JP2006194434A - 燃料輸送用の樹脂チューブ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】直管形状に成形されて車体への組付けの際に曲り形状に可撓変形させられた上、固定クランプにて車体に組付固定され、エンジンと燃料タンクとの間に配管されて燃料を輸送する樹脂チューブ14に、直管形状の状態において外周面に且つ長手方向に直線配列状態にマーク66を全長に亘って施しておく。
【選択図】図4
Description
この樹脂チューブは、車体側の相手パイプに接続されて燃料輸送用の配管系を構成する。
例えば下記特許文献1にこの種のコネクタが開示されている。図8,図9はこのコネクタの具体的な構成例を示している。
これらの図において200は樹脂チューブであり、202はその樹脂チューブ200を接続すべき相手パイプである。
相手パイプ202には、その外周面に環状に突出する係合凸部(パイプ側係合部)204が形成されている。
コネクタ本体208は、軸方向の一方の側にリテーナ保持部216を有しており、また他方の側に圧入部218を有している。
コネクタ本体208は、この圧入部218を樹脂チューブ200の内部に圧入することによって、かかる樹脂チューブ200と接続される。
尚、圧入部218には環状溝が形成されていて、そこにOリング222が保持されており、このOリング222によって圧入部218と樹脂チューブ200との間が気密にシールされる。
このリテーナ保持部216には、その前端(図中左端)にリテーナ210との掛止用の掛止部(本体側掛止部)224が設けられている。
一方リテーナ210は、全体として略環状をなす樹脂製の部材であって径方向に弾性変形可能となしてある。
リテーナ210は、この掛止溝226をリテーナ保持部216の掛止部224に掛止させることで、かかるリテーナ保持部216により軸方向に固定状態に保持される。
内周カム面228は、相手パイプ202をリテーナ210内部に軸方向に挿入したとき、係合凸部204と当接してその移動案内をなすとともに、係合凸部204の移動に伴ってリテーナ210をカム作用で全体的に且つ弾性的に拡開運動させ、係合凸部204の通過を許容する。
そして係合凸部204が係合凹部225の位置に到ったところでリテーナ210が全体的に元の形状に復形し、これと同時に係合凸部204が係合凹部225に嵌り合って、それらが軸方向に互いに固定状態となる。
尚リテーナ210の先端部(図中左端部)には操作つまみ231が設けられており、この操作つまみ231に力を加えることによって、リテーナ210を縮径運動させることもできる。
このとき、リテーナ210は相手パイプ202の係合凸部204によって拡開方向に弾性的に押し拡げられ、そして係合凸部204が係合凹部225に到ったところで縮径運動するとともに、係合凸部204が係合凹部225に係合した状態となる。
このとき、リテーナ210は一旦縮径運動した後、掛止溝226が掛止部224の位置に到ったところで拡開運動し、掛止溝226が掛止部224に掛止した状態となる。
尚、図8(A)ではOリング212を2つ用いているが、(B)に示しているようにコンパクト化のためにOリング212を1つだけ用いる場合もある。
この配管系統では、燃料タンク234内の燃料を燃料ポンプ236により一定圧力の下で供給路238を通じて供給し、これをインジェクタ240からエンジンのシリンダ242に向けて噴射し、そして余剰の燃料を返送路244を通じて燃料タンク234へと返送する。
しかしながら成形形状が曲り形状をなす樹脂チューブは、製造のための工程数が多くなってコスト高となり、また車種が異なるごとに、厳密には配管レイアウトが異なるごとに別種の専用の樹脂チューブが必要となって、これもまたコストを高める要因となっていた。
このフューエルリターンレスシステムでは必要な量の燃料のみを供給するので、図15で示す配管系統と同じ径の樹脂チューブを用いると燃料が滞留し易く、エンジンルーム内の雰囲気により滞留状態の燃料が配管内で気化し、エンジン回転数が不安定になり易くなる。
特に排気量の小さい軽自動車や自動二輪車,自動三輪車,ATV(All Terrain Vehicle)等のいわゆる小型車両において、燃料輸送用の樹脂チューブとしてこのような細径チューブの使用が検討されている。
このようにすれば、樹脂チューブに要するコストを低減でき、また共通の樹脂チューブを様々な車種や配管レイアウトに対して汎用的に使用することが可能となる。
この場合燃料輸送に障害を生じるといったことも起り得、またその捩れによって樹脂チューブに大きな応力が発生して、その応力発生箇所で樹脂チューブが劣化を生じ易いといった問題も生ずる。
また発生した応力によりコネクタ内に装着されているOリング等のシール部材に対し相手パイプが片当り状態となって、シール性が低下する恐れも生ずる。
つまり本発明によれば、そのマークが直線配列状態を維持するように樹脂チューブを配管組付けして行くことで、樹脂チューブに捩れを生ぜしめることなくこれを配管組付けすることができる。
従って本発明によれば、捩れの箇所において樹脂チューブに大きな応力が発生して、その応力によって樹脂チューブの劣化が促進されるといったことを防止でき、更にまたその捩れに基づいてコネクタにおけるシール部材が相手パイプに片当りしてシール性が低下するのを防止することができる。
ここで小型車両とは軽自動車、特に自動二輪車,自動三輪車,ATV(All Terrain Vehicle)等を意味する。
図4は、エンジンと燃料タンクとの間に配管されて燃料輸送用に用いられるコネクタ付き樹脂チューブを車体への組付前の状態で表したもので、図中14は樹脂チューブを、16はその両端部に装着されたコネクタ(クイックコネクタ)を示している。なお、相手パイプ10等の相手部材に一方端部を直接圧入等で接続する場合には、コネクタ16は、樹脂チューブ14の他方端部(片方端部)のみに装着される。
ここで樹脂チューブ14は、組付前の状態で直管形状を成している。即ち樹脂チューブ14は直管形状に成形されている。
ここで内層14Aは肉厚が0.2mmであり、また外層14Bは肉厚が0.55mm、更に保護層15は肉厚が1.0mmである。すなわち、内層14A及び外層14Bの肉厚tは0.75mmである。
また樹脂チューブ14は、その全長Lが200〜1500mmとされている。
但しこれらの積層構造,材質,肉厚や長さ等の寸法はあくまで一例であって、それらを様々に変更することができることは言うまでもない。
本実施形態において、コネクタ16(シール部材を除く)はポリアミドにて構成されている。
但しその材質は耐熱性,耐燃料透過性,耐ガソリン性(ガソリンに接しても膨潤し難い)やコストの点から適宜選択可能である。
またPOMは耐熱性と耐燃料透過性,耐ガソリン性を確保しながら、比較的安価である。
また上記材料に強度向上のためガラス繊維を配合したり、耐燃料透過性向上のためクレー等のナノコンポジット材を配合して用いることもできる。
リテーナ保持部26は、リテーナ20を内部に収容状態で保持する部分で、コネクタ本体18はこのリテーナ20を介して相手パイプ10と接続される。
このリテーナ保持部26には、開口窓30とリテーナ20との掛止用の前端(図中左端)の掛止部(本体側掛止部)32とが設けられている。開口窓30は、径方向対称位置に一対設けられている。
このリテーナ20には、相手パイプ10の係合凸部12を径方向内方から係合させてこれを軸方向に固定する係合凹部又は係合スリット部(リテーナ側係合部)34と、コネクタ本体18側の上記掛止部32に対し、同じく径方向内方から嵌り合って軸方向に掛止する掛止溝(リテーナ側掛止部)36とが設けられている。
リテーナ20は、この掛止溝36をリテーナ保持部26の掛止部32に掛止させることで、かかるリテーナ保持部26により軸方向に固定状態に保持される。
内周カム面38は、相手パイプ10をリテーナ20内部に軸方向に挿入したとき、係合凸部12と当接してその移動案内をなすとともに、係合凸部12の移動に伴ってリテーナ20をカム作用で全体的に且つ弾性的に拡開運動させ、係合凸部12の通過を許容する。
そして係合凸部12が係合凹部34の位置に到ったところでリテーナ20が全体的に元の形状に復形し、これと同時に係合凸部12が係合凹部34に嵌り合って、それらが軸方向に互いに固定状態となる。
尚リテーナ20の先端部(図中左端部)には操作つまみ42が設けられており、この操作つまみ42に力を加えることによってリテーナ20を縮径運動させることもできる。
このとき、リテーナ20は相手パイプ10の係合凸部12によって拡開方向に弾性的に押し拡げられ、そして係合凸部12が係合凹部34に到ったところで縮径運動するとともに、係合凸部12が係合凹部34に係合した状態となる。
尚、リテーナ20を予め相手パイプ10に装着しておいて、その状態で相手パイプ10をリテーナ20ごとコネクタ本体18に挿入するようにしても良い。
このとき、リテーナ20は一旦縮径運動した後、掛止溝36が掛止部32の位置に到ったところで拡開運動し、掛止溝36が掛止部32に掛止した状態となる。
コネクタ本体18は、この圧入部28を樹脂チューブ14の一端からその内部に圧入することによって、かかる樹脂チューブ14に抜止状態に接続される。
尚、コネクタ本体18と樹脂チューブ14は圧入以外の、例えば溶着,オーバーモールド等によっても接続することができる。
図示のようにここでは樹脂チューブ14が、その可撓性に基づいて長手方向の複数箇所(ここでは3箇所)で円弧形状に曲げられており、そしてそれら複数箇所の曲げ部50-1,50-2,50-3のそれぞれの両側の部位が、固定クランプ48にて保持され、車体に留め付けられている。
これによりコネクタ16付き樹脂チューブ14全体に予定された曲り形状が付与され、その状態で樹脂チューブ14がコネクタ16において相手パイプ10と接続状態に車体に組み付けられている。
即ち直管形状に成形された樹脂チューブ14が、固定クランプ48による保持拘束作用によって、所望の曲り形状で車体に配管され、組み付けられている。
図5において固定クランプ48は弾性を有する樹脂製のもので、全体として環状を成し、周方向所定個所に開口52を有する略C字状を成す保持部54と、固定部56とを有している。保持部54は、開口52の両側に、外側に突出する一対のガイド用くちばし部53を有している。
また固定部56は、車体側のパネルの固定孔57への挿入部59と、パネルを内外両側から挟持する一対の挟持部61A,61Bを有している。挟持部61Aは、固定部56あるいは挿入部59の外端部(保持部54側の端部)から横方向両側(図5中左右両側)に延びるように一体的に形成され、挟持部61Bは、固定部56あるいは挿入部59の内端部(保持部54と反対側の端部)から横方向両側に延びるように一体的に形成されている。挟持部61Bは、横方向それぞれの側で、保持部54側に傾斜しながら横方向外側に延びる基部61B−1と、基部61B−1の横方向外端から保持部54側に傾斜しながら横方向内側に延びる折り返し部61B−2と、を一体的に有している。挟持部61Aの横方向外端間の距離は、固定孔57の幅よりも十分大きく、挟持部61Bの横方向外端間の距離(基部61B−1の横方向外端間の距離)は、固定孔57の幅よりも若干大きい。
また固定クランプ48を固定孔57において車体に留め付けることで、樹脂チューブ14を車体に固定状態とする。固定クランプ48の留め付けは、例えば、挟持部61Bが横方向内側に変形しながらパネルの固定孔57内に押し込まれ、そして、固定孔57からパネルの裏側に通り抜けた状態となるまで、挿入部59を固定孔57に挿入することにより、行われる。取り付けられた状態では、挟持部61Aの横方向外端部がパネル表面と係合し、挟持部61Bの折り返し部61B−2が、固定孔57の縁又は内端縁と係合している。したがって、例えば、固定クランプ48は、パネルに安定して取り付けられているが、固定クランプ48の固定孔57への挿入はスムーズに行われ、また、固定クランプ48を固定孔57から引き抜くことも可能である。
そして車体への組付前においてその両端部にコネクタ16が装着され、そのコネクタ16付きの状態で車体への組付けがなされる。
この実施形態では、マーク66は文字と数字と横線とで構成されているが、勿論他の文字や数字その他の記号を直線状に配列してマークを構成することもできる。マーク66は、例えば、樹脂チューブ14の外周面に、20分の1周以上5分の1周以下(例えば、14分の1周以上10分の1周以下)の幅を有して設けられる。例えば、樹脂チューブ14の外径を6mmとすると、マーク66の高さは、約0.9mm以上約3.8mm以下(例えば約1.3mm以上約1.9mm以下)としておくことができる。ここでは、例えば、マーク66の高さは1.5mmに設定されている。マーク66は、全長に亘って20分の1周以上5分の1周以下(例えば、14分の1周以上10分の1周以下)の幅を有する必要はなく、多くの部分で又は長さ方向の多くの部分でこの幅を有していればよい。このように構成することにより、マーク66の幅が適切なものとなり、捩れ防止効果を高めることができる。
図4に示す直管形状の樹脂チューブ14は、図1に示しているように車体への組付状態で全体が所定の曲り形状となる。
このとき樹脂チューブ14は、マーク66が樹脂チューブ14の軸心周りに捩れを生じないようにして曲り形状に可撓変形させられ、固定クランプ48にて車体に留め付けられる。
従って本実施形態によれば、そのマーク66が直線配列状態を維持するように樹脂チューブ14を配管組付けして行くことで、樹脂チューブ14に捩れを生ぜしめることなく、これを配管組付けすることができる。
それ故捩れの箇所において樹脂チューブ14に大きな応力が発生して、その応力によって樹脂チューブ14の劣化が促進されるといったことを防止でき、更にまたその捩れに基づいてコネクタ16におけるOリング22等のシール部材が相手パイプ10に片当りしてシール性が低下するのを防止することができる。
ここに記載された技術は、次の発明を構成する。
直線状に延ばされた状態において外周面上に且つ長手方向に直線配列状態にマークが全長に亘って施されている燃料輸送用の樹脂チューブを有し、この樹脂チューブの端部に、相手パイプとの接続用のコネクタが取り付けられ、このコネクタには、相手パイプと係合するリテーナが設けられ、このリテーナは、前記コネクタから径方向に突出しない操作部を有し、この操作部を操作することにより、前記コネクタ又は前記リテーナと前記相手パイプとの係合を解除できるように構成されていて、前記マークの周方向位置は、前記操作部の周方向位置又は操作向きに対応、一致又は概ね一致している接続構造体。
ここに記載された技術は、次の発明を構成する。
直線状に延ばされた状態において外周面上に且つ長手方向に直線配列状態にマークが全長に亘って施されている燃料輸送用の樹脂チューブを有し、この樹脂チューブの端部に、相手パイプとの接続用のコネクタが取り付けられ、このコネクタには、相手パイプとの接続を確認するチェッカー部材が設けられていて、前記マークの周方向位置は、前記チェッカー部材の着脱方向又は着脱側と対応、一致又は概ね一致している、あるいは、着脱方向又は着脱側と径方向対向側又は径方向反対側である接続構造体。
例えば上記マーク66は上例以外の他の様々な形態となすことができるし、また本発明は場合によって外径が6mmより大きい樹脂チューブに適用するといったことも可能である。さらに、径方向に弾性変形可能なリテーナを有するものであれば、リテーナがコネクタ本体と別体であっても一体的に形成されていても、樹脂チューブ14の両端部又は片方端部に装着されるコネクタとして用いることができる。本発明の実施の形態で用いられるコネクタのリテーナは、相手パイプ10がコネクタ本体内に挿入されると、相手パイプ10の係合凸部12 に押されて、一旦径方向に変形(例えば径方向に広がる変形)してから弾性復帰し、相手パイプ10の係合凸部12と係合してコネクタ本体を軸方向に固定するものである。なお、コネクタ300やコネクタ400を用いる場合には、接続部312や接続部414を、樹脂チューブ14と適切に接続できる樹脂チューブ接続部(例えば、圧入部)として構成する。このように、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
14 樹脂チューブ
16 コネクタ
22 Oリング(シール部材)
24 ブッシュ(シール部材)
48 固定クランプ
66 マーク
Claims (3)
- 直管形状に成形されて車体への組付けの際に曲り形状に可撓変形させられた上、固定クランプにて車体に組付固定され、エンジンと燃料タンクとの間に配管されて燃料を輸送する樹脂チューブであって、
前記直管形状の状態において外周面に且つ長手方向に直線配列状態にマークが全長に亘って施されていることを特徴とする燃料輸送用の樹脂チューブ。 - 外径が6mm以下の細径チューブであることを特徴とする請求項1に記載の燃料輸送用の樹脂チューブ。
- 相手パイプに対して回転可能且つOリング等環状のシール部材を介して該相手パイプとの間でシールされるコネクタを介して該相手パイプに接続されるものであることを特徴とする請求項1,2の何れかに記載の燃料輸送用の樹脂チューブ。
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- 2005-11-28 JP JP2005342040A patent/JP2006194434A/ja active Pending
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