JP2006193098A - 車両の安全装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全装置の異常を早期且つ容易に検出して、運転者に安全装置の整備又は検査を促す。
【解決手段】車両1の前方に存在する物体の位置を検出するレーダ20と、レーダ20の検出結果に基づいて車両1が上記物体と衝突する可能性を予知する衝突予知部30と、衝突予知部30が車両1が該物体と衝突する可能性が高いと予知したときに、車両衝突時の乗員への衝撃を低減させるブレーキ装置11、シートベルト装置12を作動させる衝撃低減制御部34と、衝撃低減制御部34がブレーキ装置11、シートベルト装置12を作動させる際に所定のカウント量を計数すると共に、車両1が衝突するまでの該カウント量の積算値を記憶する計数部35と、上記カウント量の積算値が所定の閾値以上になったときに、運転者に対する報知を行うシステム異常報知装置43と、を備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両の安全装置に関し、特に、自車両の前方にレーダ波を発信して自車両の前方に存在する物体を検出すると共に、該物体との衝突を予知して衝突前において予め安全装置を作動させるものに関するものである。
従来より、車両が衝突するときに乗員を確実に保護するという観点から、衝突が予知されたときに予備的にシートベルトを作動させて衝突に備えるようにした安全装置がある。かかる安全装置においては、衝突前にシートベルトを作動させるため、衝突時の衝撃を低減させることができる。
このような安全装置としては、例えば、特許文献1に開示されたものがある。この特許文献1で開示された安全装置では、自車両前部のバンパにミリ波センサを設け、このミリ波センサによって自車両周辺の障害物を検出している。そして、検出された障害物との衝突可能性を予知して、その衝突可能性に応じて、シートベルトを巻き取って、その張力を段階的に調整している。こうして、衝突前において、予備的にシートベルトの張力を向上させて衝突に備えるようにしている。
特開2003−182519号公報
ところで、どのような装置であってもシステム異常を発生する虞がある。上記特許文献1に開示された車両の安全装置でシステム異常が発生すると、実際には障害物と衝突する可能性は低いにもかかわらず、シートベルトが巻き取られるという問題が生じる。例えば、ミリ波センサのミリ波を発信させる発信軸がずれている場合には、実際には衝突可能性が低いにもかかわらず、衝突可能性が高いとしてシートベルトを巻き取る場合がある。その結果、シートベルトが不必要なときに巻き取られることによって乗員に違和感を与えて乗り心地を悪化させる。
そうして、上記特許文献1に開示された車両の安全装置では、システム異常が発生したときに、このシステム異常を検出するための手段が設けられておらず、整備工場等で車両の安全装置を検査するまでシステム異常が検出されない。その結果、上述のシステム異常による不具合が整備工場等で検査されるまで断続的に発生することになる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、安全装置の異常を早期且つ容易に検出して、運転者に安全装置の整備又は検査を促すことにある。
本発明は、衝突を予知したときに行われる衝撃低減手段の作動頻度を記憶し、衝撃低減手段が頻繁に作動する場合には、安全装置の異常を運転者に報知するようにしたものである。
具体的には、第1の発明は、車両の安全装置が対象であって、レーダ波を自車両の前方に発信し、自車両の前方に存在する物体からの反射波に基づいて該物体の位置を検出する物体検出手段と、自車両が上記物体と衝突したことを検知する衝突検知手段と、車両衝突時の乗員への衝撃を低減させる衝撃低減装置と、上記物体検出手段の検出結果に基づいて自車両が上記物体と衝突する可能性を予知する衝突予知手段と、上記衝突予知手段が自車両が該物体と衝突する可能性が高いと予知したときに、上記衝撃低減装置を作動させる衝撃低減制御手段と、上記衝撃低減制御手段が上記衝撃低減装置を作動させる際に所定のカウント量を計数すると共に、上記衝突検知手段による衝突検知又は所定の操作があるまでの該カウント量の積算値を記憶する計数手段と、上記カウント量の積算値が所定の閾値以上になったときに、運転者に対する報知を行う報知手段と、を備えているものとする。
上記の構成の場合、自車両の前方に物体が検出され、衝突する可能性があると予知されると、上記衝撃低減装置が車両衝突前において作動する。よって、車両が物体と実際に衝突した場合には、予め衝撃低減装置が作動しているため乗員への衝撃は低減される。
そして、上記衝突予知手段が車両が物体に衝突することを予知すると共に衝撃低減制御手段が衝撃低減装置を作動させる際に、上記計数手段が所定のカウント量を計数して、車両衝突又は所定の操作があるまでカウント量を積算して記憶することによって、車両衝突又は所定の操作があるまでの衝撃低減装置の作動頻度を検出することができる。ここで、所定の操作とは、上記カウント量の積算値をリセットするための操作であって、例えば、イグニッションをオフにする操作や、整備工場等で安全装置を整備・検査モードにする操作である。上記安全装置が正常に作動している場合には、車両が物体に衝突する可能性が高い場合のみ衝撃低減装置が作動し、その作動頻度はそれほど多くない。一方、上記安全装置に異常が発生すると、車両が物体と衝突する可能性が低いにもかかわらず衝撃低減装置を作動させるため、その作動頻度は、安全装置が正常なときと比較して増加する。例えば、上記物体検出手段に故障が発生すると、車両前方の物体の位置を誤って検出して、衝突可能性が低いにもかかわらず衝突する可能性が高いと判定して衝撃低減装置を作動させる場合がある。また、上記衝突予知手段に故障が発生すると、車両前方の物体の位置を正確に検出していても、衝突可能性が低い物体に対して衝突可能性が高いと判定して衝撃低減装置を作動させる場合がある。つまり、衝撃低減装置を作動させる際にカウント量を計数すると共に積算して、このカウント量を積算値を監視することによって安全装置に異常が発生したか否かを検出することができる。そこで、所定の閾値を設定し、カウント量の積算値がこの所定の閾値以上となることによって安全装置に異常が発生したと判断する。尚、この所定の閾値を変更することによって、安全装置に異常が発生したと判断する衝撃低減装置の作動頻度を調整することができる。そして、カウント量の積算値が所定の閾値以上となったときには、報知手段により運転者に異常を報知することによって、乗員に安全装置の整備又は検査を促すことができる。
したがって、上記衝撃低減装置を作動させる際に上記計数手段により所定のカウント量を計数すると共に、上記衝突検知手段による衝突検知又は所定の操作があるまでの該カウント量の積算値を記憶することによって、上記安全装置に異常が発生した場合に、整備工場等での検査を受けなくても容易に且つ早期に異常を検出することができる。そして、この異常を上記報知手段により運転者に報知することによって、安全装置の整備及び検査を促すことができる。
第2の発明は、第1の発明において、自車両の走行状態から自車両の進行方向を検出する進行方向検出手段をさらに備え、上記計数手段は、上記物体検出手段によって検出された物体が上記進行方向検出手段によって検出された進行方向に対して左右方向へ離れているほど上記カウント量を小さくするものとする。
自車両前方の物体(例えば先行車)を正常に検出して衝撃低減装置を作動させても、例えば運転者による衝突回避操作によって、実際には衝突しない場合もある。かかる場合には、衝突は回避するけれども衝撃低減手段が作動して、それに伴いカウント量が積算されていく。上記計数部によるカウント量の計数及び積算は、安全装置の異常を検出するために行われているため、このように安全装置が正常に作動している場合には、そのときのカウント量を安全装置に異常が発生しているときと同様には計数しないほうがよい。つまり、上記カウント量の計数は、自車両が物体との衝突を回避する可能性を考慮しつつ行うことが好ましい。そこで、第2の発明においては、上記物体検出手段によって検出された物体が上記進行方向検出手段によって検出された進行方向に対して左右方向へ離れているほど上記カウント量を小さくする。つまり、上記物体が自車両の進行方向から逸れて移動していく場合や、上記物体検出手段により物体が検出されるよりも前に運転者自らが自車両前方の物体を発見して自車両の衝突を回避するべく該物体を避ける運転操作した場合には、物体検出手段によって検出された物体は自車両の進行方向に対して左右方向へ離れることになる。すなわち、進行方向に対する左右方向への距離が大きくなるほど、上記物体と自車両とが自車両の進行方向に対して相対的に離れていき衝突が回避される可能性が高いため、物体検出手段によって検出された物体が自車両の進行方向に対して左右方向へ離れているほど上記カウント量を小さくする。その結果、自車両前方の物体が正常に検出されて安全装置の作動が正常に行わるが、上記物体の移動又は自車両の操作によって衝突を回避した場合には、そのときのカウント量が小さいため、上記カウント量の積算値はあまり増加しない。よって、上記安全装置が正常に作動している場合には、カウント量の積算値が上記所定の閾値まで増加し難くなる。
したがって、上記物体検出手段によって検出された物体が上記進行方向検出手段によって検出された進行方向に対して左右方向へ離れているほど上記カウント量を小さくすることによって、物体と自車両との衝突が回避された可能性を考慮して上記カウント量を計数することができる。その結果、安全装置が正常に作動しているにもかかわらず安全装置に異常が発生していると判断して運転者に異常を報知することを防止することができる。つまり、異常判定の精度を向上させることができる。
第3の発明は、自車両の車輪操舵量に関する値に基づいて自車両の操舵量を検出する操舵量検出手段をさらに備え、上記計数手段は、上記操舵量検出手段によって検出された操舵量が大きいほど上記カウント量を小さくするものとする。
上記の構成の場合、上記操舵量検出手段によって検出された操舵量が大きいほど上記カウント量を小さくする。つまり、物体検出手段によって物体が検出されて衝撃低減装置の作動が行われる前に、運転者が自ら自車両前方の物体を発見して、自車両の衝突を回避するべく該物体を避けるように運転操作した場合には、操舵量が大きくなる。すなわち、操舵量が大きくなるほど、運転者が物体を避けるように運転操作をして衝突が回避される可能性が高いため、上記操舵量検出手段によって検出された操舵量が大きいほど上記カウント量を小さくする。その結果、自車両前方の物体が正常に検出されて安全装置の作動が正常に行われたが、自車両の操作によって衝突を回避した場合には、そのときのカウント量が小さいため、上記カウント量の積算値はあまり増加しない。よって、安全装置が正常に作動している場合には、カウント量の積算値が上記所定の閾値まで増加し難くなる。
したがって、上記操舵量検出手段によって検出された操舵量が大きいほど上記カウント量を小さくすることによって、物体と自車両との衝突が回避された可能性を考慮して上記カウント量を計数することができる。その結果、安全装置が正常に作動しているにもかかわらず安全装置に異常が発生していると判断して運転者に異常を報知することを防止することができる。つまり、異常判定の精度を向上させることができる。
本発明によれば、上記衝突予知手段が車両の衝突を予知して上記衝撃低減制御手段が衝撃低減装置を作動させる際に所定のカウント量を計数すると共に、車両衝突が検知されるか、又は所定の操作が行われるまでの間、上記カウント量の積算値を記憶することによって、該積算値が所定の閾値よりも大きくなると安全装置に異常が発生していると判断することができる。このように、衝撃低減装置の作動が行われる際にカウント量を計数することによって安全装置の異常を検出するため、整備工場等で検査を受けなくても容易に且つ早期に安全装置の異常を検出することができる。そして、この安全装置の異常を上記報知手段によって運転者に報知することによって安全装置の整備及び検査を促すことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
図1は、本発明の実施形態1に係る車両の安全装置を採用した車両の概略図を示す。車両1には、4つの車輪19(図では1つのみ図示)に個別に配設された4つのブレーキ装置11(図では1つのみ図示)と、運転席及び助手席にそれぞれ配設されたシートベルト装置12(図では1つのみ図示)と、ダッシュパネル18に設けられた警報/表示装置44と、車両前部に配設されて車両1の前方の障害物(例えば、先行車やガードレール等)を検出するためのレーダ20と、車両1が前方の障害物に衝突すると予知したときにブレーキ装置11、シートベルト装置12及び警報/表示装置44を作動させるPCS(Pre-Crash Safety System)用CPU3aとが設けられている。
ブレーキ装置11は、車輪19と共に回転するディスクロータ11aと、キャリパ11bと、このキャリパ11bのパッドをディスクロータ11aに押し当てて車輪19にブレーキ力を付与するブレーキアクチュエータ40とを有する。
シートベルト装置12は、座席に着座した乗員を拘束するウエビング12aと、センタピラー(図示省略)に設けられ、ウエビング12aを巻き取るガイドドラム(図示省略)を有するリトラクタ12bと、リトラクタ12bの後面に一体的に設けられ、ウエビング12aを巻き取ってウエビング12aに通常時よりも大きな所定の第1張力を付与する第1プリテンショナ機構12cと、リトラクタ12bの前面に一体的に設けられ、ウエビング12aを巻き取ってウエビング12aに第1張力よりも大きい所定の第2張力を付与する第2プリテンショナ機構12dとを有する。また、リトラクタ12bは、ウエビング12aの巻取り量を検知する巻取り量検知センサ(図示省略)を有している。第1プリテンショナ機構12cは、電動モータ(図示省略)を備え、電動モータの駆動によりウエビング12aの巻取りと引出しを行う。第2プリテンショナ機構12dは、インフレータ(図示省略)を備え、インフレータを作動させることによりウエビング12aを、第1プリテンショナ機構12cによる巻取り速度以上の速度でウエビング12aを巻き取る。これらリトラクタ12b、第1プリテンショナ機構12c及び第2プリテンショナ機構12dがシートベルトテンショナ41を構成する。
これらブレーキ装置11とシートベルト装置12とが、車両衝突時の乗員への衝撃を低減させる衝撃低減装置を構成する。
レーダ20は、車両前方にミリ波を所定角度の範囲でスキャンして発信すると共に、車両1の前方に存在する障害物からの反射波に基づいて該障害物の位置を検出するスキャン式のミリ波レーダである。このレーダ20は、物体検出手段を構成する。尚、レーダ20は、ミリ波レーダに限られず、レーザレーダや超音波レーダ等、車両1の前方に存在する障害物を検出できるセンサであれば種々のものを採用することができる。
警報/表示装置44は、ダッシュパネルに設けられ、PCS用CPU3aが、車両1が前方の障害物に衝突すると予知したときにブレーキ装置11、シートベルト装置12を作動させる際に、障害物に衝突する可能性が高いことを運転者に報知するための警報を鳴らすと共に、その旨を表示する警報/作動報知装置42と、後述するように、車両の安全装置にシステム異常が発生したときに、このシステム異常を運転者に報知するための警報を鳴らすと共に、その旨を表示して、安全装置の整備又は検査を促す報知手段としてのシステム異常報知装置43とを有する。
次に、車両の安全装置の制御系について図2の制御ブロック図を用いて説明する。安全装置は、PCS用CPU3aを中心に構成されていて、このPCS用CPU3aは、レーダ20、車速センサ21、操舵角センサ22、ヨーレートセンサ23、衝突センサ24及びオン/オフスイッチ25から信号が入力され、ブレーキアクチュエータ40、シートベルトテンショナ41、並びに警報/表示装置44中の警報/作動報知装置42及びシステム異常報知装置43を制御することによって、車両1の前方に先行車やガードレール等の障害物が存在するときに、これらの障害物を検出して衝突可能性を予知すると共に、衝突する可能性が高い場合には、衝突する可能性が高いことを運転者に報知し且つ、衝突に備えてブレーキ装置11やシートベルト装置12等の安全装置を予備的に作動させる(以下、衝撃低減制御という)。さらに、PCS用CPU3aを中心としたシステムに異常が発生した場合には、このシステム異常を運転者に報知して、安全装置の整備又は検査を促す。
上記車速センサ21は、車輪19の回転速度に対応した信号を出力する。操舵角センサ22は、ハンドルの絶対的な操舵角(直進時の操舵位置を基準とした実際の操舵角)に関連する信号を出力する。尚、操舵角センサ22は、ハンドルの相対的な操舵角(操舵角の変化量)に関連する信号を出力するように構成してもよい。ヨーレートセンサ23は、車両1のヨーレートに対応した信号を出力する。衝突センサ24は、加速度センサからなり、車両1に加わる衝撃を加速度として検出して、この加速度に対応した信号を出力する。オン/オフスイッチ25は、具体的にはイグニッションがオン操作されるとオン信号を出力する一方、オフ操作されるとオフ信号を出力する。このオン/オフスイッチ25は、PCS用CPU3aによる安全装置の制御の開始及び停止させるためのスイッチであり、PCS用CPU3aは、オン信号を受けて安全装置の制御を開始する一方、オフ信号を受けて安全装置の制御を停止する。また、オン/オフスイッチ25は、後述する計数部35のカウント量の積算値をリセットするためのリセットスイッチとしての役割も有し、オフ信号をPCS用CPU3aへ出力することによってカウント量の積算値をリセットさせる。
上記PCS用CPU3aは、上記レーダ20の検出結果に基づいて障害物の情報を認識すると共に、車両1の進行状態から該障害物との衝突可能性を判断する衝突予知手段としての衝突予知部30と、この衝突予知部30によって車両1が障害物に衝突する可能性が高いと判断された場合に、車両1が障害物と衝突するときの衝撃を低減すべく、衝突前において上記ブレーキ装置11やシートベルト装置12等を予備的に作動させる衝撃低減制御手段としての衝撃低減制御部34と、この衝撃低減制御部34が上記ブレーキ装置11やシートベルト装置12等を作動させる頻度を検出する計数手段としての計数部35と、車両1が障害物に衝突したことを検知する衝突検知部36とを有する。
上記衝突予知部30は、障害物を認識する障害物認識部31と、車両1の操舵角を検出する操舵角検出部32と、車両1の進行方向を検出する進行方向検出部33と、を有する。
障害物認識部31には、上記車速センサ21の出力信号及び上記レーダ20から出力される障害物の位置に関連する信号が入力される。そして、障害物認識部31は、車両1の前方に障害物が存在するか否か、存在する場合には障害物情報として障害物の車両1に対する位置及び相対速度を検出して、どのような障害物であるか(例えば、移動物か停止物か)を認識する。そして、この障害物情報に関連する信号を出力する。
上記操舵角検出部32は、操舵角センサ22からの出力信号が入力され、車両1の操舵量をして操舵角を検出する。そして、この操舵角に関連する信号を出力する。これら操舵角センサ22及び操舵角検出部32は操舵量検出手段を構成する。
進行方向検出部33は、車速センサ21及びヨーレートセンサ23からの出力信号並びに操舵角検出部32からの出力信号が入力され、車両1の進行方向を検出する。具体的には、ヨーレート及び操舵角が0の場合は車両1が直進していると判断する一方、ヨーレート又は操舵角が0でない場合は、車速とヨーレート及び/又は操舵角とからカーブする進行方向を検出する。そして、こうして求めた進行方向に関連する進行方向信号を出力する。これら車速センサ21、操舵角センサ22、ヨーレートセンサ23、操舵角検出部32及び進行方向検出部33が進行方向検出手段を構成する。
このように構成された衝突予知部30は、障害物認識部31によって認識された障害物情報(障害物の位置及び相対速度)、進行方向検出部33によって検出された車両1の進行方向及び車速センサ21によって検出された車速に基づいて、車両1が障害物に衝突する可能性が高いかどうかを予知する。そして、車両1が障害物に衝突する可能性があると予知した場合には、衝突予知信号を上記衝撃低減制御部34へ出力する。
また、衝突予知部30は、ある障害物に対して、衝突すると予知し続けている予知継続時間を計時するタイマ(図示省略)を有する。そして、予知継続時間が所定時間以上となる場合には、安全装置にシステム異常が発生していると判断して、システム異常報知装置43を作動させる。システム異常報知装置43は、運転者へシステム異常を報知するための警報を鳴らすと共に、その旨を表示して、運転者に安全装置の整備又は検査を促す。例えば、レーダ20のミリ波を発信する発信軸がずれている場合には、車両1側方のガードレールや車両1の隣の車線を走行する車両を、衝突する可能性が高い障害物として検出することがある。かかる場合は、実際には衝突する可能性が低く且つ、車両1はガードレールに沿って走行し続け、又は隣の車両と並走し続けることもある。その結果、車両1が障害物に衝突しないにもかかわらず、ある障害物に対して衝突する可能性が高いと継続して予知している時間が長くなる。または、単に、レーダ20や各種センサ類21〜23が故障して、衝突する可能性が高い障害物が存在しないにもかかわらず衝突予知を継続している場合もある。つまり、衝突予知部30による衝突予知は、車両1が障害物に衝突する可能性が高い場合に行われ、衝突予知後には車両1が衝突を回避するか又は障害物に衝突するため、衝突予知が継続して長い時間行われるということは少ない。よって、予知継続時間が所定時間以上となる場合には、安全装置にシステム異常が発生したと判断することができる。この所定時間を変更することによって、システム異常が発生したと判断すべき予知継続時間の長さを調整することができる。
上記衝撃低減制御部34は、衝突予知部30から衝突予知信号が入力されると、ブレーキアクチュエータ40、シートベルトテンショナ41及び警報/作動報知装置42を作動させるべく、それぞれに作動信号を出力する。ブレーキアクチュエータ40及びシートベルトテンショナ41によるブレーキ装置11及びシートベルト装置12それぞれの詳しい作動については後述するが、衝突前においてブレーキ装置11及びシートベルト装置12を作動させることによって、車両衝突時の乗員への衝撃を低減させる。警報/作動報知装置42は、車両1が障害物に衝突する可能性が高いことを運転者に報知するために警報を鳴らすと共に、その旨及び衝撃低減制御部34によりブレーキ装置11及びシートベルト装置12を作動させていることをを表示して、障害物との衝突を回避するように促す。それに加えて、衝撃低減制御部34は、上記ブレーキ装置11及びシートベルト装置12の作動を行う際には、カウント信号を上記計数部35へ出力する。
上記計数部35は、衝撃低減制御部34からカウント信号が入力されると、所定のカウント量(本実施形態では、「1」)を計数する。そして、衝撃低減制御部34からカウント信号が入力される度に所定のカウント量を計数し、その積算値を記憶する(例えば、カウント信号が2回入力されると、積算値は「2」となる)。そうして、カウント量の積算値が所定の閾値(本実施形態では、「3」)以上となると、システム異常報知装置43を作動させる。また、計数部35には、衝突検知部36の出力信号が入力されており、車両1が障害物に衝突して衝突検知部36の出力信号が入力されると上記カウント量の積算値を0にリセットする。つまり、計数部35は、車両1が障害物に衝突するまで上記カウント量を積算していく。ここで、カウント量の積算値があまりに増加していくということは、車両1が障害物に衝突しないにもかかわらず、上記衝撃低減制御部34によるブレーキ装置11等の作動が頻繁に行われていることを意味する。そこで、上記カウント量の積算値が所定の閾値以上となったときに、安全装置にシステム異常が発生したと判断して、システム異常報知装置43を作動させる。システム異常報知装置43は、運転者へシステム異常を報知するための警報を鳴らすと共に、その旨を表示して、運転者に安全装置の整備又は検査を促す。上記所定の閾値が、安全装置にシステム異常が発生したと判断するための閾値であり、この閾値を変更することによって、システム異常が発生したと判断すべき、上記衝撃低減制御部34によるブレーキ装置11等の作動頻度を調整することができる。
システム異常の具体例としては、レーダ20のミリ波を発信する軸がずれている場合が挙げられる。かかる場合は、車両斜め前方へミリ波をスキャンして、車両斜め前方の障害物を車両前方の障害物として検出する。そのため、車両1の前方には衝突可能性が高い障害物が存在しないにもかかわらず、車両1の斜め前方のガードレールや隣の車線を走行する先行車等に対し衝突可能性が高いと判断して、上記衝撃低減制御部34によるブレーキアクチュエータ40等の作動を行うことになる。車両1がガードレールの近傍を通過したり、隣の車線の走行車と並走したりすることは頻繁に起こり得り、計数部35のカウント量の積算値は、上記所定の閾値まで簡単に増加し得る。また、他のシステム異常の具体例としては、車速センサ21や操舵角センサ22やヨーレートセンサ23の故障が挙げられる。かかる場合には、車両1の進行方向を正確に検出できないため、衝突予知部30が車両1と障害物との衝突可能性を正確に予知できない。その結果、衝突の可能性が低いにもかかわらず、車両1が障害物に衝突すると判断して、上記衝撃低減制御部34によりブレーキ装置11等を頻繁に作動させ得る。かかる場合にも、計数部35のカウント量の積算値は、上記所定の閾値まで簡単に増加し得る。他のシステム異常の具体例としては、PCS用CPU3aの故障等がある。
また、計数部35には、オン/オフスイッチ25の出力信号が入力されており、イグニッションがオフ操作されてオン/オフスイッチ25のオフ信号が入力されると、上記カウント量の積算値を0にリセットする。つまり、車両1が障害物に衝突する以外にも、イグニッションをオフ操作して、車両1の運転を終了する場合には、上記カウント量の積算値をリセットするようにする。あまりに長い間カウント量を積算し続けると、安全装置は正常であっても、車両1が障害物に衝突しない場合には、カウント量の積算値がいずれは所定の閾値以上となる可能性があるからである。
さらに、上記カウント量は、車両1の進行方向に対する障害物の左右方向(進行方向と直行する方向)への位置及び車両1の走行状態に応じてカウント量を小さくして計数する。具体的には、計数部35には、上記障害物認識部31から出力され障害物情報に関連する信号及び進行方向検出部33から出力される進行方向信号も入力され、障害物の車両1の進行方向に対する進行方向と直交する方向への距離が算出される。そして、該距離が離れるほど、カウント量を小さくする(例えば、カウント量を「0.5」にする)。該距離が離れているということは、例えば障害物が先行車である場合には、先行車が車両1の隣の車線を走行している、若しくは先行車が車両1の進行方向から逸れて移動していく可能性が高く、車両1が障害物(先行車)に衝突する可能性は低い。また、障害物がガードレール等の停止物である場合には、車両1が障害物を回避すべく操作し、車両1が障害物(ガードレール等)との衝突を回避する可能性が高い。このように、車両1が障害物との衝突を回避する可能性が高くなるほど、計数するカウント量を小さくする。つまり、安全装置のシステムが正常に作動している場合であって且つ、衝突予知部30が、車両1が障害物と衝突する可能性が高いと予知すると共に、衝撃低減制御部34が、ブレーキ装置11等を作動させる場合であっても、車両1が障害物との衝突を回避する場合がある。かかる場合における衝撃低減制御部34によるブレーキ装置11等の作動は安全装置のシステム異常によって引き起こされた作動ではないため、衝撃低減制御部34によるブレーキ装置11等の作動頻度から安全装置のシステム異常を判断する計数部35においては、安全装置が正常に作動し且つ車両1が障害物との衝突を回避する場合には、カウント量を計数しないほうがよい。そこで、障害物が、車両1の進行方向に対して左右方向に離れているほど、計数するカウント量を小さくして、安全装置が正常に作動し且つ車両1が障害物との衝突を回避する可能性高い場合には、カウント量の積算値があまり増加しないようにしている。また、計数部35には、操舵角検出部32からの出力信号も入力される。そして、操舵角が大きいほどカウント量を小さくする(例えば、「0.4」にする)。操舵角が大きいということは、運転者が障害物との衝突を回避すべくハンドルを操作した可能性が高い。つまり、操舵角が大きい場合にも、安全装置が正常に作動し且つ車両1が障害物をの衝突を回避するということが起こり得る。そこで、操舵角が大きくなるほど、計数するカウント量を小さくして、安全装置が正常に作動し且つ車両1が障害物との衝突を回避する可能性高い場合には、カウント量の積算値があまり増加しないようにしている。尚、障害物の車両1の進行方向に対する進行方向と直交する方向への距離が離れ且つ、操舵角が大きい場合には、カウント量はさらに小さくなる(例えば、「0.1」)。
上記衝突検知部36は、衝突センサ24の出力信号が入力され、車両1に作用する加速度が所定値以上である場合には、車両1が障害物に衝突したと判断して出力信号を計数部35に出力する。これら衝突センサ24及び衝突検知部36が衝突検知手段を構成する。
続いて、この車両の安全装置の制御について、図3、4に示すフローチャートに基づいて説明する。
このフローチャートは、まずPCS用CPU3aにオン/オフスイッチ25からオン信号が入力されることによりスタートする。つまり、運転者がイグニッションをオン操作することによって安全装置の制御がスタートする。
まず、ステップSA1において、レーダ20、各種センサ21〜24及びオン/オフスイッチ25からの出力信号を入力する。
ステップSA2において、計数部35のカウント量の積算値が所定の閾値以上か否かを判定する。積算値が所定の閾値以上である場合にはステップSA17へ進む一方、積算値が所定の閾値よりも小さい場合にはステップSA3へ進む。イグニッションをオン操作して安全装置の制御を開始したときには、カウント量の積算値は0であるため、ステップSA17へは進まず、ステップSA3へ進む。
ステップSA3においては、上記障害物認識部31によりレーダ20の出力信号に基づいて、車両1の前方に先行車等の障害物が存在するか否かを検出する。障害物が存在する場合にはステップSA4へ進む一方、障害物が存在しないの場合にはリターンへ進む。
ステップSA4においては、上記衝突予知部30により上記検出された障害物と車両1とが衝突するか否かが判断される。衝突する可能性が高いと予知した場合には、ステップSA5へ進む一方、衝突する可能性が低いと予知した場合には、リターンへ進む。
ステップSA5においては、シートベルト装置12の第1プリテンショナ機構12cを作動させて、ウエビング12aの張力が断続的に所定の第1張力になるように、巻取り量検知センサでウエビング12aの巻取り量を検知しながらウエビング12aの巻取り及び引出しを繰り返す。こうすることによって、運転者に車両1が前方の障害物に衝突する可能性があることを体感させて警報すると共に、衝突前においてシートベルト装置12のウエビング12aに通常時よりも強い第1張力が付与される。その後、ステップSA6へ進む。
ステップSA6では、さらに、ブレーキ装置11のブレーキアクチュエータ40を作動させて、自動的にブレーキ装置11を作動させる。具体的には、ブレーキ装置11に所定の第1減速度を断続的に発生させて、減速度が平均で0.2Gとなるようにする。こうすることによって、運転者に車両1が前方の障害物に衝突する可能性があることを体感させて警報すると共に、衝突前においてブレーキ装置11により車速を減速させる。その後、ステップSA7へ進む。尚、運転者自らがブレーキ装置11を操作し且つそのときの減速度が上記所定の第1減速度よりも大きい場合は、運転者が前方の障害物に気づいてブレーキ装置11を操作している可能性があるため、このブレーキ装置11による体感警報は行わず、運転者によるブレーキ装置11の操作を優先させる。
ステップSA7においては、上記警報/作動報知装置42を作動させて、前方の障害物への衝突を予知していることを運転者に警報するとと共に、その旨を表示して、障害物との衝突を回避するように促す。その後、ステップSA8へ進む。
これらステップSA5〜SA7によって、車両1が前方の障害物と衝突する可能性があることを運転者に種々の方法で報知して衝突を回避することを促すと共に、万が一、車両1が障害物と衝突するときのために、予めブレーキ装置11及びシートベルト装置12を作動させて、車両衝突時の乗員への衝撃を低減させる。
ステップSA8において、ステップSA6におけるブレーキ制御が、衝突予知後、初めてのブレーキ制御であったか否かを判定する。初めてのブレーキ制御であった場合にはステップSA9へ進む一方、初めてのブレーキ制御でなかった場合にはステップSA10へ進む。
ステップSA9においては、上述の如く、計数部35により障害物の車両1の進行方向に対する進行方向と直交する方向への距離と車両1の操舵角とに応じてカウント量は調整すると共に、そのカウント量を計数して、その積算値を記憶する。その後、ステップSA10へ進む。
つまり、ステップSA3〜SA9の各ステップを行うことで、車両1の前方に衝突する可能性が高い障害物を検出した場合には、ブレーキ装置11及びシートベルト装置12を作動させると共に、ブレーキ装置11等を作動させる際に所定のカウント量を計数して、その積算値を記憶している。尚、本実施形態1では、ある障害物が検出されると共に衝突すると予知されてから初めてステップ6でブレーキ制御を行う際にのみカウント量を計数している。そして、ある障害物が検出されると共に衝突すると予知されてから、再度ステップSA5以降のステップを繰り返す場合には、計数部35においてカウント量を計数しない。すなわち、計数部35によるカウント量の計数は、レーダ20によって検出されて衝突予知部30によって衝突する可能性が高いと判断された障害物につき1度だけ行われる。
ステップSA10においては、車両1がステップSA3において検出された、ある障害物に対して、衝突する可能性が高いと予知し続けている予知継続時間を衝突予知部30のタイマにより計時する。つまり、ステップSA3でNoと判定されずに、ステップSA3〜SA10を繰り返す時間を計時する。その後、ステップSA11へ進む。
ステップSA11においては、上記ステップSA10で計時した予知継続時間が所定の時間以上か否かを判定する。所定の時間以上の場合にはステップSA17へ進む一方、所定時間よりも短い場合にはステップSA12へ進む。つまり、衝突予知部30によって車両1が障害物に衝突すると予知されて間もなくは予知継続時間が短いためステップSA12へ進むが、予知継続時間が長すぎる場合にはステップSA17へ進む。
ステップSA17においては、システム異常報知装置43を作動させて、運転者へシステム異常を報知するために警報を鳴らすと共に、その旨を表示して、運転者に安全装置の整備又は検査を促す。また、このときの故障コードを記録する。つまり、システム異常報知装置43を作動させた日時や回数を記録しておくことにより、整備工場等で安全装置を整備又は検査する際にシステム異常の状態を把握するのに役立てる。その後、リターンへ進む。
ステップSA12においては、衝突検知部36において車両1が衝突したか否かを検知する。衝突が検知された場合にはステップSA13へ進む一方、衝突が検知されない場合にはリターンへ進む。
ステップSA13においては、シートベルト装置12の第2プリテンショナ機構12dのインフレータを作動させて、ウエビング12aの張力が上記所定の第2張力となるようにウエビング12aを巻き取る。こうすることによって、車両衝突時の乗員への衝撃が低減される。その後、ステップSA14へ進む。
ステップSA14では、さらに、ブレーキアクチュエータ40を作動させて、所定の第2減速度を発生させるようにブレーキ装置11を作動させる。この第2減速度は上記第1減速度よりも大きい値である。具体的には、0.6Gの減速度で車速を減速させるようにブレーキ装置11を作動させる。このブレーキ装置11の制御は、衝突センサ24(加速度センサ)からの出力信号の立ち上がり時、即ち衝突と略同時に作動させる。このように、車両1の衝突と略同時に、強いブレーキを作動させることによって、車両衝突時の乗員への衝撃が低減される。その後、ステップSA15へ進む。尚、運転者自らがブレーキ装置11を操作し且つそのときの減速度が上記所定の第2減速度よりも大きい場合は、運転者が前方の障害物に気づいてブレーキ装置11を操作している可能性があるため、このブレーキ装置11による体感警報は行わず、運転者によるブレーキ装置11の操作を優先させる。
そして、車両1が衝突した場合には、ステップSA15において、計数部35のカウント量の積算値をリセットする。さらに、ステップSA16へ進み、衝突予知部30のタイマの予知継続時間をリセットする。その後、リターンへ進む。
この安全装置の制御は、イグニッションがオフ操作されて、オン/オフスイッチ25からオフ信号がPCS用CPU3aに入力されたときに終了する。このとき、計数部35のカウント量の積算値をリセットする。
したがって、上記実施形態1では、レーダ20により車両1の前方に障害物が検出すると共に衝突予知部30により衝突する可能性が高いと予知した場合には、ブレーキ装置11及びシートベルト装置12をそれぞれ第1減速度及び第1張力で予備的に作動させるため、車両衝突時の乗員への衝撃を低減することができる。また、これらブレーキ装置11及びシートベルト装置12の予備的な作動は断続的であるため、衝突前に運転者に対して体感警報を行うことができ、運転者の操作により障害物との衝突を回避できる場合もある。さらに、上記実施形態1は、衝突センサ24及び衝突検知部36が衝突を検知すると、衝突と略同時に、ブレーキ装置11及びシートベルト装置12をそれぞれ第2減速度及び第2張力でさらに強く作動させるため、車両衝突時の乗員への衝撃をさらに低減することができる。
また、上記衝撃低減制御部34がブレーキ装置11及びシートベルト装置12を作動させる際に、計数部35により所定のカウント量を計数すると共に車両1の衝突が検知されるか、又はイグニッションがオフ操作されるまで該カウント量の積算値を記憶して、この積算値が所定の閾値以上となったときにシステム異常報知装置43により運転者に異常を報知することによって、整備工場等で安全装置の検査を受けなくても、安全装置に異常が発生したことを容易且つ早期に検出することができると共に、運転者に安全装置の整備又は検査を促すことができる。その結果、実際には障害物と衝突する可能性が低いにもかかわらず不必要なときにブレーキ装置11やシートベルト装置12が作動して乗員の乗り心地を悪化させるといった不具合を早期に解消することができる。
例えば、レーダ20を車両1の前部において車幅方向中央から左右どちらかにオフセットさせて配置している場合には、オフセットさせている分だけレーダ20のミリ波発信軸を車両1の直進方向に対して中央寄りに予め傾けて配置している。かかる構成においては、レーダ20のミリ波発信軸が予め傾いている方向と同じ方向へ少しずれただけでも、障害物検出及び衝突予知の誤判定が起こり易い。よって、上記衝撃低減制御部34によるブレーキ装置11等の作動頻度によりシステム異常を検出する本実施形態1は、このようにレーダ20を車両1の前部において車幅方向中央から左右どちらかにオフセットさせて配置している安全装置に、特に有効である。
そして、上記計数部35においてカウント量を計数する際に、車両1の進行方向に対する障害物の左右方向(進行方向と直行する方向)への位置及び車両1の操舵角に応じてカウント量を小さくして計数することによって、車両1が障害物との衝突を回避する可能性を考慮しつつカウント量を計数することができ、安全装置が正常に作動しているにもかかわらず安全装置に異常が発生していると判断してシステム異常報知装置43により運転者に異常を報知することを防止することができる。つまり、システム異常の判定精度を向上させることができる。
さらに、上記実施形態1では、衝突予知部30のタイマにより予知継続時間を計時することによって、安全装置の異常を早期且つ容易に検出することができる。つまり、該予知継続時間が所定の時間よりも長い場合には、安全装置に異常が発生していると判断することができ、かかる場合には、システム異常報知装置43により異常が発生していることを運転者に報知して安全装置の整備又は検査を促す。この予知継続時間による安全装置の異常の検出は、上記カウント量の積算値による安全装置の異常の検出とは異なる側面から該異常を検出することができる。つまり、衝撃低減制御部34によるブレーキ装置11等の作動頻度による安全装置の異常の検出と、衝突予知部30による予知継続時間による安全装置の異常の検出を組み合わせることによって、該異常をより早期且つ容易に検出することができる。
続いて、本発明の他の実施形態について説明する。なお、以下では、上記実施形態1と同一の構成については同じ符号を付し、それ以上の説明を省略する。
《発明の実施形態2》
この実施形態2は、車両の安全装置の計数部35におけるカウント量の計数の仕方が実施形態1と異なる。尚、安全装置の構成等については実施形態1と同様である。実施形態2に係る車両の安全装置の制御について、図5、6に示すフローチャートに基づいて説明する。
ステップSB1〜SB4までは、実施形態1のステップSA1〜SA4と同様である。
ステップSB5においては、まず、衝突検知部36において車両1が衝突したか否かを検知する。衝突が検知されない場合にはステップSB6へ進む一方、衝突が検知された場合にはステップSB13へ進む。このステップSB5は実施形態1のステップSA12と同様のステップである。本実施形態2では、実施形態1とは異なり、実施形態1のステップSA5、SA6におけるブレーキ装置11及びシートベルト装置12の予備的な作動よりも、車両の衝突検出を優先させて実行している。
そして、衝突が検知されなかった場合には、ステップSB6〜SB8のステップが実行される。このステップSB6〜SB8は、実施形態1のステップSA5〜SA7と同様のステップであって、衝突前においてブレーキ装置11及びシートベルト装置12を予備的に作動させると共に、車両1が前方の障害物と衝突する可能性があることを運転者に種々の方法で報知して衝突を回避することを促す。その後、ステップSB9へ進む。
ステップSB9においては、計数部35により障害物の車両1の進行方向に対する進行方向と直交する方向への距離と車両1の操舵角とに応じてカウント量は調整すると共に、そのカウント量を計数して、その積算値を記憶する。その後、ステップSB10へ進む。このステップSB9は、実施形態1のステップSA9と同様のステップである。
ステップSB10においては、車両1がステップSB3において検出された、ある障害物に対して、衝突する可能性が高いと予知し続けている予知継続時間を衝突予知部30のタイマにより計時し、その後、ステップSB11へ進む。ステップSB11においては、上記ステップSB10で計時した予知継続時間が所定の時間以上か否かを判定する。所定の時間以上の場合にはステップSB12へ進む一方、所定時間よりも短い場合にはリターンへ進む。これらステップSB10、SB11は、実施形態1のステップSA10、SA11と同様のステップであって、衝突予知部30において衝突予知が継続されている予知継続時間を計時して、この予知継続時間の長さにより安全装置のシステム異常を検出する。
ステップSB12においては、システム異常報知装置43を作動させて、運転者へシステム異常を報知するために警報を鳴らすと共に、その旨を表示して、運転者に安全装置の整備又は検査を促す。また、このときの故障コードを記録する。つまり、システム異常報知装置43を作動させた日時や回数を記録しておくことにより、整備工場等で安全装置を整備又は検査する際にシステム異常の状態を把握するのに役立てる。その後、リターンへ進む。このステップSB12は、実施形態1のステップSA17と同様のステップである。
一方、ステップSB5において車両1の衝突が検知された場合には、ステップSB13へ進み、ステップSB13〜SB16までのステップが実行される。これらステップSB13〜SB16は、実施形態1のステップSA13〜SA16と同様のステップであって、車両衝突と略同時に、ブレーキ装置11及びシートベルト装置12を作動させて、車両衝突時の乗員への衝撃を低減させると共に、計数部35のカウント量の積算値と衝突予知部30のタイマの予知継続時間とをリセットする。その後、リターンへ進む。
このように、本実施形態2では、車両1の前方に衝突する可能性が高い障害物を検出した場合には、ブレーキ装置11及びシートベルト装置12を作動させると共に、ブレーキ装置11等を作動させる際に所定のカウント量を計数して、その積算値を記憶している。そして、衝撃低減制御部34によりブレーキ装置11及びシートベルト装置12を予備的に作動させている間は、ステップSB9を実行する度にカウント量を計数している。該ブレーキ装置11等が予備的に作動している間、即ち、レーダ20により検出されると共に衝突予知部30により衝突する可能性が高いと判断されてから、衝突予知部30により衝突する可能性が高くないと判断されるまでの間は、車両1と障害物とが衝突する可能性は刻々と変化する。つまり、ある同一の障害物に対してであっても、車両1の運転状況(特に操舵角)及び車両1との位置関係(特に進行方向に対する左右方向への位置)が異なれば、計数されるカウント量の大きさも異なる。そこで、上記のように衝撃低減制御部34によりブレーキ装置11等を予備的に作動させている間、カウント量を計数し続けることによって、安全装置に異常が発生している場合に計数したカウント量の積算値と、安全装置が正常であって且つ衝突を回避したときに計数したカウント量の積算値との差異がより明確に現れるようになる。例えば、安全装置が正常であって且つ衝突を回避する場合には、障害物が検出された直後のカウント量よりも衝突を回避するときのカウント量のほうが、車両1の操舵角も大きく且つ障害物の車両1の進行方向に対する左右方向への位置も離れるため、小さくなる。尚、安全装置の異常を判断する上記所定の閾値は、計数されるカウント量が多くなるため、実施形態1(所定の閾値は「3」)よりも大きな値に設定される。
したがって、本実施形態2では、上記実施形態1の効果に加えて、安全装置に異常が発生している場合に計数したカウント量の積算値と、安全装置が正常であって且つ衝突を回避したときに計数したカウント量の積算値との差異がより明確に現れるようになるため、車両1が衝突を回避する可能性をより考慮してカウント量を計数することができる。
《発明の実施形態3》
本実施形態3は、先行車に追従するように走行制御を行う車両に本発明に係る車両の安全装置を適用したものであって、実施形態1において走行制御を行わせるようにしたものである。
実施形態3に係る車両の安全装置の制御系について図7の制御ブロック図を用いて説明する。この安全装置は、PCS&ACC(Adaptive Cruse Control)用CPU3bを中心に構成されていて、レーダ20、各種センサ22〜24及びオン/オフスイッチ25に加えて、各種設定スイッチ50〜55から信号が入力され、ブレーキアクチュエータ40、シートベルトテンショナ41、警報/作動報知装置42及びシステム異常報知装置43に加えて、エンジンの点火時期調整手段60、燃料噴射弁61及びスロットルアクチュエータ62を制御することによって、先行車が存在しない場合は設定車速での定速制御を行い、先行車が存在する場合にはこの先行車との車間距離が目標車間距離となるような追従制御を行い、さらに、追従制御中に先行車が補足できなくなったときには定速制御に移行する、いわゆる走行制御を行うようになっている。
上記各種設定スイッチ50〜55の内、50は走行制御のオン・オフを行うACCメインスイッチ、51は定速制御の設定速度を設定するセットスイッチ及び設定速度を減速させるコーストスイッチ、52は走行制御が中断された場合に再び走行制御を復帰させるレジュームスイッチ及び設定速度を増速させるアクセルスイッチ、53は走行制御を中断させるキャンセルスイッチ、54は追従制御(車間距離制御)における先行車との目標車間距離を設定する目標車間距離設定スイッチ、55は運転者がブレーキペダルを踏むことによってオンとなり、キャンセルスイッチ53の操作とは別に走行制御をキャンセルするブレーキスイッチである。これらの走行制御の設定スイッチ50〜55は、運転席に配置されたステアリングシャフトから車幅方向に延設されたレバー部材に集中配置されている。
そして、上記セット/コーストスイッチ51、及びアクセル/レジュームスイッチ42についてさらに詳しく説明すると、上記セット/コーストスイッチ51は、ACCメインスイッチ50をオンした後に操作された場合にはセットスイッチとして機能し、上記セット/コーストスイッチ51をオンしたときの現車速を設定車速として設定するようになっている。一方、走行制御中、すなわち、すでに設定車速が設定されている状態でセット/コーストスイッチ51が操作された場合にはコーストスイッチとして機能する。これは定速制御中であれば、このセット/コーストスイッチ51をオンすることによって、スロットルバルブが全閉となり、車両が減速する。このとき、車速センサ21により検出されたサンプリング周期毎の車速が設定車速に随時更新される。一方、追従制御中に上記セット/コーストスイッチ51が瞬間的に操作された場合には設定車速を1km/hだけ減速させるようになり、また、追従制御中に上記セット/コーストスイッチ51をオンにした状態が保持された場合には、そのオンされた時間、例えば200ms毎に1km/hだけ設定車速を減速させるようになっている。
一方、上記アクセル/レジュームスイッチ42は、走行制御中に操作された場合にはアクセルスイッチとして機能する。そして、定速制御中であれば、このアクセル/レジュームスイッチ42をオンすることによって、現車速に応じた目標加速度が設定され、この目標加速度に基づいてスロットルアクチュエータ62が制御されて車両が増速する。このとき、車速センサ21により検出されたサンプリング周期毎の車速が設定車速に随時更新される。一方、追従制御中にアクセル/レジュームスイッチ42が瞬間的に操作された場合には、設定車速を1km/hだけ増速させるようになり、追従制御中に上記アクセル/レジュームスイッチ42をオンにした状態が保持された場合には、そのオンされた時間、例えば200ms毎に1km/hだけ設定車速を増速させるようになっている。これに対し、走行制御がキャンセルされた状態で上記アクセル/レジュームスイッチ42が操作された場合にはレジュームスイッチとして機能し、走行制御をキャンセルする直前の走行制御の状態、例えば設定車速や設定車間時間での走行制御に復帰するようになっている。
次に、上記安全装置における走行制御について、図8〜11に示すフローチャートに基づいて説明する。本実施形態3における走行制御は、実施形態1における衝撃低減制御と併せて行われるものであって、ステップSC1〜SC17は、実施形態1における衝撃低減制御と同様である。そして、実施形態1のフローチャート中のリターンを走行制御のフローチャートに置き換えることによって本実施形態3のフローチャートが構成される。つまり、イグニッションのオン操作によりステップSC1〜SC17において衝撃低減制御が開始され、引き続き、ステップSC18から走行制御が開始される。ステップSC1〜SC17のステップは実施形態1のステップSA1〜SA17と同様であるため、その説明は省略する。
まず、ステップSC18において、ACCメインスイッチ50がオンされたか否かを判定する。このACCメインスイッチ50がオンされていないときには、ACCメインスイッチ50がオンされるまで、ステップSC1〜SC17の衝撃低減制御とこのステップSC18を繰り返す。一方、オンされた場合には、ステップSC19へ進む。
そして、ステップSC19において、走行制御の各種設定スイッチ51〜55からの信号の読み取りを行う。
その後、ステップSC20へ進み、このステップSC20においては、先行車の有無を判定する。具体的には、レーダ20によって車両1の前方の障害物を検出すると共に、障害物認識部31によって該障害物の相対速度等から先行車であるか否かを判断する。こうして、先行車がない場合には、定速制御を行うべくステップSC21へ進む一方、先行車がある場合には、追従制御を行うべくステップSC31へ進む。
まず、定速制御について説明する。ステップSC21においては、セット/コーストスイッチ51がセットスイッチとしてオンされたときの現車速を設定車速とすると共に、リジューム/アクセルスイッチ52がアクセルスイッチとして、又はセット/コーストスイッチ51がコーストスイッチとして操作されたときの操作に応じて加減速制御を実施する。
そして、ステップSC22において、制御中断中か否かを判定する。具体的には、ACCメインスイッチ50をオンにしたときに、制御モードを1に設定しておく。この制御モードは制御実行中か制御中断中かを判定するためのフラグであり、1の場合は制御実行中を、0の場合は制御中断中を示す。つまり、ACCメインスイッチ50をオンにしたときのまま制御モードが1の場合は、ステップSC22において制御実行中と判定されステップSC23へ進む。一方、制御モードが0に設定されている場合は、制御中断中と判定されステップSC28へ進む。
ステップSC23では、ブレーキスイッチ55がオンか否かが判定される。オンの場合はステップSC30へ進み、ステップSC30において制御を中断すべく制御モードが0に設定されてリターンへ進む。一方、ブレーキスイッチ55がオフの場合は、ステップSC24へ進む。
そして、ステップSC24においては、設定車速と現車速との偏差(=設定速度−現速度)が正の所定値よりも大きいか否かを判定する。つまり、現速度が設定速度よりも遅いか否かを判定する。上記偏差が正の所定値よりも大きい場合はステップSC25へ進む一方、偏差が正の所定値以下の場合はステップSC26へ進む。ここで、現速度が設定速度よりも遅くても上記偏差が正の所定値以下の場合には、現速度は設定速度と略同じと判断してステップSC26へ進む。
ステップSC25においては、現速度を設定速度と一致させるべく、設定速度と現速度との偏差に応じた加速度となるように、エンジンの加速制御を行う。具体的には、上記燃料噴射弁61の噴射燃料を増加させるように、及び/又はスロットルアクチュエータ62によりスロットルバルブを開けるように制御して、現車速を加速させる。その後、リターンする。
一方、ステップSC26においては、設定車速と現車速との偏差が負の所定値よりも小さいか否かを判定する。つまり、現速度が設定速度よりも速いか否かを判定する。上記偏差が負の所定値よりも小さい場合はステップSC27へ進む一方、負の所定値以上の場合はリターンへ進む。ここで、現速度が設定速度よりも速くても上記偏差が負の所定値以上の場合には、現速度は設定速度と略同じと判断してリターンする。
ステップSC27においては、現速度を設定速度と一致させるべく、設定速度と現速度との偏差に応じた減速度となるように、エンジンの減速制御を行う。具体的には、点火時期調整手段60によりエンジンの点火時期を遅らせて出力を落とすこと、燃料噴射弁61の噴射燃料を減少させること及びスロットルアクチュエータ62によりスロットルバルブを閉じることのうちの少なくとも1つの方法により、現車速を減速させる。尚、上記の減速よりもさらに大きな減速させるために、ブレーキアクチュエータ40を作動させて減速させるように構成してもよい。
尚、ステップSC26からリターンへ進む場合は、現車速が、設定速度を中心に正の所定値と負の所定値との幅の中に入っているため、設定速度と略同じとして車速の調整を行わない。
また、上記ステップSC22において、制御中断中と判定されステップSC28へ進んだ場合には、ステップSC28においてリジューム/アクセルスイッチ52がリジュームスイッチとしてオンされたか否かを判定する。リジュームスイッチがオンされていない場合は、リターンする。そして、先行車が存在しない限り、リジュームスイッチがオンされるまでステップSC1〜SC28のステップを繰り返す。そして、リジュームスイッチがオンされている場合は、ステップSC29へ進み、制御を開始すべく制御モードが1に設定される。その後リターンする。
次に、追従制御について説明する。ステップSC20において、先行車があると判断された場合には、ステップSC31へ進み、ステップSC31において、目標車間距離設定スイッチ54の操作に応じて目標車間距離を設定する。その後、ステップSC31へ進む。
ステップSC32においては、制御中断中か否かを判定する。具体的には、制御モードが0か否かを判定する。制御モードが1の場合は、ステップSC32において制御実行中と判定されステップSC33へ進む。一方、制御モードが0に設定されている場合は、制御中断中と判定されステップSC40へ進む。
そして、ステップSC33においては、ブレーキスイッチ55がオンか否かが判定される。オンの場合はステップSC42へ進み、ステップSC42において制御を中断すべく制御モードが0に設定されてリターンへ進む。一方、ブレーキスイッチ55がオフの場合は、ステップSC34へ進む。
ステップSC34においては、現車間距離と目標車間距離との偏差(=現車間距離−目標車間距離)が正の所定値よりも大きいか否かを判定する。つまり、現車間距離が目標車間距離よりも長いか否かを判定する。上記偏差が正の所定値よりも大きい場合はステップSC35へ進む一方、偏差が正の所定値以下の場合はステップSC36へ進む。ここで、現車間距離が目標車間距離よりも長くても上記偏差が正の所定値以下の場合には、現車間距離は目標車間距離と略同じと判断してステップSC36へ進む。
ステップSC35においては、現車間距離を目標車間距離と一致させるべく、現車間距離と目標車間距離との偏差に応じた加速度となるように、エンジンの加速制御を行う。具体的な制御については、上記ステップSC25と同様である。その後、リターンする。
一方、ステップSC36においては、現車間距離と目標車間距離との偏差が第1の負の所定値よりも小さいか否かを判定する。つまり、現車間距離が目標車間距離よりも短いか否かを判定する。上記偏差が第1の負の所定値よりも小さい場合はステップSC37へ進む一方、偏差が第1の負の所定値以上の場合はリターンへ進む。ここで、現車間距離が目標車間距離よりも短くても上記偏差が第1の負の所定値以上の場合には、現車間距離は目標車間距離と略同じと判断してリターンへ進む。
ステップSC37においては、さらに、現車間距離と目標車間距離との偏差が、第1の負の所定値よりも小さい第2の負の所定値よりも小さいか否かを判定する。つまり、現車間距離が目標車間距離よりもかなり短いか否か、即ち急激な減速が必要か否かを判定する。上記偏差が第2の負の所定値よりも小さい場合はステップSC39へ進む一方、偏差が第2の負の所定値以上の場合はステップSC38へ進む。
ステップSC38においては、現車間距離を目標車間距離と一致させるべく、現車間距離と目標車間距離との偏差に応じた減速度となるように、エンジンの減速制御を行う。具体的な減速制御は、上記ステップSC27と同様である。その後、リターンへ進む。
ステップSC39においては、急激な減速が必要な場合であるので、現車間距離と目標車間距離との偏差に応じたより大きな減速度となるように、ブレーキアクチュエータ40を作動させてブレーキ制御を行う。このとき、必要に応じて、上記エンジンの減速制御を組み合わせてもよい。そして、さらに、警報/作動報知装置42を作動させて、先行車との車間距離が短いことを運転者に警報する。その後、リターンする。
尚、ステップSC36からリターンへ進む場合は、現車間距離が、目標車間距離を中心に正の所定値と負の所定値との幅の中に入っているため、現車間距離と目標車間距離とは略同じとして現車間距離の調整を行わない。
また、上記ステップSC32において、制御中断中と判定されステップSC40へ進んだ場合には、ステップSC40においてリジューム/アクセルスイッチ52がリジュームスイッチとしてオンされたか否かを判定する。リジュームスイッチがオンされていない場合は、リターンする。そして、先行車が存在する限り、リジュームスイッチがオンされるまでステップSC1〜SC40のステップを繰り返す。そして、リジュームスイッチがオンされている場合は、ステップSC41へ進み、制御を開始すべく制御モードが1に設定される。その後リターンする。
このように実施形態3に係る車両の安全装置では、車両1の前方に先行車がない場合には定速制御により設定速度で定速走行する一方、先行車がある場合には追従制御により該先行車と目標車間距離を保った状態で追従走行する。それに加えて、このような走行制御中において、車両1の前方に障害物(先行車やガードレール等)が検出され衝突する可能性が高いと判断された場合には衝撃低減制御が行われる。
したがって、本実施形態3では、走行制御により車両1が自動的に走行している場合であっても、車両1の前方に衝突可能性が高い障害物が検出された場合には衝撃低減制御が行われ、車両衝突時の乗員への衝撃を低減することができる。そして、この安全装置の衝撃低減制御に係るシステムに異常が発生したとしても、衝撃低減制御を行う頻度を検出しておくことによって、該異常を早期且つ容易に検出することができる。
《その他の実施形態》
本発明は、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態1〜3では、衝撃低減装置としてブレーキ装置11とシートベルト装置12とを採用しているが、どちらか一方であってもよい。
また、上記実施形態1〜3では、オン/オフスイッチ25によりPCS用CPU3aへイグニッションがオフ操作されたときのオフ信号を出力することによって、計数部35のカウント量の積算値をリセットしているが、これに限られるものではない。例えば、該オフ信号ではなく、整備工場等で安全装置の整備/検査を行う際に、安全装置を整備/検査モードに切り換えるときに出力されるモード切換信号によってカウント量の積算値がリセットされるようにしてもよい。
さらに、上記実施形態1〜3では、操舵量検出手段として操舵角検出部32を採用しているが、これに限られるものではない。すなわち、上記操舵角検出部32は、操舵角センサ22の出力信号を受けて操舵角を検出している。操舵量検出手段は、操舵角に限られず、舵角速度等を検出するように構成してもよい。つまり、舵角速度を検出することにより運転者が車両1を操作したか否かを判定できる。
また、上記実施形態3は、上記実施形態1において走行制御を行わせるようにしたものであるが、これに限られず、上記実施形態2において走行制御を行わせるようにしてもよい。
本発明の実施形態1に係る車両の概略平面図である。 安全装置の制御系を示す制御ブロック図である。 安全装置の制御のフローチャートの一部である。 安全装置の制御のフローチャートの一部である。 本発明の実施形態2に係る安全装置の制御のフローチャートの一部である。 安全装置の制御のフローチャートの一部である。 本発明の実施形態3に係る安全装置の制御系を示す制御ブロック図である。 安全装置の制御のフローチャートの一部である。 安全装置の制御のフローチャートの一部である。 安全装置の制御のフローチャートの一部である。 安全装置の制御のフローチャートの一部である。
符号の説明
1 車両
11 ブレーキ装置(衝撃低減装置)
12 シートベルト装置(衝撃低減装置)
20 レーダ(物体検出手段)
21 車速センサ(進行方向検出手段)
22 操舵角センサ(操舵量検出手段、進行方向検出手段)
23 ヨーレートセンサ(進行方向検出手段)
24 衝突センサ(衝突検知手段)
30 衝突予知部(衝突予知手段)
32 操舵角検出部(操舵量検出手段、進行方向検出手段)
33 進行方向検出部(進行方向検出手段)
34 衝撃低減制御部(衝撃低減制御手段)
35 計数部(計数手段)
36 衝突検知部(衝突検知手段)
43 システム異常報知装置(報知装置)

Claims (3)

  1. レーダ波を自車両の前方に発信し、自車両の前方に存在する物体からの反射波に基づいて該物体の位置を検出する物体検出手段と、
    自車両が上記物体と衝突したことを検知する衝突検知手段と、
    車両衝突時の乗員への衝撃を低減させる衝撃低減装置と、
    上記物体検出手段の検出結果に基づいて自車両が上記物体と衝突する可能性を予知する衝突予知手段と、
    上記衝突予知手段が自車両が該物体と衝突する可能性が高いと予知したときに、上記衝撃低減装置を作動させる衝撃低減制御手段と、
    上記衝撃低減制御手段が上記衝撃低減装置を作動させる際に所定のカウント量を計数すると共に、上記衝突検知手段による衝突検知又は所定の操作があるまでの該カウント量の積算値を記憶する計数手段と、
    上記カウント量の積算値が所定の閾値以上になったときに、運転者に対する報知を行う報知手段と、を備えていることを特徴とする車両の安全装置。
  2. 請求項1に記載の車両の安全装置において、
    自車両の走行状態から自車両の進行方向を検出する進行方向検出手段をさらに備え、
    上記計数手段は、上記物体検出手段によって検出された物体が上記進行方向検出手段によって検出された進行方向に対して左右方向へ離れているほど上記カウント量を小さくすることを特徴とする車両の安全装置。
  3. 請求項1又は2に記載の車両の安全装置において、
    自車両の車輪操舵量に関する値を検出する操舵量検出手段をさらに備え、
    上記計数手段は、上記操舵量検出手段の検出結果に基づく車輪操舵量が大きいほど上記カウント量を小さくすることを特徴とする車両の安全装置。
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