JP2006191863A - 安定化酵素組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 プロテアーゼ及び他の酵素の活性が、長期間にわたって維持される得る安定化酵素組成物を提供すること。
【解決手段】 液体媒体中に、プロテアーゼと共に、該プロテアーゼとは異なる他の酵素の少なくとも1種以上を共存せしめてなる酵素含有溶液に対して、更に、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー型非イオン性界面活性剤を、安定化剤として含有せしめることにより、目的とする安定化酵素組成物を得た。
【選択図】 な し
【解決手段】 液体媒体中に、プロテアーゼと共に、該プロテアーゼとは異なる他の酵素の少なくとも1種以上を共存せしめてなる酵素含有溶液に対して、更に、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー型非イオン性界面活性剤を、安定化剤として含有せしめることにより、目的とする安定化酵素組成物を得た。
【選択図】 な し
Description
本発明は、安定化酵素組成物に係り、特に、コンタクトレンズ等の洗浄用酵素剤として好適に用いられ得る安定化酵素組成物に関するものである。
従来より、水性媒体中に、酵素や他の種々の化合物を含有せしめてなる液状酵素溶液(酵素組成物)が、様々な用途の下に開発され、使用されている。そのような酵素組成物の中でも、特に、コンタクトレンズの洗浄に用いられるものとしては、コンタクトレンズに付着しやすい汚れ成分である蛋白質や脂質を除去することを目的として、蛋白質分解酵素であるプロテアーゼや脂質分解酵素であるリパーゼ等を水性媒体に含有せしめたものや、プロテアーゼと共に、脂質の除去やプロテアーゼの安定化を目的として界面活性剤を含有せしめたもの等が、広く知られている。
例えば、特許文献1(特開平4−370197号公報)においては、コンタクトレンズ表面へ付着する脂質の除去を目的とする酵素液体洗浄剤であって、脂質分解酵素を、所定量の多価アルコールを含む水溶液に均一に溶解分散させ、安定化された液体であることを特徴とするものが、開示されている。しかしながら、かかる酵素液体洗浄剤は、洗浄成分として、例えば蛋白質分解酵素等の蛋白質を除去可能な物質を含まないものであるところから、コンタクトレンズ表面に付着した蛋白質の除去については、何ら効果を発揮するものではなかった。
また、特許文献2(特開平7−76700号公報)では、界面活性剤を配合することを特徴とするタンパク分解酵素含有コンタクトレンズ用剤の安定化方法が、開示されているが、かかる安定化方法は、コンタクトレンズ表面に付着した蛋白質を除去するために添加されたタンパク分解酵素を、界面活性剤を用いて安定化させる方法に過ぎないものであって、そのような方法によって安定化されたコンタクトレンズ用剤が、昨今のシリコーンハイドロゲル製のコンタクトレンズに付着しやすい汚れ成分である脂質を効果的に除去することが出来るか、否かについては、特許文献2において、何ら明らかにされていない。なお、界面活性剤は、一般的に、脂質除去能を有するものの、特にシリコーンハイドロゲル製のコンタクトレンズに付着した脂質成分を除去することは、困難である。
ところで、コンタクトレンズに付着した脂質汚れを効果的に除去できるリパーゼ等の脂質分解酵素やその他の酵素は、何れも、蛋白質にて構成されていることから、そのような酵素とプロテアーゼとを併用した従来の液状酵素溶液にあっては、かかる酵素がプロテアーゼによって分解され、その結果、酵素の活性が高い状態にて長期間保存することが困難であるという問題があった。
このため、そのような問題を解決すべく、特許文献3(特許第2745397号公報)においては、コンタクトレンズに付着する蛋白質及び脂質の両方を除去することが可能であり、長期間にわたって酵素の安定性が保持され得るコンタクトレンズ洗浄剤として、プロテアーゼとリパーゼからなる酵素水溶液に、酵素安定化剤としてプラセンタエキスを配合し、かかる酵素水溶液のpHを調整したものが、開示されている。
しかしながら、この特許文献3のコンタクトレンズ洗浄剤において、酵素安定化剤として用いられるプラセンタエキスは、動物由来の成分であり、品質が不安定であるところから、コンタクトレンズ洗浄剤に含まれる酵素の安定性も未だ十分なものとは言えず、また、医療器具であるコンタクトレンズの洗浄液としての安全性が十分に確保できないという問題もあった。
また、特許文献4(特開2000−239696号公報)においては、非イオン性界面活性剤又は両性界面活性剤と、加水分解酵素と、多価アルコールと、ホウ素化合物とを、各々所定量ずつ併用したコンタクトレンズ用処理液が、開示されている。
しかしながら、特許文献4においても、酵素同士の分解を防ぎ、酵素の安定性を向上させる方策については、何ら明らかにされていないのであり、プロテアーゼと他の酵素とを併用した酵素組成物であって、長期間にわたって酵素の安定性が十分に保たれたものについては、未だ改良の余地が残されていたのである。
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、蛋白質分解酵素たるプロテアーゼと、プロテアーゼとは異なる他の酵素とを併用した酵素含有溶液であって、かかる他の酵素が、プロテアーゼによって分解されることなく溶液中に安定して存在し、以て、プロテアーゼ及び他の酵素の活性が長期間にわたって保持され得る安定化酵素組成物を提供することにある。
そして、本発明は、上述の如き課題を解決するために、液体媒体中に、プロテアーゼと共に、該プロテアーゼとは異なる他の酵素の少なくとも1種以上を共存せしめてなる酵素含有溶液に対して、更に、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー型非イオン性界面活性剤を、安定化剤として含有せしめたことを特徴とする安定化酵素組成物を、その要旨とするものである。
ここで、本発明に従う安定化酵素組成物の好ましい態様の一つにおいては、前記他の酵素の一つが、コレステロールエステラーゼ又はリパーゼであり、また、好ましい態様の他の一つにおいては、前記非イオン性界面活性剤が、エチレンジアミンにポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマーを付加してなる構造のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン置換エチレンジアミン化合物である。
また、本発明の安定化酵素組成物における望ましい態様の一つにおいては、前記ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン置換エチレンジアミン化合物が、3000以上の平均分子量を有するものであり、さらに、望ましい態様の他の一つにおいては、前記ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン置換エチレンジアミン化合物が、0.001〜10w/v%の範囲で含有せしめられる。
さらに、本発明の安定化酵素組成物における他の好ましい態様の一つにおいては、多価アルコール及び/又はホウ素化合物を、更に含有している。
さらにまた、本発明の安定化酵素組成物における他の望ましい態様の一つにおいては、平均分子量が800〜100000のポリアルキレングリコール類を、更に含有しているのであり、また、別の望ましい態様の一つにおいては、前記ポリアルキレングリコール類が、ポリエチレングリコールとされる。
そして、本発明に従う安定化酵素組成物の更に別の好ましい態様の一つによれば、上述した安定化酵素組成物は、洗浄用酵素剤として用いられるのであり、特に、コンタクトレンズの洗浄に、好適に使用されるのである。
このように、本発明に従う安定化酵素組成物においては、液体媒体中に、プロテアーゼと共に、該プロテアーゼとは異なる他の酵素の少なくとも1種以上を共存せしめてなる酵素含有溶液に対して、更に、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー型非イオン性界面活性剤を含有せしめているところから、かかる特定の非イオン性界面活性剤が、プロテアーゼによる他の酵素の分解を効果的に抑制し、以て、プロテアーゼ及び他の酵素の活性が、何れも、長期間にわたって持続されることとなる。
具体的には、他の酵素として、脂質分解酵素であるコレステロールエステラーゼ又はリパーゼを用いると、かかるコレステロールエステラーゼ等は、溶液中に共存せしめられたポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー型非イオン性界面活性剤によって、プロテアーゼによる酵素反応(分解反応)から効果的に回避されるのであり、以て、コレステロールエステラーゼ等の脂質分解能、及びプロテアーゼの蛋白質分解能が長期間にわたって発揮され得る、安定した酵素組成物となるのである。
また、本発明において、プロテアーゼ等の酵素と共に含有せしめられるポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー型非イオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン置換エチレンジアミン化合物を用いると、溶液中に含まれるプロテアーゼ等の酵素の安定性が、より効果的に高められた酵素組成物となる。
さらに、本発明に従う安定化酵素組成物には、上記の各成分以外にも、多価アルコール、ホウ素化合物、及び平均分子量が800〜100000のポリアルキレングリコール類等を含有せしめることが可能であり、これらを1種又は2種以上含有せしめることにより、安定化酵素組成物に対して、各成分に応じた優れた特性を付与することが可能である。
そして、そのような優れた特性を発揮する安定化酵素組成物にあっては、洗浄用酵素剤として、特に、コンタクトレンズの洗浄の際に、有利に用いられることとなるのである。
ところで、本発明に従う安定化酵素組成物は、酵素成分として、蛋白質分解酵素であるプロテアーゼと、プロテアーゼとは異なる他の酵素の少なくとも1種以上が含有せしめられてなるものである。
ここにおいて、本発明におけるプロテアーゼとしては、従来より公知の各種のもの、具体的には、植物由来のパパインや、動物由来のトリプシン、キモトリプシン、エラスターゼ、更には、バチルス属、アスペルギルス属又はペニシリウム属等の微生物由来のプロテアーゼの中から、目的とする安定化酵素組成物の用途に応じたものが、適宜に選択されて用いられる。それらの中でも、本発明においては、液体媒体中における安定性が優れている等の理由により、バチルス属の微生物由来のプロテアーゼが有利に用いられ得るのであり、例えば、CL−5PG(商品名、ナガセケムテックス株式会社製)等を好適に用いることが出来る。
なお、プロテアーゼの含有量が0.1単位/mLに満たないと、得られる安定化酵素組成物において十分な蛋白質除去効果が発揮されない恐れがある一方、100000単位/mLを超えると、液体媒体へのプロテアーゼの溶解性が悪化する恐れがあるところから、本発明の安定化酵素組成物においては、0.1〜100000単位/mLの範囲内において、好ましくは、1〜10000単位/mLの範囲内において、目的とする安定化酵素組成物に応じたプロテアーゼの含有量が決定される。
一方、かかるプロテアーゼと共に液体媒体中に共存せしめられる他の酵素としては、従来より公知の各種酵素の何れも用いることが可能であり、それら酵素の中から1種又は2種以上のものが、目的とする酵素組成物の用途に応じて適宜に選択されて用いられる。具体的には、そのような他の酵素としては、脂質分解酵素であるリパーゼやコレステロールエステラーゼを始めとして、糖鎖分解酵素、キトサン分解酵素、ムチン分解酵素、リゾチーム、ヒアルロニダーゼ等の酵素を例示することが可能であり、例えば、本発明の安定化酵素組成物をコンタクトレンズの洗浄用酵素剤として用いる場合には、コンタクトレンズ表面に付着する汚れ成分の一種である脂質を分解、除去することを目的として、脂質分解酵素であるリパーゼ若しくはコレステロールエステラーゼ等を好適に用いることができる。なお、リパーゼとしてはリパーゼOF(商品名、名糖産業株式会社製)が、また、コレステロールエステラーゼとしてはCHE−2(商品名、天野エンザイム株式会社製)が、それぞれ有利に用いられる。
なお、そのようなプロテアーゼ以外の酵素の含有量は、用いた酵素の種類や目的とする用途等に応じて適宜に決定されることとなるが、好ましくは0.1〜100000単位/mL、より好ましくは1〜10000単位/mLとされる。けだし、含有量が0.1単位/mL未満の酵素組成物では、かかる酵素組成物を洗浄等の目的とする用途に用いても、十分な洗浄効果等を発揮しない恐れがあり、一方、含有量が1000000単位/mLを超えると、液体媒体への酵素の溶解性が悪化する恐れがあるからである。
そして、本発明に従う安定化酵素組成物においては、水等の液体媒体に、プロテアーゼと共に、上述の如きプロテアーゼ以外の酵素とを共存せしめてなる酵素含有溶液に、更に、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー型非イオン性界面活性剤を安定化剤として含有せしめているところに、大きな特徴を有している。
すなわち、プロテアーゼとそれ以外の他の酵素とを含有する酵素含有溶液に対して、特定の非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー型非イオン性界面活性剤を配合せしめることにより、かかる非イオン性界面活性剤が、プロテアーゼによる他の酵素の分解を効果的に抑制乃至は阻止することとなり、以て、得られる酵素組成物にあっては、プロテアーゼ及び他の酵素の活性が、何れも長期間にわたって持続し得る安定したものとなるのである。
ここで、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー型非イオン性界面活性剤とは、よく知られているように、親水性及び親油性をそれぞれ示すポリオキシエチレン(POE)基及びポリオキシプロピレン(POP)基がブロック的に配列、結合された構造のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマーやその誘導体からなる界面活性剤である。本発明においては、そのような従来より公知の各種ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー型非イオン性界面活性剤の何れもが使用可能であり、それら各種のものの中から、安定化酵素組成物の用途に応じたものが適宜に選択されて、用いられることとなる。なお、このポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー型非イオン性界面活性剤において、単純なブロックコポリマータイプのものとしては、例えば、市販されているプルロニック、プルロニックR(以上、独国:BASF社製)等、具体的には、ポロクサマー188、ポロクサマー237、ポロクサマー338、ポロクサマー407等を挙げることが出来る。
また、そのようなポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー型非イオン性界面活性剤の中でも、特に、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマーの誘導体の一種である、エチレンジアミンにポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマーを付加してなる構造のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン置換エチレンジアミン化合物にあっては、酵素組成物中におけるプロテアーゼ及び他の酵素の安定化効果が非常に優れており、また、生体への安全性が高く、尚且つ眼科的に許容され得るものであって、本発明の安定化酵素組成物をコンタクトレンズの洗浄用酵素剤として用いることが可能ならしめられるものであるところから、本発明においては、特に有利に用いられる。例えば、そのようなエチレンジアミン化合物としては、テトロニック、テトロニックR(以上、独国:BASF社製)、具体的には、テトロニック704、テトロニック904、テトロニック908、テトロニック1107、テトロニック1307等を、例示することができる。
なお、本発明におけるポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー型非イオン性界面活性剤として、上述の如き、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン置換エチレンジアミン化合物を用いる場合にあっては、その平均分子量が3000以上のものが、プロテアーゼ等の安定化効果の点においてより優れているといった理由から、好適に用いられる。また、そのようなポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン置換エチレンジアミン化合物の含有量が少なすぎると、酵素の安定化が十分に図れない恐れがあり、一方、その含有量が多すぎると、例えば、コンタクトレンズの洗浄用酵素剤として用いた場合に、コンタクトレンズの洗浄の際に皮膚障害を生じる恐れがあることから、本発明においては、かかるエチレンジアミン化合物の含有量は、酵素組成物中において0.01〜10w/v%となるように、好ましくは0.1〜5.0w/v%となるように、調製されることとなる。
ところで、本発明に従う安定化酵素組成物においては、上述したプロテアーゼ、プロテアーゼ以外の他の酵素、及びポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー型非イオン性界面活性剤以外にも、更に、以下の如き各成分を含有せしめることにより、本発明の目的をより有利に達成することが出来る。
具体的には、酵素組成物中における酵素の安定性をより高めるために、多価アルコールを添加することが好ましい。かかる多価アルコールとしては、従来より公知の各種多価アルコールの何れをも用いることが可能であり、それら各種の多価アルコールの中から、目的とする安定化酵素組成物の用途に応じたものが適宜に選択されて、使用されることとなる。
例えば、本発明の安定化酵素組成物をコンタクトレンズの洗浄用酵素剤として用いる場合には、生体に対する安全性が高く、且つコンタクトレンズの物性を変化させないものが有利に用いられるのであり、そのような多価アルコールとしては、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ポリエチレングリコール(平均分子量が800未満の液状のもの)、ポリプロピレングリコール(平均分子量が800未満の液状のもの)、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、トレオース、グルコース等を挙げることが出来る。それらの中でも、酵素安定化効果が高いという理由から、グリセリン、又はポリエチレングリコール(平均分子量が800未満の液状のもの)を好適に用いることが出来る。なお、多価アルコールの含有量が少なすぎると、多価アルコールの添加による酵素の安定化が十分に図れない恐れがあり、一方、その含有量が多すぎると、コンタクトレンズの物性に悪影響を与える等の問題を誘発する恐れがあるところから、本発明においては、酵素組成物中において10〜80w/v%の割合となるように、好ましくは30〜60w/v%の割合となるように、多価アルコールが含有せしめられることとなる。
また、本発明においては、生体に対して安全であり、且つ防腐・緩衝効果を発揮するホウ酸、ホウ砂等のホウ素化合物が有利に添加される。かかるホウ素化合物は、酵素組成物中において0.1〜5.0w/v%の割合となるように、好ましくは0.5〜3.0w/v%の割合となるように、含有せしめられる。その含有量が0.1w/v%未満では、防腐・緩衝効果が発揮されない恐れがあり、その一方、含有量が5.0w/v%を超えると、酵素組成物への溶解性が悪化する恐れがあるからである。
さらに、本発明においては、酵素組成物中における酵素の安定化に寄与すると共に、酵素組成物に対して水分保持効果を付与せしめること等を目的として、ポリアルキレングリコール類が有利に含有せしめられる。ここで、本発明において用いられ得るポリアルキレングリコール類としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル等を例示することができ、それらの中でも、特に、水溶性高分子有機物であって、常温で固体のもの、具体的には、ポリエチレングリコールが有利に用いられる。
なお、かかるポリアルキレングリコール類のうち、平均分子量が800未満のものは、水分保持効果を効果的に発揮し得ない恐れがあり、一方、平均分子量が100000を超えるものは、酵素組成物の粘性が高くなりすぎる恐れがあるところから、平均分子量が800〜100000、好ましくは1000〜20000の範囲内にあるポリアルキレングリコール類が、好適に用いられ得る。また、そのようなポリアルキレングリコール類の含有量は、酵素組成物中に5.0〜45w/v%の割合において、好ましくは5.0〜20w/v%の割合において、含有せしめられる。けだし、その含有量が少なすぎると、酵素の安定化、浸透圧の軽減等の効果が有利に発揮されない恐れがあり、また、多すぎると、酵素組成物の粘性が高くなりすぎる恐れがあるからである。
而して、本発明に従う安定化酵素組成物は、上述せる如きプロテアーゼ、プロテアーゼとは異なる他の酵素、及びポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー型非イオン性界面活性剤の他、必要に応じて多価アルコール、ホウ素化合物、ポリアルキレングリコール類を、従来と同様に、適当な液体媒体中に適量において添加、溶解せしめることにより、調製されるものであるが、本発明では、そのような成分以外にも、目的とする安定化酵素組成物の用途に応じた各種添加成分が、適宜に選択されて、通常の添加割合において添加せしめられていても、何等差し支えない。
例えば、本発明に係る安定化酵素組成物を、コンタクトレンズの洗浄用酵素剤として用いる場合にあっては、一般的なコンタクトレンズ用の液剤において用いられている各種添加成分を、適宜に選択して、通常の添加割合において添加せしめることができる。そのような添加成分は、生体への安全性が高く、尚且つ眼科的に充分に許容され、しかもコンタクトレンズの形状又は物性に対する影響のないものであることが好ましく、また、そういった要件を満たす量的範囲内で用いられることが望ましいのであり、これによって、本発明の効果を何等阻害することなく、その添加成分に応じた各種の機能を、安定化酵素組成物に対して有利に付与することが出来るのである。
具体的には、本発明の安定化酵素組成物において、コンタクトレンズの消毒効果乃至は殺菌効果、更には、安定化酵素組成物の防腐・保存効果を有利に発現させるためには、防腐効力乃至は殺菌効力を有する防腐・殺菌剤が添加せしめられる。なお、そのような防腐・殺菌剤としては、一般に、防腐乃至は殺菌効力と共に、眼やコンタクトレンズへの適合性に優れたもの、更には、アレルギー等の障害の要因となり難いものが望ましく、公知の各種のものの中から、適宜なものが選定されて、単独で或いは複数を組み合わせて用いられることとなる。
因みに、そのような防腐・殺菌剤としては、例えば、硝酸フェニル水銀、酢酸フェニル水銀及びチメロサール等の水銀系防腐・殺菌剤、塩化ベンザルコニウム、臭化ピリジニウム等の界面活性剤系防腐・殺菌剤、クロルヘキシジン、クロロブタノール等のアルコール系防腐・殺菌剤、その他メチルパラベン、プロピルパラベン、ジメチロールジメチルヒダントイン、イミダゾリウムウレア、有機窒素系防腐・殺菌剤等を、用いることが出来る。それらの中の有機窒素系防腐・殺菌剤の代表例としては、(1)4級アンモニウム化合物又はその重合物である塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ダイマー136等、(2)ビグアニド化合物又はその重合物乃至はその塩であるグルコン酸クロルヘキシジン、ポリヘキサメチレンビグアニド等、(3)前記(1)及び(2)の重合物等が挙げられる。これらの中でも、安全性が高いことから、ビグアニド化合物又はその誘導体(重合物や塩)がより好ましいのであり、更にこれらの中でも、コンタクトレンズへの吸着が少ないヘキサメチレンビグアニド(PHMB)が、より一層好適に採用される。なお、このような防腐・殺菌剤の添加量は、0.00001〜1.0w/w%であることが好ましい。
また、本発明に従う安定化酵素組成物にあっては、そのpH値が大きくなり過ぎても、逆に小さくなり過ぎても、かかる安定化酵素組成物にて洗浄等したコンタクトレンズを装用した際に、眼に対して刺激を与えたり、眼障害を招来する恐れがあるところから、通常、そのような安定化酵素組成物のpH値は、適当なpH調整剤や緩衝剤等の添加によって、5.0〜9.0程度に調製されることが望ましい。
なお、そのようなpHの調整のために用いられるpH調整剤としては、水酸化ナトリウムや塩酸等が利用される一方、安定化酵素組成物のpHを前記した範囲に有効に且つ眼に対して安全な範囲に保つための緩衝剤としては、従来から公知の各種のものの中から、適宜に選択されて、用いられることとなる。具体的には、リン酸、ホウ酸、カルボン酸、オキシカルボン酸等の酸や、その塩(例えば、ナトリウム塩等)、更にはGood−Bufferやトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(Bis−Tris)、炭酸水素ナトリウム等を、眼に対して安全であり、しかもコンタクトレンズに対する影響を少なくすることが出来るという理由から、挙げることが出来る。
さらに、コンタクトレンズ、特にソフトコンタクトレンズには、一般に、涙液からの汚れとして、カルシウム等が沈着乃至は吸着する可能性があることから、そのようなカルシウム等の沈着乃至は吸着を防止するべく、コンタクトレンズの洗浄に用いられる安定化酵素組成物には、キレート化剤も、また、有利に添加せしめられることとなる。そのようなキレート化剤としては、例えば、クエン酸及びその塩や、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びその塩、具体的には、エチレンジアミン四酢酸・二ナトリウム(EDTA・2Na)、エチレンジアミン四酢酸・三ナトリウム(EDTA・3Na)等が挙げられる。
また、本発明の安定化酵素組成物にあっては、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー型非イオン性界面活性剤と、必要に応じて添加される多価アルコール、及びポリアルキレングリコール類との組合せによって、その粘度が有利に調整され得るようになっているものの、それら以外に、従来から公知の粘稠化剤乃至は増粘剤を、更に必要に応じて、補助的に添加せしめることも可能である。なお、そのような粘稠化剤としては、例えば、ムコ多糖類、ヘテロ多糖類等の種々のガム類;ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等の合成有機高分子化合物;ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体;スターチ誘導体等を、例示することが出来る。
加えて、本発明に従う安定化酵素組成物は、その必須成分たるプロテアーゼ及び特定の非イオン性界面活性剤によって、コンタクトレンズの洗浄用酵素剤として優れた洗浄効果を発揮し得るものではあるが、それら以外に、公知の界面活性剤を適宜に選択して、補助的に用いることも可能である。なお、採用される界面活性剤としては、生体への安全性が高く、またコンタクトレンズへの影響がないものであることが望ましい。また、平均分子量が5000未満の界面活性剤は、使用期間が長期化するにつれて、コンタクトレンズの材質中に過吸着・過吸蔵する恐れがある。
これらの他にも、本発明の安定化酵素組成物をコンタクトレンズの洗浄用酵素剤として用いる場合には、かかる組成物を用いて洗浄したコンタクトレンズの装用者が、コンタクトレンズの装用やストレス等に起因して、眼内の炎症を発症することを有利に防止すべく、グリチルリチン酸及びその塩、ε−アミノカプロン酸、アラントイン、アズレンスルホン酸ナトリウム等の消炎剤を添加せしめたり、ビタミンA類(パルミチン酸レチノール、β−カロチン等を含む)、ビタミンB2 、B6 、B12、酢酸d−α−トコフェロール等のビタミンE類、パンテノール等のビタミン類や、アスパラギン酸及びその塩、アミノエチルスルホン酸、アルギニン、アラニン、リジン、グルタミン酸等のアミノ酸類の各種添加成分を、適宜、添加することも可能である。
ところで、本発明に従う安定化酵素組成物は、上述の如き各成分を、従来と同様に、適当な液体媒体中にそれぞれ適量において添加、含有せしめることにより、調整されることとなるのであるが、それに際して用いられる液体媒体としては、従来より酵素含有溶液の溶媒として用いられている各種溶媒の中から、目的とする酵素組成物の用途に応じたものが、適宜に選択されて用いられる。例えば、コンタクトレンズの洗浄用酵素剤として用いる場合にあっては、水道水や精製水、蒸留水等の水そのものの他、水を主体とする溶液をも含む水系媒体が、有利に用いられる。
また、上述の如き各種成分を含有せしめてなる、本発明の安定化酵素組成物を調製するに際しては、何ら特殊な方法を必要とせず、通常の酵素溶液を調製する場合と同様に、液体媒体中に各成分を溶解させることにより、容易に得ることが出来る。
そして、以上のようにして得られる本発明に従う安定化酵素組成物は、そこに含まれるプロテアーゼ及びプロテアーゼ以外の他の酵素の活性が、何れも長時間にわたって維持せしめられるものであるところから、例えば、洗浄用酵素剤として有利に用いられることとなる。具体的には、プロテアーゼ以外の他の酵素としてリパーゼ等の脂質分解酵素を用いたものにあっては、衣類、食器、眼鏡、髭剃り、ブラシ等の生体由来の脂質汚れが付着するものを洗浄する際に用いることができ、特に、蛋白質汚れ及び脂質汚れが付着しやすいコンタクトレンズの洗浄に、特に有利に用いることが出来る。
具体的には、本発明に従う安定化酵素組成物を用いて、コンタクトレンズに付着した汚れの除去や洗浄を行なうに際しては、通常、従来と同様に、所定の希釈液に希釈されて使用される方法が、有利に採用されることとなる。
ここで、かかる希釈液としては、洗浄対象であるコンタクトレンズの形状や物性に悪影響を与えないものであれば、特に制限されるものではなくコンタクトレンズの種類に応じて適宜に選択可能である。例えば、マルチパーパスソリューションや、保存液、煮沸消毒を行なう際のコンタクトレンズ用液剤、過酸化水素システムにて消毒を行なう際のコンタクトレンズ用液剤の他、生理食塩水、水道水、精製水や蒸留水等の水等を用いることが可能であるが、それらの中でも、特に、コンタクトレンズの保存、洗浄、濯ぎ及び消毒のうちの少なくとも2つ以上を1液で行なうことが出来るマルチパーパスソリューションが、より有利に用いられる。このような希釈液に希釈される際には、一般に、1滴の容量が20μL〜80μLのとき、2mLの希釈液に対して、1〜3滴程度の安定化酵素組成物が滴下されて、混合される。
なお、本発明の安定化酵素組成物を、コンタクトレンズの洗浄用酵素剤として用いる際に、その対象とするコンタクトレンズとしては、その種類が何ら限定されるものではなく、例えば、非含水、低含水、高含水等の全ての分類されるソフトコンタクトレンズ、及びハードコンタクトレンズがその対象となり得るのであって、コンタクトレンズの材質等が、本発明の適用に際して何ら問われることはない。
以下に、本発明の実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等が加え得るものであることが、理解されるべきである。なお、本実施例1乃至3において、リパーゼ活性又はコレステロールエステラーゼ活性の測定は、下記の手法に従って行なった。
−リパーゼ活性測定法−
大日本製薬株式会社製のリパーゼキットS(商品名)を用いて以下の操作を行なった。先ず、発色液[5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)溶液]:1mLと、PBS(リン酸バッファー)にて希釈した試料:50μLとを、試験管内にて混合し、得られた混合液を、30℃で5分間、予熱した。次いで、かかる混合液に、100μLの基質液
[三酪酸ジメルカプロール(BALB)溶液]を加えて、混和した後、30℃で30分間、放置した。しかる後、混合液中に2mLの反応停止液を加え、得られた混合液について、412nmの吸光度(試料吸光度)を測定した。
大日本製薬株式会社製のリパーゼキットS(商品名)を用いて以下の操作を行なった。先ず、発色液[5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)溶液]:1mLと、PBS(リン酸バッファー)にて希釈した試料:50μLとを、試験管内にて混合し、得られた混合液を、30℃で5分間、予熱した。次いで、かかる混合液に、100μLの基質液
[三酪酸ジメルカプロール(BALB)溶液]を加えて、混和した後、30℃で30分間、放置した。しかる後、混合液中に2mLの反応停止液を加え、得られた混合液について、412nmの吸光度(試料吸光度)を測定した。
一方、基質(BALB)と試料とを反応させていない状態の混合液、所謂、盲検を調製すべく、上記と同様に発色液と試料とを混合せしめ、30℃で5分間予熱した後、基質液を加えることなく、30℃で30分間、放置し、その後、2mLの反応停止液を加え、更に、100μLの基質液を加えて、混合した。このようにして得られた混合液(盲検)について、412nmの吸光度(盲検吸光度)を測定した。そして、下記の式(1)より、試料のリパーゼ活性[BALB]を算出した。
〈式1〉
試料のリパーゼ活性[BALB]=[(試料吸光度)−(盲検吸光度)]×1000
〈式1〉
試料のリパーゼ活性[BALB]=[(試料吸光度)−(盲検吸光度)]×1000
−コレステロールエステラーゼ活性測定法−
以下の手順に従って、基質溶液及びコレステロールオキシダーゼ溶液を調製した。基質溶液については、先ず、非イオン性界面活性剤であるTriton X-100 :200μLを、70℃の精製水:20mLに加え、攪拌することにより、Triton X-100 水溶液を得た。一方、湯浴上で、10mgのコレステロールリノレートを、0.5mLのイソプロパノールに加温溶解せしめ、これを、70℃に保たれたTriton X-100 水溶液に加え、30分間、攪拌した。かかる攪拌の後、0.2MのK−リン酸バッファー(pH:7.0。以下、単にK−リン酸バッファーとする。)を30mL加え、更に、4−アミノアンチピリン水溶液(濃度:17.6mg/mL)を1mL、6%フェノール水溶液を2mL、ペルオキシダーゼのK−リン酸バッファー溶液(濃度:150PU/mL)を2mL、各々、順次に加え、得られた溶液を、基質溶液とした。他方、コレステロールオキシダーゼ溶液については、コレステロールオキシダーゼ(東洋紡績株式会社製、COO−311)を氷冷した精製水に添加して、濃度が300U/mLとなるように調製した。
以下の手順に従って、基質溶液及びコレステロールオキシダーゼ溶液を調製した。基質溶液については、先ず、非イオン性界面活性剤であるTriton X-100 :200μLを、70℃の精製水:20mLに加え、攪拌することにより、Triton X-100 水溶液を得た。一方、湯浴上で、10mgのコレステロールリノレートを、0.5mLのイソプロパノールに加温溶解せしめ、これを、70℃に保たれたTriton X-100 水溶液に加え、30分間、攪拌した。かかる攪拌の後、0.2MのK−リン酸バッファー(pH:7.0。以下、単にK−リン酸バッファーとする。)を30mL加え、更に、4−アミノアンチピリン水溶液(濃度:17.6mg/mL)を1mL、6%フェノール水溶液を2mL、ペルオキシダーゼのK−リン酸バッファー溶液(濃度:150PU/mL)を2mL、各々、順次に加え、得られた溶液を、基質溶液とした。他方、コレステロールオキシダーゼ溶液については、コレステロールオキシダーゼ(東洋紡績株式会社製、COO−311)を氷冷した精製水に添加して、濃度が300U/mLとなるように調製した。
このようにして得られた基質溶液の1000μLを試験管に取り、37℃で3分間、予熱し、そこへコレステロールオキシダーゼ溶液:35μLを添加し、更に37℃で2分間、予熱した。かかる予熱の後、K−リン酸バッファーで2倍に希釈した試料溶液:35μLを加え、得られた溶液について、500nmでの吸光度変化を測定した。そして、この測定結果より、吸光度変化の初速度ν(min-1)を計算し、下記の式(2)より、試料のコレステロールエステラーゼ活性を算出した。なお、1分間に1μmolの基質を分解する酵素活性を、1単位とした。
〈式2〉
[試料のコレステロールエステラーゼ活性]
=ν×[2×(1000+35+35)/35]× (1/13.78)×(1.0)×(2)
[2×(1000+35+35)/35 ]:試料溶液の希釈倍率
[13.78(cm・mM)-1 ]:1mMのキノンイミン色素(反応によって生成)の吸 光係数
[1.0(cm) ]:セルの光路長
[2 ]:キノンイミン色素1分子が、過酸化水素(反応途中に生成)から生じる ことによる係数
〈式2〉
[試料のコレステロールエステラーゼ活性]
=ν×[2×(1000+35+35)/35]× (1/13.78)×(1.0)×(2)
[2×(1000+35+35)/35 ]:試料溶液の希釈倍率
[13.78(cm・mM)-1 ]:1mMのキノンイミン色素(反応によって生成)の吸 光係数
[1.0(cm) ]:セルの光路長
[2 ]:キノンイミン色素1分子が、過酸化水素(反応途中に生成)から生じる ことによる係数
〈実施例1〉
精製水に対して、所定の添加成分を、下記表1に示される各種割合においてそれぞれ添加せしめることにより、各種酵素組成物(試料1〜9)を、それぞれ調製した。なお、かかる酵素組成物の調製に際しては、プロテアーゼとして、CL−5PG(ナガセケムテックス株式会社製)を、また、プロテアーゼ以外の酵素として、リパーゼ(リパーゼOF:名糖産業株式会社製)又はコレステロールエステラーゼ(CHE−2:天野エンザイム株式会社製)を用い、更に、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー型非イオン性界面活性剤として、テトロニック1107(Tetronic1107)又はテトロニック1307(Tetronic1307)(以上、BASF社製)を用いた。また、多価アルコールとしては、グリセリンを用い、ポリアルキレングリコール類としては、ポリエチレングリコール(平均分子量:1000)を用い、更に、緩衝剤としては、ホウ砂を用いた。
精製水に対して、所定の添加成分を、下記表1に示される各種割合においてそれぞれ添加せしめることにより、各種酵素組成物(試料1〜9)を、それぞれ調製した。なお、かかる酵素組成物の調製に際しては、プロテアーゼとして、CL−5PG(ナガセケムテックス株式会社製)を、また、プロテアーゼ以外の酵素として、リパーゼ(リパーゼOF:名糖産業株式会社製)又はコレステロールエステラーゼ(CHE−2:天野エンザイム株式会社製)を用い、更に、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー型非イオン性界面活性剤として、テトロニック1107(Tetronic1107)又はテトロニック1307(Tetronic1307)(以上、BASF社製)を用いた。また、多価アルコールとしては、グリセリンを用い、ポリアルキレングリコール類としては、ポリエチレングリコール(平均分子量:1000)を用い、更に、緩衝剤としては、ホウ砂を用いた。
上記で得られた9種類の酵素組成物(試料1〜9)のうち、試料1〜4に関しては、各々、調製直後の試料の一部について、上記の手法に従って、試料のリパーゼ活性(保存前の活性)を測定すると共に、残った試料を、45℃に保たれた恒温槽内にて7日間、保存し、かかる保存後の試料について、リパーゼ活性(保存後の活性)を測定した。また、試料5〜9に関しては、各々、調製直後の試料の一部について、上記の手法に従って、試料のコレステロールエステラーゼ活性(保存前の活性)を測定すると共に、残った試料を、40℃に保たれた恒温槽内にて7日間、保存し、かかる保存後の試料について、コレステロールエステラーゼ活性(保存後の活性)を測定した。そして、それら測定結果より、各試料における、リパーゼ若しくはコレステロールエステラーゼの残存活性[(保存後の活性/保存前の活性)×100(%)]を算出し、その結果を、下記表2又は表3に示した。
かかる表2の結果からも明らかなように、本発明の如く、プロテアーゼとリパーゼと共に、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー型非イオン性界面活性剤を配合せしめてなる酵素組成物(試料2〜4)にあっては、非イオン性界面活性剤を配合していない酵素組成物(試料1)と比較して、リパーゼの残存活性が高く、そのような非イオン性界面活性剤によって、プロテアーゼによるリパーゼの失活が効果的に抑制されたことが、認められた。同様に、プロテアーゼとコレステロールエステラーゼと共に、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー型非イオン性界面活性剤を配合せしめてなる酵素組成物(試料6〜9)にあっても、非イオン性界面活性剤を配合していない酵素組成物(試料6)と比較して、コレステロールエステラーゼの残存活性が高いのであり、特定の非イオン性界面活性剤によって、プロテアーゼによるコレステロールエステラーゼの失活が効果的に抑制されたことが、確認されたのである。
〈実施例2〉
精製水に対して、所定の添加成分を、下記表4に示される各種割合においてそれぞれ添加せしめることにより、各種酵素組成物(試料10〜18)を、それぞれ調製した。なお、リパーゼとして、リパーゼLP(旭化成ファーマ株式会社製)を用い、また、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー型非イオン性界面活性剤として、テトロニック904(Tetronic 904)、テトロニック908(Tetronic 908)、プルロニックF108(Pluronic F108 )又はプルロニックF127(Pluronic F127 )(以上、BASF社製)を用い、更に、それらポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー型非イオン性界面活性剤との比較として、非イオン性界面活性剤であるPOE(20)ソルビタンモノオレエート、POE(10)オクチルフェニルエーテル、POE(21)ラウリルエーテル、又は両性界面活性剤である塩酸アルキルジアミノエチルグリシンを用いた。これら以外の成分については、実施例1と同様のものを用いた。
精製水に対して、所定の添加成分を、下記表4に示される各種割合においてそれぞれ添加せしめることにより、各種酵素組成物(試料10〜18)を、それぞれ調製した。なお、リパーゼとして、リパーゼLP(旭化成ファーマ株式会社製)を用い、また、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー型非イオン性界面活性剤として、テトロニック904(Tetronic 904)、テトロニック908(Tetronic 908)、プルロニックF108(Pluronic F108 )又はプルロニックF127(Pluronic F127 )(以上、BASF社製)を用い、更に、それらポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー型非イオン性界面活性剤との比較として、非イオン性界面活性剤であるPOE(20)ソルビタンモノオレエート、POE(10)オクチルフェニルエーテル、POE(21)ラウリルエーテル、又は両性界面活性剤である塩酸アルキルジアミノエチルグリシンを用いた。これら以外の成分については、実施例1と同様のものを用いた。
そして、得られた9種類の酵素組成物(試料10〜18)に関して、実施例1と同様に、調製直後の試料、及び一定条件下において保存した後の試料について、上記の手法に従ってリパーゼ活性を測定し、その結果から、各試料におけるリパーゼの残存活性を算出した。なお、各試料の保存は、45℃×7日間の条件にて、実施した。各試料について得られた残存活性の結果を、下記表5に示した。
かかる表5の結果からも明らかなように、本発明の如く、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー型非イオン性界面活性剤を配合せしめてなる酵素組成物(試料11〜14)にあっては、そのような非イオン性界面活性剤を配合していない酵素組成物(試料10)と比較して、リパーゼの残存活性が高いことが認められ、また、かかる特定のものとは異なる種類の非イオン性界面活性剤を配合せしめた酵素組成物(試料15〜17)や、両性界面活性剤を配合せしめたもの(試料18)と比較しても、リパーゼの残存活性が高いのであり、本発明における特定の非イオン性界面活性剤によって、プロテアーゼによるリパーゼの失活が効果的に抑制されたことが、認められたのである。
〈実施例3〉
精製水に対して、所定の添加成分を、下記表6に示される各種割合においてそれぞれ添加せしめることにより、各種酵素組成物(試料19〜27)を、それぞれ調製した。なお、本実施例においては、プロテアーゼとして、CL−5PGに代えてClear−Lens Pro(商品名、ノボザイムズジャパン株式会社製)を用いた以外は、上記実施例2と同様の成分を用いた。
精製水に対して、所定の添加成分を、下記表6に示される各種割合においてそれぞれ添加せしめることにより、各種酵素組成物(試料19〜27)を、それぞれ調製した。なお、本実施例においては、プロテアーゼとして、CL−5PGに代えてClear−Lens Pro(商品名、ノボザイムズジャパン株式会社製)を用いた以外は、上記実施例2と同様の成分を用いた。
そして、得られた9種類の酵素組成物(試料19〜27)に関して、実施例1と同様に、試料の調製直後の、及び一定条件下において保存した後の試料について、上記の手法に従ってリパーゼ活性を測定し、その結果から、各試料におけるリパーゼの残存活性を算出した。なお、各試料の保存は、45℃×14日間の条件にて、実施した。各試料について得られた残存活性の結果を、下記表7に示した。
かかる表7の結果からも明らかなように、実施例2で用いたものとは異なる種類のプロテアーゼを用い、更に、実施例2より長期間、保存した場合であっても、本発明の如く、所定の非イオン性界面活性剤を配合せしめてなる酵素組成物(試料20〜23)にあっては、非イオン性界面活性剤を全く含有していないもの(試料19)や、本発明とは異なる種類の非イオン性界面活性剤を含有しているもの(試料24〜27)と比較して、リパーゼの残存活性が高いことが認められたのである。
〈実施例4〉
本願に係る安定化酵素組成物を、コンタクトレンズの洗浄剤として用いた場合の効果を確認すべく、以下の実験を行なった。なお、以下の各試験において、コンタクトレンズの濁度は、日本電色工業株式会社製濁度計(NDH−300A)を用いて測定した。
本願に係る安定化酵素組成物を、コンタクトレンズの洗浄剤として用いた場合の効果を確認すべく、以下の実験を行なった。なお、以下の各試験において、コンタクトレンズの濁度は、日本電色工業株式会社製濁度計(NDH−300A)を用いて測定した。
−タンパク質除去試験−
先ず、リン酸緩衝生理食塩水溶液に、卵白由来のリゾチーム(シグマ アルドリッチ ジャパン社製)を溶解せしめて、その濃度が0.5mg/mLの溶液を調製した。この調製した溶液の2mLを、ソフトコンタクトレンズ用耐熱性保存ケース(株式会社メニコン製、商品名:サーモケース)内に入れ、そこへ、予め濁度計にてレンズ濁度(タンパク質付着前のコンタクトレンズ濁度:Tn)を測定済みの、使い捨てソフトコンタクトレンズ(ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社製、商品名:ワンデーアキュビュー)を、1枚、浸漬せしめた。そして、かかる保存ケースを、ソフトコンタクトレンズ用煮沸消毒器(株式会社メニコン製、商品名:サーモライザーミニ)に装着し、煮沸操作を行なうことにより、タンパク質付着コンタクトレンズを作製した。なお、同様の手順を繰り返すことによって、計3枚のタンパク質付着コンタクトレンズを準備した。また、得られたタンパク質付着コンタクトレンズの各々については、そのレンズ濁度(タンパク質付着後のコンタクトレンズ濁度:Tp)を測定した。
先ず、リン酸緩衝生理食塩水溶液に、卵白由来のリゾチーム(シグマ アルドリッチ ジャパン社製)を溶解せしめて、その濃度が0.5mg/mLの溶液を調製した。この調製した溶液の2mLを、ソフトコンタクトレンズ用耐熱性保存ケース(株式会社メニコン製、商品名:サーモケース)内に入れ、そこへ、予め濁度計にてレンズ濁度(タンパク質付着前のコンタクトレンズ濁度:Tn)を測定済みの、使い捨てソフトコンタクトレンズ(ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社製、商品名:ワンデーアキュビュー)を、1枚、浸漬せしめた。そして、かかる保存ケースを、ソフトコンタクトレンズ用煮沸消毒器(株式会社メニコン製、商品名:サーモライザーミニ)に装着し、煮沸操作を行なうことにより、タンパク質付着コンタクトレンズを作製した。なお、同様の手順を繰り返すことによって、計3枚のタンパク質付着コンタクトレンズを準備した。また、得られたタンパク質付着コンタクトレンズの各々については、そのレンズ濁度(タンパク質付着後のコンタクトレンズ濁度:Tp)を測定した。
一方、3個のガラス容器の各々に、コンタクトレンズ用液剤(株式会社メニコン製、商品名:ニューアイネス)を2mLずつ入れ、かかる容器のうちの2個については、更に、実施例2において調製した試料10及び試料12であって、加速保存(45℃×7日間に相当)したものを、それぞれ0.08mLずつ添加した。次いで、各々のガラス容器内の溶液中に、別途作製したタンパク質付着コンタクトレンズを、1枚ずつ、浸漬せしめ、室温で6時間、放置した。かかる放置の後、容器内からコンタクトレンズを取り出し、各々のレンズについて、そのレンズ濁度(溶液処理後のコンタクトレンズ濁度:Tt)を測定した。そして、下記の式(3)に従って、各コンタクトレンズにおけるタンパク質除去率(%)を算出した。得られたタンパク質除去率を、下記表8に示す。
〈式3〉
[タンパク質除去率(%)]
={[(Tp−Tn)−(Tt−Tn)]/(Tp−Tn)}×100
〈式3〉
[タンパク質除去率(%)]
={[(Tp−Tn)−(Tt−Tn)]/(Tp−Tn)}×100
−脂質除去試験−
先ず、1mLのクロロホルム/メタノール溶液(クロロホルム:メタノール=1:1)に、パルミチン酸、ステアリン酸ステアリル、コレステロール、コレステロールパルミテート、及びトリパルミチンを、それぞれ20mgずつ配合して、溶解させた。得られた溶液の10μLを、ガラス容器中の生理食塩水:1mLに添加し、これを攪拌、混合した後、超音波処理を施すことによって、脂質を均一に懸濁させた。その後、予め濁度計にてレンズ濁度(脂質付着前のコンタクトレンズ濁度:Tn’)を測定済みのシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ(主成分:シリコーン含有マクロマー)を、1枚、浸漬せしめ、室温で20時間、振盪することにより、脂質付着コンタクトレンズを作製した。なお、同様の手順を繰り返すことによって、計3枚の脂質付着コンタクトレンズを準備した。また、得られた脂質付着コンタクトレンズの各々については、そのレンズ濁度(脂質付着後のコンタクトレンズ濁度:Tp’)を測定した。
先ず、1mLのクロロホルム/メタノール溶液(クロロホルム:メタノール=1:1)に、パルミチン酸、ステアリン酸ステアリル、コレステロール、コレステロールパルミテート、及びトリパルミチンを、それぞれ20mgずつ配合して、溶解させた。得られた溶液の10μLを、ガラス容器中の生理食塩水:1mLに添加し、これを攪拌、混合した後、超音波処理を施すことによって、脂質を均一に懸濁させた。その後、予め濁度計にてレンズ濁度(脂質付着前のコンタクトレンズ濁度:Tn’)を測定済みのシリコーンハイドロゲルコンタクトレンズ(主成分:シリコーン含有マクロマー)を、1枚、浸漬せしめ、室温で20時間、振盪することにより、脂質付着コンタクトレンズを作製した。なお、同様の手順を繰り返すことによって、計3枚の脂質付着コンタクトレンズを準備した。また、得られた脂質付着コンタクトレンズの各々については、そのレンズ濁度(脂質付着後のコンタクトレンズ濁度:Tp’)を測定した。
一方、3個のガラス容器の各々に、コンタクトレンズ用液剤(株式会社メニコン製、商品名:ニューアイネス)を2mLずつ入れ、かかる容器のうちの2個については、更に、実施例2において調製した試料10及び試料12であって、加速保存(45℃×7日間に相当)したものを、それぞれ0.08mLずつ添加した。次いで、各々のガラス容器内の溶液中に、別途作製した脂質付着コンタクトレンズを、1枚ずつ、浸漬せしめ、かかる状態において、30℃で15時間、放置した。かかる放置の後、容器内からコンタクトレンズを取り出し、各々のレンズについて、そのレンズ濁度(溶液処理後のコンタクトレンズ濁度:Tt’)を測定した。そして、下記の式(4)に従って、各コンタクトレンズにおける脂質除去率(%)を算出した。得られた脂質除去率を、下記表9に示す。
〈式4〉
[脂質除去率(%)]
={[(Tp’−Tn’)−(Tt’−Tn’)]/(Tp’−Tn’)}×100
〈式4〉
[脂質除去率(%)]
={[(Tp’−Tn’)−(Tt’−Tn’)]/(Tp’−Tn’)}×100
上記表8及び表9の結果からも明らかなように、本発明に従う酵素組成物(試料12)にあっては、これをコンタクトレンズの洗浄剤として用いると、優れたタンパク質除去効果を発揮しつつ、優れた脂質除去効果をも発揮することが、認められたのである。
Claims (11)
- 液体媒体中に、プロテアーゼと共に、該プロテアーゼとは異なる他の酵素の少なくとも1種以上を共存せしめてなる酵素含有溶液に対して、更に、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー型非イオン性界面活性剤を、安定化剤として含有せしめたことを特徴とする安定化酵素組成物。
- 前記他の酵素の一つが、コレステロールエステラーゼ又はリパーゼである請求項1に記載の安定化酵素組成物。
- 前記非イオン性界面活性剤が、エチレンジアミンにポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマーを付加してなる構造のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン置換エチレンジアミン化合物である請求項1又は請求項2に記載の安定化酵素組成物。
- 前記ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン置換エチレンジアミン化合物が、3000以上の平均分子量を有している請求項3に記載の安定化酵素組成物。
- 前記ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン置換エチレンジアミン化合物が、0.001〜10w/v%の範囲で含有せしめられている請求項3又は請求項4に記載の安定化酵素組成物。
- 多価アルコールを、更に含有している請求項1乃至請求項5の何れかに記載の安定化酵素組成物。
- ホウ素化合物を、更に含有している請求項1乃至請求項6の何れかに記載の安定化酵素組成物。
- 平均分子量が800〜100000のポリアルキレングリコール類を、更に含有している請求項1乃至請求項7の何れかに記載の安定化酵素組成物。
- 前記ポリアルキレングリコール類が、ポリエチレングリコールである請求項8に記載の安定化酵素組成物。
- 洗浄用酵素剤として用いられる請求項1乃至請求項9の何れかに記載の安定化酵素組成物。
- コンタクトレンズの洗浄に用いられる請求項1乃至請求項10の何れかに記載の安定化酵素組成物。
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