JP2006193698A - エチレン系樹脂組成物、それを用いた積層体及び積層体の製造方法 - Google Patents

エチレン系樹脂組成物、それを用いた積層体及び積層体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有機溶剤を含有するアンカーコート剤のコーティング工程が不要となり、成形加工性に優れ、ポリエステル、アルミニウム箔などの基材との接着性に優れたエチレン系樹脂組成物、および積層体を提供することに関する。
【解決手段】JIS K6922−1(1997年)で測定したメルトマスフローレイトが0.1〜50g/10分、JIS K6922−1(1997年)で測定した密度が860〜970kg/mであるエチレン系重合体100重量部に対し、1分子内にエポキシ基及び/又はメルカプト基、及びアルコキシ基を有しかつ珪素原子を少なくとも2個以上有するシランオリゴマー0.01〜2重量部配合してなるエチレン系樹脂組成物を得、積層体の成形に用いる。
【選択図】なし

Description

本発明はエチレン系樹脂組成物に関するものである。更に詳しくは、ポリエステル、ポリアミド、金属、セロファン、紙などの基材と良好な接着性を有するエチレン系樹脂組成物、及びそれを用いた積層体、並びに積層体の製造方法に関するものである。
押出ラミネート法などにより成形された積層体は、食品包装、医療品・薬品等の包装、シャンプー・化粧品等の包装など、包装材料の多機能化を可能とする方法として広く採用されていると共に、建材用シート、積層鋼鈑等の工業資材としても広く採用されている。
押出ラミネート法に用いられる材料として、エチレン系樹脂、特に高圧法低密度ポリエチレンが成形性に優れているなどの理由から広く用いられている。
しかしながら、高圧法低密度ポリエチレン等のエチレン系樹脂は非極性構造であるため、ポリエステル、ポリアミド、金属、セロファン、紙等の基材と接着しにくいという欠点がある。そのため、これまではアンカーコート剤と呼ばれる接着促進剤を上記基材に塗布後、その塗布面にエチレン系樹脂を溶融押出し、積層体を得る方法が一般的であった。アンカーコート剤としては、有機チタネート系、イソシアネート系、ポリエチレンイミン系などの接着剤が用いられている。
しかし、この方法は、アンカーコート剤のコストが高いこと、希釈に用いられる有機溶剤のため作業環境が悪化すること、アンカーコート剤塗布工程及び乾燥工程の能力によりラミネート加工速度が制限されること、得られた積層体に有機溶剤が残留すること、等の問題がある。そのため、アンカーコート剤を使用せずに上記基材との接着性を改善する方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、(A)メルトフローレートが0.1〜30g/10分であるポリオレフィン、および(B)分子内にエポキシ基を2個以上有し、分子量が3000以下であるエポキシ化合物からなる接着性樹脂組成物が提案されている。
しかしながら該接着性樹脂組成物では、金属箔や紙に対して接着性に乏しいこと、ポリエステル基材など比較的接着性に優れた基材を用いる場合においても、コロナ処理などの表面処理を施さないと十分な接着性が得られないこと、該接着性樹脂組成物層を含む積層体をシャンプーや入浴剤、医薬品などの包装材料に用いた場合、これらの内容物により接着性が著しく低下する等の問題がある。
また、特許文献2には、5〜40重量%の(メタ)アクリル酸エステルを含む単量体成分を重合させて得られるエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体60〜99重量部およびエポキシ基を有するオレフィン系重合体のシラングラフト変性体1〜40重量部よりなることを特徴とする重合体組成物、及び積層体が提案されている。
しかしながらこの方法では、有機過酸化物を用い不飽和基含有シラン化合物をエポキシ基含有オレフィン系重合体へグラフト変性させてエポキシ基を有するオレフィン系重合体のシラングラフト変性体を得ているため、グラフト反応と同時にエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体やエポキシ基含有オレフィン系重合体自体をも架橋させてしまい、フィッシュアイの多発により積層体の外観を損ねること、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、及びα,β−不飽和カルボン酸のエポキシ化脂肪族及びエポキシ化脂環族のエステルが高価格であること、並びに該グラフト重合工程のコストが高いこと、といった様々な問題がある。
さらに、特許文献3には、エチレン系重合体98.5〜99.99重量%、及びエポキシ基及びアルコキシ基を有するシランカップリング剤0.01〜1.5重量%からなる樹脂組成物が提案されている。
この方法によれば、ポリエステルなどの合成高分子のみならず金属との接着性に優れた積層体を低コストで得ることができるが、シランカップリング剤の沸点が低いため、250℃を超える押出ラミネート成形においてシランカップリング剤の飛散量が多く、十分な接着性が得られない場合があった。
特許公開平8−188679号公報 特許公開平1−207340号公報 特許公開2003−171510号公報
本発明は、上記のような状況を鑑みなされたものであって、アンカーコート剤が不要であり、且つアルミニウム等の金属や紙に対する接着性に優れ、ゲルの多発による積層体の外観の低下、並びに押出機内の樹脂滞留によるスクリュー等の腐食といった問題を避け、更にシランカップリング剤の飛散を抑制することにより金属箔等との接着性を改良したエチレン系樹脂組成物、それを用いた積層体及び積層体の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、エチレン系重合体に対し、特定シランオリゴマーを、該エチレン系重合体にグラフト変性することなしに特定量配合することにより、多様な基材との接着性に優れ、且つフィルム外観、及びコストに優れる事を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、JIS K6922−1(1997年)で測定したメルトマスフローレイトが0.1〜50g/10分、JIS K6922−1(1997年)で測定した密度が860kg/m〜970kg/mであるエチレン系重合体100重量部に対し、1分子内にエポキシ基及び/又はメルカプト基、及びアルコキシ基を有しかつ珪素原子を少なくとも2個以上有するシランオリゴマーを0.01〜2重量部配合してなるエチレン系樹脂組成物、それを用いた積層体及び積層体の製造方法に関するものである。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明にて用いられるエチレン系重合体は、エチレンを50mol%以上含む重合体のことを示す。例えば、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体等のエチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。これらの中で、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体等のエチレン・α−オレフィン共重合体であると押出成形においてゲルの発生が少なく、特に好ましい。これらのエチレン系重合体は、1種単独又は2種以上の組み合わせで用いてもよい。また、このようなエチレン系重合体は、市販されているものから選択することができる。
本発明にて用いられるエチレン系重合体は、JIS K6922−1(1997年)によるMFRが0.1〜50g/10分の物性を示すものである。MFRが0.1g/10分未満である場合、押出ラミネート法やカレンダー法等の成形加工に供した際の製膜安定性や得られた積層体の接着性に劣り好ましくなく、また50g/10分を超える場合、粘度が低すぎるため成形加工性に劣り好ましくない。
本発明にて用いられるエチレン系重合体は、JIS K6922−1(1997年)で測定した密度が860kg/m〜970kg/mを示すものである。密度が860kg/m未満である場合、積層体の耐熱性が劣り、高温度雰囲気下での接着性が低下するため好ましくなく、970kg/mを超える場合、成形加工後の結晶化による収縮が大きいため接着性に劣り、好ましくない。
本発明にて用いられるシランオリゴマーは、1分子内にエポキシ基及び/又はメルカプト基、及びアルコキシ基を有し、且つ珪素原子を少なくとも2個以上有するものである。1分子内に珪素原子が1つであるシラン化合物の場合、シラン化合物の沸点が低いため成形加工中に大気へ飛散する量が多くなり、好ましくない。1分子内の珪素原子数はシランオリゴマーの粘度と相関があり、粘度(25℃)が1〜300mm/sであると接着性に優れるため好ましく、4〜200mm/sであると好ましい。
本発明で用いられるシランオリゴマーは、1分子内に少なくとも1つ以上のエポキシ基及び/又はメルカプト基を有するものである。これらの官能基を有さない場合、該組成物を成形加工に供し得られた積層体の接着性に劣るため好ましくない。エポキシ基及び/又はメルカプト基当量が100〜2000g/molであると積層体の接着性に優れるため、好ましい。
また、該シランオリゴマーは分子内にアルコキシ基を含有するものである。アルコキシ基を有さない場合、成形加工に供し得られた積層体の接着性に劣るため好ましくない。アルコキシ基量が5〜70重量%の範囲にあると優れた接着性を発現させることができるため好ましい。
これらのエポキシ基及び/又はメルカプト基、及びアルコキシ基を有しかつ珪素原子を少なくとも2個以上有するシランオリゴマーは、単独もしくは2種以上混合して使用してもよく、さらに他の単量体型シランカップリング剤やチタン系カップリング剤と併用してもかまわない。
このようなエポキシ基及び/又はメルカプト基、及びアルコキシ基を有しかつ珪素原子を少なくとも2個以上有するシランオリゴマーは、例えば信越化学工業株式会社から商品名信越シリコーンアルコキシオリゴマーX−41−1053、X−41−1056、X−41−1085等が市販されている。
本発明にて用いられるエポキシ基及び/又はメルカプト基、及びアルコキシ基を有しかつ珪素原子を少なくとも2個以上有するシランオリゴマーは、エチレン系樹脂100重量部に対し、0.01〜2重量部、好ましくは0.01〜1重量部、さらに好ましくは0.05〜0.5重量部配合される。エポキシ基及び/又はメルカプト基、及びアルコキシ基を有しかつ珪素原子を少なくとも2個以上有するシランオリゴマーの配合量が0.01重量部未満である場合、成形加工に供し得られた積層体の接着性に劣るため好ましくなく、また、2重量部を超える場合は、成形加工性に劣り、好ましくない。
本発明のエチレン系樹脂組成物は、通常用いられる樹脂の混合装置により製造することができる。例えば、単軸押出機、二軸押出機、バンバリ−ミキサー、加圧ニーダ−、回転ロールなどの溶融混練装置、ヘンシェルミキサー、Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーなどが挙げられる。溶融混練装置を用いる場合、溶融温度はエチレン系重合体の融点〜350℃程度の範囲にあることが好ましい。
また、本発明のエチレン系樹脂組成物は、必要に応じて酸化防止剤、滑剤、中和剤、ブロッキング防止剤、界面活性剤、スリップ剤等、通常エチレン系重合体に使用される添加剤を添加したものでもかまわない。
本発明のエチレン系樹脂組成物は、押出ラミネート法、サーマルラミネート法、カレンダー法、プレス法などにより各種基材と接合させ、少なくとも2層以上を有する積層体を得ることができる。押出ラミネート法には、サンドウィッチラミネート加工法、共押出ラミネート加工法等が含まれる。これらの中では、押出ラミネート法が接着性、コストパフォーマンスに優れ、好ましい。
押出ラミネート加工に供する際、良好な接着性を得るため、ダイより押出された本発明のエチレン系樹脂組成物よりなる溶融フィルムの少なくとも基材と接する面は、空気もしくはオゾンガスにより酸化されることが好ましい。
空気による酸化反応を進行させる場合、ダイより押出された本発明のエチレン系樹脂組成物の温度は290℃以上であることが好ましい。
オゾンガスによる酸化反応を進行させる場合は、ダイより押出された本発明のエチレン系樹脂組成物の温度は200℃以上であることが好ましい。オゾンガスの処理量としては、ダイより押出された本発明のエチレン系樹脂組成物よりなる溶融フィルム1m当たり0.5mg以上のオゾンガスを吹き付けることが好ましい。
サーマルラミネート加工、プレス加工に供する際は、本発明のエチレン系樹脂組成物を予めフィルム化したものを用いることができる。フィルムの成形加工法として、インフレーション成形法、Tダイキャスト成形法、カレンダー成形法、プレス成形法等を例示することができ、インフレーション成形やTダイキャスト成形においては共押出法により多層フィルムを得ることも可能である。該フィルムの基材と接着される側の表面は、良好な接着性を得るため、酸化されていることが好ましい。この際の酸化処理方法としては、例えば、クロム酸処理、硫酸処理、空気酸化、オゾン処理、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理等が挙げられ、酸化物を効果的に形成させるためコロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理が好ましい。
コロナ放電処理は、プラスチックフィルムやシート表面の連続処理技術として広く使用されているものであり、コロナ放電処理機により発生したコロナ雰囲気にフィルムを通過させることにより行われる。コロナ放電密度として、1〜100W・分/mであることが積層体の接着性に優れるため好ましい。
フレーム処理は、天然ガスやプロパン等を燃焼させたときに生じる火炎にフィルム表面を接することで処理が行われる。
プラズマ処理は、アルゴン、ヘリウム、ネオン、水素、酸素、空気等の単体又は混合気体をプラズマジェットで電子的に励起せしめた後、帯電粒子を除去し、電気的に中性とした励起不活性ガスをフィルム表面に吹き付けることにより行われる。
上記成形加工により得られた積層体は、接着性を向上させるため、30℃以上の温度で10時間以上熱処理するのが好ましく、更に基材がアルミ箔の場合は熱処理時の相対湿度を70%以上にするのが好ましい。
積層体を構成する基材としては合成高分子重合体フィルム及びシート、金属箔、鋼鈑等の金属並びに紙類、セロファン等が挙げられる。
合成高分子重合体フィルム及びシート用材料として、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物及びポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられ、中でもポリエステル、ポリアミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物及びポリビニルアルコールからなる群より選ばれる1種以上のフィルム又はシートが好ましい。更に、これら高分子重合体フィルム及びシートはその表面をアルミ蒸着、アルミナ蒸着、二酸化珪素蒸着したものでもよい。また、これら高分子重合体フィルム及びシートはさらにウレタン系インキ等を用い印刷されたものでもよい。
鋼鈑としては、鉄鋼、銅鋼などが、金属箔としては、アルミニウム箔、銅箔などが例示でき、また紙類としてはクラフト紙、上質紙、グラシン紙等が挙げられる。
また基材との接着性を高めるため、基材の接着面に対してコロナ処理、フレーム処理、プラズマ処理などの公知の表面処理を施してもよい。また、必要に応じて基材にアンカーコート剤を塗布しても良い。
本発明の積層体は、スナック菓子、インスタントラーメン等の乾燥食品包装、かつお削り節、コーヒー粉などの粉末食品包装、スープ、味噌、漬物、飲料等の水物飲食品包装、粉末及び顆粒状の医薬品包装、輸液バッグ等の医薬品、シャンプー、化粧品等の包装など広範囲にわたる包装用、並びに建材用シートや積層鋼鈑等の工業用資材用のラミネートフィルムとして有用である。特に積層体の接着性を損なう湿布薬、入浴剤、芳香剤、シャンプーなどの包装材料として極めて有用である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
以下に、物性、加工性の測定方法と評価方法を示す。
(1)メルトマスフローレート(MFR)
JIS K6922−1(1997年)に準拠して測定した。
(2)密度
JIS K6922−1(1997年)に準拠して測定した。
(3)基材との接着性
引張試験機(島津製作所(株)製、商品名オートグラフDCS500)を用い、サンプル巾15mm、剥離速度300mm/分、剥離角度180度の条件で、実施例により得られた積層体の基材とエチレン系樹脂組成物との間の剥離強度を測定し、該剥離強度を接着強度とした。
実施例1
エチレン系重合体として、MFRが8g/10分、密度が919kg/mである高圧法低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン203、以下PE−Aと記す場合がある)を100重量部に対し、1分子内にエポキシ基及び/又はメルカプト基、及びアルコキシ基を有しかつ珪素原子を少なくとも2個以上有するシランオリゴマーとして、粘度が12mm/s(25℃)、エポキシ当量が830g/mol、アルコキシ基量が50wt%であるシランオリゴマー(信越化学工業(株)製 商品名信越シリコーンアルコキシオリゴマーX−41−1053、以下、S−1と記す場合がある)を0.2重量部となるよう配合し、単軸押出機(プラコー(株)製 口径50mm)を用い温度150℃にて溶融混練しエチレン系樹脂組成物のペレットを得た。
得られたペレットを25mmΦのスクリューを有する押出ラミネート装置の押出機へ供給し、320℃の温度でTダイより押出し、基材として50W・分/mの条件でコロナ処理を施したニ軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績(株)製 商品名エステルフィルムE−5100、厚み25μm、以下、PETと記す場合がある)のコロナ処理面と、支持層として用いた厚みが35μmのPET/LDPE構成2層フィルムのLDPE面の間に、エチレン系樹脂組成物が20μmの厚さになるようサンドイッチラミネートし積層体を得た。得られた積層体の構成を次に示す。
[PET(基材)]/[エチレン系樹脂組成物]/[LDPE/PET2層フィルム]
得られた積層体を40℃に保温されたオーブン中に72時間保管した後、基材であるPETとエチレン系樹脂組成物との間の接着性を測定し、その測定結果を表1に示した。
Figure 2006193698
実施例2
基材として、厚み25μmのPETの代わりに、厚み20μmのアルミ箔(住友軽金属(株)製、以下ALと記す。)を用いたこと以外は実施例1と同様にして積層体を得た。得られた積層体を40℃かつ湿度90%のオーブン中に72時間保管した後、基材であるALとエチレン系樹脂組成物の接着性を測定した。評価結果は表1に示した。
実施例3
1分子内にエポキシ基及び/又はメルカプト基、及びアルコキシ基を有しかつ珪素原子を少なくとも2個以上有するシランオリゴマーとして、粘度が40mm/s(25℃)、エポキシ当量が280g/mol、アルコキシ基量が17wt%であるシランオリゴマー(信越化学工業(株)製 商品名信越シリコーンアルコキシオリゴマーX−41−1056、以下、S−2と記す場合がある)を用いた他は、実施例1と同様にして積層体を得た。
得られた積層体を40℃に保温されたオーブン中に72時間保管した後、基材であるPETとエチレン系樹脂組成物との間の接着性を測定し、その測定結果を表1に示した。
実施例4
基材として、厚み25μmのPETの代わりに、厚み20μmのALを用いたこと以外は実施例3と同様にして積層体を得た。得られた積層体を40℃かつ湿度90%のオーブン中に72時間保管した後、基材であるALとエチレン系樹脂組成物との間の接着性を測定した。評価結果は表1に示した。
実施例5
1分子内にエポキシ基及び/又はメルカプト基、及びアルコキシ基を有しかつ珪素原子を少なくとも2個以上有するシランオリゴマーとして、粘度が30mm/s(25℃)、メルカプト当量が800g/mol、アルコキシ基量が50wt%であるシランオリゴマー(信越化学工業(株)製 商品名信越シリコーンアルコキシオリゴマーX−41−1805、以下、S−3と記す場合がある)を用いた他は、実施例1と同様にして積層体を得た。
得られた積層体を40℃に保温されたオーブン中に72時間保管した後、基材であるPETとエチレン系樹脂組成物との間の接着性を測定し、その測定結果を表1に示した。
実施例6
基材として、厚み25μmのPETの代わりに、厚み20μmのALを用いたこと以外は実施例5と同様にして積層体を得た。得られた積層体を40℃かつ湿度90%のオーブン中に72時間保管した後、基材であるALとエチレン系樹脂組成物との間の接着性を測定した。評価結果は表1に示した。
実施例7
エチレン系重合体として、MFRが7.5g/10分、密度が902kg/mであるエチレン・1−オクテン共重合体(ダウケミカル製 商品名アフィニティPT1450、以下、PE−Bと記す場合がある)とした以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
得られた積層体を40℃に保温されたオーブン中に72時間保管した後、基材であるPETとエチレン系樹脂組成物との間の接着性を測定し、その測定結果を表1に示した。
実施例8
基材として、厚み25μmのPETの代わりに、厚み20μmのALを用いたこと以外は実施例7と同様にして積層体を得た。得られた積層体を40℃かつ湿度90%のオーブン中に72時間保管した後、基材であるALとエチレン系樹脂組成物との間の接着性を測定した。評価結果は表1に示した。
実施例9
エポキシ基及び/又はメルカプト基、及びアルコキシ基を有しかつ珪素原子を少なくとも2個以上有するシランオリゴマーとしてS−1を0.4重量部配合したこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
得られた積層体を40℃に保温されたオーブン中に72時間保管した後、基材であるPETとエチレン系樹脂組成物との間の接着性を測定し、その測定結果を表1に示した。
実施例10
基材として、厚み25μmのPETの代わりに、厚み20μmのALを用いたこと以外は実施例9と同様にして積層体を得た。得られた積層体を40℃かつ湿度90%のオーブン中に72時間保管した後、基材であるALとエチレン系樹脂組成物との間の接着性を測定した。評価結果は表1に示した。
比較例1
エポキシ基及び/又はメルカプト基、及びアルコキシ基を有しかつ珪素原子を少なくとも2個以上有するシランオリゴマーとしてS−1を配合しなかったこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
得られた積層体を40℃に保温されたオーブン中に72時間保管した後、基材であるPETとエチレン系樹脂組成物との間の接着性を測定し、その測定結果を表2に示したが、接着性に劣っていた。
Figure 2006193698
比較例2
基材として、厚み25μmのPETの代わりに、厚み20μmのALを用いたこと以外は比較例1と同様にして積層体を得た。得られた積層体を40℃かつ湿度90%のオーブン中に72時間保管した後、基材であるALとエチレン系樹脂組成物との間の接着性を測定した。評価結果は表2に示したが、接着性に劣っていた。
比較例3
エポキシ基及び/又はメルカプト基、及びアルコキシ基を有しかつ珪素原子を少なくとも2個以上有するシランオリゴマーS−1の代わりに、1分子内に珪素原子が1つであるγ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製 商品名信越シリコーンKBM403、以下、S−4と記す場合がある)としたこと以外は、実施例2と同様にして積層体を得た。得られた積層体を40℃かつ湿度90%のオーブン中に72時間保管した後、基材であるALとエチレン系樹脂組成物との間の接着性を測定した。評価結果は表2に示したが、接着性に劣っていた。
比較例4
エポキシ基及び/又はメルカプト基、及びアルコキシ基を有しかつ珪素原子を少なくとも2個以上有するシランオリゴマーS−1の代わりに、1分子内エポキシ基及び/又はメルカプト基を有さないシランオリゴマー(信越化学工業(株)製 商品名信越シリコーンアルコキシオリゴマーX−40−9238、粘度=13mm/s(25℃)、アルコキシ基量が70wt%である以下、S−5と記す場合がある)としたこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得た。
得られた積層体を40℃に保温されたオーブン中に72時間保管した後、基材であるPETとエチレン系樹脂組成物との間の接着性を測定し、その測定結果を表2に示したが、接着性に劣っていた。
比較例5
エポキシ基及び/又はメルカプト基、及びアルコキシ基を有しかつ珪素原子を少なくとも2個以上有するシランオリゴマーとしてS−1を2.5重量部配合したこと以外は、実施例1と同様にして積層体を得ようと試みたが、押出機内で該樹脂組成物が滑り、成形することができなかった。

Claims (8)

  1. JIS K6922−1(1997年)で測定したメルトマスフローレイトが0.1〜50g/10分、JIS K6922−1(1997年)で測定した密度が860kg/m〜970kg/mであるエチレン系重合体100重量部に対し、1分子内にエポキシ基及び/又はメルカプト基、及びアルコキシ基を有しかつ珪素原子を少なくとも2個以上有するシランオリゴマーを0.01〜2重量部配合してなるエチレン系樹脂組成物。
  2. 1分子内にエポキシ基及び/又はメルカプト基、及びアルコキシ基を有しかつ珪素原子を少なくとも2個以上有するシランオリゴマーのエポキシ基及び/又はメルカプト基当量が100〜2000g/molであることを特徴とする請求項1に記載のエチレン系樹脂組成物。
  3. 1分子内にエポキシ基及び/又はメルカプト基、及びアルコキシ基を有しかつ珪素原子を少なくとも2個以上有するシランオリゴマーの粘度(25℃)が1〜300mm/sであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエチレン系樹脂組成物。
  4. 1分子内にエポキシ基及び/又はメルカプト基、及びアルコキシ基を有しかつ珪素原子を少なくとも2個以上有するシランオリゴマーのアルコキシ基量が5〜70重量%であることを特徴とする請求項1〜3に記載のエチレン系樹脂組成物。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のエチレン系樹脂組成物からなる層と該層に接する基材の、少なくとも2層以上を有することを特徴とする積層体。
  6. 基材がポリエステル、ポリアミド、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物及びポリビニルアルコールからなる群より選ばれる1種以上のフィルム又はシート、金属箔や鋼鈑等の金属並びにセロファン、紙類から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項5に記載の積層体。
  7. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のエチレン系樹脂組成物からなる層の該基材と接する側の表面が酸化されていることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の積層体。
  8. 請求項5〜請求項7のいずれかに記載の積層体を、押出ラミネート法、カレンダー法、プレス法からなる群より選ばれるいずれかの方法により製造する積層体の製造方法。
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