JP2006192288A - 脈波計測モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】 日常生活上発生する外乱の影響を低減し、脈拍を計測する。
【解決手段】 人体上の血管の位置及びそれ以外の位置を含む複数位置における接触による圧力を計測して複数の圧力測定値を得る圧力計測手段11と、複数の圧力測定値に基づいて、2つの位置間の相互相関関数を算出する算出手段129と、相互相関関数に基づいて、2つの位置間の圧力測定値の位相差を取得する位相差取得手段129と、位相差を除去するために2つの位置のうち少なくともいずれかの位置での圧力測定値に対応する波形の位相をシフトする位相シフト手段129と、位相差を除去した2つの位置での圧力測定値を加算する加算手段129を具備する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、睡眠状態計測、自律神経系状態計測、心的負荷計測などにより健康管理を目的とした脈波計測モジュールで、特に日常生活下での外乱による計測データの影響を低減する脈波計測モジュールに関する。
心拍は、人間の様々な状態を反映する指標で、医療目的に限らず、睡眠状態計測、自律神経系状態計測、心的負荷の計測など人間工学的な利用もなされており有用な指標である。心拍の上昇は、運動、緊張など心的負荷、姿勢変化などに伴う交感神経系の活性化により引き起こされる。また、心拍のゆらぎ成分も自律神経系の活動を反映しているといわれている。
心拍の計測は、主に心電図のR波の間隔から求めるものと、末梢の血流変化を脈波として捉えるものとの2種類の方法で行われる。心電図の計測は、最低でも心臓をはさむ2点の電極と不関電極の計3つを装着する必要があり、一般の健康な方が日常生活で利用することは困難である。
脈波は、心拍に同期して変動するため、このピーク間隔から心拍を取得することができる。また、波形を2回微分して、その波形から動脈硬化の度合いを検出するなど幅広い利用が可能である。脈波の計測方法には、主に光電式と圧力式の2つがある。光電式は、指腹部、手のひら、耳朶などに光の送受信デバイスを装着するだけで基本的には計測が可能であり簡便である(例えば、特許文献1、特許文献2、又は特許文献3参照)。また、もうひとつの方法である圧力式は微小の圧力センサで手首などの動脈上の皮膚の圧力変化を取得するものである(例えば、特許文献4参照)。
特許第2770371号公報 特許第3243970号公報 特許第3208538号公報 特許第3029912号公報
脈波の場合、計測は簡便であるが、一方で末梢にて計測するため、腕の動きなどの影響を受けやすくアーチファクト対策が非常に重要となる。特許文献4では、複数の圧力センサを用いてアーチファクト対策を行っている。しかし、特許文献4では、処理を単純化したために十分な精度で脈波を得ることができない。また、特許文献4では、アーチファクトは各センサに一様であると仮定していて、各センサにアーチファクトが一様でない場合は考慮されていない。
本発明は、上述した従来の技術に鑑み、日常生活上発生する外乱の影響を低減し、多様な状況でも脈拍を計測することができる脈波計測モジュールを提供することを目的とする。
本発明の脈波計測モジュールは、人体に接触して人体の脈波を計測する脈波計測モジュールにおいて、人体上の血管の位置及びそれ以外の位置を含む複数位置における接触による圧力を計測して複数の圧力測定値を得る圧力計測手段と、複数の圧力測定値に基づいて、2つの位置間の相互相関関数を算出する算出手段と、相互相関関数に基づいて、2つの位置間の圧力測定値の位相差を取得する位相差取得手段と、位相差を除去するために2つの位置のうち少なくともいずれかの位置での圧力測定値に対応する波形の位相をシフトする位相シフト手段と、位相差を除去した2つの位置での圧力測定値を加算する加算手段を備えている。
ここで、代表値とは、1以上の圧力測定値から抽出された1つの値のことであり、その抽出方法は限定しない。例えば、1以上の圧力測定値の平均値が代表値になりうる。また、1以上の圧力測定値から任意に1つの値を抽出することも考えられる。さらに、ここで平均値とは、例えば、加算平均、相乗平均、メジアン、モードによる演算された値であり、1以上の圧力測定値(振幅対応値)から所定の演算によって得られる代表値を示すものである。またここで、圧力測定値が1つの場合の平均値は、その圧力測定値そのものである。
以上のように、人体上の複数位置における圧力値に対応する圧力測定値を計測して、血管上とそれ以外の圧力測定値を得て血管上の外乱による圧力測定値を取得し、血管上の拍動による圧力測定値だけを抽出し、アーチファクトによる影響を低減することができる。また人体上の複数位置における圧力値に対応する圧力測定値の圧力波形の位相差を考慮し加算することでノイズの影響を低減することができる。
本発明の脈波計測モジュールによれば、日常生活上発生する外乱の影響を低減し、多様な状況でも脈拍を計測することができる。
以下、本発明の脈波計測モジュール及び脈派計測システムを図面を参照して説明する。
図1は、本発明の脈波計測システムを構成するセンサモジュール10とディスプレイ端末20の機能ブロック図である。脈波計測システムは、センサモジュール10とディスプレイ端末20とから構成される。
センサモジュール10は、圧力センサアレイ11及び信号処理データ蓄積通信部12からなる。圧力センサアレイ11は、複数の圧力センサ111、112、113から構成される。図1では、圧力センサ111、112、113は、3個しか描かれていないが、この数量は3個に限定されない。
信号処理データ蓄積通信部12は、圧力センサ111、112、113、アンプ121、122、123、フィルタ124、125、126、マルチプレクサ127、A/Dコンバータ128、DSP129、CPU130、メモリ131、Bluetooth(登録商標)モジュール132、バッテリ133から構成される。
ディスプレイ端末20は、Bluetoothモジュール201、処理部202、及び表示部203から構成される。また、図1の例では、ディスプレイ端末20は腕ベルト21を備えて、この腕ベルト21がディスプレイ端末20を腕に固定する。ディスプレイ端末20は時計としての機能を有していてもよい。
圧力センサ111、112、113は、皮膚に接触して接触面にかかる圧力を検出する。圧力センサ111、112、113は、検出した圧力を電気信号に変換しアナログ信号として出力する。
アンプ121、122、123は、図1に示したようにそれぞれ対応する圧力センサ111、112、113に接続している。各アンプ121、122、123は、対応する圧力センサ111、112、113の出力信号を入力し、その出力信号を増幅する。
フィルタ124、125、126は、図1に示したようにそれぞれ対応するアンプ121、122、123に接続している。各フィルタ124、125、126は、対応するアンプ121、122、123の出力信号をフィルタリングして、拍動の周期成分を十分に含む帯域以外の不要な周波数帯域成分を取り除く。
マルチプレクサ127は、フィルタ124、125、126からの信号を入力し、それらの入力信号を組み合わせて多重信号をつくる。A/Dコンバータ128は、多重信号をデジタル信号に変換する。DSP129は、A/Dコンバータ128からの信号に基づいて、後述するデータ処理を行い、脈拍データを取得する。
CPU130は、得られた脈拍データに関する制御を行う。例えば、CPU130は、脈拍データをメモリ131に記憶させる。メモリ131は、脈拍データを記憶し蓄積する。また、CPU130は、脈拍データを所定のタイミングでディスプレイ端末20に送信するようにBluetoothモジュール132に指示する。Bluetoothモジュール132は、近距離無線通信方式の1つであるBluetoothによる通信を実現するものである。Bluetoothモジュール132は、ディスプレイ端末20に含まれているBluetoothモジュール201との間で近距離無線通信を実現する。
Bluetoothモジュール201は、上述したBluetoothモジュール132に同様であり、センサモジュール10に含まれるBluetoothモジュール132との間で近距離無線通信を実現する。
処理部202は、Bluetoothモジュール201が受信した脈拍データを表示部203に表示されるように処理する。表示部203は、処理部202に処理されたデータを入力して、脈拍データに関する事項を表示する。
図2は、図1のセンサモジュール10の斜視図である。
センサモジュール10は、2次元アレイ状に圧力センサ111、112、113が配置されている圧力センサアレイ11の層と、信号処理データ蓄積通信部12の層からなる。圧力センサアレイ11は、ピエゾ抵抗式又は静電容量式により圧力を検出する。また、MEMS(Micro-Electro-Mechanical Systems)技術を用いて、センサモジュール10に圧力センサアレイ11及び信号処理データ蓄積通信部12を実装する。
図3は、図2のセンサモジュール10が皮膚上に装着されている模式図である。センサモジュール10は、パッチタイプに形成されており、手首の動脈血管上に配置されるように装着される。
図4は、図2のセンサモジュール10と動脈との位置関係を示す図である。圧力センサアレイ11の圧力センサの行方向又は列方向が可能な限り血管と平行になるようにセンサモジュール10を手首に装着する。
図5は、図2のセンサモジュールで計測される、アーチファクトがない場合の圧力波形の一例を示すグラフである。図4の位置y軸上の圧力センサによって得られる圧力値に対応する圧力測定値である振幅の時間変化を示したものである。アーチファクトとは、身体に起因する外乱であり、不要な信号成分の原因になるものである。
図4のようにセンサモジュール10が手首に装着されて圧力センサアレイ11に計測される波形データは、アーチファクトがない場合、図5のように動脈上に位置している圧力センサでは拍動に同期して大きな振幅が得られる。一方、図5から解るように、動脈上以外に位置している圧力センサでは、拍動には同期しているようだが非常に小さい振幅が得られるに過ぎない。
このように、アーチファクトがない場合は、拍動を正確に得ることができ、これを基に脈拍を正確に計測することができる。次に、このようなアーチファクトを除去し、かつ身体に起因しない外乱であるノイズを低減する方法を説明する。
図6は、図2のセンサモジュールを構成する圧力センサアレイの各圧力センサのうち動脈上にある圧力センサを示す図である。図6において、動脈上にある圧力センサは斜線を付してある。
図6に示すように、圧力センサは、動脈に直交する方向を行、動脈に平行な方向を列として行列状に配置されている。例えば、1行目では、A(1,1)、A(2,1)・・・A(8,1)のように各圧力センサが検出する圧力値に対応する振幅値が得られる。図6の圧力センサアレイ11は、8×8=64個の圧力アレイから構成されるので、8行目まであり最後の圧力センサが検出する振幅値はA(8,8)と示される。
動脈上に配置している圧力センサは、動脈上以外に配置している圧力センサに比較して、次図の図7に示すように、検出する振幅値は大きくなる。したがって、圧力センサが検出した振幅値を参照すれば、センサモジュール10が動脈の位置を決定することが可能になる。例えば、所定の閾値を設定して、圧力センサが検出した振幅値がその閾値以上であればその圧力センサは動脈上にあり、閾値未満であればその圧力センサは動脈上にないと判定すればよい。
また、すべての圧力センサが検出した振幅値のうち上位の振幅値を検出した圧力センサが血管上にあると判定してもよい。上位の振幅値は、例えば、全ての圧力センサが検出した振幅値の平均値よりも大きいものがそれに該当する。
実際的には、センサモジュール10を装着後、しばらくの間(例えば10秒間)、安静状態の下で信号処理データ蓄積通信部12がすべての圧力センサから圧力データ(振幅値)を取得する。信号処理データ蓄積通信部12はそこで得られた圧力波形の振幅値に基づいて各圧力センサが血管上にあるか否かを決定する。
図7は、図6の圧力センサの1行目の、アーチファクトが一様である場合の圧力波形の一例を示すグラフである。このグラフは、所定の期間中の振幅値の平均をとって、その平均値を増幅したものに対応する。図7は、図6の8行目に配置している圧力センサにより得られる振幅値を示す。図7に示される振幅分布を参照すれば、血管の位置を把握することが可能になる。
図8は、図1の脈波計測システムによるアーチファクト除去及びノイズ低減のフロー図である。ここでは、アーチファクトが一様であるとする。各圧力センサは微小であるので、身体に起因するアーチファクトは各圧力センサに一様にかかるとするのはよい近似である。この図8のフロー図に関する処理は、DSP129で実行される。
まず、図3に示したようにセンサモジュール10を手首の動脈血管上に装着し、血管位置の計測を行う(S11)。この血管位置の計測は、上記に図6を参照して説明した方法で血管位置を決定する。
血管にほぼ直交する方向で、かつステップS11で決定された血管位置以外に配置している各圧力センサから得られる振幅値の平均値を計算する(S12)。例えば、圧力センサアレイ11の圧力センサが配置している各行ごとで各圧力センサから得られる振幅値を平均化する。具体的には、図6に示した1行目に配列している圧力センサでは、A(1,1)、A(2,1)、A(3,1)、A(7,1)、及びA(8,1)の平均値Aa1を算出する。同様に、2行目以下も各行ごとに平均値を算出する。
変形例として、ステップS12では、血管にほぼ直交する方向で、かつステップS11で決定された血管位置及び血管位置以外に配置している各圧力センサから得られる振幅値の平均値を計算してもよい。具体的には、図6に示した1行目に配列している圧力センサでは、A(1,1)、A(2,1)、A(3,1)、A(4,1)、A(5,1)、A(6,1)、A(7,1)、及びA(8,1)の平均値Aa1’を算出する。同様に、2行目以下も各行ごとに平均値を算出する。
血管にほぼ直交する方向で、かつステップS11で決定された血管位置に配置している圧力センサから得られる振幅値を平均値を計算する(S13)。例えば、ステップS12と同様に圧力センサアレイ11の圧力センサが配置している各行ごとで各圧力センサから得られる振幅値を平均化する。具体的には、図6に示した1行目に配列している圧力センサでは、A(4,1)、A(5,1)、及びA(6,1)の平均値Ab1を算出する。同様に、2行目以下も各行ごとに平均値を算出する。
ステップS12で得られた平均値とステップS13で得られた平均値との差分を計算する(S14)。例えば、上記のように各行ごとに血管位置での振幅値の平均値と血管位置以外での振幅値の平均値との差分を計算する。具体的には、Ab1−Aa1を計算する。
以上のステップS11からステップS14までの計算により、アーチファクトを除去し血管の圧力変動のみを反映した圧力データを取得することができる。
また、上記のステップS12及びステップS13では、各圧力センサの振幅値の平均値を算出しているが、これは様々な変形が可能である。例えば、各圧力センサのうちある1つの圧力センサの振幅値を代表値として、平均値の代わりに用いてステップS12及びステップS13を実行する場合もありうる。また、各行の全ての圧力センサではなく、いくつかの圧力センサの振幅値の平均値を代表値としてステップS12及びステップS13を実行する場合もありうる。さらに、平均値とは、例えば、加算平均、相乗平均、メジアン、モードによる演算された値であり、1以上の圧力センサの振幅値から所定の演算によって得られる代表値を示すものである。またここで、ある圧力センサの振幅値が1つの場合の平均値は、その振幅値そのものである。本明細書においては、平均値は上記の意味で使用されている。
次に、圧力センサで検出された振幅値を加算することによって、身体に起因しない外乱であるノイズの影響を低減するための以下のプロセスを実行する。
まず血管方向に隣接した圧力センサ間の相互相関を計算し(S15)、その相互相関関数のピークのずれから圧力センサ間の振幅の位相差を取得する(S16)。例えば、上記のように行ごとに圧力センサが検出した振幅値の平均を求めている場合は、隣接した行間で相互相関を計算し、相互相関のピークのずれから位相差を求める。具体的には上記の場合は、Ac1とAc2の位相差tAc12を求める。
ステップS16で求めた位相差を補正した上で圧力波形(振幅分布)の加算を行う。すなわち、隣接した圧力センサ間で求められた位相差だけ隣接した圧力センサで検出した圧力波形のどちらかの位相をずらして、互いに位相差が無いようにした上でそれぞれの圧力センサでの振幅値を加算する。例えば、上記のように行ごとに圧力センサが検出した振幅値の平均を求めている場合は、隣接した行間ごとに得られた振幅値の位相差をなくすようにどちらかの行での圧力波形をずらし、加算する。具体的には、上記の場合は、Ac2の波形を位相差tAc12だけ進めた上でAc1に加算する。
この加算を圧力センサ間又は圧力センサアレイ11の行間で繰り返して、圧力センサアレイ11から1つの時間に依存した圧力波形を得る。この得られた圧力波形が脈波波形であるとみなして、この脈波波形のピーク検出を行う。このピーク間の時間間隔から脈拍の算出を行う(S17)。
図8では、アーチファクト除去(S12、S13、S14)後にノイズ除去(S15、S16)を行っているが、ノイズ除去後にアーチファクト除去を行ってもよい。例えば、列ごとに圧力センサの振幅値の平均をとり、それら隣接する列間で相互相関を計算し、列間の振幅の位相差を計算し、位相差が無くなるように圧力センサによる列の平均で得られた圧力波形の位相をずらす。その後、圧力センサ列のうちほぼ血管上にある列とそれ以外の列とに分けて、血管上にある列から得られる振幅の平均値と血管上以外にある列から得られる振幅の平均値との間で差分を計算する。そして、この得られた差分の時間に依存した圧力波形に基づいて、この脈波波形のピーク検出を行い、このピーク間の時間間隔から脈拍の算出を行う。
以下に、具体例として、ステップS15での相互相関関数を計算して、行間の圧力波形の位相差を求める方法を説明する。
図9は、行間の圧力波形の相互相関関数に基づいて位相差を決定する様子を示すグラフである。
ステップS14で得られたアーチファクト除去後の圧力センサアレイ11の行ごとの圧力平均値の時間tを変数とした振幅値に基づいて行間の相互相関を計算する。ここでは、具体例として圧力センサアレイ11の1行目と2行目の間での相互相関を計算する。1行目の圧力平均値をAc1(t)、2行目の圧力平均値をAc2(t)として、それぞれ図9に示したような分布を呈しているとする。図9に示したAc1(t)とAc2(t)は、圧力センサが異なる位置で圧力を検出したことによる位相差以外は同様な波形である。通常このような位相差がある複数の波形がステップS14で得られる。
Ac1(t)とAc2(t)の2つの相互相関関数をφAc1Ac2(t)とすると、
φAc1Ac2(t)=Ac1(t)*Ac2(t)
(*はコンボリューション(畳み込み積分)の演算子)
と表される。図9のAc1(t)とAc2(t)を上記の方程式に代入して計算すると相互相関関数φAc1Ac2(t)は図9に示した波形になる。φAc1Ac2(t)は、図9のようにt=0の位置からAc1(t)とAc2(t)の位相差tAc12分だけずれた位置にピークをもつような関数となる。したがって、φAc1Ac2(t)のピークを検出すると位相差tAc12を取得することができる(S15)。
次に、Ac1(t)とAc2(t)の位相差をなくすようにAc2(t)の位相をずらし、加算する。加算波形をAc(t)とすると
Ac(t)=Ac1(t)+Ac2(t+tAc12
と求められる。以降同様に、Ac2(t)とAc3(t)、Ac3(t)とAc4(t)等を加算してゆく。あるいは、Ac1(t)とAc3(t)、Ac1(t)とAc4(t)というようにAc1(t)を基準にして以降の行の圧力波形の加算を行っても良い。
図10は、図1の脈波計測システムによる回帰直線によるアーチファクト除去及びノイズ低減のフロー図である。なお、図8と同様なステップには同一符号を付して説明を省略する。
アーチファクトが一様でない場合のアーチファクト除去及びノイズ低減の処理を説明する。ここでは、アーチファクトが位置に関して1次関数(線形)であるとする。各圧力センサは剛体で構成されているので、アーチファクトが一様でない場合は身体の動き等による外部からの圧力によるアーチファクトは線形でかかると考えられる。したがって、アーチファクトが一様でない場合、各圧力センサの縦横の方向にそれぞれ1次関数としてアーチファクトがかかっているとみなすのはよい近似である。また、この図10のフロー図に関する処理は、図8と同様であり、DSP129で実行される。
まず、図8を参照して説明したように血管位置の計測を行い(S11)血管位置を決定する。
血管にほぼ直交する方向で、かつステップS11で決定された血管位置以外に配置している各圧力センサから得られる振幅値に基づき、位置を変数として位置と振幅値を関係づける回帰直線を決定する(S22)。例えば、圧力センサアレイ11の圧力センサが配置している各行ごとで各圧力センサから得られる振幅値に基づいて回帰直線を決定する。具体的には、図6に示した1行目に配列している圧力センサでは、A(1,1)、A(2,1)、A(3,1)、A(7,1)、及びA(8,1)に基づいて、横方向の位置yと振幅値により回帰直線A1(y)を求める。回帰直線A1(y)は、
A1(y)=p×y+c(p、cは定数)
のように表される。A1(y)は、一行目の横方向yに対するアーチファクトによる振幅値の推定値である。同様に、2行目以下も各行ごとに回帰直線を算出する。
血管位置にある圧力センサの振幅値と、その位置に対応した回帰直線によりその位置に対応したアーチファクト値の差分を計算する(S23)。その後、例えば、差分データについて各行ごとに平均を取得する。この差分計算後の値は、アーチファクトが除去された値である。
以上のステップS11からステップS23までの計算により、一次関数的なアーチファクトを除去し血管の圧力変動のみを反映した圧力データを取得することができる。
以後の身体に起因しない外乱であるノイズの影響を低減するためのステップは、図8を参照して説明したステップS15、S16、及びS17と同様であり、一次関数的なアーチファクトがある場合でも、ノイズの影響を低減することができる。
以上により、微小な複数の圧力センサをアレイ状に配置したセンサモジュール10により動脈下以外のセンサからの信号を元に外乱による信号を推定し、脈波信号と外乱による信号を分離して外乱にロバストな脈波計測が可能になる。
図11は、図6の圧力センサの1行目の、アーチファクトが一様でない場合の圧力波形の一例を示すグラフである。図11の点線で示した直線が図10のステップS22で計算された回帰直線である。実線で示した曲線は、各圧力センサが検出した振幅値である。
図12は、図1の圧力センサが圧力センサアレイ31上に円形に配置しているセンサモジュール10の変形例を示す図である。
図2に示したセンサモジュール10では、圧力センサが行列状に配置していたので、圧力センサの配置方向と手首の動脈血管の血管方向の位置関係を設定したい場合に、センサモジュール10を手首に取り付ける際にセンサモジュール10の圧力センサの配置方向を考慮する必要がある。
図12に示したように圧力センサアレイ31上に圧力センサ311、312、313を円形状に配置すれば、圧力センサの配置方向を考慮してセンサモジュール30を配置する必要が無くなるという効果がある。ユーザがセンサモジュール30を手首に装着する際に、圧力センサの配置方向を気にせずセンサモジュール30を取り付けることが可能になる。
なお、その他のセンサモジュール30の構成及び動作は上述したセンサモジュール10と同様である。その他、ディスプレイ端末20も同様である。また、センサモジュール30を備えた脈波計測システムによるアーチファクト除去及びノイズ低減は、図8、図10及びそれらに関連する図で説明した手順で達成される。
図13は、図1のセンサモジュール10及びディスプレイ端末20が腕ベルト21によって一体化されている脈波計測システムの一例を示す図である。
図1では、センサモジュール10のBluetoothモジュール132とディスプレイ端末20のBluetoothモジュール201との間でデータの交換が可能となる構成であるが、この構成に限定されない。例えば、図13に示したように、腕時計の腕ベルト21のリスト部分にセンサモジュール10を装着し、ディスプレイ端末20と一体化してもよい。この場合、センサモジュール10とディスプレイ端末20の間は有線で接続し、有線を介してデータ交換が行われてもよい。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の脈波計測システムを構成するセンサモジュールとディスプレイ端末の機能ブロック図。 図1のセンサモジュールの斜視図。 図2のセンサモジュールが皮膚上に装着されている模式図。 図2のセンサモジュールと動脈との位置関係を示す図。 図2のセンサモジュールで計測される、アーチファクトがない場合の圧力波形の一例を示すグラフ。 図2のセンサモジュールを構成する圧力センサアレイの各圧力センサのうち動脈上にある圧力センサを示す図。 図6の圧力センサの1行目の、アーチファクトが一様である場合の圧力波形の一例を示すグラフ。 図1の脈波計測システムによるアーチファクト除去及びノイズ低減のフロー図。 行間の圧力波形の相互相関関数に基づいて位相差を決定する様子を示すグラフ。 図1の脈波計測システムによる回帰直線によるアーチファクト除去及びノイズ低減のフロー図。 図6の圧力センサの1行目の、アーチファクトが一様でない場合の圧力波形の一例を示すグラフ。 図1の圧力センサが圧力センサアレイ上に円形に配置しているセンサモジュールの変形例を示す図。 図1のセンサモジュール及びディスプレイ端末が腕ベルトによって一体化されている脈波計測システムの一例を示す図。
符号の説明
10・・・センサモジュール、11・・・圧力センサアレイ、12・・・信号処理データ蓄積通信部、20・・・ディスプレイ端末、21・・・腕ベルト、30・・・センサモジュール、31・・・圧力センサアレイ、111、112、113、311、312、313・・・圧力センサ、121、122、123・・・アンプ、124、125、126・・・フィルタ、127・・・マルチプレクサ、128・・・A/Dコンバータ、129・・・DSP、130・・・CPU、131・・・メモリ、132、201・・・Bluetoothモジュール、133・・・バッテリ、202・・・処理部、203・・・表示部

Claims (1)

  1. 人体に接触して該人体の脈波を計測する脈波計測モジュールにおいて、
    前記人体上の血管の位置及びそれ以外の位置を含む複数位置における接触による圧力を計測して複数の圧力測定値を得る圧力計測手段と、
    前記複数の圧力測定値に基づいて、2つの位置間の相互相関関数を算出する算出手段と、
    前記相互相関関数に基づいて、前記2つの位置間の圧力測定値の位相差を取得する位相差取得手段と、
    前記位相差を除去するために前記2つの位置のうち少なくともいずれかの位置での圧力測定値に対応する波形の位相をシフトする位相シフト手段と、
    位相差を除去した前記2つの位置での圧力測定値を加算する加算手段を具備することを特徴とする脈波計測モジュール。
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