR性能及び欠陥抑制性を損なうことなく、レジスト膜から液浸液への成分の溶出をさらに抑制したり、高速スキャンにより液浸露光をより高速に行うことが可能になり、結果としてウォーターマーク欠陥等の液浸由来欠陥を抑制するレジスト膜表面の疎水性を向上させることができる。このような偏在化促進剤として用いることができるものとしては、比誘電率が30以上200以下で、1気圧における沸点が100℃以上の低分子化合物を挙げることができる。このような化合物としては、具体的には、ラクトン化合物、カーボネート化合物、ニトリル化合物、多価アルコール等が挙げられる。
上記ラクトン化合物としては、例えばγ−ブチロラクトン、バレロラクトン、メバロニックラクトン、ノルボルナンラクトン等が挙げられる。
上記カーボネート化合物としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等が挙げられる。
上記ニトリル化合物としては、例えばスクシノニトリル等が挙げられる。
上記多価アルコールとしては、例えばグリセリン等が挙げられる。
偏在化促進剤の含有量としては、当該感放射線性樹脂組成物における重合体の総量100質量部に対して、10質量部〜500質量部が好ましく、15質量部〜300質量部がより好ましく、20質量部〜200質量部がさらに好ましく、25質量部〜100質量部が特に好ましい。
[界面活性剤]
界面活性剤は、塗布性、ストリエーション、現像性等を改良する効果を奏する。界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のノニオン系界面活性剤;市販品としては、KP341(信越化学工業社)、ポリフローNo.75、同No.95(以上、共栄社化学社)、エフトップEF301、同EF303、同EF352(以上、トーケムプロダクツ社)、メガファックF171、同F173(以上、DIC社)、フロラードFC430、同FC431(以上、住友スリーエム社)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子工業社)等が挙げられる。
上記界面活性剤の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して、通常2質量部以下である。
[脂環式骨格含有化合物]
脂環式骨格含有化合物は、ドライエッチング耐性、パターン形状、基板との接着性等を改善する効果を奏する。
脂環式骨格含有化合物としては、例えば
1−アダマンタンカルボン酸、2−アダマンタノン、1−アダマンタンカルボン酸t−ブチル等のアダマンタン誘導体類;
デオキシコール酸t−ブチル、デオキシコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、デオキシコール酸2−エトキシエチル等のデオキシコール酸エステル類;
リトコール酸t−ブチル、リトコール酸t−ブトキシカルボニルメチル、リトコール酸2−エトキシエチル等のリトコール酸エステル類;
3−〔2−ヒドロキシ−2,2−ビス(トリフルオロメチル)エチル〕テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、2−ヒドロキシ−9−メトキシカルボニル−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン等が挙げられる。
上記脂環式骨格含有化合物の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して、通常5質量部以下である。
[増感剤]
増感剤は、[B]酸発生剤等からの酸の生成量を増加する作用を示すものであり、当該感放射線性樹脂組成物の「みかけの感度」を向上させる効果を奏する。
増感剤としては、例えばカルバゾール類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ナフタレン類、フェノール類、ビアセチル、エオシン、ローズベンガル、ピレン類、アントラセン類、フェノチアジン類等が挙げられる。これらの増感剤は、単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
上記増感剤の含有量としては、[A]重合体100質量部に対して、通常2質量部以下である。
<感放射線性樹脂組成物の調製方法>
当該感放射線性樹脂組成物は、例えば、[A]重合体、[B]酸発生体、必要に応じて含有される[C]酸拡散制御体等の任意成分、並びに[E]溶媒を所定の割合で混合することにより調製できる。当該感放射線性樹脂組成物は、混合後に、例えば、孔径0.2μm程度のフィルター等でろ過することが好ましい。当該感放射線性樹脂組成物の固形分濃度としては、通常0.1質量%〜50質量%であり、0.5質量%〜30質量%が好ましく、1質量%〜20質量%がより好ましい。
当該感放射線性樹脂組成物は、アルカリ現像液を用いるポジ型レジストパターン形成用にも、有機溶媒を含有する現像液を用いるネガ型レジストパターン形成用にも用いることができる。
<レジストパターン形成方法>
当該レジストパターン形成方法は、レジスト膜形成工程、露光工程及び現像工程を備える。当該レジストパターン形成方法では、上記レジスト膜を上述の当該感放射線性樹脂組成物により形成する。当該レジストパターン形成方法によれば、当該感放射線性樹脂組成物を用いるので、LWRが小さく、欠陥が少ないレジストパターンを形成することができる。
以下、各工程について説明する。
[レジスト膜形成工程]
本工程では、当該感放射線性樹脂組成物を用い、レジスト膜を形成する。このレジスト膜を形成する基板としては、例えばシリコンウェハ、二酸化シリコン、アルミニウムで被覆されたウェハ等の従来公知のもの等が挙げられる。また、例えば特公平6−12452号公報や特開昭59−93448号公報等に開示されている有機系又は無機系の反射防止膜を基板上に形成してもよい。塗布方法としては、例えば、回転塗布(スピンコーティング)、流延塗布、ロール塗布等が挙げられる。塗布した後に、必要に応じて、塗膜中の溶媒を揮発させるため、プレベーク(PB)を行ってもよい。PB温度としては、通常60℃〜140℃であり、80℃〜120℃が好ましい。PB時間としては、通常5秒〜600秒であり、10秒〜300秒が好ましい。形成されるレジスト膜の膜厚としては、10nm〜1,000nmが好ましく、10nm〜500nmがより好ましい。
環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するために、例えば特開平5−188598号公報等に開示されている保護膜をレジスト膜上に設けることもできる。さらに、レジスト膜からの酸発生体等の流出を防止するために、例えば特開2005−352384号公報等に開示されている液浸用保護膜をレジスト膜上に設けることもできる。なお、これらの技術は併用できる。
[露光工程]
本工程では、上記レジスト膜形成工程で形成されたレジスト膜に、フォトマスクを介する等して、露光光を照射し、露光する。露光光としては、目的とするパターンの線幅に応じて、例えば、可視光線、紫外線、遠紫外線、極端紫外線(13.5nm、EUV)、X線、γ線等の電磁波;電子線、α線等の荷電粒子線などが挙げられる。これらの中でも、遠紫外線、EUV、電子線が好ましく、ArFエキシマレーザー光(波長193nm)、KrFエキシマレーザー光(波長248nm)、EUV、電子線がより好ましく、ArFエキシマレーザー光、EUV、電子線がさらに好ましい。
露光を液浸露光により行う場合、用いる液浸液としては、例えば、水、フッ素系不活性液体等が挙げられる。液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつ膜上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光源がArFエキシマレーザー光(波長193nm)である場合、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。水を用いる場合、水の表面張力を減少させるとともに、界面活性力を増大させる添加剤をわずかな割合で添加しても良い。この添加剤は、ウェハ上のレジスト膜を溶解させず、かつレンズの下面の光学コートに対する影響が無視できるものが好ましい。使用する水としては蒸留水が好ましい。
上記露光の後、ポストエクスポージャーベーク(PEB)を行い、レジスト膜の露光された部分において、露光により[B]酸発生体から発生した酸による[A]重合体等が有する酸解離性基の解離を促進させることが好ましい。このPEBによって、露光部と未露光部とで現像液に対する溶解性に差が生じる。PEB温度としては、通常50℃〜180℃であり、70℃〜130℃が好ましい。PEB時間としては、通常5秒〜600秒であり、10秒〜300秒が好ましい。
[現像工程]
本工程では、現像液を用い、露光工程で露光されたレジスト膜を現像する。これにより、所定のレジストパターンが形成される。上記現像液としては、例えば、アルカリ現像液、有機溶媒を含有する現像液等が挙げられる。現像液は形成するパターン形状に応じて選択することができる。マスクパターンを露光によりレジスト膜上に投影した時に、光照射強度の強い領域をアルカリ性の水溶液で現像することにより、所定の閾値以上の露光部が溶解・除去されることによってポジ型のレジストパターンを形成することができる。一方、マスクパターンを露光によりレジスト膜上に投影した時に光照射強度の弱い領域を、有機溶媒を含有する液で現像することにより、所定の閾値以下の露光部が溶解・除去されることによってネガ型のレジストパターンを形成することができる。所望する解像性やパターン形状に応じてこれらの現像液を組み合わせて現像することもできる。
上記アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ性水溶液等が挙げられる。
上記有機溶媒を含有する現像液に含有される有機溶媒としては、例えば、上述の感放射線性樹脂組成物の[E]溶媒として列挙した溶媒の1種又は2種以上等が挙げられる。これらの中でも、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒が好ましい。エーテル系溶媒としては、芳香族含有エーテル系溶媒が好ましく、アニソールがより好ましい。エステル系溶媒としては、酢酸エステル系溶媒が好ましく、酢酸n−ブチルがより好ましい。ケトン系溶媒としては、鎖状ケトン系溶媒が好ましく、2−ヘプタノンがより好ましい。
現像液中の有機溶媒の含有量としては、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましく、99質量%以上が特に好ましい。現像液中の有機溶媒の含有量を上記範囲とすることで、露光部と未露光部とのコントラストを向上させることができ、その結果、より優れた焦点深度及び露光余裕度を発揮しつつ、LWR及びCDUがより小さいレジストパターンを形成することができる。なお、有機溶媒以外の成分としては、例えば、水、シリコンオイル等が挙げられる。
現像液には、必要に応じて界面活性剤を適当量添加することができる。界面活性剤としては例えば、イオン性や非イオン性のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤等を用いることができる。
現像方法としては、例えば現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液を塗出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
上記現像後は、水、アルコール等のリンス液を用いてリンスした後、乾燥することが好ましい。上記リンスの方法としては、例えば一定速度で回転している基板上にリンス液を塗出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)等が挙げられる。
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例に本発明が限定的に解釈されるものではない。各種物性値の測定方法を以下に示す。
[Mw及びMn]
重合体のMw及びMnは、下記条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
カラム:東ソー社の「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本及び「G4000HXL」1本
溶出溶媒:テトラヒドロフラン
カラム温度:40℃
流量:1.0mL/分
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
13C−NMR]
重合体中の各構造単位の含有割合を求めるための13C−NMR分析は、核磁気共鳴装置(日本電子社の「JNM−EX270」)を使用し、測定溶媒として重クロロホルムを用いて行った。
<重合体の合成>
[A]重合体及び[D]重合体の合成に用いた単量体を以下に示す。
Figure 2015184458
なお、化合物(M−1)〜(M−3)は構造単位(I)を、化合物(M−4)は構造単位(II)を、化合物(M−5)〜(M−9)は構造単位(I)及び(II)以外の構造単位をそれぞれ与える。
[[A]重合体の合成]
[合成例1]
化合物(M−1)13.83g(50モル%)及び化合物(M−4)6.17g(50モル%)を2−ブタノン20gに溶解し、さらにラジカル重合開始剤としてのAIBN1.08g(化合物の総量に対して5モル%)を溶解させて単量体溶液を調製した。次に、20gの2−ブタノンを入れた100mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、攪拌しながら80℃に加熱し、上記調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合反応液を水冷して30℃以下に冷却した。次いで、この冷却した重合溶液を300gのメタノール中に投入し、析出した白色粉末をろ別した。ろ別した白色粉末を60gのメタノールで2回洗浄した後、ろ別し、50℃で17時間乾燥させて白色粉末状の重合体(A−1)を合成した(収量13.0g、収率65%)。重合体(A−1)のMwは5,600、Mw/Mnは1.5であった。13C−NMR分析の結果、(M−1)及び(M−4)に由来する各構造単位の含有割合は、それぞれ50.9モル%及び49.1モル%であった。
[合成例2〜5]
下記表1に示す種類及び量の単量体を用いた以外は合成例1と同様に操作して、重合体(A−2)、(A−3)、(CA−1)及び(CA−2)を合成した。用いる化合物の合計質量は20gとした。表1中の「−」は、該当する化合物を用いなかったことを示す。合成した重合体の収率、Mw、Mw/Mn及び各構造単位の含有割合を表1に合わせて示す。
Figure 2015184458
[[D]重合体の合成]
[合成例6]
上記化合物(M−8)79.9g(70モル%)及び化合物(M−9)20.91g(30モル%)を、100gの2−ブタノンに溶解し、さらにラジカル重合開始剤としてのジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート4.77gを溶解させて単量体溶液を調製した。次に、100gの2−ブタノンを入れた1,000mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、攪拌しながら80℃に加熱し、上記調製した単量体溶液を滴下漏斗にて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合反応の開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合反応終了後、重合反応液を水冷して30℃以下に冷却した。冷却した重合反応液を2L分液漏斗に移液した後、150gのn−ヘキサンでその重合反応液を均一に希釈し、600gのメタノールを投入して混合した。次いで、30gの蒸留水を投入し、さらに攪拌して30分静置した。その後、下層を回収し、重合体(D−1)のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液を得た(収率60%)。得られた重合体(D−1)のMwは7,200、Mw/Mnは2.00であった。13C−NMR分析の結果、(M−8)及び(M−9)に由来する構造単位の含有割合は、71.1モル%及び28.9モル%であった。
<感放射線性樹脂組成物の調製>
各感放射線性樹脂組成物の調製に用いた[A]重合体及び[D]重合体以外の成分を下記に示す。
[[B]酸発生剤]
B−1:トリフェニルスルホニウム2−(アダマンタン−1−イル)−1,1−ジフルオロエタン−1−スルホネート(下記式(B−1)で表される化合物)
Figure 2015184458
<[C]酸拡散制御剤>
C−1:トリフェニルスルホニウムサリチレート(下記式(C−1)で表される化合物)
Figure 2015184458
[[E]溶媒]
E−1:酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル
E−2:シクロヘキサノン
[[F]偏在化促進剤]
F−1:γ−ブチロラクトン
[実施例1]
[A]重合体としての(A−1)100質量部、[B]酸発生剤としての(B−1)8.5質量部、[C]酸拡散制御剤としての(C−1)2.3質量部、[D]重合体としての(D−1)3質量部、[E]溶媒としての(E−1)2,240質量部及び(E−2)960質量部並びに[F]偏在化促進剤としての(F−1)30質量部を混合し、得られた混合液を0.2μmのメンブランフィルターで濾過して、感放射線性樹脂組成物(J−1)を調製した。
[実施例2及び3並びに比較例1及び2]
下記表2に示す種類及び含有量の各成分を用いた以外は実施例1と同様に操作して感放射線性樹脂組成物(J−2)、(J−3)、(CJ−1)及び(CJ−2)を調製した。
Figure 2015184458
<レジストパターンの形成>
[アルカリ現像の場合]
12インチのシリコンウェハ表面に、スピンコーター(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT12」)を使用して、下層反射防止膜形成用組成物(ブルワーサイエンス社の「ARC66」)を塗布した後、205℃で60秒間加熱することにより膜厚105nmの下層反射防止膜を形成した。この下層反射防止膜上に、上記スピンコーターを使用して感放射線性樹脂組成物を塗布し、90℃で60秒間PBを行った。その後23℃で30秒間冷却し、膜厚90nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜を、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(NIKON社の「NSR−S610C」)を用い、NA=1.3、ダイポール(シグマ0.977/0.782)の光学条件にて、ターゲットサイズが幅40nmラインアンドスペース(1L1S)のマスクパターンを介して露光した。露光後、90℃で60秒間PEBを行った。その後、2.38質量%のTMAH水溶液により現像し、水で洗浄、乾燥し、ポジ型のレジストパターンを形成した。
[有機溶媒現像の場合]
上記[アルカリ現像の場合]において、現像液としてTMAH水溶液の代わりに酢酸n−ブチルを用い、かつ水での洗浄を行わなかった以外は上記[アルカリ現像の場合]と同様に操作して、ネガ型のレジストパターンを形成した。
<評価>
上記形成した各レジストパターンについて下記測定を行うことにより、各感放射線性樹脂組成物の評価を行った。レジストパターンの測長には、走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社の「S−9380」)を用いた。評価結果を下記表3に示す。
[LWR性能]
レジストパターンを、上記走査型電子顕微鏡を用い、パターン上部から観察した。線幅を任意のポイントで計50点測定し、その測定値の分布から3シグマ値を求め、これをLWR性能(nm)とした。LWR性能は、その値が小さいほど良好であることを示す。
[欠陥抑制性]
下層反射防止膜形成用組成物(日産化学工業社の「ARC66」)を用いて上面に下層反射防止膜を形成した12インチシリコンウェハ上に、感放射線性樹脂組成物を用いて塗膜を形成し、120℃で60秒間PBを行うことにより膜厚75nmのレジスト膜を形成した。次に、このレジスト膜を、ArFエキシマレーザー液浸露光装置(NIKON社の「NSR−S610C」)を用い、NA=1.3、ratio=0.750、Crosspoleの条件により、ターゲットサイズが幅45nmのラインアンドスペース(1L/1S)のマスクパターンを介して露光した。露光後、100℃で60秒間PEBを行った。その後、現像装置(東京エレクトロン社の「クリーントラックACT12」)のGPノズルによって、2.38質量%のTMAH水溶液により30秒間現像し、7秒間純水により洗浄し、3,000rpmで液振り切り乾燥して、ポジ型のレジストパターンを形成した。このとき、幅45nmの1L/1Sを形成する露光量を最適露光量とした。この最適露光量にてウェハ全面に線幅45nmの1L/1Sを形成し、欠陥検査用ウェハとした。なお、測長には走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社の「CC−4000」)を用いた。欠陥検査用ウェハ上の欠陥数を、欠陥検査装置(KLA−Tencor社の「KLA2810」)を用いて測定した。さらに、上記欠陥検査装置で測定された欠陥を、レジスト膜由来と判断されるものと外部由来の異物とに分類した。分類後、レジスト膜由来と判断される欠陥の数を求めた。欠陥抑制性は、この欠陥の数が1,000個/ウェハ未満の場合は「A」と、1,000個以上の場合は「B」と評価した。
Figure 2015184458
表3から明らかなように、実施例の感放射線性樹脂組成物は、比較例のものに比べて、アルカリ現像の場合及び有機溶媒現像の場合とも、LWR性能に優れている。また、実施例の感放射線性樹脂組成物は、アルカリ現像の場合において、欠陥抑制性に優れている。
本発明の感放射線性樹脂組成物及びレジストパターン形成方法によれば、LWRが小さく、欠陥の少ないレジストパターンを形成することができる。従って、これらは今後さらに微細化が進行すると予想される半導体デバイス製造用に好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. N−置換マレイミド及びフマル酸ジエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来しかつ酸解離性基を含む第1構造単位と、酸解離性基を含まない第2構造単位とを有する重合体、及び
    感放射線性酸発生体
    を含有する感放射線性樹脂組成物。
  2. 上記重合体が交互共重合体である請求項1に記載の感放射線性樹脂組成物。
  3. 上記第2構造単位が、置換又は非置換のノルボルネン及び置換又は非置換のテトラシクロドデセンからなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する請求項1又は請求項2に記載の感放射線性樹脂組成物。
  4. 上記重合体が芳香環を実質的に含まない請求項1、請求項2又は請求項3に記載の感放射線性樹脂組成物。
  5. 上記重合体が、
    酸解離性基を含むN−置換マレイミド及び酸解離性基を含むフマル酸ジエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の第1単量体と、酸解離性基を含まない置換又は非置換のノルボルネン及び酸解離性基を含まない置換又は非置換のテトラシクロドデセンからなる群より選ばれる少なくとも1種の第2単量体とのラジカル共重合体である請求項3又は請求項4に記載の感放射線性樹脂組成物。
  6. 上記重合体が、実質的に上記第1構造単位及び上記第2構造単位のみを有する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  7. レジスト膜を形成する工程、
    上記レジスト膜を露光する工程、及び
    上記露光されたレジスト膜を現像する工程
    を備え、
    上記レジスト膜を請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物により形成するレジストパターン形成方法。
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