JP2006193784A - エアロゾルデポジッション成膜装置 - Google Patents

エアロゾルデポジッション成膜装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 緻密で膜密着性が高く、結晶性の良好な膜を形成可能なエアロゾルデポジッション成膜装置を提供する。
【解決手段】 成膜材料の微粒子をエアロゾル化するエアロゾル形成部20と、エアロゾル29にレーザ光を照射しエアロゾル29を形成する微粒子27を加熱する加熱部30と、エアロゾル29を基板43に向けて噴射して成膜を行う成膜部40と、成膜部40を減圧雰囲気に保持する排気系50などから構成し、加熱部30において、エアロゾルを形成する微粒子にレーザ光を照射して微粒子を加熱し、微粒子を構成する材料に誘起されている歪みを低減する。さらに加熱により微粒子の結晶性を向上し、微粒子表面の付着物を除去する。加熱された微粒子は、成膜部40で噴射ノズル42により噴射された際に断熱膨張により冷却されるので基板43に熱的なダメージを与えない。赤外線、紫外線、マイクロ波等によりエアロゾルを加熱する例をさらに開示する。
【選択図】図1

Description

本発明は、エアロゾル化した微粒子材料を用いて成膜するエアロゾルデポジッション成膜装置に関する。
ユビキタス社会を目指して、パーソナルコンピュータ、携帯電話機、その他モバイル機器等の分野で、ポータブル・ウエアラブル・モバイル電子機器の開発が望まれている。このような電子機器の小型化・高性能化・多機能化を実現するためには種々の機能をもった材料を同じ空間内に集積化して形成することが重要である。これまで、回路基板や半導体素子、受動電子部品の開発の中で、樹脂材料と金属材料、セラミック材料と金属材料との組み合わせによる構造体を形成することにより、要求に見合ったデバイスの開発を可能にしてきた。
しかしながら、樹脂材料とセラミック材料との組み合わせによる構造体は、それぞれのプロセス温度が大きく異なるために、その複合化に制限があり、双方の特性を充分に発現した手法が存在しなかった。手法の一つとして、樹脂中にセラミック粉末等を混ぜ合わせて複合化する方法が試みられているが、要求特性を充分に満たしていないのが現状である。例えば、高誘電率化を達成するための高誘電率セラミックスと樹脂との組み合わせにおいても、樹脂中のセラミックスの充填率が制限され、比誘電率が数十程度の材料しか得られない。このために、低いプロセス温度で形成可能なセラミックスあるいは、耐熱温度の高い樹脂材料の開発が望まれている。
そこで、無機材料微粒子をガス中に分散させたエアロゾルを搬送し基板上に衝突させることにより、基板上に無機材料の膜を形成させる、いわゆるエアロゾルデポジション法は、常温付近でセラミック膜が形成できるために、材料本来の特性を損なうことなく、樹脂材料との複合・集積化が可能となるとみられており、この分野の研究・開発が活発化し始めているところである。
エアロゾルデポジション成膜装置は、セラミック粒子にガスを吹き込んで得られたエアロゾルをノズルから基板上に噴射し、基板上にセラミック膜を形成する。これは、噴射された個々のセラミック粒子が基板や粒子同士が衝突することにより、粒子表面が塑性変形したり、粒子が破砕したりして、基板や他の粒子と密着することによりエアロデポジション膜が形成される。
セラミック粒子は数百nm程度の微粒子であるため、その表面に水分子が付着したり、汚染層が形成されたりする。このようなセラミック粒子をそのまま用いて成膜すると、微粒子同士の密着性が低下し、脆弱で空孔の多い膜が形成される。
そこで、イオンや低温プラズマ等の高エネルギーの原子や分子を成膜前あるいは成膜中にセラミック粒子に照射して微粒子表面の汚染層を除去して成膜する手法が提案されている(例えば、特許文献1または2参照。)。
特許第2963993号明細書 特開2000−212766号公報
ところで、セラミック粒子は、セラミックのバルク材料を衝撃式粉砕機やボールミル等により機械的に破砕等して微粒子化されるので、セラミック粒子の表面には歪みが誘起されている。歪みが過度に大きいと、エアロゾルデポジション成膜装置で噴射した際に新たに形成される歪み量が小さいため、セラミック粒子と基板との密着性やセラミック粒子同士の密着性が低下し、エアロゾルデポジション膜の基板との密着性やエアロゾルデポジション膜の緻密性が低下するという問題が生ずる。
また、エアロゾルデポジション膜の結晶性は、材料のセラミック粒子の結晶性を引き継ぐため、セラミック粒子の結晶性が重要となる。しかし、機械的な破砕処理を経たセラミック粒子は結晶性が劣化している場合がある。従来、AD成膜装置では、エアロゾルを基板に噴射しながら基板にレーザを照射したり、成膜後に基板およびエアロゾルデポジション膜にレーザを照射して、結晶性を向上させる加熱処理を行っていた。このような場合、耐熱性の低いプラスチックを基板とする場合には基板を損傷してしまい、プラスチックとエアロゾルデポジション膜との複合材料の形成が困難になるという問題を生じる。
そこで、本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、緻密で膜密着性の高く、結晶性が良好な膜を形成可能なエアロゾルデポジッション成膜装置を提供することである。
本発明の一観点によれば、無機材料からなる微粒子をキャリアガスに分散させたエアロゾルを形成するエアロゾル形成手段と、前記エアロゾルを噴射ノズルにより噴射して基体上に無機材料膜を成膜する成膜手段と、前記エアロゾル形成手段と前記成膜手段との間に、前記エアロゾル中の微粒子を加熱する加熱手段と、を備え、前記加熱手段は、高エネルギーの電磁波をエアロゾルに照射することを特徴とするエアロゾルデポジッション成膜装置が提供される。
本発明によれば、噴射ノズルからエアロゾルを噴射する前に、エアロゾルを形成する微粒子に高エネルギーの電磁波を照射することにより、エアロゾルの流れを阻害することなく、電磁波が照射された微粒子自体の発熱により微粒子が加熱される。その結果、微粒子に誘起されていた歪みが低減され、結晶性が向上する。よって、噴射ノズルから噴射されたエアロゾルを形成する微粒子は、基板あるいは既に堆積した微粒子と衝突し、微粒子表面に微粒子同士が密着するために十分な歪みが誘起される。その結果、緻密で膜密着性が高く、結晶性の良好な無機材料の膜を形成できる。さらに、微粒子の加熱により微粒子表面の水分や汚染層が除去され、この点においても膜に緻密性や膜密着性が向上する。
前記高エネルギーの電磁波は、可視光、赤外光、紫外光、およびマイクロ波からなる群のうちいずれか一種でもよく、またレーザ光でもよい。
本発明によれば、エアロゾルを形成する微粒子を噴射前に加熱することにより、微粒子に誘起されていた歪みが低減されるので、緻密で膜密着性が高く、結晶性の良好な膜を形成可能なエアロゾルデポジッション成膜装置を提供できる。
以下図面を参照しつつ実施の形態を具体的に説明する。
(第1の実施の形態)
本実施の形態に係るエアロゾルデポジッション成膜装置は、エアロゾルを噴射ノズルから噴射する前にエアロゾルにレーザ光を照射する加熱部を備えたことに主な特徴がある。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るエアロゾルデポジッション成膜装置の概略構成図である。
図1を参照するに、エアロゾルデポジッション(以下「AD」と略称する。)成膜装置10は、大略、成膜材料の微粒子27をエアロゾル化するエアロゾル形成部20と、エアロゾル29にレーザ光を照射し、エアロゾル29を形成する微粒子27を加熱する加熱部30と、エアロゾル29を基板に向けて噴射してAD膜43を形成する成膜部40と、成膜部40を減圧雰囲気に保持する排気系50などから構成される。AD成膜装置10は、加熱部30において、エアロゾル29にレーザ光を照射してエアロゾル29を形成する微粒子27を加熱し、微粒子27に誘起された歪みを低減する。その結果、エアロゾルが基板43に噴射された際に、その微粒子27と基板43、あるいは既に堆積した微粒子との衝突により、微粒子表面に十分な歪みが誘起され、基板43との密着性や微粒子同士の密着性が向上する。以下、AD成膜装置10の具体的構成を説明する。
エアロゾル形成部20は、エアロゾル発生器21と、エアロゾル発生器21に圧縮されたキャリアガスを供給するガスボンベ22と、コンプレッサー23と、マスフローコントローラ24と、配管25、28とから構成される。
エアロゾル発生器21は、容器26内に成膜材料の微粒子27が充填されている。エアロゾル発生器21は、微粒子27内にキャリアガスを導入する配管25と、キャリアガスにより容器26内に舞い上がった微粒子27とキャリアガスとが形成するエアロゾル29を加熱部30に送出する配管28とが接続されている。エアロゾル発生器21では、キャリアガスを容器26内に導入することで、容器26内の空間に微粒子27が舞い上がりエアロゾル29が形成される。
エアロゾル発生器21には、超音波振動や、電磁振動、機械的振動を微粒子27に印加するための加振器を設けてもよい。加振器により微粒子27の凝集を機械的に分離させることで、均質なAD膜が形成できる。また、エアロゾル発生器21には微粒子27を乾燥するためのヒータ等の加熱器を設けてもよい。
また、エアロゾル発生器21内を予め減圧雰囲気に設定するために、配管56およびバルブ56bを介して容器27が真空系50に接続されている。エアロゾル発生器21内の乾燥、特に微粒子27の乾燥を行う場合には、真空系50を動作させバルブ56bを開いて容器26内を排気する。その際、微粒子27に加振器で振動を印加してもよく、加熱器で加熱してもよい。
微粒子27は無機材料から構成され、その平均粒径は、例えば10nm〜500nmの範囲に設定されることが好ましい。微粒子27は、無機材料であれば材料に特に制限はないが、例えば、回路基板や半導体装置の層間絶縁層を形成する場合は、高周波における低誘電損失の観点から、MgO、TiO2、ZrO2、SiO2、Al23、BaTiO3、BaZrO3、ZrSnTiO4、BaTi49、Ba2Ti920、MgTiO3、MgZrO3、Ba(Zn1/3Ta2/3)O3、Ba(Zn1/3Nb2/3)O3、Ba(Mg1/3Ta2/3)O3、Ba(Co1/3Ta2/3)O3、Ba(Co1/3Nb2/3)O3、Ba(Ni1/3Ta2/3)O3、SrTiO3、SrZrO3、Nd2Ti27、(BaSr)TiO3、Ba(TiZr)O3、PbZrTiO3、PbTiO3、PbZrO3、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3、Pb(Ni1/3Nb2/3)O3、Pb(Zn1/3Nb2/3)O3、3Al23・2SiO2(ムライト)、MgO・Al23(スピネル)、2MgO・SiO2(フォルステライト)、2Al23・2MgO・5SiO2(コージエライト)、CaO・SiO2(ウォラストナイト)、CaO・Al23・2SiO2(アノーサイト)、CaO・MgO・2SiO2(ディオプサイド)、2CaO・Al23・SiO2(ゲーレナイト)等のセラミックス粉末及びこれらから選択される1種あるいは2種以上のセラミックス粉末の混合物が好適である。
また、回路基板や半導体装置の配線パターンを形成する場合は、微粒子27として、Cu、Ag、Au、Pt、Pd、W、Al又はこれらの元素からなる合金を含む金属材料が挙げられる。また、微粒子27として、これらの金属材料及びこれらから選択される1種あるいは2種以上の金属材料の混合物が好適である。なお、微粒子27は、十分に除湿後容器26に充填されることが好ましい。
ガスボンベ22にはキャリアガスが充填され、キャリアガスとしては、アルゴンガスの他、ヘリウム、ネオン、キセノン、クリプトン、窒素などの不活性ガスを用いることができる。なお、微粒子27にペロブスカイト構造を有する酸化物セラミックスを用いる場合は、キャリアガスは酸化性のガス、例えば酸素ガスや空気を用いてもよく、これらのガスを不活性ガスに添加してもよい。酸化物セラミックス微粒子材料の酸素欠損を抑制することができる。
コンプレッサー23は、キャリアガスの圧力を制御し、エアロゾル発生器21に充填された微粒子27の吹き上げ量、すなわちエアロゾル中の微粒子量を制御する。なお、コンプレッサー23のかわりにボンベ23内のガス圧力が十分高い場合は、ボンベ用ガスレギュレータを用いてもよい。また、コンプレッサー23を使用する場合は、キャリアガスの供給源をガスボンベ23のかわり液体窒素等のキャリアガスの液体を蒸発させてもよく、窒素ガスや酸素ガスの場合は空気中から回収・精製してもよい。
マスフローコントローラ24はキャリアガスの流量を制御し、エアロゾル発生器21で形成されるエアロゾルの流量を制御する。
このように、エアロゾル発生器21では、成膜材料となる微粒子27にキャリアガスを微粒子27中に導入し、あるいはさらに加振器や加熱器を用いて微粒子27をキャリアガス中に舞い上がらせてエアロゾル29を形成し、配管28を通じて加熱部30に送出される。
加熱部30は、レーザ光源31と、レーザ光源31から射出されたレーザ光を集光する集光レンズ32と、配管28の一部に嵌合等され、集光されたレーザ光を透過させる光学窓33とから構成される。レーザ光を光学窓33を介してエアロゾル29に照射することで、エアロゾル29を形成する微粒子27の表面が加熱され、微粒子表面に形成されていた歪みを低減し、微粒子27の結晶性を向上する。
レーザ光源31は、特に制限はなく、例えば、CO2レーザ(10.6μm)やCOレーザ等の赤外ガスレーザ、He−Neレーザ(632.8nm)やHe−Cd+レーザ(441.6nm)、Ar+レーザ(488.0nm、514.5nm)、金属蒸気レーザ(Cu蒸気510.6nm)等の可視ガスレーザ、エキシマレーザ(ArF193nm)やHe−Cd+レーザ(325.0nm)等の紫外レーザを用いることができる。また、レーザ光源31は、ルビーレーザ(694.3nm)やYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)レーザ、ガラスレーザ、CaWO4レーザ等の固体レーザを用いることができる。なお、括弧内の数値はレーザ光の波長である。
微粒子27が誘電体材料からなる場合は、照射されたレーザ光が誘電体内部で熱に変換される割合が高い点で、レーザ光源31は、赤外光あるいは紫外光のレーザ光を射出するものが好ましい。
レーザ光源31は、高速で配管28中を流れるエアロゾル29にむらなくレーザ光を照射できる点で、連続発振型のレーザ光源31を用いることが好ましい。連続発振型のレーザ光源31としては、Ar+レーザ、He−Neレーザ、Nd:YAGレーザ(例えば1.06μmおよびその高調波)、Nd:ガラスレーザ(例えば1.06μmおよびその高調波)、Nd:CaWO4レーザが挙げられる。Nd:YAGレーザやNd:ガラスレーザは、レーザ励起源としてレーザダイオード(LD)を用いたものが、レーザ光源31の高効率及び超寿命の点で好ましい。
エアロゾル29に照射されるレーザ光の照射エネルギー(レーザ光源31の出力)は、微粒子27の材料や粒子径、エアロゾル濃度により適宜選択される。具体的には、レーザ光の照射エネルギーは、微粒子27が高温になりその歪みを低減できる点でより大きいほど好ましいが、微粒子27が溶融しない程度に設定すべきである。なお、このように微粒子27が高温に加熱されても、噴射ノズル42からエアロゾル29が噴射されると断熱膨張によりエアロゾル29の微粒子27は急激に冷却されるので、基板43に悪影響を及ぼすことはない。
また、レーザ光源31は、低出力(例えば3W)から高出力(例えば10kW)までの出力範囲のレーザ光を出射可能なレーザ光源31が、入手し易い点で好ましい。上述したエアロゾル29の微粒子27の材料や微粒子27の粒子径、エアロゾル濃度等にあわせてレーザ光源31を選択できる。
レーザ光のスポット径は、エアロゾル29に照射する位置において、例えば1mm〜20mmの範囲に設定されるが、微粒子27にレーザ光をより長い時間照射できる点で、より大きいことが好ましい。かかるスポット径は、レーザ光源31から射出されるレーザビーム径や集光レンズ32の焦点距離等により制御される。
光学窓33は、レーザ光の透過率が高い材料であれば材料に特に制限はなく、耐熱性が高いことが好ましい。光学窓33は高透過率および耐熱性を兼ね備える点で、石英ガラスが好ましい。
また、配管28は、加熱部30において、その内径は、加熱部30以外の配管の内径と同一でもよく、加熱部30における内径を加熱部以外の配管28の内径よりも大きくしてもよい。加熱部30において配管28の内径を加熱部以外の配管28の内径と同一とすることで、エアロゾル29の流れに渦等の乱れが生じないため、光学窓33の内壁に微粒子27が付着することを防止でき、光学窓33のクリーニングサイクルを長時間化できる。
一方、加熱部30における配管28の内径を加熱部30以外の配管28の内径よりも大きくすることで、エアロゾル29にレーザ光が照射される時間を長くとれ、レーザ光の出力を低減しても微粒子27を高温にできる。
なお、レーザ光源31と集光レンズ32との間に、レーザ光の進行方向に直交する断面における強度を均一化するセグメント鏡やカライドスコープ等の均一光学系を設けてもよい。
このように加熱部30を構成することで、配管中を流通するエアロゾル29を形成する微粒子27にレーザ光を照射して、微粒子27を加熱し、微粒子表面に形成されていた歪みを除去し、さらに微粒子27の結晶性を向上することができる。
成膜部40は、成膜室41と、成膜室41内に配管28に接続されエアロゾル29を噴射する噴射ノズル42と、噴射ノズル42と対向して配置され、基板43を保持する基板保持台44と、基板43および基板保持台44の位置を制御するXYZステージ45等から構成される。成膜部40では、噴射ノズル42から噴射されたエアロゾル29の微粒子27が基板43の表面や、既に基板43に堆積したAD膜46に衝突し微粒子27が強固に付着する。
エアロゾル29の噴射速度は、キャリアガスの圧力や、成膜室41の圧力(減圧雰囲気)、噴射ノズル42の開口面積により制御される。噴射速度は、AD膜の緻密性が良好になる点で大きいほど好ましいが、例えば、50m/s〜1000m/sに噴射速度を設定する。噴射ノズル42の開口面積は、配管内のエアロゾル29が流れる流路の断面積よりも小さく設定し、すなわちエアロゾル29が流れる流路を狭窄するように先細りの形状にしてもよい。エアロゾル29の流速を増すことができる。
XYZステージ45は、基板保持台43をエアロゾル29の入射方向に対して垂直方向の2方向(X方向およびY方向)と、エアロゾルの入射方向(Z方向)に沿って移動させる。さらに、XYZステージ45は、定速・繰り返し駆動動作をX方向およびY方向に行うものであってもよい。基板保持台43を定速・繰り返し駆動動作させることで、面積が広いあるいは膜厚が一定なAD膜46を形成することができる。
排気系50は、成膜室41に接続され、成膜室41内の圧力を減圧雰囲気とするためのメカニカルブースタ51と、真空ポンプ52と、これらを接続する配管53、54等から構成される。排気系50は、成膜室41を減圧雰囲気としてエアロゾル29の噴射速度を高める。真空ポンプ52は、例えば、ロータリーポンプやダイアフラム型真空ポンプ等を用いることができる。なお、成膜室41とメカニカルブースタ51とを接続する配管53やメカニカルブースタ51と真空ポンプ52を接続する配管54に集塵機を設けてもよい。
次に、AD成膜装置10を用いたAD膜46の成膜方法を、図1を参照しつつ説明する。最初に、メカニカルブースタ51および真空ポンプ52を用いて成膜室41、エアロゾル発生器21の容器26の内部、配管25、28、56等の内部を排気して減圧雰囲気にする。
次いで、ガスボンベ22のバルブ22bを開きキャリアガスを送出する。コンプレッサー23およびマスフローコントローラ24によりキャリアガスの圧力および流量を制御してエアロゾル発生器21の容器26の微粒子27にキャリガスを導入し、微粒子27をエアロゾル化してエアロゾル29を形成する。エアロゾル29の濃度はキャリアガスの圧力および流量により制御する。
そして、エアロゾル29は、配管28を通じて加熱部30に送出され、加熱部30では、エアロゾル29レーザ光が照射されて微粒子27の温度が上昇し、微粒子27表面の歪みが低減される。このようにして加熱された微粒子27を含むエアロゾル29は噴射ノズル42から噴射され断熱膨張する。微粒子27は断熱膨張の作用により冷却される。したがって、基板43に堆積する時点では、微粒子27の温度は低下し、基板43に熱的な損傷を与えることはない。微粒子27は衝突のエネルギーにより表面に十分な歪みが誘起され、微粒子と基板、あるいは微粒子同士が密着し、このようにして緻密で膜密着性の高いAD膜46が成膜される。
本実施の形態によれば、エアロゾル29を噴射ノズル42から噴射する前に、エアロゾル29の状態で加熱部30においてレーザ光を照射して微粒子27の温度を上昇させる。このようにすることで微粒子27に形成されていた歪みを低減し、緻密性が高く、密着強度の高いAD膜46を形成できる。
また、本実施の形態によれば、エアロゾル29の状態で微粒子27を加熱するので、従来のように粉体のまま加熱する場合に生じる微粒子同士の融着を回避し、微粒子の粒径分布の変化を防止できるので、均一性が高いAD膜46を形成できる。また、本実施の形態によれば、成膜に使用する微粒子27の製造条件がAD膜46に与える影響を低減できるので、AD膜46の品質安定化を図ることができる。
図2は、第1の実施の形態の変形例に係るAD成膜装置の要部を示す図である。図2を参照するに、エアロゾル29が加熱部30に到達する前にエアロゾル29の微粒子27を加熱する予備加熱部35が設けられている。すなわち、予備加熱部35は、図1に示すエアロゾル容器21と加熱部30との間に設けられている。
予備加熱部35は、エアロゾル2が流通する配管28に沿って設けられた電熱線36と、電熱線36を覆う断熱部材37と、電熱線36に電力を供給する交流電源(不図示)等から構成される。予備加熱部35は、配管28を囲むように電熱線36が設けられ、配管28を流通するエアロゾル29に電熱線36からの熱が集中するようになっている。
電熱線36は、発熱体であれば特に制限はないが、例えばフェライト系合金の発熱体が挙げられる。電熱線36は耐熱合金製のチューブに挿入されていてもよい。
断熱部材37は公知の材料を用いることができ、例えばセラミックファイバ、石綿等の耐熱性と断熱性を兼ね備えた材料を用いることが好ましい。
また、配管28の材料は、高融点でかつ高温下で熱的に安定な、例えば酸化し難いものが好ましい。このような配管材料としては、例えばMgO、ステンレス、インコネル、アルミナ、ジルコニア、石英ガラス等が挙げられる。もちろん、このような配管材料は、電熱線36が接する範囲の配管28に用いればよい。なお、予備加熱部35は、さらに予備加熱部35の温度を測定する熱電対と、電熱線36に供給する電力を制御する温度制御装置を更に備えてもよい。
本変形例によれば、予備加熱部35は、電熱線36から放射される熱の伝導により配管28中を流通するエアロゾル29の微粒子27を加熱して一定の温度に上昇させる。したがって、微粒子27は予備加熱されているので加熱部30における所望の温度までの温度上昇分を低減できる。したがって、加熱部30における加熱が容易化し、出力の低いレーザ光源が使用でき、レーザ光源の選択範囲を広げることができる。
また、本実施の形態のAD成膜装置10は、図1に示す、エアロゾル形成部20と加熱部30との間、あるいは、加熱部30と噴射ノズル42との間に、エアロゾルの微粒子の粒子径を分級して、所望の粒子径の範囲の微粒子を選別する分級機(不図示)を設けてもよい。分級機によりエアロゾル中の微粒子から所望の粒子径の微粒子を選別することにより、均質なAD膜を形成できる。すなわち、エアロゾル形成部20と加熱部30との間に分級機を設けることにより、所望の粒子径の範囲の微粒子、すなわち粒子径のそろった微粒子のみが加熱部30により加熱されるので、微粒子の温度上昇が微粒子間で同程度になる。また、加熱部30と噴射ノズル42との間に分級機を設けることにより、所望の粒子径の範囲の微粒子のみが選別され、それらの微粒子は微粒子の温度上昇が微粒子間で同程度である。その結果、均質なAD膜46を形成できる。分級機としては、気流旋回型(例えばサイクロイン、クラシクオロン等。)や機械的回転型(例えばスターテバント型。)の遠心分級機や、静電式分級機を用いることができる。
(第2の実施の形態)
本実施の形態に係るAD成膜装置は、エアロゾルを噴射ノズルから噴射する前にエアロゾルに赤外線を照射する加熱部を備えたことに主な特徴がある。
図3は、本発明の第2の実施の形態に係るAD成膜装置の概略構成図である。図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
図3を参照するに、AD成膜装置60は、大略、成膜材料の微粒子27をエアロゾル化するエアロゾル形成部20と、エアロゾル29に赤外線を照射しエアロゾル29を形成する微粒子27を加熱する加熱部61と、エアロゾル29を基板43に向けて噴射してAD膜43を形成する成膜部40と、成膜部40を減圧雰囲気に保持する排気系50とから構成される。AD成膜装置60は、加熱部61が、図1に示す第1の実施の形態に係るAD成膜装置10の加熱部30と異なる以外は同様の構成からなる。
AD成膜装置60は、加熱部61において、エアロゾル29に赤外光を照射してエアロゾル29を形成する微粒子27を加熱し、微粒子27に誘起された歪みを低減する。その結果、エアロゾルが基板43に噴射された際に、その微粒子27と基板43、あるいは既に堆積した微粒子との衝突により、微粒子表面に十分な歪みが誘起され、基板43との密着性や微粒子同士の密着性が向上する。以下、AD成膜装置60の加熱部61の具体的構成を説明する。
加熱部61は、赤外線ランプ62と、赤外線ランプ62から発光された赤外線を反射する反射部材63と、エアロゾル29が流通する配管28に接続された赤外線を透過する耐熱管64と、赤外線ランプ62に電力を供給する電源(不図示)等から構成される。
赤外線ランプ62は、透明石英管の中に配置されたタングテン・フィラメントと、透明石英管内を排気後封入されたNe、Ar、およびKrなどの不活性ガス等から構成される。赤外線ランプ62の形状は特に制限はなく、例えば、直管型、円筒型等を用いることができる。赤外線ランプ62は、特に高出力の点でハロゲンランプが好ましい。ハロゲンランプは、封入ガスの不活性ガスにハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)ガスを微量添加したもので、高電力密度を有する。
反射部材63は金属材料、例えばアルミニウムから構成され、その反射面63aは、放物面や楕円面の形状をなしている。反射面63aをこのような形状にすることで、赤外線ランプ62からの赤外線をエアロゾルが流通する耐熱管64に集光することができる。
また、反射面63aは光沢面を形成し、反射面63aの表面には、赤外線(例えば波長1.0μm〜1.3μm)の反射率を高めるため、Auめっき膜を形成してもよい。
加熱部61は、複数の赤外線ランプ62と、赤外線ランプ62の各々に配置された反射部材63とが耐熱管64を囲むように配置され、各々の赤外線ランプ62からの赤外線を耐熱管64の中心軸付近に集光する集光炉であることが好ましい。集光炉を用いることで、高出力の赤外線を効率よくエアロゾルに照射でき、微粒子の加熱を短時間で行うことができる。集光炉は、例えば最大出力が2kW〜36kWのものを用いることができる。
耐熱管64は、赤外線を透過し、かつ耐熱温度が1000℃以上であることが好ましい。耐熱管64は、例えば石英ガラスを用いることができる。
加熱部61は、赤外線ランプ62を、耐熱管64に沿って長尺に設けるほど流通するエアロゾル29の微粒子27により長い時間に亘って加熱できる点で好ましく、10cm〜100cmの範囲に亘って赤外線ランプ62を設けることが好ましい。
本実施の形態によれば、エアロゾルを噴射ノズル42から噴射する前に、エアロゾル29の状態で加熱部61において赤外線を照射して微粒子27の温度を上昇させる。このようにすることで微粒子27に形成されていた歪みを低減し、緻密性が高く、密着強度の高いAD膜46を形成できる。
また、本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、エアロゾル29の状態で微粒子27を加熱するので、微粒子同士の融着を回避し、微粒子27の粒径分布の変化を防止できるので、均一性が高いAD膜46を形成でき、また、成膜に使用する微粒子27の製造条件がAD膜に与える影響が低減されるので、AD膜46の品質安定化を図れる。
赤外線が吸収された微粒子27は、主として、赤外線により微粒子27を構成するイオンが振動し、その分子内摩擦により熱が発生する。微粒子27が無機酸化物の場合、無機酸化物はイオン性物質であるので、照射された赤外線が熱に変換される割合がイオン性物質でない場合よりも大きい。したがって、本実施の形態によれば、微粒子27が無機酸化物の場合、赤外線をエアロゾル29の微粒子27を照射することにより、効率良く微粒子27を加熱でき、その結果、微粒子27の歪みを効率良く低減できる。
また、本実施の形態によれば、赤外線ランプ62をエアロゾルが流通する耐熱管64に沿って長尺に設けることにより、エアロゾル29をより長時間に亘って加熱でき、その結果、微粒子27を容易に高温度に加熱できる。
(第3の実施の形態)
本実施の形態に係るAD成膜装置は、エアロゾルを噴射ノズルから噴射する前にエアロゾルに紫外線を照射する加熱部を備えたことに主な特徴がある。
図4は、本発明の第3の実施の形態に係るAD成膜装置の概略構成図である。図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
図4を参照するに、AD成膜装置70は、大略、成膜材料の微粒子27をエアロゾル化するエアロゾル形成部20と、エアロゾル29に紫外線を照射しエアロゾル29を形成する微粒子27を加熱する加熱部71と、エアロゾル29を基板43に向けて噴射してAD膜43を形成する成膜部40と、成膜部40を減圧雰囲気に保持する排気系50とから構成される。AD成膜装置70は、加熱部71が、図1に示す第1の実施の形態に係るAD成膜装置の加熱部30と異なる以外は同様の構成からなる。
AD成膜装置70は、加熱部71において、エアロゾル29に紫外線を照射してエアロゾル29を形成する微粒子27を加熱し、微粒子27に誘起された歪みを低減する。すなわち、紫外線を吸収した微粒子27は、電子分極、すなわち、正の電荷を有する原子核と、原子核の周りを回る負電荷の電子とが外部からの電界により形成される分極が、紫外線により振動が生じ、紫外線に対する分極の振動の遅れの分が分子内摩擦により熱が発生する。この熱により微粒子27の温度が上昇し、微粒子27に誘起された歪みを低減し、さらに微粒子27の結晶性を向上する。その結果、エアロゾルが基板43に噴射された際に、その微粒子27と基板43、あるいは既に堆積した微粒子との衝突により、微粒子表面に十分な歪みが誘起され、基板43との密着性や微粒子同士の密着性が向上する。以下、AD成膜装置70の加熱部71の具体的構成を説明する。
加熱部71は、水銀ランプ72と、水銀ランプ72から発光された紫外線を反射する反射部材73と、エアロゾル29が流通する配管28に接続された紫外線を透過する耐熱管74と水銀ランプ72に電力を供給する電源(不図示)等から構成される。
水銀ランプ72は、例えば、透明石英管の中に水銀と2つの電極とを封じ込めて構成される。水銀ランプ72は、例えば、289nm、297nm、303nm、313nm、334nm、365nm等の紫外領域の波長に輝度のピークを有する。水銀ランプ72の輝度は高いほど好ましい。
反射部材73は金属材料、例えばアルミニウムからなり、その反射面73aは、放物面や楕円面の形状をなしている。反射面73aをこのような形状にすることで、水銀ランプ72からの紫外線をエアロゾル29が流通する耐熱管74に集光することができる。
なお、水銀ランプ72と反射面73aとの間に窒素ガスやArガス等の不活性ガスを充填することが好ましい。このようにすることで、紫外線照射によるオゾンの発生を防止できる。
加熱部71は、第2の実施の形態と同様に、複数の紫外線ランプ72と、紫外線ランプ72の各々に配置された反射部材73とが耐熱管74を囲むように配置され、各々の紫外線ランプ72からの紫外線を耐熱管74の中心軸付近に集光する集光炉であることが好ましい。集光炉を用いることで、高出力の紫外線をエアロゾルに照射でき、微粒子の加熱を短時間で行うことができる。
耐熱管74は、紫外線を透過し、かつ耐熱温度が1000℃以上であることが好ましい。耐熱管74は、例えば、石英ガラス等を用いることができる。
加熱部71は、紫外線ランプ72を、耐熱管74に沿って長尺に設けるほど流通するエアロゾル29の微粒子27により長い時間に亘って加熱できる点で好ましく、10cm〜100cmの範囲に亘って紫外線ランプ72を設けることが好ましい。
本実施の形態によれば、エアロゾルを噴射ノズル42から噴射する前に、エアロゾル29の状態で加熱部71において紫外線を照射して微粒子27の温度を上昇させる。このようにすることで微粒子27に形成されていた歪みを低減し、緻密性が高く、密着強度の高いAD膜46を形成できる。
また、本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、エアロゾル29の状態で微粒子27を加熱するので、微粒子同士の融着を回避し、微粒子27の粒径分布の変化を防止できるので、均一性が高いAD膜46を形成でき、また、成膜に使用する微粒子27の製造条件がAD膜に与える影響が低減されるので、AD膜46の品質安定化を図れる。
また、本実施の形態によれば、水銀ランプ72をエアロゾルが流通する耐熱管74に沿って長尺に設けることにより、エアロゾルをより長時間に亘って加熱でき、その結果、微粒子を容易に高温度に加熱できる。なお、水銀ランプ72のかわりに紫外線を発生するランプであれば特に制限なく用いることができ、例えばエキシマキセノンランプ(ピーク波長172nm)を用いることができる。
(第4の実施の形態)
本実施の形態に係るAD成膜装置は、エアロゾルを噴射ノズルから噴射する前にエアロゾルにマイクロ波を照射する加熱部を備えたことに主な特徴がある。
図5は、本発明の第3の実施の形態に係るAD成膜装置の概略構成図である。図中、先に説明した部分に対応する部分には同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
図5を参照するに、AD成膜装置80は、大略、成膜材料の微粒子27をエアロゾル化するエアロゾル形成部20と、エアロゾル29にマイクロ波を照射しエアロゾル29を形成する微粒子27を加熱する加熱部81と、エアロゾル29を基板43に向けて噴射してAD膜43を形成する成膜部40と、成膜部40を減圧雰囲気に保持する排気系50等から構成される。AD成膜装置80は、加熱部81が、図1に示す第1の実施の形態に係るAD成膜装置の加熱部30と異なる以外は同様の構成からなる。
AD成膜装置80は、加熱部81においてエアロゾル29にマイクロ波を照射してエアロゾル29を形成する微粒子27を加熱し、微粒子27に誘起された歪みを低減する。その結果、エアロゾルが基板43に噴射された際に、その微粒子27と基板43、あるいは既に堆積した微粒子との衝突により、微粒子表面に十分な歪みが誘起され、基板43との密着性や微粒子同士の密着性が向上する。
加熱部81は、マイクロ波発生器82と、マイクロ波発生器82から射出されたマイクロ波を伝送する導波管83と、マイクロ波をエアロゾル29に集中させて微粒子27を加熱するアプリケータ84とから構成される。
マイクロ波発生器82は、特に制限されないが、例えば、マグネトロン、クライストロン、ジャイロトロンを用いることができる。このうち、10GHz以上の周波数で数kW以上の出力のマイクロ波が安定して得られる点で、ジャイロトロンが好ましい。
導波管83は、金属中空管であり、例えば断面が矩形の矩形導波管を用いることができる。導波管83は、マイクロ波発生器82から射出されたマイクロ波をアプリケータ84に伝送する。
図6は、加熱部のアプリケータの要部拡大図である。図6を参照するに、アプリケータ84は、矩形の導波管83と、導波管83のマイクロ波を供給する側に、中央に円形に開口する結合窓85aを有する遮蔽板85と、導波管83のマイクロ波の進行方向の奥部に設けられた短絡板86と、結合窓85aと短絡板86との間に、導波管83の中央をマイクロ波の進行方向に対して直交する方向に沿って設けられたガラス管84等から構成される。ガラス管84は、エアロゾル29が流通する配管(図5に示す配管28。)に接続され、ガラス管84中をエアロゾル29が通過する。また、ガラス管84は、導波管87の外部ではマイクロ波の漏洩を防止するために金属管88により周囲を覆われている。
アプリケータ84は、いわゆるシングルモード方式の共振型アプリケータである。アプリケータ84は、導波管83を伝送し結合窓85aから入射したマイクロ波の進行波と、その進行波がガラス管84の奥に配置された短絡板86により反射された反射波とにより定在波を形成する。定在波は、ガラス管87の位置で振幅が最大となるように短絡板86の位置が制御される。このように定在波を形成することで、ガラス管87内に加熱領域89が形成され、ガラス管87内を流通するエアロゾル29の微粒子27にマイクロ波が集中して照射される。このアプリケータ84は、マイクロ波を狭い領域に集中させることが可能な点で好ましい。マイクロ波を照射された微粒子27は、微粒子自体が発熱して温度が上昇し、微粒子の歪みが低減され、微粒子の結晶性が向上する。また、シングルモード方式の共振型アプリケータ84は小型化が容易である点で優れている。
なお、図示を省略するが、微粒子の温度上昇を十分に確保できる場合は、定在波を発生させず、様々な位相のマイクロ波を照射するマルチモード方式、つまりオーブン方式のアプリケータ84を用いてもよい。
マイクロ波の照射エネルギーは、微粒子27の材料に応じて適宜決定されるが、微粒子27に吸収されたマイクロ波のエネルギーのうち熱に変換される割合は、微粒子が誘電体の場合、誘電損率に比例する。誘電損率は誘電率を複素数で表した場合の虚数部の大きさ、つまり誘電損率ε”であり、実数部の大きさ、つまり誘電率ε’とtanδ(δは誘電体損失角)との積に等しい。照射エネルギーは、具体的には微粒子の誘電損率ε”、および融点に応じて適宜選択される。
また、加熱部81に用いられるマイクロ波は周波数が300MHz〜300GHzの範囲の電磁波であるが、微粒子を効率よく加熱できる点では周波数は高い方が好ましく、1GHz以上、さらには微粒子材料の誘電損率ε”が増加する点で10GHz以上であることが好ましい。
ガラス管87は、マイクロ波の透過性の点でその厚さが薄いほど好ましい。ただし、ガラス管87は機械的強度を確保できる程度の厚さが必要である。
本実施の形態によれば、エアロゾルを噴射ノズル42から噴射する前に、エアロゾルの状態で加熱部81においてマイクロ波を照射して微粒子の温度を上昇させる。このようにすることで微粒子27に形成されていた歪みを低減し、緻密性が高く、密着強度の高いAD膜46を形成できる。
また、本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、エアロゾル29の状態で微粒子27を加熱するので、微粒子同士の融着を回避し、微粒子27の粒径分布の変化を防止できるので、均一性が高いAD膜46を形成でき、また、成膜に使用する微粒子27の製造条件がAD膜に与える影響が低減されるので、AD膜46の品質安定化を図れる。
次に実施例1〜3と、本発明によらない比較例について説明する。
[実施例1]
実施例1は、第1の実施の形態に係るAD成膜装置を用いて、レーザ光源にNd:YAGレーザを用いてレーザ光をエアロゾルに照射し成膜を行った。
具体的には、最初に、前処理として、平均粒径0.5μmのBaTiO3微粒子をエアロゾル発生器の容器に入れ、BaTiO3微粒子を150℃に加熱し、容器全体に超音波を印加しながら30分間、排気系により容器内を排気し、BaTiO3微粒子を乾燥した。また、成膜室は予め真空度が10Pa以下になるまで排気した。
次いで、このようにして得られたBaTiO3微粒子を酸素ガス(純度:99.9%、ガス圧:2kg/cm2、ガス流量:4l/min)を容器に導入しエアロゾルを形成した。
このようにして得られたエアロゾルに、加熱部でNd:YAGレーザ(第2高調波、波長532nm)を出力40Wに設定し、連続的にレーザ光(照射位置でのスポット径:約10mm)をBaTiO3微粒子に照射した。エアロゾルの速度は100m/秒に設定した。なお、個々のBaTiO3微粒子へのレーザ光の照射時間は、100n秒程度と見積もられる。
このようにして加熱されたエアロゾルを噴射ノズルから、電子基板に用いられる、表面に銅箔が形成されたFR4基板に向けて20分間噴射し、膜厚40μmのBaTiO3膜を形成した。なお、成膜中は成膜室内の圧力を200Paとした。成膜速度は、2±0.5μm/分であった。
[実施例2]
実施例2は、第3の実施の形態に係るAD成膜装置を用いて、紫外線をエアロゾルに照射し成膜を行った。
具体的には、実施例1と同様に、BaTiO3微粒子の前処理および成膜室の排気を行い、エアロゾルを形成した。
このようにして得られたエアロゾルに、加熱部で水銀ランプを用いて20W/cm2の紫外線(波長200nm)を照射した。加熱部は配管に沿って10cmの範囲に設けた。
エアロゾルの速度は100m/秒に設定した。なお、個々のBaTiO3微粒子への紫外光の照射時間は、1m秒程度と見積もられる。
このようにして加熱されたエアロゾルを噴射ノズルから表面に銅箔が形成されたFR4基板に向けて20分間噴射し、膜厚40μmのBaTiO3膜を形成した。なお、成膜中は成膜室内の圧力を200Paとした。成膜速度は、2±μm/分であった。
[実施例3]
実施例3は、第4の実施の形態に係るAD成膜装置を用いて、マイクロ波をエアロゾルに照射し成膜を行った。
具体的には、実施例1と同様に、BaTiO3微粒子の前処理および成膜室の排気を行い、エアロゾルを形成した。
このようにして得られたエアロゾルに、加熱部で波長28GHz、出力1kWのマイクロ波を照射した。マイクロ波により加熱される領域は、エアロゾルの流通方向に沿って200mm程度である。エアロゾルの速度は100m/秒に設定した。なお、個々のBaTiO3微粒子へのマイクロ波の照射時間は、2m秒程度と見積もられる。
このようにして加熱されたエアロゾルを噴射ノズルから表面に銅箔が形成されたFR4基板に向けて20分間噴射し、膜厚60μmのBaTiO3膜を形成した。なお、成膜中は成膜室内の圧力を200Paとした。成膜速度は、3±1μm/分であった。
[比較例]
本発明によらない比較例では、実施例1において、加熱部を設けなかった以外は同様にして成膜を行った。
図7は、実施例1〜3および比較例のBaTiO3膜の特性図である。図7を参照するに、膜の緻密性を示す吸水率は実施例1〜3のBaTiO3膜と比較例のBaTiO3膜ではほぼ同じ値が得られたが、より微視的な緻密性を示す比誘電率では、比較例の150よりも、実施例1〜3はいずれも高く、比較例に対して実施例1〜3のBaTiO3膜はより緻密に形成されていることが分かる。また、誘電損失tanδは、比較例に対して実施例1〜3のBaTiO3膜は低減されていることが分かる。
また、BaTiO3膜とガラス基板との密着強度(膜−基板間密着強度)は、比較例の3kg/mm2以上に対して、実施例1〜3のBaTiO3膜は、5kg/mm2以上であり、膜−基板間密着硬度が向上していることが分かる。
また、平均粒子径は、BaTiO3膜を構成する粒子の平均粒子径であり、比較例が30nmに対して、実施例1〜3はいずれも大きくなっている。特に実施例3の平均粒子径が大きいのは、加熱時に近傍凝集粒子の粒子間でのネッキングが起こり、一次粒子レベルで粒子が成長したためと推察される。
なお、吸水率は、BaTiO3膜が形成された基板を水に1時間浸漬し、その前後の質量の差を膜の質量で割って求めた。
比誘電率および誘電損失tanδは、比誘電率はBaTiO3膜の表面に電極を形成し、FR4基板の銅箔を他方の電極として、これらの電極を介してBaTiO3膜に周波数1GHzの高周波電圧を印加して測定した。tanδは摂動法を用いて、ネットワークアナライザを使用して測定した。
また、BaTiO3膜のFR4基板に対する膜−基板間密着強度は、セバスチャン法を用いて測定した。セバスチャン法は、BaTiO3膜が形成されたガラス基板を固定し、BaTiO3膜の表面に密着試験子を接着剤で固定する。そして、密着試験子を引き上げてBaTiO3膜がガラス基板から剥がれたときの密着試験子単位面積当りの引き上げ力(kg/mm2)の大きさを密着性の指標とするものであり、引き上げ力が大きいほど密着性が大きいことが示す。平均粒子径は、断面TEM写真(総合倍率約50000倍)を用いて、約50個をサンプリングしてその平均値を求めたものである。
以上本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、第1の実施の形態の変形例を構成する予備加熱部および/または分級機を第2の実施の形態から第4の実施の形態に係るAD成膜装置に設けてもよい。また、第1の実施の形態の変形例を構成する予備加熱部のみで微粒子材料を所望の温度に上昇させ、この場合は加熱部を省略してもよい。また、上記の実施の形態では、基板上にAD膜を形成したが、被成膜体としては、表面が平坦な基板に限定されず、表面に凹凸が形成された基体等でもよい。
なお、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
(付記1) 無機材料からなる微粒子をキャリアガスに分散させたエアロゾルを形成するエアロゾル形成手段と、
前記エアロゾルを噴射ノズルにより噴射して基体上に無機材料膜を成膜する成膜手段と、
前記エアロゾル形成手段と前記成膜手段との間に、前記エアロゾル中の微粒子を加熱する加熱手段と、を備え、
前記加熱手段は、高エネルギーの電磁波をエアロゾルに照射することを特徴とするエアロゾルデポジッション成膜装置。
(付記2) 前記加熱手段は、エアロゾル中の微粒子を、該微粒子の融点よりも低い温度に加熱することを特徴とする付記1記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
(付記3) 前記高エネルギーの電磁波は、可視光、赤外光、紫外光、およびマイクロ波からなる群のうちいずれか一種であることを特徴とする付記1または2記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
(付記4) 前記高エネルギーの電磁波はレーザ光であることを特徴とする付記1または2記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
(付記5) 前記高エネルギーの電磁波はレーザ光であり、前記加熱手段は、レーザ光源と、レーザ光源から射出されたレーザ光をエアロゾル形成手段と噴射ノズルとの間のエアロゾルが流通する配管に設けられた光学窓を介してエアロゾルに照射する光学系とからなることを特徴とする付記1、2、および4のうち、いずれか一項記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
(付記6) 前記レーザ光源は、連続発振型レーザであることを特徴とする付記5記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
(付記7) 前記レーザ光源は、Nd:YAGレーザ、Nd:ガラスレーザ、およびNd:CaWO4レーザからなる群のうち、いずれか1種のレーザ装置であることを特徴とする付記6記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
(付記8) 前記高エネルギーの電磁波は赤外線であり、
前記加熱手段は、エアロゾルを搬送する配管に設けられた赤外線を透過する耐熱管と、該耐熱管の外部に設けられた赤外線照射部とからなることを特徴とする付記1または2記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
(付記9) 前記赤外線照射部は、赤外線ランプと、赤外線ランプから発光された赤外線をエアロゾルに集光する反射部を備えることを特徴とする付記8記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
(付記10) 前記赤外線ランプはハロゲンランプであることを特徴とする付記9記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
(付記11) 前記高エネルギーの電磁波は紫外線であり、
前記加熱手段は、エアロゾルを搬送する配管に設けられた紫外線を透過する耐熱管と、該耐熱管の外部に設けられた紫外線照射部とからなることを特徴とする付記1または2記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
(付記12) 前記赤外線照射部は、紫外線ランプと、紫外線ランプから発光された紫外線をエアロゾルに集光する反射部を備えることを特徴とする付記11記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
(付記13) 前記高エネルギーの電磁波はマイクロ波であり、
前記加熱手段は、マイクロ波発生器と、該マイクロ波発生器から射出されたマイクロ波を伝送する導波管と、該マイクロ波をエアロゾルに照射するアプリケータからなることを特徴とする付記1または2記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
(付記14) 前記アプリケータは、シングルモード方式の共振型アプリケータであることを特徴とすする付記13記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
(付記15) 前記アプリケータは、
前記導波管から延在する他の導波管と、
前記他の導波管内にマイクロ波を透過する結合窓を有する遮蔽板と、
前記遮蔽板に対向し、前記マイクロ波を反射する短絡板と、
前記遮蔽板と短絡板との間に、マイクロ波の伝送方向に対して直交する方向に、導波管を貫通するように設けられたエアロゾルを搬送する他の配管と、を備え、
前記マイクロ波の定在波を形成し、他の配管中で定在波の振幅が最大となるように設定することを特徴とする付記14記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
(付記16) 前記エアロゾル形成手段と加熱手段との間に前記エアロゾル中の微粒子を加熱する予備加熱部をさらに備え、
前記加熱手段は、前記配管の周囲に配置された電熱線により微粒子を加熱することを特徴とする付記1〜15のうち、いずれか一項記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
(付記17) 前記エアロゾル形成手段と加熱手段との間、または、加熱手段と成膜手段との間に、エアロゾルの微粒子を選別する分級機を設けることを特徴とする付記1〜16のうち、いずれか一項記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
(付記18) 無機材料からなる微粒子をキャリアガスに分散させたエアロゾルを形成するエアロゾル形成手段と、
前記エアロゾル中の微粒子を加熱する加熱手段と、
前記エアロゾルを噴射ノズルにより噴射して基体上に無機材料膜を成膜する成膜手段と、を備え、
前記加熱手段は、噴射ノズルからエアロゾルを噴射する前に電熱線加熱によりエアロゾルを加熱することを特徴とするエアロゾルデポジッション成膜装置。
本発明の第1の実施の形態に係るエアロゾルデポジッション成膜装置の概略構成図である。 第1の実施の形態の変形例に係るエアロゾルデポジッション成膜装置の要部を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係るエアロゾルデポジッション成膜装置の概略構成図である。 本発明の第3の実施の形態に係るエアロゾルデポジッション成膜装置の概略構成図である。 本発明の第4の実施の形態に係るエアロゾルデポジッション成膜装置の概略構成図である。 加熱部のアプリケータの要部拡大図である。 実施例および比較例のBaTiO3膜の特性図である。
符号の説明
10、60、70、80 エアロゾルデポジッション成膜装置(AD成膜装置)
20 エアロゾル形成部
21 エアロゾル発生器
22 ガスボンベ
23 コンプレッサー
24 マスフローコントローラ
25、28、53、54、56 配管
26 容器
27 微粒子
29 エアロゾル
30、61、71、81 加熱部
31 レーザ光源
32 集光レンズ
33 光学窓
35 予備加熱部
36 電熱線
37 断熱部材
40 成膜部
41 成膜室
42 噴射ノズル
43 基板
44 基板保持台
45 XYZステージ
46 エアロデポジション膜(AD膜)
50 排気系
51 メカニカルブースタ
52 真空ポンプ
62 赤外線ランプ
63、73 反射部材
63a、73a 反射面
64、74 耐熱管
72 水銀ランプ
82 マイクロ波発生器
83 導波管
84 アプリケータ

Claims (5)

  1. 無機材料からなる微粒子をキャリアガスに分散させたエアロゾルを形成するエアロゾル形成手段と、
    前記エアロゾルを噴射ノズルにより噴射して基体上に無機材料膜を成膜する成膜手段と、
    前記エアロゾル形成手段と前記成膜手段との間に、前記エアロゾル中の微粒子を加熱する加熱手段と、を備え、
    前記加熱手段は、高エネルギーの電磁波をエアロゾルに照射することを特徴とするエアロゾルデポジッション成膜装置。
  2. 前記高エネルギーの電磁波はレーザ光であり、
    前記加熱手段は、レーザ光源と、レーザ光源から射出されたレーザ光をエアロゾル形成手段と噴射ノズルとの間のエアロゾルが流通する配管に設けられた光学窓を介してエアロゾルに照射する光学系とからなることを特徴とする請求項1記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
  3. 前記高エネルギーの電磁波は赤外線であり、
    前記加熱手段は、エアロゾルを搬送する配管に設けられた赤外線を透過する耐熱管と、該耐熱管の外部に設けられた赤外線照射部とからなることを特徴とする請求項1記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
  4. 前記高エネルギーの電磁波は紫外線であり、
    前記加熱手段は、エアロゾルを搬送する配管に設けられた紫外線を透過する耐熱管と、該耐熱管の外部に設けられた紫外線照射部とからなることを特徴とする請求項1記載のエアロゾルデポジッション成膜装置。
  5. 前記高エネルギーの電磁波はマイクロ波であり、
    前記加熱手段は、マイクロ波発生器と、該マイクロ波発生器から射出されたマイクロ波を伝送する導波管と、該マイクロ波をエアロゾルに照射するアプリケータからなることを特徴とする請求項1のエアロゾルデポジッション成膜装置。
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