JP3799385B2 - 高周波用真空窓およびジャイロトロン装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、周波数帯域を広くした高周波用真空窓およびジャイロトロン装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、核融合などにおけるプラズマを加熱あるいは制御する際にたとえばミリ波帯の電磁波が用いられ、このミリ波帯の電磁波を発振させるための発振源として大電力のジャイロトロン装置が用いられている。また、ジャイロトロン装置で発振されたミリ波の周波数を変えながら入射することにより、プラズマをより細かく制御する事が検討されている。
【0003】
そして、従来この種のジャイロトロン装置としては、たとえば特開平8−102263号公報に記載の構成が知られている。この特開平8−102263号公報記載のジャイロトロン装置は、電子銃部で電子ビームを発生し、この電子銃部で発生した電子ビームにより共振空洞部でマイクロ波を発生させ、この共振空洞部からのマイクロ波をモード変換器で電子ビームと分離し、このモード変換器で分離された電子ビームをコレクタで捕捉するとともに、モード変換器で分離されたマイクロ波を高周波用真空窓から管外へ出力するものである。
【0004】
また、一般に、小電力あるいは短パルスのジャイロトロン装置では、周波数を変化させて運転するために、高周波用真空窓ではセラミックの窓基盤を有し、この窓基盤の片面または両面に窓基盤のセラミックより誘電率の低い物質をコーティングしたり、窓基盤のセラミックより誘電率の低く厚さの薄いセラミック板を貼り合わせることにより、広帯域化している。
【0005】
一方、大電力で長パルスのジャイロトロン装置では高周波用真空窓の熱負荷が高いため、冷却効率が高い単一ディスクセラミックの窓基盤が用いられている。この単一ディスクセラミックの窓基盤は周波数の帯域が狭いため、周波数を変えると高周波用真空窓での反射が大きくなり、効率が低下したり、発振が不安定になるおそれがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、冷却効率の関係で高周波用真空窓の周波数帯域が狭くなってしまう問題を有している。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、冷却効率を高くして周波数帯域を広げた高周波用真空窓およびジャイロトロン装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、人工ダイアモンドで形成された窓基盤と、この窓基盤の少なくとも片面に設けられ前記人工ダイアモンドより誘電率の低い溶融シリカのコーティングとを具備したもので、窓基盤にこの窓基盤の人工ダイアモンドより誘電率の低い溶融シリカのコーティングを設けたことにより、このコーティングが反射防止膜の作用をして周波数帯域を広げるとともに、窓基盤が人工ダイアモンドであるため高い熱伝導性により、コーティングの熱を伝導して冷却できるため、大電力の長パルスのミリ波も透過可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態のジャイロトロン装置を図面を参照して説明する。
【0010】
このジャイロトロン装置は、図2に示すように、外囲器となるジャイロトロン管本体1を備えており、このジャイロトロン管本体1は金属製の真空容器部2を有し、この真空容器部2は一端側に中空の電子ビームを発生する電子銃部3を有している。また、電子銃部3の電子ビームの下流には次第に径小となるテーパ状電子ビ―ム導入部4、電子ビームによりマイクロ波を発生させる共振空洞部5、マイクロ波を電子ビームから分離するモード変換器6、マイクロ波を準光学的に反射する複数の高周波ミラー7,8,9および相互作用済みの電子ビームを捕捉するコレクタ11が順次配設されている。さらに、高周波ミラー9のジャイロトロン管本体1の真空容器部2の軸方向とは直交する方向の反対側にはジャイロトロン管本体1の真空容器部2と一体的に形成された金属製の導波管部12が配設され、この導波管部12にはマイクロ波を出力する高周波用真空窓14が設けられている。なお、高周波ミラー7,8,9および高周波用真空窓14でマイクロ波伝送部15を構成している。
【0011】
また、ジャイロトロン管本体1の周囲には、電子ビームを制御する電磁石16,17,18が配設されている。
【0012】
さらに、真空容器部2とコレクタ11との間に、真空容器部2の一部を構成するセラミックス製の絶縁筒21が真空気密に接合され、コレクタ11の電位を低下させて動作させる際に真空容器部2とコレクタ11との間の電位差に対して十分な絶縁を保っている。
【0013】
また、コレクタ11の外側には冷却水を供給してこのコレクタ11を冷却する冷却ジャケット22が配置されている。
【0014】
そして、高周波用真空窓14は、図1に示すように、人工ダイアモンドの窓基盤23を有しており、この窓基盤23の両面に導波管部12の内断面に対応し導波管部12内のミリ波が透過する領域のみに対応した形状で、人工ダイアモンドより誘電率の低い物質、たとえば溶融シリカなどの薄いコーティング24が反射防止膜として機能し周波数帯域が広がるように形成されている。
【0015】
また、窓基盤23のミリ波が透過しない導波管部12と接触する部分より外周の領域にはコーティング24は形成されていない。
【0016】
そして、窓基盤23のコーティング24が形成されていない領域で、真空気密のために導波管部12にろう付けされ、さらに窓基盤23のコーティング24を有さない部分は導波管部12の外方に突出している。
【0017】
また、この窓基盤23のコーティング24を有さず導波管部12から突出している部分に対応して、この窓基盤23を冷却する冷却装置としての冷却ジャケット25が導波管部12の周囲に形成され、冷却ジャケット25内に流れる冷媒にて窓基盤23が冷却される。なお、冷媒に接触する部分はコーティング24が形成されていないため、熱伝導率の高い人工ダイアモンドの窓基盤23が直接接触し、冷却効率を高くできる。
【0018】
そして、このジャイロトロン装置は、電子銃部3で電子ビームを出力し、テーパ状の電子ビーム導入部4により電子ビームを収束させ、共振空洞部5で電子ビームによりマイクロ波を発生させ、モード変換器6でマイクロ波を電子ビームから分離する。また、相互作用済みの電子ビームはコレクタ11により捕捉される。なお、電子銃部3で発生しコレクタ11で捕捉されるまでの電子ビームは、電磁石16,17,18により方向を制御される。
【0019】
また、高周波ミラー7,8,9で方向を変換されたマイクロ波は、導波管部12から高周波用真空窓14に伝送され、高周波用真空窓14から外部へ出力される。
【0020】
さらに、真空容器部2とコレクタ11との間を電気的に絶縁する絶縁筒21が設けられているため、動作に際してコレクタ11の電位を共振空洞部5やマイクロ波伝送部15に対してマイナスの高電位にできるため高効率の動作をする。なお、この絶縁筒21を利用してマイクロ波伝送部15の電流やコレクタ11の電流をそれぞれ独立して測定することもできる。
【0021】
そして、高周波用真空窓14の窓基盤23に人工ダイアモンドを用いることにより優れた熱伝導性となり、窓基盤23のコーティング24の発熱を窓基盤23の周囲に速やかに伝導するため、冷媒により確実に冷却でき、窓基盤23にコーティング24を施しても高周波用真空窓14に大電力の長パルスのミリ波を透過できる。
【0022】
さらに、このように、窓基盤23の人工ダイアモンドより誘電率の低いコーティング24を形成することにより、コーティング24に反射防止膜としての機能を持たせることにより周波数帯域が広くなり、周波数可変の大電力の長パルスに対応できる。
【0023】
また、窓基盤23の両面にコーティング24を形成したが窓基盤23の片面にのみコーティングを形成したものでも良い。
【0024】
【発明の効果】
本発明によれば、窓基盤にこの窓基盤の人工ダイアモンドより誘電率の低い溶融シリカのコーティングを設けたことにより、この溶融シリカのコーティングが反射防止膜の作用をして周波数帯域を広げるとともに、窓基盤が人工ダイアモンドであるため高い熱伝導性により、コーティングの熱を伝導して冷却できるため、大電力の長パルスのミリ波も透過可能にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態の高周波用真空窓を示す断面図である。
【図2】 同上ジャイロトロンを示す断面図である。
【符号の説明】
3 電子銃部
5 共振空洞部
6 モード変換器
11 コレクタ
14 高周波用真空窓
23 窓基盤
24 コーティング
25 冷却装置としての冷却ジャケット
Claims (3)
- 人工ダイアモンドで形成された窓基盤と、
この窓基盤の少なくとも片面に設けられ前記人工ダイアモンドより誘電率の低い溶融シリカのコーティングと
を具備したことを特徴とする高周波用真空窓。 - 窓基盤はコーティングされていない部分を有し、
このコーティングされていない部分の少なくとも一部が位置してこの窓基盤を冷却する冷却装置を具備した
ことを特徴とする請求項1記載の高周波用真空窓。 - 電子ビームを発生する電子銃部と、
この電子銃部で発生された電子ビームによりマイクロ波を発生させる共振空洞部と、
この共振空洞部からのマイクロ波を電子ビームと分離するモード変換器と、
このモード変換器で分離された電子ビームを捕捉するコレクタと、
前記モード変換器で分離されたマイクロ波を出力する請求項1または2記載の高周波用真空窓と
を具備したことを特徴とするジャイロトロン装置。
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