JP2006193645A - 吸水性樹脂の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 吸液性、特に吸血性に優れ、繰り返し吸血させても優れた吸血性を維持できる、清潔感のある色相を有する高吸液性樹脂の製造方法を提供することである。
【解決手段】 界面活性剤を含有する疎水性有機溶媒に、(メタ)アクリル酸、2個以上の重合性不飽和結合を有する単量体又は前記(メタ)アクリル酸の有するカルボキシル基と反応する官能基を2個以上有する化合物、及びラジカル重合開始剤を含有する水溶液を逐次供給し逆相懸濁重合させた後、さらに水酸基又はアミド基、及び重合性不飽和結合を含有する化合物を供給することにより得られる重合体粒子を乾燥することを特徴とする吸水性樹脂の製造方法に関するものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、逆相懸濁重合法を用いる吸水性樹脂の製造方法に関し、より詳しくは吸液性、特に吸血性に優れ、繰り返し吸血させても吸血性が著しく低下せず、且つ、吸血後は血液の保持安定性に優れる白色の高吸液性樹脂の製造方法に関するものである。
吸水性樹脂は、その重量の数倍の水溶液を吸収できるものであり、医療、衛生分野では生理用品やおむつ等に、建築分野では止水剤等に利用されている。なかでも、生理用品やおむつに使用する吸液性樹脂には、高付加価値商品として、血液や尿を十分に吸収でき、漏れにより衣類等を汚すことのないものが求められている。生理用品等における血液等の漏れを防止する為には、吸液性樹脂の吸液性を向上させるだけでなく、生理用品等の吸収体内部において吸液性樹脂が均一に分布した状態を維持されることが重要であり、これらを改善するための各種検討が行われている。ここで吸収体とは、生理用品やおむつ等に含まれる血液や尿を吸収できる構造体のことであり、例えば綿状の繊維パルプと粒子状の吸液性樹脂とを混合したものを不織布などで包んだものなどがある。
吸液性樹脂の製造方法の一つとして、有機溶媒中にモノマー及び重合開始剤を含む水溶液を滴下、撹拌し、有機溶媒中に微分散させて、水滴中でモノマーを重合する、油中水滴型の逆相懸濁重合法により製造することが検討されている。
しかし、この製造方法によって得られる吸液性樹脂は、通常、表面が平滑な粒子状であるため、綿状の繊維パルプに担持されにくく、その吸収体内での分布に偏りが生じやすいものである。その結果、かかる吸収体は、血液等を十分に吸収することができず、漏れを引き起こしやすい。また、逆相懸濁重合法によって得られる吸液性樹脂は、その粒子径が非常に小さいことから、粉塵対策等が必要となり、取り扱い性にも問題がある。
そこで、非イオン系分散剤を含む疎水性有機溶媒中に、特定の燐酸エステル系分散剤及び水溶性ビニル単量体を含有してなる水溶液を逐次供給する、逆相懸濁重合法が提案されており、樹脂固定性が大きく、吸収体の内部で偏りにくい高吸水性樹脂を製造できることが記載されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、前記吸液性樹脂は、血液や尿等との親和性が十分でなく、生理用品等として使用するには、吸液性、特に吸血性の点で十分と言えるものではなかった。また、前記吸液性樹脂は、血液等を繰り返し吸収させた場合に吸液性が著しく低下するという問題を有するものであった。
そこで、特定のリン酸エステル系界面活性剤を含む不活性溶媒中に、同じリン酸エステル系界面活性剤、特定のポリ酸性アミノ酸、エチレン性不飽和化合物及び架橋剤を含む水溶液を供給し、逆相懸濁重合させて得た重合体粒子に、表面架橋処理を施すことにより得られる吸水性樹脂の製造方法が報告されている(例えば、特許文献2参照。)
しかし、ポリアスパラギン酸を用いて得られる吸液性樹脂は、吸血性に優れるものの、茶色系の色相を有するという問題がある。また吸液性樹脂が利用される生理用品やおむつ等の医療、衛生分野は、ことさら清潔で衛生的であることが求められる分野であり、前記吸液性樹脂が茶色系の色相を呈するということは、清潔感が損なわれ不衛生な印象を与えるという問題もある。
特開2001−31704号公報 特開2003−206324号公報
以上のように、これまでの研究開発の結果、吸液性樹脂の吸液性は大幅に向上されたが、高いレベルの吸液性、特に吸血性等を維持し、かつ、清潔感のある色相、望ましくは白色で、医療、衛生分野にも適用可能な高吸液性樹脂に対するニーズが急速に高まっているものの、かかる要請を満足する高吸液性樹脂は未だ開発されていないのが現状である。
本発明が解決しようとする課題は、吸液性、特に吸血性に優れ、繰り返し吸血させても優れた吸血性を維持できる、清潔感のある色相を有する高吸液性樹脂の製造方法を提供することである。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、界面活性剤を含有する疎水性有機溶媒に、(メタ)アクリル酸等を含有する水溶液を逐次供給した後、水酸基またはアミド基含有の不飽和基含有化合物を供給すると、白色で、且つ、予想外にも優れた吸液性、特に吸血性を維持した高吸液性樹脂を製造できることを見出した。
即ち、本発明は界面活性剤を含有する疎水性有機溶媒に、(メタ)アクリル酸、2個以上の重合性不飽和結合を有する単量体又は前記(メタ)アクリル酸の有するカルボキシル基と反応する官能基を2個以上有する化合物、及びラジカル重合開始剤を含有する水溶液を逐次供給し逆相懸濁重合した後、さらに水酸基又はアミド基、及び重合性不飽和結合を含有する化合物を供給することにより得られる重合体粒子を乾燥することを特徴とする吸水性樹脂の製造方法に関するものである。
本発明によれば、吸液性、特に吸血性に優れ、繰り返し吸血させても吸血性が著しく低下せず、且つ、吸血後は血液の保持安定性に優れる白色の高吸液性樹脂を製造できる。
以下本発明をさらに詳細に説明する。
本発明で使用する疎水性有機溶媒としては、例えばn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素溶媒等が挙げられる。なかでも沸点が水よりも低く、水との共沸混合物を形成できるn−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサンを使用することが好ましい。前記疎水性有機溶媒は、前記(メタ)アクリル酸に対して、重量で0.5〜10倍使用することが好ましく、0.8〜3倍使用することがより好ましい。これにより、得られる吸水性樹脂の粒子が凝集するのを抑制できる。
前記疎水性有機溶媒中の界面活性剤としては、逆相懸濁重合法による吸水性樹脂の製造方法において公知の非イオン性界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれかの界面活性剤、非イオン性共重合体、アニオン性共重合体、カチオン性共重合体等の共重合体、およびその他無機塩等が挙げられる。これらのうち、疎水性有機溶媒に対する溶解性、分散性に優れるため、疎水性有機溶媒中における前記(メタ)アクリル酸、2個以上の重合性不飽和結合を有する化合物又は前記(メタ)アクリル酸の有する官能基と反応する官能基を2個以上有する化合物およびラジカル重合開始剤を含む水溶液の分散性に優れる点で非イオン性界面活性剤が好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、リグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、リン酸トリエステル等が挙げられる。ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステルとしては、好ましくは下記定義式により求められるHLBが9〜11の、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレンソルビタントリオレート等が挙げられ、これらを単独又は2種以上併用できる。ソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えばHLBが4〜9のソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレート等が挙げられる。ショ糖脂肪酸エステルとしては、例えばHLBが4〜13のショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖ラウリル酸エステル等が挙げられる。ポリオキシアルキレンソルビトール脂肪酸エステルとしては、例えばHLBが10.5のポリオキシエチレンソルビトールテトラオレート等が挙げられる。ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステルとしては、例えばHLBが9〜10のポリオキシエチレングリセリンモノステアレート、ポリオキシエチレングリセリンモノオレート等が挙げられる。ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルとしては、例えばHLBが7〜13のポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンラウリル酸エステル等が挙げられる。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、例えばHLBが5〜13のポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシアルキレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等が挙げられる。リン酸トリエステルとしては、例えばHLBが7〜14のポリオキシエチレン鎖長の異なる、トリポリジオキシエチレン(C12-C15)アルキルエーテルリン酸、トリポリヘキサオキシエチレン(C12-C15)アルキルエーテルリン酸、トリポリオクタオキシエチレン(C12-C15)アルキルエーテルリン酸、トリポリデカオキシエチレン(C12-C15)アルキルエーテルリン酸等が挙げられる。
本発明で使用する(メタ)アクリル酸は、単独でもよく、あるいは必要によりこれにカルボキシル基以外の親水性基を有するビニル系単量体を併用することもできる。併用する場合、吸液性に優れた高吸液性樹脂を製造する上で、(メタ)アクリル酸を50重量%以上用いることが好ましい。かかる(メタ)アクリル酸は、(メタ)アクリル酸及び/又はそのアルカリ金属塩、アンモニウム塩等の塩を含むものである。また親水性基を有するビニル系単量体としては、例えばイオン性単量体、非イオン性単量体が挙げられる。イオン性単量体としては、例えばアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニルスルホン酸、4−スルホブチルメタクリレートソーダ塩等が挙げられる。非イオン性単量体としては、例えば(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸は、それらの有するカルボキシル基を塩基性化合物で中和したものが好ましい。このとき、前記カルボキシル基の20〜100モル%を中和することが好ましく、30〜60モル%中和することがより好ましい。これにより、得られる高吸水性樹脂の吸液性を更に向上させることができる。塩基性化合物としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化ルビジウム等が挙げられ、なかでも水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを使用することが好ましい。
本発明では、架橋剤として2個以上の重合性不飽和結合を有する単量体、又は前記(メタ)アクリル酸の有するカルボキシル基と反応する官能基を2個以上有する化合物(c)を使用する。これらは、前記(メタ)アクリル酸が重合した重合体同士、及び、この重合体と後述するビニル重合体とを架橋させるものである。前記(メタ)アクリル酸が重合した重合体同士は、前記架橋剤を使用せずとも自己架橋する場合があるが、吸液性、特に吸血性に優れた高吸水性樹脂を製造する上で、前記架橋剤を使用する必要がある。
2個以上の重合性不飽和結合を有する単量体としては、例えばジ(メタ)アクリル酸エステル、トリ(メタ)アクリル酸エステル、ビスアクリルアミド、多価アリル化合物などが挙げられる。ジ(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリル酸カルバミルエステルなどが挙げられる。トリ(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。ビスアクリルアミドとしては、例えばN,N'−メチレンビスアクリルアミド、N,N'−エチレンビスアクリルアミドなどが挙げられる。多価アリル化合物としては、例えば、ジアリルフタレート、テトラアリロキシエタン、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、トリアリルトリメリテート等が挙げられる。前記2個以上の重合性不飽和結合を有する単量体のなかでも、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、N,N'−メチレンビス(メタ)アクリルアミドを使用することが好ましい。
前記(メタ)アクリル酸の有するカルボキシル基と反応する官能基を2個以上有する化合物としては、例えばエポキシ基を2個以上有する化合物、イソシアネート基を2個以上有する化合物等が挙げられる。
エポキシ基を2個以上有する化合物としては、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ポリグリセリンジグリシジルエーテル等が挙げられ、なかでもエチレングリコールジグリシジルエーテルを使用することが好ましい。イソシアネート基を2個以上有する化合物としては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。前記2個以上の重合性不飽和結合を有する単量体及び前記(メタ)アクリル酸の有するカルボキシル基と反応する官能基を2個以上有する化合物は、前記(メタ)アクリル酸100重量部に対して0.01〜1重量部の範囲内で使用する必要がある。このうち0.01〜0.5重量部の範囲内であることが好ましい。0.01重量部より少ない場合は、充分な架橋構造が得られず、また0.5重量部より多い場合は、吸液性能が低下する。
次に本発明で使用するラジカル重合開始剤について説明する。かかるラジカル重合開始剤としては、例えば過酸化水素、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過酸化物や、2,2'−アゾビス−(2−アミノジプロパン)2塩酸塩、2,2'−アゾビス−(N,N'−ジメチレンイソブチルアミジン)2塩酸塩、2,2'−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}等のアゾ化合物が挙げられ、これらを単独又は2種以上併用することができる。このとき、前記過酸化物に亜硫酸塩、L−アスコルビン酸等の還元性物質やアミン塩等を併用しレドックス系の開始剤としても使用できる。ラジカル重合開始剤は、前記(メタ)アクリル酸100重量部に対して0.1〜1重量部使用する必要がある。
本発明で使用する(メタ)アクリル酸、2個以上の重合性不飽和結合を有する化合物又は前記(メタ)アクリル酸の有する官能基と反応する官能基を2個以上有する化合物およびラジカル重合開始剤を含む水溶液には、さらにアニオン性界面活性剤を含むことが好ましい。アニオン性界面活性剤を含むことにより、前記非イオン性界面活性剤との相乗効果により多数の微小な粒子同士が結着した表面多孔質な粒子が形成される。
かかるアニオン性界面活性剤としては、例えばN−アシルアミノ酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩−ホルマリン重縮合物、スルホコハク酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテルリン酸エステル塩、硫酸化油等が挙げられる。
この中で、一般式(I)で表されるα−オレフィンスルホン酸塩を使用することが釜壁や攪拌羽根への重合物の付着を低減できる上で好ましい。
Figure 2006193645
一般式(I)中のR’は、炭素原子数8〜30のアルケニル基又は炭素原子数8〜24のヒドロキシアルキル基を示す。Mは、アルカリ金属、第4級アンモニウム又は第4級アミンを示すものである。
炭素原子数8〜30のアルケニル基としては、例えばヘキサデセニル基、テトラデセニル基、ドデセニル基、オクタデセニル基、デセニル基、オクテニル基等が挙げられる。また、炭素原子数8〜24のヒドロキシアルキル基としては、例えばヒドロキシラウリル基、ヒドロキシオクチル基、ヒドロキシヘキサデシル基、ヒドロキシテトラデシル基、ヒドロキシオクタデシル基、ヒドロキシデシル基等が挙げられる。
一般式(I)中におけるMは、入手のし易さの観点から、アルカリ金属であるものが好ましい。
前記炭素原子数8〜30のアルケニル基を有するα−オレフィンスルホン酸塩としては、アルケン(C〜C30)モノスルホン酸塩が好ましく、例えばオクタデセンスルホン酸ナトリウム、ヘキサデセンスルホン酸ナチリウム、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、ドデセンスルホン酸ナトリウム、デセンスルホン酸ナトリウム、オクテンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
前記炭素原子数8〜24のヒドロキシアルキル基を有するα−オレフィンスルホン酸塩としては、ヒドロキシアルカン(C〜C24)スルホン酸塩が好ましく、例えばヒドロキシラウリルスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシオクチルスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシヘキサデシルスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシテトラデシルスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシオクタデシルスルホン酸ナトリウム、ヒドロキシデシルスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
これらα−オレフィンスルホン酸塩は、工業的にはα−オレフィンのスルホン化によって得られるので、通常入手できるのは前記アルケン(C〜C30)モノスルホン酸塩とヒドロキシアルカン(C〜C24)スルホン酸塩の混合物であり、本発明はこれら通常入手可能な混合物も好適に使用することができる。
本発明は、前記界面活性剤を含有する疎水性有機溶媒に、(メタ)アクリル酸、2個以上の重合性不飽和結合を有する単量体又は前記(メタ)アクリル酸の有するカルボキシル基と反応する官能基を2個以上有する化合物、及びラジカル重合開始剤を含有する水溶液を逐次供給し逆相懸濁重合した後、さらに水酸基又はアミド基、及び重合性不飽和結合を含有する化合物を供給するものであり、特に吸血性に優れた吸水性樹脂を得ることができる。
かかる水酸基又はアミド基、及び重合性不飽和結合を含有する化合物の分子量は、何ら制限されるものではないが、入手のし易さ、取り扱いのし易さから、数平均分子量で10,000以下であることが好ましい。
数平均分子量が10,000以下である水酸基又はアミド基、及び重合性不飽和結合を含有する化合物としては、水酸基またはアミド基含有の重合性不飽和結合を有するビニル単量体、または数平均分子量が500〜10,000の水酸基またはアミド基を含有し重合性不飽和結合を有するビニル重合体等が挙げられる。
かかる水酸基またはアミド基を有するビニル単量体としては、例えば(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、数平均分子量が500〜10,000の水酸基またはアミド基を含有し重合性不飽和結合を有するビニル重合体は水酸基またはアミド基を含有するビニル重合体に不飽和基を導入することにより得ることができ、重合性不飽和結合の導入のし易さから、水酸基またはアミド基の外に、さらにカルボキシル基を含有するものが好ましい。
ビニル重合体中のカルボキシル基によりビニル重合体の水溶液が酸性になり、水酸基またはカルボキシル基とエポキシ基及び重合性不飽和結合を有する化合物のエポキシ基との反応が安定的に行われる。
ビニル重合体中におけるカルボキシル基を有するビニル単量体の比率は5重量%以上であることが好ましく、10重量%以上であることがさらに好ましい。5重量%以下である場合、先に記述したようにビニル重合体を含む水溶液が中性付近となり、水酸基またはカルボキシル基とエポキシ基及び重合性不飽和結合を有する化合物のエポキシ基の反応よりも、エポキシ基及び重合性不飽和結合を有する化合物の加水分解などの副反応が支配的になる。
かかるカルボキシル基を有するビニル重合体は、例えば水酸基またはアミド基を有するビニル単量体、カルボキシル基を有するビニル単量体、及び必要に応じてその他のビニル単量体を、ラジカル重合開始剤及び水の存在下で、ラジカル重合させることによって製造することができる。
前記水酸基またはアミド基を有するビニル単量体としては、例えば(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
前記カルボキシル基を有するビニル単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸等を挙げることができ、なかでも(メタ)アクリル酸が好ましい。
前記ビニル重合体の有するカルボキシル基は、塩基性化合物で中和されていても良い。かかる塩基性化合物としては、前記塩基性化合物として例示したものと同様のものを使用することができる。
その他のビニル単量体としては、エチルアクリレート、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等が例示される。
前記で得られるビニル重合体への重合性不飽和結合の導入方法としては、カルボキシル基または水酸基を有するビニル重合体と、エポキシ基及び重合性不飽和結合を有する化合物とを水中で反応させる方法が挙げられる。かかるエポキシ基及び重合性不飽和結合を有する化合物としては、例えばアリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられ、なかでもグリシジルメタクリレートを使用することが好ましい。
水中でビニル重合体とエポキシ基及び重合性不飽和結合を有する化合物との反応を行う場合、エポキシ基及び重合性不飽和結合の加水分解など副反応を防止するため、反応は酸性領域で行われるのが好ましい。
前記で得られるビニル重合体の有する重合性不飽和結合は、前記ビニル重合体1分子中に1〜3個存在することが好ましい。ビニル重合体が、かかる範囲の重合性不飽和結合を有すれば、高吸液性樹脂の過度な凝集を抑制し、吸液性の低下を防止することができる。
前記水酸基又はアミド基、及び重合性不飽和結合を含有する化合物は、前記(メタ)アクリル酸100重量部に対して1〜50重量部の範囲内で使用することが好ましく、5〜40重量部の範囲内で使用することがより好ましい。これにより、吸血性に優れた高吸水性樹脂を製造することができる。
次に本発明の吸水性樹脂の製造方法についてさらに具体的な実施態様を説明する。
まず界面活性剤を含有する疎水性有機溶媒に、(メタ)アクリル酸、2個以上の重合性不飽和結合を有する単量体又は前記(メタ)アクリル酸の有するカルボキシル基と反応する官能基を2個以上有する化合物、及びラジカル重合開始剤を含有する水溶液(以下「単量体混合物の水溶液」という。)を逐次供給する。
かかる逐次供給の際、ラジカル重合するために必要な重合反応温度に維持する必要がある。
このときの重合反応温度は、使用するラジカル重合開始剤の種類により異なるが、40〜150℃の範囲内であることが好ましく、60〜90℃の範囲内であることがより好ましい。 次いで、界面活性剤を含有する疎水性有機溶媒中に、単量体混合物の水溶液を逐次供給しながら撹拌することで前記単量体混合物の水溶液を疎水性有機溶媒中に微分散し、油中水滴型の逆相懸濁重合をする。ここで、逐次供給とは、界面活性剤を含有する疎水性有機溶媒中に単量体混合物の水溶液を連続的もしくは断続的に供給することを意味する。
本発明は、単量体混合物の水溶液を界面活性剤を含有する疎水性有機溶媒中に逐次供給した後、さらに水酸基又はアミド基、及び重合性不飽和結合を有する化合物を疎水性有機溶媒中に供給するものである。
このときの供給方法は、一括添加でも、逐次供給であってもよい。
水酸基又はアミド基、及び重合性不飽和結合を有する化合物は、単量体混合物の水溶液を逐次供給し終えた直後から2時間以内に供給することが好ましい。これにより単量体混合物が重合して得られる重合体の粒子表面が安定化し、粒子同士の融着を防止することができる。
本発明の製造方法では、界面活性剤を含有する疎水性有機溶媒を撹拌しながら、単量体混合物の水溶液や水酸基またはアミド基含有の不飽和基含有化合物を供給する必要がある。この際撹拌条件は、使用する撹拌翼の種類、重合反応槽の大きさ等により異なるが、例えば一般的な攪拌翼付帯の1mの反応釜での製造を想定した場合、邪魔板(バッフル)を付帯するかどうかで大きく異なるが、バッフルを付帯する場合には、撹拌翼の回転数は40〜100rpmの範囲内であることが好ましく、50〜90rpmの範囲内であることがより好ましい。これにより、著しく凹凸の表面を有し、生理用品等の吸収帯内で偏りにくく、且つ平均粒子径が0.1mm〜1mmの高吸液性樹脂を製造することができる。
水酸基又はアミド基、及び重合性不飽和結合を有する化合物を供給した後、60℃〜80℃で10分〜3時間保持することで、膨潤したビーズ状の吸水性樹脂を含有するスラリー状の混合物を得ることができる。前記スラリー状混合物から、例えば共沸脱水法、加熱乾燥法等で吸水性樹脂を分離することができる。
共沸脱水法としては、例えば前記スラリー状混合物とシクロヘキサン等の有機溶媒を混合し、水と有機溶媒の共沸温度に保ちながら、樹脂固形分に対する含水率が25〜5重量%になるまで脱水する方法が挙げられる。共沸脱水後、例えばデカンテーション法や濾過法で吸水性樹脂とシクロヘキサンとを分離し、次いで、乾燥することで粉末状の高吸水性樹脂を製造することができる。
加熱乾燥法としては、例えば、真空乾燥機、熱風乾燥機、気流乾燥機、流動層乾燥機、等を用いる方法が挙げられる。これらのうち、真空乾燥機が好ましく、具体的には例えば真空回転乾燥機、円錐容器型乾燥機[ナウター型ミキサー乾燥機、円錐型リボン乾燥機(リボコーン、株式会社大川原製作所製)、遊星運動型混合乾燥機(SVミキサー、株式会社神鋼環境ソリューション製)等]、ろ過乾燥機等が挙げられ、これらを好適に用いることができる。
乾燥温度は、必要により50℃以上の温度である程度の含水率になるまで乾燥した後、140℃以上の温度で乾燥を行うことが好ましく、150〜190℃の範囲内で乾燥を行うことがより好ましい。
予め50℃以上の温度で乾燥を行うのは、その後140℃以上の温度で乾燥を行った際に生じる樹脂焼けによる着色を防止するためであり、乾燥方法によっては必要ない場合もある。50℃〜140℃、好ましくは60℃〜110℃の範囲で樹脂固形分に対する含水率が10重量%以下になるまで、好ましくは5重量%以下になるまで乾燥することが好ましい。
140℃以上の温度における乾燥は、乾燥機内の樹脂温度が140℃以上に達した後、少なくとも5分以上行うことが好ましく、15分以上行うことがさらに好ましい。少なくとも5分以上で樹脂焼けによる着色がおこらない2時間の間、140℃以上で乾燥させることで、吸血性、特に繰り返し吸血させても優れた樹脂を得ることができる。
本発明の製造方法で得られる吸水性樹脂は、特に血液吸収に優れることから、例えば、生理用ナプキン、タンポン、医療用血液吸収シート、ドリップ吸収剤、創傷保護材、創傷治癒材、手術用廃液処理剤等々の血液吸収特性が要求される用途に好適に用いられる。また、血液と同様にタンパク質を含む水、例えば、牛乳、母乳、おりもの等に対しても優れた吸収特性を示すため、その適用分野は広範囲である。
以下、本発明の具体的な実施の態様を実施例及び比較例で説明する。
[吸血性の評価方法]
内径95mmのシャーレ中の高吸液性樹脂1gに、馬脱繊血(株式会社日本生物材料センター製)20gを加え、吸血させた。1分後、5枚重ねした20cm径の濾紙上に吸血後の高吸液性樹脂をのせ、吸血されていない余分な血液を除去した。吸血後の高吸液性樹脂の重量から、吸血前の高吸液性樹脂の重量を差し引くことで、高吸液性樹脂1gあたりの吸血量(g/g)を求めた。
[繰り返し吸血性の評価方法]
内径95mmのシャーレ中の高吸液性樹脂0.5gに、馬脱繊血2.5gを加え、馬脱繊血が完全に吸収されるまでの時間を測定した。馬脱繊血を加えてから2分経過した後、馬脱繊血2.5gを再度加え、馬脱繊血が完全に吸収されるまでの時間を測定した。1回目2分で血液を吸収しない場合は、吸収速度の測定値を120(s)<とし、血液をその上から添加した。2回目時間の測定は300(s)までとし、血液を吸収しない場合測定結果は300<とした。
[数平均分子量の測定方法]
カラム(東ソー株式会社製、TSKGEL G5000PWXL)とカラム(東ソー株式会社製、TSKGEL G3000PWXL)の連結カラム、検出器(東ソー株式会社製、RI−8000)及びポンプ(東ソー株式会社製、CCPM)を備えた液体クロマトグラフィーを用いて、0.1Mのリン酸緩衝液(pH=7.0)を媒体として測定した。
(参考例1)
攪拌器、滴下装置、還流装置及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、イオン交換水を187.7重量部仕込み、窒素雰囲気下で93℃まで昇温した。次いで、アクリル酸を121.2重量部及びアクリルアミドを6.4重量部の混合物と、過硫酸ナトリウムを9.8重量部及びイオン交換水を61.29重量部含有する溶液とを、2時間に亘って滴下した。
滴下終了後、同温度で6時間反応させ、その後25℃まで降温した。次いで、水酸化ナトリウムの30重量%水溶液を添加し、不揮発分が35重量%、ガードナー粘度がC−D、pHが2.45のアクリル樹脂水溶液を調製した。このアクリル樹脂の数平均分子量は3,000であった。
攪拌器、滴下装置、還流装置及び空気導入管を備えた別の反応容器に、前記アクリル酸樹脂水溶液100重量部を仕込み、空気雰囲気下で70℃まで昇温した。次いで、メタクリル酸グリシジルを2.4重量部添加し、同温度で1時間反応させた後、水酸化ナトリウムの30重量%水溶液を24.4部添加し、pHが5.33である、アミド基、カルボキシル基及び重合性不飽和結合を有するビニル重合体の水溶液を調製した。
(参考例2)
攪拌器、滴下装置、還流装置及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、イオン交換水を319.9重量部仕込み、窒素雰囲気下で93℃まで昇温した。次いで、アクリル酸を65.1重量部及びヒドロキシエチルアクリレートを195.2重量部の混合物と、過硫酸ナトリウムを20.2重量部及びイオン交換水を105重量部含む溶液とを、2時間に亘って滴下した。
滴下終了後、同温度で6時間反応させ、その後25℃まで降温した。次いで、水酸化ナトリウムの30重量%水溶液を添加し、不揮発分が35重量%、ガードナー粘度がH、pHが2.61のアクリル樹脂水溶液を調製した。数平均分子量は4,000であった。
攪拌器、滴下装置、還流装置及び空気導入管を備えた別の反応容器に、前記アクリル樹脂水溶液80重量部を仕込み、空気雰囲気下で70℃まで昇温した。次いで、メタクリル酸グリシジルを2.0重量部加え、同温度で1時間反応させた後、水酸化ナトリウムの30重量%水溶液を5.2重量部添加し、pHが5.22である、水酸基、カルボキシル基及び重合性不飽和結合を有するビニル重合体の水溶液を得た。
(比較参考例1)
攪拌装置、温度計、還流装置及び窒素ガス導入管を備えた1Lの4ツ口フラスコに、無水マレイン酸96重量部とイオン交換水50重量部を加え、55℃に昇温し、無水マレイン酸を溶解させた。次いで、40℃まで冷却して得られたスラリー状の無水マレイン酸に、28重量%アンモニア水60.8重量部を添加し、80℃で3時間反応させた。反応後、4つ口フラスコ内のイオン交換水を蒸発させて得られる残留物100重量部に、85重量%の燐酸水溶液10重量部を加え、200℃のオイルバス中で減圧下、4時間反応させ、数平均分子量3,000を有する粉末状のポリこはく酸イミドを調製した。
攪拌装置、温度計、還流装置及び窒素ガス導入管を備えた別の反応容器で、水酸化ナトリウム20.6重量部を溶解した水溶液75重量部及び前記粉末状のポリこはく酸イミド50重量部を混合し、ポリこはく酸イミドの水溶液を得た。次いで、90℃に昇温した後、グリシジルメタクリレート5.0重量部を添加し、1時間反応させることで、メタクリロイル基を有する数平均分子量が3,000のポリアスパラギン酸の水溶液を調製した。
(実施例1)
幅105mmのアンカー翼を備え付けた、内径130mmの2Lセパラブルフラスコの重合槽にシクロヘキサン820g、アデカノールNK−4(ポリオキシエチレングリセリンエステル、旭電化工業株式会社製)6.0g、ニッコールTDP−8(トリポリオクタオキシエチレン(C12−C15)アルキルエーテルリン酸、日光ケミカルズ株式会社製)0.3gを仕込んだ後、アルカム社製1軸不等速攪拌機S−MIXにセットした。還流冷却脱水管、滴下ロートを備え付けた後、表示攪拌速度250rpmで攪拌を開始した。この場合攪拌翼の回転は、200rpmを中心に1回転の間に最高400rpm、最低100rpmの不等速攪拌を繰り返した。窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出し、70℃まで昇温した。一方、別の2Lのセパラブルフラスコにアクリル酸150gを加え、外部より冷却しつつ、水酸化ナトリウム33.3gを溶解した水酸化ナトリウム水溶液400gを滴下して、アクリル酸の40モル%を中和した。
この液にN,N'−メチレンビスアクリルアミド0.5g、過硫酸アンモニウム0.6g、リポランPJ−400(アルカンスルホン酸ナトリウム ライオン株式会社製)6.6gを加えて溶解させた後、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。
次に、上述のようにして得られた、重合開始剤および架橋剤を含有する中和アクリル酸塩水溶液を上述のシクロヘキサンに1時間かけて滴下し、ヒドロキシエチルアクリレート50gを一括添加した。滴下終了後、1時間保持した。
次に共沸脱水によって、360gの水を抜き出した後、樹脂を取り出し、減圧下、70℃で3時間、160℃で1時間乾燥させ、吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を吸水性樹脂Aという。吸水性樹脂の色、血液特性を表−1にまとめた。吸水性樹脂Aは白色で、血液吸収性に優れることがわかった。
(実施例2)
ヒドロキシエチルアクリレートをヒドロキシプロピルアクリレートに変更した他は、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を吸水性樹脂Bという。吸水性樹脂Bの色、血液特性を表−1にまとめた。吸水性樹脂Bは白色で、血液吸収性に優れることがわかった。
(実施例3)
ヒドロキシエチルアクリレートをヒドロキシブチルアクリレートに変更した他は、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を吸水性樹脂Cという。吸水性樹脂Cの色、血液特性を表−1にまとめた。吸水性樹脂Cは白色で、血液吸収性に優れることがわかった。
(実施例4)
ヒドロキシエチルアクリレートをヒドロキシエチルメタクリレートに変更した他は、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を吸水性樹脂Dという。吸水性樹脂Dの色、血液特性を表−1にまとめた。吸水性樹脂Dは白色で、血液吸収性に優れることがわかった。
(実施例5)
ヒドロキシエチルアクリレートの添加量を25gに変更した以外は実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を吸水性樹脂Eという。吸水性樹脂Eの色、血液特性を表−1にまとめた。吸水性樹脂Eは白色で、血液吸収性に優れることがわかった。
(実施例6)
ヒドロキシエチルアクリレートを、水50g中にアクリルアミド50gを溶解させた水溶液に変更した他は、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を吸水性樹脂Fという。吸水性樹脂Fの色、血液特性を表−1にまとめた。吸水性樹脂Fは白色で、血液吸収性に優れることがわかった。
(実施例7)
ヒドロキシエチルアクリレート50gを参考例1で得られたアミド基、カルボキシル基、重合性不飽和結合とを有するビニル重合体の水溶液40gに変更した他は、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を吸水性樹脂Gという。吸水性樹脂Gの色、血液特性を表−1にまとめた。吸水性樹脂Gは白色で、血液吸収性に優れることがわかった。
(実施例8)
ヒドロキシエチルアクリレート50gを参考例2で得られた水酸基、カルボキシル基、重合性不飽和結合を有するビニル重合体の水溶液40gに変更した他は、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を吸水性樹脂Hという。吸水性樹脂Hの色、血液特性を表−1にまとめた。吸水性樹脂Hは白色で、血液吸収性に優れることがわかった。
(比較例1)
ヒドロキシエチルアクリレート50gを比較参考例1で得られた重合性不飽和結合を有するポリアスパラギン酸の水溶液40gに変更した他は、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を吸水性樹脂Iという。吸水性樹脂Iの色、血液特性を表−1にまとめた。吸水性樹脂Iは血液特性に優れるものの褐色を呈していた。
(比較例2)
ヒドロキシエチルアクリレートを添加しない他は、実施例1と同様の操作を行い、吸水性樹脂を得た。この吸水性樹脂を吸水性樹脂Jという。吸水性樹脂Jの色、血液特性を表−1にまとめた。
(比較例3)
500Lのデスカップにアクリル酸150gを加え、外部より冷却しつつ、水酸化ナトリウム33.3gを溶解した水酸化ナトリウム水溶液341.5gを滴下して、アクリル酸の50モル%を中和した。次いで、N,N’−メチレンビスアクリルアミド468mg、過硫酸アンモニウム620mg添加溶解させた。攪拌装置、温度計、還流装置、窒素ガス吹き込み装置を装着した2Lの4ツ口フラスコに、シクロヘキサン820gを加え、これにレオドールスーパーSP−S10(ソルビタンモノステアレート、花王株式会社製)3.75gを添加して、350rpmで撹拌しながら分散させた。次に、フラスコ内を窒素置換した後、調製したアクリル酸水溶液を添加混合した。次いでフラスコを80℃のウオーターバス中で加熱することにより昇温したところ、70℃を超えた時点で発熱がおこった。65〜75℃で3時間保持した後、シクロヘキサンとの共沸によって生成した樹脂の含水率が10%になるまで脱水を行った。尚、攪拌は350rpmの回転数で一定して行った。反応終了後、デカンテーションでシクロヘキサン相を分離し、続いて得られた含水重合体粒子から減圧乾燥により水を含水率が5%になるまで除去し、吸水性樹脂Kを得た。吸水性樹脂Kの色、血液特性を表−1にまとめた。
Figure 2006193645

Claims (5)

  1. 界面活性剤を含有する疎水性有機溶媒に、(メタ)アクリル酸、2個以上の重合性不飽和結合を有する単量体又は前記(メタ)アクリル酸の有するカルボキシル基と反応する官能基を2個以上有する化合物、及びラジカル重合開始剤を含有する水溶液を逐次供給し逆相懸濁重合した後、さらに水酸基又はアミド基、及び重合性不飽和結合を有する化合物を供給することにより得られる重合体粒子を乾燥することを特徴とする吸水性樹脂の製造方法。
  2. 前記疎水性有機溶媒中の界面活性剤が、非イオン系界面活性剤であり、前記(メタ)アクリル酸、2個以上の重合性不飽和結合を有する単量体又は前記単量体混合物の有する官能基と反応する官能基を2個以上有する化合物、及びラジカル重合開始剤を含有する水溶液が、さらにアニオン性界面活性剤を含有する請求項1記載の吸水性樹脂の製造方法。
  3. 前記水酸基又はアミド基、及び重合性不飽和結合を有する化合物の数平均分子量が、10,000以下である請求項1又は2記載の吸水性樹脂の製造方法。
  4. 前記重合体粒子を140℃以上の温度で乾燥する請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸水性樹脂の製造方法。
  5. 前記重合体粒子を150℃〜190℃の温度で乾燥する請求項4記載の吸水性樹脂の製造方法。

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